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JP4813428B2 - 攪拌機 - Google Patents
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Description

本発明は、攪拌機に関し、特に、下水処理槽内の攪拌装置において、毛髪等の繊維状夾雑物が、攪拌羽根部に絡み付き、攪拌羽根の過負荷発生による攪拌機を停止する頻度を減少させるようにした耐夾雑物性の高い攪拌機に関するものである。
従来、下水処理場に流入する汚水は、下水処理槽内に導かれ、該下水処理槽内に配設した攪拌機にて攪拌され、好気性処理を行うようにしている。この曝気機として、特に限定されるものではないが、例えば汚水中に浸すように配設したスクリュー(攪拌羽根)をモータ等の原動機にて回転駆動して汚水を混合攪拌するようにしている。
ところが、下水処理槽内に流入する汚水には、汚物と共に毛髪等の繊維状夾雑物が混入しており、この毛髪等の繊維状夾雑物が回転する攪拌羽根部に絡み付くようになる。
特に、攪拌対象の汚水内に毛髪等の繊維状夾雑物が高濃度で存在する場合において、その繊維状夾雑物が攪拌羽根に絡み付きやすく、かつその絡み付きが増し、堅く成長するものとなる。
この攪拌羽根部へ毛髪等が絡み付くと攪拌羽根による水流発生能力が減少するとともに、それに伴い駆動軸部に発生する負圧等により駆動軸の外周から中心方向に発生する流体の流れにより、上記攪拌羽根に絡み付いた夾雑物とは別の繊維状夾雑物が駆動軸部にさらに絡み付き、この攪拌羽根、駆動軸部へ絡み付く繊維状夾雑物量が増大していき、やがて過負荷にて原動機に過電流が流れて攪拌機が停止するという問題があった。
また、繊維状夾雑物が攪拌羽根に絡み付き過電流等で攪拌機が停止すると、これを再度運転を開始するためには、攪拌羽根に堅く絡み付いた夾雑物を除去する必要があるが、この夾雑物除去作業は、通常作業者による手作業で行うため作業効率が悪く、また、絡み付き状況の発生頻度が高ければそれだけ夾雑物除去作業時間が増すという問題があった。
本発明は、従来の攪拌機の有する問題点に鑑み、下水処理槽内の攪拌装置において、毛髪等の繊維状夾雑物の攪拌羽根部への絡み付きによる攪拌羽根の過負荷発生にて攪拌機を停止する頻度を減少させるようにした耐夾雑物性の高い攪拌機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の攪拌機は、原動機にて駆動される駆動軸に攪拌羽根を駆動軸の上下2位置に付設し、攪拌羽根の外周を外筒にて覆うように配設し、上方の攪拌羽根を覆う外筒の下端と下方の攪拌羽根を覆う外筒の上端を開拡形状に形成し、その間に整流マウンドを配設して外周に吸込口を形成し、上方の攪拌羽根を覆う外筒の上端と下方の攪拌羽根を覆う外筒の下端を排出口とした攪拌機であって、上側の攪拌羽根の直径を、下側の攪拌羽根の直径より小さく、ピッチを大きく形成して、前記両方の攪拌羽根の前進係数を0.3以上0.9未満に設定したことを特徴とする。
本発明の攪拌機によれば駆動軸外周及びに上下両方の攪拌羽根やその回転部に夾雑物が絡み付きにくくなり、長期間に亘っての攪拌作業を円滑に行うことができる。
また、攪拌羽根の外周を外筒にて覆うように配設することにより、攪拌羽根による水流発生を確実にすることができる。
以下、本発明の攪拌機の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1に攪拌機の参考例を示す。
の攪拌機Aは、下水処理場等に設置された下水処理槽又は水槽内の所定位置に垂設するもので、これを槽内に自立させるか或いは架台にて支持するようにするもので、これは特に限定されるものではない。
また、この攪拌機Aは、図1に示すように、下端部に攪拌羽根3を取り付けた駆動軸2を、水面上に配置するモータ1にて駆動されるようにするとともに、この攪拌羽根3との間に予め定めた距離をあけて、その外周を覆うようにして外筒4を外嵌するようにし、かつ必要に応じて外筒4の上方位置に整流マウンド7を配設して構成する。
