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JP4812466B2 - 車両シート、車両、エアバッグモジュール - Google Patents
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JP4812466B2 - 車両シート、車両、エアバッグモジュール - Google Patents

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Description

本発明は、車両シートに係り、詳しくは、事故発生の際に車両シート着座状態の車両乗員の車両前方への移動に抗してエアバッグがシートクッション下方から上方へと展開膨張する構成のエアバッグモジュールを搭載した車両シートの構築技術に関するものである。
従来、車両シートに着座している車両乗員に対しシートベルトが装着されたシートベルト装着状態において、事故発生の際の当該車両乗員の腰部の前方移動に伴って当該車両乗員が座面に沿ってシートベルトを潜ろうとする現象、いわゆる「サブマリン現象」と称呼される現象の発生を阻止しようとする種々の技術が提案されている。例えば、下記特許文献1には、事故発生の際に車両乗員の車両前方への移動を阻止するべく、膨張したエアバッグがシートクッションを下方から圧縮する構成の車両シートが開示されているが、この種の車両シートの設計に際しては、特にエアバッグモジュールの組み付け性の向上を図るのに有効な車両シートを構築する技術に対する要請がある。
特開平5−229378号公報
そこで本発明では、事故発生の際に車両シート着座状態の車両乗員の車両前方への移動に抗してエアバッグがシートクッション下方から上方へと展開膨張する構成のエアバッグモジュールを搭載した車両シートにおいて、エアバッグモジュールの組み付け性の向上を図るのに有効な技術を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明が構成される。なお、本発明は、自動車車両をはじめ、トラック、バス、電車、船舶等の各種の車両に搭載される車両シートの構築技術に適用され得る。
本発明にかかる車両シートは、車両に装着される車両シートであって、左側サイドフレーム、右側サイドフレーム、シートパン、エアバッグモジュール、段差部を少なくとも備える構成とされる。
本発明の左側サイドフレームは、シート骨格を形成するシートフレームのうち、シートクッション下方の左側を前後方向に延在するシートフレーム構成部材とされる。本発明の右側サイドフレームは、シート骨格を形成するシートフレームのうち、シートクッション下方の右側を前後方向に延在するシートフレーム構成部材とされる。
本発明のシートパンは、シートクッション下方において、左側サイドフレームと右側サイドフレームとの間に配設されるとともに、下方へと窪んだ窪み部を有する構成とされる。本発明でいう「シートパン(seat pan)」は、車両シートの座席底面を構成する部材であって、特にはシートクッションを受けるシートクッションパネル、シートクッションフレームないしシートクッションボードとしても定義され得る。本発明では、シートパンに設けられたこの窪み部がエアバッグモジュールを保持可能とされる。このシートパンの配設態様に関しては、当該シートパンの全部または一部が左側サイドフレームと右側サイドフレームとの間に配設されればよく、このシートパンが左側サイドフレーム及び右側サイドフレームに溶接、若しくはボルトナットによる締結などによって架設状に固定される構成や、左側サイドフレームと右側サイドフレームとの間に位置する部材に溶接、若しくはボルトナットによる締結などによって固定される構成を採り得る。
本発明のエアバッグモジュールは、エアバッグを有し、シートパンの窪み部に保持されるとともに、エアバッグが、シートクッション下方から上方へと展開膨張して、事故発生の際に車両シート着座状態の車両乗員の車両前方への移動に抗するように設定された構成とされる。このエアバッグモジュールは、典型的には所定の折り畳み態様にて折り畳まれて収容されるエアバッグ、事故発生の際にエアバッグ膨張用ガスを発生してエアバッグに供給するガス供給部、ガス供給部を収容するリテーナーを主体に構成される。このエアバッグモジュールは、「エアバッグ装置」或いは「乗員拘束装置」を称呼することもできる。
