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JP4810281B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents
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本発明は、プラズマを用いて半導体基板を処理するプラズマ処理装置に関する。
半導体製造には、プラズマを用いて半導体ウエハにエッチング、CVD(chemical vapor deposition)等の処理を施すプラズマ処理装置が用いられている。プラズマ処理装置では、処理容器内に設けられた基板載置台上に半導体ウエハを載置した状態で処理容器内にプラズマを発生させ、このプラズマによってウエハ表面に所定のプラズマ処理が施される。
プラズマを発生させるためのプラズマ源によって、プラズマ処理の方法または装置は、容量結合型プラズマ(CCP:capaticively coupled plasma)、電子サイクロトロン共鳴プラズマ(ECR:electron cyclotron resonance plasma)、ヘリコン波励起プラズマ(HWP:helicon wave plasma)、誘導結合型プラズマ(ICP:inductively coupled plasma)、マイクロ波励起表面波プラズマ(SWP:surface wave plasma)等に分類される。CCP以外の上記プラズマ源では、放電パワーとバイアスパワーとの独立した制御が可能である。このため、これらプラズマ源の使用は、エッチング形状等の制御を容易とする。
プラズマ処理装置は、半導体製造プロセスにおいて、例えばメタル成膜システムに組み込まれて用いられる。特許文献1および2には、図9に示したような、プラズマ処理装置を半導体ウエハのプレクリーニング装置115として含むメタル成膜システム100が開示されている。メタル成膜システム100は、搬送室110と、搬送アーム119と、搬送室110の周囲に配置された装置群111,112・・・118と、を備えている。装置群は、カセットチャンバー111,112、脱ガス用チャンバー113、チタン(Ti)成膜装置114、プレクリーニング装置115、窒化チタン(TiN)成膜装置116、アルミニウム(Al)成膜装置117、冷却チャンバー118から構成されている。
メタル成膜システム100は、コンタクトホールおよび/またはビアホールが形成された半導体ウエハにバリア層を形成し、その上からAlをホール内に埋め込んで金属層(Al配線)を形成するために用いられる。具体的には、まず、搬送アーム119により、カセットチャンバー111から半導体ウエハを1枚取り出し、プレクリーニング装置115に装入し、プラズマエッチングによって半導体ウエハ表面の自然酸化膜を除去する。次いで、搬送アーム119により、半導体ウエハを脱ガス用チャンバー113に装入して半導体ウエハの脱ガス処理を行う。引き続き、半導体ウエハを、Ti成膜装置114に装入してTi膜を成膜し、その後、TiN成膜装置116に装入してTiN膜を成膜してバリア層とする。さらに、半導体ウエハをAl成膜装置117でAl配線を形成する。最後に、半導体ウエハは冷却チャンバー118で冷却され、カセットチャンバー112に収容される。
こうして、例えば、層間絶縁膜に不純物拡散領域に貫通するコンタクトホールが形成された半導体ウエハ上に、バリア層と、バリア層上に形成され、不純物拡散領域と導通する金属層(Al配線)と、が形成される。
プラズマ処理装置は、プラズマエッチング装置のみならずプラズマCVD装置としても半導体製造に用いられている。プラズマCVD等のCVDにより形成された膜は、スパッタリングにより形成された膜と比較して、いわゆるステップカバレージに優れている。このため、例えば、メタル成膜システム100のように、コンタクトホール、ビアホール等の内部にバリア層を形成する必要がある場合には、スパッタリングよりもCVDが有利である。
しかし、CVDでは、膜原料を気化させてチャンバー内に供給する必要がある。膜原料の気化装置は、CVD装置の製造原価の低減を阻害する要因の一つとなっている。また、CVDでは、気化可能な膜原料を用いる必要がある。このため、CVDでは、使用できる膜原料に制約があり、この制約は、形成すべき膜の種類によっては、価格が高い原料の使用によって製造原価を引き上げる要因となっている。例えば、イリジウム(Ir)は、強誘電体メモリ材料として注目されているPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)の電極膜の材料として使用される。しかし、MOCVD(metal organic CVD)によりIr膜を成膜するための原料は非常に高価である。
特開2002−237486号公報 特開2003−124201号公報
そこで、本発明は、気化可能な膜原料および膜原料の気化装置の使用を必要とせずに成膜を可能とする新たなプラズマ処理装置を提供することを目的とする。
気化装置を不要とする新たなプラズマ処理装置を実現できれば、1つの処理装置によるエッチングおよびCVDの実施についての支障も小さくなる。そこで、本発明の別の目的は、エッチングおよびCVDの両方の実施に適した新たなプラズマ処理装置を提供することにある。
本発明は、処理容器と、前記処理容器に供給されたガスのプラズマを発生させるプラズマ発生手段と、前記処理容器内に設けられ、膜を形成すべき半導体基板が載置される基板載置台と、前記処理容器内に設けられ、前記処理容器内で発生したプラズマによりエッチング処理されて、前記膜の前駆体を前記処理容器内に放出する金属部材と、前記処理容器内にハロゲン原子を含むガスを供給するガス供給手段と、前記処理容器内で発生したプラズマを前記金属部材へと引き寄せるための第1高周波電力を前記金属部材に供給する第1配線と、前記処理容器内で発生したプラズマを前記半導体基板へと引き寄せるための第2高周波電力を前記基板載置台に供給する第2配線と、を備えた、プラズマ処理装置を提供する。当該プラズマ処理装置は、具体的には、略円筒状のベルジャーが上方に設けられた処理容器と、前記処理容器に供給されたガスのプラズマを発生させるプラズマ発生手段であって、前記ベルジャーの側面外周を巻回するように配置されたコイルと、前記ベルジャーの上壁外側に配置され且つ接地された導電性部材とを含むプラズマ発生手段と、前記処理容器内に設けられ、膜を形成すべき半導体基板が載置される基板載置台と、前記ベルジャー内に設けられ、前記処理容器内で発生したプラズマによりエッチング処理されて、前記膜の前駆体を前記処理容器内に放出する金属部材と、前記ベルジャー内に設けられ、前記金属部材を着脱自在に保持するホルダーと、前記処理容器内にハロゲン原子を含むガスを供給するガス供給手段と、前記処理容器内で発生したプラズマを前記金属部材へと引き寄せるための第1高周波電力を前記金属部材に供給する第1配線と、前記基板載置台と前記導電性部材との間に電界を形成するための、および、前記処理容器内で発生したプラズマを前記半導体基板へと引き寄せるための第2高周波電力を前記基板載置台に供給する第2配線と、誘導電磁界を前記ベルジャー内に形成するための第3高周波電力を前記コイルに供給するための第3配線と、を備え、前記金属部材および前記ホルダーは、前記プラズマ発生手段によってプラズマが発生されるプラズマ発生空間に配置されており、前記プラズマ発生空間は、前記ベルジャーの前記上壁の内面と前記基板載置台との間に存在し、前記金属部材および前記ホルダーは、前記コイルによって囲まれており、前記金属部材および前記ホルダーは、前記基板載置台および前記ベルジャーの前記上壁から離間して配置されており、前記導電性部材と前記基板載置台とは、前記プラズマ発生空間を挟んで対向している。上記のガス供給手段としては、第1ガスと、ハロゲン原子を含み前記第1ガスとは異なる第2ガスと、を供給するガス供給手段が好ましい。
