JP4813432B2 - 平版印刷版の製版方法 - Google Patents
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Description
近年、画像情報をコンピューターを用いて電子的に処理、蓄積、出力する、デジタル化技術が広く普及してきている。そして、そのようなデジタル化技術に対応した新しい画像出力方式が種々実用されるようになってきた。その結果レーザー光のような指向性の高い光をデジタル化された画像情報に従って走査し、リスフイルムを介すこと無く、直接印刷版を製造するコンピューター トゥ プレート(CTP)技術が切望されており、これに適応した平版印刷版原版の開発が行われている。
特に、親水性支持体上に、感光スピードに優れる光重合開始剤、付加重合可能なエチレン性不飽和化合物、及びアルカリ現像液に可溶なバインダーポリマーを含有する光重合型の記録層、並びに必要に応じて酸素遮断性の保護層を設けた平版印刷版原版(例えば、特許文献1参照)は、感光層が柔らかいこと、オーバーコート層が存在することによりキズがつきやすくなる。このようなキズの改良について、Tgが20℃以上のバックコート層を設ける方法(例えば、特許文献2参照)や、バックコート層として、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂を用いる方法(例えば、特許文献3参照)などが知られているが、改良効果が不十分であり、更なる改良が求められている。
露光、現像された平版印刷版を版面保護液で処理すると、版の裏面に版面保護液が回り込むことが避けられず、裏面にも版面保護層が形成される。しかしながら、前記のようなバックコート層を有する平版印刷版の裏面に形成された版面保護層は剥離しやすく、その剥離したものが不感脂化処理後の搬送、折り、孔穿、集積、印刷等の工程を汚染するという欠点があった。
したがって、合紙がなくても版の接着あるいは耐キズ性が改良され、同時に平版印刷版の裏面から版面保護層が剥離しない版面保護液による処理方法が求められている。
従って本発明は、アルミニウム支持体の片面に感光性記録層を有し、感光性記録層を有する面に対して反対面のアルミニウム支持体上に有機高分子化合物を含有するバックコート層を有する平版印刷版原版を、画像様に露光し、現像処理した後に、下記一般式(1)で示される共重合体を含む版面保護液で処理する製版方法である。
前記一般式(1)で示される共重合体において、好ましい実施態様としてmが55から75であることが挙げられる。前記一般式(1)で示される共重合体において、Rは1種単独でも又は2種以上でもよい。本発明の実施態様としてRが−OCOCH3であることが挙げられる。
本発明の別の実施態様としてまた、該感光性記録層が、赤外線吸収剤、重合開始剤、分子内にビニル基が置換したフェニル基を2個以上有するモノマー、及びビニル基が置換したフェニル基を側鎖に有する重合体を含有することが挙げられる。
本発明の製版方法は特に、レーザ光で直接描写可能な平版印刷版原版からの製版方法に向けられる。
本発明の平版印刷版の製版方法によればまた、非画像領域の親水性を保護するのみならず、画像領域の加筆又は修正消去等の画像修正、製版後印刷するまでの期間の保存又は再使用までの保存、印刷機に取り付ける際や取り扱い中の指紋、油脂、塵埃等の付着によって引き起こされる汚れの防止及び傷の発生等からの保護が充分になされた平版印刷版を得ることができる。
本発明の方法で使用する版面保護液は、以下の一般式(1)で示される共重合体を含むことを特徴とする。
一般式(1)で示される共重合体において、m+nを100とするとmが30から85の範囲が適当であり、より好ましくはmが45から80の範囲であり、もっとも好ましくはmが55から75の範囲である。mが30から85の範囲にあると、版面保護液における溶解性の点で良好であって親水性が適度であり、その結果として疎水性のバックコート層との密着向上効果が適当にあって、また、インキ払い性も良好である。
一般式(1)で示される共重合体の分子量としては、5000から10万程度が良好である。該共重合体の分子量がこの範囲にあると、成膜性が適度にあり、且つ版面保護液の粘性が適度に抑えられ、自動現像機での吐出が良好となる。
版面保護液における上記一般式(1)の共重合体の含有量は、版面保護液における上記一般式(1)の共重合体の含有量は、版面保護液の全質量に基づいて0.1〜2質量%が適当であり、より好ましくは0.5〜1質量%であり、最も好ましくは0.6〜0.8質量%である。
一般式(1)で示される共重合体は1種単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。
版面保護液には、親水性の維持や傷から版面を保護するために皮膜形成性を有する水溶性高分子化合物を加えることが好ましい。かかる水溶性高分子化合物として、例えばアラビアガム、繊維素誘導体(例えばカルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルプロピルセルロース等)及びその変性体、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド及びその共重合体、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、水溶性大豆多糖類、澱粉誘導体(例えばデキストリン、酵素分解デキストリン、ヒドロキシプロピル化澱粉、酵素分解デキストリン、カルボキシメチル化澱粉、リン酸エステル化澱粉、サイクロデキストリン)、プルラン及びプルラン誘導体、大豆から抽出されるヘミセルロース等があげられる。中でもアラビアガム、デキストリンといった澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロース、大豆多糖類などが好ましく使用することができる。
これら水溶性高分子化合物の含有量は、版面保護液の全質量に基いて0.1〜25.0質量%が適当であり、より好ましくは0.3〜20.0質量%である。
また、アセチレングリコール系とアセチレンアルコール系のオキシエチレン付加物、フッ素系、シリコン系等のアニオン、ノニオン界面活性剤も同様に使用することができる。
上記の界面活性剤の使用量は特に限定する必要はないが、好ましくは版面保護液中に0.01〜20質量%である。
炭化水素系としては沸点160℃以上の石油留分の芳香族、脂肪族化合物、スクワランなどが挙げられる。
上記有機溶剤を選択するときの条件としてはその環境安全性、特に臭気が挙げられる。これらの溶剤は1種単独で使用してもよいし、あるいは2種以上を併用してもよい。その使用量は版面保護液中に0.1〜5.0質量%が適当であり、より好ましくは0.3〜3.0質量%である。
本発明で使用する版面保護液において、これらの有機溶剤は界面活性剤によって可溶化させて溶液タイプとしてもよいし、あるいは油相として乳化分散させて乳化タイプとしてもよい。
また、消泡剤としては一般的なシリコン系の自己乳化型タイプ、乳化タイプ、界面活性剤ノニオン系のHLBの5以下等の化合物を使用することができる。シリコン消泡剤、例えばジメチルシリコーンなどが好ましい。その中で乳化分散型及び可溶化型等がいずれも使用できる。好ましくは版面保護液中に0.001〜1.0質量%の範囲が最適である。
版面保護液による処理は、自動現像機を用いて行うことも適している。この自動現像機は、一般に現像部と後処理部からなり、平版印刷版原版を搬送する装置と、各処理液槽およびスプレー装置からなり、露光済みの平版印刷版原版を水平に搬送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレーノズルから吹き付けて現像および後処理するものである。また、処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイドロールなどによって浸漬搬送させて現像処理する方法や、現像後一定量の少量の水洗水を版面に供給して水洗し、その廃水を現像液原液の希釈水として再利用する方法も知られている。
このような自動処理においては、各処理液に処理量や稼働時間等に応じてそれぞれの補充液を補充しながら処理することができる。また、実質的に未使用の処理液で処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用できる。
上記の版面保護液により処理され版面保護層が塗設された平版印刷版はオフセット印刷機に掛けられ、多数枚の印刷に用いられる。
本発明の製版方法を適用する平版印刷版原版は、アルミニウム支持体上に感光性記録層を有し、感光性記録層を有する面と反対面のアルミニウム支持体上に有機高分子化合物を含有するバックコート層を有する平版印刷版原版である。
〔バックコート層〕
バックコート層に含有される有機高分子化合物は特に限定はされないが、エポキシ樹脂を用いることが特に好ましく、その他にロジン及びフェノール性水酸基を有する樹脂から選ばれる少なくとも1種を含んでいることがより好ましい。中でもエポキシ樹脂とロジンの組み合わせが好適であり、さらにフェノール性水酸基を有する樹脂を含有していてもよい。さらに、バックコート層の種々の特性を向上させるために、その他の樹脂や、添加剤を併用してもよい。
バックコート層に用いるエポキシ樹脂としては、多価アルコールや多価フェノールなどとエピクロロヒドリンとの反応によって得られるグリシジルエーテル化合物若しくはそのプレポリマー、更に、アクリル酸又はメタクリ酸グリシジルの重合体又は共重合体等を挙げることができる。
−ロジン−
ロジンとしては、例えば、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジンなどの天然ロジン;該天然ロジンから誘導される重合ロジン;前記天然ロジンや重合ロジンを不均化又は水素添加して得られる安定化ロジン;前記天然ロジンや重合ロジンに不飽和カルボン酸類を付加して得られる不飽和酸変性ロジンなどが挙げられる。なお、前記不飽和酸変性ロジンとは、例えば、マレイン酸変性ロジン、無水マレイン酸変性ロジン、フマル酸変性ロジン、イタコン酸変性ロジン、クロトン酸変性ロジン、ケイ皮酸変性ロジン、アクリル酸変性ロジン、メタクリル酸変性ロジンなど、或いはこれらに対応する酸変性重合ロジンが挙げられる。
このようなロジンの中でも、ロジン変性フェノール樹脂又はロジンエステルが好ましく用いられる。
