従来、この種のドラム式洗濯機は、衣類の洗浄効果を高める為、あるいは衣類に付着した細菌類を死滅させる為、洗濯水を加熱手段により高温にする機能が付加されているのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
図7は、特許文献1に記載された従来のドラム式洗濯機を示すものである。以下、その構成について説明する。
図7に示すように、回転ドラム1は、外周部に多数の通水孔2を全面に設け、外槽3内に回転自在に配設している。回転ドラム1の回転中心に回転軸4の一端を略水平方向に固定し、回転軸4の他端に従動プーリ5を固定している。第1のモータ6は、回転ドラム1を第6の所定回転速度N6(例えば、53r/min)で回転させて、洗濯またはすすぎをするものであり、第2のモータ7は、回転ドラム1を第7の所定回転速度N7(例えば、1000r/min)で高速回転させて脱水するものである。
これら第1のモータ6および第2のモータ7は、それぞれベルト8、9を介して従動プーリ5に連結している。前記従動プーリ5は、2種の減速比を有しており、第1のモータ6をベルト8を介して減速比が大きい従動プーリ5aと連結し回転ドラムの低速回転を、第2のモータ7をベルト9を介して減速比が小さい従動プーリ5bと連結し回転ドラム1の高速回転をさせるためのものである。
外槽3は、断面が回転軸4を中心とした略真円形状の外槽本体3aと外槽本体3aの開口部を覆う略円状の外槽前板3bとで構成して回転ドラム1を外包し、回転ドラム1と外槽3は、回転軸4と直行する方向の形状を回転軸4を中心として略同心円となるように構成し、底部側にヒータ(加熱手段)14を収容する略凹状の加熱体収容室15を設けている。
この外槽3は、外箱10の上方よりばね体11で揺動可能に吊り下げ、防振ダンパー12により脱水起動時の振動が低減され、かつ定常脱水時の振動が外箱10に伝達されないように防振支持するとともに、脱水時の振動を低減する重り13を設けている。さらに外槽3底部には排水用のホース16の一端を接続し、ホース16の他端を排水ポンプ17に接続して外槽3内の洗濯水を排水するようにしている。上記ヒータ14の下方近傍には、温度検知装置18と温度過昇防止装置19を、外槽本体3aの底部に固定している。
略筒状のパッキング部材20は、ゴム等の可撓性材料で構成され回転ドラム1の前面開口部に対応する外槽3の開口部とボデー前面開口部との間を水密的に連結するもので、外槽側端部を外槽前板3bに固着している。ボデー前面開口部に蓋21を開閉自在に設けている。給水弁22は外槽3内に水を給水するものである。
制御装置23は、第1のモータ6、第2のモータ7、ヒータ14、排水ポンプ17、給水弁22などの電装部材の動作を制御し、洗濯、すすぎ、脱水などの一連の行程を逐次制御する制御手段および入力手段、表示手段などで構成されている。
上記構成において動作を説明すると、蓋21を開いて回転ドラム1内に洗濯物を投入し、電源スイッチ(図示せず)をオンした後、制御装置23に設けたスタートスイッチ(図示せず)を操作して運転を開始すると、給水弁22が動作して給水し、水位検知手段(図示せず)により所定の水位を検知すると給水を停止し、第1のモータ6を駆動する。洗濯行程では、洗濯物に水が吸水されるため不足分を補給水しながら、回転ドラム1は第1のモータ6によって第1の回転数N1で低速回転駆動され、回転ドラム1内の洗濯物は持ち上げられて水面上に落下されるいわゆるたたき洗いを行う。
そのとき、ヒータ14に通電して、温度検知装置18により温度を検知しつつ、外槽3内の洗濯水の温度を制御しながら、外槽内の洗濯水を加熱し、洗濯水や洗剤の活性化により洗浄効果を高める構成である。
洗濯行程が終了すると、排水ポンプ17が動作して外槽3内の洗濯水を排水する。すすぎ行程においても洗濯行程と同様の動作を行う。
