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JP4815914B2 - 熱電発電装置 - Google Patents
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本発明は、熱エネルギーを電気エネルギーに直接変換する熱電発電モジュールを備えた熱電発電装置に関するものである。
熱電発電モジュールは、ゼーベック効果により温度差に応じた熱起電力を発生するn型熱電発電素子およびp型熱電発電素子が高温側の受熱部と低温側の放熱部との間に複数個設置された構造を有し、熱エネルギーを電気エネルギーに直接変換することができる。そして、このような熱電発電モジュールの受熱部に高温熱源である適宜の熱回収部材を接触させ、その放熱部に適宜の熱放出部材を接触させることで熱電発電装置が構成される。
この種の熱電発電モジュールを備えた熱電発電装置においては、熱回収部材から熱電発電モジュールの受熱部への熱伝導性が発電性能に大きく影響するため、一般には、熱回収部材と熱電発電モジュールの受熱部との接触面を高い平面度に仕上げ、あるいは、両者に圧力を掛けてその接触面を圧接させている。
この種の熱電発電装置として、特許文献1には、熱回収部材としてのインナシェルの集熱面と熱電発電モジュールの受熱部としての高温側の端面との間に緩衝部材を挟持した例が開示されている。そして、この特許文献1には、ステンレスなどの金属ワイヤをメッシュ状に編み込んだ金属織布を積層ないし折り畳んだものや、波板形状の金属板、金属コイルなどが緩衝部材として使用できると記載されている。
特開平10−234194号公報(段落番号45、46)
ところで、特許文献1に記載された熱電発電装置においては、高温の排気熱がインナシェルの集熱面から金属メッシュ等で構成された緩衝部材を介して熱電発電モジュールの高温側の端面に伝導されるため、その熱伝導性が大きく損なわれて発電性能が低下する恐れがある。
そこで、本発明は、熱回収部材と熱電発電モジュールの受熱部との接触面を高い平面度に仕上げ、あるいはその接触面を圧接させることなく、熱電発電モジュールの受熱部へ極めて良好に熱伝導できる熱電発電装置を提供することを課題とする。
本発明に係る熱電発電装置は、熱回収部材に接触する受熱部と熱放出部材に接触する放熱部との間に複数の熱電発電素子が配置された熱電発電モジュールを備え、この熱電発電モジュールの受熱部と前記熱回収部材との接触面間に密封状態で低融点金属層が設けられていることを特徴とする。
本発明に係る熱電発電装置では、使用状態において熱回収部材が高温になると、密封状態で設けられた低融点金属層が溶融して熱回収部材と熱電発電モジュールの受熱部との接触面を相互に隙間なく接触させる。その結果、熱回収部材から熱電発電モジュールの受熱部への熱伝導が極めて良好に行われる。
本発明の熱電発電装置において、低融点金属層の表面の酸化を防止して低融点金属層の表面を確実に溶融させるためには、低融点金属層の周囲を酸化保護皮膜により密封するのが好ましい。この場合、酸化保護皮膜は、熱電発電モジュールの受熱部と熱回収部材とに跨って形成すればよい。その際、低融点金属層は、その表面の酸化を確実に防止するように、不活性ガスと共に密封することができる。
ここで、酸化保護皮膜としては、高温下において優れた気体バリアー性を発揮する粘土配向皮膜(特開2005−104133号公報参照)やケイ素系ポリマー皮膜(特許2884073号公報参照)を採用することができる。なお、酸化保護皮膜として粘土配向皮膜を採用する場合、低融点金属層の周縁囲が熱電発電モジュールの周側面から斜めに傾斜して張り出すように整形されていると、粘土配向皮膜を重力により沈積させる作業が容易となるので好ましい。
この酸化保護皮膜は、不用意に剥離しないように、熱回収部材および熱電発電モジュールに押板を介して押さえ付けられているのが好ましい。この場合、押板は熱回収部材および熱電発電モジュールにねじ止めすることができる。
本発明に係る熱電発電装置によれば、使用状態において溶融した低融点金属層が熱回収部材と熱電発電モジュールの受熱部との接触面を相互に隙間なく接触させるため、熱回収部材から熱電発電モジュールの受熱部へ極めて良好に熱伝導できる。その結果、高い発電性能を発揮することができる。
