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JP4815329B2 - マスク保持装置及びマスク着脱方法 - Google Patents
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JP4815329B2 - マスク保持装置及びマスク着脱方法 - Google Patents

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本発明は、マスク保持装置及びマスク着脱方法に関するものである。
従来から、成膜処理が施される基板の表面にマスクを磁石部により吸着保持するマスク保持装置がある。このマスク保持装置は、一般的には、基板の裏面側に配設されるマグネットにより基板の表面に(磁性体を含む)マスクを吸着保持する構成である。
このようなマスク保持装置を用いてのマスクの着脱は、例えば以下のような手順で行っていた。尚、図1,2中、符号24は基板21を保持する基板保持部、25はマスク22を保持するマスク保持部、26は基板21を押さえ付ける基板押付部、27はマグネット23を支持するシャフトである。
先ず、図1に図示したように、基板21を上方から基板押付部26により押さえ付け((a)→(b))、マスク保持部25を上昇せしめて、マスク22と基板21のアライメント調整後にマスク22を基板21に重合せしめた後((b)→(c))、マグネット23を基板21の裏面に当接せしめ((c)→(d))、基板押付部26を離脱せしめ((d)→(e))、続いて、基板保持部24を離脱せしめて((e)→(f))、マスク22,基板21及びマグネット23を重合し、マグネット23によりマスク22を基板21表面に密着せしめた状態を作出する。
続いて、例えば上記の状態で成膜処理を行った後、図2に図示したように、基板保持部24により基板21を保持し((a)→(b))、基板押付部26で基板21を押さえ付け((b)→(c))、基板21からマグネット23をマスク22との吸引力に抗して引き剥がし((c)→(d))、マスク保持部25を降下せしめてマスク22を基板21表面から離脱させ((d)→(e))、基板押付部26を離脱せしめる((e)→(f))。
ところで、基板が大型化するとマスクも大型となり、このマスクを基板表面に密着するように吸着保持するには、極めて強力なマグネットを用いる必要がある。
しかしながら、マグネットにより基板表面にマスクを吸着した場合、マスクを離脱させる際には、上述したように、マグネットを、このマグネットとマスクとの吸引力に抗して基板裏面から強い力で引き剥がす必要があり、この引き剥がしの際に基板が微動し、離脱したマスクと基板との相対的な微動により基板表面に形成された素子(成膜層)を傷つけるおそれがあり、特にマグネットが強力なほど強い力で引き剥がす必要があり、成膜層を傷つけるおそれが高くなる。尚、例えば弱いマグネットを用いることで、引き剥がす際に必要な力を小さくすることは可能ではあるが、マグネットによるマスクの吸着保持力が小さいとマスクにたわみが生じ、素子パターンの精度が低下する。
そこで、例えば特許文献1〜3には、上記マグネットの基板裏面からの引き剥がしを容易化する技術が開示されている。
特開平10−317139号公報 特許第3592690号公報 特開2005−187875号公報
しかしながら、上記特許文献1には、「マスク固定用の丸磁石を固定した基板保持体を擁して、その上面にマスクを丸磁石によって固定する。更に、そのマスクの上面に基板を載置する。その基板上面部に、マスクの密着のための磁石枠構造体を載置する。磁石はマスクの周縁部及び桟部に配置するように位置を決定される。この構造により、マスクの着脱は磁石枠構造体を基板上から容易にはがせる。」旨が記載されているが、磁石枠構造体(マグネット)の着脱動作は、上記従来の着脱動作と同様であり、この際の基板表面上の素子への影響は回避できない。更に、基板を保持可能な大きさを有する基板保持体が余分に必要となり、基板保持体の搬送・格納等のための設備が別途必要で設備の大型化を招くことになる。また、近年の基板は大型化が著しく、特許文献1の出願当時の量産サイズ(G3:550mm×660mm)に比してかなり大きく(G7:1870mm×2200mm)、実用化は困難である。