脱水行程では、回転ドラム1は第2のモータ7によって第2の回転数N2で高速回転駆動され、洗濯物は遠心脱水される。このとき、回転ドラム1内の洗濯物の片寄り、すなわちアンバランスが生じると、回転ドラム1、外槽3などの揺動体は振動するが、脱水起動時は防振ダンパー12により揺動体の振動を減衰し、定常脱水時は防振ダンパー12の防振機構により外箱10に伝達されることはない。
特開平10−263285号公報
第1の発明は、略水平方向または略傾斜方向に回転中心軸を有し胴部に多数の通水孔を有する回転ドラムと、洗濯機本体に弾性的に支持され前記回転ドラムを内包する水受け槽と、前記回転ドラムを回転駆動する駆動手段と、前記水受け槽内に給水する給水手段と、前記水受け槽内の洗濯水を加熱する加熱手段と、前記水受け槽内の水の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段からの情報を入力し前記駆動手段、給水手段および加熱手段等を制御して洗い、すすぎ、脱水等の行程を逐次制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、洗い行程において、前記加熱手段をONし、前記温度検知手段が、前記加熱手段のON開始から第1の所定温度を検知するまでの間において、前記回転ドラムの回転によって上方に持ち上げられた洗濯物が、その自重が勝る高さ位置から落下する撹拌動作を行う第1の所定回転速度で前記回転ドラムを回転させる温水撹拌洗い行程と、前記温度検知手段が第1の所定温度を検知すると前記加熱手段をOFFし、前記第1の所定温度より低い第2の所定温度を検知するまでの間の温度調整行程と、前記温度検知手段が前記第2の所定温度を検知すると前記加熱手段を再度ONし、前記加熱手段のON開始から前記第1の所定温度を検知するまでの間において、前記第1の所定回転速度で前記回転ドラムを回転させるようにした保温撹拌洗い行程とを実行可能とし、前記温度調整行程においては、洗濯物に、前記温水撹拌洗い行程および保温撹拌洗い行程において、洗濯物に与えられる撹拌力より小さい撹拌力が与えられるように前記回転ドラムを回転制御し、前記温度調整行程および保温攪拌行程を洗い行程の時限中反復させたことにより、洗濯水を加熱しつつ、洗濯物に所定の撹拌力を与えることで、前記回転ドラム内の洗濯水の温度をムラなく均一に保ちつつ、洗濯水の分子運動と洗剤の活性化をもっとも有効に利用することができ、また、洗濯水を加熱していないときには、洗濯物に与えられる撹拌力を弱めることで、高い温度とたたき洗いの衝撃力の複合作用により発生する洗濯物の傷みやしわを抑制しながらも、一定以上の洗浄力を常に確保する洗濯を実行することができ、また無駄な消費電力を抑えるので省エネルギーにもなる。
第2の発明は、上記第1の発明のドラム式洗濯機において、制御手段は、温度調整行程においては、第1の所定回転速度より低く前記洗濯物が前記第1の回転速度で回転しているときより低い高さ位置から落下する第2の所定回転速度で前記回転ドラムを回転させる第1の弱撹拌動作を実行するように制御したことにより、弱い撹拌力で洗濯物の位置を入れ替えると共に、加熱された洗濯水を洗濯物にまんべんなく浸透させることができるので、洗濯物の傷みやしわを抑制するとともに、洗浄力を高め、洗いムラを少なくすることができるものである。
