JP4803068B2 - 半導体モジュール - Google Patents
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Description
この半導体モジュールでは、第1バスバーと第2バスバーの配線インダクタンスによって、スイッチング時にサージ電圧が発生する。特に、ハイブリッド自動車等の大電圧下で使用される半導体モジュールでは、発生するサージ電圧も大きくなる。大きなサージ電圧がスイッチング素子に印加されると、スイッチング素子の破壊等の要因となる。そこで、スイッチング時に発生するサージ電圧を低減する方法が開発されている(例えば、特許文献1)。
なお、セラミックス体は、高温下に置かれると、膨張や反り等の熱変形が発生する。セラミックス体の変形が正極側配線導体及び負極側配線導体によって拘束されると、熱変形によってセラミックス体が破損する虞がある。セラミックス体が破損すると、その割れ目に埃や水分が付着しやすくなる。これにより、正極側配線導体と負極側配線導体とが短絡してしまう。また、負極側配線導体と正極側配線導体が熱変形する場合がある。この場合も、セラミックス体に応力が作用し、セラミックス体が破損する虞が生じる。
そこで、特許文献1の正極側配線導体と負極側配線導体は、セラミックス体の熱膨張係数に近い熱膨張係数を有する材料で作製されている。また、正極側配線導体と負極側配線導体は、板厚の薄い薄板形状とされる。そのため、セラミックス体が熱変形すると、その変形に伴って正極側配線導体と負極側配線導体も容易に変形することができる。また、正極側配線導体と負極側配線導体が熱変形しても、セラミックス体に作用する応力は小さい。これらによって、セラミックス体が破損することが防止されている。
また、本明細書で開示される半導体モジュールは、一対のスイッチング部と、一方のスイッチング部と接続されると共に電源の正極側に接続される第1バスバーと、他方のスイッチング部と接続されると共に電源の負極側に接続される第2バスバーと、各スイッチング部と接続されると共に外部装置に接続される第3バスバーと、第1バスバーと第2バスバーとの間に配置された絶縁体と、を備えている。そして、絶縁体内には、少なくともその長手方向に間隔を空けて複数の誘電性の平板状セラミックス体が配置されている。
また、複数のセラミックス体を用いることで、各セラミックス体の、絶縁体の長手方向の長さとそれに直交する方向の長さの比率(アスペクト比)を小さくすることができる。このため、各セラミックス体が熱変形しても、その変形量は小さく、また、剛性も上がるため、セラミックス体が破損することが防止される。また、複数のセラミックス体は、絶縁体の長手方向に間隔を空けて配列されている。そのため、第1バスバー及び第2バスバーが熱変形して、長手方向に沿って大きく変形しても、隣り合うセラミックス体の位置関係が変わることによって、セラミックス体自体に高い応力が作用することが抑えられる。これらによって、セラミックス体の破損を防止することができる。
なお、絶縁体は、その長手方向及び第1バスバーと第2バスバーとの隙間方向に直行する方向にも、所定の間隔を空けて複数のセラミックス体を配置してもよい。
なお、誘電性のセラミックス体と第1樹脂層と第2樹脂層は、インサート成形によって一体化して形成することができる。あるいは、誘電性のセラミックス体の一方の面に樹脂シート(樹脂層)を貼着し、他方の面に樹脂シート(樹脂層)を貼着するようにしてもよい。
(形態1) 第1バスバー、第2バスバー及び第3バスバーは、インサート成形によってハウジングに一体化される。
(形態2) 絶縁体(セラミックス体と樹脂層)は、インサート成形によってハウジングに一体化される。
(形態3) 絶縁体(セラミックス体と樹脂層)は、インサート成形によってハウジングに一体化された第1バスバーと第2バスバーとの間に挿入される。
(形態4) セラミックス体は、チタン酸バリウム(BaTiO3)又はチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)で作製されている。
