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JP4816730B2 - 高度不飽和脂肪酸含有飲食品及びその製造法 - Google Patents
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高度不飽和脂肪酸含有飲食品及びその製造法 Download PDF

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Description

本発明は、高度不飽和脂肪酸と大豆の栄養分を摂取することが可能であり、かつ保存安定性に優れた高度不飽和脂肪酸含有飲食品に関するものであり、さらにはこれを利用した飲食品に関するものである。
従来から高度不飽和脂肪酸(highly-unsaturated fatty acid、以下「HUFA」と称する。)が多く含まれる魚油などの油脂は血中コレステロールを防止するなどの生理機能が報告されているが、非常に酸化されやすいため、飲食品に配合すると製造中から保存中にかけて劣化臭が発生し、飲食品の品質に嗜好上好ましくない影響を与える。そのためかかる油脂の酸化を防止するために様々な試みがなされている。
そのような試みの一つとして、HUFA含有油脂を豆乳と混合してHUFAの酸化を防止して栄養価の高い豆乳や豆腐を製造する例が開示されている(特許文献1:特開平07-255406号公報、特許文献2:特開平10-42819号公報、特許文献3:特開2002-315535号公報)。
またHUFAの酸化防止を目的とはしていないが、栄養価の高い豆乳を得る目的でHUFA含有油脂を豆乳や分離大豆蛋白に配合する例が開示されている(特許文献4:特開平08-205769号公報、特許文献5:特開平2-200165号公報、特許文献6:国際公開WO2002/037985号)。
以上のように単純にHUFA含有油脂を豆乳や分離大豆蛋白に配合する技術が開示されているが、豆乳によるHUFAの酸化防止効果は十分なものとは言えず、製造中や保存中に酸化によって劣化臭が発生することを満足なレベルまで防ぐことは困難である。
そこで、HUFAの酸化を強く防止する技術として、HUFA含有油脂をマイクロカプセルで封入してから豆乳に混合する例(特許文献7:特開昭60-160840号公報)やHUFA含有油脂の代わりにこれを含む海洋性微細藻類を配合する例(特許文献8:特開平6-327429号公報)が開示されている。
しかしマイクロカプセル化する技術はマイクロカプセル化の作業が煩雑であり容易に製造することが難しく、海洋性微細藻類を配合する技術も海洋性微細藻類独特の風味が出てしまうため、風味のバリエーションを付けにくい。
また、HUFA含有油脂に豆乳を配合したものを有機酸の添加や乳酸菌発酵により酸性化したり、あるいはHUFA含有油脂に予め酸性にした豆乳を配合するなどして、液性を酸性にする例が開示されている(特許文献9:特開平8-308521号公報、特許文献10:国際公開WO2002/037976号、特許文献6:国際公開WO2002/037985号、特許文献11:特開2004-105045号公報)。
このように豆乳を酸性にすると風味が爽やかなものになるため、ある程度はHUFAの酸化劣化臭をマスキングする効果は得られるが、本発明者が行った実験から考察すると長期保存中の劣化臭の発生をより強く抑え、かつ乳化安定性を付与する効果は依然として不十分なレベルにある。
一方、大豆粉をHUFA含有油脂と混合し、HUFAの酸化を防止する技術が開示されているが(特許文献12:特開昭57-174066号公報、特許文献13:特開昭61-170366号公報、特許文献14:特開昭63-74463号公報、特許文献15:特開平7-313057号公報、特許文献16:特開2002-253158号公報)、これらは粉末、フレーク、錠剤、カプセルなどの固形状組成物に関する発明である。
また、大豆を酵素処理により単細胞化することにより微細化した加工大豆にHUFA含有油脂を混合する技術(特許文献17:特開2004-59848号公報)や、乾燥オカラを魚油と混合し、各種食品組成物とする技術(特許文献18:特開2006-50910号公報)が開示されているが、これらの技術を液状飲食品に適用すると、粉っぽく、ざらつきがある食感となってしまう。