本発明の段差部は、窪み部と当該窪み部の外部領域との間おいて、上下方向に関する高低差が付与された段差部として構成される。エアバッグモジュールは、事故発生の際にエアバッグ膨張用ガスを発生してエアバッグに供給するガス供給部と、ガス供給部を収容するリテーナーと、リテーナーに取り付けられ当該エアバッグモジュールをシートパン側に固定する固定用ボルトとを備え、段差部に当接した状態で窪み部に仮保持されるとともに、その仮保持位置から段差部を回動支点として保持位置への回転動作が可能とされ、またその回転動作に伴って固定用ボルトが近接する前記シートパン側の所定位置に、当該記固定用ボルトが挿設される貫通孔が設けられている。
発明によれば、シートパンに設けられた窪み部の窪み形状にしたがってエアバッグモジュールを容易に当該窪み部内へと誘導して保持することができるため、エアバッグモジュールの組み付け性の向上を図ることが可能となる。
本発明にかかる車両シートは、前記の構成において判別機構を備える。
発明の判別機構は、窪み部に保持されたエアバッグモジュールが段差部を被覆する第1の状態と、当該被覆が解除された第2の状態との視認結果に基づいて、当該エアバッグモジュールの外部領域側へのはみ出しを判別可能とする機構とされる。すなわち、段差部の全部或いは一部が視認できない場合には、エアバッグモジュールが段差部を被覆した第1の状態であり、エアバッグモジュールの後端面が段差部を越えて外部領域側にはみ出していると判別される。このとき、エアバッグモジュールが適正な位置にないと判定することができる。一方、段差部の全部が視認できる場合には、エアバッグモジュールが段差部を被覆していない第2の状態であり、エアバッグモジュールの後端面が段差部を越えず外部領域側にはみ出していないと判別される。このとき、エアバッグモジュールが適正な位置にあると判定することができる。エアバッグモジュールの外部領域側へのはみ出しを判別することによって、当該エアバッグモジュールがエアバッグカバー等によって挟み込まれるのを防止することが可能となる。
このような構成によれば、エアバッグモジュールのはみ出しを判別するのに段差部を用いた合理的な車両シートが提供される。
本発明にかかる車両シートは、前記の構成において、シートフレームのうち、窪み部の下方にて左側サイドフレームと右側サイドフレームを接続するブラケットを備える。本発明のブラケットは、シート骨格を形成するシートフレームのうち、窪み部の下方にて左側サイドフレームと右側サイドフレームを接続するシートフレーム構成部材とされる。このブラケットと左側サイドフレーム及び右側サイドフレームは、典型的には溶接、若しくはボルトナットによる締結などによって接続される。そして、事故発生の際のエアバッグ展開膨張時の圧力を、シートパン、及び窪み部の下方に位置するブラケットが受けるように構成されている。ブラケットと窪み部の相対的な関係については、ブラケットから離間した状態の窪み部がエアバッグ展開膨張時にブラケットに当接することによって、エアバッグ展開膨張時の圧力が当該ブラケットへと及ぶ第1の構成、ブラケットに対し非接合にて当接した状態の窪み部がエアバッグ展開膨張時にブラケットを押圧することによって、エアバッグ展開膨張時の圧力が当該ブラケットへと及ぶ第2の構成、ブラケットに対し接合されて当接した状態の窪み部がエアバッグ展開膨張時にブラケットを押圧することによって、エアバッグ展開膨張時の圧力が当該ブラケットへと及ぶ第3の構成を採り得る。
このような構成によれば、エアバッグ展開膨張時の圧力がシートパンの窪み部からブラケットへと及ぶため、シートパン及びブラケットの協働によって、車両シートの軽量化を図りつつ強度を確保することが可能となる。
本発明にかかる車両は、前記の車両シートと、車両シートに着座した車両乗員を拘束するシートベルトを少なくとも備える。そして、車両シートに着座している車両乗員に対しシートベルトが装着されたシートベルト装着状態において、事故発生の際の当該車両乗員の腰部の前方移動に伴って当該車両乗員が座面に沿ってシートベルトを潜ろうとする動作、いわゆる「サブマリン現象」と称呼される現象の発生を、車両シートに搭載されたエアバッグモジュールによって阻止する構成とされる。
従ってエアバッグモジュールの組み付け性の向上を図ることが可能な車両が提供される。
本発明にかかるエアバッグモジュールは、前記の車両シートの構成要素であるエアバッグモジュールと実質的に同様の構成を有する。
従ってエアバッグモジュールの組み付け性の向上を図ることが可能となる。
