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JP4810663B2 - Ocbモード液晶表示装置 - Google Patents
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本発明は、OCBモード液晶表示装置に関し、特に、広視野角化および高コントラスト化を実現するために位相差フィルム(光学補償フィルムに同じ)および液晶セルを最適化したOCBモード液晶表示装置に関する。
OCB(Optically Compensated Bend)モード液晶表示装置(以下、OCBモードLCDとも記す)は、広視野角、高速動画表示が可能であることから、次世代の液晶ディスプレイとして注目されている。OCBモードLCDは、ベンド配向液晶と光学補償フィルム、偏光子から構成されている。近年、この光学補償フィルムとして、高分子化したディスコティック材料を用いることが森らにより提案され、OCBモードLCDの広視野角化(ただし視野角160°)が実現できることが報告された(非特許文献1,2)。
高分子化したディスコティック材料を用いるフィルムは、学術的にはPDMフィルム(Polymerized Discotic Material film)と呼ばれ、商品名としてはOCBWVフィルム(OCB Wide View-film)と呼ばれており、このPDMフィルムは、図2に示すように、二軸性基板(二軸性の光学異方性をもった基板)10上にPDM層20を有する構成となっている。PDM層20は、二軸性基板10上に、ハイブリッド配列したディスコティック液晶材料を塗布し、高分子化させることにより形成される。
H.Mori and Philip J.Bos:Jpn.Appl.Phys.,Vol.38 pp.2838(1999) Y.Ito,R.Matsubara,R.Nakamura,M.Nagai,S.Nakamura,H.Mori and K.Mihayashi:SID Symp Digest Tech.Papers,p.986(2005)
光学補償フィルムとしてPDMフィルムを用いたOCBモードLCDを設計するためには、PDMフィルムの構成と液晶のベンド配向の条件を上手く合わせることが必要である。ところが、この解析は非常に困難であり、従来はトライアルアンドエラーに頼ることが多かった。そのため、OCBモードでは、IPS(in-plane-switching)モードやVA(vertical alignment)モードに比べ、コントラスト比および視野角特性の点でまだ改善の余地が残されていた。
ちなみに図1は、従来のOCBモードLCD(光学補償フィルムにはPDMフィルムを用いている)の表示性能の1例を示す等コントラスト線図(ここで、コントラスト比は計算値)である。なお、等コントラスト線図は、視野を表す同心円座標系(同心円の中心を極角0°とし、半径方向に極角、円周方向に方位角をとった座標系)上に等コントラスト比の線を描いたものである(以下同じ)。この例では、コントラスト比に局所的不均一が発現し、高コントラスト・広視野角化(コントラスト特性および視野角特性が共に向上した状態)が実現されているとは言いがたい。
本発明は上述の問題を解決し、PDM補償フィルム(光学補償フィルムとしてのPDMフィルムの意)を用いるOCBモードLCDにおいて、トライアルアンドエラーによらずにPDM補償フィルムの構成および液晶のベンド配向の条件を最適化し、高コントラスト・広視野角化を実現しうるOCBモード液晶表示装置を提供することを目的とする。
発明者らは、上記目的を達成するためにOCBモードLCD(PMD補償フィルム使用)の光学特性を解析し、次の条件1が満たされれば、高コントラスト・広視野角化を実現しうることを見出した。
・条件1:二軸性基板を通過後の偏光状態が、ベンド配向の配向面またはこれに垂直な面内において入射角度に依らず、入射面に対し45°または-45°の楕円長軸方位を有する楕円偏光になっている(あるいはこれに近い状態になっている)こと。
さらに、条件1に加えて、次の条件1-2、条件2、条件3のいずれか一または二以上が満たされると、満たす条件数が多いほど、コントラスト特性および/または視野角特性がより大きく向上することを見出した。
・条件1‐2:上記楕円偏光の楕円率が可及的に小さいこと。
