JP4809545B2 - 半導体不揮発性メモリ及び電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体不揮発性メモリに関する。特に、電気的書き込み及び消去可能な半導体不揮発性メモリ(Electrically Eraseable and Programmable Read Only Memory、以下EEPROMと呼ぶ)に関する。また、本発明は、半導体不揮発性メモリを有する半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気的書き込み及び消去可能な半導体不揮発性メモリ(EEPROM)は、半導体不揮発性メモリを代表するメモリとして知られている。EEPROMは不揮発性メモリであるから、他の半導体メモリを代表するDRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static RAM)と異なり、電源を切ってもデータが失われることはない。また、他の不揮発性メモリを代表する磁気ディスクと比較した場合、集積密度、耐衝撃性、消費電力、書き込み/読み出し速度、等の点において優れた特徴を有する。このような特徴から、EEPROMを磁気ディスクあるいはDRAMといった様々なメモリの代替品として用いる動きが高まってきており、今後の発展が期待される。
【0003】
EEPROMにおける情報の書き込みまたは消去は、各メモリトランジスタの浮遊ゲートへの電荷注入または引き抜きにより行なう。記憶情報は、浮遊ゲートに蓄積された電荷量に応じたしきい値電圧で区別する。従って、EEPROMの記憶情報を正確に読み出すためには、書き込み後または消去後のしきい値電圧制御が重要である。なお、本明細書では、メモリトランジスタの浮遊ゲートに電子を注入し、しきい値電圧を増大させることを書き込みと呼ぶ。また、メモリトランジスタの浮遊ゲートから電子を引き抜き、しきい値電圧を減少させることを消去と呼ぶ。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
EEPROMを構成する個々のメモリトランジスタにおいて、同一の印加電圧及び同一の時間で書き込みまたは消去を行なった場合でも、書き込みまたは消去後のしきい値電圧は個々のメモリトランジスタにより異なる。これは、メモリトランジスタの書き込みまたは消去速度が、個々のメモリトランジスタにより異なるためである。書き込みまたは消去後のしきい値電圧が、所定の範囲内に収まっていない場合は、誤った情報が読み出されることになる。
【0005】
図2(A)は、メモリトランジスタに書き込みを行なった場合における書き込み時間としきい値電圧との関係である。書き込み速度が早いメモリトランジスタAと、書き込み速度が遅いメモリトランジスタBとを示した。書き込み時間をt0に設定すると、所定のしきい値電圧Vth付近に書き込み後のしきい値電圧が分布する。このため、メモリトランジスタの情報を正確に読み出すには、しきい値電圧の分布幅D0を踏まえた読み出し電圧の選択が必要である。
【0006】
書き込みまたは消去後のしきい値電圧の分布幅が大きいと、読み出し電圧を選択できる範囲が狭くなる。正確に情報を読み出すためには、各記憶状態のしきい値電圧の間隔を広げる必要があり、書き込み時間または消去時間の増大を招く。また、書き込み時または消去時の消費電力も増加する。これは、3値以上の情報を記憶する多値のメモリトランジスタにおいては、さらに深刻な問題である。そのため、書き込みまたは消去後のしきい値電圧の分布幅を小さくする工夫がなされている。
【0007】
例えば製造工程の改善を行ない、均一な特性のメモリトランジスタを製造することで、書き込みまたは消去後のしきい値電圧の分布幅を小さくできる。これは、図2(B)に示すように、書き込み速度が早いメモリトランジスタAと、書き込み速度が遅いメモリトランジスタBとの書き込み速度差を小さくすることに対応する。書き込み時間をt1に設定すると、所定のしきい値電圧Vth付近に書き込み後のしきい値電圧が分布する。この場合の書き込み後のしきい値電圧の分布幅D1は、図2(A)における分布幅D0よりも小さくなる。しかし、メモリトランジスタの特性を均一にするための製造工程の改善点は多岐に渡り、製造工程の改善のみでしきい値電圧の分布幅を小さくするには限界がある。
【0008】
製造工程の改善と同時に、回路的に書き込みまたは消去時間を補正することで、書き込みまたは消去後のしきい値電圧の分布幅をさらに小さくできる。これは、メモリトランジスタのしきい値電圧を逐一確認しながら書き込みまたは消去を行ない、所定の範囲内にしきい値電圧が収まるまで書き込みまたは消去を行なうという方法である。この方法をベリファイ書き込みまたはベリファイ消去と呼ぶ。
【0009】
ベリファイ書き込みを行なった場合における、書き込み時間としきい値電圧との関係を、図2(C)に示す。書き込み速度が早いメモリトランジスタAと、書き込み速度が遅いメモリトランジスタBとの書き込み速度は、図2(B)と各々同じである。Wで示した書き込み動作を行なう期間と、Vで示した読み出し動作及びしきい値電圧の判定を行なう期間とを交互に繰り返す。読み出したしきい値電圧が所定のしきい値電圧Vthを越えた時には書き込み動作は行なわない。書き込み時間t2A及びt2Bで、メモリトランジスタA及びメモリトランジスタBは各々書き込みが終了する。この場合、書き込み後のしきい値電圧の分布幅D2は、D1より小さくできる。しかし、読み出し動作及びしきい値電圧の判定を行なうため、書き込み時間が増大するという欠点がある。
【0010】
本発明は、上記問題を鑑みなされたもので、高速且つ低消費電力の書き込みまたは消去を行なうことができ、且つ書き込みまたは消去後におけるしきい値電圧の制御性に優れたメモリトランジスタを提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明では、浮遊ゲートに蓄積された電荷量が特定の値に達すると、チャネル領域の一部がオフになる特性を有するメモリトランジスタにより、高速且つ低消費電力の書き込みまたは消去を自己収束的に行なう。これにより、書き込み後または消去後において、しきい値電圧の狭い分布幅を実現する。
【0012】
本発明では、メモリトランジスタのチャネル領域を、書き込み制御領域と、書き込み領域との二つの領域に分割する。書き込み制御領域と、書き込み領域とではしきい値電圧が異なる。書き込み動作時における浮遊ゲートへの電荷注入は、書き込み領域のみで行なう。電荷注入により、浮遊ゲートに蓄積された電荷量が特定の値に達すると、書き込み制御領域がオフになる。この特性を書き込み動作のスイッチとして利用し、書き込みを自動的に停止する。
【0013】
図3(C)は、本発明におけるメモリトランジスタで書き込みを行なった場合の書き込み時間としきい値電圧(書き込み領域)との関係である。また、図3(A)及び図3(B)は、従来の技術で説明した一定時間の書き込み及びベリファイ書き込みの場合であり、図2(B)及び図2(C)と各々同じである。図3(C)において、書き込み速度が早いメモリトランジスタAと、書き込み速度が遅いメモリトランジスタBの書き込み速度は、図3(A)及び(B)と各々同じである。図3(C)において、書き込み領域のしきい値電圧が所定のしきい値電圧Vthに達すると、書き込みは自動的に停止する。書き込み時間t3A及びt3Bで、メモリトランジスタA及びメモリトランジスタBは各々書き込みが終了する。
【0014】
図3(C)に示したように、本発明におけるメモリトランジスタでは、書き込み後のしきい値電圧の分布幅D3は、書き込み制御領域と書き込み領域とのしきい値電圧差の分布幅程度となる。そのため、個々のメモリトランジスタの書き込み速度差には依存しない。従って、書き込み後のしきい値電圧の分布幅D3は、図3(A)に示した一定時間の書き込み後のしきい値電圧の分布幅D1より小さくできる。またベリファイ書き込みと比較して、読み出し動作及びしきい値電圧の判定を行なわずに済むため、消費電力及び書き込み時間に関して、本発明におけるメモリトランジスタの書き込みが優れている。
【0015】
本明細書で開示する発明の構成は、チャネル領域、ソース領域及びドレイン領域と、前記チャネル領域に積層された第一の絶縁膜と、前記第一の絶縁膜に積層された浮遊ゲートと、前記浮遊ゲートに積層された第二の絶縁膜と、前記第二の絶縁膜に積層された制御ゲートと、からなるメモリトランジスタにより構成された半導体不揮発性メモリであって、