以上のように、本発明によれば、事故発生の際に車両シート着座状態の車両乗員の車両前方への移動に抗してエアバッグがシートクッション下方から上方へと展開膨張する構成のエアバッグモジュールを搭載した車両シートにおいて、特にシートパンに設けた下方へと窪んだ窪み部がエアバッグモジュールを保持可能な構成を採用することによって、エアバッグモジュールの組み付け性の向上を図ることが可能となった。
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、図1及び図2を参照しながら、本発明の「車両シート」の一実施の形態である車両シート100の構成を説明する。ここで、図1は、本実施の形態の車両シート100の内部構造を示す図であって、車両斜め後方からみた斜視図である。また、図2は、図1中のA−A線における断面図である。
図1に示すように、本実施の形態の車両シート100は、車両に装着される車両シートであって、シートフレーム10、シートパン20、エアバッグモジュール30を主体に構成されている。この車両シート100は、運転者が着座する運転席シートや、助手席シートとして構成される。また、この車両シート100が搭載された車両には、更に、車両シート100に着座した乗員に対し装着されるシートベルト(本発明における「シートベルト」に相当する)が搭載されている。なお、図1中の「FR」の方向が車両前方であり、「UP」の方向が車両上方である。
シートフレーム10は、車両シート100の骨格部分を形成するフレームとして構成され、ベースフレーム12及びバックフレーム14を少なくとも備える。このシートフレーム10が、本発明における「シートフレーム」に相当する。ベースフレーム12には、ウレタン材料等の柔軟性を有する素材によって形成されたシートクッション(図示省略)が装着され、このシートクッションが車両シート100の座面を構成する。また、バックフレーム14には、ウレタン材料等の柔軟性を有する素材によって形成されたシートバック(図示省略)が装着され、このシートバックが車両シート100の背面を構成する。更に、シートクッション及びシートバックの外表面は、革や布等からなる表皮(図示省略)によって覆われている。
ベースフレーム12は、シートクッション下方に配設されるフレームであり、車両シート100の前後方向(車両の前後方向に合致する)に延在する左右一対のサイドフレーム12a,12b(左側サイドフレーム12a及び右側サイドフレーム12b)を有する。ここでいう左側サイドフレーム12aが、本発明における「左側サイドフレーム」に相当し、右側サイドフレーム12bが、本発明における「右側サイドフレーム」に相当する。
また、ベースフレーム12の上部側には、サイドフレーム12a,12b間に補強用のブラケット13が架設される。このブラケット13は、所定の板厚を有する板状(図1では湾曲板状)に構成され、サイドフレーム12a,12bに対し溶接、若しくはボルトナットによる締結などによって接続される。このブラケット13は、シートパン20を支持する支持部材であり、且つサイドフレーム12a,12bを連結保持する保持部材として構成される。また、このブラケット13は、サイドフレーム12a,12bを連結する際の位置決めを兼ねており組み付け性がよい。このブラケット13が、本発明における「ブラケット」に相当する。
バックフレーム14は、ベースフレーム12に対し、支軸15及びリクライニングデバイス(図示省略)を介して回動可能に連結されたフレームである。このバックフレーム14の上部には、車両乗員の頭部に対応した位置にヘッドレスト16が取り付けられる。
シートパン20は、ブラケット13の上方であって且つシートクッション下方にて、左右一対のサイドフレーム12a,12bを上方から覆うように架設される。このシートパン(seat pan)20は、車両シート100の座席底面を構成する部材であって、特にはシートクッションを受けるシートクッションパネル、シートクッションフレームないしシートクッションボードとしても定義され得る。詳細については後述するが、このシートパン20は、ボルトナットによる2箇所の締結によってブラケット13に取り付けられている。このシートパン20を、サイドフレーム12a,12bに対し溶接、若しくはボルトナットによる締結などによって接合することもできる。このシートパン20は、シートクッションからの荷重を受ける機能を有する。このシートパン20が、本発明における「シートパン」に相当する。