第3の発明は、上記第1の発明のドラム式洗濯機において、制御手段は、回転ドラムを所定の正転、休止、反転、休止をそれぞれ所定の時限にて繰り返し駆動するように制御し、温度調整行程においては、温水撹拌洗い行程に対して、前記正転反転の時間を短縮するか、または、前記休止時間を延長するか、の少なくともいずれか一方で調整される第2の弱撹拌動作を実行するように制御したことにより、弱い撹拌力で洗濯物の位置を入れ替えることができると共に、加熱された洗濯水を洗濯物にまんべんなく浸透させることができるので、洗濯物の傷みやしわを抑制するとともに、洗浄力を高め、洗いムラを少なくすることができるものである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるドラム式洗濯機の縦断面図、図2は、同ドラム式洗濯機の一部ブロック化した制御回路図、図3は、同ドラム式洗濯機の入力設定手段および表示手段の拡大正面図、図4は、同ドラム式洗濯機の第1要部動作フローチャート、図5は、同ドラム式洗濯機の第2要部動作フローチャート、図6は、同ドラム式洗濯機の高温洗濯行程の説明図である。
図1に示すように、回転ドラム24は、有底円筒形に形成し外周部に多数の通水孔25を全面に設け、水受け槽26内に回転自在に配設している。回転ドラム24の回転中心に略傾斜方向に回転軸(回転中心軸)27を設け、回転ドラム24の軸心方向を正面側から背面側に向けて下向きに傾斜させて配設している。水受け槽26の外底面に取り付けたモータ(駆動手段)28の回転は、モータ28の回転軸に固着した駆動プーリ50と、回転軸27の端部に固設した従動プーリ51との間に張架したVベルト52により回転軸27に伝道され、回転ドラム24を正転、逆転方向に回転駆動せしめる。回転ドラム24の内壁面に数個の突起板29を設けて、衣類を回転方向に持ち上げ落下させるという撹拌動作、いわゆるたたき洗いを行う。
洗濯機本体30の正面側の上向き傾斜面30aに設けた開口部30bを蓋体31により開閉自在に覆い、この蓋体31を開くことにより、水受け槽26の水受け槽衣類出入口26aおよび回転ドラム24の回転ドラム衣類出入口24aを介して、回転ドラム24内に洗濯物を出し入れできるようにしている。なお、蓋体31は、運転動作中の使用者の安全性を保持するためフタロック40を動作せしめて開かないようにすることが可能な構成を有する。
水受け槽26は、洗濯機本体30にばね33や振動吸収ダンパー34により揺動可能に吊り下げて防振支持されており、水受け槽26の下部に排水経路32の一端を接続し、排水経路32の他端を排水弁36に接続して水受け槽26内の洗濯水を機外に排水するようにしている。
第1の給水弁(給水手段)37には、第1給水ホース48aの一端が接続され、第1給水ホース48aの他端は洗剤を収納する洗剤ケース35に接続され、さらに洗剤ケース35の下部に第2給水ホース48bの一端が接続され、第2給水ホース48bの他端が外槽26に接続されて、外槽26内に給水できるようにしている。
第2の給水弁(給水手段)38には、第3給水ホース49aの一端が接続され、第3給水ホース49aの他端は、注水口金部49bに接続されている。注水口金部49bは、注水される水が略水平方向に広がりながら回転ドラム24内へ注水されるようスリット状に開口しており、回転ドラム24内に広がるように注水される。
水位検知手段39は水受け槽26内の水位を検知するものである。また、水受け槽26の内底部に洗濯水を加熱するヒータ(加熱手段)41と洗濯水の温度を検知する温度検知手段42を備え、回転ドラム24内の洗濯物を温水洗浄する機能を有している。
なお、本実施の形態では、回転ドラム24の回転中心に略傾斜方向に回転軸27を設け、回転ドラム24の軸心方向を正面側から背面側に向けて下向きに傾斜させて配設しているが、回転ドラム24の回転中心に略水平方向に回転軸27を設け、回転ドラム24の軸心方向を略水平方向に配設してもよい。
また、本実施の形態では、水受け槽26の外底面に取り付けたモータ28の回転は、モータ28の回転軸に固着した駆動プーリ50と、回転軸27の端部に固設した従動プーリ51との間に張架したVベルト52により回転軸27に伝道されるように構成しているが、モータ28を水受け槽26の背面に固定し、回転ドラム24の回転軸27とモータ28の回転軸とを直結してもよい。
