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JP4809008B2 - 粘着剤付き断熱板及びそれを用いた断熱工法 - Google Patents
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Description

本発明は、建築構造物の躯体等に取り付けられる粘着剤付き断熱板及びそれを用いた構造物の断熱工法に関する。
建築構造物の躯体等に断熱板を取り付けるに際して、仮止めを必要とする場合には、粘着剤を予め塗布してある粘着剤付き断熱板を用いることがある。従来の粘着剤付き断熱板は、粘着剤を断熱板の片面全面にベタで塗布したり、ストライプ状等に片面全面に均一に塗布し、この粘着剤塗布面を離型紙で覆って、建築現場等にて離型紙を剥がして躯体等に仮固定される。
例えば特許文献1、2には、RCやSRC構造物の床や屋根スラブを断熱施工するに際し、デッキプレートを下型枠として敷設し、その上に粘着剤付き断熱板を貼り付けて仮止めした後、配筋してコンクリートを打設する断熱スラブの構築工法が開示されている。
上記のような粘着剤付き断熱板を用いることにより、特に合成樹脂発泡体製のような軽量な断熱板であっても風で飛ばされたり、位置ずれを起こすことがなく、現場での施工効率を高めることができる。また、粘着剤塗布面を離型紙で覆っているため、断熱板を山積みにして保管・搬送等することもできる。
特開平6−212722号公報 特開平7−54433号公報
しかしながら、従来の粘着剤付き断熱板では、断熱板毎に1枚づつ離型紙を使用するため、離型紙の費用及び現場での離型紙処理に費用がかかるためコスト高になるという問題があった。
そこで本発明は、離型紙レスであっても山積みにして保管・搬送等し得る新規な粘着剤付き断熱板、断熱板集合体、更にはかかる粘着剤付き断熱板を用いた断熱工法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成すべく成された本発明の構成は、以下の通りである。
すなわち、本発明は、断熱板の片面に粘着剤の塗布パターンを有する粘着剤付き断熱板であって、前記塗布パターンは、スパイラルスプレー方式で塗布されたものであって、塗布高さの異なる低部塗布領域と高部塗布領域を有していることを特徴とする
また、本発明の断熱板集合体は、上記本発明の粘着剤付き断熱板の複数枚を、粘着剤塗布面と粘着剤非塗布面とを粘着させて一体化したことを特徴とする。
また、本発明の別の断熱板集合体は、上記本発明の2枚の粘着剤付き断熱板を、粘着剤塗布面同士を粘着させて一体化したことを特徴とする。この場合、前記2枚の粘着剤付き断熱板の粘着剤の塗布パターンが重ならないことが好ましい。
また、本発明の断熱板集合体においては、前記粘着剤付き断熱板同士が、実質的に前記高部塗布領域の粘着剤のみで粘着されていることが好ましい。
また、本発明は、構造物に断熱板を取り付ける際に、断熱板の仮止めを必要とする断熱工法において、被粘着部材に、上記本発明の断熱板集合体から分離された粘着剤付き断熱板を、前記低部塗布領域と高部塗布領域の双方の粘着剤によって粘着させ、仮止めすることを特徴とする。
本発明の粘着剤付き断熱板によれば、粘着剤の塗布パターンが、塗布高さの異なる低部塗布領域と高部塗布領域を有しているため、比較的小さな圧力を加えた場合には一部の粘着剤(高部塗布領域の粘着剤)による小さな粘着力をもって粘着させ、比較的大きな圧力を加えた場合には低部塗布領域と高部塗布領域の双方の粘着剤による大きな粘着力をもって粘着させることができる。このため、比較的小さな圧力を加えて一部の粘着剤(高部塗布領域の粘着剤)によって粘着剤付き断熱板同士を粘着させることにより、後に容易に断熱板を分離して使用できる断熱板集合体を構成することができる。また、構造物の断熱施工に際しては、断熱板集合体から分離された粘着剤付き断熱板に比較的大きな圧力を加えることで、被粘着部材に低部塗布領域と高部塗布領域の双方の粘着剤によって断熱板を粘着させて、十分な仮止め力を得ることができる。
したがって、本発明によれば、離型紙を要することなく粘着剤付き断熱板を山積みにして保管・搬送することができ、粘着剤付き断熱板の生産コストを削減できると共に、断熱施工の現場においても離型紙の処理(剥離および廃棄処理)を必要としない為、施工コストを削減することができ、二重のコスト削減効果を有する。
以下、本発明の実施形態例を図面に基づいて説明するが、本発明はかかる形態例に限定されるものではない。
