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JP4815089B2 - メチオニンを製造する方法 - Google Patents
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Description

【0001】
本発明は、チタンを含む触媒を用いてメチオニンアミドを加水分解することによりメチオニンを生成する方法に関し、また、少量の塩副生成物を含む、また場合によっては、塩副生成物を実質上含まないメチオニンを工業的に生産する方法の使用に関する。
【0002】
メチオニンを生成するためのメチオニンアミドの加水分解は、知られている方法である。具体的には、欧州特許出願第228938号は、強塩基を用いてメチオニンアミドを加水分解することによりメチオニンを生成する方法を開示している。この方法に伴う問題は、酸性化段階で、炭酸塩、塩化物または硫酸塩などの無機塩類の同時の生成をもたらす強酸を使用することである。塩を除去するために追加の精製段階が一般的に必要である。
【0003】
フランス特許出願第9814000号は、加水分解反応にチタン触媒を使用することによって上述した問題を克服しようとしている。チタンを主成分とした触媒の使用は、日本特許出願第03093753、03093754、03093755、03093756号にも開示されている。
【0004】
本願発明者らは、今回、特定のチタン触媒を用いてメチオニンを高収率で生産することができることを発見した。したがって、本発明は、メチオニンを製造する方法であって、(a)チタンを含み、5から1000nmの多孔性を有し、総細孔容積が0.2から0.55cm/gで、表面積が30から150m/gである触媒の存在下でメチオニンアミドを加水分解して、メチオニンアンモニウムを生成する段階と、(b)メチオニンアンモニウム塩からアンモニアを除去することによってメチオニンを回収する第2の段階とを含む方法を提供する。
【0005】
本発明の方法は、追加の処理の必要なしにメチオニンアミドをメチオニンに完全に変換することができる点で、知られている従来技術によるメチオニンを生成する方法と比べて、利点を提供する。
【0006】
本発明の方法は、メチオニンアミドの加水分解を対象とするものである。アミドは水溶液中に0.01から2モル/kg、好ましくは0.5から1モル/kgの量で存在することが適切である。
【0007】
本発明の方法は、チタン含有触媒を用いた触媒作用による方法である。この触媒は5から1000nmの多孔性を有している。本発明においては、多孔性を、塊状物を構成する結晶内の細孔の分布と定義する。触媒は5から100nmおよび20から1000nmのマクロ細孔分布を有することが好ましい。その分布は二性であることが好ましい。
【0008】
触媒は、水銀圧入細孔分布測定法で測定して0.2から0.55cm/g、好ましくは0.25から0.45cm/gの細孔容積を有する。
【0009】
触媒はまた、B.E.T.で測定して30から150m/g、好ましくは40から120m/gの表面積を有さなければならない。
【0010】
触媒は、粉末の形態で、または粒子または顆粒またはその種の他のものの形態で用いることができる。この方法で触媒を顆粒または粒子の形態で用いる場合、例えば、押出物、球状粒子および錠剤などの適切な形状のものを用いることができる。本願発明者らはまた、三つ葉または四つ葉のクローバーという特別の形状を有する押出物の形態で用いるとき、この触媒は有効であることも発見した。触媒粒子は0.05から4mm、好ましくは0.5から2mmの直径を有することが適切である。
【0011】
触媒は、単独の金属としてのチタンを含むか、もしくは1つまたは複数の追加の金属を含んでいてもよい。チタンが単独の金属である場合、触媒は酸化チタン(TiO)であってよい。触媒が追加の金属を含む場合、適切な触媒は、Ti−W、Ti−Mo、Ti−Si−W、Ti−Nb−Mo、Ti−Zr、Ti−Al、Ti−Cr、Ti−ZnおよびTi−Vを含む。
【0012】
触媒は、適切な方法、例えば、乾燥成分を混合し、適切な温度で焼成し、望ましい形状となすことによって調製することができる。あるいは、乾燥成分を混合かつ/または焼成した後、水および/または酸をチタン粉末に加えて、ペーストとなすことができる。混練した後、ペーストを押し出し成形し、得られた生成物を焼成することができる。