制御装置43は、図2の制御回路図に示すように構成しており、モータ28、排水弁36、第1の給水弁37、第2の給水弁38、ヒータ41、フタロック40などの動作を制御し、洗濯、すすぎ、脱水の一連の行程を逐次制御するマイクロコンピュータからなる制御手段44を有している。制御手段44は、運転コース等を設定するための入力設定手段45からの情報を入力して、その情報を基に表示手段46で表示して使用者に知らせるとともに、入力設定手段45により運転開始が設定されると、洗濯物の量に応じてモータ28が受ける負荷変化から洗濯物の量を検知する布量検知手段55、水受け槽26内の水位を検知する水位検知手段39および水受け槽26内の水の温度を検知する温度検知手段42等からのデータを入力して負荷駆動手段47を介して、モータ28、排水弁36、第1の給水弁37、第2の給水弁38、ヒータ41、フタロック40などの動作を制御し、洗濯運転を行う。
入力設定手段45は、図3に示すように、洗い時間を設定する洗い時間設定スイッチ45a、すすぎ回数を設定するすすぎ回数設定スイッチ45b、脱水時間を設定する脱水時間設定スイッチ45c、スタート・一時停止スイッチ45e、電源入りスイッチ45f、電源切りスイッチ45g、水位変更入力設定スイッチ45h、水温変更入力スイッチ45i、種々の洗いのコースを選択できるコース設定スイッチ45d等を有している。
表示手段46は、同じく図3に示すように、洗い時間表示部46a、すすぎ回数表示部46b、脱水時間表示部46c、上記のコース設定スイッチ45dで設定される例えば高温水で洗濯する「除菌コース」などを表示するコース設定表示部46d、水位表示部(水位表示手段)46e、水温表示部46f、残り時間表示部46g、フタロック40により蓋体31がロックされているか否かを表示するフタロック表示部46h等を有している。
以上のように構成されたドラム式洗濯機の構成において、図4の要部動作フローチャート1、図5の要部動作フローチャート2および図6の高温洗濯行程説明図を参照にしながら動作、作用を説明する。
蓋体31を開いて回転ドラム24内に洗濯物を投入し、S100で動作を開始し、S101で電源スイッチ45fをONした後、S102でコース設定スイッチ45dを操作して高温のコースを設定する。S103で水位、水温、洗い時間、すすぎ回数、脱水時間の設定に変更が有るか否かを判断する。変更が有る場合は、洗い時間設定スイッチ45a、すすぎ回数設定スイッチ45b、脱水時間設定スイッチ45c、水位変更入力設定スイッチ45h、水温変更入力スイッチ45i等を操作して、各設定の変更を行い、S104で表示手段46に変更内容を表示する。変更がない場合はS105に移行する。
S105において、制御装置43に設けたスタートスイッチ45eを操作して運転を開始すると、S106で制御手段44によりフタロック40等を機能させ、次のS107で布量検知手段により回転ドラム5を回転させることにより洗濯物の量を検知する。S108で検知した洗濯物の量に対応する洗濯物量対応水位を決定する。
次に、第1の給水行程(S109〜S111)について説明する。S109において、第1の給水弁37を開き、第1給水ホース48aを通して洗剤ケース35に水を流し込むとともに、洗剤ケース35に流れ込んだ水は、洗剤ケース35内に収容された洗剤(図示せず)とともに、洗剤ケース35の下部に接続した第2給水ホース48bを通り、水受け槽26内に流れ込む。
S110において、水位検知手段39が、洗濯物量対応水位より低い第1の所定水位まで水が供給されたことを検知すると、S111において、第1の給水弁37が閉じられ給水は停止される。