また、このシートパン20には、エアバッグモジュール30を収容する収容部21が設けられている。この収容部21が、本発明における「エアバッグモジュール収容部」に相当する。本実施の形態では、この収容部21は、下方へと窪んだ窪み部23(「凹み部」、「凹部」或いは「凹み領域」ともいう)を有する構成とされる。この窪み部23は、当該窪み部23にエアバッグモジュール30を保持することが可能な部位とされる。
図2に示すように、この収容部21は、窪み部23の底面を構成する第1延在部20aと、その第1延在部20aよりも後方(図2中の右側)にて延在する第2延在部20bを備え、これら第1延在部20a及び第2延在部20bとの間における上下方向の高低差によって段差部(本発明における「段差部」に相当する)が付与されている。具体的には、第1延在部20aが第2延在部20bよりも低所に延在するように構成されている。この窪み部23(第1延在部20a)が、本発明における「窪み部」に相当し、第2延在部20bにて形成される領域が、本発明における「外部領域」に相当する。また、この収容部21は、後ろ側斜め上方に向けて開口されている。従って、エアバッグモジュール30のエアバッグ(後述するエアバッグ31)の展開方向(「突出方向」ともいう)は、図2中の矢印40方向で示すような後ろ側斜め上方とされる。詳細については後述するが、本構成によれば、下方へと窪んだ窪み部23によるエアバッグモジュール30の保持機能(或いは位置決め機能)によって、エアバッグモジュール30を収容部21に収容する作業、及びエアバッグモジュール30をシートパン20側に取り付け固定する作業の円滑化が図られる。
また、本構成によれば、窪み部23の適正な位置にエアバッグモジュール30が保持されたとき、この保持状態のエアバッグモジュール30は、第1延在部20a及び第2延在部20bとの間の段差部よりも前側に位置するようになっている。従って、窪み部23に保持されたエアバッグモジュール30が段差部を被覆する第1の状態と、当該被覆が解除された第2の状態との視認結果に基づいて、当該エアバッグモジュール30の第2延在部20b側へのはみ出しが判別可能である。すなわち、段差部の全部或いは一部が視認できない場合には、エアバッグモジュール30が段差部を被覆した第1の状態であり、エアバッグモジュール30の後端面が段差部を越えて第2延在部20b側にはみ出していると判別される。このとき、エアバッグモジュール30が適正な位置にないと判定することができる。一方、段差部の全部が視認できる場合には、エアバッグモジュール30が段差部を被覆していない第2の状態であり、エアバッグモジュール30の後端面が段差部を越えず第2延在部20b側にはみ出していないと判別される。このとき、エアバッグモジュール30が適正な位置にあると判定することができる。エアバッグモジュール30の第2延在部20b側へのはみ出しを判別することによって、収容部21を被覆するエアバッグカバーによって当該エアバッグモジュール30が挟み込まれるのを防止することが可能となる。第1延在部20a及び第2延在部20bとの間の段差部は、エアバッグモジュール30の第2延在部20b側へのはみ出しを判別可能な機構とされ、本発明における「判別機構」を構成する。段差部の視認性に関しては、当該段差部に着色ラインを施すことによって、段差部の更なる視認性向上を図ることが可能となる。
なお、本実施の形態のシートパン20の収容部21は、下方へと窪んだ窪み部23を有する構成ゆえ、収容状態(非作動時)のエアバッグモジュール30の保護が図られる。また、このシートパン20には、エアバッグモジュール30を収容した状態の収容部21を被覆するエアバッグカバー(図示省略)が装着されるようになっており、このエアバッグカバーによって収容状態のエアバッグモジュール30の更なる保護向上が図られる。
図2に示すように、エアバッグモジュール30は、エアバッグ31、ガス発生器(「インフレータ」ともいう)32、リテーナー33を少なくとも備える。このエアバッグモジュール30が、本発明における「エアバッグモジュール」に相当する。
エアバッグ31は、所定の折り畳み態様にて折り畳まれて収容されるとともに、事故発生の際にガス発生器32にて発生したガスが供給されることによって展開膨張するエアバッグ体として構成される。具体的には、エアバッグ31は、事故発生の際に車両シート着座状態の車両乗員の車両前方への移動に抗してシートクッション下方から上方へと展開膨張する。これによって、車両シート100に着座している車両乗員に対しシートベルトが装着されたシートベルト装着状態において、事故発生の際の当該車両乗員の腰部の前方移動に伴って当該車両乗員が座面に沿ってシートベルトを潜ろうとする現象、いわゆる「サブマリン現象」が阻止され、或いは抑制される。ここでいうエアバッグ31が、本発明における「エアバッグ」に相当し、ガス発生器32によって本発明における「ガス供給部」が構成される。