また、ロジンエステルとして、エステルガムAAG、エステルガムAAL、エステルガムA、エステルガムAAV、エステルガム105、エステルガムHS、エステルガムAT、エステルガムH、エステルガムHP、エステルガムHD、ペンセルA、ペンセルAD、ペンセルAZ、ペンセルC、ペンセルD−125、ペンセルD−135、ペンセルD−160、ペンセルKK(以上全て商品名、ロジンエステル系樹脂、荒川化学工業(株)製)、も好ましく用いることができる。
本発明に用いうるフェノール性水酸基を有する樹脂としては、例えば、フェノールとホルムアルデヒドとの縮重合体、m−クレゾールとホルムアルデヒドとの縮重合体、p−クレゾールとホルムアルデヒドとの縮重合体、m−/p−混合クレゾールとホルムアルデヒドとの縮重合体、フェノールとクレゾール(m−、p−、又はm−/p−混合のいずれでもよい)とホルムアルデヒドとの縮重合体等のノボラック樹脂や、ピロガロールとアセトンとの縮重合体であるピロガロール樹脂を挙げることができる。
ここで、フェノール性水酸基を有する化合物としては、フェノール性水酸基を有するアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、又はヒドロキシスチレン等が挙げられる。
更に、バックコート層には、皮膜性向上のために有機、無機の高分子化合物を添加したり、また、可とう性を持たせたり、すべり性を調整する目的で、可塑剤、界面活性剤、その他の添加物を必要により添加できる。
これらの可塑剤はバックコート層がべとつかない範囲で加えられる。
以上挙げた界面活性剤の中でポリオキシエチレンとあるものは、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレンなどのポリオキシアルキレンに読み替えることもでき、それらの界面活性剤もまた包含される。
従って、バックコート層に用いられる樹脂としては非結晶性で、工業用各種有機溶剤に溶け易いものが好ましい。
バックコート層を形成する際に用いられる溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチル等が挙げられる。
これらの溶媒は、単独或いは混合して使用することができる。そして、バックコート層形成用塗布液中の固形分の濃度は、0.5〜50質量%が適当である。
バックコート層の被覆量は、乾燥後の質量で、0.01〜10g/m2の範囲が好ましく、0.05〜7g/m2の範囲がより好ましく、0.1〜5g/m2の範囲が更に好ましい。
各版材間におけるスベリ性は、バックコート層の静摩擦係数をその指標とすることができる。具体的には、本発明で使用する平版印刷版原版において、感光性記録層側の最表面に対するバックコート層の静摩擦係数が0.35〜1.00の範囲であることが好ましく、0.40〜1.00の範囲であることがより好ましい。静摩擦係数がこの範囲にあることで、版材間で滑りが起こらず、安定な積層体を形成することができる。
また、静摩擦係数が上記の範囲にあることで、版材間の摩擦を低減することもできるため、擦りキズの発生を更に抑制することができる。
本発明の製版方法を採用する平版印刷版原版は、支持体のバックコート層を有する面とは反対側の面に、感光性記録層を有する。
該感光性記録層は、ポジ型であってもよく、ネガ型であってもよく、画像形成の機序は特に限定されるものではない。該感光性記録層の種類としてコンベンショナルポジタイプ、コンベンショナルネガタイプ、フォトポリマータイプ(光重合型)、サーマルポジタイプ、サーマルネガタイプ(熱重合型及び酸架橋型)などが挙げられる。ここでいうコンベンショナルとは、透明陽画又は透明陰画を通して、画像様露光をする従来型の平版印刷版原版を示す。以下、これらの感光性記録層について簡単に説明する。
コンベンショナルポジタイプの感光性樹脂組成物の好ましいものとして、o−キノンジアジド化合物とアルカリ可溶性高分子化合物とを含有する組成物が挙げられる。o−キノンジアジド化合物としては、例えば、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロライドとフェノール・ホルムアルデヒド樹脂またはクレゾール・ホルムアルデヒド樹脂とのエステルや、米国特許第3,635,709号明細書に記載されている1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロライドとピロガロール・アセトン樹脂とのエステルがある。アルカリ可溶性高分子化合物は例えば、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、クレゾール・ホルムアルデヒド樹脂、フェノール・クレゾール・ホルムアルデヒド共縮合樹脂、ポリヒドロキシスチレン、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミドの共重合体、特開平7−36184号公報に記載されているカルボキシ基含有ポリマー等が挙げられる。また、特開昭51−34711号公報に記載されているようなフェノール性ヒドロキシ基を含有するアクリル系樹脂、特開平2−866号に記載されているスルホンアミド基を有するアクリル系樹脂や、ウレタン系の樹脂等、種々のアルカリ可溶性の高分子化合物も用いることができる。さらに感光性樹脂組成物には、特開平7-92660号公報〔0024〕〜〔0027〕で示されている感度調節剤、焼出剤、染料等の化合物や同公報〔0031〕で示されているような塗布性を良化するための界面活性剤を加えることが好ましい。
これらo−キノンジアジド化合物とアルカリ可溶性高分子化合物とを含有する感光性組成物を支持体上に設けたコンベンショナルポジ型感光性平版印刷版原版は紫外線を用いて画像様露光された後、アルカリ性現像液で現像される。かかる現像液としては、特公昭57−7427号公報や特許第3086354号公報記載のアルカリ金属珪酸塩水溶液、および特開平8−305039号公報記載の非還元糖と塩基を主成分とする現像液が好ましい例として挙げられる。
コンベンショナルネガタイプの感光性樹脂組成物としては、ジアゾ樹脂とアルカリ可溶性または膨潤性の高分子化合物(結合剤)とを含有するものが挙げられる。
ジアゾ樹脂としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩とホルムアルデヒド等の活性カルボニル基含有化合物との縮合物が挙げられ、さらに例えば、p−ジアゾフェニルアミン類とホルムアルデヒドとの縮合物とヘキサフルオロリン酸塩またはテトラフルオロホウ酸塩との反応生成物である有機溶媒可溶性ジアゾ樹脂無機塩が挙げられる。特に、特開昭59−78340号公報に記載されている6量体以上を20モル%以上含んでいる高分子量ジアゾ化合物が好ましい。好適な結合剤としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸またはマレイン酸を必須成分として含む共重合体、例えば、特開昭50−118802号公報に記載されているような2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸等のモノマーの多元共重合体や、特開昭56−4144号公報に記載されているようなアルキルアクリレート、(メタ)アクリロニトリル、および、不飽和カルボン酸からなる多元共重合体を挙げることができる。さらに感光性樹脂組成物には、特開平7-281425号公報〔0014〕〜〔0015〕で示されている焼出剤、染料、塗膜の柔軟性や耐摩耗性を付与するための可塑剤、現像促進剤等の化合物、塗布性を良化するための界面活性剤を加えることが好ましい。
このようにして作成されたコンベンショナルネガタイプ感光性樹脂組成物を用いた感光性平版印刷版は、紫外線を用いて画像様露光された後、現像液で現像される。かかるコンベンショナルネガタイプ感光性樹脂組成物用の現像液としては、必要に応じアルカリ剤、有機溶剤、界面活性剤、硬水軟化剤、還元剤、有機カルボン酸、無機塩、消泡剤や更に必要に応じて当業界で知られた種々の添加剤を含有した水溶液が用いられる。特に好ましい例としては、特公昭56−42860号公報、特公昭58−54341号公報、特公平2−37579号公報、特開昭63−200154号公報、および特開昭64−44445号公報記載の現像液などが挙げられる。
(感光層)
フォトポリマータイプの光重合型感光性組成物(以下「光重合性組成物」という)は、付加重合可能なエチレン性不飽和結合含有化合物(以下、単に「エチレン性不飽和結合含有化合物」という)と、光重合開始剤と、高分子結合剤とを必須成分として含有し、必要に応じて、着色剤、可塑剤、熱重合禁止剤等の種々の化合物を含有する。
光重合性組成物に含有されるエチレン性不飽和結合含有化合物は、光重合性組成物が活性光線の照射を受けた場合に、光重合開始剤の作用により付加重合し、架橋し硬化するようなエチレン性不飽和結合を有する化合物である。エチレン性不飽和結合含有化合物は、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物の中から任意に選択することができ、例えば、モノマー、プレポリマー(即ち、2量体、3量体およびオリゴマー)、これらの混合物、これらの共重合体等の化学的形態を有する。モノマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドが挙げられる。またウレタン系付加重合性化合物も好適である。
また、上記感光層の上に、酸素の重合禁止作用を防止するために酸素遮断性保護層を設けることが好ましい。酸素遮断性保護層に含有される重合体としては、ポリビニルアルコール又はその共重合体が挙げられる。さらにフォトポリマータイプの感光層の下層として特開2001-228608号公報〔0124〕〜〔0165〕で示されているような中間層もしくは接着層を設けるのも好ましい。
かかるフォトポリマータイプの光重合型感光性組成物を用いた感光性平版印刷版は高圧水銀灯などの紫外線、アルゴンレーザーおよび紫外線レーザーを用いて画像様露光された後、現像液で現像される。好ましい現像液としては、必要に応じアルカリ剤、有機溶剤、界面活性剤、硬水軟化剤、還元剤、有機カルボン酸、無機塩、消泡剤や更に必要に応じて当業界で知られた種々の添加剤を含有した水溶液が用いられる。特に好ましい例としては、特公昭58−54341号公報、特開平8−248643号公報、特開2002−91015号公報、および特開平8−171214号公報記載の現像液などが挙げられる。
(感熱層)