以上のように、HUFA油脂を液状組成物中において保存中に劣化臭が発生することなく長期間酸化に対して安定な状態に保つ技術は十分に確立されていない。
(参考文献)
特開平07-255406号公報 特開平10-42819号公報 特開2002-315535号公報 特開平08-205769号公報 特開平2-200165号公報 国際公開WO2002/037985号 特開昭60-160840号公報 特開平6-327429号公報 特開平8-308521号公報 国際公開WO2002/037976号 特開2004-105045号公報 特開昭57-174066号公報 特開昭61-170366号公報 特開昭63-74463号公報 特開平7-313057号公報 特開2002-253158号公報 特開2004-59848号公報 特開2006-50910号公報
本発明の課題は、HUFA含有油脂を含む飲食品が保存中に酸化を受けて劣化臭が発生する問題を防止し、長期間の風味安定性に優れたHUFA含有液状組成物を提供することである。
本発明者らは、HUFA含有油脂を大豆の粉砕物、水と混合・乳化して乳化物とし、これを酸の添加や乳酸菌発酵などにより酸性化することにより、HUFA含有油脂を含んでいても従来よりも保存中の乳化安定性と酸化安定性に優れ、そして風味の保存安定性に優れた飲食品を製造できることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は、
1.高度不飽和脂肪酸含有油脂、大豆粉砕物及び水が原料として配合・均質化されており、かつ酸性であることを特徴とする高度不飽和脂肪酸含有飲食品、
2.大豆粉砕物の平均粒子径が100μm以下である前記1.記載の高度不飽和脂肪酸含有飲食品、
3.(A)大豆粉砕物と高度不飽和脂肪酸含有油脂を水系下で混合し均質化すること、並びに、(B)大豆粉砕物、高度不飽和脂肪酸含有油脂及び水との均質化物又は大豆粉砕物を酸性化すること、を特徴とする高度不飽和脂肪酸含有飲食品の製造法、
4.大豆粉砕物の粉砕が、乾式粉砕又は/及び湿式粉砕による前記3.記載の高度不飽和脂肪酸含有飲食品の製造法、
5.大豆粉砕物の粉砕が、乾式粉砕後に湿式粉砕することによる前記4.記載の高度不飽和脂肪酸含有飲食品の製造法、
6.湿式粉砕が高温高圧蒸気処理による前記4.記載の高度不飽和脂肪酸含有飲食品の製造法、
7.酸性化が乳酸発酵又は/及び酸添加による前記3.記載の高度不飽和脂肪酸含有飲食品の製造法、である。
本発明によれば、HUFA含有油脂を含有するにもかかわらず、長期間保存しても酸化安定性及び乳化安定性が極めて高く、風味の劣化も生じにくいHUFA含有油脂含有飲食品を提供することが可能となる。そのため、コレステロール低下作用などの様々な生理機能を有するHUFAを摂取する機会を広げられると共に、大豆に含まれる様々な成分を同時摂取することによる相乗効果も期待できる。
本発明のHUFA含有飲食品は、高度不飽和脂肪酸含有油脂、大豆粉砕物及び水が原料として配合・均質化されており、かつ酸性であることを特徴とする。
また、このHUFA含有飲食品の製造法は、(A)大豆粉砕物と高度不飽和脂肪酸含有油脂を水系下で混合し均質化すること、並びに、(B)大豆粉砕物、高度不飽和脂肪酸含有油脂及び水との均質化物又は大豆粉砕物を酸性化すること、を特徴とする。
以下、本発明の具体的態様について説明する。以下の説明において単に「%」と記載するときは、特に断りがない限り「質量%」を意味する。
HUFAは二重結合を2以上有する多価不飽和脂肪酸(PUFA)のうち、特に二重結合を4以上有する不飽和脂肪酸をいう(「生化学辞典 第2版」, 東京化学同人, p1269, 1990.)。食用に適するものであれば特に限定されないが、例えばアラキドン酸やステアリドン酸、共役テトラエン酸(パリナリン酸など)などのテトラ不飽和脂肪酸や、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、イワシ酸、共役ペンタエン酸などのペンタ不飽和脂肪酸や、ドコサヘキサエン酸などのヘキサ不飽和脂肪酸や、共役ヘプタエン酸などのヘプタ不飽和脂肪酸などが挙げられる。
本発明のHUFA含有飲食品に配合するHUFA含有油脂は、そこに含まれるグリセリドの構成脂肪酸のうち、少なくとも1つがHUFAである油脂である。すなわちグリセリドの構成脂肪酸のうち、HUFAが1〜3つを占めるものである。このようなHUFAを構成脂肪酸として含む油脂としては、魚油、糸状菌、藻類、原生動物、海洋性細菌等の産生した油脂や、さらに、これらの油脂に分別やエステル交換などの処理を施した加工油脂等を例示することができる。