また、上記特許文献2には、「永久磁石が配置されたシャドーマスクホルダユニットとガラス基板の上面に配置し、永久磁石及び該永久磁石の磁力を増減制御し得るように極性方向が調節可能な電磁石が配置されたシャドーマスク安着テーブルをガラス基板下面に配する。具体的には、シャドーマスクをガラス基板に装着する際は、シャドーマスク安着テーブルの磁力を弱くするように電磁石に流す向きの電流を与え、シャドーマスクをガラス基板から除去する際は、上記と逆の電流を流す事により、ガラスマスク安着テーブルの磁力を強くする。」旨が記載されており、この特許文献2に記載の技術によれば、シャドーマスク安着テーブル(マグネット)の着脱動作に伴う基板表面上の素子への影響を回避することは可能である。しかしながら、永久磁石の磁力の増減を行うために、相対配置した電磁石とその磁力調整用の機構が別途必要となり、装置構成全体が複雑化・大型化し、更に、基板の大型化に際して電磁石のユニットが大型化し、設備コストが大きくなるため、実現性に乏しい。
また、上記特許文献3には、「スペーサ内に押し込んだ磁気シールド内にマグネットの磁場を閉じ込め、マスクに作用している吸着力を消滅若しくは減少させることにより、基板に大きな力を作用させること無く、マスクを取り外すことが可能になる。」旨が記載されており、この特許文献3に記載の技術によれば、マグネットの着脱動作に伴う基板表面上の素子への影響を回避することは可能である。しかしながら、基板とマグネットとの間に磁気シールド材を挿入するためのスペーサが必要となり、小型の基板であれば問題は小さくとも、近年の大型基板に対応するのは実際上問題があり、困難である。具体的には、磁気シールド材は、基板サイズに合わせて大面積である必要があり、処理室も磁気シールド材をスペーサへの出し入れを可能とする大きさが必要となる。よって、実現性に乏しい。
また、マグネットは上述のように強い力で基板裏面から引き剥がす必要があることから、このマグネットには、マグネットを基板裏面に対して接離せしめるシャフトが連結され、このシャフトはチャンバー(処理室)内に上下動自在に設けられており、例えば多数のチャンバーを搬送室を介して連設一体化せしめて成るクラスター型や多数のチャンバーを直線状に連設一体化せしめて成るインライン型の成膜装置においては、マグネットは各チャンバー毎に設けられており、基板を各チャンバーに搬送する度に基板とマスクとのアライメント動作が必要となり、また、搬出する度に上記離脱動作が必要となる。従って、それだけ1枚の基板にかかる総処理時間(タクトタイム)が長時間化してしまうという問題点がある。
本発明は、上述のような現状に鑑みなされたもので、極めて簡単な構造で磁石部によるマスクの吸着保持力を増減することを可能とし、基板表面の素子が損傷を受けることなくマスクの着脱を行うことができ、それだけ強力な磁石部により基板表面にマスクをより密着させることが可能で、より精細な素子パターンの成膜が可能となり、更に、磁石部を処理室とは独立して利用可能となる等、極めて実用性に秀れたマスク保持装置及びマスク着脱方法を提供するものである。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
成膜処理が施される基板1の表面側にマスク2を磁石部3により吸着保持するマスク保持装置であって、この磁石部3は、前記基板1の裏面に対し接離自在に設けて、前記基板1の裏面に当接若しくは近接せしめることで前記マスク2を前記基板1の表面側に磁気的に吸着保持し得るように構成し、この磁石部3と当接若しくは近接することでこの磁石部3による前記マスク2の吸着保持力を減少させる磁束誘導体4を前記磁石部3の前記基板1の裏面と対向する一面側とは反対側の他面側に対し接離自在に設けたことを特徴とするマスク保持装置に係るものである。