サーマルポジタイプの感熱層は、アルカリ可溶性高分子化合物と光熱変換物質とを含有する。このアルカリ可溶性高分子化合物は、高分子中に酸性基を含有する単独重合体、これらの共重合体、およびこれらの混合物を包含し、特に下記(1)や(2)のような酸性基を有するものが、アルカリ現像液に対する溶解性の点で好ましい:(1)フェノール性ヒドロキシ基(−Ar−OH)、(2)スルホンアミド基(−SO2NH−R)。とりわけ、赤外線レーザ等による露光での画像形成性に優れる点で、フェノール性ヒドロキシ基を有することが好ましく、例えば、フェノールホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、m−/p−混合クレゾールホルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾール(m−、p−およびm−/p−混合のいずれでもよい)混合ホルムアルデヒド樹脂等のノボラック樹脂;ピロガロールアセトン樹脂が好ましく挙げられる。さらに詳しくは特開2001−305722号公報の〔0023〕〜〔0042〕で示されている高分子が好ましく用いられる。
サーマルポジタイプの感熱層は単層でもよいし、特開平11−218914号公報に記載されているような2層構造として設けてもよい。
サーマルポジタイプの感熱層と支持体との間には、下塗層を設けることが好ましい。下塗層に含有される成分としては特開2001−305722号公報の〔0068〕や〔0081〕で示された種々の有機化合物が挙げられる。
これらアルカリ可溶性高分子化合物と光熱変換物質とを含有する感熱性組成物を支持体上に設けたサーマルポジ型感熱性平版印刷版原版は赤外線レーザを用いて画像様露光された後、アルカリ性現像液で現像される。かかる現像液としては、特公昭57−7427号公報、特許第3086354号公報、特開平11−216962号公報、特開2001−51406号公報、特開2001−174981号公報、および特開2002−72501号公報記載の現像液などが好ましい例として挙げられる。
(感熱層)
サーマルネガタイプの感熱層は、赤外線レーザ照射部が硬化して画像部を形成するネガ型の感熱層である。
このようなサーマルネガタイプの感熱層の一つとして、重合型の層が好適に挙げられる。重合層は、(A)赤外線吸収剤と、(B)ラジカル発生剤(ラジカル重合開始剤)と、発生したラジカルにより重合反応を起こして硬化する(C)ラジカル重合性化合物と、(D)バインダーポリマーとを含有する。
重合層においては、赤外線吸収剤が吸収した赤外線を熱に変換し、この際発生した熱により、オニウム塩等のラジカル重合開始剤が分解し、ラジカルが発生する。ラジカル重合性化合物は、末端エチレン性不飽和結合を有する化合物から選ばれ、発生したラジカルにより連鎖的に重合反応が生起し、硬化する。(A)赤外線吸収剤としては、例えば、前述したサーマルポジタイプの感熱層に含有される前記光熱変換物質が挙げられるが、特にシアニン色素の具体例としては特開2001−133969号公報の段落番号〔0017〕〜〔0019〕に記載されたものを挙げることができる。(B)ラジカル発生剤としては、オニウム塩が挙げられ、好適に用いることのできるオニウム塩の具体例としては、特開2001−133969号公報の段落番号〔0030〕〜〔0033〕に記載されたものを挙げることができる。(C)ラジカル重合性化合物は、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。(D)バインダーポリマーとしては線状有機ポリマーを用いることが好ましくい、水または弱アルカリ水に可溶性または膨潤性である線状有機ポリマーが選択される。特にこれらの中で、ベンジル基またはアリル基と、カルボキシ基とを側鎖に有する(メタ)アクリル樹脂が、膜強度、感度および現像性のバランスに優れており、好適である。(C)ラジカル重合性化合物および(D)バインダーポリマーに関しては同公報〔0036〕〜〔0060〕に詳しく記載された物が使用できる。その他の添加物としては、同公報〔0061〕〜〔0068〕で示されている添加剤(例えば塗布性を良化するための界面活性剤)を加えることも好ましい。
これら重合型および酸架橋型のサーマルネガタイプ感熱層を支持体上に設けたサーマルネガ型感熱性平版印刷版原版は赤外線レーザを用いて画像様露光された後、アルカリ性現像液で現像される。かかる現像液としては、特公昭57−7427号公報、特開2001−133969号公報〔0119〕〜〔0123〕で示される現像液、特願2002−47985号公報、特願2002−59297号公報、および米国特許第5,766,826号公報記載の現像液などが特に好ましい例として挙げられる。
上記の感光性記録層を設ける平版印刷版原版の支持体としては、アルミニウム板が使われる。アルミニウム板は、純アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とし微量の異原子を含むアルミニウム合金等の板状体である。この異原子には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等がある。合金組成としては、10質量%以下の異原子含有率が適当である。好適なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは、精錬技術上製造が困難であるため、できるだけ異原子を含まないものがよい。また、上述した程度の異原子含有率のアルミニウム合金であれば、本発明に使用し得る素材ということができる。アルミニウム板は、その組成が特に限定されるものではなく、従来公知、公用の素材のものを適宜利用することができる。好ましい素材として、JIS A 1050、同1100、同1200、同3003、同3103、同3005材が挙げられる。本発明において用いられるアルミニウム板の厚さは、約0.1mm〜0.6mm程度が適当である。アルミニウム板を粗面化処理するに先立ち、表面の圧延油を除去するための、例えば界面活性剤またはアルカリ性水溶液で処理する脱脂処理が必要に応じて行われる。
次いで、粗面化処理、陽極酸化処理、親水性処理などが適宜組み合わせて行われ、例えば特開2001−356494号公報に開示されているような支持体の処理方法がある。
このような支持体に、感光性記録層を塗設して平版印刷版原版が得られるが、感光性記録層を塗布する前に、中間層を設けてもよい。このような中間層として有機高分子化合物を含むものがよく用いられ、例えば特開2001−356494号公報に開示されているものなどがある。
以下、本発明の方法が適用される平版印刷版原版の感光性記録層として好適な重合性ネガ型感光層について詳述する。
重合性ネガ型感光層(以下、単に「感光層」と称する場合がある。)は、増感色素、重合開始剤、重合性化合物、及びバインダーポリマーを含有し、更に必要に応じて、着色剤や他の任意成分を含むことが好ましい。
この場合のラジカルの生成機構としては、1.赤外線吸収剤の光熱変換機能により発生した熱が、後述する重合開始剤(例えば、スルホニウム塩)を熱分解しラジカルを発生させる、2.赤外線吸収剤が発生した励起電子が、重合開始剤(例えば、活性ハロゲン化合物)に移動しラジカルをさせる、3.励起した赤外線吸収剤に重合開始剤(例えば、ボレート化合物)から電子移動してラジカルが発生する、等が挙げられる。そして、生成したラジカルにより重合性化合物が重合反応を起こし、露光部が硬化して画像部となる。
以下に、重合性ネガ型感光層を構成する各成分について説明する。
感光層は、感度の観点から、レーザ露光における露光波長に適合する所定の波長の光を吸収する増感色素を含有する。
この増感色素が吸収し得る波長の露光により後述する重合開始剤のラジカル発生反応や、それによる重合性化合物の重合反応が促進されるものである。このような増感色素としては、公知の分光増感色素又は染料、又は光を吸収して光重合開始剤と相互作用する染料又は顔料が挙げられる。この増感色素が適合する波長のレーザ露光により高感度で電子励起状態となり、かかる電子励起状態に係る電子移動、エネルギー移動などが、後述する重合開始剤に作用して、該重合開始剤に高感度で化学変化を生起させてラジカルを生成させるのに有用である。
赤外線吸収剤は、赤外線レーザの照射(露光)に対し高感度で電子励起状態となり、先にのべた電子励起状態に係る電子移動、エネルギー移動に加え、光熱変換機能により熱エネルギーが生成されるため、重合開始剤により高感度で化学変化を生起させるのに有用である。
特に好ましい増感色素である赤外線吸収剤としては、750nm〜1400nmの波長に吸収極大を有する染料又は顔料が好ましく挙げられる。
好ましい染料としては、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭60−78787号等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,875号記載のシアニン染料等を挙げることができる。
また、赤外線吸収色素の好ましい他の例としては、以下に例示するような特開2002−278057号公報に記載の特定インドレニンシアニン色素が挙げられる。
以下に示す基において、Xa -は後述するZa -と同様に定義され、Raは、水素原子、アルキル基、アリール基、置換又は無置換のアミノ基、ハロゲン原子より選択される置換基を表す。
また、特に好ましい他の例として更に、前記した特開2002−278057号公報に記載の特定インドレニンシアニン色素が挙げられる。
但し、対イオンとして、ハロゲンイオンを含有してないものが特に好ましい。
重合開始剤は、後述する重合性化合物の硬化反応を開始、進行させる機能を有し、熱により分解してラジカルを発生する熱分解型のラジカル発生剤、赤外線吸収剤の励起電子を受容してラジカルを発生する電子移動型のラジカル発生剤、又は、励起した赤外線吸収剤に電子移動してラジカルを発生する電子移動型のラジカル発生剤など、エネルギー(例えば、熱又は光)を付与することでラジカルを生成させるものであればいかなる化合物を用いてもよい。例えば、オニウム塩、活性ハロゲン化合物、オキシムエステル化合物、ボレート化合物などが挙げられる。これらは併用してもよい。本発明ではオニウム塩が好ましく、中でも、スルホニウム塩が特に好ましい。
好適に用いられるスルホニウム塩重合開始剤としては、下記一般式(I)で表されるオニウム塩が挙げられる。
本発明における他のオニウム塩としては、下記一般式(II)及び(III)で表されるオニウム塩が挙げられる。
オニウムイオンとしては、アンモニウムイオン、スルホニウムイオン、ヨードニウムイオン及びホスホニウムイオンが挙げられる。