HUFAを構成脂肪酸として1又は2以上有する油脂の場合、HUFAの種類は同一であるか異種の組合せであるかを問わない。またグリセリドはトリグリセリドの他、ジグリセリドやモノグリセリドであってもよい。すなわち本発明において油脂は広義に解釈し、モノグリセリド及びジグリセリドを含む概念である。HUFAを構成脂肪酸として含む限りこれらも当然ながら酸化されやすいためである。例えば1,3−ジアシルグリセリド、1,2−ジアシルグリセリド、1−モノアシルグリセリド、2−モノアシルグリセリドなどが例示される。またHUFA含有油脂にはHUFAを含まないグリセリドが当然含まれていてもよい。
該油脂中の総脂肪酸含量の内、HUFAが占める割合は特に限定されるものではないが、酸化による風味劣化が目立つ程度にHUFAが含まれている場合に本発明は特に効果を奏しやすく、通常は3%以上であり、さらに10%以上であればより効果を奏しやすい。
本発明のHUFA含有飲食品に配合する大豆粉砕物は全脂大豆又は脱脂大豆を粉砕して得られるものである。
本発明の大豆粉砕物の原料である大豆は、特に品種において限定されることはなく、黄大豆、青大豆、黒大豆などを使用することができる。
また育種、遺伝子操作や発芽処理等により大豆に含まれ、或いは産生される特定の成分、例えば7Sグロブリン、11Sグロブリン、オレオシン、イソフラボン、サポニン、γ−アミノ酪酸、ニコチアナミン、レシチン、オリゴ糖、ビタミン類、ミネラル類などの含有量を富化させた大豆も使用することができる。
そして上記の大豆は、外皮及び胚軸部分を含むものでもよく、一部又は全部を大豆胚軸に置き換えたものでもよいが、これらを除去したものを使用することも可能である。
大豆粉砕物の粉砕度は製造する飲食品の形態・性状や求める品質に応じて自由に設定することができるが、より粉砕度が高い方が食感が滑らかとなる上、表面積の増大による乳化安定性への効果が期待できる。具体的には平均粒子径が100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。また粒子径100μm以下の粒子の含有量が70%以上であると水への分散がより容易になり好ましい。
大豆の粉砕方法は水系下で粉砕する湿式粉砕、あるいは非水系下で粉砕する乾式粉砕のいずれの方法も採用することができる。湿式粉砕の場合、ホモゲナイザー、ボールミルなどを使用することができる。また乾式粉砕の場合、ジェットミル、トルネードミル、ハンマーミル、カッターミルなどの粉砕機を使用することができる。
本発明においてはいずれの粉砕方式を選択し、また複数の方式を組合せてもよく、特定の粉砕方式に限定されるものではないが、一つの好ましい態様としては、大豆を乾式粉砕し、これを水に分散させた後さらに湿式粉砕を組みあわせることができる。これによって、より粒子径が細かくすることができ、油脂と接触させる表面積の増大に有利であると共に、ざらつき感の少ない飲食品を得ることができる。
なお、後述するHUFA含有油脂と大豆粉砕物との混合は、大豆の粉砕工程以前に添加することも可能であるが、HUFA含有油脂を早い段階から添加すると酸化により劣化臭が発生しやすくなるので注意が必要である。
また別の湿式粉砕の方法として、高温高圧蒸気処理によって行うと微粒子かつ低粘度の液状となり好ましい。高温高圧蒸気処理とは、高温高圧下で被処理液に蒸気を接触させる処理をいい、典型的にはUHT殺菌(超高温殺菌)方法のうち、高温高圧蒸気を被処理液に直接接触させて、これを一定時間保持した後、圧力解除して処理液中の水分を蒸発させて冷却する加熱方式を利用することができる。
より具体的には、処理液が流れる配管中に高温高圧蒸気を噴射するスチームインジェクション方式と、高温高圧蒸気の中に処理液を噴射するスチームインフュージョン方式などがあり、何れを採用してもよい。例えば、スチームインジェクション方式にはVTIS殺菌装置(アルファラバル社製)、クレハ超高温瞬間滅菌装置(呉羽テクノエンジ(株))などがあり、スチームインフュージョン方式にはインフュージョンシステム(岩井機械工業(株))などがあり、これに類した殺菌装置も使用可能である。