図1は本発明の粘着剤付き断熱板の一例を示す平面図である。この粘着剤付き断熱板10は、断熱板11の片面に粘着剤の塗布パターン12を有するものである。
断熱板11としては、断熱性に優れかつ軽量なものが好ましく、具体的には、例えばポリスチレン系発泡体,ポリエチレン系発泡体,ポリプロピレン系発泡体,ポリウレタン系発泡体,フェノール系発泡体等の合成樹脂発泡体が好適である。
粘着剤(感圧接着剤)の種類は特に限定されるものではなく、例えばアクリル系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン粘着剤等を用いることができる。
本例の粘着剤の塗布パターン12は、スパイラルスプレー方式で塗布されたものである。このスパイラルスプレー方式とは、旋回する気流の中心から粘着剤を吐出することにより、粘着剤を螺旋状に繊維化して、走行する被塗布物(断熱板11)に螺旋状の塗布パターンで塗布するものであり、例えば特開昭63−283774号公報、特開平11−244774号公報、特開2000−343006号公報等に示されており、紙おむつ等の製造などで一般的に利用されているものである。
図2は本例の粘着剤の塗布パターン12を模式的に示す拡大図である。スパイラルスプレー方式で塗布された螺旋の交点では他の部分の倍の粘着剤が塗布されることになり、塗布高さの高い高部塗布領域12bとなり、これらは図示のように散点状に分布することになる。一方、高部塗布領域12b以外の部分は、塗布高さの低い低部塗布領域12aとなる。このようにスパイラルスプレー方式を用いることにより、塗布高さの異なる低部塗布領域12aと高部塗布領域12bを有する塗布パターン12を一筆書きのようにして極めて簡単に形成することができる。また、螺旋の大きさ及び被塗布物(断熱板11)の走行速度等を適宜設定することにより、低部塗布領域12aと高部塗布領域12bの割合及び配置を任意に設定することができる。
本発明において、断熱板の面積に対する粘着剤の塗布面積(低部塗布領域12aと高部塗布領域12bの面積の和)の割合、および接着剤の塗布面積に対する高部塗布領域12bの面積の割合は、本発明の断熱工法において被粘着部材に断熱板を仮止めする際に必要とされる粘着力、および本発明の断熱板集合体を構成する際に必要とされる粘着力を考慮して適宜設計することができる。
断熱板の面積に対する粘着剤の塗布面積の割合は、粘着剤の種類などにもよるが、通常は2〜20%程度が好ましい。この割合が2%未満であると、本発明の断熱工法において被粘着部材に断熱板を仮止めする際に十分な仮止め力を得るのが難しくなる。一方、20%を超えると、必要以上の粘着剤の使用によるコストの増大を招く。
また、接着剤の塗布面積に対する高部塗布領域12bの面積の割合は、これも粘着剤の種類などにもよるが、通常は5〜50%程度が好ましい。この割合が5%未満であると、多数枚の粘着剤付き断熱板を山積みにして保管・搬送しているうちに、高部塗布領域12bの分布状態にもよるが、高部塗布領域12bだけではなく低部塗布領域12aの粘着剤によっても粘着されて過剰な粘着力で粘着され易くなり、断熱板を分離して使用する際に、断熱板の一部が破損し易くなる。一方、50%を超えると、本発明の断熱板集合体を構成する際に、高部塗布領域12bの粘着剤だけで粘着しても、過剰な粘着力で粘着され易くなり、先と同様、断熱板を分離して使用する際に、断熱板の一部が破損し易くなる。
本発明の断熱板集合体は、上記のような粘着剤付き断熱板同士を粘着させて一体化したものであり、その構成例を図3及び図4に示す。これらの図において、(a)は全体斜視図、(b)は粘着の状態を説明するための模式図である。
図3(a)の断熱板集合体30は、上述したような構成を有する本発明の9枚の粘着剤付き断熱板31と、粘着剤の塗布されていない1枚(最上部の1枚)の断熱板32との集合体であり、図3(b)に示すように粘着剤塗布面33と粘着剤非塗布面34とを粘着させて一体化されている。
図4(a)の断熱板集合体40は、上述したような構成を有する本発明の2枚の粘着剤付き断熱板41、42の集合体であり、粘着剤塗布面同士を粘着させて一体化されている。このように粘着剤塗布面同士を粘着させる場合には、図4(b)に示すように、粘着剤付き断熱板41の塗布パターン43と、粘着剤付き断熱板42の塗布パターン44が重ならないようにするのが好ましい。
