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JP4809718B2 - ノズル装置 - Google Patents
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本発明はノズル装置に関し、特にノズル基部にノズルチップが着脱自在に装着されるノズル装置に関する。
特許文献1に開示された分注装置は、ノズル基部とそれに装着されるノズルチップとからなるノズルを有する。そのノズルを用いて、試料や試薬などの液体が分注される。当該分注装置においては、ノズル基部に超音波振動子が設けられ、そこで生じた超音波振動がノズル基部とノズルチップとの結合部に伝達される。これによって、ノズル基部からノズルチップを取り外す際に必要な力を小さくできる。
特開2000−19181号公報
本発明者の実験によれば、ノズル基部とノズルチップとの結合箇所に超音波振動を伝達すると、上記特許文献1に記載されているように、ノズル基部からノズルチップを取り外す際に必要な引き離し力を軽減できることが確認されている。この場合、必要な引き離し力をより低減すること、あるいは、機械的な引き離し力を発生させることなくチップの取り外しを実現すること、が望まれる。
本発明の目的は、ノズルチップをノズル基部から取り外す際に必要となる機械的作用を軽減あるいは不要にできるノズル装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、ノズルチップをノズル基部から容易に取り外せるようにすることにある。
本発明の他の目的は、ノズル基部から取り外されるノズルチップの落下位置が固定化されないようにすることにある。
本発明は、ノズル基部と、前記ノズル基部に着脱自在に装着されるノズルチップと、前記ノズルチップを前記ノズル基部から取り外すチップ取り外し時に、前記ノズル基部と前記ノズルチップとの結合箇所に伝達される超音波振動を発生する超音波振動発生手段と、前記チップ取り外し時に前記ノズルチップに対して力学的作用を加えるために吹き付けられるエアを発生するエア発生手段と、を含み、前記超音波振動の伝達及び前記エアの吹き付けによって、前記ノズル基部と前記ノズルチップとの結合力が弱められる、ことを特徴とするノズル装置に関する。
上記構成によれば、結合箇所への超音波振動の伝達によりノズル基部とノズルチップとの結合力が弱められ、更に、ノズルチップに対してエアの吹き付けを行うことによって、結合力がより弱められる。超音波振動の伝達とエアの吹き付けの併用によって、機械的な作用を加えることなくノズルチップを脱落させることも可能であり、あるいは、脱落させるための別の手段による機械的な作用を弱めても十分な取外しを達成できる。
エア発生手段は、ノズル基部から引き出された配管に接続されてもよいし、ノズル基部の近傍又はそれ自体に設けられてもよい。可動部に組み込むことも可能であるが、その外部に設ければ可動部を駆動する機構の負担を軽減できる。エア発生手段は分注用のポンプとは別体に構成するのが望ましいが、一体化することも可能である。別体に構成する場合、しかも分注用のエア流路を吹き付けエア流路と兼用する場合には、分注時における分注精度を低下させないようにエア発生手段を設けるのが望ましい。吹き付けエア流路を分注エア流路とは別に形成することも可能である。超音波振動の伝達とエアの吹き付けとを同時に行うのが望ましいが、それらの開始タイミングは適宜定めることができる。例えば、超音波振動の発生を先行させた上で、結合力を弱めた状態にしておき、そこでエアの吹き付けを行うようにしてもよい。その吹き付けは断続的に繰り返し行うようにしてもよいし、1回のみ行うようにしてもよい。ノズルチップが脱落した状態を確認するセンサを設けるようにしてもよい。
望ましくは、前記ノズルチップは、少なくとも先端部内において先細形状を有する内部空間を有し、前記エアは前記ノズルチップの上部開口から前記内部空間へ下向きに放出される。この構成によればノズル基部に形成されている開口からその内部へエアの吹き出しを行える。特に、ノズルチップの内部が先細になっているつまりテーパー形状を有している場合、上部開口から瞬時に噴出されるエアに対してノズルチップが閉じた空間のように振る舞うので、吹き矢のような現象を生じさせることが可能となる。
第1参考例においては、前記ノズルチップは上面を有するチップヘッドを備え、前記エアは前記チップヘッドの上面に向かって下向きに放出される。上部は上向きの面であるので、そこに上方から下向きにエアを吹き付ければ下方への押し出し力を与えることができる。
なお、前記エアは前記ノズルチップの側面に対して水平方向から放出されてもよい。水平力の印加によればノズルチップの嵌合状態を崩して結合箇所の摩擦力を低減できる。水平力の印加場所はノズルチップの上部よりも下がった胴部であるのが望ましい。望ましくは、前記エア発生手段は、前記ノズル基部又はそこから伸びる配管に接続されたイジェクト用ポンプを有する。