リテーナー33は、ガス発生器32を収容する部材として構成される。このリテーナー33が、本発明における「リテーナー」に相当する。このリテーナー33には、エアバッグモジュール30をベースフレーム12側に取り付け固定するための固定用ボルト34が設けられている。この固定用ボルト34によって、エアバッグモジュール30がベースフレーム12側に取り付け固定されている。具体的には、シートパン20の収容部21にエアバッグモジュール30を収容した状態において、シートパン20及びブラケット13を貫通する貫通孔22に固定用ボルト34が挿設可能とされている。従って、貫通孔22に挿設された固定用ボルト34とナット36とを互いに締結(螺合)させることによって、リテーナー33、シートパン20及びブラケット13の三つの部材が互いに共締めによって固定(「共締め固定」ともいう)されて一体化されることとなる。この場合、ナット36はブラケット13とは別体の構成であってもよいし、或いはブラケット13に一体状に接合された構成であってもよい。このナット36は、固定用ボルト34に締結される部材であり、本発明における「被固定部」を構成する。また、貫通孔22としては、丸孔、長孔、スリット等の形状を適宜選択することができる。ここでいう固定用ボルト34が、本発明における「固定部材」及び「固定用ボルト」に相当する。
なお、本実施の形態では、固定用ボルト34のボルト軸の延在方向と、図2中の矢印40方向に沿ったエアバッグ31の展開方向とが概ね合致する構成とされる。このような構成によれば、固定用ボルト34の締結力をエアバッグ展開膨張時におけるエアバッグ荷重に抗する力として効率的に使用することが可能となる。
ここで、本実施の形態のエアバッグモジュール30をシートパン20の収容部21に収容する作業、及び当該エアバッグモジュール30をシートパン20側に取り付け固定する作業につき、図3〜図6を参照しつつ説明する。
図3は、エアバッグモジュール30をシートパン20の収容部21に収容する作業の概要を示す斜視図である。図3に示すように、エアバッグモジュール30の収容作業においては、まず、エアバッグモジュール30側の固定用ボルト34が、シートパン20の収容部21に向かうようにして、当該エアバッグモジュール30を収容部21へと移動させる。
引き続きエアバッグモジュール30をシートパン20側に取り付け固定するまでの作業に関しては、例えば図4〜図6に示す3つのステップを少なくとも用いて行うことが可能である。ここで、図4〜図6は、いずれもエアバッグモジュール30をシートパン20の収容部21に取り付け固定する過程を示す断面図である。
図4に示すように、第1のステップでは、エアバッグモジュール30をガス発生器32側が下側になるように向けた状態で、シートパン20の上方から窪み部23(第1延在部20a)に向けて挿設する。これにより、図5に示すようなエアバッグモジュール30の仮保持状態が形成される。このとき、固定用ボルト34のボルト軸は概ね左右方向へと延在する。
次に、図5に示すように、第2のステップでは、仮保持状態のエアバッグモジュール30のモジュール下部35を、第1延在部20a及び第2延在部20bとの間の段差部に当接させた状態で、当該段差部を回動支点としてエアバッグモジュール30を図5中の矢印4方向へと回転させる。そして、この回転によって固定用ボルト34を貫通孔22に近接させる。これにより、図6に示すように固定用ボルト34が貫通孔22に挿設された挿設状態が形成される。固定用ボルト34の挿入し易さを考慮した場合、貫通孔22としては上下方向に延在する長孔を用いるのが好ましい。
最後に、図6に示すように、第3のステップでは、固定用ボルト34とナット36を互いに締結することによって、リテーナー33、シートパン20及びブラケット13が互いに共締め固定され一体化された状態(図2に示す状態)が形成される。このとき、固定用ボルト34によりエアバッグモジュール30、シートパン20及びブラケット13が共締め固定されることで、事故発生の際のエアバッグ展開膨張時の圧力、すなわちエアバッグモジュール作動時の荷重を、共締め固定によって一体化されたシートパン20及びブラケット13が受けることとなる。