かかる処理によって微粉砕の効果が得られる理由は定かではないが、被処理液である大豆粉砕物の懸濁液が高圧蒸気と接触し、大豆粉砕物中の大豆蛋白が熱変性された状態で高圧による剪断力がかかることによると考えられる。
高圧蒸気の温度は少なくとも120℃以上であることが好ましく、より好ましくは120〜165℃、さらに好ましくは135〜155℃、最も好ましくは140℃〜155℃が適当である。
蒸気処理の時間は10秒超で行うことが好ましく、より好ましくは15〜80秒、さらに好ましくは20〜70秒が適当である。
より詳細には国際公開WO2007/116772号公報を参照すれば良いが、以上の高温高圧蒸気処理により、大豆粉砕物は平均粒子径が15μm以下、さらには12μm以下の微粒子となり、ざらつき感が極めて感じにくく滑らかな食感となる。しかも粉砕後の大豆粉砕物の懸濁液は固形分濃度が9%のときの10℃における粘度は100mPa・s以下、さらには50mPa・s以下の低粘度物性を有し、すっきりとした食感を有するものである。
このように湿式粉砕に蒸気加圧加熱処理を用いると、大豆粉砕物を低粘度を維持しつつ微粒子化することができ、これにより飲用適正が増すと共に、表面積の増大により油を抱き込む力が増えて乳化力が増し、乳化安定性に寄与すると考えられる。
本発明のHUFA含有飲食品は、少なくとも上記のHUFA含有油脂と大豆粉砕物及び水が配合され、均質化されている。「均質化されている」とはHUFA含有油脂が少なくとも他の原料と分離しない状態が保持されていることをいい、「乳化」と称する場合もある。通常飲食品から油脂が分離していなければ乳化(均質化)が安定な状態といえる。該飲食品の性状は液状、ペースト状、半固形状又は固形状であることができる。
HUFA含有油脂、大豆粉砕物及び水の混合比は均質化が可能であれば特に限定されないが、通常はHUFA含有油脂1重量部に対して大豆粉砕物を1〜20重量部、水を10〜500重量部混合し、均質化することができる。これによりHUFA含有油脂が大豆粉砕物と十分に均質化され、安定な乳化状態となり、酸化による劣化臭の発生を防止できる。
HUFA含有油脂は飲食品中に少量含まれていても酸化による劣化臭を感じやすく、また少量であっても酸化された油脂を摂取することは栄養上好ましくない。そのため飲食品中のHUFA含有油脂の配合量は微量であっても本発明は有効に作用し、下限は特に限定されない。ただしあまりに微量にしか含まれないと臭気が希釈されて感じにくくなり、HUFA含有油脂の摂取効果も有意なものと言えなくなるため、通常は飲食品中にHUFA含有油脂を0.1重量%以上、好ましくは0.3〜3重量%配合することが有効である。大豆粉砕物及び水の配合量は上記の混合比率に従い設定することができる。
これらの原料を配合する順序は、最終的に水系下で混合され均質化される限り、いかなる順序でも良く、これらの原料を同時に配合してもよいし、大豆粉砕物と水を混合して懸濁液を調製してからHUFA含有油脂を混合してもよい。ただし、HUFA含有油脂は空気に触れると早く酸化されやすいことから、製造初期段階での品質劣化をできるだけ抑えるためには、大豆粉砕物と水との懸濁液を調製してからこれを混合する方がより好ましい。
原料の混合は通常行われている手段を用いることができ、例えば通常の飲料の製造に使用される溶解タンクなどを使用して、溶解撹拌翼を回転させるなどして行うことができる。また均質化も通常行われている手段を用いることができ、高速撹拌式、高圧式又は超音波式等の機械的均質化法を用いることができる。例えばホモゲナイザー、ホモミキサーなどにより行うことができる。ホモゲナイザーを使用する際の圧力設定は自由であるが、通常は3〜15MPa程度が適当である。
なお、この均質化工程において上記の湿式粉砕を行うことも可能である。その際、酸素を取り込まないように窒素置換下で乳化したり、空気を取り込まないタイプの攪拌装置を使用しても良い。また均質化処理は多段階の処理を行ってもよく、第一段階の粗乳化の後、時間を置かずに第二段階以降の細乳化工程を行うことができる。
本発明のHUFA含有飲食品はさらに、酸性であることが特徴である。具体的にはpHは少なくともpH6以下であり、より好ましくはpH5以下、さらに好ましくはpH4.5以下である。
このように酸性とすることによりHUFA含有油脂の酸化劣化をより高度に抑制することができる。
酸性化のタイミングは、大豆粉砕物の懸濁液を予め酸性化してもよいし、或いは大豆粉粉砕物、HUFA含有油脂及び水との乳化物を調製してから酸性化することもできる。