【0013】
この方法に用いられる触媒の量は、方法の性質と触媒の物理的性質に依存する。触媒が粉末の形態で使用される場合、適切な量はアミド1g当たり触媒0.1から2g、好ましくは0.5から1gである。触媒が粒子または顆粒の形態で、しかも連続的に使用される場合、接触時間は0.5から60分、好ましくは5から30分である。
【0014】
触媒は、この方法で長期間の使用の後に失活することがある。再生は、in−situまたはex−situで行うことができる。再生をin−situで行う場合、触媒は、周囲温度から方法の操作温度まで、例えば、周囲温度から最高130℃までの温度で、水もしくは酸性化した水、すなわち、0.01から5%の鉱酸を含む水と接触させることができる。再生をex−situで行う場合、この再生は、空気などの酸素含有ガス中または純酸素中で200から500℃、好ましくは300から400℃の温度で加熱することによって行うことができる。
【0015】
本発明の方法は、50から150℃、好ましくは80から130℃の温度で、1から10バール、好ましくは1から5バールの圧力下で適切に実施することができる。
【0016】
反応の第2段階において、アンモニアを除去することによって、メチオニンがメチオニンアンモニウム塩から遊離する。これは、適切な方法、例えばストリッピングによって達成することができる。
【0017】
この方法は、バッチ処理として、または連続操作として実施することができる。好ましくは、この方法は、連続プラグ流れ処理として、1つもしくは直列に接続された2つまたは複数の反応器を用いて実施する。この配置は、必要とする触媒がより少量であるため、特に好ましい。このことは、工業的方法において特に有利な利点である。この方法は、何らかの適切な反応器、例えば、固定層または流動層反応器で実施することができる。好ましくは、この方法は固定層反応器で実施する。
【0018】
アミドは、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタンニトリル(HMTBN)をアンモニアまたはアンモニア溶液と反応させて、2−アミノ−4−メチルチオブタンニトリル(AMTBN)を生産することを含む第1段階が存在する、知られている従来技術の方法により得ることができる。次いで、2−アミノ−4−メチルチオブタンニトリル生成物をアルカリ金属水酸化物の存在下でケトンと反応させて、メチオニンアミドを生成させることができる。本発明の方法を知られている方法に組み込んで、メチオニンを生産する新規の工業的方法を提供することができる。
【0019】
したがって、本発明のさらなる態様によれば、メチオニンを製造する工業的応用が可能な方法であって、
(a)2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタンニトリルをアンモニアまたはアンモニアを含む溶液と接触させて、2−アミノ−4−メチルチオブタンニトリルを含む第1の生成物の流れを製造する段階と、
(b)前記の第1の生成物の流れをケトンおよびアルカリ金属水酸化物と接触させて、メチオニンアミド、未反応のケトン、アンモニアおよび水を含む第2の生成物の流れを製造する段階と、
(c)第2の生成物の流れから未反応のケトン、アンモニアおよび水を除去する段階と、
(d)チタンを含み、5から1000nmの多孔性を有し、総細孔容積が0.2から0.55cm/gで、表面積が30から150m/gである触媒の存在下でメチオニンアミドを加水分解して、メチオニンアンモニウムを含む第3の製造物の流れを生成する段階と、
(e)メチオニンアンモニウム塩からメチオニンを遊離させる段階とを含む方法が提供される。
【0020】
工業規模で遂行することができるこの方法は、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタンニトリルの変換を含む。この出発物質は、適切な方法、例えば、本明細書に参照により組み込まれた欧州特許出願第739870号に開示されているように、シアン化水素(HCN)とメチル4−メチルチオプロパナールアルデヒドとの反応によって得ることができる。
【0021】
