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JP4811066B2 - 回路形成用荷電性粉末およびその製造方法ならびに回路パターンを有するガラス基板の製造方法 - Google Patents
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回路形成用荷電性粉末およびその製造方法ならびに回路パターンを有するガラス基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真法によって被印刷物上に回路パターンを形成するにあたって用いられる回路形成用荷電性粉末およびその製造方法に関し、さらに電子写真法によって形成された回路パターンを有するガラス基板の製造方法に関する。
被印刷物上に導電性の回路パターンを形成する方法として電子写真法がある。電子写真法に用いられる回路パターン形成用の荷電性粒子には以下の特性が要求される。
(1)導電性を有する必要がある一方、十分に帯電するためには、少なくとも外周が絶縁物で構成されている必要がある。
(2)回路パターンのはがれを防止するため、被印刷物に対して十分な固着強度を有していなければならない。
かかる要求を満たそうとするものとして、特許文献1に記載された回路形成用荷電性粉末がある。この回路形成用荷電性粉末は、導電性金属粉末の表面に金属酸化物粒子を固着させ、その外周に樹脂を被覆したことを特徴とする。
この発明は、導電性金属粉末の表面に金属酸化物粒子を固着させることにより、被印刷物であるセラミック基板と回路パターンとの接合強度を向上させている。また、外周を樹脂で被覆することにより帯電性を確保している。
さらに別の先行技術として特許文献2には、導電性金属粉末とガラス粉末とを荷電制御剤を熱溶融性樹脂中に分散した構造を有する回路印刷用荷電性粒子が記載されている。この発明によれば、ガラス粉末を含むことにより、ガラス粉末が絶縁基板中のガラス成分と反応して回路パターンと絶縁基板の界面での密着性が向上する。また、熱溶融性樹脂によって帯電性を確保している。
特開2001−284767号公報 特開平6−69618号公報
特許文献1および2に記載された発明は、被印刷物としてセラミック基板やガラス成分を含む絶縁基板を用いているが、近年、電子写真法によってガラス基板上に回路を形成することが試みられている。
特許文献1,2に記載された回路形成用荷電性粒子を用いてガラス基板上に回路パターンを形成する場合、回路パターンとガラス基板との間に十分な接着強度を得られない。これは、特許文献1,2は例えば1000℃(特許文献1の[0020]段落参照)や900℃(特許文献2の[0016]段落参照)といった高温での熱処理に耐えうるセラミック基板や絶縁基板を被印刷物としているため、荷電性粒子の印刷後に高温で熱処理することによって被印刷物との接着強度を高めることができるのに対して、ガラス基板はこのような高温での熱処理に耐えられないためである。
また、特許文献2に記載された発明では、熱溶融性樹脂中に導電性金属粉末を分散させた構造であるため、荷電性粒子の表面に導電性金属粉末が露出することがある。荷電性粒子の表面に一部でも導体が存在する場合には帯電性が大きく低下するため、特許文献2に記載された発明では、十分な帯電性が得られないことがあった。
本発明はこのような問題点を解決しようとするものであり、高温での熱処理に耐えられないガラス基板上に回路パターンを形成するのに好適な回路形成用荷電性粒子およびその製造方法を提供することを目的とする。また、電子写真法を用いた回路パターンを有するガラス基板の製造方法を提供することを目的とする。
上記問題点を解決するため本願第1の発明に係る回路形成用荷電性粒子は、導電性金属粒子と、該導電性金属粒子の表面に固着されたガラス粒子と、該ガラス粒子よりも外周に形成された樹脂被覆層と、を有し、前記ガラス粒子はガラス転移点が350℃以上640℃未満であるガラスからなることを特徴とする。
ここでガラス粒子のガラス転移点が350℃以上とされている理由は、ガラス転移点がこれより低いとガラス転移点と樹脂の分解温度が近接しすぎて、印刷後の加熱時に溶融したガラスの内部に樹脂が閉じこめられて樹脂がガス化し印刷パターンに亀裂や剥がれが生じるおそれがあるからである。