前記チャネル領域は書き込み制御領域と、書き込み領域と、からなり、
書き込み時に、前記書き込み制御領域から前記浮遊ゲートへの電荷注入が遮断される手段と、前記書き込み領域から前記浮遊ゲートへ電荷注入を行なう手段と、前記書き込み領域から前記浮遊ゲートへの電荷注入を停止する手段とを有することを特徴とする。
【0016】
上記構成において、前記書き込み制御領域に積層された前記第一の絶縁膜の厚さは、前記書き込み領域に積層された前記第一の絶縁膜の厚さより厚いことが好ましい。
【0017】
また、上記構成において、前記書き込み制御領域と、前記書き込み領域とでは、添加されている不純物濃度が異なることが好ましい。
【0018】
また、他の発明の構成は、チャネル領域、ソース領域及びドレイン領域と、前記チャネル領域に積層された第一の絶縁膜と、前記第一の絶縁膜に積層された浮遊ゲートと、前記浮遊ゲートに積層された第二の絶縁膜と、前記第二の絶縁膜に積層された制御ゲートと、からなるメモリトランジスタにより構成された半導体不揮発性メモリであって、
前記チャネル領域は消去制御領域と、消去領域と、からなり、
消去時に、前記浮遊ゲートから前記消去制御領域への電荷引き抜きを遮断する手段と、前記浮遊ゲートから前記消去領域へ電荷を引き抜く手段と、前記浮遊ゲートから前記消去領域への電荷引き抜きを停止する手段とを有することを特徴とする。
【0019】
上記構成において、前記消去制御領域に積層された前記第一の絶縁膜の厚さは、前記消去領域に積層された前記第一の絶縁膜の厚さより厚いことが好ましい。
【0020】
また、上記構成において、前記消去制御領域と、前記消去領域とでは、添加されている不純物濃度が異なることが好ましい。
【0021】
また、上記構成において、前記メモリトランジスタは、多値の情報を記憶していても良い。
【0022】
また、上記構成において、前記メモリトランジスタは単結晶半導体基板、絶縁表面を有する基板、SOI基板のいずれか一つの基板上に形成されていても良い。
【0023】
また、他の発明の構成は、チャネル領域、ソース領域及びドレイン領域と、前記チャネル領域に積層された第一の絶縁膜と、前記第一の絶縁膜に積層された浮遊ゲートと、前記浮遊ゲートに積層された第二の絶縁膜と、前記第二の絶縁膜に積層された制御ゲートと、から各々なる書き込み制御メモリトランジスタ及び書き込みメモリトランジスタを直列に接続して形成されたメモリセルにより構成される半導体不揮発性メモリであって、
前記書き込み制御メモリトランジスタと、前記書き込みメモリトランジスタと、の浮遊ゲート及び制御ゲートは各々電気的に接続され、
書き込み時に、前記書き込み制御メモリトランジスタのチャネル領域から前記浮遊ゲートへの電荷注入を遮断する手段と、前記書き込みメモリトランジスタの前記チャネル領域から前記浮遊ゲートへ電荷注入を行なう手段と、前記書き込みメモリトランジスタの前記チャネル領域から前記浮遊ゲートへの電荷注入を停止する手段とを有することを特徴とする。
【0024】
また、他の発明の構成は、チャネル領域、ソース領域及びドレイン領域と、前記チャネル領域に積層された第一の絶縁膜と、前記第一の絶縁膜に積層された浮遊ゲートと、前記浮遊ゲートに積層された第二の絶縁膜と、前記第二の絶縁膜に積層された制御ゲートと、から各々なる書き込み制御メモリトランジスタ及び書き込みメモリトランジスタを直列に接続して形成されたメモリセルにより構成される半導体不揮発性メモリであって、
前記書き込み制御メモリトランジスタと、前記書き込みメモリトランジスタと、の浮遊ゲート及び制御ゲートは各々電気的に接続され、
前記書き込み制御メモリトランジスタと、前記書き込みメモリトランジスタとではしきい値電圧差があり、
書き込み時に、前記書き込み制御メモリトランジスタのチャネル領域から前記浮遊ゲートへの電荷注入を遮断する手段と、前記書き込みメモリトランジスタの前記チャネル領域から前記浮遊ゲートへ電荷注入を行なう手段と、前記書き込みメモリトランジスタの前記チャネル領域から前記浮遊ゲートへの電荷注入を停止する手段とを有し、
前記しきい値電圧差と、書き込み時のメモリセルへの印加電圧と、により一意的に決まる特定の値に浮遊ゲート中の電荷量が達すると、前記浮遊ゲートへの電荷注入が自動的に停止する機能を有することを特徴とする。
【0025】
上記構成において、前記書き込み制御メモリトランジスタにおける前記第一の絶縁膜の厚さは、前記書き込みメモリトランジスタにおける前記第一の絶縁膜の厚さより厚いことが好ましい。
【0026】
また、上記構成において、前記書き込み制御メモリトランジスタと、前記書き込みメモリトランジスタとでは、チャネル領域に添加されている不純物濃度が異なることが好ましい。
【0027】
また、上記構成において、前記書き込みメモリトランジスタは、多値の情報を記憶していても良い。
【0028】
また、他の発明の構成は、チャネル領域、ソース領域及びドレイン領域と、前記チャネル領域に積層された第一の絶縁膜と、前記第一の絶縁膜に積層された浮遊ゲートと、前記浮遊ゲートに積層された第二の絶縁膜と、前記第二の絶縁膜に積層された制御ゲートと、から各々なる消去制御メモリトランジスタ及び消去メモリトランジスタを直列に接続して形成されたメモリセルにより構成される半導体不揮発性メモリであって、
前記消去制御メモリトランジスタと、前記消去メモリトランジスタと、の浮遊ゲート及び制御ゲートは各々電気的に接続され、
消去時に、前記浮遊ゲートから前記消去制御メモリトランジスタのチャネル領域への電荷引き抜きを遮断する手段と、前記浮遊ゲートから前記消去メモリトランジスタの前記チャネル領域へ電荷を引き抜く手段と、前記浮遊ゲートから前記消去メモリトランジスタの前記チャネル領域への電荷引き抜きを停止する手段とを有することを特徴とする。
【0029】
また、他の発明の構成は、チャネル領域、ソース領域及びドレイン領域と、前記チャネル領域に積層された第一の絶縁膜と、前記第一の絶縁膜に積層された浮遊ゲートと、前記浮遊ゲートに積層された第二の絶縁膜と、前記第二の絶縁膜に積層された制御ゲートと、から各々なる消去制御メモリトランジスタ及び消去メモリトランジスタを直列に接続して形成されたメモリセルにより構成される半導体不揮発性メモリであって、
前記消去制御メモリトランジスタと、前記消去メモリトランジスタと、の浮遊ゲート及び制御ゲートは各々電気的に接続され、
前記消去制御メモリトランジスタと、前記消去メモリトランジスタとではしきい値電圧差があり、
消去時に、前記浮遊ゲートから前記消去制御メモリトランジスタのチャネル領域への電荷引き抜きを遮断する手段と、前記浮遊ゲートから前記消去メモリトランジスタの前記チャネル領域へ電荷を引き抜く手段と、前記浮遊ゲートから前記消去メモリトランジスタの前記チャネル領域への電荷引き抜きを停止する手段とを有し、
前記しきい値電圧差と、消去時のメモリセルへの印加電圧と、により一意的に決まる特定の値に浮遊ゲート中の電荷量が達すると、前記浮遊ゲートから前記消去メモリトランジスタの前記チャネル領域への電荷引き抜きが自動的に停止する機能を有することを特徴とする。
【0030】
上記構成において、前記消去制御メモリトランジスタにおける前記第一の絶縁膜の厚さは、前記消去メモリトランジスタにおける前記第一の絶縁膜の厚さより厚いことが好ましい。
【0031】
また、上記構成において、前記消去制御メモリトランジスタと、前記消去メモリトランジスタとでは、チャネル領域に添加されている不純物濃度が異なることが好ましい。
【0032】
また、上記構成において、前記消去メモリトランジスタは、多値の情報を記憶していても良い。
【0033】
また、上記構成において、前記メモリセルは単結晶半導体基板、絶縁表面を有する基板、SOI基板のいずれか一つの基板上に形成されていても良い。
【0034】
また、上記構成からなる半導体不揮発性メモリを記録媒体として電子機器に組み込むことが有効である。
【0035】
【発明の実施の形態】
本実施の形態では、本発明のメモリトランジスタの代表的な素子構造及び動作方法を説明する。
【0036】
(実施の形態1)
本発明における第一の実施の形態に係わるメモリトランジスタの一例として、書き込みが自己収束するN型メモリトランジスタについて説明する。図1(A)は、本実施の形態に係わるメモリトランジスタの平面図、図1(B)は、図1(A)中のA−A'線に沿う断面図、図1(C)は、図1(A)中のB−B'線に沿う断面図、図1(D)は回路記号である。