酸性化の方法は飲食品のpHを酸性にする方法であれば特に限定されない。例えばクエン酸、リンゴ酸、酢酸、グルコン酸、乳酸等の有機酸やリン酸等の無機酸を添加する方法、有機酸を生成する微生物で発酵する方法、あるいはそれらの両方の方法を使用でき、風味などの好みにより適宜選択することができる。
ただし、発酵法を用いる方が乳化物の乳化安定性が高く、また得られる製品の風味もより爽やかなものとなるので、より好ましい。この場合、発酵方法は通常行われている方法で行うことができる。
発酵に使用するスターターは有機酸を生成する微生物であれば特に限定されないが、通常は乳酸菌、ビフィズス菌、酢酸菌、酪酸菌、プロピオン酸菌等を単独又は組み合わせて使用することができる。
乳酸菌を使用する場合、通常のヨーグルトに使用されている菌種を用いればよく、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ラクトバチルス・ブルガリカス、ラクトバチルス・ガッセリ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・ラクチス、ラクトバチルス・サリバリウス・サリバリウス、ラクトバチルス・ガリナラム、ラクトバチルス・アミロボラス、ラクトバチルス・ブレビス・ブレビス、ラクトバチルス・ファーメンタム、ラクトバチルス・マリ、ラクトバチルス・デルブルッキィ、ラクトバチルス・サンフランシスエンシス、ラクトバチルス・パネックス、ラクトバチルス・コモエンシス、ラクトバチルス・イタリカス、ラクトバチルス・ライキマニ、ラクトバチルス・カルバタス、ラクトバチルス・ヒルガルディ、ラクトバチルス・ルテリ、ラクトバチルス・パストリアヌス、ラクトバチルス・ブクネリ、ラクトバチルス・セロビオサス、ラクトバチルス・フルクティボランス等のラクトバチルス属、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ストレプトコッカス・ラクチス、ストレプトコッカス・ジアセチルラクチス等のストレプトコッカス属、ラクトコッカス・ラクチス・ラクチス、ラクトコッカス・ラクチス・クレモリス等のラクトコッカス属、ロイコノストック・メセンテロイデス・クレモリス、ロイコノストック・ラクチス等のロイコノストック属等の乳酸菌を特に限定なく用いることができる。
ビフィズス菌を使用する場合、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・アドレセンティス、ビフィドバクテリウム・アンギュラータム、ビフィドバクテリウム・カテニュラータム、ビフィドバクテリウム・シュードカテニュラータム、ビフィドバクテリウム・デンティウム、ビフィドバクテリウム・グロボズム、ビフィドバクテリウム・シュードロンガム、ビフィドバクテリウム・クニキュリ、ビフィドバクテリウム・コエリナム、ビフィドバクテリウム・アニマリス、ビフィドバクテリウム・サーモフィラム、ビフィドバクテリウム・ボウム、ビフィドバクテリウム・マグナム、ビフィドバクテリウム・アステロイデス、ビフィドバクテリウム・インディカム、ビフィドバクテリウム・ガリカム、ビフィドバクテリウム・ラクチス、ビフィドバクテリウム・イノピナータム、ビフィドバクテリウム・デンティコレンス、ビフィドバクテリウム・プローラム、ビフィドバクテリウム・スイス、ビフィドバクテリウム・ガリナーラム、ビフィドバクテリウム・ルミナンティウム、ビフィドバクテリウム・メリシカム、ビフィドバクテリウム・サーキュラーレ、ビフィドバクテリウム・ミニマム、ビフィドバクテリウム・サブチル、ビフィドバクテリウム・コリネフォルメ等を限定なく用いることができる。
酢酸菌を使用する場合、アセトバクター・アセティ、アセトバクター・オリエンタリスなどのアセトバクター属、グルコノバクター属などを限定なく用いることができる。酪酸菌を使用する場合、クロストリジウム・ブチリカムなどのクロストリジウム属を用いることができる。
プロピオン酸菌を使用する場合、プロピオンバクテリウム・シャーマニー(Propionibacterium shermanii)等を用いることができる。
上記の微生物のうち、乳酸菌やビフィズス菌で発酵させると、植物性であってヨーグルト様の爽やかな酸味を呈するので、特に飲食品への利用に適している。ただし、乳酸菌やビフィズス菌で発酵させた場合、乳酸や酢酸などの有機酸の生成によりpHが低下するため、オカラが除去されている豆乳を用いたとしても豆腐のように一旦凝固してしまい、重たい食感となる。
