JP4802437B2 - 固体電解質型燃料電池及び感光性ペースト状組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体電解質型燃料電池及び感光性ペースト状組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体電解質型燃料電池のセルデザインとして、平板型、円筒型などが提案されている。
【0003】
平板型セルは、電力密度が高い利点を有している半面、燃料ガスと空気とを完全に分離するためのセパレータ及びセルとセパレータとの間のガスシールが必要になる。平板型セルでは、セルを構成する材料に圧力をかけることによりガスシールを施しているため、セルが振動、熱サイクルなどに対して脆弱であるなどの欠点があり、実用的ではない。
【0004】
円筒型セルとしては、円筒縦縞型、円筒横縞型などがある。これら円筒型セルは、ガスシール性に優れているが、電力密度が低く、しかも平板型セルに比べて構造がより複雑であるために、製造プロセスが複雑になり、コスト高になるという欠点を有している。
【0005】
上記従来の燃料電池に代わる新しい燃料電池として、電解質基板の同一平面上に空気極と燃料極とをある間隔で平行に配置し、ハイドロカーボンなどの燃料ガスと酸素ガスとの混合ガスを供給することで発電する電池が開発されている(例えば、特開平8−264195号公報など)。
【0006】
この電池は、表面導電型と呼ばれるものであり、燃料ガスと酸素ガスの混合ガスを利用できることからセパレータを要しないため、従来の平板型で問題の多かったガスシールが不必要となる。
【0007】
特開平8−264195号公報によれば、空気極及び燃料極は、通常、刷毛塗布法、スクリーン印刷法などで固体電解質基板上にプリントすることにより形成させている。しかしながら、刷毛塗布法では人手によるためパターン精度が悪く、量産性が低く、大面積化が困難などの観点から製造方法としては適さない。また、スクリーン印刷法ではスクリーンマスクパターン精度、スクイーズ硬度、印刷スピードなどの最適条件を採用しても電極パターン幅(空気極及び燃料極の間隔)を100μm以下に細くすることが困難であった。
【0008】
燃料極と空気極との電極間隔を狭めることにより、固体電解質型燃料電池の性能向上を図ることができるが、上記方法では燃料電池の性能向上が期待できない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、電解質基板上の同一平面上に、燃料極及び空気極を複数の微細パターンで形成させることのできるペースト状組成物を提供することにある。
【0010】
本発明の課題は、電解質基板上の同一平面上に、燃料極及び空気極を複数の微細パターンで形成させた固体電解質型燃料電池を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、セラミックス粉末及び感光性化合物を含有する特定の感光性ペースト状組成物を使用することにより、セラミックスからなる電解質基板上の同一平面上に、セラミックスからなる燃料極及びセラミックスからなる空気極を複数の微細パターンで形成させ得ることを見い出した。本発明は、斯かる知見に基づき完成されたものである。
1.セラミックス粉末及び感光性化合物を含有し、フォトリソグラフィ技術を適用して、燃料極及び空気極のパターンを形成し、焼成により、セラミックス成分のみで構成される燃料極及び空気極の形成に使用される固体電解質型燃料電池用感光性ペースト状組成物であって、前記セラミックス粉末は、(Ce,Sm)O 3 、(Ce,Gd)O 3 、(La,Sr)(Ga,Mg)O 3 、スカンジウム安定化ScSZ及びイットリア安定化YSZよりなる群から選ばれる少なくとも1種の電解質材料と酸化ニッケルとの混合物;又は(Sm,Sr)CoO 3 、(La,Sr)MnO 3 、(La,Sr)CoO 3 、(La,Sr)(Fe,Co)O 3 及び(La,Sr)(Fe,Co,Ni)O 3 よりなる群から選ばれる少なくとも1種のペロブスカイト型金属酸化物である、感光性ペースト組成物。
2.感光性化合物が、感光性モノマー、感光性オリゴマー及び感光性ポリマーからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む上記1に記載の感光性ペースト状組成物。
3.感光性モノマーが、少なくとも1つの重合可能な炭素−炭素不飽和結合を有する化合物である上記2に記載の感光性ペースト状組成物。
4.感光性オリゴマーが、上記3に記載のモノマーから得られるオリゴマーである上記2に記載の感光性ペースト状組成物。
5.上記1〜4のいずれかに記載の感光性ペースト状組成物をフォトレジストとして用いる燃料電池用電極の製造方法。