【0037】
図1(A)、(B)及び(C)において、単結晶基板101上にチャネル領域102、ソース領域103及びドレイン領域104が形成されている。チャネル領域102、ソース領域103及びドレイン領域104を合わせて活性層と呼ぶ。活性層は単結晶基板101上に形成された素子分離領域105に囲まれている。チャネル領域102は書き込み制御領域106と、書き込み領域107と、から構成されている。ソース領域103及びドレイン領域104は、N型不純物領域であり、単結晶基板101に砒素又はリンを添加することで形成される。
【0038】
活性層の上には第一の絶縁膜(トンネル酸化膜)108が積層されている。トンネル酸化膜108の上には浮遊ゲート109が形成されている。浮遊ゲート109の上には第二の絶縁膜110が積層されている。第二の絶縁膜110の上には制御ゲート111が形成されている。
【0039】
図1に示すように、本実施の形態に係わるメモリトランジスタは、従来の浮遊ゲート型メモリトランジスタと同様に、チャネル領域102−制御ゲート111間に浮遊ゲート109を挿入した構成をしている。本実施の形態に係わるメモリトランジスタの特徴は、書き込み領域107におけるトンネル酸化膜108を、書き込み制御領域106におけるトンネル酸化膜108より薄く形成している点である。これにより、実質的に書き込み領域107からのみ、浮遊ゲート109への電荷注入が行なわれることになる。
【0040】
また、書き込み制御領域106及び書き込み領域107において、トンネル酸化膜108の膜厚差及びチャネル領域102に添加する不純物濃度差により、しきい値電圧差を設けている。浮遊ゲート109に電荷が蓄積されていない状態でのしきい値電圧は、書き込み制御領域106ではVthc0、書き込み領域107ではVtht0とする。本実施の形態では、以下Vthc0は4V、Vtht0は0Vとする。一般に、Vthc0>Vtht0であれば良い。
【0041】
続いて、本実施の形態に係わるメモリトランジスタの書き込み動作、読み出し動作及び消去動作について説明する。本実施の形態では、書き込みをホットエレクトロン注入、消去をトンネル電流により行なう場合を示す。なお、書き込み後の状態を"1"とし、書き込み領域107のしきい値電圧は5.8V〜6.2Vとする。浮遊ゲートに電荷が蓄積されていない状態または消去後の状態を"0"とし、書き込み領域107のしきい値電圧は−3V〜0Vとする。以下、図1に示した回路記号を用いて説明する。なお、書き込み動作、消去動作及び読み出し動作における動作電圧(制御ゲート電位VCG、ドレイン電位VD及びソース電位VS)の一例を表1にまとめる。勿論、表1の動作電圧は一例であって、動作電圧は表1の値に限定されるものではない。また、書き込みを行なう前のメモリトランジスタは"0"の状態とする。
【0042】
【表1】
【0043】
書き込み動作を行なう場合は、まずソース領域103(端子S)をGNDに接続する。制御ゲート111(CG)及びドレイン領域104(端子D)には、各々正電位VCG(ここでは10Vとする)及びVD(ここでは8Vとする)を印加する。
【0044】
上記の電位を印加すると、ドレイン領域104近傍で発生したホットエレクトロンが浮遊ゲート109に注入され、次第に書き込み制御領域106及び書き込み領域107におけるしきい値電圧が上昇する。そして、書き込み制御領域106のしきい値電圧VthcがVCGに等しく(本実施の形態では10V)なった瞬間、書き込み制御領域106のチャネルが閉じる。この時、メモリトランジスタのソース103−ドレイン104間に電流が流れなくなり、ドレイン領域104近傍でホットエレクトロンが発生しなくなる。従って、浮遊ゲート109へ電荷が注入されなくなる。このようにして、書き込みが自己収束的に終わる。なお、書き込み後の書き込み領域のしきい値電圧Vthtは、Vtht=Vtht0−Vthc0+VCGで表され、本実施の形態では6Vである。
【0045】
以上の様に、本明細書における第一の実施の形態に係わるメモリトランジスタでは、自己収束的に書き込み時のしきい値電圧制御ができる。書き込み後のしきい値電圧の分布幅は、個々のメモリトランジスタにおける書き込み速度差には依存しない。書き込み後のしきい値電圧の分布幅は、書き込み制御領域と書き込み領域とのしきい値電圧差(Vtht0−Vthc0)の分布幅程度の狭い分布幅が実現される。また、このように、読み出し動作によるしきい値電圧の確認を行なわずに書き込み動作が行なえるため、ベリファイ書き込みより、書き込み時間及び消費電力に関して優れたメモリトランジスタが実現できる。
【0046】
読み出し動作を行なう場合は、端子SをGNDに接続し、端子CGには5Vを印加する。さらに、端子Dに微小な正電位(ここでは1V)を印加する。ここで、メモリトランジスタが"0"の場合は、メモリトランジスタはオンとなり、ソース−ドレイン間に電流が流れる。一方、メモリトランジスタが"1"の場合は、メモリトランジスタはオフとなり、ソース−ドレイン間に電流が流れない。このように、ソース−ドレイン間に流れる電流により、メモリトランジスタの記憶情報を読み出すことができる。
【0047】
また、消去動作を行なう場合は、端子Sを電気的に浮遊状態にし、端子DをGNDに接続する。端子CGに負の高電位(ここでは−20Vとする)を印加すると、浮遊ゲート109からドレイン領域104にトンネル電流が流れ、電荷が引き抜かれる。
【0048】
なお、上記の動作電圧は一例であり、これらの値に限らない。
【0049】
本実施の形態では、書き込みが自己収束するN型メモリトランジスタについて説明したが、消去が自己収束するP型メモリトランジスタとすることも可能である。この場合、チャネル領域は消去領域と消去制御領域とから構成し、消去領域のしきい値電圧が、消去制御領域のしきい値電圧よりも高くなるように形成すれば良い。さらに、消去領域のトンネル酸化膜厚が、消去制御領域のトンネル酸化膜厚よりも薄くなるように形成すれば良い。なお、第二の実施の形態に示すように、書き込み方式は、ホットエレクトロン注入に限らず、トンネル電流にすることも可能である。
【0050】
このように、本実施の形態に示した構成により、高速且つ低消費電力の書き込みまたは消去が自己収束的に行なえ、書き込みまたは消去後におけるしきい値電圧の制御性に優れたメモリトランジスタが実現できる。
【0051】
(実施の形態2)
次に、本発明における第二の実施の形態に係わるメモリセルの一例として、書き込みが自己収束するNN型メモリセルについて説明する。図4(A)は、本実施の形態に係わるメモリセルの平面図、図4(B)は、図4(A)中のA−A'線に沿う断面図、図4(C)は、図4(A)中のB−B'線に沿う断面図、図4(D)は回路記号である。なお、二つのN型メモリトランジスタから構成されるメモリセルのことをNN型メモリセルと呼ぶ。同様に、二つのP型メモリトランジスタから構成されるメモリセルのことをPP型メモリセルと呼ぶ。
【0052】
図4(A)、(B)及び(C)において、単結晶基板401上に書き込み制御メモリトランジスタ402と、書き込みメモリトランジスタ403と、からなるメモリセルが形成されている。ここで、書き込み制御メモリトランジスタ402はチャネル領域404と、ソース領域405と、ソース/ドレイン領域406とから形成されている。また、書き込みメモリトランジスタ403はチャネル領域407と、ソース/ドレイン領域406と、ドレイン領域408とから形成されている。チャネル領域404及び407と、ソース領域405と、ソース/ドレイン領域406と、ドレイン領域406とを合わせて活性層と呼ぶ。活性層は単結晶基板401上に形成された素子分離領域409に囲まれている。ソース領域405、ソース/ドレイン領域406及びドレイン領域408はN型不純物領域であり、単結晶基板401に砒素またはリンを添加することで形成される。
【0053】
書き込み制御メモリトランジスタ402のチャネル領域404及び書き込みメモリトランジスタ403のチャネル領域407の上には第一の絶縁膜(トンネル酸化膜)410が積層されている。トンネル酸化膜410の上には、書き込み制御メモリトランジスタ402のチャネル領域404及び書き込みメモリトランジスタ403のチャネル領域407と重なるように電荷蓄積層(浮遊ゲート)411が形成されている。浮遊ゲート411の上には第二の絶縁膜412が積層されている。第二の絶縁膜412の上には制御ゲート413が形成されている。