また、前記磁束誘導体4が当接若しくは近接せしめられて前記マスク2の吸着保持力が減少せしめられた前記磁石部3を、前記マスク2が重合せしめられる前記基板1の裏面に当接若しくは近接せしめて、前記磁束誘導体4をこの磁石部3から離反せしめることで、この磁石部3による前記マスク2の吸着保持力を増大せしめてこのマスク2を前記基板1の表面側に吸着保持し得るように構成すると共に、この基板1の裏面に当接若しくは近接せしめられこの基板1の表面にマスク2を吸着保持する前記磁石部3に、前記磁束誘導体4を当接若しくは近接せしめてこの磁石部3によるマスク2の吸着保持力を減少させて、このマスク2を前記基板1の表面から離脱せしめ得るように構成したことを特徴とする請求項1記載のマスク保持装置に係るものである。
また、前記磁石部3は、前記基板1の裏面に当接若しくは近接する基体5と、この基体5上に複数凸設状態に配設される磁石6とで構成し、前記磁束誘導体4に、この磁石6が嵌合配設される凹部7を設けて、この磁束誘導体4を前記磁石部3に当接若しくは近接せしめた際、この凹部7に前記磁石6が嵌合配設されるように構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のマスク保持装置に係るものである。
また、前記磁束誘導体4に、前記磁石部3に対し磁束誘導体4を接離する際にこの磁石部3を基板1の裏面に押さえ付ける押付体8が挿通する挿通部9を設け、この挿通部9を挿通する前記押付体8が前記磁束誘導体4の接離動をガイドし得るように構成したことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のマスク保持装置に係るものである。
また、成膜処理が施される基板1の表面側にマスク2を磁石部3により吸着保持するマスク保持装置であって、この磁石部3は、前記基板1の裏面に対し接離自在に設けて、前記基板1の裏面に当接若しくは近接せしめることで前記マスク2を前記基板1の表面側に磁気的に吸着保持し得るように構成し、この磁石部3と当接若しくは近接することでこの磁石部3による前記マスク2の吸着保持力を減少させる磁束誘導体4を前記磁石部3の前記基板1の裏面と対向する一面側とは反対側の他面側に対し接離自在に設けたマスク保持装置を用い、前記磁束誘導体4が当接若しくは近接せしめられた前記磁石部3を前記基板1の裏面に当接若しくは近接せしめると共に前記基板1とマスク2とを重合せしめ、前記磁束誘導体4を前記磁石部3から離反せしめることでこの磁石部3による前記マスク2の吸着保持力を増大せしめて基板1の表面にマスク2を吸着保持した後、この基板1の裏面に当接若しくは近接せしめられこの基板1の表面にマスク2を吸着保持する前記磁石部3に、前記磁束誘導体4を当接若しくは近接せしめてこの磁石部3によるマスク2の吸着保持力を減少させて、このマスク2を前記基板1の表面から離脱せしめることを特徴とするマスク着脱方法に係るものである。
本発明は、上述のように構成したから、極めて簡単な構造で磁石部によるマスクの吸着保持力を増減することを可能とし、基板表面の素子が損傷を受けることなくマスクの着脱を行うことができ、それだけ強力な磁石部により基板表面にマスクをより密着させることが可能で、より精細な素子パターンの成膜が可能となり、更に、磁石部を処理室とは独立して利用可能となる等、極めて実用性に秀れたマスク保持装置及びマスク着脱方法となる。
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
表面側にマスク2が重合された基板1の裏面に磁石部3を当接(若しくは近接)せしめると、磁石部3から生じる磁束は、この基板1(例えばガラス基板)を介してマスク2(例えばメタルマスク)を通過する(そして磁石部3に戻る)ことで、この磁石部3とマスク2との間に吸引力が生じ、マスク2は基板1の表面に吸着保持される。