また、本発明は、その別の側面から、処理容器と、前記処理容器に供給されたガスのプラズマを発生させるプラズマ発生手段と、前記処理容器内に設けられ、エッチング処理および/または成膜処理を行うべき表面を有する半導体基板が載置される基板載置台と、前記処理容器内に設けられ、前記処理容器内で発生したプラズマによりエッチング処理されて、前記成膜処理により形成される膜の前駆体を前記処理容器内に放出する金属部材と、前記処理容器内に、前記半導体基板の表面をエッチング処理するための第1ガスと、ハロゲン原子を含み前記第1ガスとは異なる第2ガスと、を供給するガス供給手段と、前記処理容器内で発生したプラズマを前記金属部材へと引き寄せるための第1高周波電力を前記金属部材に供給する第1配線と、前記処理容器内で発生したプラズマを前記半導体基板へと引き寄せるための第2高周波電力を前記基板載置台に供給する第2配線と、を備えた、プラズマ処理装置を提供する。当該プラズマ処理装置は、具体的には、略円筒状のベルジャーが上方に設けられた処理容器と、前記処理容器に供給されたガスのプラズマを発生させるプラズマ発生手段であって、前記ベルジャーの側面外周を巻回するように配置されたコイルと、前記ベルジャーの上壁外側に配置され且つ接地された導電性部材とを含むプラズマ発生手段と、前記処理容器内に設けられ、エッチング処理および/または成膜処理を行うべき表面を有する半導体基板が載置される基板載置台と、前記ベルジャー内に設けられ、前記処理容器内で発生したプラズマによりエッチング処理されて、前記成膜処理により形成される膜の前駆体を前記処理容器内に放出する金属部材と、前記ベルジャー内に設けられ、前記金属部材を着脱自在に保持するホルダーと、前記処理容器内に、前記半導体基板の表面をエッチング処理するための第1ガスと、ハロゲン原子を含み前記第1ガスとは異なる第2ガスと、を供給するガス供給手段と、前記処理容器内で発生したプラズマを前記金属部材へと引き寄せるための第1高周波電力を前記金属部材に供給する第1配線と、前記基板載置台と前記導電性部材との間に電界を形成するための、および、前記処理容器内で発生したプラズマを前記半導体基板へと引き寄せるための第2高周波電力を前記基板載置台に供給する第2配線と、誘導電磁界を前記ベルジャー内に形成するための第3高周波電力を前記コイルに供給するための第3配線と、備え、前記金属部材および前記ホルダーは、前記プラズマ発生手段によってプラズマが発生されるプラズマ発生空間に配置されており、前記プラズマ発生空間は、前記ベルジャーの前記上壁の内面と前記基板載置台との間に存在し、前記金属部材および前記ホルダーは、前記コイルによって囲まれており、前記金属部材および前記ホルダーは、前記基板載置台および前記ベルジャーの前記上壁から離間して配置されており、前記導電性部材と前記基板載置台とは、前記プラズマ発生空間を挟んで対向している。
本発明のプラズマ処理装置では、処理容器内に配置した金属部材をプラズマでエッチング処理することによって形成すべき膜の前駆体を発生させることとした。このため、気化可能な膜原料を用いる必要がなく、膜原料の気化装置を準備する必要もない。
また、本発明のプラズマ処理装置では、金属部材に第1高周波電力が、基板載置台に第2高周波電力がそれぞれ供給される。これら電力を調整して処理容器内におけるプラズマの密度分布を適切に制御することにより、半導体基板上への成膜の幅広い制御が可能となる。このように、本発明では、金属部材を処理容器内に配置するばかりでなく、金属部材および基板載置台にそれぞれ高周波電力を供給できるようにしたため、成膜の制御が容易かつ幅広くなった。
さらに本発明によれば、エッチングおよびCVDの双方に使用できるプラズマ処理装置が提供される。このプラズマ処理装置は、エッチング装置とCVD装置とを別の装置として配置してきた成膜システムにおいて、設備投資の大幅な削減を可能とする。
本発明のプラズマ処理装置は、高周波電源をさらに備え、第1配線および第2配線が、第1配線および第2配線のいずれかを選択するスイッチング素子を介して高周波電源に接続された、プラズマ処理装置としてもよい。また、本発明のプラズマ処理装置は、第1高周波電源および第2高周波電源をさらに備え、第1配線が第1高周波電源に、第2配線が第2高周波電源にそれぞれ接続された、プラズマ処理装置としてもよい。前者の形態によれば、高周波電源を配線ごとに準備する必要がなくなる。後者の形態によれば、配線ごとに適した高周波電源を使用できる。
本発明のプラズマ処理装置は、電力印加制御手段をさらに備え、この電力印加制御手段が、第1配線を介して金属部材に第1高周波電力を供給することにより、プラズマを金属部材へと引き寄せながらこのプラズマにより金属部材をエッチング処理する第1ステップと、第2配線を介して基板載置台に第2高周波電力を供給することにより、膜の前駆体をを含むプラズマを半導体基板へと引き寄せながら膜の前駆体を半導体基板上へと付着させる第2ステップと、をこの順に実施する手段を含む、プラズマ処理装置とすることが好ましい。この電力印加制御手段は、第1および第2高周波電力により、プラズマの密度分布を成膜に適した状態に制御する。膜の前駆体は、例えば、ハロゲン原子と金属部材から放出された金属原子とを含む化合物である。
本発明のプラズマ処理装置は、以下の制御手段をさらに備えていることが好ましい。この制御手段は、電力印加およびガス供給を制御する制御手段であって、半導体基板の表面に膜を形成する膜形成制御、を実施する手段を含む。この膜形成制御は、例えば、ガス供給手段から処理容器内に第2ガスを供給し、プラズマ発生手段により処理容器内に第2ガスのプラズマを発生させ、かつ第1配線を介して金属部材に第1高周波電力を供給することにより、第2ガスのプラズマを金属部材へと引き寄せながら金属部材をエッチング処理して膜の前駆体を生成する第1ステップと、プラズマ発生手段により処理容器内におけるプラズマを維持しながら第2配線を介して基板載置台に第2高周波電力を供給することにより、膜の前駆体を含むプラズマを半導体基板へと引き寄せながら膜の前駆体を半導体基板上へと付着させる第2ステップと、をこの順に実施する制御である。