本発明の粘着剤付き断熱板では、粘着剤の塗布パターンが、塗布高さの異なる低部塗布領域12aと高部塗布領域12bを有しているため、比較的小さな圧力を加えることにより、図3(b)及び図4(b)に示すように、実質的に高部塗布領域12bの粘着剤のみによって断熱板同士を粘着させることができる。なお、図3(b)及び図4(b)の例では、低部塗布領域12aが相手側の断熱板から完全に離れているが、部分的には接していても構わない。
以上のようにして複数の粘着剤付き断熱板が一体化された断熱板集合体では、現場において容易に断熱板を剥離して使用することができる。つまり、塗布された一部の接着剤(高部塗布領域12b)による小さな粘着力をもって断熱板同士を粘着させているため、剥離時に断熱板を破損することなく簡単に分離することができる。特に、高部塗布領域12bが散点状に分布しているものでは、極めて良好に分離することができる。
次に、本発明の断熱工法を説明する。
本発明の断熱工法は、例えば、特許文献1、2に記載されているようなRCやSRC構造物の床や屋根スラブの断熱施工のように、デッキプレートを型枠として敷設し、この上に断熱板を敷き込む際に、断熱板が風で飛ばされたり、位置ずれを起こさないように、断熱板の仮止めを必要とする工法であり、被粘着部材(上記の例ではデッキプレート)に、上述した本発明の断熱板集合体から分離された粘着剤付き断熱板を、低部塗布領域12aと高部塗布領域12bの双方の粘着剤によって粘着させ、仮止めするものである。
本発明の断熱板集合体から分離された粘着剤付き断熱板では、低部塗布領域12aの粘着剤はほとんど製造時の状態のままで初期の粘着力をそのまま保持している。また、高部塗布領域12bの粘着剤は若干潰れた状態となるものの粘着力を保持している。そして、図5に示すように、比較的大きな圧力(断熱板集合体を形成する際に加える圧力よりも大きな圧力)を加えて、粘着剤付き断熱板50を被粘着部材51に粘着させると、低部塗布領域12aと高部塗布領域12bの双方の粘着剤によって粘着させて、十分な仮止め力を得ることができる。
以上のように、本発明によれば、離型紙を要することなく粘着剤付き断熱板を山積みにして保管・搬送することができ、粘着剤付き断熱板の生産コストを削減できると共に、断熱施工の現場においても離型紙の処理(剥離および廃棄処理)を必要としない為、施工コストを削減することができる。
本発明の粘着剤付き断熱板の一例を示す平面図である。 図1の粘着剤付き断熱板における粘着剤の塗布パターンを模式的に示す拡大図である。 本発明の断熱板集合体の一例を示しており、(a)は全体斜視図、(b)は粘着の状態を説明するための模式的断面図である。 本発明の断熱板集合体の別の例を示しており、(a)は全体斜視図、(b)は粘着の状態を説明するための模式的断面図である。 本発明の断熱工法における粘着剤付き断熱板の仮止めの状態を説明するための模式的断面図である。
符号の説明
10 粘着剤付き断熱板
11 断熱板
12 粘着剤の塗布パターン
12a 低部塗布領域
12b 高部塗布領域
30 断熱板集合体
31 粘着剤付き断熱板
32 粘着剤の塗布されていない断熱板
33 粘着剤塗布面
34 粘着剤非塗布面
40 断熱板集合体
41、42 粘着剤付き断熱板
43、44 粘着剤の塗布パターン
50 粘着剤付き断熱板
51 被粘着部材

Claims (6)

  1. 断熱板の片面に粘着剤の塗布パターンを有する粘着剤付き断熱板であって、前記塗布パターンは、スパイラルスプレー方式で塗布されたものであって、塗布高さの異なる低部塗布領域と高部塗布領域を有していることを特徴とする粘着剤付き断熱板。
  2. 請求項1に記載の粘着剤付き断熱板の複数枚を、粘着剤塗布面と粘着剤非塗布面とを粘着させて一体化したことを特徴とする断熱板集合体。
  3. 請求項1に記載の2枚の粘着剤付き断熱板を、粘着剤塗布面同士を粘着させて一体化したことを特徴とする断熱板集合体。
  4. 前記2枚の粘着剤付き断熱板の粘着剤の塗布パターンが重ならないことを特徴とする請求項に記載の断熱板集合体。
  5. 前記粘着剤付き断熱板同士が、実質的に前記高部塗布領域の粘着剤のみで粘着されていることを特徴とする請求項乃至のいずれか一項に記載の断熱板集合体。
  6. 構造物に断熱板を取り付ける際に、断熱板の仮止めを必要とする断熱工法において、被粘着部材に、請求項乃至のいずれか一項に記載の断熱板集合体から分離された粘着剤付き断熱板を、前記低部塗布領域と高部塗布領域の双方の粘着剤によって粘着させ、仮止めすることを特徴とする断熱工法。
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