そのためオカラ分を含む場合はさらに粘度が高く、十分に微細化されていないと、重たくざらついた食感が際立ったものとなってしまう。しかし、本発明の場合、通常のオカラが除去されている豆乳を発酵させた発酵豆乳と殆ど物性の変わらない発酵物を製造することができる。
発酵方法については、バルクスターターを作って添加することも、凍結濃縮菌や凍結乾燥濃縮菌で直接、発酵原料に添加することもできる。微生物の添加量は、発酵温度、発酵時間に応じて調整することができる。微生物の種類によっても異なるため限定されないが、発酵温度は20〜50℃で、3〜48時間、好ましくは25〜45℃で、4〜24時間が適当である。
得られた発酵液状乳化物のpHは微生物の種類にも寄るため特に限定されないが、乳酸菌やビフィズス菌で発酵させた場合には、pH3.5〜5.5が好ましく、より好ましくはpH4〜5、さらに好ましくはpH4.2〜4.7が適当である。発酵直後のpHが所望のpHに満たない場合には、さらに乳酸、クエン酸、リンゴ酸のような有機酸やリン酸などによって調整することができる。
発酵後はカード状となっている場合があるため、ホモゲナイザー等により均質化処理を行って完全に液状とすることが好ましい。例えば高圧ホモゲナイザーを用いる場合は圧力3〜30MPaが適当である。かかる均質化処理によって発酵後の食感に滑らかさと後口のすっきり感を付与することができる。
(その他の原料)
本発明の飲食品には、飲食品の種類や目的とする品質に応じて副原料を配合することができる。例えば乳酸菌発酵により酸性化する場合には、ヨーグルトやチーズなどの発酵食品の製造に一般的に使用されている原料を使用することができる。
糖類としては、砂糖,ぶどう糖,麦芽糖,乳糖,トレハロース,パラチノース等の少糖類、大豆オリゴ糖,乳果オリゴ糖等のオリゴ糖、エリスリトール、キシリトール、マルチトール、還元水飴、ソルビトール等の糖アルコールを使用することができ、甘味料としては、上記糖類の他にソーマチン、アスパルテーム、ステビア、スクラロース、アセスルファムカリウム等の高甘味度甘味料を使用することができる。
安定剤としては、寒天、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、ペクチン、カラギーナン、水溶性大豆多糖類等の増粘剤やゼラチンなどを使用することができる。
また風味材としてりんごやレモン等の果汁や調味料、香料等を使用することができる。 また栄養強化を目的として、ポリデキストロース、セルロース、イヌリン、水溶性大豆多糖類等の食物繊維や、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛等のミネラルや、各種生理機能成分等を使用することができる。
以上のようにして得られたHUFA含有飲食品は、そのまま製品化することもできるし、必要なら加熱殺菌により微生物の生物的活性を不活性化し、殺菌タイプとして製品化することもできる。かかる場合の殺菌条件としては、微生物を死滅させる温度と時間で処理すれば足りる。さらに濃縮してペースト状とすることもできるし、乾燥して粉末状とすることもできる。
本発明の飲食品は、通常のオカラ分を除去して得られる豆乳ではなく、大豆の成分を丸ごと含んだ大豆粉砕物を原料として使用していることが特長である。すなわち豆乳は大豆から水溶性成分である蛋白質と糖質を主に抽出したものであるが、大豆粉砕物はそれら以外に不溶性成分である食物繊維やレシチンなどの極性脂質も多く含まれる。
これらの成分が酸性下で複合的にはたらくことによって、HUFAの保存中の酸化がより顕著に抑えることができ、酸化による劣化臭の発生も防止することができ、さらに豆乳を原料とする場合よりも保存中の乳化安定性に優れると考えられる。
本発明の飲食品の種類は酸性であってHUFA含有油脂、大豆粉砕物及び水とが均質化されているものであれば限定されることはなく、様々な形態及び性状の飲食品とすることができる。例えば大豆飲料や清涼飲料などのドリンク状、大豆ヨーグルトなどのヨーグルト状、ゼリー状、チーズ状、マヨネーズ状、クリーム状、スプレッド状、アイスクリーム状などの飲食品とすることができる。