このとき、シートパン20の板厚に当該シートパン20と共締め固定されたブラケット13の板厚が加わることによって当該シートパンの強度を高めることができるため、その分、シートパン20の板厚を抑えたうえで、車両シート100に必要とされる強度を確保することが可能となる。すなわち、リテーナー33、シートパン20及びブラケット13の協働によって、車両シート100の軽量化を図りつつ強度を確保することが可能となる。なお、シートパン20の板厚を抑える仕様を考慮した場合、シートパン20の板厚d1とブラケット13の板厚d2に関しては、d1≦d2との関係に基づいて設定されるのが好ましい。
また、共締め固定によってシートパン20とブラケット13との接触などによる異音の発生を防止することができ、またシートパン20の強度を高めることによって、車両シート100の座り心地を向上させることが可能となる。
また、共締め固定によってシートパン20をブラケット13に固定する構成であり、シートパン20を溶接等によって左側サイドフレーム12a及び右側サイドフレーム12bに固定しなくても済むため、車両シート100の製造工程を簡素化することが可能となる。
上記第1〜第3のステップを順次遂行することによって、エアバッグモジュール30をシートパン20側に取り付け固定する作業が円滑化される。特に、第2及び第3のステップにおいて、エアバッグモジュール30を固定用ボルト34によってシートパン側に締結するまでの間、窪み部23に保持されたエアバッグモジュール30のモジュール下部35を、第1延在部20a及び第2延在部20bとの間の段差部に終始当接させることによって、エアバッグモジュール30の位置決めがなされるため、エアバッグモジュール30の組み付け性の向上を図ることが可能となる。
(他の実施の形態)
なお、本発明は上記の実施の形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
上記実施の形態のシートパン20では、エアバッグモジュール30を収容する収容部21は後ろ斜め上方に向けて開口する場合について記載したが、本発明においてシートパンの構成は、必要に応じて適宜変更可能である。例えば、図7〜図9に示す各実施の形態を採用することもできる。
図7は、別の実施の形態のシートパン120及びエアバッグモジュール130の構成を示す斜視図である。
図7に示す実施の形態のシートパン120では、エアバッグモジュール130を収容する収容部121は上方に向けて開口する構成とされる。この収容部121に収容されるエアバッグモジュール130では、リテーナー33の下部に固定用ボルト34が取り付けられている。従って、エアバッグモジュール130を、固定用ボルト34を下向きにした状態で収容部121の上方から挿設し、固定用ボルト34を貫通孔22に挿入して締結する。これにより、エアバッグモジュール130がシートパン120側に取付け固定される。このエアバッグモジュール130では、事故発生の際に展開膨張するエアバッグ31の展開方向は、図7中の矢印42によって示すような車両上方であり、当該方向は固定用ボルト34のボルト軸の延在方向と概ね合致する。
また、図8は、別の実施の形態のシートパン220及びエアバッグモジュール230の構成を示す斜視図である。
図8に示す実施の形態のシートパン220では、エアバッグモジュール230を収容する収容部221は上方に向けて開口する構成とされる。収容部221は、上下方向に関し高低差が付与された段差構造とされており、相対的に深さの深い位置はリテーナー33を収容する第1収容領域221aとされ、相対的に深さの浅い位置はリテーナー33よりも上方のエアバッグ31部分を収容する第2収容領域221bとされる。この収容部221に収容されるエアバッグモジュール230では、リテーナー33の下部に固定用ボルト34が取り付けられている。従って、エアバッグモジュール230を、固定用ボルト34を下向きにした状態で収容部221の上方から挿設し、固定用ボルト34を貫通孔22に挿入して締結することによって、エアバッグモジュール230がシートパン220側に取付け固定される。このエアバッグモジュール230では、事故発生の際に展開膨張するエアバッグ31の展開方向は、図8中の矢印42によって示すような車両上方であり、当該方向は固定用ボルト34のボルト軸の延在方向と概ね合致する。
また、図9は、別の実施の形態のシートパン320及びエアバッグモジュール330の構成を示す斜視図であり、図10は、図9中のB−B線における断面図である。