上記の膜形成制御は、ガス供給手段から処理容器内に第1ガスを供給し、プラズマ発生手段により処理容器内に第1ガスのプラズマを発生させ、かつ第1配線を介して金属部材に第1高周波電力を供給することにより、第1ガスのプラズマを金属部材へと引き寄せながら金属部材をエッチング処理して膜の前駆体Aを生成する第1ステップと、ガス供給手段から処理容器内に第2ガスを供給し、膜の前駆体Aと第2ガスとを反応させて膜の前駆体Bを生成させ、かつプラズマ発生手段により処理容器内におけるプラズマを維持しながら第2配線を介して基板載置台に第2高周波電力を供給することにより、膜の前駆体Bを含むプラズマを半導体基板へと引き寄せながら膜の前駆体Bを半導体基板上へと付着させる第2ステップと、をこの順に実施する制御であってもよい。
上記の制御手段は、膜形成制御とともに、この制御に先立って、半導体基板の表面をエッチング処理するエッチング処理制御をさらに実施してもよい。エッチング処理制御は、例えば、ガス供給手段から処理容器内に第1ガスを供給し、プラズマ発生手段により処理容器内に第1ガスのプラズマを発生させ、かつ第2配線を介して基板載置台に第2高周波電力を供給することにより、第1ガスのプラズマを半導体基板へと引き寄せながら半導体基板の表面をエッチング処理する制御である。
本発明のプラズマ処理装置では、金属部材が、基板載置台から離間して配置されていることが好ましい。プラズマの密度分布の制御による成膜の制御が容易になるためである。
本発明のプラズマ処理装置は、金属部材を着脱自在に保持するホルダーを処理容器内にさらに備えていてもよい。金属部材は、エッチングにより消耗するため交換する必要がある。また、膜の種類に応じて、金属部材を選択する必要がある。このため、処理容器内には、金属部材を着脱自在に保持するホルダーを配置しておくと便利である。本発明のプラズマ処理装置にはホルダーのみを予め処理容器内に設けることとして、金属部材は形成すべき膜の種類に応じて成膜の際にホルダーに保持することとしてもよい。ただし、本発明のプラズマ処理装置には必ずしも金属部材のホルダーを設ける必要はなく、金属部材のみを配置してもよい。
金属部材を保持するホルダーは、金属部材を複数個保持するものであることが好ましい。ホルダーは、その形状に限定はないが、金属部材を内周壁面に、例えばほぼ等間隔に、保持する環状部材とすることが好ましい。ほぼ等間隔に金属部材を配置すると、半導体基板上への均質な成膜を実現しやすくなる。
金属部材は、例えば、白金、ルテニウム、イリジウム、タンタル、ゲルマニウム、タングステン、クロム、ハフニウム、ニッケル、コバルト、モリブデンおよびチタンからなるものとして構成することが好ましい。イリジウム、白金、ハフニウムのようにCVDによる成膜の原料が高価な金属に適用すると、本発明による成膜コスト削減の効果は多大なものとなる。
ガス供給手段から供給されるハロゲン原子を含むガス(第2ガス)は、塩化水素(HCl)ガス、塩素(Cl2)ガス、フッ素(F2)ガス、フルオロカーボン(CF系)ガスまたは臭化水素(HBr)ガスであることが好ましい。ガス供給手段からは、必要に応じ、さらに、不活性ガスや還元性のガス(例えば水素(H2)ガス)が供給される。
なお、第1ガスとしては、アルゴンなどの不活性ガスに加え、水素、窒素、酸素などのガスを用いることができる。第1ガスは、ハロゲン原子を含まないガスであってもよい。
ガス供給手段は、半導体基板上に付着した膜の前駆体と反応させるための、第2ガスとは異なる第3ガスをさらに供給するものであってもよい。
この場合、制御手段が、第2ステップの後に、ガス供給手段から処理容器内に供給された第3ガスのプラズマを、プラズマ発生手段により処理容器内に発生させ、かつ第2配線を介して半導体基板に第2高周波電力を供給することにより、プラズマを半導体基板へと引き寄せながらプラズマにより半導体基板上に形成された膜の前駆体(例えば膜の前駆体B)を処理する第3ステップをさらに実施する、こととしてもよい。
第3ガスの種類に制限はなく、窒素ガス、酸素ガスなどであってもよいが、例えば膜の前駆体を還元するためのガスとすることが好ましい。この還元性のガスとしては、水素ガス、シラン(SiH4)、アンモニア(NH3)、メタン(CH4)、エチレン(C24)などが挙げられる。第3ガスも、ハロゲン原子を含まないガスであってもよい。
本発明のプラズマ処理装置は、半導体基板を加熱するためのヒーターをさらに含んでいてもよく、この場合は、制御手段が、第2ステップの後に、ヒーターによって半導体基板を加熱することにより、半導体基板上に付着した膜の前駆体を処理する第3ステップをさらに実施することとしてもよい。膜の前駆体の処理(例えば還元)は、第3ガスのプラズマと、ヒーターによる加熱との両方を適用して行ってもよい。
本発明のプラズマ処理装置は、金属部材とプラズマとの接触を制御するシャッター機構をさらに備えていてもよい。このシャッター機構は、成膜の制御をさらに容易とする。シャッター機構を設けておくと、金属部材が無駄に消費され、あるいは成膜以外の処理の際に膜の前駆体が処理容器内に放出されて半導体基板の表面を汚染することを防止できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付して説明を省略することがある。
(第1の実施形態)
図1は、本発明のプラズマ処理装置の一例の断面図である。
プラズマ装置1は、略円筒状のチャンバー31と、チャンバー31の上方に設けられ、チャンバー31と気密に接続された略円筒状のベルジャー32とから構成される処理容器を有している。処理容器31,32内の空間10(以下、「処理空間」と呼ぶ)は、後述する減圧機構により減圧可能となっている。
チャンバー31内には、半導体ウエハWを水平に支持するサセプター33と、サセプター33を支持する円筒状の支持部材35とが配設されている。サセプター33は、導電体により構成されているが、半導体ウエハWを支持する表面は石英等の絶縁体により覆われている。ベルジャー32の上壁外側には、ベルジャー32上壁を介してサセプター33と対向するように、接地された導電性部材49が配置されている。
ベルジャー32は、石英、セラミックス等の絶縁体で形成されており、その側面外周にはコイル42が巻回されている。コイル42には高周波電力を供給可能な高周波電源44が接続されている。高周波電源44からコイル42に高周波電力を供給することにより、ベルジャー32内に誘導電磁界が形成され、この誘導電磁界により処理空間10にプラズマが生成する。このように、コイル42および高周波電源44は、(ICP)プラズマ発生手段として機能する。後述するように、本実施形態では、サセプター33、高周波電源34および導電性部材49もプラズマの点火に用いられるため、これらの部材33,34,49もプラズマ発生手段の一部となる。
