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JP4816732B2 - 運転支援システムおよび運転支援方法 - Google Patents
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Description

発明の分野
本発明は、車両の転舵輪に操舵トルクを付与して、転舵輪を転舵させるアクチュエータを備え、このアクチュエータによる転舵によって車両の運転支援を行う運転支援システムおよび方法に関する。
発明の背景
車両前方をカメラなどで撮像し、撮像した画像や映像に基づいて車両の走行経路を検出し、車両が走行経路を逸脱しないように運転を支援する運転支援システムが知られており、市販車への搭載も始まっている。このような運転支援システムはレーンキープ(アシスト)システムなどと呼ばれ、走行経路を逸脱した際に注意を喚起するだけのものや、走行経路を逸脱した際には転舵輪をアクチュエータで転舵させ(転舵を補助し)、走行経路逸脱を修正するものがある。後者の例としては、特開2001−10518号公報に開示された車両用操舵制御システムがある。
この車両用操舵制御システムは、車両前方を撮像した画像や映像に基づいて、車両前方のカーブ曲率や、車両のオフセット(オフセット距離)・ヨー角を求める。そして、これらのカーブ曲率や、オフセット、ヨー角に基づいて、アクチュエータを用いて転舵輪を転舵させ、走行経路からの逸脱を抑制するというものである。なお、オフセットは、横ズレ量などとも呼ばれ、走行経路に対する車両の横方向のズレ(オフセット)を示す値である。なお、オフセットは、道路のセンターラインや走行車線の中心線など、適当な基準に基づいて求められる。また、ヨー角は、偏向角とも呼ばれ、走行経路に対して車両の進んでいる方向を示す値である。
しかし、上記特開2001−10518号公報に開示された車両用操舵制御システムにおいては、車速による車両特性の変化を考慮せずにコントローラが設計されていたため、車速の高低によらず、一定の制御を行っていた。ここで、車両が高速で走行している場合、ドライバが比較的ステアリングホイールをしっかり握る傾向にある。このようにステアリングホイールをしっかり握った状態で操舵制御による転舵輪の転舵を行うと、転舵輪の転舵による反力変動がドライバに敏感に伝達され、この反力変動が微小な場合であってもドライバが違和感を覚えるおそれがあるという問題があった。
発明の概要
そこで、本発明は、車両が高速で走行する際に、アクチュエータによる転舵制御により起こるドライバに与える違和感を軽減することができる運転支援システムおよび運転支援方法を提供する。
本発明の第1の態様に係る運転支援システムは、転舵輪を転舵させるアクチュエータを備え、アクチュエータによる転舵によって車両の運転支援を行う運転支援システムである。この運転支援システムは、車両の車速を検出する車速検出ユニットと、車両の周囲情報を取得する周囲情報取得ユニットと、周囲情報取得ユニットによって取得された周囲情報に基づいて、車両の車両位置と車両の走行路との偏差として、車両の走行路に対する走行路横方向の車両の車両位置の変位量および車両の走行路に対する車両の傾きのうちの少なくとも一方を検出する位置偏差検出ユニットと、位置偏差検出ユニットによって検出した車両の車両位置と車両の走行路との偏差を解消するためにアクチュエータの転舵制御量を決定する転舵制御量決定ユニットと、転舵制御量決定ユニットの決定に基づいて、アクチュエータを制御する転舵制御ユニットと、を含んでおり、転舵制御量決定ユニットは、車両の車両位置と車両の走行路との偏差を解消するための車両の目標横加速度を求める目標横加速度決定ユニットを有しており、目標横加速度決定ユニットによって求めた目標横加速度に基づいて、転舵制御量を決定し、車速検出ユニットによって検出された車速が第1の所定値以上であるときに、車両の車両位置と車両の走行路との偏差に応じて、車速が大きいほど転舵制御量が小さくなるものである。
前記運転支援システムにおいては、車速が第1の所定値以上となっている状態で車両が走行している際、車速が大きいほど運転支援用操舵量が小さくなるように転舵制御量を決定している。このため、車速が大きいほどドライバに与える転舵輪の転舵による反力変動を小さくすることができる。したがって、車両が高速で走行する際に、ドライバに与える違和感を軽減することができる。
ここで、転舵制御量が、アクチュエータによって転舵輪に付与される操舵トルクを制御する操舵トルク制御量である態様とすることができる。
このように、転舵制御量として、アクチュエータによって転舵輪に付与される操舵トルクを制御する操舵トルク制御量を用いることにより、転舵制御量を容易に制御することができる。
るいは、車両の車両位置と車両の走行路との偏差は、車両における前方注視距離地点における車両の車両位置と車両の走行路との偏差である態様とすることができる。ここで「前方注視距離」は、運転者が注視している場所までの距離を表し、所定距離走行した後の車両位置の変位量を求める為の基準地点までの距離である。
また、車両の車両位置と車両の走行路との偏差に所定のゲインを乗じて得た値に基づいて転舵制御量を決定するものであり、前記車速検出ユニットによって検出された車速が所定値以上であるときに、前記車両の車両位置と前記車両の走行路との偏差に応じて、車速が大きいほど所定のゲインを小さくする態様とすることもできる。
このように、所定のゲインを車速に応じて小さくすることにより、転舵制御量を容易に求めることができる。