有機ホウ素塩として、有機ホウ素アニオンとアルカリ金属イオン又はオニウムイオンとの塩を用いる場合には、別に増感色素を添加することで、色素が吸収する光の波長範囲での感光性を付与することが行われる。また、有機ホウ素塩として、カチオン性増感色素の対アニオンを有機ホウ素アニオンとした塩を用いる場合には、該カチオン性増感色素の吸収波長に応じて感光性が付与される。しかし、後者の場合は、更に、アルカリ金属イオン又はオニウムイオンと有機ホウ素アニオンとの塩を併せて含有するのが好ましい。
特に好ましい有機ホウ素塩の具体例(BC−1)〜(BC−6)を下記に示す。
スルホニウム塩重合開始剤と他の重合開始剤とを併用する場合、その含有比(質量比)としては、100/1〜100/50が好ましく、100/5〜100/25がより好ましい。
また、重合開始剤は、他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよい。
重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えば、モノマー、プレポリマー、即ち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物並びにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
(ただし、Ra及びRbは、H又はCH3を示す。)
前述した重合開始剤(ラジカル発生剤)より発生するラジカルにより生成するスチリルラジカル同士の再結合により効果的に架橋を行うため、この成分を含むことで、高感度で、加熱処理を必要としないネガ型の感光層とすることができる。
本発明における特定モノマーは、代表的には、下記一般式(3)で表される化合物である。
また、平版印刷版原版では、後述の支持体や保護層等との密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
また、付加重合性化合物は単独で用いても2種以上併用してもよい。その他、付加重合性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量を任意に選択できる。更に、本発明で使用する平版印刷版原版では、下塗り、上塗りといった層構成・塗布方法も実施し得る。
バインダーポリマーは、膜性向上の観点から含有されるものであって、膜性を向上させる機能を有していれば、種々のものを使用することがすることができる。
本発明において好適なバインダーポリマーとしては、下記一般式(i)で表される繰り返し単位を有するバインダーポリマーが挙げられる。
以下、一般式(i)で表される繰り返し単位を有するバインダーポリマーを、適宜、特定バインダーポリマー(1)と称し、詳細に説明する。
鎖状構造の連結基としては、エチレン、プロピレン等が挙げられる。また、これらのアルキレンがエステル結合を介して連結されている構造もまた好ましいものとして例示することができる。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−ノルボルニル基等の炭素数1〜10までの直鎖状、分枝状、又は環状のアルキル基が挙げられる。
アリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、インデニル基等の炭素数1〜10までのアリール基、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれるヘテロ原子を1個含有する炭素数1〜10までのヘテロアリール基、例えば、フリル基、チエニル基、ピロリル基、ピリジル基、キノリル基等が挙げられる。
アルケニル基の具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基等の炭素数1〜10までの直鎖状、分枝状、又は環状のアルケニル基が挙げられる。
アルキニル基の具体例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、1−オクチニル基等の炭素数1〜10までのアルキニル基が挙げられる。R3が有してもよい置換基としては、R2が導入し得る置換基として挙げたものと同様である。但し、R3の炭素数は、置換基の炭素数を含めて1〜10である。
また、特定バインダーポリマー(1)の酸価(meq/g)としては、2.00〜3.60の範囲であることが好ましい。
併用されるバインダーポリマーは、バインダーポリマー成分の総質量に対し1〜60質量%、好ましくは1〜40質量%、更に好ましくは1〜20質量%の範囲で用いられる。
併用できるバインダーポリマーとしては、従来公知のものを制限なく使用でき、具体的には、本業界においてよく使用されるアクリル主鎖バインダーや、ウレタンバインダー等や、後述するラジカル重合性基を有するバインダーポリマーが好ましく用いられる。
前記特定バインダーポリマー(1)と併用可能な他のバインダーポリマーは、ラジカル重合性基を有するバインダーポリマーであることが好ましい。
そのラジカル重合性基としては、ラジカルにより重合することが可能であれば特に限定されないが、α−置換メチルアクリル基[−OC(=O)−C(−CH2Z)=CH2、Z=ヘテロ原子から始まる炭化水素基]、アクリル基、メタクリル基、アリル基、スチリル基が挙げられ、この中でも、アクリル基、メタクリル基が好ましい。
かかるバインダーポリマー中のラジカル重合性基の含有量(ヨウ素滴定によるラジカル重合可能な不飽和二重結合の含有量)は、感度や保存性の観点から、バインダーポリマー1g当たり、好ましくは0.1〜10.0mmol、より好ましくは1.0〜7.0mmol、最も好ましくは2.0〜5.5mmolである。
バインダーポリマーのガラス転移点を高めるため手段としては、その分子中に、アミド基やイミド基を含有することが好ましく、特に、メタクリルアミドやメタクリルアミド誘導体を含有することが好ましい。
また、特開平11−171907号公報記載のアミド基を有するバインダーは優れた現像性と膜強度を併せもち、好適である。
なお、これらのバインダーポリマーは、必要に応じて、後述する特定バインダーポリマー(2)や特定バインダーポリマー(3)と併用することができる。
また、本発明におけるバインダーポリマーとしては、ビニル基が置換したフェニル基を側鎖に有するバインダーポリマー(以下、適宜、特定バインダーポリマー(2)と称する。)も好適に用いることができる。
ビニル基が置換したフェニル基を側鎖に有するバインダーポリマーとは、ビニル基が置換したフェニル基が直接若しくは連結基を介して主鎖と結合したものである。該連結基としては、特に限定されず、任意の基、原子、又はそれらの複合した基が挙げられる。また、前記フェニル基は、当該ビニル基の他に、置換可能な基若しくは原子で置換されていてもよく、かかる置換可能な基若しくは原子としては、具体的には、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基などが挙げられる。更に、前記ビニル基は、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等で置換されていてもよい。
R4としては水素原子が好ましい。
また、Z1で表される連結基としては、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−N(Ra)−、−C(O)−O−、−C(Rb)=N−、−C(O)−、スルホニル基、複素環基、及び下記構造式で表される基等の単独若しくは2以上が複合した基が挙げられる。ここで、Ra及びRbは、それぞれ、水素原子、アルキル基、アリール基等を表す。更に、上記した連結基には、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
なお、構造式中、数字は、共重合体の全組成100質量%中における各繰り返し単位の質量%を表す。
また、アリル基を有する有機ポリマーも、本発明におけるバインダーポリマーとして好適に用いることができる。
特に、0.7meq/g〜8.0meq/gのアリル基(即ち、1グラム当たり7×10-4モル〜8.0×10-3モルのアリル基)を含有するバインダーポリマーが好ましい。以下、このバインダーポリマーを特定バインダーポリマー(3)と称して説明する。
より具体的には、ポリメタクリル酸アリル等のホモポリマー、上記アクリル酸アリル、及び/又は、メタクリル酸アリルと、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、これらのアルキルエステル、酢酸ビニル、スチレン、無水マレイン酸、アクリロニトリル等の他のモノマーと、のコポリマーが含まれる。
アリル基を有するポリウレタンは、ジイソシアナートを過剰のアリル基を有するジオールと反応させてポリウレタンを生成させることにより調製することができる。
また、ジイソシアナートをジメチロールプロピオン酸等のカルボキシル基を有するジオールと反応させることにより、カルボキシル基を有するポリウレタンを調製し、このカルボキシル基を、例えば、アリルアルコールとエステル化することによりアリルエステル基に転化することで、アリル基を有するポリウレタンを得ることができる。
なお、において用いられる、アリル基を含まないジオールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、及び1,6−ヘキサンジオールが挙げられる。
このジオールの混合物における混合比は、得られるポリマー中に0.7meq/g〜8.0meq/gの範囲でアリル基が存在するような条件のもとで、決定される。
芳香族ジイソシアナートとしては、例えば、2,4−トルエンジイソシアナート、2,6−トルエンジイソシアナート、p−キシレンジイソシアナート、m−キシレンジイソシアナート、テトラメチルキシレンジイソシアナート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアナート、1,5−ナフタレンジイソシアナート、及び3,3'−ジメチルビフェニル−4,4'−ジイソシアナートが挙げられる。
脂肪族ジイソシアナートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアナート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、4,4−メチレン−ビス(シクロヘキシルイソシアナート)、メチルシクロヘキサン−2,4−及び2,6−ジイソシアナート、及び1,4−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサンが挙げられる。