ベルジャー32の内側には、その側面内周に沿って、被エッチング材となる金属部材11のホルダー12が配設されている。図2に示すように、ホルダー12は、環状(リング状)の部材であって、その内周壁には、複数の金属部材11を等間隔で着脱自在に保持している。ホルダー12は、石英、シリコンカーバイド等の絶縁体で形成されており、図示を省略する支柱によってベルジャー32の内壁に固定されている。エッチングにより消耗すると、あるいは形成すべき膜の種類に応じて、金属部材11は交換される。金属部材11としては、スパッタリングターゲットとして市販されている円盤状の金属材料を用いるとよい。
ホルダー12内には、配置される金属部材11と電気的に接触するようにリング状の電極13が配置されている。電極13は、第1配線19を介して第1高周波電源14に接続されている。第1配線19の電極13と第1高周波電源14との間には、容量素子(コンデンサ)18が介挿されている。コンデンサ18は、処理空間10で発生したプラズマを導電体である金属部材11近傍に引き寄せるために挿入されている。
サセプター33は、第2配線39を介して第2高周波電源34と接続されている。第2高周波電源34からサセプター33に高周波電力を供給することにより、サセプター33と導電性部材49との間に、半導体ウエハWに対して垂直な電界が形成される。この垂直な電界はプラズマの点火に用いられる。高周波電源34からサセプター33に供給される高周波電力は、処理空間10のプラズマを半導体ウエハWへと引き寄せる役割も担う。
サセプター33には、電源37に接続されたヒーター36が埋設されている。ヒーター36は、電源37からの給電により、半導体ウエハWを所定の温度に加熱する加熱手段として機能する。サセプター33の上方には、サセプター33上に載置された半導体ウエハWの外縁をクランプして保持するクランプリング38が設けられている。クランプリング38は、図示を省略する昇降機構により昇降可能であり、下降時にウエハWをクランプする。
チャンバー31の側壁には開口46が形成されており、開口46にはゲートバルブ47が設けられている。ゲートバルブ47を開にした状態で、半導体ウエハWは、搬送アームにより隣接する搬送室(図示省略)とチャンバー31内との間を搬送される。チャンバー31の側壁には、ガス供給ノズル48も設けられている。ガス供給ノズル48を通じて、ガス供給機構60から供給されるガスが処理空間10に導入される。
ガス供給機構60は、3種類のガスを供給することができるように構成されている。ガス供給機構60は、Arガス源61、HClガス源71、H2ガス源81と、これらガス源61,71,81にそれぞれ接続されたマスフローコントローラ63,73,83と、それぞれのマスフローコントローラ63,73,83の前後に配置された開閉バルブ62,64,72,74,82,84と、を備えている。ガス供給機構60は、種類ごとに所定の流量に調整されたガスを、ガス供給ノズル48を通じて処理空間10に供給する。
チャンバー31の底壁には、排気管75が接続されており、排気管75には真空ポンプを含む排気装置70が接続されている。排気装置70により、処理空間10は所定の真空度にまで減圧される。排気装置70は、処理空間10を所定の真空度に減圧し維持する減圧機構として機能する。
プラズマ処理装置1には、制御装置55と、制御装置55に接続されてこの装置55からの信号により開閉されるスイッチング素子56,57,58とが設けられている。スイッチング素子56,57,58は、それぞれ高周波電源14,34,44からの高周波電力の供給を制御する。図1では図示が省略されているが、制御装置55は、マスフローコントローラ63,64,65、排気装置70等にも接続され、これら装置の制御も行うことができる。
図1に示した装置の構成から明らかなように、第1高周波電源14からの高周波電力と、第2高周波電源34からの高周波電力とは、それぞれ個別に制御して供給することができる。これら高周波電力の供給を受ける金属部材11とサセプター33とは電気的に互いに分離している。また、高周波電源44からの高周波電力の供給も、第1、第2高周波電源14,34からの高周波電力の供給とは別に制御することができる。
以下、プラズマ処理装置1を用いた成膜の一例を説明する。ここでは、半導体ウエハW上へのTi膜の成膜を取り上げる。この場合、金属部材11としては、Tiからなる部材を用いることになる。
まず、ゲートバルブ47を開にして、ゲートバルブ47を介して隣接する搬送室(図示省略)に配置された搬送アームにより、搬送室から処理空間10に半導体ウエハWを搬入し、このウエハWをサセプター33の支持ピン(図示省略)上に受け渡す。次いで、支持ピンをサセプター33内に没入させてウエハWをサセプター33上に載置し、上方で待機していたクランプリング38を下降させ、クランプリング38によりウエハW外縁をクランプする。引き続き、ゲートバルブ47を閉にして、排気装置70により処理空間10のガスを排気管75から排気して所定の減圧状態(例えば1mTorr(133.3mPa)程度)に保持する。
次いで、減圧状態に保持された処理空間10に、ガス供給機構60からArガスを所定の流量(例えば300sccm)で供給する。そして、Arガスを供給しながら、第2高周波電源34から第2配線39を介してサセプター33へと高周波電力を供給することにより、サセプター33と導電性部材49との間に半導体ウエハWに対して垂直な電界を形成し、この電界によりArガスを励起させてプラズマを点火する。第2高周波電源34から供給される高周波電力の周波数は例えば13.56MHz、出力は例えば500Wとするとよい。
プラズマ点火の後、高周波電源44からコイル42への高周波電力の供給を開始してベルジャー32内に誘導電磁界を形成するとともに、第2高周波電源34からサセプター33への高周波電力の供給を停止する。これ以降は、コイル42への高周波電力の供給によりベルジャー32内に形成される誘導電磁界によってプラズマが維持される。高周波電源44から供給される高周波電力の周波数は例えば13.56MHz、出力は例えば500Wとするとよい。
こうしてプラズマを維持しながら、ガス供給機構60を用い、Arガスの流量を減少させるとともにHClガスの供給を開始する。このとき、Arガスの流量は例えば1sccm、HClガスの流量は例えば10slmとするとよい。HClガスのような腐食性ガスを励起したプラズマは金属をエッチングする性質を有する。例えば、Tiは、HClガスのプラズマに接すると、形成すべき膜(Ti膜)の前駆体となるチタン塩化物(TiClx)を放出する。
効率的に膜の前駆体を放出させるためには、金属部材11の近傍におけるプラズマの密度を高めるとよい。そこで、HClガスの供給とともに、第1高周波電源14から第1配線19および電極13を通じて金属部材11に高周波電力(第1高周波電力)を供給して、プラズマの密度分布を変化させる。金属部材11への高周波電力の供給により、処理空間10で生成したプラズマは、金属部材11に引き寄せられ、金属部材11近傍において高密度となる。