【0054】
図4に示すように、従来の浮遊ゲート型メモリトランジスタと同様に、チャネル領域404−制御ゲート413間及びチャネル領域407−制御ゲート413間に浮遊ゲート411を挿入した2つのメモリトランジスタにより、本実施の形態に係わるメモリセルは構成されている。なお、書き込みメモリトランジスタ403におけるトンネル酸化膜410は、書き込み制御メモリトランジスタ402におけるトンネル酸化膜410より薄く形成されている。従って、書き込み動作時には、実質的に書き込みメモリトランジスタ403においてのみ、電荷注入が行なわれる。
【0055】
また、書き込み制御メモリトランジスタ402及び書き込みメモリトランジスタ403におけるトンネル酸化膜厚差と、チャネル領域404及びチャネル領域407に添加する不純物濃度の差とにより、しきい値電圧差を設けている。浮遊ゲート411に電荷が蓄積されていない状態でのメモリトランジスタのしきい値電圧を、書き込み制御メモリトランジスタ402ではVthc0、書き込みメモリトランジスタ403ではVtht0とする。ここでは一例として、Vthc0を5V、Vtht0を0Vとする。一般に、Vthc0>Vtht0であれば良い。
【0056】
続いて、本実施の形態に係わるメモリトランジスタの書き込み動作、読み出し動作及び消去動作について説明する。本実施の形態では、書き込み及び消去をトンネル電流により行なう場合を示す。なお、書き込み後の状態を"1"とし、書き込みメモリトランジスタ403のしきい値電圧は4.8V〜5.2Vとする。浮遊ゲートに電荷が蓄積されていない状態または消去後の状態を"0"とし、書き込みメモリトランジスタ403のしきい値電圧は−3V〜0Vとする。以下、図4に示した回路記号を用いて説明する。なお、書き込み動作、読み出し動作及び消去動作における動作電圧(制御ゲート電位VCG、ドレイン電位VD及びソース電位VS)の一例を表2にまとめる。勿論、表2の動作電圧は一例であって、動作電圧は表2の値に限定されるものではない。また、書き込みを行なう前のメモリトランジスタは"0"の状態とする。
【0057】
【表2】
【0058】
書き込み動作を行なう場合は、まず書き込み制御メモリトランジスタ402のソース領域405(端子S)に適当な負電位VS(ここでは−10V)を印加する。制御ゲート413(端子CG)には適当な電位VCG(ここでは0V)を印加し、書き込みメモリトランジスタ403のドレイン領域408(端子D)は浮遊状態とする。
【0059】
上記の電位を印加すると、書き込み制御メモリトランジスタ402はオンとなり、ソース/ドレイン領域406から書き込みメモリトランジスタ403のトンネル酸化膜410を介して浮遊ゲート411へ電荷が注入する。電荷注入により、次第に書き込み制御メモリトランジスタ402及び書き込みメモリトランジスタ403のしきい値電圧が上昇する。そして、書き込み制御メモリトランジスタ402のしきい値電圧VthcがVCG−VSに等しく(本実施の形態では10V)なった瞬間、書き込み制御メモリトランジスタ402のチャンネルが閉じる(オフ状態になる)。この時、ソース領域405−浮遊ゲート411間に電位差がかかるが、トンネル電流は流れない。また、ソース/ドレイン領域406−浮遊ゲート411間には電位差がほとんどかからないので、トンネル電流は流れない。従って、浮遊ゲート411に電荷が注入されなくなる。このようにして、書き込みが自己収束的に停止する。なお、書き込み後の書き込みメモリトランジスタ403のしきい値電圧Vthtは、Vtht=Vtht0−Vthc0+VCG−VSで表され、本実施の形態では5Vである。
【0060】
上記の様に、本明細書における第二の実施の形態に係わるメモリセルでは、自己収束的に書き込み時のしきい値電圧制御ができる。書き込み後のしきい値電圧の分布幅は、個々のメモリトランジスタにおける書き込み速度差には依存しない。書き込み後のしきい値電圧の分布幅は、書き込み制御領域と書き込み領域とのしきい値電圧差の分布幅程度の狭い分布幅が実現される。読み出し動作による確認を行なわずに書き込み動作が行なえるため、ベリファイ書き込みより、消費電力及び書き込み時間に関して優れたメモリトランジスタが実現できる。
【0061】
読み出し動作を行なう場合は、端子SをGNDに接続し、端子CGには7Vを印加する。さらに、端子Dに微小な正電位(ここでは1V)を印加する。ここで、メモリトランジスタが"0"の場合は、メモリトランジスタはオンとなり、ソース−ドレイン間に電流が流れる。一方、メモリトランジスタが"1"の場合は、メモリトランジスタはオフとなり、ソース−ドレイン間に電流が流れない。このように、ソース−ドレイン間に流れる電流により、メモリトランジスタの記憶情報を読み出すことができる。
【0062】
また、消去動作を行なう場合は、端子Sを電気的に浮遊状態にし、端子DをGNDに接続する。端子CGに負の高電位(ここでは−15V)を印加すると、浮遊ゲート311−ドレイン領域408間にトンネル電流が流れ、電荷が引き抜かれる。
【0063】
なお、上記の動作電圧は一例であり、これらの値に限らない。
【0064】
本実施の形態に示した構成は、第一の実施の形態で示した構成に対して、同一設計ルールで作成した場合には、サイズが大きくなり、集積密度の点では不利である。しかし、チャネル長が制御しやすい等、素子ばらつきを低減することができる。
【0065】
本実施の形態では、書き込みが自己収束するNN型メモリセルについて説明したが、消去が自己収束するPP型メモリセルを構成することも可能である。この場合、メモリセルは消去メモリトランジスタと消去制御メモリトランジスタとから構成し、消去メモリトランジスタのしきい値電圧が、消去制御メモリトランジスタのしきい値電圧より高くなるように形成すれば良い。さらに、消去メモリトランジスタのトンネル酸化膜厚が、消去制御メモリトランジスタのトンネル酸化膜厚より薄くなるように形成すれば良い。また、第一の実施の形態に示したように、書き込み方式は、トンネル電流に限らず、ホットエレクトロン注入とすることも可能である。
【0066】
このように、本実施の形態に示した構成により、自己収束的に高速且つ低消費電力の書き込みまたは消去が行なえ、書き込みまたは消去後におけるしきい値電圧の制御性に優れたメモリセルが実現できる。
【0067】
【実施例】
(実施例1)
本実施例では、第一の実施の形態に示した構成からなる書き込みが自己収束するΝ型メモリトランジスタの製造方法について説明する。
【0068】
図5(A)〜(E)及び図6(A)〜(E)は、各々前記第一の実施の形態に係わる書き込みが自己収束するΝ型メモリトランジスタの製造工程毎に示した断面図である。これらの断面は、図1(A)中のB−B'線に沿っている。なお、図5及び図6で、共通な部位には、共通の符号を用いる。
【0069】
まず、図5(A)に示すように、単結晶基板501上に素子分離領域502を、LOCOS法により形成する。なお、素子分離領域502は、トレンチ埋め込み領域や、他の公知の方法により形成した領域でも良い。また、単結晶基板501を用いる代わりに、絶縁表面を有する基板上に形成した半導体薄膜、SOI基板を用いても良い。これらの場合は、活性層をパターニングするエッチング工程により、同時に素子分離領域が形成される。
【0070】
次に、図5(B)に示すように、犠牲酸化膜503として二酸化シリコン膜をCVD装置により500Å成膜する。ここで、メモリトランジスタのしきい値をノーマリオフ側にシフトさせるために、第一回目のチャネルドープを行なう。第一回目のチャネルドープはP型不純物元素(本実施例ではボロン)を活性層504に添加する。ボロンの濃度は、書き込み領域505におけるしきい値電圧の設計値に応じて、1×1017atom/cm3〜1×1019atom/cm3となるように調節すれば良い。
【0071】
次に、図5(C)に示すように、書き込み領域505のパターンに応じたフォトレジスト506をマスクとして、第二回目のチャネルドープを行なう。第二回目のチャネルドープはP型不純物元素(本実施例ではボロン)を活性層504に添加する。ボロンの濃度は、書き込み制御領域507におけるしきい値電圧の設計値に応じて、1×1017atom/cm3〜1×1019atom/cm3となるように調節すれば良い。
【0072】