本発明のこの工業的方法の第1段階において、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタンニトリルをアンモニアまたはアンモニアと水との溶液と接触させて、2−アミノ−4−メチルチオブタンニトリルを製造する。2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタンニトリルに対するアンモニアのモル量は、3から10が適切であり、好ましくは4から7である。アンモニアの水溶液を使用することが望ましい場合、前記溶液は25重量%より大きい濃度、好ましくは60重量%より大きい濃度のものが適切である。好ましくは、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタンニトリルを純粋なアンモニアと接触させる。
【0022】
この方法のこの第1段階は、40から80℃、好ましくは70から75℃の温度で、10から30バール、好ましくは15から25バールの圧力下で適切に実施される。この反応は、熱交換システムを備えた、撹拌型反応器または特にピストン流れを有する管型反応器で、もしくはこの2つの反応器の組合せを用いて、実施することができる。
【0023】
第1段階の反応の終了時に、過剰の未反応アンモニアが存在する可能性がある。未反応のアンモニアは、反応器から除去することが好ましい。これは、フラッシュ減圧または窒素などの不活性ガスによるエントレインメントによって実行することができる。この分離段階における温度は、60℃以下が適切であり、好ましくは10から40℃である。圧力は、大気圧または大気圧より低い圧力もしくは大気圧よりわずかに高い圧力であってよい。好ましくは、0.1から0.5×10Paの圧力を用いる。反応から回収されたアンモニアは、さらなる処理のために、凝縮させるか、回収部に送ることができる。
【0024】
次いで、この方法の第1段階で製造した2−アミノ−4−メチルチオブタンニトリルをケトンおよびアルカリ金属水酸化物の存在下で水和して、メチオニンアミドを製造する。ケトンは、0.1から1、好ましくは0.2から0.5当量ケトンの濃度で存在することが適切である。アルカリ金属水酸化物塩は、0.05から0.5、好ましくは0.1から0.25当量アルカリ金属水酸化物の濃度で存在することが適切である。ケトンは、アセトンであることが好ましい。アルカリ金属水酸化物は、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウム、特に水酸化ナトリウムであることが適切である。
【0025】
水和段階は、10から40℃、好ましくは15から30℃の温度で適切に行われる。反応は、大気圧下で行われることが適切である。反応は、熱交換システムを備えた、撹拌型または管型反応器中もしくは適切な充てん物を充てんしたカラム中で行うことができる。
【0026】
この特殊な反応の副生成物としては、メチオニンのアルカリ金属塩、残存2−アミノ−4−メチルチオブタンニトリル、イミダゾリジノン(2,2’−ジメチル−5(メチルチオエチル)−4−イミダゾリジノン)、水、アンモニア、未反応のケトンおよびアルカリ金属水酸化物などがある。次いで、生成物流れ中の未反応のケトン、アンモニアおよび水の少なくとも一部を他の成分から分離する。この分離段階を促進するために、生成物流れを蒸留するか、ストリッピングするか、もしくは他の適切な分離法によって分離してもよい。生成物の流れを蒸留するか、ストリッピングする場合、分離されたケトン、水およびアンモニアの流れを含むストリッピングされた流れは部分的に凝縮され、凝縮相がアミノアミド合成反応器に戻される。この分離段階は、大気圧または高圧下で行うことができる。未反応のケトン、アンモニアおよび水も含む残りの凝縮しない部分は、さらなる処理のために回収部に送ることができる。
【0027】
次いで、ケトンおよびアンモニアを欠いているメチオニンアミドは、本明細書において前述したように、チタン含有触媒の存在下で加水分解されて、メチオニンアンモニウム塩を製造する。次いで、前記塩は、本明細書において前述したように、アンモニアを除いてメチオニンを得るために処理する。
【0028】
本発明の方法は、この方法のいずれかの段階からの未反応および/または回収アンモニア、ケトンおよび水を受けることができる回収部を含んでいてもよい。前記3つの成分は、回収部において吸収および蒸留によって分離することが適切である。吸収段階は、水を用いて、または酸/塩基交換反応によって行うことができる。そのような処理の後に得られるアンモニアはアミノニトリル合成反応器に再循環させることができ、一方、ケトンと水はアミノアミド合成反応器に再循環させることができる。