次に、洗剤溶かし行程(S112〜S114)について説明する。S112において、回転ドラム24を洗濯物が回転ドラム24の内壁に張り付く程度の第3の所定回転速度N3で回転させる。そして、S113で第1の所定時間(例えば、1分)が経過するまで回転を行う。ここで、第3の所定回転速度N3は、回転ドラム24の回転に伴う遠心力により洗濯物が回転ドラム5の内周面に張り付く程度の回転速度であるが、例えば、回転ドラム3の直径が500±50mm程度であるとき、90〜140r/min程度の回転速度となる。また、第1の所定水位を、回転ドラム24の最下部が水没する程度の水位にすれば、早い第3の所定回転速度N3で回転ドラム24が回転駆動されることにより、水受け槽26内に給水された水と洗剤に早い水流を発生させ、洗剤を効率的に、しかも素早く溶解することができる。
S113で第1の所定時間が経過すると、S114において、回転ドラム24の回転を停止する。
次に、第2の給水行程(S115〜S118)について説明する。S115において、第1の給水弁37を開くとともに、第2の給水弁38を開く。第2の給水弁38が開かれることで、第3給水ホース49aを通して注水口金部49bから回転ドラム24内に注水される。既述のように注水口金部49bはスリット状に開口しているため、注水された水は略水平方向に広がって回転ドラム24内の洗濯物にふりかかり、洗濯物に浸透する。同時に、S116において、回転ドラム24を第4の所定回転速度N4(例えば45r/min)で、正転(例えば、10秒)、休止(例えば、5秒)、反転(例えば、10秒)、休止(例えば、5秒)の繰り返しの反転回転駆動をさせる。これにより、洗濯物は回転ドラム24内を移動するため、洗濯物に洗濯水をまんべんなくかけることができ、略均一に洗濯水を浸透させることができる。したがって、後の泡生成行程(S119〜S121)で回転ドラム24を高い回転速度である第5の所定回転速度N5(例えば、100r/min以上)で回転させたときに、洗濯水が洗濯物に不均一に浸透することによる偏荷重のアンバランスが生じ水受け槽26が異常振動する、といった問題を防止することができる。
S117において、第1の所定水位より高く洗濯物量対応水位より低い水位である第2の所定水位まで水が給水されたことを水位検知手段39により検知すると、S118において第1の給水弁37および第2の給水弁38を閉じて給水を停止するとともに、回転ドラム24の回転を停止させる。
次に、泡生成行程(S119〜S121)について説明する。S119において、回転ドラム24の回転速度を、第5の所定回転速度N5(例えば、100r/min以上)まで立ち上げ、水受け槽26内の洗濯水を泡立たせて洗剤泡を生成する。
このようにして大量に生成された洗剤泡は、水受け槽26と回転ドラム24の間に充満して回転ドラム開口部24a側へ上昇し、回転ドラム開口部24aから回転ドラム24内に流入する。
このように、回転ドラム24を第5の所定回転速度N5で、S120の第2の所定時間(例えば、30秒)回転させて洗剤泡を生成し、回転ドラム24内に洗剤泡を充満させると、S121において回転ドラム24の回転を停止する。
さらに、洗濯物が回転ドラム24の内周面に張り付いた状態で回転しており、洗濯物が一部に偏った状態で固まって回転している状態よりも広い範囲で洗濯物に洗剤泡を浸透させることができ、洗剤泡をより早く洗濯物全体に浸透させることができる。
以上のように、泡生成行程(S119〜S121)では、洗濯水を体積の大きい泡の状態にして、回転ドラム5内の洗濯物に付着浸透させることにより、汚れに洗剤成分が作用しやすくなり、高濃度の洗濯水が染み込みやすくなって洗いムラが抑制され、洗浄力が向上する。また、洗剤泡を含む洗濯水を早期に洗濯物に浸透させるほど洗浄力を上げることができるので、この泡生成行程はできるだけ早い段階で行うことが望ましい。