またこれらをさらに原料として、タブレット類、パン類、焼き菓子類、ケーキ類、キャンデー類、ガム類などを製造することができる。
本願発明のより詳細な実施形態を実施例で説明する。本願発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
■実施例1(HUFA含有酸性大豆飲料の製造)
脱皮脱胚軸された大豆を乾式粉砕した大豆粉砕物((株)ペリカン製、平均粒子径15μm、粒子径100μm以下の粒子の含有量92%)9重量部を、60℃の水91重量部に分散させてホモミキサーで攪拌しながら大豆懸濁液を調製した。
この大豆懸濁液をスチームインジェクション方式の直接高温加熱装置(TANAKA FOOD MACHINERY社製)に供給し、蒸気温度を145℃、蒸気の接触時間を30秒にして高温高圧蒸気処理を行い、大豆微粉砕液を得た。得られた大豆粉砕液の固形分は9.2%、平均粒子径は10.97μm、粘度は54mPa・sであった。
この大豆微粉砕液80部を60℃に加熱し、砂糖5部を水14部に溶解調合した後、ホモゲナイザーで10MPaで均質化処理した液に対して、ラクトバチルス・ブルガリカス、ストレプトコッカス・サーモフィルスを含む市販の混合乳酸菌(凍結乾燥乳酸菌)をスターターとして0.1重量%添加し、41℃で6時間、pH4.5まで発酵を行った。
50%乳酸を加え、ホモゲナイザーで10MPaで均質化処理した後、90℃1分間の加熱処理を行い、発酵を止めると同時に乳酸菌の生物的活性を止めた。得られた酸性大豆微粉砕液は、全固形分12.3%、大豆固形分7.4%、pHは4.3であった。
次に、表1の配合を基に、以下の通り、酸性大豆微粉砕液とHUFA含有油脂とを乳化混合し、HUFAを含有する酸性大豆飲料を製造した。HUFA含有油脂としては、ハリマ食品(株)の精製魚油「DHA−27G」を用いた。この精製魚油には、HUFAとしてDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)が計約31%含まれている。
酸性微粉砕液をホモミキサーで攪拌しながら精製魚油を添加し予備乳化したものに、あらかじめ水に溶解させた砂糖、安定剤(増粘多糖類)を加え、50%乳酸でpHを3.9に調整した後にプレート式間接加熱装置にて殺菌を実施し、本発明のHUFA含有酸性大豆飲料を得た。
(表1)
Figure 0004816730
得られたHUFA含有酸性大豆飲料を滅菌されたプラスチック製容器に充填し、冷蔵(5℃)と常温(25℃)で保管した。その結果、冷蔵で1ヶ月保管したサンプルは、製造直後のサンプルと比較しても酸化劣化臭の発生が極めて少なく、非常に風味良好であった。また乳化安定性にも優れ、クリーミング現象(油分が分離する現象)もほとんど生じていなかった。
■比較例1
実施例1において、大豆粉砕物を使用する代わりに、常法に従い大豆の浸漬磨砕物からオカラを除去して得られる豆乳(大豆固形分7.2%)を使用する以外は同様にしてHUFAを含有する酸性豆乳を調製した。冷蔵で1ヶ月保管したものは、実施例1と比較して酸化劣化臭が発生し飲みにくいものであった。また乳化安定性も劣っていた。
以下に、実施例1と比較例1についての品質評価結果をまとめた(表2)。
なお、5℃保管のサンプルについては官能評価にて比較した。また25℃保管のサンプルについては、(株)島津製作所の「におい識別装置 FF-2A」を用いて臭気を測定し、臭気指数相当値で比較した。なお、臭気指数とは、悪臭防止法で定められた値で、その臭いを無臭にするまでの希釈倍率をもってその強さを表す指標とするものである。例えば、その臭いを1000倍希釈したところで臭いが消えれば,その臭いの強さを「臭気濃度1000」と表し、その臭気濃度を10の指数で表し、その指数部を10倍したものが臭気指数である。従って臭気濃度1000は臭気指数30に相当し、臭気濃度10000は臭気指数40に相当する。ちなみに対照例として、実施例1において魚油が無添加のサンプルを別途調製し、測定したところ、臭気指数は25(臭気濃度316)であった。
また乳化安定性については目視にて油分の分離の有無とその程度を比較した。
(表2)
Figure 0004816730
■比較例2
実施例1において、乳酸発酵を行わない以外は同様の方法でHUFAを含有する大豆飲料を調製した。得られたHUFA含有大豆飲料のpHは6.7であった。冷蔵(5℃)で1ヶ月保管したサンプルは、実施例1と比較して酸化劣化臭がかなり発生し飲みにくいものであった。また乳化安定性も5℃、1ヶ月保管後に油分の分離が若干発生し、実施例1と比較すると不安定であった。