望ましくは、前記ノズルチップと前記ノズル基部とからなるノズルを搬送する搬送機構を含み、前記搬送機構は、前記チップ取り外し時に前記ノズルをチップ廃棄ステーションに位置決めし、前記チップ廃棄ステーションの下方には、落下したノズルチップを収容するチップ収容部が設けられ、前記搬送機構は、前記チップ廃棄ステーション内における前記ノズルを位置決めする位置を非固定的に変更する。すなわち、超音波振動の伝達及びエアの吹き付けによってノズルチップの抜去を行えるならば、任意の位置で自在にそれを実行可能となるので、つまり、抜去位置を固定化させる必要がなくなるので、様々な位置にノズルチップを落下させることができ、例えば、ノズルチップ廃棄物の高さを平準化することが可能となる。
第2参考例においては、前記エア発生手段は、前記ノズルチップと前記ノズル基部とからなるノズルが位置決めされるチップ取り外しステーションに設置された吹き付け機構を有し、前記吹き付け機構は、前記エア発生手段と、当該エア発生手段で発生したエアを前記ノズルチップに噴射する噴射ノズルと、を有する。この構成によれば、ノズルを含む可動部分に吹き付け機構を搭載しないことも可能となり、搬送機構の負担を軽減できる。
以上説明したように、本発明によれば、ノズルチップをノズル基部から取り外す際に必要となる機械的作用を軽減あるいは不要にできる。本発明によれば、ノズルチップをノズル基部から容易に取り外せる。あるいは、本発明によれば、ノズル基部から取り外されるノズルチップの落下位置が固定化されないようにできる。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明に係るノズル装置の実施形態が示されている。図1に示されるノズル装置は本実施形態において分注装置である。すなわち、ノズルによって試料や試薬を吸引し、それを分注する装置である。
図1において、分注ヘッド10は図示されていない搬送機構によって垂直方向及び水平方向(三次元方向)に搬送される。分注ヘッド10にはノズル基部12が設けられている。ノズル基部12に連結して超音波振動子16が設けられている。本実施形態においては、ノズル基部12はパイプ状の形態を有しており、超音波振動子16はパイプ周囲を取り囲むように設けられている。超音波振動子16としては磁歪型振動子あるいは電歪型振動子などを用いることができ、例えばボルト締め型超音波振動子などを用いてもよい。
ノズル基部12に対してはデュスポーザブルチップとしてのノズルチップ14が着脱自在に装着される。ノズルチップ14の上部には開口14Dが形成されており、その開口14D内にノズル基部12が差し込まれ、両者の嵌合状態が形成される。ノズルチップ14の上部には平坦な上面14Aが形成されている。ノズルチップ14の内部空洞14Bは上方から下方にかけて先細の形状すなわちテーパー形状を有している。符号14Cはノズルチップの先端部を示している。
ノズルチップ14とノズル基部12とによってノズルが構成され、そのノズルにより分注処理が行われる。チップ装着ステーションにおいて、チップラック上にあるノズルチップがノズル基部12に対して装着される。
ノズル基部12に対してはエアチューブとしての配管18を介して分注ポンプ22が接続されている。分注ポンプ22は本実施形態においてシリンジとピストンとからなるものである。配管18には圧力センサ24が接続されており、圧力センサ24によって配管18内の圧力すなわちノズル内の圧力がモニタリングされている。
配管18には三方弁20が設けられ、その三方弁20には配管18から分岐された状態でイジェクト用ポンプ26が接続されている。三方弁20は通常の分注動作においてはノズル基部12を分注ポンプ22に接続する。一方、以下に詳述するノズルチップ取り外し時においてはノズル基部12をイジェクト用ポンプ26へ接続する。
制御部28は図1に示される各構成の動作制御を行っている。制御部28は信号発生器30の動作を制御しており、信号発生器30は上記の超音波振動子16に対して超音波振動を生じさせるための駆動信号を供給している。その駆動信号の周波数やパワーは状況に応じて適宜定めることができ、例えばノズルチップ14の種類に応じて周波数やパワーを異ならせるようにしてもよい。また駆動信号はいわゆるバースト波の列によって構成されてもよいし、連続波によって構成されてもよい。