この外筒4は、ラッパ状に上端が開拡した形状で、その開拡した上端外周部に形成される吸込口41より槽内汚水を吸い込み、下端の開口した排出口42とより底層内に吐出するように形成する。
したがって、この攪拌機Aは、モータ1の駆動にて駆動軸2を介して攪拌羽根3を外筒4内で回転させると、外筒4の上端外周部の吸込口41より槽内汚水を外筒4内に吸い込み、攪拌した後、攪拌羽根3の水流発生力にて下端の排出口42とより下水処理槽の底層に向かって吐出されるようになる。この場合、外筒の上方位置に配設した整流マウンド7により、吸込口より吸い込まれた汚水を外筒4内を経て排出口へ円滑に導かれるようになる。
また、攪拌対象の汚水内に毛髪等の繊維状夾雑物が存在、特に高濃度で存在すると、この毛髪等の繊維状夾雑物が回転する攪拌羽根部に絡み付くようになる。これは、夾雑物の端部の多少ほぐれた部分(端部は複数に分かれて存在する)が攪拌羽根の羽根部又はボス部の流入側に一瞬一次的に停滞した状態で、当該夾雑物が攪拌羽根のボス部周りを一周回り終えて、その夾雑物の中間部が停滞している複数に分かれた端部の間に入り込んで結合することによりリング(輪)状となり、そのリングが核となってその夾雑物が複数回巻き取られることにより強固に重なったリングが形成され、さらに、他の夾雑物が巻き取られることによりリングが成長し、夾雑物攪拌羽根部に堅く絡み付いて離脱しにくくなる。
攪拌羽根の前進係数をJとすると、Jは以下の式で表すことができる。
J=V/(n・D)
ここで
V:流速(m/s)
n:回転速度(rps)
D:攪拌羽根の直径(m)
同じ流量(≒V×πD /4)を得るための攪拌羽根で前進係数Jを大きくする場合、ピッチ(羽根の巻き付け角を「羽根を360度回転させた場合の羽根の軸方向の移動(前進)距離」)を大きくし、攪拌羽根の直径Dを小さくする。
これにより前進係数Jを増加させることができるが、前進係数Jにも上限が存在する。Jを増加させるためにピッチを増加させる場合にピッチの過大な攪拌羽根はキャビテーション発生等、性能面で問題を有する。一方前進係数Jを増加させるために直径Dを減少させるがこれにも下限がある。攪拌羽根は軸径以上の径のボスを有し、そのボス径に対する攪拌羽根直径の比の下限が存在する。これらから総合的に判断すると前進係数Jの上限値は0.9となる。
実験により約数百ミリの毛髪等が混在した液体中で攪拌羽根を回転させた場合に模擬毛髪等の絡みにくい攪拌羽根(但し直径が300mm以下の場合)の前進係数は0.3以上0.9未満となることが判明した。
このように、前進係数の大きな攪拌羽根を採用することにより、夾雑物の多少端部がほぐれた部分と攪拌羽根のボス部を一周回り終えた(その夾雑物の)中間部が結合しにくくなり、攪拌羽根部への絡み付きの確率が著しく減少する。
また、ボス部を一周回り終えた(その夾雑物の)中間部とその元の端部との距離は、駆動軸が1回転する速度に対して大きな軸方向の流体の流速があり、駆動軸が1回転する時間に夾雑物は流体と共に軸方向に大きく移動する。多少ほぐれた毛髪郡のばらばらの端部が、攪拌羽根流入側に一瞬一時的に停滞した場合においても、その同じ毛髪郡が一周回った後の中間部分は、端部から軸方向に大きな距離を有しているため、接触さえすることなくスパイラル状のまま軸方向に流れる確率が高くなる。
さらに、攪拌羽根の径が、軸流速に対して小さな攪拌羽根を使用しているため、このような攪拌羽根では夾雑物が攪拌羽根でせき止められる確率が低く、毛髪の端部が攪拌羽根部に一瞬一時的に滞在する確率が低くなる。
せき止められる確率が低くなる理由は同じ流量を発生させる攪拌羽根において流速に対して直径が小さな攪拌羽根は攪拌羽根のピッチが大きい攪拌羽根となる。すなわち、羽根の巻き付け角度が流れと垂直の断面と有する角度が大きい。そのため攪拌羽根流入側に存在する毛髪等の繊維状夾雑物は、その攪拌羽根の大きな傾斜によりすべりやすく流出側に流れやすくなり、そのため滞留する確率が低くなる。
図2に、本発明の攪拌機の実施例を示す。
この攪拌機Aは、水面上に配置するモータ1にて駆動される駆動軸2に、駆動軸2の中間部にあたる上方の攪拌羽根と、駆動軸2の下端部に下方の攪拌羽根を上下2位置に取り付けるようにするとともに、この上方の攪拌羽根5と下方の攪拌羽根3の間に予め定めた距離をあけて、その外周を覆うようにして外筒4を外嵌するようにして構成する。