なお、本発明においては、芳香族ジイソシアナートの方が好ましく用いられる。
また、特定バインダーポリマー(3)は、0〜70mgKOH/gの酸価を有することが好ましく、0〜50mgKOH/gの酸価を有することがより好ましく、0〜30mgKOH/gの酸価を有することが更に好ましい。
また、後述する重合性化合物とバインダーポリマーは、質量比で1/9〜7/3の範囲とするのが好ましい。
本発明における感光層には、以上の基本成分の他に、更にその用途、製造方法等に適したその他の成分を適宜添加することができる。以下、好ましい添加剤に関し例示する。
感光層には、その着色を目的として、染料若しくは顔料を添加してもよい。これにより、印刷版としての製版後の画像の視認性や、画像濃度測定機適性といったいわゆる検版性を向上させることができる。着色剤としては、具体例としては、例えば、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料、エチルバイオレット、クリスタルバイオレット、アゾ系染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料などの染料があり、中でも、カチオン性染料が好ましい。
また、着色剤としては、上記のような検版性に加え、重合禁止効果を有する吸収極大を500nm〜700nmの範囲に有する染料を用いてもよい。この染料としては、特開2005−107389号公報の段落番号〔0013〕〜〔0017〕に記載のものが用いられる。
着色剤としての染料及び顔料の添加量は、感光層中の不揮発性成分に対して約0.5質量%〜約5質量%が好ましい。
本発明における感光層や、感光層を形成する際に用いられる感光層形成用塗布液においては、重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合禁止剤を添加することが望ましい。適当な熱重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
熱重合禁止剤の添加量は、感光層(又は感光層形成用塗布液)中の不揮発性成分の質量に対して約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。
また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、感光層(又は感光層形成用塗布液)中の不揮発性成分に対して約0.5質量%〜約10質量%が好ましい。
本発明における感光層には、重量平均分子量が3,000以下であり、かつ、カルボン酸基少なくとも1つ有する化合物(以下、適宜、特定カルボン酸化合物と称する。)を含有させてもよい。この特定カルボン酸化合物は、例えば、置換基を有していてもよい脂肪族カルボン酸、置換基を有してもよい芳香族カルボン酸、及び、置換基を有していてもよい複素環に直接連結したカルボン酸等の化合物から選択することができる。これらの中でも、フタル酸誘導体、トリメリット酸誘導体、ピロメリト酸誘導体、コハク酸誘導体、安息香酸誘導体、及びグリシン誘導体等が好適に挙げられる。
本発明における支持体としては、紙、ポリエステルフィルム又はアルミニウム板が挙げられ、その中でも、寸法安定性がよく、比較的安価であり、必要に応じた表面処理により親水性や強度にすぐれた表面を提供できるアルミニウム板は更に好ましい。また、特公昭48−18327号公報に記載されているようなポリエチレンテレフタレートフィルム上にアルミニウムシートが結合された複合体シートも好ましい。
このような支持体(アルミニウム支持体)には、後述の表面処理が施され、親水化される。
粗面化処理方法は、特開昭56−28893号公報に開示されているような機械的粗面化、化学的エッチング、電解グレインなどがある。更に塩酸又は硝酸電解液中で電気化学的に粗面化する電気化学的粗面化方法、及びアルミニウム表面を金属ワイヤーでひっかくワイヤーブラシグレイン法、研磨球と研磨剤でアルミニウム表面を砂目立でするポールグレイン法、ナイロンブラシと研磨剤で表面を粗面化するブラシグレイン法のような機械的粗面化法を用いることができ、上記粗面化方法を単独或いは組み合わせて用いることもできる。その中でも粗面化に有用に使用される方法は塩酸又は硝酸電解液中で化学的に粗面化する電気化学的方法であり、適する陽極時電気量は50C/dm2〜400C/dm2の範囲である。更に具体的には、0.1〜50%の塩酸又は硝酸を含む電解液中、温度20〜80℃、時間1秒〜30分、電流密度100C/dm2〜400C/dm2の条件で交流及び/又は直流電解を行うことが好ましい。
以上のようにして処理され酸化物層を形成したアルミニウム支持体には、その後に陽極酸化処理がなされる。
陽極酸化処理は硫酸、燐酸、シュウ酸若しくは硼酸/硼酸ナトリウムの水溶液が単独若しくは複数種類組み合わせて電解浴の主成分として用いられる。この際、電解液中に少なくともAl合金板、電極、水道水、地下水等に通常含まれる成分はもちろん含まれても構わない。更には第2、第3成分が添加されていても構わない。ここでいう第2、3成分とは、例えば、Na、K、Mg、Li、Ca、Ti、Al、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn等の金属のイオンやアンモニウムイオン等に陽イオンや、硝酸イオン、炭酸イオン、塩素イオン、リン酸イオン、フッ素イオン、亜硫酸イオン、チタン酸イオン、ケイ酸イオン、硼酸イオン等の陰イオンが挙げられ、その濃度としては0〜10000ppm程度含まれてもよい。陽極酸化処理の条件に特に限定はないが、好ましくは30〜500g/リットル、処理液温10〜70℃で、電流密度0.1〜40A/m2の範囲で直流又は交流電解によって処理される。形成される陽極酸化皮膜の厚さは0.5〜1.5μmの範囲である。好ましくは0.5〜1.0μmの範囲である。以上の処理によって作製された支持体が、陽極酸化皮膜に存在するマイクロポアのポア径が5〜10nm、ポア密度が8×1015〜2×1016個/m2の範囲に入るように処理条件が選択されることが好ましい。
本発明で使用する平版印刷版原版には、感光層と支持体との間の密着性や汚れ性を改善する目的で、中間層(下塗り層)を設けてもよい。このような中間層の具体例としては、特公昭50−7481号、特開昭54−72104号、特開昭59−101651号、特開昭60−149491号、特開昭60−232998号、特開平3−56177号、特開平4−282637号、特開平5−16558号、特開平5−246171号、特開平7−159983号、特開平7−314937号、特開平8−202025号、特開平8−320551号、特開平9−34104号、特開平9−236911号、特開平9−269593号、特開平10−69092号、特開平10−115931号、特開平10−161317号、特開平10−260536号、特開平10−282682号、特開平11−84674号、特開平10−69092号、特開平10−115931号、特開平11−38635号、特開平11−38629号、特開平10−282645号、特開平10−301262号、特開平11−24277号、特開平11−109641号、特開平10−319600号、特開平11−84674号、特開平11−327152号、特開2000−10292号、特開2000−235254号、特開2000−352854号、特開2001−209170号、特願平11−284091号等に記載のものを挙げることができる。
以下、本発明における平版印刷版原版の製版方法について説明する。
本発明において平版印刷版原版は、記録層側の最表面と、バックコート層側の最表面とを直接接触させて複数枚積層してなる積層体(平版印刷版原版の積層体)を形成した後、この積層体をプレートセッター内にセットし、該平版印刷版原版を1枚ずつ自動搬送した後に、露光処理した後、現像処理を行なうことで製版できる。
本発明で使用する平版印刷版原版は、版の間に合紙を挟み込むことなく積層しても、平版印刷版原版の間の密着性や、保護層へのキズの発生が抑制されるため、上記のような製版方法に適用することができる。また、その製版方法に、平版印刷版原版を合紙を挟み込むことなく積層した積層体(平版印刷版原版の積層体)を用いることができることから、合紙の除去が不必要となり、製版工程における生産性が向上する。
露光処理に用いられる光源としては、公知のものを制限なく用いることができる。光源の波長は300nm〜1200nmの範囲が好ましく、具体的には、各種レーザを光源として用いることができ、中でも、波長760nm〜1200nmの赤外線を放射する半導体レーザを用いることができる。
ガスレーザとしては、Arイオンレーザ(364nm、351nm、10mW〜1W)、Krイオンレーザ(356nm,351nm,10mW〜1W)、He−Cdレーザ(441nm,325nm,1mW〜100mW)、固体レーザとして、Nd:YAG(YVO4)とSHG結晶×2回の組み合わせ(355mm、5mW〜1W)、Cr:LiSAFとSHG結晶の組み合わせ(430nm,10mW)が挙げられる。半導体レーザ系としては、KNbO3、リング共振器(430nm,30mW)、導波型波長変換素子とAlGaAs、InGaAs半導体の組み合わせ(380nm〜450nm、5mW〜100mW)、導波型波長変換素子とAlGaInP、AlGaAs半導体の組み合わせ(300nm〜350nm、5mW〜100mW)、AlGaInN(350nm〜450nm、5mW〜30mW)、その他、パルスレーザとしてN2レーザ(337nm、パルス0.1〜10mJ)、XeF(351nm、パルス10〜250mJ)が挙げられる。
特に、この中でAlGaInN半導体レーザ(市販InGaN系半導体レーザ400〜410nm、5〜30mW)が波長特性、コストの面で好適である。
レーザの出力は100mW以上が好ましく、露光時間を短縮するため、マルチビームレーザデバイスを用いることが好ましい。また、1画素あたりの露光時間は20μ秒以内であることが好ましい。平版印刷版原版に照射される単位あたりのエネルギー量は10〜300mJ/cm2であることが好ましい。
また、平版印刷版原版の種類によっては、例えば、重合性ネガ型感光層を有する場合には、特段の加熱処理及び水洗処理を行なうことなく、現像処理に供されてもよい。この加熱処理を行なわないことで、加熱処理に起因する画像の不均一性を抑制することができる。また、加熱処理及び水洗処理を行なわないことで、現像処理において安定な高速処理が可能となる。
本発明における現像処理では、現像液を用いて、感光層の非画像部を除去する。