ノズルチップ取り外しの動作を説明すると、まず分注ヘッド10がノズルチップ取り外しステーション100の領域内に位置決めされる。ノズルチップ取り外しステーション100の下方にはダストボックス102が設けられており、つまりそのような収容部に脱落後のノズルチップが収容される。ノズルチップ取り外しステーション100において分注ヘッド10を停止させる位置は固定的であってもよいが、本実施形態においては超音波振動の伝達とエアの噴き出しと併用することによりノズルチップ取り外し位置を非固定的に設定することができ、すなわちダストボックスの開口内の様々な位置においてノズルチップを落下させることが可能である。これによって、ノズルチップ廃棄物の集団の高さを平準化することが可能となる。
ノズルチップ取り外し時においては、制御部28の制御により、超音波振動子16に対して駆動信号が与えられる。その駆動信号により超音波振動子16が発振し、それによって生じた超音波振動がノズル基部12を介してノズル基部12とノズルチップ14との結合箇所に伝達される。すなわち両者の接合面に超音波振動が伝達されることになる。すると、そこの結合箇所における摩擦力が低下し、ノズルチップ14についての結合力が弱められた状態となる。
一方、超音波振動の駆動と同時にあるいは超音波振動の駆動開始後にイジェクトポンプ26がノズル基部12に接続され、イジェクト用ポンプ26の動作により当該イジェクト用ポンプ26から配管18を介してかなり大きな圧力をもったエアがノズル基部12の内部に送られる。そのエアはノズルチップ14の下端開口から放出され、ノズルチップ14の内部空洞14Bに送り込まれる。そのような瞬時かつ強大なパワーをもったエアに対して、ノズルチップ14の内部空洞14Bは実質的に閉じた空間すなわち密閉空間として振る舞い、その結果として、吹き矢のような現象が生じてノズル基部12からノズルチップ14が脱落することになる。
すなわち、超音波振動は結合箇所において摩擦力を弱める働きを発揮し、そのような状態において上方から下方への力をノズルチップ14に積極的に与えることによりノズルチップ自らの脱落を可能とするものである。もちろん、そのようなエアの供給を加えても脱落現象が生じない場合あるいは、より確実にノズルチップを除去するために従来同様のチップリムーバー等を利用した機械的作用によるチップ取り外しを併用するようにしてもよい。
制御部28は、上述したように搬送機構の制御により、ノズルチップ取り外しステーション100におけるノズル基部12の停止位置をランダムに設定しており、その結果としてノズルチップ廃棄集団の高さを平準化できるという利点がある。また、エアの噴き出しにより、従来のようにノズルチップを強大な機械力をもって取り外す必要がないので、従来において発生しうる可能性があった液体の飛散という問題を効果的に抑制することが可能となる。特に、エアの噴き出しによれば、ノズル基部12の内面あるいはその下面に付着している液滴を吹き飛ばすことも可能であるので、エアの噴き出しはノズルチップの取り外し作用と同時に洗浄作用を発揮することになる。また、ノズルチップ14の内部側にエアを吹き出すので、その内部から上方に液滴が飛散する現象を抑え込むことが可能であり、その意味においても汚染防止の効果がある。
ノズル基部12の振動はいわゆる縦振動であるのが望ましいが、それが横振動であってもよい。また螺旋状の振動を与えることも可能である。本実施形態においては、分注ポンプ22と別体にイジェクト用ポンプ26が設けられていたが、分注ポンプ22をイジェクト用ポンプとして兼用することも可能である。そのような構成によれば装置の構成をより簡略化できるという利点がある。ただし、分注ポンプ22は高精度分注を行う作用を発揮するのに対し、イジェクト用ポンプとしてはかなり大量のエアを瞬時に発生させる必要があるため、そこにはエアの制御に関して格別高精度な制御は不要となるので、イジェクト用ポンプ26として安価なポンプを利用することが可能である。
図1に示される構成によれば、可動部としての分注ヘッド10にはイジェクト用ポンプ26が搭載されていないため、可動部分の重量を削減できるという利点がある。ただし、後に説明するように分注ヘッド10にイジェクト用ポンプを搭載することも可能である。チップが取り外された状態を確認するために、ノズルチップ取り外しステーション100にチップの有無を検出する光学的なセンサを配置してもよい。また、圧力センサ26によって配管内の圧力をモニタリングすることによってもチップの取り外しを確認することが可能である。
図2には、他の実施形態の要部が示されている。この実施形態においてはノズル基部12が二重円筒のような二重の空洞構造を有しており、その中央部分の空洞40は分注用の空洞である。その空洞40の周囲を取り囲むようにそれとは別の空間として構成された空洞42には配管44を経由して図示されていないイジェクト用ポンプからのエアが供給される。そのエアはノズル基部12を先端に形成された開口42Aを介してノズルチップ14内の内部空洞14Bに送り込まれ、それがノズルチップ14を下方へ押し出す作用を発揮する。図3には、図2におけるA−A’断面が示されている。図示されるように二重の空洞構造が構成されている。