6.上記5に記載の製造方法により製造された燃料電池用電極を燃料極及び空気極として有し、且つ、電解質基板上の同一平面に、前記燃料極及び前記空気極が一対となって複数組配置されており、前記一対の燃料極及び空気極がともに平面矩形状で平行に配列されており、その両極間の距離が100μm以下であり、燃料ガスと酸素ガスとの混合ガスを供給することで発電する表面導電型の固体電解質型燃料電池。
7.燃料極及び空気極の線幅がそれぞれ10〜1000μmである上記6に記載の表面導電型の固体電解質型燃料電池。
8.燃料極及び空気極が等間隔で形成されている上記6に記載の表面導電型の固体電解質型燃料電池。
9.前記一対の燃料極及び空気極の両極間距離が10μm〜100μmである上記6に記載の表面導電型の固体電解質型燃料電池。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の感光性ペースト状組成物は、電極用セラミックス粉末及び感光性化合物を含有する。
【0013】
電極用セラミックス粉末は、形成しようとする電極の種類により異なる。
【0014】
燃料極を形成しようとする場合、電極用セラミックス粉末としては、一般にはNi金属の混合物が用いられ、具体的には(Ce,Sm)O3、(Ce,Gd)O3、(La,Sr)(Ga,Mg)O3、スカンジウム安定化ScSZ、イットリア安定化YSZなどの電解質材料と酸化ニッケルとの混合物などが挙げられ、好ましくはNi-YSZである。ここで酸化ニッケルとの混合形態は、物理的な混合形態であってもよいし、酸化ニッケルへの粉末修飾などの形態であってもよい。これらセラミック粉末は、1種又は2種以上混合して使用される。
【0015】
空気極を形成しようとする場合、電極用セラミックス粉末としては、一般にはペロブスカイト型金属酸化物が用いられ、具体的には(Sm,Sr)CoO3、(La,Sr)MnO3、(La,Sr)CoO3、(La,Sr)(Fe,Co)O3、(La,Sr)(Fe,Co,Ni)O3などが挙げられ、好ましくは(La,Sr)MnO3である。これらセラミック粉末は、1種又は2種以上混合して使用される。
【0016】
上記電極用セラミックス粉末の粒径は、通常数nm〜数十μm、好ましくは1〜10μm程度である。
【0017】
感光性化合物としては、公知のものを広く使用でき、例えば、感光性モノマー、感光性オリゴマー、感光性ポリマーなどが挙げられる。
【0018】
本発明において、感光性化合物は、光不溶化型(ネガ型)感光性化合物及び光可溶化型(ポジ型)感光性化合物の両方を包含する。
【0019】
感光性化合物としては、例えば、(1)不飽和基などの反応性官能基を有するモノマー及び/又はオリゴマーと光重合開始剤との混合物、(2)ジアゾ系アミンとホルムアルデヒドとの縮重合物などの、いわゆるジアゾ樹脂、(3)芳香族ジアゾ化合物、芳香族アジド化合物、有機ハロゲン化合物などの感光性化合物を含有するもの、(4)ナフトキノンジアジド系化合物、などが挙げられる。これらのうち、特に(1)が好適である。
【0020】
(1)につき、具体的に説明する。
【0021】
反応性官能基を有するモノマー(感光性モノマー)としては、少なくとも1つの重合可能な炭素−炭素不飽和結合を有する化合物を用いることができる。具体的には、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソデキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジアクリレート、グリセロールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリアクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジアクリレート、ジアリルフマレート、1,10−デカンジオールジメチルアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどのアクリレート化合物、上記のアクリレートをメタクリレートに変えたもの、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロリドン等が挙げられる。本発明では、上記の反応性モノマーを1種または2種以上の混合物として、あるいは、その他の化合物との混合物として使用することができる。
【0022】
反応性官能基を有するオリゴマー(感光性オリゴマー)としては、例えば上記感光性モノマーを用いて製造されるオリゴマーなどを挙げることができる。本発明では、これらオリゴマーを1種または2種以上の混合物として使用することができる。
【0023】