本発明の熱電発電装置において、低融点金属層の周囲が粘土配向膜やケイ素系ポリマー皮膜などの酸化保護皮膜により密封されている場合、低融点金属層が高温下で溶融する際、低融点金属層の表面の酸化を防止して低融点金属層の表面を確実に溶融させることができる。
また、本発明の熱電発電装置において、熱回収部材および熱電発電モジュールにねじ止めされる押板を介して酸化保護皮膜が熱回収部材および熱電発電モジュールに押さえ付けられている場合、酸化保護皮膜の剥離を容易かつ確実に防止することができる。
以下、図面を参照して本発明に係る熱電発電装置の実施の形態を説明する。参照する図面において、図1は一実施形態に係る熱電発電装置を構成する熱電発電モジュールの概略構造を示す斜視図、図2は一実施形態に係る熱電発電装置の概略構造を示す縦断面図である。
一実施形態に係る熱電発電装置は、例えば図1に示すような構造の熱電発電モジュール1を備えている。この熱電発電モジュール1は、ゼーベック効果により温度差に応じた熱起電力を発生するn型熱電発電素子Nおよびp型熱電発電素子Pが高温側の受熱部を構成する絶縁セラミックス製の受熱基板1Aと、低温側の放熱部を構成する絶縁セラミックス製の放熱基板1Bとの間に複数個設置され、これらのn型熱電発電素子Nおよびp型熱電発電素子Pが電極板1Cを介して交互に直列に接続された基本構造を有する。
このような構造の熱電発電モジュール1は、例えば図2に示すように、熱回収部材としてのフィン部材2と、熱放出部材としての放熱ブロック3との間に挟持されることにより、フィン部材2と放熱ブロック3との温度差に応じて発電する熱電発電装置を構成している。
フィン部材2は、例えば熱伝導性の高いアルミニウム合金の押出し型材からなり、熱回収用の複数のフィン2Aが一体に突出成形されている。そして、このフィン部材2には、熱電発電モジュール1の受熱基板1Aに対面する平坦な接触面2Bが形成されている。
放熱ブロック3は、熱電発電モジュール1の放熱基板1Bとの間の熱交換により放熱基板1Bから確実に吸熱できるように、熱伝導性の高いアルミニウム合金製の本体内部(図示省略)に冷却水の流通路が形成されている。
ここで、熱電発電モジュール1は、受熱基板1Aの外面がフィン部材2の平坦な接触面2Bに低融点金属層4を介して面接触し、放熱基板1Bの外面が放熱ブロック3の接触面3Aに直接面接触している。
低融点金属層4は、錫(Sn)、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)などの低融点の金属材料からなり、例えば一実施形態の熱電発電装置においては、フィン部材2が250℃以上の温度雰囲気に晒される使用状態において確実に溶融する錫(Sn)が使用されている。
この低融点金属層4は、厚さが0.01〜10mm、好ましくは0.1〜2mm程度であり、その周縁部は、常温下において熱電発電モジュール1の周側面から斜めに傾斜して張り出すように整形されている(図3参照)。そして、この低融点金属層4の周縁部は、フィン部材2の接触面2Bから熱電発電モジュール1の周側面に跨って形成された帯状の酸化保護皮膜5により密封されている(図4参照)。
酸化保護皮膜5は、例えば250℃以上の高温下において優れた気体バリアー性を発揮する自立性のある粘土配向皮膜からなり、密封した低融点金属層4の表面の酸化を防止する。この粘土配向皮膜は、粘土粒子の積層を高度に配向させた皮膜であって、例えば、均一な粘土分散液を静置して粘土粒子を沈積させた後、分散媒である液体を遠心分離、ろ過、真空乾燥、凍結真空乾燥、又は加熱蒸発法などによって分離し、110から300℃の高温下で乾燥することで製造される。
この酸化保護皮膜5は、不用意に剥離しないように、フィン部材2の接触面2Bおよび熱電発電モジュール1の周側面にそれぞれ枠状の押板6,7を介して押さえ付けられている。一方の枠状の押板6は、複数の止ねじ8を介してフィン部材2の接触面2Bに固定され、他方の枠状の押板7は、複数の止ねじ9を介して熱電発電モジュール1の周側面に固定されている(図5参照)。
以上のように構成された一実施形態の熱電発電装置は、例えば自動車の排気系の熱を回収して発電するように、フィン部材2の複数のフィン2Aが図示しない排気ガスの流通経路に臨んで設置される。そして、複数のフィン2Aにより回収された排気ガスの熱がフィン部材2の接触面2Bから熱電発電モジュール1の受熱基板1Aに伝熱され、熱電発電モジュール1の放熱基板1Bから放熱ブロック3へ放熱されることにより、熱電発電モジュール1の各n型熱電発電素子Nおよびp型熱電発電素子P(図1参照)が起電力を発生して発電する。