不純物元素の添加濃度を変えることで、書き込み領域505と書き込み制御領域507とのしきい値電圧差を設定できる。なお、後のトンネル酸化膜形成工程において、書き込み領域505と書き込み制御領域507とのトンネル酸化膜厚を変えることでも、しきい値電圧差を設けることはできる。しかし、本実施例では、しきい値電圧差の緻密な制御が可能であるチャネルドープにより、しきい値電圧差の設定を行なう。
【0073】
以上のようにして、不純物元素の添加工程が終了したら、ファーネスアニール、レーザーアニール、ランプアニール等のうちいずれかの工程、もしくはそれらの工程を組み合わせた工程により、不純物元素の活性化を行なう。それと同時に添加工程で受けた活性層の損傷も修復される。本実施例では、800℃窒素雰囲気中で1時間熱処理を行った。熱活性化後は、犠牲酸化膜503を除去する。
【0074】
次に、図5(D)に示すように、トンネル酸化膜508を酸素雰囲気中で第一の熱酸化工程により形成する。トンネル酸化膜508の厚さは、書き込み制御領域におけるトンネル酸化膜厚の設計値から、後の第二の熱酸化工程におけるトンネル酸化膜厚の増加分を差し引いた厚さに形成しておく。本実施例では300Åの厚さに形成する。
【0075】
次に、図5(E)に示すように、書き込み領域505のパターンに応じたフォトレジスト509を形成する。フォトレジスト509をマスクとして用い、書き込み領域505のトンネル酸化膜508を除去し、図6(A)に示すように形成する。
【0076】
続いて、図6(B)に示すように、再び酸素雰囲気中で第二の熱酸化工程を行ない、トンネル酸化膜508を形成する。ここで、書き込み領域の酸化膜厚を設計値に形成する。本実施例では100Åの厚さに形成する。なお、書き込み領域以外のトンネル酸化膜厚も、この熱酸化により増加するが、書き込み領域の酸化膜厚よりは増加しない。トンネル酸化膜厚は、本発明におけるメモリトランジスタの書き込み動作時の印加電圧に関係する。実施者は適宜、仕様に合わせてトンネル酸化膜厚を決定すれば良い。
【0077】
次に、図示しないが、導電性薄膜を成膜して、浮遊ゲート601の形成パターンに応じたフォトレジストを形成する。次いで、このフォトレジストをマスクに用いて、RIE装置もしくはICP装置などにより導電性薄膜の異方性エッチングを行ない、図6(C)に示すように、浮遊ゲート601を形成する。ここで、導電性薄膜は、導電性多結晶シリコン薄膜、タングステン薄膜、アルミニウム薄膜、アルミニウムを主成分とする金属薄膜、または、これらの積層構造でも良い。本実施例では、タングステン薄膜を用いた。
【0078】
続いて、図6(D)に示すように、第二の絶縁膜602を形成する。第二の絶縁膜602は、二酸化シリコン薄膜でも良いし、二酸化シリコン、窒化シリコン、二酸化シリコンを順次積層した、通常ONO膜と呼ばれる積層膜でも良い。本実施例では二酸化シリコン薄膜を500Å成膜した。
【0079】
そして、導電性薄膜の成膜、制御ゲート603のパターンに応じたフォトレジスト形成、フォトレジストをマスクとした導電性薄膜のエッチング、を順に行ない、図6(D)に示すように、制御ゲート603を形成する。ここで、導電性薄膜は、導電性多結晶シリコン薄膜、タングステン薄膜、アルミニウム薄膜、アルミニウムを主成分とする金属薄膜、または、これらの積層構造でも良い。本実施例ではタングステン薄膜を用いた。
【0080】
この後、図6(E)に示すように、浮遊ゲート601及び制御ゲート603をマスクとして、N型不純物元素の添加を行ない、ソース領域604及びドレイン領域605を形成する。本実施例ではN型不純物元素としてリンを活性層504に添加する。リンの濃度は1×1020atom/cm3〜1×1022atom/cm3となるように調節すれば良い。なお、活性層504でソース領域604及びドレイン領域605以外の部分がチャネル領域606となる。
【0081】
また、ドレイン領域605への不純物打ち込みをソース領域604より高エネルギーで行ない、ドレイン領域605の接合深さをソース領域604より深く形成することによって、ドレイン領域605−浮遊ゲート601間にオーバーラップ領域を形成しても良い。
【0082】
この後、特に図示しないが、周知の製造方法にしたがって、層間膜、コンタクトホール、金属配線層を形成することで、本発明の第一の実施例に係わるN型メモリトランジスタが完成する。
【0083】
なお、本実施例では書き込みが自己収束するΝ型メモリトランジスタの製造方法について説明したが、消去が自己収束するP型メモリトランジスタの製造方法についても同様の方法を用いることが可能である。P型メモリトランジスタを製造する場合には、活性層にP型不純物元素を添加してソース領域及びドレイン領域を形成すれば良い。
【0084】
また、本実施例に示した製造方法は、第二の実施の形態に示した書き込みが自己収束するNN型メモリセルについても同様に適用することができる。さらに、消去が自己収束するPP型メモリセルについても同様に適用することができる。
【0085】
このように、本実施例に示した構成により、自己収束的に高速且つ低消費電力の書き込みまたは消去が行なえ、書き込みまたは消去後におけるしきい値電圧の制御性に優れたメモリトランジスタもしくはメモリセルを製造することができる。
【0086】
(実施例2)
本実施例では、第一の実施の形態に示したN型メモリトランジスタを、3値以上の多値情報を記憶するメモリトランジスタとして用いる場合の書き込み動作、読み出し動作及び消去動作について説明する。本実施例では、書き込みをホットエレクトロン注入、消去をトンネル電流により行ない、4値の情報を記憶する場合を示す。
【0087】
以下、図1に示した回路記号を用いて説明する。浮遊ゲート109に電荷が蓄積されていない状態でのしきい値電圧は、書き込み制御領域106ではVthc0、書き込み領域107ではVtht0とする。本実施例では、以下Vthc0は4V、Vtht0は0Vとする。一般に、Vthc0>Vtht0であれば良い。また、浮遊ゲートに電荷が蓄積されていない状態または消去後の状態を"0"とし、書き込み領域のしきい値電圧は−3V〜0Vとする。さらに、書き込み後の状態を"1"、"2"及び"3"とし、書き込み領域のしきい値電圧は各々5.8V〜6.2V、6.8V〜7.2V、7.8V〜8.2V、とする。
【0088】
書き込み動作、消去動作及び読み出し動作における動作電圧(制御ゲート電位VCG、ドレイン電位VD及びソース電位VS)の一例を表3にまとめる。勿論、表3の動作電圧は一例であって、動作電圧は表3の値に限定されるものではない。また、書き込みを行なう前のメモリトランジスタは"0"の状態とする。
【0089】
【表3】
【0090】
書き込み動作を行なう場合は、まずソース領域103(端子S)をGNDに接続する。ドレイン領域104(端子D)には、正電位VD(本実施例では8Vとする)を与える。制御ゲート111(CG)には、記憶状態に応じた正電位VCGを与える。本実施例では、記憶状態"1"、"2"及び"3"を書き込む場合に、VCGは各々10V、11V及び12Vとする。
【0091】
上記の電位を印加すると、ドレイン領域104近傍で発生したホットエレクトロンが浮遊ゲート109に注入され、次第に書き込み制御領域106及び書き込み領域107におけるしきい値電圧が上昇する。そして、書き込み制御領域106のしきい値電圧VthcがVCGに等しくなった瞬間、書き込み制御領域106のチャネルが閉じる。この時、メモリトランジスタのソース103−ドレイン104間に電流が流れなくなり、ドレイン領域104近傍でホットエレクトロンが発生しなくなる。従って、浮遊ゲート109へ電荷が注入されなくなる。このようにして、書き込みが自己収束的に終わる。なお、書き込み後の書き込み領域107のしきい値電圧Vthtは、Vtht=Vtht0−Vthc0+VCGで表される。本実施例では、記憶状態"1"、"2"及び"3"を書き込んだ場合に、Vthtは、各々6V、7V及び8Vとなる。また、書き込み制御領域106のしきい値電圧Vthpは、各々10V、11V及び12Vとなる。
【0092】
上記の様に、本発明におけるメモリトランジスタでは、多値情報の書き込み時にも自己収束的にしきい値電圧制御ができる。書き込み後の各々の状態におけるしきい値電圧の分布幅は、個々のメモリトランジスタにおける書き込み速度差には依存しない。書き込み後の各々の状態におけるしきい値電圧の分布幅は、書き込み制御領域と書き込み領域とのしきい値電圧差の分布幅程度の狭い分布幅が実現される。読み出し動作による確認を行なわずに書き込み動作が行なえるため、ベリファイ書き込みより、消費電力及び書き込み時間に関して優れたメモリトランジスタが実現できる。