次に、第3の給水行程(S122〜S126)について説明する。S122において、第2の給水弁38を開き第3給水ホース49aを通じて注水口金部49bから回転ドラム24内に給水するとともに、S123において、回転ドラム24を、第4の所定回転速度N4(回転ドラム24内に収容された洗濯物が、回転ドラム24の回転により回転方向に持ち上げられ、回転に伴う慣性や遠心力よりも自重が勝る高さ位置に移動したとき回転ドラム24の下方内周面上に落下する挙動を示す回転速度、例えば45r/min)で右回転(例えば、15秒)・休止(例えば、5秒)・第4の所定回転速度N4で左回転(例えば、15秒)・休止(例えば、5秒)の順で繰り返し回転させる。
S124において、第3の所定水位(第2の所定水位と同程度か低い水位)を検知すると、S125において、第2の給水弁38を閉じ給水を停止する。
その後、S126において、第3の所定時間(例えば、1分30秒)の経過を検知すると、第3の給水行程を終了し、次の温水撹拌洗い行程(S127〜S132)へ移る。
以上のように、第3の給水行程(S122〜S126)において、回転ドラム24内に直接給水することにより、回転ドラム24内の洗剤泡を減らし、洗濯水の洗剤濃度を下げる。すなわち、後の温水撹拌洗い行程において、たたき洗いを行うときに回転ドラム5内に洗剤泡があると、洗剤泡が緩衝材となって、たたき洗いの効果が十分に得られない。そのため、この第2の給水行程で給水することにより、洗剤泡を減らし、洗剤濃度を低くして洗濯水の泡立ちを減らすようにしている。
次に、温水撹拌洗い行程(S127〜S132)について説明する。S127において、ヒータ41に通電し、S128において、第1の給水弁37を開き、水受け槽26内にも給水するとともに、第2の給水弁38を開き第3給水ホース49aを通じて注水口金部49bから回転ドラム24の内部に給水する。また、同時に、S129において、回転ドラム24を第1の所定回転速度N1(例えば、45r/min)で右回転(例えば、5秒)・休止(例えば、15秒)・第1の所定回転速度N1で左回転(例えば、5秒)・休止(例えば、15秒)の順に繰り返し反転回転させる。
上記のように、温水撹拌洗い行程においては、回転ドラム24を第1の所定回転速度N1で回転させることにより、回転ドラム24の内周面の複数位置に設けた突起板29が、回転ドラム24内の洗濯物を引っ掛けて回転方向に持ち上げる。持ち上げられた洗濯物は、その自重が回転に伴う慣性や遠心力に勝る高さ位置まで持ち上げられたとき落下する。このように洗濯物は次々と持ち上げられては落下するため位置が次々と入れ替わり、注水口金部49bから回転ドラム24に給水される水が洗濯物に略均一にふりかかり浸透する。これにより、洗濯物に付着浸透している洗剤泡が注水口金部49bより給水される水によってさらに洗濯物内部にまで浸透することになる。このように随時洗濯物に洗剤泡が浸透しながら、洗濯物は落下したときの衝撃力で洗浄される。
また、洗濯水を撹拌しながら加熱することにより、洗濯水および洗濯物の温度を均一に保つので、洗浄力を高め、洗いムラを少なくすることができるものである。
さらに、このとき、ヒータ41に通電しているので、第3の給水行程における反転時限(右回転(例えば、15秒)・休止(例えば、5秒)・左回転(例えば、15秒)・休止(例えば、5秒))より、回転時間を短くし、休止時間を長く設定しているので、水温上昇時の洗濯物の温度と機械力の複合作用により発生する洗濯物の傷みやしわを抑制するものである。
そして、洗濯物量対応水位まで給水すると(S130)、S131において、第1の給水弁37および第2の給水弁38を閉じ、給水を停止する。S132において、第1の所定温度(例えば、40℃)以上に洗濯水の温度が到達すると、次の温度調整行程(S133〜S135)へ移行する。