この際、磁石部3に磁束誘導体4を当接(若しくは近接)せしめると、磁石部3によるマスク2の吸着保持力が減少する。具体的には、例えば磁束誘導体4をマスク2より高透磁率の材料で形成した場合、この磁束誘導体4が磁石部3に当接(若しくは近接)すると、マスク2を通過していた磁石部3から生じる磁束の少なくとも一部が、このマスク2を迂回するように磁束誘導体4内を通過する(そして磁石部3に戻る)ことになり、マスク2を通過する磁束が減少することで、マスク2と磁石部3との間に生じる吸引力が減少する。
従って、本発明によれば、磁束誘導体4が当接(若しくは近接)せしめられた磁石部3を基板1の裏面に当接(若しくは近接)せしめると共に基板1とマスク2とを重合せしめ、磁束誘導体4を磁石部3から離反せしめることでこの磁石部3によるマスク2の吸着保持力を増大せしめて基板1の表面にマスク2を吸着保持した後、この磁石部3に、磁束誘導体4を当接若しくは近接せしめてこの磁石部3によるマスク2の吸着保持力を減少させて、このマスク2を基板1の表面から離脱せしめることが可能となる。
即ち、磁束誘導体4を当接(若しくは近接)せしめて磁石部3によるマスク2の吸着保持力を減少させた状態でこの磁石部3を基板1の裏面から離脱させることができるから、それだけ磁石部3を基板1の裏面から引き剥がす力は小さくて済み、磁石部3を基板1の裏面から離脱せしめることでマスク2を基板1の表面から簡単に離脱させることができる(磁束誘導体4の材料や形状を適宜設定することで、この磁束誘導体4を磁石部3に当接若しくは近接させることにより、自重によりマスク2を基板1の表面から離脱させることも可能。)。よって、この引き剥がしの際に基板1が微動することに起因する基板1の表面に形成された素子の損傷等を防止できることになる。
また、磁石部3を基板1の裏面から強い力で引き剥がす必要がないため、処理室毎にシャフトに連結した状態とする必要がなく、磁石部3は処理室とは独立して利用可能となる。従って、例えば、クラスター型やインライン型の成膜装置のアライメント室にて一度基板1にマスク2を磁石部3により吸着保持したら(同一パターンの成膜であれば)、磁石部3を基板1の裏面に設けた状態のまま他の処理室に搬送することができ、各処理室に搬送する度に一々基板1とマスク2とのアライメントを行う必要なく次々に各処理室にて処理を行うことが可能となり、タクトタイムを極めて短縮可能となる。また、各処理室毎にアライメント機構を設ける必要がなく、大幅に装置コストを低減できる。
本発明の具体的な実施例について図3〜6に基づいて説明する。
本実施例は、成膜処理が施される基板1(ガラス基板)の表面側にマスク2(磁性体たるニッケル等を含むメタルマスク)を磁石部3により吸着保持するマスク保持装置であって、この磁石部3は、前記基板1の裏面に対し接離自在に設けて、前記基板1の裏面に当接せしめることで前記マスク2を前記基板1の表面側に磁気的に吸着保持し得るように構成し、この磁石部3と当接することでこの磁石部3による前記マスク2の吸着保持力を減少させる磁束誘導体4をこの磁石部3の前記基板1の裏面と対向する一面側とは反対側の他面側に対し接離自在に設けたものである。
具体的には、本実施例は、図5,6に図示したような原理を用いて磁石部3によるマスク2の吸着保持力を可変するものである。
即ち、基板Aの表面にマスクBを重合した状態で、基板Aの裏面に磁石Cを配置すると、磁石Cから生じる磁束はマスクBを通って磁石Cに戻り、図5に図示したように、磁石CとマスクBとの間に磁束経路が形成される。従って、磁石CによりマスクBは基板A表面に吸着保持される。