光重合開始剤としては、この分野において公知のものを広く使用できる。光重合開始剤の例として、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミン)ベンゾフェノン、α−アミノ・アセトフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエトキシアセトフォノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンズスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンジルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパン、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、n−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、カンファーキノン、四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾインなどが挙げられる。また、エオシン、メチレンブルー等の光還元性色素及びアスコルビン酸、トリエタノールアミン等の還元剤の混合物を光重合開始剤として用いることができる。本発明では、これらの光重合開始剤を1種または2種以上混合して使用することができる。
【0024】
上記感光性モノマー及び/又はオリゴマー並びに光重合開始剤は、電極用セラミックス粉末と共に配合されて感光性ペースト状組成物とされる。この際、感光性ペースト状組成物には、通常バインダー樹脂、有機溶剤などが配合される。
【0025】
バインダー樹脂としては、この分野において公知のものを広く使用できる。本発明においては、主にアルカリ現像型樹脂が使用され、例えばメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、sec-ブチルアクリレート、sec-ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ペンチルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−デシルアクリレート、n−デシルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニル−2−ピロリドン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸の二量体(例えば、東亜合成化学(株)製のM−5600)、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、これらの酸無水物等の1種以上からなるホモポリマーまたはコポリマー、エチルセルロース等のセルロース誘導体、上記コポリマーにグリシジル基または水酸基を有するエチレン性不飽和化合物を付加させたポリマーなどが挙げられる。
【0026】
有機溶剤は、感光性樹脂層形成のために配合される。使用される有機溶剤としては、この分野において公知のものを広く使用でき、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類;α−もしくはβ−テルピネオールなどのテルペン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどの酢酸エステル類などが挙げられる。
【0027】
感光性ペースト状組成物中の固形分濃度は、塗工性などを考慮に入れると、通常70〜90重量%程度である。固形分中に含まれるセラミックス粉末の量は、固形分全量に対して通常65〜90重量%程度、感光性モノマー及び/又はオリゴマーの量は、固形分全量に対して通常5〜25重量%程度、光重合開始剤の量は、固形分全量に対して通常0.1〜10重量%程度である。
【0028】
更に、感光性ペースト状組成物には、その他の添加剤として、可塑剤、分散剤、沈降防止剤、消泡剤、剥離剤、レベリング剤、増感剤、重合停止剤、連鎖移動剤、安定剤、増粘剤などが必要に応じて配合される。
【0029】
可塑剤としては、公知のものを広く使用でき、例えばジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−n−オクチルフタレートなどのノルマルアルキルフタレート類;ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソノニルフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレートなどのフタル酸エステル類;トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート、トリ−n−アルキルトリメリテート、トリイソノニルトリメリテート、トリイソデシルトリメリテートなどのトリメリット酸エステル;ジメチルアジペート、ジブチルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジブチルジグリコールアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアゼテート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルマレート、アセチル−トリ−(2−エチルヘキシル)シトレート、アセチル−トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリブチルシトレートなどの脂肪族二塩基酸エステル類;ポリエチレングリコールベンゾエート、トリエチレングリコール−ジ−(2−エチルヘキソエート)、ポリグリコールエーテルなどのグリコール誘導体;グリセロールトリアセテート、グリセロールジアセチルモノラウレートなどのグリセリン誘導体;セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸などからなるポリエステル系、分子量300〜3000の低分子量ポリエーテル;分子量300〜3000の低分子量ポリ−α−スチレン;分子量300〜3000の低分子量ポリスチレン;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェートなどの正リン酸エステル類;メチルアセチルリシノレートなどのリシノール酸エステル類;ポリ−1,3−ブタンジオールアジペート;エポキシ化大豆油などのポリエステル・エポキシ化エステル類;グリセリントリアセテート、2−エチルヘキシルアセテートなどの酢酸エステル類などを挙げることができる。
【0030】
分散剤ないし沈降防止剤としては、セラミックス粉末の分散性、沈降防止性の向上を目的とするものであり、例えば、リン酸エステル系、シリコーン系、ひまし油エステル系、各種界面活性剤などが挙げられる。
【0031】
消泡剤としては、例えば、シリコーン系、アクリル系、各種界面活性剤などが挙げられる。
【0032】
剥離剤としては、例えば、シリコーン系、フッ素油系、パラフィン系、脂肪酸系、脂肪酸エステル系、ひまし油系、ワックス系、コンパウンドタイプなどが挙げられる。
【0033】
レベリング剤としては、例えば、フッ素系、シリコーン系、各種界面活性剤などが挙げられる。
【0034】
これらの添加剤は、それぞれ適量添加することができる。
【0035】
感光性ポリマーとしては、例えばポジ型感光性ポリマーなどが挙げられる。ポジ型感光性ポリマーとしては、公知のものを広く使用でき、例えば、ノボラック樹脂、ポリメチルビニルケトン、ポリビニルフェニルケトン、ポリスルホン、p−ジアゾジフェニルアミン・パラホルムアルデヒド縮重合物などのジアゾニウム塩類、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸イソブチルエステルなどのキノンジアジド類、ポリメチルメタクリレート、ポリフェニルメチルシラン、ポリメチルイソプロペニルケトンなどが挙げられる。これらのポジ型感光性ポリマーは、例えば、NPR9100(ナガセ電子化学(株)製)、OFPR800(東京応化工業(株)製)などとして市場から容易に入手できる。
【0036】
感光性ペースト状組成物に、電極用セラミックス粉末及び感光性ポリマーを配合する場合、必要に応じて、例えば重合禁止剤などの保存安定剤、染料、顔料、酸化防止剤、消泡剤、界面活性剤などを適宜添加することができる。
【0037】
本発明の感光性ペースト状組成物の粘度は、該組成物に配合される増粘剤、有機溶媒、可塑剤、その他の添加剤などの量によって適宜調整され、その粘度範囲は、通常200〜10万cpである。
【0038】
次に、本発明の感光性ペースト状組成物の製造方法につき説明する。
【0039】
本発明の感光性ペースト状組成物は、例えばセラミックス粉末、感光性化合物、光重合開始剤などの各種成分を所定割合で調合した後に、均質に混合することにより製造される。混合には、例えば三本ロール、ボールミル等の公知の混合機、混練機などが用いられる。
【0040】
本発明の感光性ペースト状組成物を使用すれば、フォトリソグラフィ技術を適用して基板上に微細なパターニングを形成させることが可能となる。ここでフォトリソグラフィ技術とは、フォトマスクを用いた露光、現像によるによるパターン形成、マスクレスなレーザー描画露光、現像によるパターン形成などをいう。
【0041】
本発明の感光性ペースト状組成物を用いてパターンを形成するには、例えば以下に示す方法に従えばよい。
【0042】
例えば、セラミックス基板上に本発明組成物を全面ないし部分的に塗布する。塗布方法としては、スクリーン印刷法、スピンコート法、ドクターブレード法、ダイコート法、ナイフコート法などの公知の塗布方法が挙げられる。塗布厚みは、ペースト状組成物の粘度、スクリーンメッシュ、ペースト状組成物の塗布量などによって適宜調整される。
【0043】
セラミックス基板の材料は、例えば、前記セラミック粉末を用いて板状に成型したものなどを挙げることができる。セラミックス基板材料は、燃料極を構成するセラミックスと同一であってもよいし、空気極を構成するセラミックスと同一であってもよいし、これらセラミックスの混合物であってもよい。
【0044】