金属部材11を構成するTiがエッチング処理されることにより、膜の前駆体となるチタン塩化物が処理空間10に放出される。膜の前駆体の放出量は、金属部材11近傍の空間におけるプラズマ密度に依存する。このため、金属部材11への高周波電力の印加を制御することにより、具体的には、高周波電力の周波数、出力等を制御対象とすることにより、膜の前駆体の放出量を制御することができる。金属部材11へのプラズマの引き寄せのために第1高周波電源14から供給される高周波電力の周波数は例えば450kHz、出力は例えば1000Wとするとよい。
その後、第1高周波電源14からの高周波電力の供給を停止するとともに、第2高周波電源34から第2配線39を通じてサセプター33に高周波電力(第2高周波電力)を供給して、膜の前駆体を含むプラズマをサセプター33上に載置した半導体ウエハWへと引き寄せる。これにより、金属部材11から放出された膜の前駆体が半導体ウエハW上に堆積する。サセプター33へのプラズマの引き寄せのために第2高周波電源34から供給される高周波電力の周波数および出力は、プラズマ点火の際に述べたとおりとするとよい。
引き続き、半導体ウエハW上に堆積した膜の前駆体を還元して金属膜とする。膜の還元は、電源37からヒーター36に通電して、半導体ウエハWを50〜800℃程度に加熱することによって行う。こうして、半導体ウエハW上に金属膜(ここではTi膜)が形成される。
膜の還元は、加熱と還元性のプラズマによる処理とにより行ってもよい。この場合は、電源37からヒーター36に通電することにより、半導体ウエハWを上記程度の温度に加熱するとともに、ガス供給機構60からは、HClガスの供給を停止するとともに、ArガスおよびH2ガスを所定の流量で処理空間10に供給し、処理空間10に還元性のプラズマを生成させる。H2ガスはH2ガス源81から供給される。このとき、Arガスの流量は例えば300sccm、H2ガスの流量は例えば50sccmとするとよい。還元性のプラズマは、引き続き第2高周波電源34からサセプター33に供給される高周波電力の供給により、半導体ウエハWに引き寄せられる。
成膜終了の後、排気装置70による排気量、およびガス供給機構60からのガス供給量を制御して、処理空間10の真空度を搬送室と同等の真空度に調整する。その後、クランプリング38による半導体ウエハWのクランプを解放し、支持ピン(図示省略)をサセプター33から突出させてウエハWを持ち上げさせ、ゲートバルブ47を開にして搬送アームをチャンバー31内に進入させてウエハWを搬送室へと取り出す。こうして、プラズマ処理装置1における成膜工程が終了する。
上記では、プラズマ処理装置1を用いた成膜の一例を説明したが、プラズマ処理装置1はエッチング処理の実施にも適用できる。ここでは、以下に、Ti成膜の前に半導体ウエハWの表面に行われるべきエッチング処理(自然酸化膜を除去するためのプレクリーニング処理)について説明する。このプレクリーニング処理に用いるガスは、ArガスおよびH2ガスであるが、これらのガス源は、Ti成膜に用いるために既に準備されているため(符号61,81)、この例では装置の構成を図1に示した構成から変える必要はない。しかし、エッチング処理に用いるガスが異なる場合には、そのガス源をガス供給機構60に追加する必要が生じる。
まず、半導体ウエハWの搬入、Arガスの導入およびサセプター33への高周波電力の供給によるプラズマの点火、およびコイル42への高周波電力の供給によるプラズマの維持を、上記と同様にして実施する。
プラズマを維持しながら、ガス供給機構60を用い、Arガスの流量を減少させるとともに、H2ガス源81から、還元性ガスであるH2ガスの供給を開始する。このとき、Arガスの流量は例えば300sccm、H2ガスの流量は例えば50sccmとするとよい。こうして、還元性のプラズマを処理空間10に生成させる。
引き続き、第2高周波電源34から第2配線39を介してサセプター33に高周波電力を供給し、プラズマを半導体ウエハWに引き寄せながら、このプラズマで半導体ウエハWの表面をエッチング処理する。第2高周波電源34から供給される高周波電力の周波数および出力は、成膜の際のプラズマ引き寄せのための電力と同様とするとよい。このエッチング処理により、例えば、半導体ウエハWの表面に形成されたSi,CoSi,W,WSi,TiSi等の自然酸化膜(例えばSiOx)を除去することができる。エッチング処理の後の半導体ウエハWの搬出は、上記と同様にして行われる。
上記で説明したような高周波電力を供給しながらのエッチング処理および成膜は、電力供給等を制御する制御装置55を用いて行ってもよい。図1に示したように、制御装置55は、スイッチング素子56,57,58に接続されてこれら素子の開閉を制御し、さらに、図示は省略するが、マスフローコントローラ63,73,83、排気装置70、電源37等に接続され、図1に示された各部材の運転を制御する。
制御装置55は、所定のプログラム、例えば上記で説明したエッチング処理や成膜が実施できるようにスイッチング素子56,57,58の開閉等を制御するプログラムを内蔵したメモリと、このプログラムを実行する中央演算処理装置(CPU)とを有するように構成するとよい。
なお、図1に示した装置では、制御装置55がスイッチング素子56,57,58に接続されているが、これに限らず、制御装置55を高周波電源14,34,44に直接接続して、電源14,34,44を直接制御することとしてもよい。
図3に、制御装置55に保存されたプログラムにより実施されるべき制御の一例を示す。この制御は、図1に示した装置を用いて金属膜の成膜を行うために適用されるべき制御例である。
図3に示された制御は、半導体ウエハWがサセプター33上に装入され、排気装置70により処理空間10が減圧されてから、開始される。
まず、ステップ1(S1)において、制御装置55は、ガス供給機構60から処理空間10にArガスが所定の流量で供給されるようにマスフローコントローラ63を制御し、かつ開いていた第2スイッチング素子57を閉じて第2高周波電源34から配線39を介してサセプター33へと高周波電力を供給する。こうして、プラズマが点火される。
次いで、ステップ2(S2)において、制御装置55は、開いていた第3スイッチング素子58を閉じて高周波電源44からコイル42への高周波電力の供給を開始するとともに、第2スイッチング素子57を開いて第2高周波電源34からサセプター33への高周波電力の供給を停止する。また、マスフローコントローラ63,73を制御し、Arガスの流量を減少させるとともにHClガスの供給を開始する。こうして、ハロゲン原子を含むガスのプラズマ(腐食性プラズマ)が生成する。
引き続き、ステップ3(S3)において、開いていた第1スイッチング素子56を閉じて第1高周波電源14から金属部材11への高周波電力の供給を開始する。こうして、プラズマが金属部材11に引き寄せられ、金属部材11のエッチング処理が実施される。ステップ2とステップ3との実施はオーバーラップしていてもよい。