図9に示す実施の形態のシートパン320は、シートパン20と同様の収容部21を備えるが、更に左右一対の収容部24,24を備える構成とされる。一方、図10に示すように、この収容部21に収容されるエアバッグモジュール330では、リテーナー33に左右一対のボルト用ブラケット33a,33aが設けられており、各ボルト用ブラケット33aは各収容部24に収容された状態で、固定用ボルト34及びナット36によってシートパン320及びブラケット13に共締め固定されている。このエアバッグモジュール330では、事故発生の際に展開膨張するエアバッグ31の展開方向は、エアバッグモジュール30の場合と同様に、図10中の矢印40方向で示すような後ろ側斜め上方とされる。
ここで、図11は、エアバッグモジュール330をシートパン320の収容部21に収容する作業の概要を示す斜視図である。図11に示すように、エアバッグモジュール330の収容作業においては、まず、エアバッグモジュール330側の固定用ボルト34が、シートパン320の収容部24に向かうようにして、当該エアバッグモジュール330を収容部21へと移動させる。そして、シートパン320及びブラケット13を貫通する貫通孔22に固定用ボルト34を挿入したのち、固定用ボルト34とナット36を互いに締結することによって、リテーナー33、シートパン320及びブラケット13が互いに共締め固定された状態が形成される。
また、上記実施の形態では、所定の板厚を有する板状(図1では湾曲板状)に構成されたブラケット13について記載したが、このブラケット13に相当する部材の構造はこれに限定されるものではなく、必要に応じて種々変更可能である。具体的には、筒状に形成されたパイプ状部材を潰して平板状とした部材に共締め用の貫通孔を設けた構成体や、複数のパイプ状部材に架設された板状部材に共締め用の貫通孔を設けた構成体や、箱状に絞られた或いは曲げ加工によって箱状に成形された部材に共締め用の貫通孔を設けた構成体などを、ブラケット13に代わる部材として用いることもできる。
また、上記実施の形態では、エアバッグ展開膨張時の圧力がシートパン20の窪み部23から当該シートパン20に共締め固定されたブラケット13へと及ぶ場合について記載したが、本発明では、シートパン20の窪み部23とブラケット13との相対的な関係については、別の構成を採用することもできる。例えば、ブラケットから離間した状態の窪み部がエアバッグ展開膨張時にブラケットに当接することによって、エアバッグ展開膨張時の圧力が当該ブラケットへと及ぶ構成や、ブラケットに対し非接合にて当接した状態の窪み部がエアバッグ展開膨張時にブラケットを押圧することによって、エアバッグ展開膨張時の圧力が当該ブラケットへと及ぶ構成を採用することもできる。
また、上記実施の形態では、運転者が着座する運転席シートや、助手席シートとして構成される車両シート100の構成について説明したが、運転席シートや助手席シートを含む種々の車両シート、例えば後部席シートの構成に本発明を特徴部分を適用することもできる。この場合の車両には、自動車、飛行機、船舶、電車、バス、トラック等、車両乗員を乗せて移動する各種の車両が包含される。
本実施の形態の車両シート100の内部構造を示す図であって、車両斜め後方からみた斜視図である。 図1中のA−A線における断面図である。 エアバッグモジュール30をシートパン20の収容部21に収容する作業の概要を示す斜視図である。 エアバッグモジュール30をシートパン20の収容部21に取り付け固定する過程を示す断面図である。 エアバッグモジュール30をシートパン20の収容部21に取り付け固定する過程を示す断面図である。 エアバッグモジュール30をシートパン20の収容部21に取り付け固定する過程を示す断面図である。 別の実施の形態のシートパン120及びエアバッグモジュール130の構成を示す斜視図である。 別の実施の形態のシートパン220及びエアバッグモジュール230の構成を示す斜視図である。 別の実施の形態のシートパン320及びエアバッグモジュール330の構成を示す斜視図である。 図9中のB−B線における断面図である。 エアバッグモジュール30をシートパン320の収容部21に収容する作業の概要を示す斜視図である。
10 シートフレーム
12 ベースフレーム
12a 左側サイドフレーム
12b 右側サイドフレーム
13 ブラケット
14 バックフレーム
15 支軸
16 ヘッドレスト
20,120,220,320 シートパン
20a 第1延在部
20b 第2延在部
21 収容部
22 貫通孔
23 窪み部
24 収容部
30,130,230,330 エアバッグモジュール
31 エアバッグ
32 ガス発生器
33 リテーナー
33a ボルト用ブラケット