また、ガラス粒子のガラス転移点が640℃未満とされている理由は、ガラス転移点がこれより高いと一般的にソーダガラスからなるガラス基板の軟化点に接近してしまうためである。印刷後の加熱工程では、ガラス基板の変形を防ぐためにガラス基板の軟化点以上に加熱することはできないので、ガラス粒子のガラス転移点がガラス基板の軟化点より十分低くされていないと、印刷後の加熱時にガラス粉末が十分に溶融せずに密着強度の不足や導電性金属粒子の焼結拡散不良が発生するからである。
本願第2の発明に係る回路形成用荷電性粒子は、導電性金属粒子と、該導電性金属粒子の表面に形成された膜状のガラス層と、該ガラス層よりも外周に形成された樹脂被覆層と、を有し、前記ガラス層はガラス転移点が350℃以上640℃未満であるガラスからなることを特徴とする。
ガラス層を構成するガラスのガラス転移点が350℃以上640℃未満とされている理由は、本願第1発明においてガラス粒子のガラス転移点が350℃以上640℃未満とされている理由と同様である。
また本願第3の発明に係る回路形成用荷電性粒子の製造方法は、導電性金属粒子とガラス粒子とを機械被覆装置に投入して該導電性金属粒子の表面に該ガラス粒子を固着させるガラス粒子固着工程と、前記ガラスが固着した導電性金属粒子と樹脂とを機械被覆装置に投入して前記ガラス粒子よりも外周に樹脂被覆層を形成する樹脂被覆工程と、を含み、前記ガラス粒子はガラス転移点が350℃以上640℃未満であるガラスからなることを特徴とする。
本願第4の発明に係る回路形成用荷電性粒子の製造方法は、導電性金属粒子とガラス粒子とを機械被覆装置に投入して該導電性金属粒子の表面にガラスを固着させるガラス粒子固着工程と、前記ガラスが固着した導電性粒子を加熱して前記ガラス粒子を溶融させることにより前記導電性金属粒子の表面に膜状のガラス層を形成するガラス層形成工程と、前記ガラス層が形成された導電性金属粒子と樹脂とを機械被覆装置に投入して前記ガラス層よりも外周に樹脂被覆層を形成する樹脂被覆工程と、を含み、前記ガラス粒子はガラス転移点が350℃以上640℃未満であるガラスからなることを特徴とする。
さらに本願第5の発明に係る回路パターンを有するガラス基板の製造方法は、第1または第2の発明に係る回路形成用荷電性粒子を電子写真法によってガラス基板上に印刷する工程と、前記ガラス基板および前記回路形成用荷電性粒子を加熱することにより前記樹脂被覆層を熱分解させるとともに前記ガラス粒子または前記ガラス層を溶融させ、前記ガラス基板上に回路パターンを形成する熱処理工程と、を有し、前記熱処理工程における最高温度は前記ガラス粒子または前記ガラス層のガラス転移点よりも高くかつ前記ガラス基板の軟化点よりも低いことを特徴とする。
なお、ガラス軟化点はガラスの粘度が4.5×107P(=4.5×106Pa・s)となる温度である。
第1の発明によれば、導電性金属粒子の表面にガラス転移点が350℃〜640℃であるガラスからなるガラス粒子が固着されているため、ガラス基板に印刷後、低温の熱処理でもガラス粒子がガラス基板と反応して回路パターンとガラス基板との接着性を向上させることができる。また、ガラス粒子が導電性金属粒子の表面に固着しているため、例えばガラス粒子が樹脂被覆層中に分散されている場合と比較して、少ないガラスの量でも十分な接着強度を得ることができる。
さらに、ガラス粒子よりも外周に樹脂被覆層を形成しているため、表面に導電性金属粒子が露出する可能性が低く、十分な帯電性を確保することができる。
第2の発明によれば、導電性金属粒子の表面にガラス転移点が350℃〜640℃であるガラスから膜状のガラス層が固着されているため、ガラス基板に印刷後、低温の熱処理でもガラス層がガラス基板と反応して回路パターンとガラス基板との接着性を向上させることができる。また、ガラス層が導電性金属粒子の表面に固着しているため、例えばガラス粒子が樹脂被覆層中に分散されている場合と比較して、少ないガラスの量でも十分な接着強度を得ることができる。
さらに、印刷時にはガラス層が絶縁層としても機能するため、第1の発明よりもより確実に帯電性を確保することができる。
第3の発明によれば、第1の発明に係る回路形成用荷電性粒子を容易に製造することができる。より具体的には、ガラス粒子固着工程と樹脂被覆工程とをともに機械被覆装置を用いて行うので、工程が簡略化される。また設備投資を抑制することができる。