さらに、ステップ4(S4)において、第1スイッチング素子56を開いて第1高周波電源14からの高周波電力の供給を停止するとともに、第2スイッチング素子57を再び閉じて第2高周波電源34からサセプター33への高周波電力の供給を再開する。こうして、半導体ウエハW上に膜の前駆体を堆積させる。
その後、ステップ5(S5)において、ヒーター36を用いた半導体ウエハWの加熱により、膜の前駆体を還元して金属膜が形成する。
こうして金属膜の成膜工程が終了し、半導体ウエハWがゲートバルブ47から搬送室に搬出される。
図3に示された制御例とは異なり、金属部材のエッチング処理をArガスのプラズマにより実施してもよい。この場合は、HClガスの導入を実施する前に、金属部材11に高周波電力の供給を開始して金属部材11をエッチング処理する。HClガスの供給は、この後に開始され、供給されたHClと処理空間10に放出されたTi(前駆体A)との反応により、TiClx(前駆体B)が生成する。以降は、ステップ4,5と同様にして、金属膜が成膜される。
図4に、制御装置55で実施する制御の別の一例を示す。この制御は、図1に示した装置を用いたエッチング処理により半導体ウエハWに形成された自然酸化膜を除去するために適用される制御例である。
まず、ステップ11(S11)において、ステップ1と同様にして、プラズマが点火される。
次いで、ステップ12(S12)において、開いていた第3スイッチング素子58を閉じて高周波電源44からコイル42への高周波電力の供給を開始するとともに、第2スイッチング素子57を開いて第2高周波電源34からサセプター33への高周波電力の供給を停止する。また、マスフローコントローラ63,73を制御し、Arガスの流量を減少させるとともにH2ガスの供給を開始する。こうして、還元性のプラズマが生成する。
引き続き、ステップ13(S13)において、開いていた第2スイッチング素子57を再び閉じて第2高周波電源34からサセプター33への高周波電力の供給を開始する。こうして、プラズマが半導体ウエハWに引き寄せられ、半導体ウエハWのエッチング処理が実施される。
こうして自然酸化膜の除去工程が終了し、半導体ウエハWがゲートバルブ47から搬送室に搬出される。あるいは、半導体ウエハをチャンバ内にとどめたまま、引き続き、成膜のための制御が行われる。
(第2の実施形態)
図5は、本発明のプラズマ処理装置の別の一例の断面図である。
プラズマ処理装置2は、ホルダー12およびこれに保持された金属部材11の位置を除いては、第1の実施形態で説明したプラズマ処理装置1と同一の構成を有する。この装置2では、金属部材11は、半導体ウエハWの上方において、その表面がウエハWの表面に対向するように配置されている。
金属部材11は、これに供給される高周波電力によって引き寄せられるプラズマによるエッチング処理によって膜の前駆体が放出され、この前駆体が被処理基板に到達可能である限り、処置空間10における配置場所に制限はない。しかし、半導体ウエハWよりも上方の処理空間10においてガスをプラズマ化し、半導体ウエハWよりも下方(この装置では下端の排気管75)からガスを排気する通常の装置構成では、金属部材11は半導体ウエハWよりも上方に配置することが好ましい。
(第3の実施形態)
図6は、本発明のプラズマ処理装置のまた別の一例の断面図である。
プラズマ処理装置3は、第1配線19および第2配線39がスイッチング素子59を介して同一の高周波電源34に接続されていることを除いては、第1の実施形態で説明したプラズマ処理装置1と同一の構成を有する。スイッチング素子59は、第1配線19と第2配線39とから、高周波電力を供給すべき配線を択一的に選択する。この装置3では、金属部材11およびサセプター33に高周波電力を供給するために個別の電源を用意する必要がなくなる。この装置3には、各配線19,39にその開閉を担うスイッチング素子をさらに設けてもよい。
(第4の実施形態)
図7は、本発明のプラズマ処理装置のさらに別の一例の断面図である。
プラズマ処理装置4は、ホルダー12に金属部材11を覆うシャッター17が付加されていることを除いては、第3の実施形態で説明したプラズマ処理装置3と同一の構成を有する。
シャッター17は、処理容器31,32の外部からその開閉の程度を制御できるように構成されており、金属部材11の表面のすべてを覆って処理空間10内で生成したプラズマから金属部材11を隔離することもできる。シャッター17は、プラズマが生成していても金属部材11をエッチングする必要がない場合には閉じられて金属部材11のエッチングやスパッタリングを防止する。
例えば、図示した状態では、高周波電源34からの高周波電力が金属部材11に供給されている。このため、シャッター17による金属部材11表面の遮蔽がないと、例えばArガスの導入によるプラズマ点火を実施しただけで、Arプラズマによる金属部材11のスパッタリングが発生するおそれがある。
(第5の実施形態)
図8は、本発明のプラズマ処理装置を用いたメタル成膜システムの構成の一例を示す図である。
メタル成膜システム80は、搬送室90と、搬送アーム99と、搬送室90の周囲に配置された装置群91,92,・・・94,96・・・98と、を備えている。装置群は、カセットチャンバー91,92、脱ガス用チャンバー93、Ti成膜装置兼プレクリーニング装置94、TiN成膜装置96、Al成膜装置97、冷却チャンバー98から構成されている。Ti成膜装置兼プレクリーニング装置94は、本発明によるプラズマ処理装置である。
メタル成膜システム80は、コンタクトホールおよび/またはビアホールが形成された半導体ウエハにバリア層を形成し、その上からアルミニウム(Al)をホール内に埋め込んで金属層(Al配線)を形成するために用いられる。具体的には、まず、搬送アーム99により、カセットチャンバー91から半導体ウエハWを1枚取り出し、プレクリーニング装置94に装入し、プラズマエッチングによって半導体ウエハW表面の自然酸化膜を除去する。次いで、搬送アーム99により、半導体ウエハを脱ガス用チャンバー93に装入して半導体ウエハの脱ガス処理を行う。引き続き、半導体ウエハを、チタン(Ti)成膜装置(プレクリーニング装置に同じ)94に装入してTi膜を成膜し、その後、窒化チタン(TiN)成膜装置96に装入してTiN膜を成膜してバリア層とする。さらに、半導体ウエハをAl成膜装置97でAl配線を形成する。最後に、半導体ウエハは冷却チャンバー98で冷却され、カセットチャンバー92に収容される。
こうして、例えば、層間絶縁膜に不純物拡散領域に貫通するコンタクトホールが形成された半導体ウエハ上に、バリア層と、バリア層上に形成され、不純物拡散領域と導通する金属層(Al配線)と、が形成される。
メタル成膜システム80は、図9に示した従来のメタル成膜システム100と比較してチャンバー数が1つ少なく、その構成が簡略化されている。