なお、本発明においては、上述のように、増感色素として赤外線吸収剤を有する重合性ネガ型感光層上に保護層を設けてなる構成の平版印刷版原版の場合、現像処理における処理速度、即ち、現像処理における平版印刷版原版の搬送速度(ライン速度)は、1.25m/分以上であることが好ましく、より好ましくは、1.35m/分以上である。また、搬送速度の上限値には特に制限はないが、搬送の安定性の観点からは、3m/分以下であることが好ましい。
以下、本発明に用いられる現像液について説明する。
本発明に用いられる現像液は、pH14以下のアルカリ水溶液であることが好ましく、また、芳香族アニオン界面活性剤を含有することが好ましい。
本発明における現像液に用いられる芳香族アニオン界面活性剤は、現像促進効果、重合性ネガ型の感光層成分及び保護層成分の現像液中での分散安定化効果があり、現像処理安定化において好ましい。中でも、本発明に用いられる芳香族アニオン界面活性剤としては、下記一般式(A)又は一般式(B)で表される化合物であることが好ましい。
m、nは、それぞれ独立に、1〜100から選択される整数を表し、中でも、1〜30が好ましく、2〜20がより好ましい。また、mが2以上の場合、複数存在するR1は同一でも異なっていてもよい。同じく、nが2以上の場合、複数存在するR3は同一でも異なっていてもよい。
t、uは、それぞれ独立に、0又は1を表す。
p、qはそれぞれ、0〜2から選択される整数を表す。Y1、Y2は、それぞれ単結合、又は炭素原子数1〜10のアルキレン基を表し、具体的には、単結合、メチレン基、エチレン基が好ましく、特に単結合が好ましい。
(Z1)r+、(Z2)s+は、それぞれ独立に、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、或いは、無置換又はアルキル基で置換されたアンモニウムイオンを表し、具体例としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、アンモニウムイオン、炭素数1〜20の範囲の、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基が置換した2級〜4級のアンモニウムイオンなどが挙げられ、特に、ナトリウムイオンが好ましい。r、sはそれぞれ、1又は2を表す。
以下に、具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
これらその他の界面活性剤の現像液中における含有量は有効成分換算で、0.1から10質量%が好ましい。
現像液には、例えば、硬水に含まれるカルシウムイオンなどによる影響を抑制する目的で、2価金属に対するキレート剤を含有させることが好ましい。2価金属に対するキレート剤としては、例えば、Na2P2O7、Na5P3O3、Na3P3O9、Na2O4P(NaO3P)PO3Na2、カルゴン(ポリメタリン酸ナトリウム)などのポリリン酸塩、例えばエチレンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩、そのアミン塩;ジエチレントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム塩、ナトリウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ニトリロトリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1,2−ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1,3−ジアミノ−2−プロパノールテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのようなアミノポリカルボン酸類の他2−ホスホノブタントリカルボン酸−1,2,4、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;2−ホスホノブタノントリカルボン酸−2,3,4、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1−ホスホノエタントリカルボン酸−1,2、2、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのような有機ホスホン酸類を挙げることができ、中でも、エチレンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩、そのアミン塩;エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、そのアンモニウム塩、そのカリウム塩、;ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、そのアンモニウム塩、そのカリウム塩が好ましい。
このようなキレート剤の最適量は使用される硬水の硬度及びその使用量に応じて変化するが、一般的には、使用時の現像液中に0.01〜5質量%、より好ましくは0.01〜0.5質量%の範囲で含有させる。
現像液に用いられるアルカリ剤としては、例えば、第3リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、硼酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、及び同リチウムなどの無機アルカリ剤及び、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどの有機アルカリ剤等が挙げられる。本発明においては、これらを単独で用いてもよいし、若しくは2種以上を組み合わせて混合して用いてもよい。
ここで、導電率を調整するための導電率調整剤として、有機酸のアルカリ金属塩類、無機酸のアルカリ金属塩類等を添加することが好ましい。
版面保護液の作成
各例で用いる版面保護液1〜12を、以下の表1〜2の組成(単位:グラム)に従って調製した。
また、その版面保護液について液分離の観察を行った。具体的には、版面保護液を透明なガラスビンに入れ、45℃に加温し、3日経過後の液分離状態を目視にて次の基準で評価した。結果を表1〜2の下段に表す
○:分離は起きていない。
△:表面にわずかに浮遊物があるが問題ない。
×:2層に分離し、長期間経時後の使用には問題が生じる。
各タイプの感光性記録層を有する平版印刷版原版においてバックコート層1〜7を設け、上記版面保護液1〜12で処理し、平版印刷版を得た。
(バックコート層1〜7を作るためのバックコート塗布液組成物1〜7)
(支持体の作製)
厚さ0.30mm、幅1030mmのJIS A 1050アルミニウム板を用いて、以下に示す表面処理を行った。
<表面処理>
表面処理は、以下の(a)〜(f)の各種処理を連続的に行った。なお、各処理及び水洗の後にはニップローラで液切りを行った。
(b)温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオン0.5質量%含む)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後水洗した。
(f)硫酸濃度170g/リットル(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、温度33℃、電流密度が5(A/dm2)で、50秒間陽極酸化処理を行った。その後水洗を行った。この時の陽極酸化皮膜重量が2.7g/m2であった。
続いて、表面処理したアルミニウム支持体の同じ面に、下記下塗り層形成用塗布液をワイヤーバーにて塗布し、90℃30秒間乾燥した。塗布量は10mg/m2であった。
<下塗り層形成用塗布液>
・下記構造の高分子化合物A(重量平均分子量:10,000) 0.05g
・メタノール 27g
・イオン交換水 3g
下記感光層形成用塗布液Aを調製し、上記のように形成された下塗り層上にワイヤーバーを用いて塗布した。乾燥は、温風式乾燥装置にて125℃で34秒間行った。乾燥後の被覆量は1.4g/m2であった。
<感光層形成用塗布液A>
・赤外線吸収剤(IR−1) 0.038g
・重合開始剤A(S−1) 0.061g
・重合開始剤B(I−1) 0.094g
・メルカプト化合物(E−1) 0.015g
・重合性化合物(M−1) 0.425g
(商品名:A−BPE−4 新中村化学工業(株))
・バインダーポリマーA(B−1) 0.311g
・バインダーポリマーB(B−2) 0.250g
・バインダーポリマーC(B−3) 0.062g
・添加剤(T−1) 0.079g
・重合禁止剤(Q−1) 0.0012g
・エチルバイオレット(EV−1) 0.021g
・フッ素系界面活性剤 0.0081g
(メガファックF−780−F 大日本インキ化学工業(株)、
メチルイソブチルケトン(MIBK)30質量%溶液)
・メチルエチルケトン 5.886g
・メタノール 2.733g
・1−メトキシ−2−プロパノール 5.886g
形成された感光層上に、合成雲母(ソマシフMEB−3L、3.2%水分散液、コープケミカル(株)製)、ポリビニルアルコール(ゴーセランCKS−50:ケン化度99モル%、重合度300、スルホン酸変性ポリビニルアルコール日本合成化学工業(株)製)、界面活性剤A(日本エマルジョン社製、エマレックス710)、及び界面活性剤B(アデカプルロニックP−84:旭電化工業(株)製)の混合水溶液(下部保護層形成用塗布液)をワイヤーバーで塗布し、温風式乾燥装置にて125℃で30秒間乾燥させた。
この混合水溶液(下部保護層形成用塗布液)中の合成雲母(固形分)/ポリビニルアルコール/界面活性剤A/界面活性剤Bの含有量割合は、7.5/89/2/1.5(質量%)であり、塗布量は(乾燥後の被覆量)は0.5g/m2であった。
下部保護層上に、有機フィラー(アートパールJ−7P、根上工業(株)製)、合成雲母(ソマシフMEB−3L、3.2%水分散液、コープケミカル(株)製)、ポリビニルアルコール(L−3266:ケン化度87モル%、重合度300、スルホン酸変性ポリビニルアルコール日本合成化学工業(株)製)、増粘剤(セロゲンFS−B、第一工業製薬(株)製)、高分子化合物A(前記構造)、及び界面活性剤(日本エマルジョン社製、エマレックス710)の混合水溶液(上部保護層形成用塗布液)をワイヤーバーで塗布し、温風式乾燥装置にて125℃で30秒間乾燥させた。