第4の発明によれば、第2の発明に係る回路形成用荷電性粒子を容易に製造することができる。より具体的には、ガラス粒子固着工程と樹脂被覆工程とをともに機械被覆装置を用いて行うので、工程が簡略化させる。また設備投資を抑制することができる。さらにまた、ガラス粒子が350℃〜640℃のガラス転移点を有するガラスからなるので、ガラスを流動化させることが容易であり、ガラス層形成工程において容易に膜状のガラス層を形成することができる。
第5の発明によれば、本願第1または第2の発明に係る回路形成用荷電性粒子を用いているので、ガラス基板の軟化点よりも低い熱処理によってガラス基板と回路パターンとの接着強度を高めることができる。
以下において添付図面を参照しつつ本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は本発明の第1の実施例に係る回路形成用荷電性粒子の製造工程を模式的に示す断面図である。
まず、平均粒径20μmの銀粉末と平均粒径1μmのビスマス系ガラス粉末(ガラス転移点Tgが480℃)を重量比で95:5の割合で混合し、かさ体積で300ccを計量して機械被覆装置(ホソカワミクロン社製、ノビルタNOB−130)に投入した。この機械被覆装置を毎分3000回転の回転速度で20分間運転して、図1(a)に示すように銀粉末11の表面にガラス粉末12を固着させた。
次に、銀粉末11およびガラス粉末12の合計量に対して重量比で1/10の固形状のアクリル樹脂(1次粒子径1μm、ガラス転移点Tgが60℃)を前記機械被覆装置に追加投入し、毎分3000回転の回転速度で20分間運転した。これにより、回転時の摩擦熱でアクリル樹脂が軟化して銀粉末11の表面に付着し、図1(b)に示すように、ガラス粉末12よりも外周に樹脂被覆層14が形成された。
さらに荷電性粒子の流動性を高めるための外添剤として平均粒径7nmのシリカ微粒子を、ガラス粉末および樹脂で被覆された銀粉末100重量部に対して0.5重量部投入して図1(c)に示すように樹脂被覆層14にシリカ微粒子15が付着した回路形成用荷電性粒子10を作成した。
この回路形成用荷電性粒子10の帯電量分布をホソカワミクロン社製イースパートアナライザーで測定したところ、ゼロまたは正の帯電粒子の割合は0.5%であり、高い帯電性を確保できていることがわかった。
この回路形成用荷電性粒子10と負帯電用のフェライト系キャリア(平均粒径50μm)を重量比で1:5の割合で混合振とうして、電子写真用の現像剤を得た。
コロナ帯電器によって感光体の表面を帯電させ、さらに感光体にレーザを照射して所望の潜像パターンを形成し、前記現像剤を該潜像パターンに静電力によって吸着させ、現像された回路形成用荷電性粒子を被印刷物であるソーダガラスからなるガラス基板に転写した。このガラス基板は、軟化点が650℃以上700℃未満であることを事前に実験的に確認してある。
次いでガラス基板を650℃で30分間熱処理し、樹脂被覆層を熱分解させるとともにガラス粒子を溶融させて、ガラス基板上に回路パターンを形成した。
ガラス基板上に形成された回路パターンのうち、幅300μm、長さ100mmの測定用ラインの抵抗値を4端子法で測定したところ、抵抗値は3.0μΩcmであった。また、試料の測定用ラインに隣接する1mm×1mmの領域を光学顕微鏡で観察したときに該領域内に存在する回路形成用荷電性粒子の数を「カブリ量」と定義してカブリを評価したところ、カブリ量は3粒であった。帯電性の良好な回路形成用荷電性粒子を用いたため、カブリ量を抑制することができた。
使用する銀粉末とガラス粉末の粒径を変化させた以外は実施例1と同じ方法で回路形成用荷電性粒子を作製し、帯電量分布の測定、カブリ量の観察および抵抗値の測定を行った(試料A〜E)。銀粉末とガラス粉末の粒径比(ガラス粉末の平均粒径/銀粉末の平均粒径)および測定結果を表1に示す。
表1に示された結果から、銀粉末の平均粒径は15μm以上であることが好ましいとともに、ガラス粉末の平均粒径は3.8μm以下が好ましいことがわかった。
被覆用の樹脂としてアクリル樹脂の替わりにガラス転移点Tgが56℃のポリエステル樹脂またはTgが60℃のスチレンアクリル樹脂を使用した以外は実施例1と同じ方法で回路形成用荷電性粒子を作製し、帯電量分布の測定、カブリ量の観察および抵抗値の測定を行った(試料F,G)。測定結果を表2に示す。
表2に示されるように、実施例1と同様の良好な特性を示す回路形成用荷電性粒子を得ることができた。
図2は本発明の第4の実施例に係る回路形成用荷電性粒子の製造工程を模式的に示す断面図である。