ここで、例えば、マスクBより透磁率が高い物質、例えば鉄E(軟鉄)を連設して成る磁束誘導体Dを磁石Cに被嵌すると、磁束はより通り易い磁束誘導体D側を通過し、図6に図示したように磁石Cと磁束誘導体Dとの間に磁束経路が形成されることになり、マスクBと磁石Cとの間の吸引力は弱まり、基板Aの裏面から簡単に引き剥がすことが可能となる。尚、磁束誘導体Dの透磁率がマスクBと同程度であっても磁束が分磁されることで、マスクBと磁石Cとの間の吸引力は弱まるが、より高い効果を得るために磁束誘導体Dを構成する物質としてはマスクBより透磁率が高いものを用いるのが望ましい。図中、符号Fは非磁性体から成る介在体である。
即ち、本実施例は、磁束誘導体4が当接せしめられて前記マスク2の吸着保持力が減少した前記磁石部3を、前記マスク2が重合せしめられる前記基板1の裏面に当接せしめて、前記磁束誘導体4をこの磁石部3から離反せしめることで、この磁石部3による前記マスク2の吸着保持力を増大せしめてこのマスク2を基板1の表面側に吸着保持し得るように構成すると共に、この基板1の裏面に当接状態に設けられ、前記マスク2を基板1の表面に密着せしめている磁石部3に磁束誘導体4を当接せしめることで、前記マスク2の吸着保持力を減少させて、この磁石部3を基板1の裏面から容易に引き剥がせるように構成している。
磁石部3は、基板1の裏面に当接する薄板状の基体5(ベースプレート)と、この基体5上に複数凸設状態に配設される磁石6とで構成し、前記磁束誘導体4に、この磁石6が嵌合配設される凹部7を設けて、この磁束誘導体4を前記磁石部3に当接せしめた際、この凹部7に前記磁石6が嵌合配設されるように構成している。
具体的には、ベースプレートは非磁性の例えばステンレス製とし、マスク2を吸着保持する際、所望の素子パターンに合わせて開口部が形成されたマスク2の枠部に沿って前記磁石6を配設している。また、磁石6としては、前後方向若しくは左右方向またはその双方に並設する棒状のものが好ましいが、同様の効果をもたらす範囲であれば、円型,丸型,環状型,馬蹄型の磁石あるいは必要部に凸設したボンド磁石などを採用しても良い。
磁束誘導体4は、マスク2より高い透磁率を有する例えば軟鉄製であり、磁石部3に当接せしめる際、磁石部3の各磁石6を夫々被嵌し得るこの磁石6の断面形状(上面及び側面の外周形状)に沿った凹部7を多数並設状態に設けている。この凹部7は磁石6に合わせて前後方向若しくは左右方向またはその双方に並設する。
従って、各凹部7により、一層効率的に各磁石6の磁束を磁束誘導体4へと誘導することができ、磁束誘導体4を磁石部3に被嵌当接せしめた際、磁石部3によるマスク2の吸着保持力を極めて小さくすることが可能となる。
また、磁束誘導体4には、磁石部3に対し磁束誘導体4を接離する際にこの磁石部3を基板1の裏面に押さえ付ける押付体8が挿通する挿通部9を設け、この挿通部9を挿通する前記押付体8が前記磁束誘導体4の接離動をガイドし得るように構成している。
具体的には、磁束誘導体4には、貫通状態にピン孔を一若しくは複数穿設し、このピン孔から磁石部3を押さえ付けて磁束誘導体4を磁石部3から離脱せしめる際の磁石部3の跳ね上げを阻止する押付体8としての押付ピンを挿通し得るように構成している。本実施例においては、ピン孔は一つ設けた構成であるが、複数設けた場合には、磁石部3の跳ね上げを一層良好に阻止できることになる。
また、このピン孔の径は、押付ピンが磁束誘導体4の接離動をガイドし得る径に設定している。従って、このピン孔を挿通する押付ピンに沿って磁束誘導体4を接離動することが可能となり、押付ピンの位置を適正に設定することにより、磁束誘導体4の位置も適正とすることができる。
また、この押付ピンをより簡易に且つ精密に位置決めするために、磁石部3の磁石6上に、この押付ピンの先端が当接するテーパー状の凹部を設けても良い。
本実施例の作動について具体的に説明する。
マスク2を吸着保持する際には、図3に図示したように、マスク保持部10(リフターピン)を上昇させてマスクを基板に重合せしめた後((a)→(b))、磁束誘導体4が被嵌当接せしめられた磁石部3を基板1の裏面に当接せしめ((b)→(c))、押付ピンにより磁石部3を押さえ付け((c)→(d))、この押付ピンに沿って磁束誘導体4を上昇させて磁石部3から離脱せしめ((d)→(e))、押付ピンを離脱せしめ((e)→(f))、マスク2,基板1及び磁石部3が重合し、マスク2が磁石部3により基板1表面に密着せしめられた状態を作出する。