・条件2:二軸性基板に次いでPDM層を通過した光がベンド配向液晶に入射し、ベンド配向の中間地点に来た時の偏光状態が、入射面に対し45°または-45°の直線方位を有する直線偏光になっている(あるいはこれに近い状態になっている)こと。
・条件3:液晶材料とPDM層の複屈折の波長分散が等しい(あるいはこれに近い状態になっている)こと。
本発明は、上述の新たな知見に基づいてなされたものであり、その要旨構成は以下のとおりである。
1.PDM補償フィルムを用いるOCBモード液晶表示装置であって、液晶セルの入射側と出射側とにそれぞれ液晶セル側から順にPDM層、二軸性基板、偏光子が配置され、入射側の二軸性基板を通過後の偏光状態が、ベンド配向液晶の配向面またはこれに垂直な面内において入射角度に依らず、入射面に対しほぼ45°またはほぼ−45°の楕円長軸方位を有する楕円偏光になり、入射側のPDM補償フィルムを通過後ベンド配向液晶に入射し、同液晶の中間地点に達した時の偏光状態が、入射面に対しほぼ45°またはほぼ−45°のほぼ直線偏光になることを特徴とするOCBモード液晶表示装置。
ここで、“ほぼΘ(Θ=45°または−45°)”とは、楕円長軸方位がΘ±10°の範囲内にあることを意味する。
2.前記楕円偏光の楕円率が0.5以下であることを特徴とする前項1に記載のOCBモード液晶表示装置。
ここで、楕円率(楕円の短軸長さ対長軸長さの比)は、好ましくは0.25以下、より好ましくは0.1以下である。なお、楕円率が0の楕円偏光(すなわち直線偏光)が最も好ましい。
ここで、“ほぼΘ(Θ=45°または−45°)”とは、楕円長軸方位がΘ±10°の範囲内にあることを意味する。また、“ほぼ直線偏光”とは、楕円率が0〜0.2の範囲内にある楕円偏光を意味する。
.液晶材料とPDM層の複屈折の波長分散がほぼ等しいことを特徴とする前項1又は2に記載のOCBモード液晶表示装置。
ここで、“液晶材料とPDM層の複屈折の波長分散がほぼ等しい”とは、[数1]に示す式においてε=0.05とした式が可視光のあらゆる波長λにわたって満たされることを意味する。なお、好ましくはε=0.025、より好ましくはε=0.01である。
本発明によれば、従来よりも一段と優れた高コントラスト・広視野角特性を有するOCBモードLCDを実現することができる。
図3は、PDM補償フィルムを用いるOCBモードLCDの構成を示す模式図である。ここで、光は図の下から上に通過する(LCDの下部が入射側、上部が出射側になる)ものとする。
本発明の最良の実施形態においては、OCBモードLCDはベンド配向液晶5の配向中心面に関し上下対称な構造を有する。よって、OCBモードの上部と下部の間のリタデーションΓ関係および遅相軸方位関係は次式で表される。
ΓLC1=ΓLC2, ΦLC1=−ΦLC2
ΓPDM1=ΓPDM2, ΦPDM1=−ΦPDM2
ΓBiax1=ΓBiax2, ΦBiax1=−ΦBiax2
ここで、添え字LC1、PDM1およびBiax1はそれぞれ、液晶5の上部分、上部(出射側)のPMD層7および二軸性基板6を表し、また、添え字LC2、PDM2およびBiax2はそれぞれ、液晶5の下部分、下部(入射側)のPMD層3および二軸性基板2を表す。
この場合、広視野角内で高コントラスト比を達成するために二軸性基板とOCBモード液晶セルが満たすべき最良の条件(理想的な条件)は次の(a)〜(c)である。
(a)二軸性基板2を通過後の偏光状態の方位(楕円偏光の長軸方位)が、入射面に対し45°または−45°であること(二軸性基板8でも同様)。
(b)ベンド配向液晶5の中心(上部と下部の境界)における偏光状態が45°または−45°の直線偏光であること。
(c)液晶5の複屈折の波長分散がPDM層のそれと同じであること。
図4は、斜め観察時に高コントラスト比を得るためのOCBモードLCDの理想的条件に対応する偏光状態を示す図である。この図では、ポアンカレ球面上の各点が各偏光状態と一対一に対応し、S1が0である大円が45°または−45°の偏光状態に対応する。
この図に示すように、入射光の偏光状態Tinが二軸性基板2により点Pの位置に移行し、かつベンド配向液晶5の中心における偏光状態が点Pであるならば、液晶セル15を通過後の偏光状態は点Pとなり、この偏光は、二軸性基板8の吸収軸方位Aoutへと回転する。その結果、広視野角範囲内で暗状態が得られる。