まず、平均粒径20μmの銀粉末と平均粒径1μmのビスマス系ガラス粉末(Tgが480℃)を重量比で95:5の割合で混合し、かさ体積で300ccを計量して機械被覆装置(ホソカワミクロン社製、NOB−130ノビルタ)に投入する。この機械被覆装置を毎分3000回転の回転速度で20分間運転して、図2(a)に示すように銀粉末11の表面にガラス粉末12を固着させる。
次に、表面にガラス粉末12が固着した銀粉末を熱処理装置(日本ニューマチック社製、メテオレインボーMR−3)によって500℃で熱処理することによってガラス粉末12を溶融させて層状とし、図2(b)に示すように銀粉末11の表面にガラス層13を形成する。
ガラス層13を形成した銀粉末11を再び機械被覆装置に投入し、銀粉末11およびガラス粉末12の合計量に対して重量比で1/10の固形状のアクリル樹脂(1次粒子径1μm、ガラス転移点Tgが60℃)を前記機械被覆装置に投入し、毎分3000回転の回転速度で20分間運転する。これにより、回転時の摩擦熱でアクリル樹脂が軟化してガラス層13の表面に付着し、図2(c)に示すように、ガラス層13の外周に樹脂被覆層14が形成される。これにより、本発明に係る回路形成用荷電性粒子10が作製される。
本実施例によれば、ガラス粒子12を溶融させてガラス層13を形成しているので、樹脂を被覆する際にガラスが導電性金属粉末(銀粉末)11の表面から脱落することを防止でき、また、導電性金属粉末11の表面がほぼ隙間なくガラスで覆われることとなるのでガラス基板との接着強度が向上する。さらに、導電性金属粉末11の表面をほぼ隙間なく覆うガラス層13が絶縁層として機能し、帯電性が向上する。
本発明の第1の実施例に係る回路形成用荷電性粒子の製造工程を模式的に示す断面図である。 本発明の第4の実施例に係る回路形成用荷電性粒子の製造工程を模式的に示す断面図である。
符号の説明
10 回路形成用荷電性粒子
11 銀粉末(導電性金属粒子)
12 ガラス粉末
13 ガラス層
14 樹脂被覆層

Claims (5)

  1. 導電性金属粒子と、該導電性金属粒子の表面に固着されたガラス粒子と、該ガラス粒子よりも外周に形成された樹脂被覆層と、を有し、
    前記ガラス粒子はガラス転移点が350℃以上640℃未満であるガラスからなることを特徴とする回路形成用荷電性粒子。
  2. 導電性金属粒子と、該導電性金属粒子の表面に形成された膜状のガラス層と、該ガラス層よりも外周に形成された樹脂被覆層と、を有し、
    前記ガラス層はガラス転移点が350℃以上640℃未満であるガラスからなることを特徴とする回路形成用荷電性粒子。
  3. 導電性金属粒子とガラス粒子とを機械被覆装置に投入して該導電性金属粒子の表面に該ガラス粒子を固着させるガラス粒子固着工程と、
    前記ガラスが固着した導電性金属粒子と樹脂とを機械被覆装置に投入して前記ガラス粒子よりも外周に樹脂被覆層を形成する樹脂被覆工程と、を含み、
    前記ガラス粒子はガラス転移点が350℃以上640℃未満であるガラスからなることを特徴とする回路形成用荷電性粒子の製造方法。
  4. 導電性金属粒子とガラス粒子とを機械被覆装置に投入して該導電性金属粒子の表面に該ガラス粒子を固着させるガラス粒子固着工程と、
    前記ガラスが固着した導電性粒子を加熱して前記ガラス粒子を溶融させることにより前記導電性金属粒子の表面に膜状のガラス層を形成するガラス層形成工程と、
    前記ガラス層が形成された導電性金属粒子と樹脂とを機械被覆装置に投入して前記ガラス層よりも外周に樹脂被覆層を形成する樹脂被覆工程と、を含み、
    前記ガラス粒子はガラス転移点が350℃以上640℃未満であるガラスからなることを特徴とする回路形成用荷電性粒子の製造方法。
  5. 請求項1または請求項2に記載の回路形成用荷電性粒子を電子写真法によってガラス基板上に印刷する工程と、
    前記ガラス基板および前記回路形成用荷電性粒子を加熱することにより前記樹脂被覆層を熱分解させるとともに前記ガラス粒子または前記ガラス層を溶融させ、前記ガラス基板上に回路パターンを形成する熱処理工程と、を有し、
    前記熱処理工程における最高温度は前記ガラス粒子または前記ガラス層のガラス転移点よりも高くかつ前記ガラス基板の軟化点よりも低いことを特徴とする回路パターンを有するガラス基板の製造方法。
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