【0093】
読み出し動作を行なう場合は、端子SをGNDに接続し、端子Dに微小な正電位(ここでは1V)を印加する。ここで、端子CGには第一の読み出し電位として10.5Vを印加する。ここで、メモリトランジスタのソース−ドレイン間に電流が流れた場合は、記憶状態は"0"か"1"のいずれかであり、さらに続けて第二の読み出し電位として5Vを印加する。ここでもメモリトランジスタのソース−ドレイン間に電流が流れた場合は、記憶状態は"0"であり、流れない場合は、記憶状態は"1"である。また、端子CGに第一の読み出し電位として10.5Vを印加した時に、メモリトランジスタのソース−ドレイン間に電流が流れない場合は、記憶状態は"2"か"3"のいずれかである。この時は、さらに続けて第三の読み出し電位として11.5Vを印加する。ここでもメモリトランジスタのソース−ドレイン間に電流が流れない場合は、記憶状態は"3"であり、流れた場合は、記憶状態は"2"である。
【0094】
このように、端子CGに印加する読み出しに従って、ソース−ドレイン間に流れる電流を判定することにより、メモリトランジスタの多値の記憶情報を読み出すことができる。なお、端子Dに印加する電位は微小なため、ソース−ドレイン間に流れる電流によりホットエレクトロンは発生しない。従って、読み出し動作中に端子CGに印加する電位による浮遊ゲート109への電荷注入は起こらない。
【0095】
また、消去動作を行なう場合は、端子Sを電気的に浮遊状態にし、端子DをGNDに接続する。端子CGに負の高電位(ここでは−20V)を印加すると、浮遊ゲート109から書き込み領域107にトンネル電流が流れ、電荷が引き抜かれる。
【0096】
なお、上記の動作電圧は一例であり、これらの値に限らない。
【0097】
本実施例では、書き込みが自己収束するN型メモリトランジスタについて説明したが、消去が自己収束するP型メモリトランジスタについても同様に適用できる。また、第二の実施の形態で示したNN型メモリセルまたはPP型メモリセルについても、書き込み方式として、ホットエレクトロン注入を用いる場合に適用可能である。
【0098】
このように、本実施例に示した構成により、高速且つ低消費電力の書き込みまたは消去が行なえ、書き込みまたは消去後におけるしきい値電圧の制御性に優れた多値のメモリトランジスタもしくはメモリセルが実現できる。
【0099】
(実施例3)
本発明によるメモリトランジスタは、不揮発性記憶素子を用いた公知の様々な回路構成に対して適用できる。本実施例では、本発明をNOR型フラッシュメモリに応用した場合について説明をする。
【0100】
図7(A)は、メモリトランジスタがm行n列(m、nは各々1以上の整数)のマトリクス状に配列されたNOR型フラッシュメモリ回路の回路図である。なお、本実施例では、メモリトランジスタとして、第一の実施の形態に示した書き込みが自己収束するN型メモリトランジスタを用いる。すなわち、個々のメモリトランジスタで、浮遊ゲートに電荷が蓄積されていない場合において、書き込み領域及び書き込み制御領域のしきい値電圧を各々0V及び4Vとする。
【0101】
図7(A)において、B1で示されるビット線701には第1列に配置されているm個のメモリトランジスタ702〜704が接続されている。また、m個のメモリトランジスタ702〜704は各々W1〜Wmで示されるm個のワード線705〜707を制御ゲートとして利用する。同様に、Bnで示されるビット線708には第n列に配置されているm個のメモリトランジスタ709〜711が接続されている。また、m個のメモリトランジスタ709〜711は各々m個のワード線706〜707を制御ゲートとして利用する。そして、メモリトランジスタ702〜704及び709〜711において、ビット線701あるいは708と接続しない側の端子は、ソース線712(端子S)と接続されている。
【0102】
また、図7(A)のNOR型フラッシュメモリ回路を構成するメモリトランジスタの上面図の一例を図7(B)に示す。図7(B)において、図7(A)に対応する部分には同一参照符号を用いている。
【0103】
図7(B)において、コンタクトホール713を介して、ソース領域714、ドレイン領域715は、各々ソース線712、ビット線701に電気的に接続されている。また、716は浮遊ゲートである。
【0104】
このように本発明のメモリトランジスタにより構成されたNOR型フラッシュメモリ回路の動作方法について説明する。書き込みはホットエレクトロンによって行ない、消去は浮遊ゲート−ドレイン領域間のトンネル電流により行なう。なお、書き込みはビット毎書き込み、消去は一括消去について説明する。
【0105】
本実施例において、"1"の状態とはメモリトランジスタに書き込みを行なった後の状態を示し、書き込み領域におけるしきい値電圧は5.8V〜6.2Vとする。また、"0"の状態とはメモリトランジスタの浮遊ゲートに電荷が蓄積されていない状態もしくは消去を行なった後の状態を示し、しきい値電圧は−3V〜0Vとする。
【0106】
まず、ビット毎書き込みについて説明する。具体例として、図6においてメモリトランジスタ702に"1"を書き込む場合を説明する。
【0107】
まず、ソース線712をGNDに接続する。次に、ビット線701に8Vを印加して、ワード線505に10Vを印加する。その他の(n−1)本のビット線及び(m−1)本のワード線はGNDに接続する。
【0108】
その結果、メモリトランジスタ702のドレイン領域近傍でホットエレクトロンが発生し、浮遊ゲート−活性層間の電界により、浮遊ゲートに電荷が注入され、"1"が書き込まれる。その他の(m×n−1)個のメモリトランジスタには電荷は注入されない。
【0109】
一括消去を行なう場合は、まず、ソース線712を電気的に浮遊状態とする。次にm本のワード線705〜707を−20Vに接続する。また、n本のビット線701、708をGNDに接続する。その結果、m×n個のメモリトランジスタ702〜704及び709〜711全てにおいて、浮遊ゲート716からドレイン領域615へトンネル電流が流れ、"0"の状態となる。
【0110】
次に、読み出しについて説明する。具体例として、図7においてメモリトランジスタ702の情報を読み出す方法を述べる。まず、ソース線712をGNDに接続する。また、ワード線705以外の(m−1)本のワード線706、707もGNDに接続する。これにより、ワード線705に接続されたn個のメモリトランジスタ702、709以外のn×(m−1)個のメモリトランジスタ703、704、710、711がオフとなる。この状態で、ワード線705に5Vを印加して、ビット線701に微小な正電位(例えば1V)を印加する。メモリトランジスタ702の状態が"1"ならば、メモリトランジスタ702はオフとなり、ソース−ドレイン間に電流は流れない。しかし、メモリトランジスタ702の状態が"0"ならば、メモリトランジスタ702はオンとなり、ソース−ドレイン間に電流が流れる。このように、ソース−ドレイン間電流を検出することにより、メモリトランジスタ702の情報が読み出せる。
【0111】
なお、メモリトランジスタには、第二の実施の形態に示したNN型メモリセルを用いることもできる。また、本実施例の回路構成は、実施例1に示した製造工程を用いて製造することが可能である。さらに、本実施例の構成は、実施例2の構成とも組み合わせて実施することが可能である。
【0112】
このように、本実施例に示した構成により、自己収束的に高速且つ低消費電力の書き込みまたは消去が行なえ、書き込みまたは消去後におけるしきい値電圧の制御性に優れたメモリトランジスタからなる不揮発性半導体記憶装置が実現できる。
【0113】
(実施例4)
本実施例では本発明のメモリトランジスタをワンチップ上に集積化されたRISCプロセッサ、ASICプロセッサ等のマイクロプロセッサに適用した場合の例について説明する。
【0114】
図8に示すのは、マイクロプロセッサの一例である。マイクロプロセッサは典型的にはCPUコア、フラッシュメモリ、RAM、クロックコントローラー、キャッシュメモリ、キャッシュコントローラー、シリアルインターフェース、I/O(入出力)ポート等から構成される。勿論、図7に示すマイクロプロセッサは簡略化した一例であり、実際のマイクロプロセッサはその用途に応じて多種多様な回路設計が行なわれる。