【0029】
上記のように、上述した工業的に応用可能な方法の第2段階から得られる生成物の流れがメチオニンのアルカリ金属塩を含む副生成物を生成する。そのような塩類を含む流れを樹脂と接触させて、アルカリ金属イオンと樹脂との交換過程を促進させることを含むさらなる処理段階をこの方法に組み込むことによって、そのような副生成物をアミド生成物の流れから除去することができる。工業的に応用可能な本方法の好ましい一実施形態において、ケトン、アンモニアおよびを欠く第2の生成物流れ樹脂を樹脂と接触させる。すなわち、方法の段階(c)の後であるが、段階(d)の前においてである。
【0030】
あるいは、アンモニアを含有しないメチオニンを含む最終生成物流れが樹脂と接触するように、樹脂を方法全体の終わりに置いてもよい。
【0031】
生成物流れを樹脂と接触させるとき、アルカリ金属メチオニン塩のアルカリ金属がイオン交換樹脂に保持され、それにより、アルカリ金属イオンを含有しないメチオニンを含む溶液が得られる。適切な樹脂は、酸性樹脂、特にスルホン酸樹脂である。商品名Rohm & Haas IMAC C16PおよびFluka Anberlist 15のもとに市販されている樹脂を用いることができる。また、酸のpKが6.2未満であるカルボン酸樹脂も適切である。適切な樹脂は、商品名Fluka Duolite C464またはRohm & Haas IRC50のもとに市販されているような樹脂である。カルボン酸樹脂を使用することが好ましい。
【0032】
アルカリ金属塩を含む流れを樹脂上に連続的に通過させることが適切である。樹脂がアルカリ金属イオンで飽和したとき、金属イオンを置換することによって、樹脂が適切に再生される。酸性媒体中で、例えば、硫酸または塩酸などの強無機酸で処理することにより、金属イオンを置換することができる。樹脂1kg当たり2から14モル、好ましくは3から6モルの酸に相当するモル量の無機酸を用いることができる。カルボン酸樹脂は、別法として、典型的には10から25バールの圧力下で水性媒体中で樹脂を二酸化炭素で処理することにより再生することができる。樹脂1kg当たり2から14モル、好ましくは3から6モルの酸に相当するモル量の酸を用いて、再生が適切に行われる。
【0033】
遊離メチオニンを含む液体の形態の最終的に得られる生成物流れをそのままで使用することができるし、もしくは、場合によって、それをさらに処理して、固体メチオニンを回収することもできる。これは、適切な分離法を用いて、例えば、濃縮後の単純結晶化により、または部分的濃縮、結晶化および粉砕の後の微粒化により、もしくは濃縮後の造粒によりメチオニンを分離することによって、達成することができる。
【0034】
本発明を以下の実施例により例示する。
【0035】
実施例1:チタン触媒の調製
本発明による10種のチタン含有触媒と、本発明によらない2種の触媒を以下のように調製した。
【0036】
(1)触媒1: 55gの湿潤した粉末状酸化チタンをBrabender(商標)ミキサーに入れた。硝酸(6.26g)と水(27.39g)との溶液を前記粉末にゆっくりと加え、得られた混合物を1分当たり50回転の速度で30分間撹拌した。次いで、1.6mmの直径を有する成形型を用いて、ペーストを1分当たり4cmの速度で押し出して、1.6mmの直径を有する押出物を得た。
【0037】
得られた押出物をオーブンに入れ、温度を1分当たり3℃の割合で120℃から480℃に上昇させた。温度をこのレベルに4時間維持した後、温度を1分当たり5℃の割合で周囲温度まで低下させた。
【0038】
ペーストの減量は38.5%であった。
【0039】
(2)触媒2: 59.2gの湿潤した粉末状酸化チタンをBrabender(商標)ミキサーに入れた。硝酸(5.65g)と水(15.16g)との溶液を前記粉末にゆっくりと加え、得られた混合物を1分当たり50回転の速度で30分間撹拌した。次いで、1.6mmの直径を有する成形型を用いて、ペーストを1分当たり4cmの速度で押し出して、1.6mmの直径を有する押出物を得た。
【0040】