前記条件(a)〜(c)に従い、OCBモードLCDを設計した。図5は、このLCDについて斜め観測時における二軸性基板2による偏光状態の変換を示すものである。図示のように、二軸性基板2を通過後の偏光状態は広視野角範囲内で45°の楕円偏光になることを確認した。なお、図5は、上記楕円偏光の楕円率が0.5超である例を示している。
また、図5Aには、上記楕円偏光の楕円率が0.5以下0.1超である例(a)、およびこの楕円率が0.1以下である例(b)を示した。この楕円率が小さいほどコントラスト比が向上することも確認した。
図6は、前記設計してなるOCBモード液晶セルについての等コントラスト線(計算値)を示すものである。図6を、従来のIPSモードの等コントラスト線図(図7参照)と比べると、本発明により広視野角範囲において高コントラスト比が達成されていることがわかる。
前記理想的条件を満たすように設計し、この設計に従い通常の製造プロセス(このプロセスにおける製造誤差は、製品が本発明の規定すなわち前項1〜に記した“ほぼ”の範囲を逸脱するほど大きなものではない)で製造したOCBモード液晶セルに走査型LEDバックライトを組合わせて、15インチのCFS(Color-field sequential refreshing)‐LCDを試作した。このLCDの仕様を表1に示す。なお、このLCD試作品の外観を図8に示す。
このLCDは、1350:1の高コントラスト比、170°にわたる広視野角(コントラスト比>10:1)を示し、かつ広視野角範囲内でのグレイスケール反転が生じないものであることを確認した。さらに、このLCDの付加的特徴として、色ずれ(color-shift)抑制のためのオーバドライブへの適用性が挙げられる。
かくして、本発明によれば広視野角範囲内での極めて高いコントラスト比、高輝度を示し、さらには色割れ(color break-up)のない高画質動画表示特性をもつ高品質のCFS‐LCDが実現することが確認できた。
従来のOCBモードLCD(光学補償フィルムにはPDMフィルムを用いている)の表示性能の1例を示す等コントラスト線図である。 PDMフィルムの構成を示す模式図である。 PDM補償フィルムを用いるOCBモードLCDの構成を示す模式図である。 斜め観測時に高コントラスト比を得るためのOCBモードLCDの理想的条件に対応する偏光状態を示す図である。 入射側の二軸性基板による偏光状態の変換(楕円偏光の楕円率が0.5超である例)を示す図である。 入射側の二軸性基板による偏光状態の変換を示す図((a)は楕円偏光の楕円率が0.5以下0.1超である例、(b)は楕円偏光の楕円率が0.1以下である例)である。 本発明のOCBモードLCDの表示性能の1例を示す等コントラスト線図である。 従来のIPSモードLCDの表示性能の1例を示す等コントラスト線図である。 本発明に係るカラーフィールドシーケンシャルOCBモードLCD試作品の外観を示すカラー写真のモノクロ複写図である。
符号の説明
1 偏光子(入射側)
2 二軸性基板(入射側)
3 PDM層(入射側)
4 透明基板(入射側)
5 液晶(ベンド配向液晶)
6 透明基板(出射側)
7 PDM層(出射側)
8 二軸性基板(出射側)
9 偏光子(出射側)
15 液晶セル
10 二軸性基板
20 PDM層

Claims (3)

  1. PDM補償フィルムを用いるOCBモード液晶表示装置であって、液晶セルの入射側と出射側とにそれぞれ液晶セル側から順にPDM層、二軸性基板、偏光子が配置され、入射側の二軸性基板を通過後の偏光状態が、ベンド配向液晶の配向面またはこれに垂直な面内において入射角度に依らず、入射面に対しほぼ45°またはほぼ−45°の楕円長軸方位を有する楕円偏光になり、入射側のPDM補償フィルムを通過後ベンド配向液晶に入射し、同液晶の中間地点に達した時の偏光状態が、入射面に対しほぼ45°またはほぼ−45°のほぼ直線偏光になることを特徴とするOCBモード液晶表示装置。
  2. 前記楕円偏光の楕円率が0.5以下であることを特徴とする請求項1に記載のOCBモード液晶表示装置。
  3. 液晶材料とPDM層の複屈折の波長分散がほぼ等しいことを特徴とする請求項1又は2に記載のOCBモード液晶表示装置。
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