上記各実施形態は、本発明の実施の形態を例示するものに過ぎず、本発明がこれらの実施形態に制限されるわけではない。
例えば、金属部材11をエッチング処理するためのガスは、HClに限らず、Cl2、F2、CF系ガス、HBr等のハロゲン原子を含むガスを用いることができる。成膜する膜も、Ti膜に限らず、Ir膜等の金属膜、TiN、TaN等の窒化膜、TaO等の酸化膜とすることができる。窒化膜を成膜する場合にはN2、NH3等の窒素源を、酸化膜を形成する場合にはO2等の酸素源を、ガス供給機構60にさらに準備するとよい。金属部材11を構成する金属は、成膜すべき膜の金属種に応じて適宜選択される。
また例えば、上記各実施形態では、プラズマ源をICPとしたが、プラズマ源は、ECR、HWP、SWP等であってもよい。これらのプラズマ源を用いる場合にも、基本的には、上記と同じように装置を構成することにより、上記と同様の成膜が可能となる。
また例えば、ホルダー12の形状は環状に限らないし、金属部材11やホルダー12の個数にも制限はない。ホルダー12を用いなくても本発明は実施可能である。例えば、図3に示した環状部材全体を金属部材としても構わない。
以上説明したとおり、本発明は、膜原料の気化装置を必要としない新たなプラズマCVDを実現する手段を提供するものとして、またエッチングとCVDによる成膜とを同一の装置で実施するものとして、半導体製造の技術分野において多大な利用価値を有する。
本発明の第1の実施形態におけるプラズマ処理装置の断面図である。 図1に示したホルダー12の斜視図である。 図1に示した制御装置で実施する制御の一例を示すフローチャートである。 図1に示した制御装置で実施する制御の別の一例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態におけるプラズマ処理装置の断面図である。 本発明の第3の実施形態におけるプラズマ処理装置の断面図である。 本発明の第4の実施形態におけるプラズマ処理装置の断面図である。 本発明のプラズマ処理装置を用いたメタル成膜システムの構成の一例を示す図である。 従来のメタル成膜システムの構成を例示する図である。
符号の説明
10 処理空間
11 金属部材
12 ホルダー
13 電極
14 第1高周波電源
17 シャッター
18 コンデンサ
19 第1配線
31 チャンバー
32 ベルジャー
33 サセプター
34 第2高周波電源
35 支持台
36 ヒーター
37 電源
38 クランプリング
39 第2配線
42 コイル
44 高周波電源
46 開口
47 ゲートバルブ
48 ガス供給ノズル
49 導電性部材
55 制御装置
56 第1スイッチング素子
57 第2スイッチング素子
58 第3スイッチング素子
59 スイッチング素子
60 ガス供給機構
61 Arガス源
62,64,72,74,82,84 開閉バルブ
63,73,83 マスフローコントローラ
70 排気装置
71 HClガス源
75 排気管
80 メタル成膜システム
81 H2ガス源
90 搬送室
91,92、カセットチャンバー
93 脱ガス用チャンバー
94 プラズマ処理装置(プレクリーニング装置兼Ti成膜装置)
96 TiN成膜装置
97 Al成膜装置
98 冷却チャンバー
99 搬送アーム

Claims (18)

  1. 略円筒状のベルジャーが上方に設けられた処理容器と、
    前記処理容器に供給されたガスのプラズマを発生させるプラズマ発生手段であって、前記ベルジャーの側面外周を巻回するように配置されたコイルと、前記ベルジャーの上壁外側に配置され且つ接地された導電性部材とを含むプラズマ発生手段と、
    前記処理容器内に設けられ、膜を形成すべき半導体基板が載置される基板載置台と、
    前記ベルジャー内に設けられ、前記処理容器内で発生したプラズマによりエッチング処理されて、前記膜の前駆体を前記処理容器内に放出する金属部材と、
    前記ベルジャー内に設けられ、前記金属部材を着脱自在に保持するホルダーと、
    前記処理容器内にハロゲン原子を含むガスを供給するガス供給手段と、
    前記処理容器内で発生したプラズマを前記金属部材へと引き寄せるための第1高周波電力を前記金属部材に供給する第1配線と、
    前記基板載置台と前記導電性部材との間に電界を形成するための、および、前記処理容器内で発生したプラズマを前記半導体基板へと引き寄せるための第2高周波電力を前記基板載置台に供給する第2配線と、
    誘導電磁界を前記ベルジャー内に形成するための第3高周波電力を前記コイルに供給するための第3配線と、
    を備え、
    前記金属部材および前記ホルダーは、前記プラズマ発生手段によってプラズマが発生されるプラズマ発生空間に配置されており、
    前記プラズマ発生空間は、前記ベルジャーの前記上壁の内面と前記基板載置台との間に存在し、
    前記金属部材および前記ホルダーは、前記コイルによって囲まれており、
    前記金属部材および前記ホルダーは、前記基板載置台および前記ベルジャーの前記上壁から離間して配置されており、
    前記導電性部材と前記基板載置台とは、前記プラズマ発生空間を挟んで対向している、プラズマ処理装置。
  2. 前記ガス供給手段が、第1ガスと、ハロゲン原子を含み前記第1ガスとは異なる第2ガスと、を供給する、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 略円筒状のベルジャーが上方に設けられた処理容器と、
    前記処理容器に供給されたガスのプラズマを発生させるプラズマ発生手段であって、前記ベルジャーの側面外周を巻回するように配置されたコイルと、前記ベルジャーの上壁外側に配置され且つ接地された導電性部材とを含むプラズマ発生手段と、
    前記処理容器内に設けられ、エッチング処理および/または成膜処理を行うべき表面を有する半導体基板が載置される基板載置台と、
    前記ベルジャー内に設けられ、前記処理容器内で発生したプラズマによりエッチング処理されて、前記成膜処理により形成される膜の前駆体を前記処理容器内に放出する金属部材と、
    前記ベルジャー内に設けられ、前記金属部材を着脱自在に保持するホルダーと、
    前記処理容器内に、前記半導体基板の表面をエッチング処理するための第1ガスと、ハロゲン原子を含み前記第1ガスとは異なる第2ガスと、を供給するガス供給手段と、
    前記処理容器内で発生したプラズマを前記金属部材へと引き寄せるための第1高周波電力を前記金属部材に供給する第1配線と、
    前記基板載置台と前記導電性部材との間に電界を形成するための、および、前記処理容器内で発生したプラズマを前記半導体基板へと引き寄せるための第2高周波電力を前記基板載置台に供給する第2配線と、
    誘導電磁界を前記ベルジャー内に形成するための第3高周波電力を前記コイルに供給するための第3配線と、
    を備え、