温度調整行程では、まず、ヒータ41の通電制御については、図4〜図6に示すように、S133において、ヒータ41の通電を停止し、また、同時に、回転ドラム24の回転制御については、S134において、回転ドラム24を第1の所定速度N1(例えば、45r/min)よりも低い、第2の所定回転速度N2(例えば、35r/min)で(第1の弱撹拌動作)、かつ、温水撹拌洗い行程における反転時限(右回転(例えば、5秒)・休止(例えば、15秒)・左回転(例えば、5秒)・休止(例えば、15秒))より、回転時間を短くし、休止時間を長く設定した右回転(例えば、3秒)・休止(例えば、17秒)・左回転(例えば、3秒)・休止(例えば、17秒)の順に繰り返し回転の、第2の弱撹拌動作をさせる。
これにより、回転ドラム24の回転数を低くかつ回転時間も短くなるので、洗濯物の温度と機械力の複合作用により発生する洗濯物の傷みやしわを抑制することができる。さらに、加熱された洗濯水をかきまぜる時間も少なくなるので、大量の洗剤泡が発生するのを防ぐことができるとともに、無駄な消費電力を抑えるので省エネにもなる。
S135において、洗濯水の温度が第2の所定温度(例えば、37℃)以下であると検知すると、次の保温撹拌洗い行程(S136〜S138)へ移行する。
保温攪拌洗い行程では、S136において、ヒータ41に通電し、S137において、回転ドラム24を第1の所定回転速度N1(例えば、45r/min)で右回転(例えば、5秒)・休止(例えば、15秒)・第1の所定回転速度N1で左回転(例えば、5秒)・休止(例えば、15秒)の順に繰り返し回転させる。
上記のように、回転ドラム24を第1の所定回転速度N1で回転させ、かつ反転回転周期も温水攪拌洗い行程と同様の、右回転(例えば、15秒)・休止(例えば、5秒)・左回転(例えば、15秒)・休止(例えば、5秒)を動作することにより、洗濯物の上下方向落下動作も十分行われ位置も次々と入れ替わり、洗濯水を撹拌しながら加熱することにより、洗濯水および洗濯物の温度を均一に保つので、洗浄力を高め、洗いムラを少なくすることができるものである。
さらに、このとき、ヒータ41に通電しているので、第3の給水行程におけるような極めて強い攪拌動作を行う反転時限(右回転(例えば、15秒)・休止(例えば、5秒)・左回転(例えば、15秒)・休止(例えば、5秒))より、回転時間を短くし、休止時間を長く設定しているので、水温上昇時の洗濯物の温度と機械力の複合作用により発生する洗濯物の傷みやしわを抑制するものである。
その後、S138において、洗濯水の温度が第1の所定温度(例えば、40℃)以上であると検知すると、S133の温度調整行程に戻り、ヒータ41の通電を停止する。この動作をS139において、温度調整行程開始後、第6の所定時間(例えば50分)経過するまで、反復を繰り返す。
そして、上記のように、S139において、第6の所定時間即ち洗い行程の時限を経過したことを判定すると次行程のすすぎ行程S140に移行し、ヒータ41の通電制御および回転ドラム24の回転制御を停止する。すすぎ行程の動作は、従来と同等であるので、説明を省略する。
以上のように、温水撹拌洗い行程(S127〜S132)と温度調整行程(S133〜S135)および保温撹拌洗い行程(S136〜S138)を実行することにより、洗濯物の傷みやしわを抑制しながらも、一定以上の洗浄力を常に確保することができる。
また、保温撹拌洗い行程を実行することにより、無駄な消費電力を抑えるので省エネルギーになる。
なお、本実施の形態では、温度調整行程(S133〜S135)においては、第1の弱撹拌動作即ちドラム回転数を例えば35r/minと低い数値に設定することと、第2の弱撹拌動作即ちドラムの反転回転周期を例えば運転3秒・休止17秒と攪拌時間を短くした設定、との両方を行っているが、いずれか一方の攪拌動作のみ行っても同等の効果を得られる。
また、温度調整行程(S133〜S135)の第2の弱撹拌動作において、温水撹拌洗い行程における反転時限より、回転時間を短くし、休止時間を長くという両方を行っているが、回転時間を短くするのみ、或いは、休止時間を長くするのみでも同等の効果を得られる。