ペースト状組成物を塗布後、乾燥により有機溶媒を除去し、露光装置を用いて露光を行う。露光は通常のフォトリソグラフィで行われるように、フォトマスクを用いてマスク露光する方法が挙げられる。マスク露光するときには、感光性化合物の種類に応じて、ネガ型またはポジ型のどちらかを選択する。所望のパターンを有するフォトマスクを通して、このペースト状組成物による塗膜を露光後、現像すれば、所望のパターンが固体電解質基板上に形成される。
【0045】
露光後、ネガ型感光性化合物では非露光部分を、ポジ型感光性化合物では露光部分を現像液にて除去する。この場合、スプレー法、浸漬法などによって現像処理を行う。現像後、エアブロー、ドライヤなどの乾燥機にて乾燥し、焼成炉中にて昇温下焼成を行う。焼成温度としては、電極用セラミックス材料により異なるが、通常800〜1700℃で焼成を行う。空気極を形成する場合、焼成温度は800〜1300℃が好ましく、燃料極を形成する場合、焼成温度は1000〜1700℃が好ましい。焼成後得られる電極膜厚は、5〜30μm、好ましくは10〜20μmである。
【0046】
この電極パターン膜は、焼成によりによりセラミックス成分のみで構成されたものとなり、これらが燃料極および空気極の電極として機能する。
【0047】
またフォトマスクを用いてマスク露光するのではなく、レーザーなどで直接描画する描画露光によって、用いたレーザー波長に感光して高精度な微細パターンを形成することも可能である。
【0048】
この場合、レーザー光源としては、例えば、KrFレーザー、紫外線レーザー、アルゴンイオンレーザーなどの可視光レーザー、半導体レーザーなどを用いることができる。この手法によればフォトマスクを用いないためフォトマスクに関するトラブルを避けることができる。
【0049】
このようにして、セラミックスからなる電解質基板上の同一平面に、セラミックスからなる燃料極及び空気極が一対となって配置されている固体電解質型燃料電池であって、前記一対の燃料極及び空気極が複数の微細パターンから形成されている固体電解質型燃料電池が製造される。
【0050】
本発明の燃料電池において、燃料極の線幅及び空気極の線幅がそれぞれ通常10〜1000μm程度、好ましくは50〜500μm程度、より好ましくは50〜250μm程度である。
【0051】
本発明の燃料電池は、燃料極及び空気極が等間隔で形成されているのが好ましい。
【0052】
本発明の固体電解質型燃料電池は、前記一対の燃料極及び空気極が共に平面矩形状で平行に配列されており、その両極間の距離が500μm以下であるのが好ましく、両極間の距離が10μm〜100μmであるのがより好ましい。
【0053】
また、燃料極及び空気極の長さは、線幅、両極間の距離、材質等にもよるが、500μm以上が好ましく、1〜10mm程度がより好ましい。
【0054】
【発明の効果】
本発明の感光性ペースト状組成物を用いることにより、セラミックス基板上に、電極のパターン形成を高精度で行うことができる。これによって、固体電解質型燃料電池の電極(燃料極及び空気極)を微細に形成することが可能となり、特に、パターン精度の向上、量産性の向上、大面積化が可能となる。
【0055】
本発明の燃料電池は、セラミックス基板上に空気極及び燃料極を形成し、その基板付近で電池反応を起こすシステムである。そのために、セラミックス基板を厚くしても電池性能を高性能に維持できるため、燃料電池の耐振動性を向上させることができる。
【0056】
本発明によれば、耐振動性に優れた固体電解質型燃料電池の製造が可能となり、移動体への搭載が期待できる。
【0057】
【実施例】
以下に実施例を掲げて、本発明をより一層明らかにする。
【0058】
実施例1(燃料極用ペースト状組成物の製造)
セラミックス成分:
NiO粉末(1〜10μm、平均7μm) 28重量部
SDC((Ce,Sm)O3)粉末(10〜50μm、平均30μm) 42重量部
有機成分:
メタクリル酸メチル−メタクリル酸共重合体 5.0重量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 5.8重量部
2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−
2−モルフォリノプロパン−1−オン 1.5重量部
エチルカルビトール 17.7重量部
有機成分各成分を加熱溶解させ、その中にセラミックス成分を添加し、3本ロールにて湿式粉砕することにより燃料極用ペースト状組成物を作成した。粘度は、スクリーン印刷に適した50000cPとした。
【0059】
実施例2(空気極用ペースト状組成物の製造)
セラミックス成分:
SSC((Sm,Sr)CoO3)粉末(0.1〜10μm、平均3μm) 70重量部
有機成分:
メタクリル酸メチル−メタクリル酸共重合体 5.0重量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 5.8重量部