図4には、第1参考例が示されている。ノズル基部12には複数のエア通路46,48が形成され、それらの開口46A,48Aはノズルチップ14の上面14Aに対向している。配管50,52を介してイジェクト用ポンプが接続されており、そのポンプにて発生したエアはエア通路46,48を介して開口46A,48Aから上面14A側へ強く吹き出される。その結果、ノズルチップ14に対して上方から下方への押し出し力が与えられ、超音波振動の伝達と相俟ってその噴き出しによりノズルチップ14の脱落を生じさせ、あるいはノズルチップについての結合力を弱めることが可能となる。
図5には、第2参考例が示されており、この図5に示される構成例では、ノズルチップ取り外しステーション100に複数の噴き出し口54,56があらかじめ設置されており、それらの噴き出し口54,56にはイジェクト用ポンプ58が接続されている。ノズルチップ14の取り外し時においては、分注ヘッドが適正な位置に位置決めされ、その状態では各噴き出し口54,56がノズルチップ14の上面14Aに対向することになる。その状態で超音波振動を結合箇所に伝達しつつエアの噴き出しを行えば、上述した各実施形態と同様に、ノズルチップ14をノズル基部12から脱落させることが可能となる。この図5に示す構成例において、ノズルの位置決めが行われた状態で各噴き出し口54,56を前進させて噴き出し位置に位置決めする機構を設けるようにしてもよい。この図5に示す構成によれば既存の分注システムにもエアの噴き出しによる圧力伝達手段を付加できるという利点がある。また図5に示す構成によれば、ノズル基部12の外面をエアの吐出によって洗浄することも可能である。噴き出し口を構成する開口は1又は複数設けることができ、例えばリング状の開口を形成するようにしてもよい。
ちなみに、変形例について説明すると、ノズル基部に対して超音波振動を伝達しながらノズルチップを装着することも可能である。その場合において、エアの吸引によりその装着時の力を高められる。
本発明に係るノズル装置の実施形態を示す概念図である。 他の実施形態に係るエア噴き出し構造を示す図である。 図2に示すA−A’断面を示す断面図である。 第1参考例を示す図である。 第2参考例を示す図である。
符号の説明
10 分注ヘッド、12 ノズル基部、14 ノズルチップ、16 超音波振動子、18 配管、20 三方弁、22 分注ポンプ、24 圧力センサ、26 イジェクト用ポンプ、100 ノズルチップ取り外しステーション、102 ダストボックス。

Claims (5)

  1. ノズル基部と、
    前記ノズル基部に着脱自在に装着されるノズルチップと、
    前記ノズルチップを前記ノズル基部から取り外すチップ取り外し時に、前記ノズル基部と前記ノズルチップとの結合箇所に伝達される超音波振動を発生する超音波振動発生手段と、
    前記チップ取り外し時に前記ノズルチップに対して力学的作用を加えるために吹き付けられるエアを発生するエア発生手段と、
    を含み、
    前記ノズルチップは、少なくとも先端部内において先細形状を有する内部空間を有し、
    前記エアは前記ノズルチップの上部開口から前記内部空間へ下向きに放出され、
    前記チップ取り外し時に前記超音波振動の伝達及び前記内部空間へのエアの吹き付けを同時に行うことによって、前記ノズル基部と前記ノズルチップとの結合力が弱められる、ことを特徴とするノズル装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記ノズル基部に配管を介して接続された分注ポンプが設けられ、
    前記配管の途中に前記エア発生手段が接続された、ことを特徴とするノズル装置。
  3. 請求項1記載の装置において、
    前記ノズル基部は、
    分注ポンプに接続された第1エア通路と、
    前記エア発生手段に接続された第2エア通路と、
    を備える、ことを特徴とするノズル装置。
  4. 請求項1記載の装置において、
    前記エア発生手段は、前記ノズル基部又はそこから伸びる配管に接続されたイジェクト用ポンプを有する、ことを特徴とするノズル装置。
  5. 請求項記載の装置において、
    前記ノズルチップと前記ノズル基部とからなるノズルを搬送する搬送機構を含み、
    前記搬送機構は、前記チップ取り外し時に前記ノズルをチップ廃棄ステーションに位置決めし、
    前記チップ廃棄ステーションの下方には、落下したノズルチップを収容するチップ収容部が設けられ、
    前記搬送機構は、前記チップ廃棄ステーション内における前記ノズルを位置決めする位置を非固定的に変更する、ことを特徴とするノズル装置。
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