    前記金属部材および前記ホルダーは、前記プラズマ発生手段によってプラズマが発生されるプラズマ発生空間に配置されており、
    前記プラズマ発生空間は、前記ベルジャーの前記上壁の内面と前記基板載置台との間に存在し、
    前記金属部材および前記ホルダーは、前記コイルによって囲まれており、
    前記金属部材および前記ホルダーは、前記基板載置台および前記ベルジャーの前記上壁から離間して配置されており、
    前記導電性部材と前記基板載置台とは、前記プラズマ発生空間を挟んで対向している、プラズマ処理装置。
  4. 高周波電源をさらに備え、
    前記第1配線および前記第2配線が、前記第1配線および前記第2配線のいずれかを選択するスイッチング素子を介して前記高周波電源に接続された、請求項1または3に記載のプラズマ処理装置。
  5. 第1高周波電源および第2高周波電源をさらに備え、
    前記第1配線が前記第1高周波電源に、前記第2配線が前記第2高周波電源にそれぞれ接続された、請求項1または3に記載のプラズマ処理装置。
  6. 電力印加制御手段をさらに備え、前記電力印加制御手段が、
    前記第1配線を介して前記金属部材に前記第1高周波電力を供給することにより、前記プラズマを前記金属部材へと引き寄せながら前記プラズマにより前記金属部材をエッチング処理する第1ステップと、
    前記第2配線を介して前記基板載置台に前記第2高周波電力を供給することにより、前記膜の前駆体を含むプラズマを前記半導体基板へと引き寄せながら前記膜の前駆体を前記半導体基板上へと付着させる第2ステップと、
    をこの順に実施する手段を含む、請求項1または3に記載のプラズマ処理装置。
  7. 電力印加およびガス供給を制御する制御手段をさらに備え、前記制御手段が、
    前記半導体基板の表面に膜を形成する膜形成制御、を実施する手段を含み、
    前記膜形成制御が、
    前記ガス供給手段から前記処理容器内に前記第2ガスを供給し、前記プラズマ発生手段により前記処理容器内に前記第2ガスのプラズマを発生させ、かつ前記第1配線を介して前記金属部材に前記第1高周波電力を供給することにより、前記第2ガスのプラズマを前記金属部材へと引き寄せながら前記金属部材をエッチング処理して前記膜の前駆体を生成する第1ステップと、
    前記プラズマ発生手段により前記処理容器内におけるプラズマを維持しながら前記第2配線を介して前記基板載置台に前記第2高周波電力を供給することにより、前記膜の前駆体を含むプラズマを前記半導体基板へと引き寄せながら前記膜の前駆体を前記半導体基板上へと付着させる第2ステップと、をこの順に実施する制御である、請求項2または3に記載のプラズマ処理装置。
  8. 電力印加およびガス供給を制御する制御手段をさらに備え、前記制御手段が、
    前記半導体基板の表面に膜を形成する膜形成制御、を実施する手段を含み、
    前記膜形成制御が、
    前記ガス供給手段から前記処理容器内に前記第1ガスを供給し、前記プラズマ発生手段により前記処理容器内に前記第1ガスのプラズマを発生させ、かつ前記第1配線を介して前記金属部材に前記第1高周波電力を供給することにより、前記第1ガスのプラズマを前記金属部材へと引き寄せながら前記金属部材をエッチング処理して前記膜の前駆体Aを生成する第1ステップと、
    前記ガス供給手段から前記処理容器内に前記第2ガスを供給し、前記膜の前駆体Aと前記第2ガスとを反応させて前記膜の前駆体Bを生成させ、かつ前記プラズマ発生手段により前記処理容器内におけるプラズマを維持しながら前記第2配線を介して前記基板載置台に前記第2高周波電力を供給することにより、前記膜の前駆体Bを含むプラズマを前記半導体基板へと引き寄せながら前記膜の前駆体Bを前記半導体基板上へと付着させる第2ステップと、をこの順に実施する制御である、請求項2または3に記載のプラズマ処理装置。
  9. 前記制御手段が、
    前記膜形成制御とともに、前記膜形成制御に先立って、前記半導体基板の表面をエッチング処理するエッチング処理制御をさらに実施し、
    前記エッチング処理制御が、
    前記ガス供給手段から前記処理容器内に前記第1ガスを供給し、前記プラズマ発生手段により前記処理容器内に前記第1ガスのプラズマを発生させ、かつ前記第2配線を介して前記基板載置台に前記第2高周波電力を供給することにより、前記第1ガスのプラズマを前記半導体基板へと引き寄せながら前記半導体基板の表面をエッチング処理する制御である、請求項7または8に記載のプラズマ処理装置。
  10. 前記ホルダーが、前記金属部材を複数個保持する、請求項1または3に記載のプラズマ処理装置。
  11. 前記ホルダーが、前記金属部材を内周壁面に保持する環状部材である、請求項1または3に記載のプラズマ処理装置。
  12. 前記金属部材が、白金、ルテニウム、イリジウム、タンタル、ゲルマニウム、タングステン、クロム、ハフニウム、ニッケル、コバルト、モリブデンおよびチタンから選ばれる少なくとも1種を含む請求項1または3に記載のプラズマ処理装置。
  13. 前記ハロゲン原子を含むガスが、塩化水素ガス、塩素ガス、フッ素ガス、フルオロカーボンガスまたは臭化水素ガスである、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  14. 前記金属部材と前記プラズマとの接触を制御するシャッター機構をさらに備えた請求項1または3に記載のプラズマ処理装置。
  15. 前記ガス供給手段が、前記半導体基板上に付着した前記膜の前駆体と反応させるための、前記第2ガスとは異なる第3ガスをさらに供給する、請求項2または3に記載のプラズマ処理装置。
  16. 前記ガス供給手段が、前記半導体基板上に付着した前記膜の前駆体と反応させるための、前記第2ガスとは異なる第3ガスをさらに供給し、
    前記制御手段が、前記第2ステップの後に、
    前記ガス供給手段から前記処理容器内に供給された前記第3ガスのプラズマを、前記プラズマ発生手段により前記処理容器内に発生させ、かつ前記第2配線を介して前記半導体基板に前記第2高周波電力を供給することにより、前記プラズマを前記半導体基板へと引き寄せながら前記プラズマによって前記半導体基板上に付着した前記膜の前駆体を処理する第3ステップをさらに実施する、
    請求項7または8に記載のプラズマ処理装置。
  17. 前記第3ガスが、前記膜の前駆体を還元するためのガスである、請求項15または16に記載のプラズマ処理装置。
  18. 前記半導体基板を加熱するためのヒーターをさらに含み、
    前記制御手段が、前記第2ステップの後に、
    前記ヒーターによって前記半導体基板を加熱することにより、前記半導体基板上に付着した前記膜の前駆体を処理する第3ステップをさらに実施する、
    請求項7または8に記載のプラズマ処理装置。
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