得られた押出物をオーブンに入れ、温度を1分当たり3℃の割合で120℃から480℃に上昇させた。温度をこのレベルに4時間維持した後、温度を1分当たり5℃の割合で周囲温度まで低下させた。
【0041】
ペーストの減量は40%であった。
【0042】
(3)触媒3:この触媒は、Procatalyse社から入手したCRS31と識別されている市販の触媒である。
【0043】
(4)触媒4:この触媒は、Degussa社から入手した7708と識別されている市販の触媒である。
【0044】
(5)触媒5: 228gの湿潤した粉末状酸化チタン、9.12gのメチルセルロースおよび4.56gの多糖をBrabender(商標)ミキサー中で30分間混合した。次いで、119.39gの水を加えて、ペーストを形成した。ペーストを120分間混練し、次いで、1時間放置した。次いで、ペーストを1分当たり4cmの速度で押し出して、1.00mmの直径を有する押出物を得た。次いで、得られた押出物をオーブンに入れ、温度を1分当たり1℃の割合で2時間にわたって20℃から140℃に上昇させた。次いで、温度を1分当たり3℃の割合で4時間にわたって480℃に上昇させた。
【0045】
ペーストの減量は45%で、ペースト中のメチルセルロースおよび多糖の割合は各場合に2%であった。
【0046】
(6)触媒6:ペーストの減量が45%であったことと、押出物の直径が1.6mmであったことを除き、触媒5の調製に用いた手順を繰り返した。
【0047】
(7)触媒7:ペーストの減量が45%であったこと、メチルセルロースの割合が4%であったことと、押出物の直径が1.6mmであったことを除き、触媒6の調製に用いた手順を繰り返した。
【0048】
(8)触媒8:ペーストの減量が40%であったことを除き、触媒1について行った手順を繰り返した。
【0049】
本発明によらない比較触媒1は、Degussa社から入手した7709と識別されている市販の触媒である。
【0050】
本発明によらない比較触媒2は、Engelhard社から入手したTi−0720と識別されている市販の触媒である。
【0051】
(9)触媒9: 55gの粉末状酸化チタンをBrabender(商標)ミキサーに入れた。硝酸(68%の濃硝酸)(6.26g)と水(20.57g)との溶液を前記粉末にゆっくりと加え、得られた混合物を1分当たり50回転の速度で30分間撹拌した。次いで、三つ葉のクローバー成形型を用いて、ペーストを1分当たり4cmの速度で押し出した。
【0052】
得られた押出物をオーブンに入れ、温度を1分当たり3℃の割合で120℃から480℃に上昇させた。温度をこのレベルに4時間維持した後、温度を1分当たり5℃の割合で周囲温度まで低下させた。焼成された押出物は、0.8mmの外径を有していた。ペーストの減量は35%であった。
【0053】
(10)触媒10:焼成された押出物の直径が1.6mmであったことを除き、触媒9について行った操作を繰り返した。
【0054】
本発明によらない比較触媒1は、Degussa社から入手した7709と識別されている市販の触媒である。
【0055】
本発明によらない比較触媒2は、Engelhard社から入手したTi−0720と識別されている市販の触媒である。
【0056】
上述のように調製した触媒の特性の要約を表1に示す。
【0057】
【表1】
Figure 0004815089
【0058】
実施例2:粉末状触媒を用いたメチオニンアミドの加水分解
上に詳述したように調製した触媒1、2、3、49ならびに比較触媒1および2を粉末状の形態に粉砕し、メチオニンアミドを加水分解するのに用いた。触媒とアミドとの初期の比率がメチオニンアミド1g当たり触媒1gとなるように、メチオニンアミドの水溶液を、水に懸濁した10gの粉末状触媒と共にバッチ反応器に入れた。反応器中のアミドの初期濃度は、0.5モル/kgであった。
【0059】
反応は、95から100℃の温度で、大気圧下で行った。
【0060】
得られた生成物をHPLCを用いて分析し、収量および変換率を求めた。
【0061】
結果を図1に示す。
【0062】
実施例3:再循環を伴う固定層反応器中の触媒を用いたメチオニンアミドの加水分解
押出物の形態の触媒3、5、6および7を用いて、表2に示す量でメチオニンアミドを加水分解した。前記の触媒を固定層反応器に入れた。216gの水を反応器に入れた。温度を95℃に上昇させた。次いで、122.9g(21.7%p/p)のメチオニンアミドを加えて、このアミドの初期濃度を0.5モル/kgとした。