この混合水溶液(上部保護層形成用塗布液)中の有機フィラー/合成雲母(固形分)/ポリビニルアルコール/増粘剤/高分子化合物A/界面活性剤の含有量割合は、4.7/2.8/67.4/18.6/2.3/4.2(質量%)であり、塗布量は(乾燥後の被覆量)は1.2g/m2であった。
保護層を設けた側と反対の面には表3に示す各種バックコート塗布液組成物1〜7をワイヤーバー塗布し、100℃70秒間乾燥し、有機高分子化合物を含むバックコート層を得た。塗布量は0.46g/m2だった。
こうして得られた平版印刷版原版をセッティング部分からオートローダーにて、Creo社製Trendsetter3244に搬送し、解像度2400dpiで50%平網画像を、出力7W、外面ドラム回転数150rpm、版面エネルギー110mJ/cm2で露光した。露光後、加熱処理、水洗処理は行わず、富士フイルム(株)社製自動現像機LP−1310HIIを用い搬送速度(ライン速度)2m/分、現像温度30℃で現像処理した。なお、現像液はDH−Nの1:4水希釈液を用い、現像補充液はFCT−421の1:1.4水希釈、版面保護液は表1〜2に示す組成の版面保護液1〜12を用いた。こうしてバックコート層上の塗布量0.25g/m2の版面保護層を設けた平版印刷版を得た。
[支持体の作製]
(アルミニウム板)
Si:0.06質量%、Fe:0.30質量%、Cu:0.025質量%、Mn:0.001質量%、Mg:0.001質量%、Zn:0.001質量%、Ti:0.03質量%を含有し、残部はAlと不可避不純物のアルミニウム合金を用いて溶湯を調製し、溶湯処理及びろ過を行った上で、厚さ500mm、幅1200mmの鋳塊をDC鋳造法で作製した。表面を平均10mmの厚さで面削機により削り取った後、550℃で、約5時間均熱保持し、温度400℃に下がったところで、熱間圧延機を用いて厚さ2.7mmの圧延板とした。更に、連続焼鈍機を用いて熱処理を500℃で行った後、冷間圧延で、厚さ0.24mmに仕上げ、JIS 1050材のアルミニウム板を得た。なお、得られたアルミニウムの平均結晶粒径の短径は50μm、長径は300μmであった。このアルミニウム板を幅1030mmにした後、以下に示す表面処理に供した。
表面処理は、以下の(a)〜(k)の各種処理を連続的に行った。なお、各処理及び水洗の後には、ニップローラーで液切りを行った。
(a)機械的粗面化処理
図1に示したような装置を使って、比重1.12の研磨剤(パミス)と水との懸濁液を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状ナイロンブラシにより機械的粗面化処理を行った。図1において、1はアルミニウム板、2及び4はローラ状ブラシ、3は研磨スラリー液、5、6、7及び8は支持ローラである。研磨剤の平均粒径は30μm、最大粒径は100μmであった。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロン、毛長は45mm、毛の直径は0.3mmであった。ナイロンブラシはφ300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(φ200mm)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kWプラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同じであった。ブラシの回転数は200rpmであった。
上記で得られたアルミニウム板をカセイソーダ濃度2.6質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%、温度70℃の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を行い、アルミニウム板を10g/m2溶解した。その後、スプレーによる水洗を行った。
(c)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマット処理に用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10.5g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L、アンモニウムイオンを0.007質量%含む。)、液温50℃であった。交流電源波形は図2に示した波形であり、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。使用した電解槽は図3に示すものを使用した。
電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で220C/dm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。その後、スプレーによる水洗を行った。
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.50g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
(f)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度15質量%水溶液(アルミニウムイオンを4.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩酸5.0g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L含む。)、温度35℃であった。交流電源波形は図2に示した形波であり、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の炬形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。使用した電解槽は図3に示すものを使用した。
電流密度は電流のピーク値で25A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で50C/dm2であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.10g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
(i)デスマット処理
温度60℃の硫酸濃度25質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。
図4に示す構造の陽極酸化装置(第一及び第二電解部長各6m、第一及び第二給電部長各3m、第一及び第二給電部長各2.4m)を用いて陽極酸化処理を行った。第一及び第二電解部に供給した電解液としては、硫酸を用いた。電解液は、いずれも、硫酸濃度50g/L(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、温度20℃であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
前記陽極酸化装置においては、電源67a及び電源67bからの電流は、第一給電部62aに設けられた第一給電電極65aに流れ、電解液を介してアルミニウム板11に流れ、第一電解部63aでアルミニウム板11表面に陽極酸化皮膜を生成させ、第一電解部63aに設けられた電解電極66a及び66bを通り、電極67a及び67bに戻る。
電源67a及び67bから第一給電部62aに給電される電気量と、電源67c及び67dから第二給電部62bに給電される電気量とは等しく、また、第一電解部63a及び第二電解部63bにおける電流密度はともに約30A/dm2であった。第二給電部62bでは、第一電解部63aで生成した1.35g/m2の酸化皮膜面を通じて給電したことになる。最終的な酸化皮膜量は2.7g/m2であった。
陽極酸化処理により得られたアルミニウム支持体を温度30℃の3号ケイ酸ソーダの1質量%水溶液の処理槽中へ、10秒間、浸せきすることでアルカリ金属ケイ酸塩処理(シリケート処理)を行った。その後、井水を用いたスプレーによる水洗を行い、表面シリケート親水化処理された支持体を得た。上記のようにして得られたアルカリ金属珪酸塩処理後のアルミニウム支持体上に、下記組成の下塗り液を塗布し、80℃で15秒間乾燥し、塗膜を形成させた。乾燥後の塗膜の被覆量は15mg/m2であった。
・下記化合物 0.3g
・メタノール 100g
・水 1g
得られた下塗り済支持体上に、下記組成の下層用塗布液1を塗布量が0.85g/m2になるようバーコーターで塗布した後、160℃で44秒間乾燥し、直ちに17〜20℃の冷風で支持体の温度が35℃になるまで冷却した。
その後、下記組成の上層用塗布液1を塗布量が0.22g/m2になるようバーコーター塗布した後、148℃で25秒間乾燥し、更に20〜26℃の風で徐冷し、感光性記録層を設けた。
・N−(P−アミノスルフォニルフェニル)メタアクリルアミドとメタクリル酸メチルの
共重合体 2.13g
(ヨーロッパ特許330239号明細書 合成例1に記載されているもの)
・シアニン染料A(下記構造) 0.134g
・4,4'−ビスヒドロキシフェニルスルホン 0.126g
・無水テトラヒドロフタル酸 0.190g
・p−トルエンスルホン酸 0.008g
・3−メトキシ−4−ジアゾジフェニルアミンヘキサフルオロホスフェート
0.032g
・エチルバイオレットの対イオンを6−ヒドロキシナフタレンスルホン酸に変えたもの
0.0781g
・ポリマー1(下記構造) 0.035g
・メチルエチルケトン 25.41g
・1−メトキシ−2−プロパノール 12.97g
・γ−ブチロラクトン 13.18g
・m,p−クレゾールノボラック 0.3479g
(m/p比=6/4、重量平均分子量4500、未反応クレゾール0.8質量%含有)
・ポリマー3(下記構造 MEK30%溶液) 0.1403g
・シアニン染料A(上記構造) 0.0192g
・ポリマー1(上記構造) 0.015g
・ポリマー2(下記構造) 0.00328g
・4級アンモニウム塩(下記構造) 0.0043g
・界面活性剤(ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル
HLB8.5、日光ケミカルズ(株)製 GO−4) 0.008g
・メチルエチルケトン 6.79g
・1−メトキシ−2−プロパノール 13.07g
感光性記録層を設けた側と反対の面には表3に示すバックコート塗布液組成物3をワイヤーバー塗布し、100℃70秒間乾燥し、有機高分子化合物を含むバックコート層を得た。塗布量は0.46g/m2った。