図1〜3に示すように、半導体モジュール10は、ハウジング40に一体化された第1バスバー30、第2バスバー20及び第3バスバー24と、絶縁体14を備えている。
図3によく示されるように、第1バスバー30は、その長手方向が前後方向に伸びる第1支持板部30aと、第1支持板部30aと平行に伸びる第1上板部30cと、第1上板部30cに垂直に立設された第1挟持板部30dと、第1支持板部30aと第1上板部30cとを連接する第1連接板部30bを有している。第1挟持板部30dは、第1支持板部30aの長手方向の全長と略同一の長さを有している。第1挟持板部30dは、第1上板部30cの右端(図3の右側)に立設されている。第1連接板部30bは、第1支持板部30aの後端から側方(図3の右側)に伸びてから垂直上方(図3の上方)に向かって折れ曲がっており、その上端が第1上板部30cに接続されている。第1支持板部30a、第1連接板部30b、第1上板部30c及び第1挟持板部30dは、導電性の金属によって一体で作製されている。
樹脂部14bは、隣接するセラミックス体14aの間、セラミックス体14aと第1挟持板部30dとの間、及び、セラミックス体14aと第2挟持板部20bとの間に配されている。複数のセラミックス体14aは、インサート成形によって樹脂部14bに一体化されている。
放熱板42上には、台座40aの右側にスイッチング部50が取り付けられている。スイッチング部50は、スイッチング素子51と基板54を有している。基板54には、配線(図示省略)が設けられている。基板54に設けられた配線の一端は、ワイヤ36を介して第3バスバー24の第3支持板部24aに接続されている。詳しくは、第3バスバー24の第3支持板部24aの露出面に、ワイヤ36の一端がワイヤボンディングによって接着されている。ワイヤ36の他端は、基板54の配線に接続されている。基板54上には、スイッチング素子51が取り付けられている。スイッチング素子51は、基板54に設けられた配線の他端に接続されている。スイッチング素子51は、第2バスバー20の第2支持板部20aとワイヤ26を介して接続されている。詳しくは、第2バスバー20の第2支持板部20aの露出面に、ワイヤ26の一端がワイヤボンディングによって接着されている。ワイヤ26の他端は、スイッチング素子51に接続されている。
半導体モジュール10に直流電圧が供給され、スイッチング素子51,53がスイッチングを行うと、第1バスバー30と第2バスバー20の配線インダクタンスによって、サージ電圧が発生する。半導体モジュール10では、第1バスバー30と第2バスバー20の間(詳しくは、第1挟持板部30dと第2挟持板部20bの間)に絶縁体14が配置されている。第1バスバー30、第2バスバー20及びこれらの間に配置されている絶縁体14のセラミックス体14aは、コンデンサの役割を有している。発生したサージ電圧は、絶縁体14に放電される。これにより、サージ電圧を低減することができる。
また、半導体モジュール10が高温下で使用されると、セラミックス体14a自体も変形する。セラミックス体14a自体に変形が生じると、その周りに配置された樹脂部14bが変形する。つまり、セラミックス体14aの変形は、樹脂部14bによって許容されており、第1挟持板部30dや第2挟持板部20bによって拘束される程度が軽減されている。これにより、セラミックス体14aが破損することを防止することができる。
絶縁体100は、第1バスバー30の第1挟持板部30dと第2バスバー20の第2挟持板部20bとの間に配置されている。絶縁体100は、複数の誘電性のセラミックス体100aと、複数のセラミックス体100aの両側に配置された一対の樹脂シート100bを有している。各セラミックス体100aは、絶縁体100の長手方向、即ち、第2挟持板部20b及び第1挟持板部30dの長手方向に所定の間隔を空けて配置されている。セラミックス体100aは、セラミックス体14aと同様に平板形状を有している。各セラミックス体100aは、同一の形状を有している。各セラミックス体100aの一方の面には樹脂シート100bが貼着(接着)され、各セラミックス体100aの他方の面には樹脂シート100bが貼着(接着)されている。一方の樹脂シート100bは、セラミックス体100aと第1挟持板部30dとの間に配置され、他方の樹脂シート100bは、セラミックス体100aと第2挟持板部20bとの間に配置されている。絶縁体100を用いても、絶縁体14と同等の効果を得ることができる。なお、絶縁体100は、一方の樹脂シート100bにセラミックス体100aの一方の面を貼着し、セラミックス体100aの一方の面に対向する他方の面に他方の樹脂シート100bを貼着して作製する。また、絶縁体100は、バスバーをハウジング40にインサート成形した後、第1挟持板部30dと第2挟持板部20bとの間に配置される。