【0063】
得られた生成物をHPLCを用いて分析し、収量および変換率を求めた。
【0064】
結果を図2に示す。
【0065】
【表2】
Figure 0004815089
【0066】
実施例4:プラグ流れを有する固定層反応器中の触媒を用いたメチオニンアミドの加水分解
(a)大気圧下
押出物の形態の触媒4、6および8を用いて、メチオニンアミドを加水分解した。0.37から0.85モル.kgの初期濃度を有するメチオニンアミドの溶液を反応器に入れた。反応器の温度は95℃に設定した。表3に示す重量の触媒を反応器に入れ、表3に示す条件下で方法を実施した。
【0067】
【表3】
Figure 0004815089
【0068】
流し時間(ts)は以下のように計算する。
【0069】
ts=(60×Em×触媒の重量(g))/流量(g/時)
式中、
Em=(液体の重量)/乾燥触媒の重量+液体の重量)
Em=本発明の触媒については0.45
結果を図3に示す。
【0070】
(b)高圧下
異なる直径および量の触媒を用いて、固定層において上記の操作を繰り返した。アミドの変換率を下の表4に報告する。
【0071】
【表4】
Figure 0004815089
【0072】
流し時間は、前の実施例におけると同様に算出した。
【0073】
実施例5:メチオニンを調製する工業的方法
実施例1によって調製した触媒番号9を工業的方法において用いた。全体の反応スキームを図5に示す。アルカリ金属塩を含まないメチオニンを得るために、前記方法において樹脂を用いた。樹脂は、それぞれ図6および7に示すような、以下では実施形態2および実施形態3と称する2つの位置に置いた。3つの方法の各段階における流れの組成をそれぞれ図5、6および7に示す。
【0074】
実施形態(1)−メチオニンの合成:2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタンニトリルを反応器(A)中でアンモニアと反応させて、2−アミノ−4−メチルチオブタンニトリルを含む混合物(組成1)を得る。未反応のアンモニアを容器(B)中で生成物流れから分離して、回収部(C)に送る。処理された流れ(組成2)を反応器(D)に送る。アセトン、水および水酸化ナトリウムを反応器(D)に供給する。メチオニンアミドを含む、得られた生成物流れ(組成3)を、カラム(E)中で未反応のアセトン、アンモニアおよび水の少なくとも一部を抜き取ることによって処理する。ストリッピングされたガスを部分的に凝縮させ、回収部(C)に送る。水を得られたアミド溶液(組成4)に加え、溶液(組成5)を反応器(F)中でチタン触媒と接触させる。メチオニンアンモニウムを含む生成物流れ(組成6)をアンモニアストリッパー(G)中でストリッピングすることによって処理して、アンモニアを遊離させ、遊離のメチオニンを生成させる。遊離したアンモニアを凝縮させ、回収部(C)に送る。次いで、液状遊離メチオニン(組成7)を酸性化し、さらに処理して、固体状メチオニンを得ることができる。
【0075】
回収部(C)は、第1吸収器、加熱カラム、第2吸収器および蒸留塔(図示せず)を含む。カラム(E)からストリッピングされたガスとアンモニウムストリッパー(G)からストリッピングされたガスを、リン酸モノアンモニウム溶液(5.5w/w%アンモニア、24.5w/w%HPOおよび70w/w%水)が供給されている第1吸収器に送る。前記カラムに入るガス流れは(40.6w/w%アンモニア、8w/w%アセトンおよび51.4w/w%水)の組成を有する。前記吸収器には、アンモニアの溶解熱を除去するための熱交換器が取り付けられている。111.8℃の前記吸収器カラムの底部に存在する液体は、7.8w/w%アンモニア、23.9w/w%HPOおよび68.3w/w%水ならびに微量のアセトンを含む。111.9℃の前記吸収器カラムの上部に存在するガスは、13.1%アセトン、0.9w/w%アンモニアおよび86w/w%水を含む。このガス状混合物を凝縮させ、アミノアミド合成反応器に再循環させる。前記吸収器カラムの底部から得られる液状混合物を加熱カラムに供給して、アンモニアを遊離させる。前記混合物を130℃の水蒸気により加熱し、ストリッピングして、アンモニアを回収する。前記加熱カラムの上部から得られるガス混合物は、18w/w%アンモニアおよび82w/w%水を含む。このガスを水吸収器(第2吸収器)中で凝縮させ、容器(B)からストリッピングされた未反応のアンモニアと混合して、25w/w%アンモニア、74.9w/w%水および0.1%アセトンを含む水溶液とする。この混合物を蒸留して、純粋なアンモニアを回収し、次いで、これをアミノニトリル合成反応器に再循環させる。前記加熱カラムの底部に存在する混合物は、熱を除去した後に前記吸収カラムに再循環させる。