こうして得られた平版印刷版原版をCreo社製Trendsetterにて露光エネルギーを変えて、テストパターンを画像状に描き込みを行った。その後、富士フイルム(株)製現像液DT−2(希釈して、電導度43mS/cmとしたもの)と表1〜2に示す組成の版面保護液1〜12を仕込んだ富士フイルム(株)製PSプロセッサーLP1310HIIを用い、現像温度30℃、現像時間12秒で現像後、版面保護層を設けた平版印刷版を得た。バックコート層上の版面保護層の塗布量は0.25g/m2であった。
(アルミニウム支持体の作製)
厚さ0.3mmのアルミニウム板を10質量%水酸化ナトリウムに60℃で25秒間浸漬してエッチングし、流水で水洗後、20質量%硝酸で中和洗浄し、次いで水洗した。これを正弦波の交番波形電流を用いて1質量%硝酸水溶液中で300クーロン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。引き続いて1質量%水酸化ナトリウム水溶液中に40℃で5秒間浸漬後30質量%の硫酸水溶液中に浸漬し、60℃で40秒間デスマット処理した後、20質量%硫酸水溶液中、電流密度2A/dm2の条件で陽極酸化皮膜の厚さが2.7g/m2になるように、2分間陽極酸化処理した。その表面粗さを測定したところ、0.3μm(JIS B0601によるRa表示)であった。
このように処理されたアルミニウム板に、まずバーコーターを用いて次の中間層液を塗布したあと80℃で20秒間乾燥した。乾燥後の中間層塗布質量は10mg/m2であった。
中間層液
・下記ゾル液 100g
・メタノール 900g
ゾル液
・ホスマーPE(ユニケミカル(株)製) 5g
・メタノール 45g
・水 10g
・85質量%リン酸 5g
・テトラエトキシシラン 20g
・3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン 15g
この上に、下記組成の高感度光重合性組成物P−1を乾燥塗布質量が1.4g/m2となるように塗布し、100℃で1分間乾燥させ、感光性記録層を形成した。
光重合性組成物P−1
・ウレタンモノマー(M−1) 4.20重量部
・ポリウレタンバインダー(B−1) 1.80重量部
・ポリウレタンバインダー(B−2) 1.80重量部
・増感色素(C−1) 0.21質量部
・重合開始剤(D−1) 0.81質量部
・連鎖移動剤(E−1) 0.3 質量部
・ε―フタロシアニン分散物(25質量%分散液) 0.76質量部
・フッ素系ノニオン界面活性剤メガファックF780 0.05質量部
(大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 58質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 53質量部
上記の感光性記録層表面に、ポリビニルアルコール(ケン化度98モル%、重合度500)と、ポリビニルピロリドン(BASF社製、ルビスコールK−30)と、下表記載のフッ素系界面活性剤を1.0質量%および界面活性剤パイオニンD230(竹本油脂(株)製)を2質量%の混合水溶液をワイヤーバーで塗布し、温風式乾燥装置にて125℃75秒間乾燥させた。なお、塗布量は(乾燥後の被覆量)は2.45g/m2であった。
酸素遮断層を設けた側と反対の面には、表3に示すバックコート塗布液組成物3をワイヤーバー塗布し、100℃で70秒間乾燥し、有機高分子化合物を含むバックコート層を得た。塗布量は0.46g/m2だった。
得られた平版印刷版原版を富士フイルム(株)製プレートセッターVx9600CTP(光源波長:405nm)にて感光性平版印刷版上の露光量が0.05mJ/cm2になるように調整し、100lpiの1,2,3,4,5,6%の網画像の描き込みを行った。その後、下記組成のアルカリ現像液と表1〜2に示した版面保護液1〜12を仕込んだG&J社製PSプロセッサーIP850HDを用い、プレヒート温度115℃、液温を25℃に保ち、現像時間28秒で現像後、バックコート層上の塗布量0.25g/m2の版面保護層を設けた平版印刷版を得た。
アルカリ現像液組成
・水酸化カリウム 0.15g
・ポリオキシエチレンナフチルエーテル(n=13) 5.0g
・キレスト400(キレスト株式会社製キレート剤) 0.1 g
・水 94.75g
厚さ0.30mmのアルミニウム板をナイロンブラシと400メッシュのバミストンの水懸濁液を用いその表面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。10%水酸化ナトリウムに70℃で60秒間浸漬してエッチングした後、流水で水洗後20%HNO3 で中和洗浄、水洗した。これをVA=12.7Vの条件下で正弦波の交番波形電流を用いて1%硝酸水溶液中で260クーロン/dm2 の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。その表面粗さを測定したところ、0.55μ(Ra 表示)であった。ひきつづいて30%のH2 SO4 水溶液中に浸漬し55℃で2分間デスマットした後、20%H2 SO4 水溶液中、電流密度2A/dm2 において厚さが1.6g/m2 になるように陽極酸化し、基板を調製した。
このように処理された基板の表面に下記組成の下塗り液(A)を塗布し80℃、30秒間乾燥した。乾燥後の被覆量は10mg/m2 であった。
下塗り液(A)
β−アラニン 0.05g
トリエタノールアミンの塩酸塩 0.05g
メタノール 40 g
純水 60 g
このようにして基板(I)を作成した。
〔感光液〕
1,2−ジアゾナフトキノン−5−スルホニルクロリドとピロガロール−アセトン樹脂と のエステル化物(米国特許第3,635,709号明細書の実施例1に記載されているもの) 0.90g
クレゾール−ホルムアルデヒドノボラック樹脂(メタ、パラ比:6対4、重量平均分子量3,000、数平均分子量1,000、未反応のクレゾールを0.7%含有)
1.60g
m−クレゾール−ホルムアルデヒドノボラック樹脂(重量平均分子量1,700、数平均分子量600、未反応のクレゾールを1%含有) 0.3g
ポリ〔N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド−コ−ノルマルブチルアクリレート−コ−ジエチレングリコールモノメチルエーテルメタクリレート〕(各モノマーのモル比は順に40:40:20、重量平均分子量40,000、数平均分子量20,000) 0.2g
p−ノルマルオクチルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂 0.02g
(米国特許第4,123,279号明細書に記載されているもの)
ナフトキノンジアジド−1,2−ジアジド−4−スルホン酸クロライド
0.01g
テトラヒドロ無水フタル酸 0.02g
安息香酸 0.02g
特開昭63−58440号記載の化合物 0.02g
N−(1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルオキシ)−シクロヘキサン− 1,2−ジカルボン酸イミド 0.01g
ビクトリアピュアーブルーBOH〔保土谷化学(株)製〕の対アニオンを1−ナフタレンスルホン酸に変えた染料 0.05g
メガファックF−176(大日本インキ化学工業(株)製フッ素系界面活性剤)
0.01g
メチルエチルケトン 55g
感光性記録層を設けた側と反対の面に、表3に示すバックコート塗布液組成物3をワイヤーバー塗布し、100℃、70秒間乾燥し、有機高分子化合物を含むバックコート層を得た。塗布量は0.46g/m2だった。
こうして得られた平版印刷版を光源として2KWメタルハライドランプ(岩崎電気社製アイドルフィン2000)を使用し、8.0mW/cm2 現像後フォグラPMSK値で10μが再現するように露光時間を調整した。露光後、上記印刷版の平視画像性を目視評価したのち、現像液としてSiO2/Na2Oのモル比が1.74の珪酸ナトリウムの5.26%水溶液(pH=12.7)と、表1〜2に示す組成の版面保護液1〜12を仕込んだ富士フイルム製自動現像機PS−1310VIIで処理し、バックコート層上の塗布量0.25g/m2の版面保護層1〜12を設けた平版印刷版を得た。
バックコート層と版面保護層の密着力
バックコート層上に塗布された版面保護層上に強力な粘着テープを貼り、それを剥がすと、バックコート層と版面保護層の間で剥がれる。この時の剥離力(すなわちバックコート層と版面保護層間の密着力)をテンシロン引張試験機で測定した。剥離物が後工程を汚染する故障と数値の関係は、別に実技試験を行い確認した。判定基準は以下のとおりである。
0.25N/cm以上 :剥離は起こらない。
0.12N/cm以上0.25N/cm未満 :わずかに剥離するが問題ない程度。
0.12N/cm未満 :剥離が起こり、後工程を汚染し故障が発生する。
インキ払い枚数
平版印刷版をオフセット印刷機に取り付けて印刷を行う際、版表面全面にインキを着けてから印刷を開始し、正常な印刷物が得られるまでの枚数を比較した。枚数は少ない方が無駄な紙を消費することがないので優れている。
結果を以下の表に示す。
Claims (7)
- 該バックコート層に含まれる有機高分子化合物が、エポキシ樹脂を含有することを特徴とする、請求項1に記載の製版方法。
- 該バックコート層に含まれる有機高分子化合物が、さらにロジンを含有することを特徴とする、請求項2記載の製版方法。
- 該バックコート層に含まれる有機高分子化合物が、さらにフェノール性水酸基を有する樹脂を含有することを特徴とする、請求項2又は3記載の製版方法。
- 一般式(1)で示される共重合体において、mが55から75であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項記載の製版方法。
- 一般式(1)で示される共重合体において、Rが−OCOCH3であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項記載の製版方法。
- 該感光性記録層が、赤外線吸収剤、重合開始剤、分子内にビニル基が置換したフェニル基を2個以上有するモノマー、及びビニル基が置換したフェニル基を側鎖に有する重合体を含有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項記載の製版方法。
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