34 固定用ボルト
35 モジュール下部
36 ナット
100 車両シート

Claims (5)

  1. 車両に装着される車両シートであって、
    シート骨格を形成するシートフレームのうち、シートクッション下方の左側を前後方向に延在する左側サイドフレームと、シートクッション下方の右側を前後方向に延在する右側サイドフレームと、
    前記シートクッション下方において、前記左側サイドフレームと前記右側サイドフレームとの間に配設されるとともに、下方へと窪んだ窪み部を有するシートパンと、
    エアバッグを有し、前記窪み部に保持されるとともに、前記エアバッグが、シートクッション下方から上方へと展開膨張して、事故発生の際に車両シート着座状態の車両乗員の車両前方への移動に抗するように設定されたエアバッグモジュールと、
    前記窪み部と当該窪み部の外部領域との間おいて、上下方向に関する高低差が付与された段差部と、
    を備え
    前記エアバッグモジュールは、事故発生の際にエアバッグ膨張用ガスを発生して前記エアバッグに供給するガス供給部と、前記ガス供給部を収容するリテーナーと、前記リテーナーに取り付けられ当該エアバッグモジュールを前記シートパン側に固定する固定用ボルトとを備え、前記段差部に当接した状態で前記窪み部に仮保持されるとともに、その仮保持位置から前記段差部を回動支点として保持位置への回転動作が可能とされ、また前記回転動作に伴って前記固定用ボルトが近接する前記シートパン側の所定位置に、当該記固定用ボルトが挿設される貫通孔が設けられていることを特徴とする車両シート。
  2. 請求項1に記載の車両シートであって、
    記窪み部に保持された前記エアバッグモジュールが前記段差部を被覆する第1の状態と、当該被覆が解除された第2の状態との視認結果に基づいて、当該エアバッグモジュールの前記外部領域側へのはみ出しを判別可能とする判別機構を備えることを特徴とする車両シート。
  3. 請求項1又は2に記載の車両シートであって、
    前記シートフレームのうち、前記窪み部の下方にて前記左側サイドフレームと前記右側サイドフレームを接続するブラケットを備え、
    事故発生の際のエアバッグ展開膨張時の圧力を、前記シートパン、及び前記窪み部の下方に位置する前記ブラケットが受けるように構成されていることを特徴とする車両シート。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の車両シートと、
    前記車両シートに着座した車両乗員を拘束するシートベルトと、
    を備え、
    前記車両シートに着座している車両乗員に対し前記シートベルトが装着されたシートベルト装着状態において、事故発生の際の当該車両乗員の腰部の前方移動に伴って当該車両乗員が座面に沿って前記シートベルトを潜ろうとする動作を、前記車両シートに搭載された前記エアバッグモジュールによって阻止する構成であることを特徴とする車両。
  5. シート骨格を形成するシートフレームのうち、シートクッション下方の左側を前後方向に延在する左側サイドフレームと、シートクッション下方の右側を前後方向に延在する右側サイドフレームと、
    前記シートクッション下方において、前記左側サイドフレームと前記右側サイドフレームとの間に配設されるとともに、下方へと窪んだ窪み部を有するシートパンと、
    前記窪み部と当該窪み部の外部領域との間おいて、上下方向に関する高低差が付与された段差部と、
    を備える車両シートにおいて、
    エアバッグを有し、前記窪み部に保持されるとともに、前記エアバッグが、シートクッション下方から上方へと展開膨張して、事故発生の際に車両シート着座状態の車両乗員の車両前方への移動に抗するように設定されたエアバッグモジュールであって、
    事故発生の際にエアバッグ膨張用ガスを発生して前記エアバッグに供給するガス供給部と、前記ガス供給部を収容するリテーナーと、前記リテーナーに取り付けられ当該エアバッグモジュールを前記シートパン側に固定する固定用ボルトとを備え、前記段差部に当接した状態で前記窪み部に仮保持されるとともに、その仮保持位置から前記段差部を回動支点として保持位置への回転動作が可能とされ、また前記回転動作に伴って前記固定用ボルトが近接する前記シートパン側の所定位置に、当該記固定用ボルトが挿設される貫通孔が設けられていることを特徴とするエアバッグモジュール。
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