一方、マスク2を離脱する際には、図4に図示したように、マスク保持部10を上昇させてマスク2を保持しつつ押付ピンをピン孔に挿通せしめ((a)→(b))、この押付ピンに沿って磁束誘導体4を降下させて磁石部3に被嵌当接せしめ((b)→(c))、押付ピンをピン孔から抜き((c)→(d))、この磁石部3と磁束誘導体4とを一体的に上昇させて基板1の裏面から離脱せしめ((d)→(e))、マスク保持部を降下させてマスク2を基板1の表面から離脱せしめる((e)→(f))。尚、図中、符号11は基板保持部(リフターピン)である。
従って、磁石部3を基板1の裏面から離脱させる際には、磁石部3から生じる磁束はほとんどが磁束誘導体4を通過してマスク2との間の吸引力は極めて小さく、よって、容易に基板1の裏面から磁石部3を離脱させることが可能となる。
本実施例は上述のように構成したから、表面側にマスク2が重合された基板1の裏面に磁石部3を当接せしめると、磁石部3から生じる磁束は、この基板1(ガラス基板)を介してマスク2(メタルマスク)を通過する(そして磁石部3に戻る)ことで、この磁石部3とマスク2との間に吸引力が生じ、マスク2は基板1の表面に吸着保持される。
この際、磁石部3にマスク2より高透磁率の材料で形成した磁束誘導体4を当接せしめると、マスク2を通過していた磁石部3から生じる磁束の少なくとも一部が、このマスク2を迂回するように磁束誘導体4内を通過する(そして磁石部3に戻る)ことになり、マスク2を通過する磁束が減少することで、マスク2と磁石部3との間に生じる吸引力が減少し、磁石部3によるマスク2の吸着保持力が減少する。
従って、本実施例によれば、磁束誘導体4が当接せしめられた磁石部3を基板1の裏面に当接せしめると共に基板1とマスク2とを重合せしめ、磁束誘導体4を磁石部3から離反せしめることでこの磁石部3によるマスク2の吸着保持力を増大せしめて基板1の表面にマスク2を吸着保持した後、この磁石部3に、磁束誘導体4を当接せしめてこの磁石部3によるマスク2の吸着保持力を減少させて、このマスク2を基板1の表面から離脱せしめることが可能となる。
即ち、磁束誘導体4を当接せしめて磁石部3によるマスク2の吸着保持力を減少させた状態でこの磁石部3を基板1の裏面から離脱させることができるから、それだけ磁石部3を基板1の裏面から引き剥がす力は小さくて済み、磁石部3を基板1の裏面から離脱せしめることでマスク2を基板1の表面から簡単に離脱させることができる。よって、この引き剥がしの際に基板1が微動することに起因する基板1の表面に形成された素子の損傷等を防止できることになる。
また、磁石部3を基板1の裏面から強い力で引き剥がす必要がないため、処理室毎にシャフトで固定した状態とする必要がなく、磁石部3は処理室とは独立して利用可能となる。従って、例えば、クラスター型やインライン型の成膜装置のアライメント室にて一度基板1にマスク2を磁石部3により吸着保持したら(同一パターンの成膜であれば)、磁石部3を基板1の裏面に設けた状態のまま他の処理室に搬送することができ、各処理室に搬送する度に一々基板1とマスク2とのアライメントを行う必要なく次々に各処理室にて処理を行うことが可能となり、タクトタイムを極めて短縮可能となる。また、各処理室毎にアライメント機構を設ける必要がなく、大幅に装置コストを低減できる。
従って、本実施例は、極めて簡単な構造で磁石部によるマスクの吸着保持力を増減することを可能とし、基板表面の素子が損傷を受けることなくマスクの着脱を行うことができ、それだけ強力な磁石部により基板表面にマスクをより密着させることが可能で、より精細な素子パターンの成膜が可能となり、更に、磁石部を処理室とは独立して利用可能となる等、極めて実用性に秀れたものとなる。