【0115】
図8に示すマイクロプロセッサでは、CPUコア801、キャッシュメモリ802、クロックコントローラー803、キャッシュコントローラー805、シリアルインターフェース806、I/Oポート807をCMOS回路で構成している。フラッシュメモリ804には本発明のメモリトランジスタが用いられている。また、キャッシュメモリ802に本発明の不揮発性メモリを利用することも可能である。なお、フラッシュメモリ804またはキャッシュメモリ802としては、第一の実施の形態、第二の実施の形態のいずれの構成とも組み合わせることが可能である。また、本実施例の構成は、実施例1〜3のいずれの構成とも自由に組み合わせて実施することができる。
【0116】
このように、本実施例に示した構成により、自己収束的に高速且つ低消費電力の書き込みまたは消去が行なえ、書き込みまたは消去後におけるしきい値電圧の制御性に優れたメモリトランジスタからなるマイクロプロセッサが実現できる。
【0117】
(実施例5)
本発明のメモリトランジスタは、絶縁表面を有する基板上に形成されたTFTによって構成された半導体装置の部品と一体形成することにより、多機能、高機能、および小型の半導体装置を提供することができる。本実施例では、そのような例として、本発明の不揮発性メモリ、画素部、画素部の駆動回路、γ(ガンマ)補正回路を備えた電気光学装置(代表的には、液晶表示装置および発光装置)を示す。
【0118】
γ補正回路とはγ補正を行なうための回路である。γ補正とは画像信号に適切な電圧を付加することによって、画素電極に印加される電圧とその上の液晶又は発光層の透過光強度との間に線形関係を作るための補正である。
【0119】
図9は、上記電気光学装置のブロック図であり、本発明のメモリトランジスタにより構成される不揮発性メモリ902と、画素部905と、画素部の駆動回路であるゲート信号側駆動回路903およびソース信号側駆動回路904と、γ(ガンマ)補正回路901と、が設けられている。また、画像信号、クロック信号若しくは同期信号等は、FPC(フレキシブルプリントサーキット)906を経由して送られてくる。不揮発性メモリ902は、実施例3または4に示した回路構成を用いることができる。
【0120】
また、本実施例の電気光学装置は、例えば実施例1の製造方法によって絶縁表面を有する基板上に一体形成することができる。なお、液晶またはEL層の形成を含むTFT形成後の工程については公知の方法を用いればよい。
【0121】
また、画素部905、画素部の駆動回路903、904、およびγ(ガンマ)補正回路901については、公知の回路構造を用いれば良い。
【0122】
本実施例の電気光学装置において、不揮発性メモリ902には、パソコン本体やテレビ受信アンテナ等から送られてきた画像信号にγ補正をかけるための補正データが格納(記憶)されている。γ補正回路901は、その補正データを参照して画像信号に対するγ補正を行なう。
【0123】
γ補正のためのデータは電気光学装置を出荷する前に一度格納しておけば良いが、定期的に補正データを書き換えることも可能である。また、同じように作製した電気光学装置であっても、微妙に液晶の光学応答特性(先の透過光強度と印加電圧の関係など)が異なる場合がある。その場合も、本実施例では電気光学装置毎に異なるγ補正データを格納しておくことが可能なので、常に同じ画質を得ることが可能である。
【0124】
さらに、不揮発性メモリに複数の補正データを格納して、新たに制御回路を加えることにより、補正データに基づく複数の色調を自由に選択することも可能である。
【0125】
なお、不揮発性メモリ902にγ補正の補正データを格納する際、本出願人による特願平10−156696号に記載された手段を用いることは好ましい。また、γ補正に関する説明も同出願になされている。
【0126】
また、不揮発性メモリに格納する補正データはデジタル信号であるので、必要に応じてD/Aコンバータ若しくはA/Dコンバータを同一基板上に形成することが望ましい。
【0127】
なお、本実施例の構成は、実施例1〜3のいずれの構成とも自由に組み合わせて実施することができる。
【0128】
このように、本発明における書き込みまたは消去が自己収束的にできるメモリトランジスタを適用することで、高速書き込みまたは消去及び低消費電力の半導体装置が実現できる。
【0129】
(実施例6)
本発明のメモリトランジスタから構成される不揮発性メモリを具備する半導体装置であって、実施例5に示した半導体装置とは異なる例を、図9を用いて説明する。
【0130】
図9に、本実施例の電気光学装置(代表的には、液晶表示装置および発光装置)のブロック図を示す。本実施例の電気光学装置には、本発明のメモリトランジスタから構成される不揮発性メモリ903と、SRAM902と、画素部906と、画素部の駆動回路であるゲート信号側駆動回路904およびソース信号側駆動回路905と、メモリコントローラ回路901と、が設けられている。また、画像信号、クロック信号若しくは同期信号等は、FPC(フレキシブルプリントサーキット)907を経由して送られてくる。
【0131】
本実施例におけるメモリコントローラ回路901とは、SRAM902および不揮発性メモリ903に画像データを格納したり読み出したりという動作を制御するための制御回路である。
【0132】
SRAM902は高速なデータの書き込みを行なうために設けられている。SRAMの代わりにDRAMを設けてもよく、また、高速な書き込みが可能な不揮発性メモリであれば、SRAMを設けなくてもよい。
【0133】
本実施例の電気光学装置は、例えば実施例1の作製方法によって絶縁表面を有する基板上に一体形成することができる。なお、液晶または発光層の形成を含むTFT形成後の工程については公知の方法を用いて作製すれば良い。
【0134】
また、本実施例では、画素部の駆動回路として、ソース配線駆動回路およびゲート配線駆動回路をそれぞれ1つずつ設けているが、それぞれ複数の駆動回路を設けても構わない。また、SRAM902、画素部906、画素部の駆動回路904、905、およびメモリコントローラ回路901については、公知の回路構造を用いれば良い。
【0135】
本実施例の電気光学装置において、パソコン本体やテレビ受信アンテナ等から送られてきた画像信号は、1フレーム毎にSRAM902に格納(記憶)され、その画像信号はメモリコントローラ回路901によって順次画素部906に入力され表示される。SRAM902には少なくとも画素部906に表示される画像1フレーム分の画像情報が記憶される。例えば、6ビットのデジタル信号が画像信号として送られてくる場合、少なくとも画素数×6ビットに相当するメモリ容量を必要とする。また、メモリコントローラ回路901により、必要に応じて、SRAM902に格納された画像信号を不揮発性メモリ903へ格納したり、不揮発性メモリ903に格納された画像信号を画素部906へ入力し表示したりすることができる。
【0136】
なお、SRAM902および不揮発性メモリ903に格納する画像データはデジタル信号であるので、必要に応じてD/Aコンバータ若しくはA/Dコンバータを同一基板上に形成することが望ましい。
【0137】
本実施例の構成では、画素部906に表示された画像を常にSRAM902に記憶しており、画像の一時停止を容易に行なうことができる。さらにSRAM902に記憶された画像信号を不揮発性メモリ903へ格納したり、不揮発性メモリ903に記憶された画像信号を画素部へ入力することによって、画像の録画および再生といった動作を容易に行なうことができる。そして、ビデオデッキ等に録画することなくテレビ放送を自由に一時停止することや、録画、再生を行なうことが可能となる。
【0138】
録画および再生可能な画像の情報量は、SRAM902と不揮発性メモリ903の記憶容量に依存する。少なくとも1フレーム分の画像信号を格納することにより、静止画の録画と再生が可能となる。さらに、数百フレーム、数千フレーム分といった画像情報を格納しうる程度まで不揮発性メモリ903のメモリ容量を増やすことができれば、数秒若しくは数分前の画像を再生(リプレイ)することも可能となる。
【0139】
なお、本実施例の構成は、実施例1〜5のいずれの構成とも自由に組み合わせて実施することができる。
【0140】