【0076】
実施形態(2)−加水分解の前に樹脂を用いるメチオニンの合成:2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタンニトリルを反応器(A)中でアンモニアと反応させて、2−アミノ−4−メチルチオブタンニトリルを含む混合物(組成1)を得る。未反応のアンモニアを容器(B)中で生成物流れから分離し、回収部(C)に送る。処理された流れ(組成2)を反応器(D)に送る。アセトン、水および水酸化ナトリウムを反応器(D)に供給する。メチオニンアミドを含む、得られた生成物流れ(組成3)を、カラム(E)中で未反応のアセトン、アンモニアおよび水の少なくとも一部を抜き取ることによって処理する。ストリッピングされたガスを部分的に凝縮させ、回収部(C)に送る。水を得られたアミド溶液(組成4)に加え、次いで、溶液(組成5)を樹脂と連続的に接触させる。ナトリウム塩を含まない、得られた流れ(組成6)を反応器(F)中でチタン触媒と接触させる。メチオニンアンモニウムを含む生成物流れ(組成7)をアンモウムストリッパー(G)中でストリッピングすることによって処理して、アンモニアを遊離させ、遊離のメチオニンを単離する。液状遊離メチオニン(組成8)をさらに処理して、固体状メチオニンを得ることができる。回収部は、実施形態1に詳述されているとおりである。
【0077】
実施形態(3)−加水分解の後に樹脂を用いるメチオニンの合成:2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタンニトリルを反応器(A)中でアンモニアと反応させて、2−アミノ−4−メチルチオブタンニトリルを含む混合物(組成1)を得る。未反応のアンモニアを容器(B)中で生成物流れから分離して、回収部(C)に送る。処理された流れ(組成2)を反応器(D)に送る。アセトン、水および水酸化ナトリウムを反応器(D)に供給する。メチオニンアミドを含む、得られた生成物流れ(組成3)を、カラム(E)中で未反応のアセトン、アンモニアおよび水の少なくとも一部を抜き取ることによって処理する。ストリッピングされたガスを部分的に凝縮させ、回収部(C)に送る。水を得られたアミド溶液(組成4)に加え、次いで、得られた流れ(組成5)を反応器(F)中でチタン触媒と接触させる。メチオニンアンモニウムとメチオニンナトリウムを含む生成物流れ(組成6)をアンモウムストリッパー(G)中でストリッピングすることによって処理して、アンモニアを遊離させ、遊離のメチオニンを得る。次いで、得られた流れ(組成7)を前記樹脂と連続的に接触させる。ナトリウム塩を含まない、得られた流れ(組成8)をさらに処理して、固体状メチオニンを得ることができる。回収部は、実施形態1に詳述されているとおりである。
【0078】
【表5】
Figure 0004815089
【0079】
【表6】
Figure 0004815089
【0080】
【表7】
Figure 0004815089

【図面の簡単な説明】
【図1】 粉末状触媒を用いたメチオニンアミドの加水分解の結果を示すグラフである。
【0081】
【図2】 再循環を伴う固定層反応器中の触媒を用いたメチオニンアミドの加水分解の結果を示すグラフである。
【0082】
【図3】 プラグ流れを有する固定層反応器中の触媒を用いたメチオニンアミドの加水分解の大気圧下での結果を示すグラフである。
【0083】
【図4】 プラグ流れを有する固定層反応器中の触媒を用いたメチオニンアミドの加水分解の高圧下での結果を示すグラフである。
【0084】
【図5】 触媒番号9を工業的方法で使用するときの全体の反応スキームである。
【0085】
【図6】 触媒番号9を工業的方法で使用するときの実施形態2の反応スキームである。
【0086】
【図7】 触媒番号9を工業的方法で使用するときの実施形態3の反応スキームである。

Claims (19)