図6によく示されるように、第1バスバー230は、その長手方向が前後方向に伸びる第1支持板部230aと、第1支持板部230aと平行に伸びる第1挟持板部230cと、第1支持板部230aと第1挟持板部230cとを連接する第1連接板部230bを有している。第1挟持板部230cは、第3バスバーの第3支持板部24aと平行に配置されている。第1連接板部230bは、第1支持板部230aの後端から側方(図6の右側)に伸びてから垂直上方(図6の上方)に向かって折れ曲がっており、その上端が第1挟持板部230cに接続されている。第1支持板部230aと第1連接板部230bと第1挟持板部230cは、導電性の金属によって一体で作製されている。
また、セラミックス体214aは樹脂部214bで覆われている。したがって、半導体モジュール10の絶縁体14と同様に、第1バスバー230、第2バスバー220及びセラミックス体214aの変形は、樹脂部214bが変形されることによって吸収される。これにより、セラミックス体214aの破損を防止することができる。
図7は、コンデンサ容量を変化させて、半導体モジュール10に発生するサージ電圧を算出した計算結果を示すグラフである。図7の横軸はコンデンサ容量を示しており、縦軸はサージ電圧を示している。ここで、半導体モジュール10には、650Vの直流電圧を付加した。
図7の算出点300は、コンデンサ容量が0.001μFのときに発生するサージ電圧であり、コンデンサ容量0.001μFは第1挟持板部30dと第2挟持板部20bとの間にPPS樹脂を配置した場合のコンデンサ容量に相当する。算出点302は、コンデンサ容量0.15μFのときに発生するサージ電圧であり、コンデンサ容量0.15μFは第1挟持板部30dと第2挟持板部20bとの間に絶縁体14を配置した場合のコンデンサ容量に相当する。
図7に示すように、コンデンサ容量が増加するに従って、サージ電圧は低くなる。そして、絶縁体14を配置した(計測点302)半導体モジュール10では、PPS樹脂を配置した(計測点300)場合に比べて、サージ電圧が半分以下に低減している。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は、複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
14:絶縁体
14a:セラミックス体
14b:樹脂部
20:第2バスバー
24:第3バスバー
26,28,36,38:ワイヤ
30:第1バスバー
40:ハウジング
50,52:スイッチング部
51,53:スイッチング素子
54,56:基板
100:絶縁体
Claims (2)
- 一対のスイッチング部と、
一方のスイッチング部と接続されると共に電源の正極側に接続される第1バスバーと、
他方のスイッチング部と接続されると共に電源の負極側に接続される第2バスバーと、
各スイッチング部と接続されると共に外部装置に接続される第3バスバーと、
第1バスバーと第2バスバーとの間に配置された絶縁体と、を備えており、
絶縁体内には、複数の誘電性の平板状のセラミックス体が、少なくとも絶縁体の長手方向に並んで配置されており、
各セラミックス体は、隣接するセラミックス体と離間して配置されている半導体モジュール。 - 絶縁体は、各セラミックス体と第1バスバーの間に配置された第1樹脂層と、各セラミックス体と第2バスバーの間に配置された第2樹脂層をさらに有していることを特徴とする請求項1に記載の半導体モジュール。
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