このような一実施形態の熱電発電装置の使用状態において、フィン部材2の複数のフィン2Aが排気ガスの熱を吸収して例えば250℃以上の高温になると、酸化保護皮膜5により周縁部が密封された低融点金属層4が溶融し、この溶融した低融点金属層4を介してフィン部材2の接触面2Bと熱電発電モジュール1の受熱基板1Aの外面とが相互に隙間なく接触する。
その結果、一実施形態の熱電発電装置によれば、熱回収部材であるフィン部材2から熱電発電モジュール1の受熱基板1Aへの熱伝導が極めて良好に行われるようになり、熱電発電モジュール1は高い発電性能を発揮する。
本発明に係る熱電発電装置は、前述した一実施形態に限定されるものではない。例えば、低融点金属層4は、不活性ガスと共に密封してもよい。また、酸化保護皮膜5は、高温下で機能するケイ素系ポリマー皮膜等の耐熱性と空気遮断性を持つ他の皮膜で形成されていてもよい。
本発明の一実施形態に係る熱電発電装置を構成する熱電発電モジュールの概略構造を示す斜視図である。 一実施形態に係る熱電発電装置の概略構造を示す縦断面図である。 図2に示した低融点金属層の周縁部を示す熱電発電装置の部分斜視図である。 図2に示した酸化保護皮膜を示す熱電発電装置の部分斜視図である。 図2に示した押板および止ねじを示す熱電発電装置の部分斜視図である。
符号の説明
1 熱電発電モジュール
1A 受熱基板
1B 放熱基板
2 フィン部材(熱回収部材)
2A フィン
2B 接触面
3 放熱ブロック(熱放出部材)
3A 接触面
4 低融点金属層
5 酸化保護皮膜
6,7 押板
8,9 止ねじ

Claims (10)

  1. 熱回収部材に接触する受熱部と熱放出部材に接触する放熱部との間に複数の熱電発電素子が配置された熱電発電モジュールを備え、
    この熱電発電モジュールの受熱部と前記熱回収部材との接触面間に密封状態で低融点金属層が設けられており、
    前記低融点金属層の周囲が前記熱回収部材と熱電発電モジュールとに跨って形成された酸化保護皮膜により密封されており、
    前記酸化保護皮膜が粘土配向皮膜であることを特徴とする熱電発電装置。
  2. 前記低融点金属層の周縁部が前記熱電発電モジュールの周側面から斜めに傾斜して張り出すように整形されていることを特徴とする請求項に記載の熱電発電装置。
  3. 前記低融点金属層が不活性ガスと共に密封されていることを特徴とする請求項1または2に記載の熱電発電装置。
  4. 熱回収部材に接触する受熱部と熱放出部材に接触する放熱部との間に複数の熱電発電素子が配置された熱電発電モジュールを備え、
    この熱電発電モジュールの受熱部と前記熱回収部材との接触面間に密封状態で低融点金属層が設けられており、
    前記低融点金属層の周囲が前記熱回収部材と熱電発電モジュールとに跨って形成された酸化保護皮膜により密封されており、
    前記酸化保護皮膜がケイ素系ポリマー皮膜であることを特徴とする熱電発電装置。
  5. 前記低融点金属層の周縁部が前記熱電発電モジュールの周側面から斜めに傾斜して張り出すように整形されていることを特徴とする請求項に記載の熱電発電装置。
  6. 前記低融点金属層が不活性ガスと共に密封されていることを特徴とする請求項4または5に記載の熱電発電装置。
  7. 熱回収部材に接触する受熱部と熱放出部材に接触する放熱部との間に複数の熱電発電素子が配置された熱電発電モジュールを備え、
    この熱電発電モジュールの受熱部と前記熱回収部材との接触面間に密封状態で低融点金属層が設けられており、
    前記低融点金属層の周囲が前記熱回収部材と熱電発電モジュールとに跨って形成された酸化保護皮膜により密封されており、
    前記酸化保護皮膜は、前記熱回収部材および熱電発電モジュールに押板を介して押さえ付けられていることを特徴とする熱電発電装置。
  8. 前記低融点金属層の周縁部が前記熱電発電モジュールの周側面から斜めに傾斜して張り出すように整形されていることを特徴とする請求項に記載の熱電発電装置。
  9. 前記低融点金属層が不活性ガスと共に密封されていることを特徴とする請求項7または8に記載の熱電発電装置。
  10. 前記押板が前記熱回収部材および熱電発電モジュールにねじ止めされていることを特徴とする請求項7〜9の何れかに記載の熱電発電装置。
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