■実施例2
実施例1において乾式粉砕した大豆粉砕物を使用する代わりに、湿式粉砕した大豆粉砕物を用いる以外は同様にして酸性大豆飲料を調製した。脱皮脱胚軸した大豆1部に水4部を加え充分に吸水させ、一旦水を切り、吸水し膨潤した脱皮脱胚軸大豆1部に対し、熱水(90℃)6部を加えたものをコミットロール(URSCHEL社製)を用いて湿式粉砕し、粒子径30〜70ミクロンの大豆懸濁液を得た。
この大豆懸濁液に対して実施例1と同様に蒸気による直接高温加熱処理を行い、大豆微粉砕液を調製した。得られた大豆微粉砕液の固形分は9.1%、平均粒子径は21.36μm、粘度は425mPa・sであった。
得られた大豆微粉砕液を使用してHUFAを含有する酸性大豆飲料を実施例1と同様の方法で調製した。冷蔵で1ヶ月保管したサンプルは、製造直後のサンプルと比較しても酸化劣化臭の発生が極めて少なく、非常に風味良好であった。また乳化安定性に優れ、ほとんどクリーミングは生じていなかった。なお、実施例1に比べると粘度が高いため、低粘度の飲料の製造用としては実施例1の方が適性が高いと考えられる。
■実施例3
実施例1において、直接高温加熱処理を行なわず、高圧ホモゲナイザーを用いる以外は同様にしてHUFA含有油脂含有酸性大豆飲料を調製した。実施例1の大豆懸濁液を高圧ホモゲナイザーで15MPaで均質化処理を行い、大豆微粉砕液を調整した。得られた大豆微粉砕液の固形分は9.5%、平均粒子径は27.87μm、粘度は136mPa・sであった。
この大豆微粉砕液を使用してHUFAを含有する酸性大豆飲料を実施例1と同様の方法で調製した。冷蔵で1ヶ月保管したサンプルは、製造直後のサンプルと比較しても酸化劣化臭の発生がほとんどなく、非常に風味良好であった。また乳化安定性はあるものの、実施例1と比較すると油分の分離が若干発生し、また飲み口にざらつきを感じた。
■実施例4
実施例1において酸性化を乳酸菌発酵で行う代わりに、乳酸を添加してpH4.3に調製する以外は、同様にして酸性大豆微粉砕液を調製した。
得られた酸性大豆微粉砕液を使用してHUFAを含有する酸性大豆飲料を実施例1と同様の方法で調製した。冷蔵で1ヶ月保管したサンプルは、製造直後のサンプルと比較しても酸化劣化臭の発生がほとんどなく、風味良好であった。また乳化安定性はあるものの、実施例1の発酵大豆飲料と比較すると油分の分離が若干発生した。同様に乳酸の代わりにクエン酸を添加した酸性大豆微粉砕液を用いた場合も調製したが、乳酸と同様の結果であった。
■実施例5
実施例1の大豆微粉砕液にハリマ食品(株)の精製魚油「DHA−27G」を添加した後、乳酸菌で発酵させたHUFAを含有する酸性大豆飲料を実施例1と同様の方法で調製した。冷蔵で1ヶ月保管したものは、比較例1よりも品質は良好であった。ただし実施例1との比較では酸化劣化臭が感じられた。すなわち精製魚油は大豆微粉砕液を酸性化してから添加する方がより酸化劣化臭が抑えられ、品質が良好であった。

Claims (7)

  1. 二重結合を4以上有する高度不飽和脂肪酸含有油脂、大豆粉砕物及び水が原料として配合され均質化されており、かつ酸性であることを特徴とする高度不飽和脂肪酸含有飲食品。
  2. 大豆粉砕物の平均粒子径が100μ m 以下である請求項1記載の高度不飽和脂肪酸含有飲食品。
  3. ( A ) 大豆粉砕物と二重結合を4以上有する高度不飽和脂肪酸含有油脂を水系下で混合し均質化すること、並びに、( B ) 大豆粉砕物、二重結合を4以上有する高度不飽和脂肪酸含有油脂及び水との均質化物又は大豆粉砕物を酸性化すること、を特徴とする高度不飽和脂肪酸含有飲食品の製造法。
  4. 大豆粉砕物の粉砕が、乾式粉砕又は/ 及び湿式粉砕による請求項3記載の高度不飽和脂肪酸含有飲食品の製造法。
  5. 大豆粉砕物の粉砕が、乾式粉砕後に湿式粉砕することによる請求項4記載の高度不飽和脂肪酸含有飲食品の製造法。
  6. 湿式粉砕が高温高圧蒸気処理による請求項4記載の高度不飽和脂肪酸含有飲食品の製造法。
  7. 酸性化が乳酸発酵又は/ 及び酸添加による請求項3記載の高度不飽和脂肪酸含有飲食品の製造法。
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