本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
従来例のマスク装着時の概略説明図である。 従来例のマスク離脱時の概略説明図である。 本実施例のマスク装着時の概略説明図である。 本実施例のマスク離脱時の概略説明図である。 本実施例の概略説明図である。 本実施例の概略説明図である。
1 基板
2 マスク
3 磁石部
4 磁束誘導体
5 基体
6 磁石
7 凹部
8 押付体
9 挿通部

Claims (5)

  1. 成膜処理が施される基板の表面側にマスクを磁石部により吸着保持するマスク保持装置であって、この磁石部は、前記基板の裏面に対し接離自在に設けて、前記基板の裏面に当接若しくは近接せしめることで前記マスクを前記基板の表面側に磁気的に吸着保持し得るように構成し、この磁石部と当接若しくは近接することでこの磁石部による前記マスクの吸着保持力を減少させる磁束誘導体を前記磁石部の前記基板の裏面と対向する一面側とは反対側の他面側に対し接離自在に設けたことを特徴とするマスク保持装置。
  2. 前記磁束誘導体が当接若しくは近接せしめられて前記マスクの吸着保持力が減少せしめられた前記磁石部を、前記マスクが重合せしめられる前記基板の裏面に当接若しくは近接せしめて、前記磁束誘導体をこの磁石部から離反せしめることで、この磁石部による前記マスクの吸着保持力を増大せしめてこのマスクを前記基板の表面側に吸着保持し得るように構成すると共に、この基板の裏面に当接若しくは近接せしめられこの基板の表面にマスクを吸着保持する前記磁石部に、前記磁束誘導体を当接若しくは近接せしめてこの磁石部によるマスクの吸着保持力を減少させて、このマスクを前記基板の表面から離脱せしめ得るように構成したことを特徴とする請求項1記載のマスク保持装置。
  3. 前記磁石部は、前記基板の裏面に当接若しくは近接する基体と、この基体上に複数凸設状態に配設される磁石とで構成し、前記磁束誘導体に、この磁石が嵌合配設される凹部を設けて、この磁束誘導体を前記磁石部に当接若しくは近接せしめた際、この凹部に前記磁石が嵌合配設されるように構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のマスク保持装置。
  4. 前記磁束誘導体に、前記磁石部に対し磁束誘導体を接離する際にこの磁石部を基板の裏面に押さえ付ける押付体が挿通する挿通部を設け、この挿通部を挿通する前記押付体が前記磁束誘導体の接離動をガイドし得るように構成したことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のマスク保持装置。
  5. 成膜処理が施される基板の表面側にマスクを磁石部により吸着保持するマスク保持装置であって、この磁石部は、前記基板の裏面に対し接離自在に設けて、前記基板の裏面に当接若しくは近接せしめることで前記マスクを前記基板の表面側に磁気的に吸着保持し得るように構成し、この磁石部と当接若しくは近接することでこの磁石部による前記マスクの吸着保持力を減少させる磁束誘導体を前記磁石部の前記基板の裏面と対向する一面側とは反対側の他面側に対し接離自在に設けたマスク保持装置を用い、前記磁束誘導体が当接若しくは近接せしめられた前記磁石部を前記基板の裏面に当接若しくは近接せしめると共に前記基板とマスクとを重合せしめ、前記磁束誘導体を前記磁石部から離反せしめることでこの磁石部による前記マスクの吸着保持力を増大せしめて基板の表面にマスクを吸着保持した後、この基板の裏面に当接若しくは近接せしめられこの基板の表面にマスクを吸着保持する前記磁石部に、前記磁束誘導体を当接若しくは近接せしめてこの磁石部によるマスクの吸着保持力を減少させて、このマスクを前記基板の表面から離脱せしめることを特徴とするマスク着脱方法。
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