このように、本発明における書き込みまたは消去が自己収束的にできるメモリトランジスタを適用することで、高速書き込みまたは消去及び低消費電力の半導体装置が実現できる。
【0141】
(実施例7)
本発明の不揮発性メモリはデータの記憶・読み出しを行なう記録媒体として、あらゆる分野の電子機器に組み込むことが可能である。本実施例では、その様な電子機器について説明する。
【0142】
本発明の不揮発性メモリを利用しうる電子機器としては、ディスプレイ、ビデオカメラ、デジタルカメラ、頭部取り付け型のディスプレイ、DVDプレーヤー、ゲーム機、ゴーグル型ディスプレイ、カーナビゲーション、音響再生装置(カーオーディオ等)、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話または電子書籍等)などが挙げられる。それらの一例を図10、11に示す。
【0143】
図10(A)はディスプレイであり、筐体1001、支持台1002、表示部1003等を含む。本発明は表示部1003やその他の信号制御回路に接続され、画像信号の補正や処理データの記憶に利用される。
【0144】
図10(B)はビデオカメラであり、本体1011、表示部1012、音声入力部1013、操作スイッチ1014、バッテリー1015、受像部1016で構成される。本発明は内蔵のLSI基板に組み込まれ、画像データの記憶などの機能に利用される。
【0145】
図10(C)は頭部取り付け型のディスプレイの一部(右片側)であり、本体1021、信号ケーブル1022、頭部固定バンド1023、表示部1024、光学系1010、表示装置1026等を含む。本発明は表示装置1026やその他の信号制御回路に接続され、画像信号の補正や処理データの記憶に利用される。
【0146】
図10(D)は記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体1031、記録媒体1032、操作スイッチ1033、表示部(a)1034、表示部(b)1035等で構成される。なお、この装置は記録媒体としてDVD(Digital Versatile Disc)、CD等を用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲームやインターネットを行なうことができる。本発明は内蔵のLSI基板に組み込まれ、画像データや処理データの記憶などの機能に利用される。
【0147】
図10(E)はゴーグル型ディスプレイであり、本体1041、表示部1042、アーム部1043を含む。本発明は表示部1042やその他の信号制御回路に接続され、画像信号の補正や処理データの記憶に利用される。
【0148】
図10(F)はパーソナルコンピュータであり、本体1051、筐体1052、表示部1053、キーボード1054等で構成される。本発明は内蔵のLSI基板に組み込まれ、処理データや画像データの記憶に利用される。
【0149】
図11(A)は携帯電話であり、本体1101、音声出力部1102、音声入力部1103、表示部1104、操作スイッチ1105、アンテナ1106を含む。本発明は内蔵のLSI基板に組み込まれ、電話番号を記録するアドレス機能などを付加するために利用される。
【0150】
図11(B)は音響再生装置、具体的にはカーオーディオであり、本体1111、表示部1112、操作スイッチ1113、1114を含む。本発明は内蔵のLSI基板に組み込まれ、画像データや処理データの記憶などの機能に利用される。また、本実施例では車載用オーディオを示すが、携帯型や家庭用の音響再生装置に用いても良い。
【0151】
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。また、本実施例の電子機器は実施例1〜6のどのような組み合わせからなる構成を用いても実現することができる。
【0152】
このように、本発明における書き込みまたは消去が自己収束的にできるメモリトランジスタを適用することで、高速書き込みまたは消去及び低消費電力の半導体装置が実現できる。
【0153】
【発明の効果】
本発明によれば、書き込みまたは消去後のしきい値分布幅が非常に狭く、高速で低消費電力の書き込みまたは消去が行なえるメモリトランジスタが実現される。また、このようなメモリトランジスタを適用することで、高速書き込みまたは消去が行なえ、低消費電力の半導体不揮発性メモリが実現される。さらに、このようなメモリトランジスタを搭載することで、高速書き込みまたは消去が行なえ、低消費電力の電子機器が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は、本明細書における第一の実施の形態に係わるN型メモリトランジスタを示す平面図、図1(B)は図1(A)のA−A'線に沿う断面図、図1(C)は図1(A)のB−B'線に沿う断面図、図1(D)は回路記号。
【図2】メモリトランジスタの書き込み時におけるしきい値電圧と書き込み時間との関係。図2(A)は、書き込み時間一定の場合、図2(B)は、書き込み時間一定(製造工程を改善)の場合、図2(C)は、ベリファイ書き込み場合。
【図3】メモリトランジスタの書き込み時におけるしきい値電圧と書き込み時間との関係。図3(A)は、書き込み時間一定の場合、図3(B)は、ベリファイ書き込みの場合、図3(C)は、本発明によるメモリトランジスタにおける書き込みの場合。
【図4】図4(A)は、本明細書における第二の実施の形態に係わるN型メモリトランジスタを示す平面図、図4(B)は図4(A)のA−A'線に沿う断面図、図4(C)は図4(A)のB−B'線に沿う断面図、図4(D)は回路記号。
【図5】実施例1におけるN型メモリトランジスタの主要な製造工程を示す断面図。
【図6】実施例1におけるN型メモリトランジスタの主要な製造工程を示す断面図。
【図7】図7(A)は本発明のメモリトランジスタを用いたNOR型フラッシュメモリの回路図、図7(B)は図7(A)の回路パターン。
【図8】本発明のメモリトランジスタを用いた半導体回路を示す図。
【図9】本発明のメモリトランジスタを用いた電気光学装置を示す図。
【図10】本発明のメモリトランジスタを用いた電気光学装置を示す図。
【図11】本発明のメモリトランジスタを用いた電子機器を示す図。
【図12】本発明のメモリトランジスタを用いた電子機器を示す図。
【符号の説明】
101・・・単結晶基板
102・・・チャネル領域
103・・・ソース領域
104・・・ドレイン領域
105・・・素子分離領域
106・・・書き込み制御領域
107・・・書き込み領域
108・・・第一の絶縁膜
109・・・浮遊ゲート
110・・・第二の絶縁膜
111・・・制御ゲート
Claims (5)
- チャネル領域、ソース領域及びドレイン領域を含む活性層と、
前記活性層上の第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜上の浮遊ゲートと、
前記浮遊ゲート上の第2の絶縁膜と、
前記第2の絶縁膜上の制御ゲートと、を各々含む第1のメモリトランジスタと第2のメモリトランジスタを有し、
前記第1のメモリトランジスタが含む前記第1の絶縁膜の厚さは、前記第2のメモリトランジスタが含む前記第1の絶縁膜の厚さより厚く、
前記第1のメモリトランジスタが含む前記チャネル領域に添加されている一導電性の不純物の濃度は、前記第2のメモリトランジスタが含む前記チャネル領域に添加されている前記一導電性の不純物の濃度よりも大きいことを特徴とする半導体不揮発性メモリ。 - 請求項1において、
前記第1のメモリトランジスタと前記第2のメモリトランジスタの一方は、多値の情報を記憶することを特徴とする半導体不揮発性メモリ。 - 請求項1又は2において、
前記第1のメモリトランジスタが含む前記活性層及び前記第2のメモリトランジスタが含む前記活性層は、単結晶半導体基板またはSOI基板を用いて形成されることを特徴とする半導体不揮発性メモリ。 - 請求項1又は2において、
前記第1のメモリトランジスタが含む前記活性層及び前記第2のメモリトランジスタが含む前記活性層は、絶縁表面を有する基板上に形成されることを特徴とする半導体不揮発性メモリ。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の半導体不揮発性メモリを用いた電子機器。
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