2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−
2−モルフォリノプロパン−1−オン 1.5重量部
エチルカルビトール 17.7重量部
有機成分各成分を加熱溶解させ、その中にセラミックス成分を添加し、3本ロールにて湿式粉砕することにより空気極用ペースト状組成物を作成した。粘度は、スクリーン印刷に適した50000cPとした。
【0060】
実施例3(燃料電池の製造)
15mm角の電解質基板(SDC基板)上に、実施例1で得られた燃料極用ペースト状組成物をスクリーン印刷による塗布によって、塗布厚み15μmになるように塗布を行ったあと、90℃で1時間乾燥した。その後、このペースト状塗膜にマスクを通して、超高圧水銀灯光線を1000mJ/cm2照射することによって、ペースト状塗膜を露光処理した。この際、マスクとして、ピッチ150μm、線幅50μmとなるようなストライプ状の燃料極電極パターン形成が可能となるようなマスクを用いた。露光後、炭酸ナトリウム0.5重量%水溶液にて現像を行った。さらに、該電解質基板を1400℃、大気中にて1時間焼成した。このとき得られた電極膜厚は10μmであった。
【0061】
次いで、得られた電解質基板上に、実施例2で得られた空気極用ペースト状組成物をスクリーン印刷によって塗布厚み15μmになるように塗布を行ったあと、90℃で1時間乾燥した。その後、このペースト状塗膜に上記と同様のマスクを通して、超高圧水銀灯光線を1000mJ/cm2照射することによって、ペースト状塗膜を露光処理した。この際、先に形成した燃料極のピッチ内に、燃料極と空気極との距離が50μmとなるように空気極(線幅50μm)が形成されるようにマスク位置を調整の後、露光処理を行った。露光後、炭酸ナトリウム0.5重量%水溶液にて現像を行った。さらに、該電解質基板を900℃、大気中にて1時間焼成した。このとき得られた電極膜厚は10μmであった。
【0062】
上記で得られた燃料電池の電極について、顕微鏡観察によって線幅、電極ピッチの測定、ストライプ状部分での断面形状の評価を行った。
【0063】
その結果、燃料極、空気極ともに線幅50μmと設定値どおりであった。電極ピッチは燃料極と空気極間が50μmと設定値どおりとなっており、所望のパターン電極を得ることができた。
【0064】
また断面形状は、電極表面の中央と端部付近での線幅のばらつきなく矩形状を呈していた。
Claims (9)
- セラミックス粉末及び感光性化合物を含有し、フォトリソグラフィ技術を適用して、燃料極及び空気極のパターンを形成し、焼成により、セラミックス成分のみで構成される燃料極及び空気極の形成に使用される固体電解質型燃料電池用感光性ペースト状組成物であって、前記セラミックス粉末は、(Ce,Sm)O 3 、(Ce,Gd)O 3 、(La,Sr)(Ga,Mg)O 3 、スカンジウム安定化ScSZ及びイットリア安定化YSZよりなる群から選ばれる少なくとも1種の電解質材料と酸化ニッケルとの混合物;又は(Sm,Sr)CoO 3 、(La,Sr)MnO 3 、(La,Sr)CoO 3 、(La,Sr)(Fe,Co)O 3 及び(La,Sr)(Fe,Co,Ni)O 3 よりなる群から選ばれる少なくとも1種のペロブスカイト型金属酸化物である、感光性ペースト組成物。
- 感光性化合物が、感光性モノマー、感光性オリゴマー及び感光性ポリマーからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む請求項1に記載の感光性ペースト状組成物。
- 感光性モノマーが、少なくとも1つの重合可能な炭素−炭素不飽和結合を有する化合物である請求項2に記載の感光性ペースト状組成物。
- 感光性オリゴマーが、請求項3に記載のモノマーから得られるオリゴマーである請求項2に記載の感光性ペースト状組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の感光性ペースト状組成物をフォトレジストとして用いる燃料電池用電極の製造方法。
- 請求項5に記載の製造方法により製造された燃料電池用電極を燃料極及び空気極として有し、且つ、電解質基板上の同一平面に、前記燃料極及び前記空気極が一対となって複数組配置されており、前記一対の燃料極及び空気極がともに平面矩形状で平行に配列されており、その両極間の距離が100μm以下であり、燃料ガスと酸素ガスとの混合ガスを供給することで発電する表面導電型の固体電解質型燃料電池。
- 燃料極及び空気極の線幅がそれぞれ10〜1000μmである請求項6に記載の表面導電型の固体電解質型燃料電池。
- 燃料極及び空気極が等間隔で形成されている請求項6に記載の表面導電型の固体電解質型燃料電池。
- 前記一対の燃料極及び空気極の両極間距離が10μm〜100μmである請求項6に記載の表面導電型の固体電解質型燃料電池。
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