  1. (a)チタンを含み、5から100nmの多孔性分布と20から1000nmの多孔性分布を有する二峰性の多孔性分布を有し、総細孔容積が0.2から0.55cm/gであり、表面積が30から150m/gである触媒の存在下でメチオニンアミドを加水分解して、メチオニンアンモニウムを生成する段階と、(b)メチオニンアンモニウム塩からアンモニアを除去することによってメチオニンを回収する第2の段階とを含むメチオニンを製造する方法。
  2. 総細孔容積が0.25から0.45cm/gである、請求項1に記載の方法。
  3. 表面積が40から120m/gである、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記触媒が0.05〜4mmの直径を有する粒子の形である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記粒子が0.5から2mmの直径を有する、請求項に記載の方法。
  6. 前記触媒がTiO、Ti−W、TiMo、Ti−Si−W、Ti−Nb−Mo、Ti−Zr、Ti−Al、Ti−Cr、Ti−Zn、Ti−Vまたはこれらの混合物を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記触媒がTiOを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記触媒がアミド1g当たり触媒0.1から2gの量で存在する、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記アミドが0.01から2モル/kgの量で水溶液中に存在する、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 加水分解が50から150℃の温度で実施される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 加水分解が1から10バールの圧力下で実施される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. アンモニアがストリッピングによって除去される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. (a)2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタンニトリルをアンモニアまたはアンモニアを含む溶液と接触させて、2−アミノ−4−メチルチオブタンニトリルを含む第1の生成物を生産する段階と、
    (b)2−アミノ−4−メチルチオブタンニトリルをケトンおよびアルカリ金属水酸化物と反応させて、メチオニンアミドを含む第2の生成物を生産する段階と、
    (c)第2の生成物の流れから未反応のケトン、アンモニアおよびケトンを除去する段階と、
    (d)チタンを含み、5から100nmの多孔性分布と20から1000nmの多孔性分布を有する二峰性の多孔性分布を有し、総細孔容積が0.2から0.55cm/gであり、表面積が30から150m/gである触媒の存在下でメチオニンアミドを加水分解して、メチオニンアンモニウムを含む第3の生成物の流れを生産する段階と、
    (e)メチオニンアンモニウム塩からメチオニンを遊離させる段階とを含む、メチオニンを製造する方法。
  14. メチオニンアミドを、加水分解する前に酸性樹脂と接触させる、請求項13に記載の方法。
  15. 段階(e)で得られたメチオニンを酸性樹脂と接触させる、請求項13に記載の方法。
  16. 未反応および/または回収されたアンモニア、ケトンおよび水が回収部に送られ、アンモニアがケトンおよび水と分離される、請求項13から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記の分離が吸収および蒸留により実施される、請求項16に記載の方法。
  18. 分離されたアンモニアが段階(a)に使用されるアンモニアの少なくとも一部になるように再循環される、請求項16または17に記載の方法。
  19. 分離されたケトンと水が段階(b)の反応器に再循環される、請求項16から18のいずれか一項に記載の方法。
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