この施例における外筒4(4A、4B)は、ラッパ状に一端が開拡した形状のものを2つ、それぞれその内部に攪拌羽根3、5を収めるようにしてその開拡側を互いに対向するように上下に、しかもその間に整流マウンド6を挟むようにして重ね、この重ね部を開口して吸込口41とし、反対側の上端開口部を上排出口43、下端開口部を排出口42とし、上排出口43からは上方に向かって汚水を吐出するように、排出口42からは底層内に吐出するようにする。
また、この施例においては、同軸で2つの攪拌羽根3、5を取り付けるが、その回転方向を同じとしながら、その水流方向は互いに異なる方向、すなわち、攪拌羽根3による水流方向は下向きに、攪拌羽根5による水流方向は上向きになるように、その攪拌羽根の捻れ方向を互いに逆となるようにする。
なお、上排出口43の上方位置には、整流マウンド7を配設することで、上排出口43から吐出される汚水は水面部で拡散するようにすることができる。
したがって、この実施例においては、上下2組の攪拌羽根3,5を同軸に逆方向に巻き付けているため、駆動軸2の回転により上昇流と下降流を発生させるものとなり、また攪拌羽根5による上部噴出流量が、攪拌羽根3による下部噴出し流量より3/7程度になるように設定するようにする。
また、下方の攪拌羽根3の前進係数は、耐夾雑物性の面と性能面から適正な約0.7とするが、上部の攪拌羽根5と下部の攪拌羽根3の回転速度は構造上同一となる。
この構造で上下の噴出し流量比が上:下=3:7(1:2.3)となるように設計する場合、上攪拌羽根のピッチを下攪拌羽根に対して約3/7として流量を小さくすることも技術的に可能であるが、場合によっては前進係数が過小となることがある。そこで上方の攪拌羽根5の径を下方の攪拌羽根3の径より小さくして、前進係数の低下を抑えている。
これにより、上方の攪拌羽根5及び下方の攪拌羽根3への毛髪の絡み付きを防止することができる。
上噴き出しの流量と下噴き出しの流量の比を1:2.3に設定する手段として同軸の攪拌羽根を使用する場合において、仮に上下共に同じ直径の攪拌羽根を用いると、上噴き出し側流速が1に対して下噴出し側流速が2.3となる。この場合の上下攪拌羽根の前進係数を比較すると、
J=V/(n・D)
より、上噴出し用攪拌羽根の前進係数は下噴出し用攪拌羽根の前進係数の1/2.3倍となる。
この場合には、上下両方の攪拌羽根が前進係数は0.3以上0.9未満の範囲内の条件を満たすことが不可能となる。そこで、流量が小さな上噴出し側の攪拌羽根直径を比較的小さくし、ピッチを上記よりは大きく設計し、両方の羽根の前進係数が0.3以上0.9未満となるような攪拌羽根を設計するものとする。
以上、本発明の攪拌機について、の実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
本発明の攪拌機は、繊維状夾雑物の攪拌羽根部への絡み付きによる攪拌羽根の過負荷発生による攪拌機を停止する頻度を減少させるという特性を有していることから、下水処理槽内の攪拌装置の用途に好適に用いることができるほか、例えば、化学機械、食品混合の用途にも用いることができる。
拌機の参考例を示す正面縦断面図である。 本発明の攪拌機の実施例を示す正面縦断面図である。
1 電動機
2 駆動軸
3 下方の攪拌羽根
4 外筒
5 上方の攪拌羽根
6 整流マウンド
7 上整流マウンド

Claims (1)

  1. 原動機にて駆動される駆動軸に攪拌羽根を駆動軸の上下2位置に付設し、攪拌羽根の外周を外筒にて覆うように配設し、上方の攪拌羽根を覆う外筒の下端と下方の攪拌羽根を覆う外筒の上端を開拡形状に形成し、その間に整流マウンドを配設して外周に吸込口を形成し、上方の攪拌羽根を覆う外筒の上端と下方の攪拌羽根を覆う外筒の下端を排出口とした攪拌機であって、上側の攪拌羽根の直径を、下側の攪拌羽根の直径より小さく、ピッチを大きく形成して、前記両方の攪拌羽根の前進係数を0.3以上0.9未満に設定したことを特徴とする攪拌機。
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