さらに、車両の車両位置と車両の走行路との偏差に基づいて、偏差を解消するための車両の目標旋回ヨーレートを決定する目標旋回ヨーレート決定ユニットをさらに備え、転舵制御量決定ユニットは、目標旋回ヨーレート決定ユニットによって決定した目標旋回ヨーレートに基づいて、転舵制御量を決定する態様とすることもできる。このように、目標旋回ヨーレートによって転舵制御量を決定することもできる。
本発明に係る運転支援システムによれば、車両が高速で走行する際に、アクチュエータによる転舵制御により起こるドライバに与える違和感を軽減することができる。
本発明の第2の態様は、転舵輪を転舵させるアクチュエータによる転舵によって車両の運転支援を行う運転支援方法である。この運転支援方法は、車両の車速を検出し、車両の周囲情報を取得し、周囲情報に基づいて、車両の車両位置と車両の走行路との偏差として、車両の走行路に対する走行路横方向の車両の車両位置の変位量および車両の走行路に対する車両の傾きのうちの少なくとも一方を検出し、車両の車両位置と車両の走行路との偏差を解消するためにアクチュエータの転舵制御量を決定し、転舵制御量に基づいて、アクチュエータを制御する。車両の車両位置と車両の走行路との偏差を解消するための車両の目標横加速度を求め、求めた目標横加速度に基づいて、転舵制御量を決定し、車速検出ユニットによって検出された車速が第1の所定値以上であるときに、車両の車両位置と車両の走行路との偏差に応じて、車速が大きいほど転舵制御量が小さくなるように転舵制御量が決定される。
本発明の上記及びその他の目的や特徴については、添付図面に関連する好適な実施形態の以下の説明から明らかになろう。
発明の実施形態の詳細な説明
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示すように、車両1に設けられる運転支援システムは、電子制御ユニット(ECU:ElectronicControl Unit)2を備えており、ECU2によって運転支援(車線維持制御)が制御される。図1に示されるように、車両1は、ステアリングホイール3を備えている。ステアリングホイール3は、車両1の車室内に配設されており、運転者によって操作されることで転舵輪(ここでは左右前輪FR,FL)を転舵させる。ステアリングホイール3は、ステアリングシャフト4の一端に固定されている。ステアリングシャフト4は、ステアリングホイール3の回転に伴って回転する。
ステアリングシャフト4の他端には、ステアリングギヤボックス5を介してラックバー6が連結されている。ステアリングギヤボックス5は、ステアリングシャフト4の回転運動をラックバー6の軸方向への直進運動に変換する機能を有している。ラックバー6の両端は、ナックルアーム7を介して車輪FL,FRの各ハブキャリアに連結されている。このように構成されているため、車輪FL,FRは、ステアリングホイール3が回転されると、ステアリングシャフト4やステアリングギヤボックス5(ラックバー6)を介して転舵される。
また、図2に示すように、車室内には、ルームミラーが設けられており、ルームミラーには、本発明の周囲情報取得ユニットである前方を撮像するCCDカメラ8が内蔵されている。CCDカメラ8は、車両1のフロントウィンドウ30越しに車両1の前方における所定領域内の周辺状況を撮影し、車両の周囲情報として車両の周囲画像を取得する。具体的には、道路50の車両1が走行している走行レーン51における周囲の状況の動画像を撮影する。
CCDカメラ8には、画像処理部9が接続されている。CCDカメラ8が撮影した周辺状況の画像データは、画像処理部9に出力される。画像処理部9は、CCDカメラ8による画像データを画像処理し、車両1が走行する道路上に描かれた道路区画線(白線)などを基に車線(レーン:走行経路)を検出する。撮像した画像や映像内では、路面とその上に描かれた白線との輝度差が大きく、白線は比較的検出しやすく、車両前方の車線を検出するのに都合がよい。
ECU2には、画像処理部9が接続されている。画像処理部9は、CCDカメラ8による画像データを画像処理して検出した車線に基づいて、前方走行経路のカーブ曲率(1/R)や、車線に対する車両1のオフセット距離Dおよびヨー角θを演算によって検出する。ここで、車両1のオフセット距離Dは、車両1の走行路に対する走行路横方向の車両位置の変位量に相当する。
画像処理部9は、検出した車線に基づいて、図3に示されるように、前方走行経路のカーブ曲率(χ=1/R)や、車線に対する車両1のオフセット距離Dおよびヨー角θを演算によって検出する。ここで、オフセット量Dは、車両1の前後方向の中心軸1aと、走行レーン51の右ライン51R,左ライン51Lの中心に描かれた中心線51Cの車両重心位置における接線51aとの横ずれ量に相当する。また、ヨー角θは、車両の前後方向の中心軸1aと走行レーン51の中心線51Cの車両重心位置における接線51aとのなす角度(傾き)に相当する。
画像処理部9は、これらの検出した前方走行経路のカーブ曲率(1/R)や、車線に対する車両1のオフセット距離Dおよびヨー角θをECU2に出力する。画像に基づいて、前方走行経路の各種情報量(カーブ曲率(1/R)や自車のオフセット距離D・ヨー角θ)を検出する方法は、公知の方法を用いることができる。ここでは、CCDカメラ8が撮像ユニットとして機能し、画像処理部9が位置偏差検出ユニットとして機能している。あるいは、画像処理部9は、画像をある程度処理した後にECU2に出力し、ECU2によってカーブ曲率(1/R)・オフセット距離D・ヨー角θを演算してもよい。この場合は、ECU2が位置偏差検出ユニットとして機能する。
さらに、ECU2には、舵角センサ10および車速センサ11も接続されている。舵角センサ10は、ステアリングホイール3の操舵角に応じた信号を出力する。また、車速センサ11は、各車輪に取り付けられた車輪速センサであり車両1の速度に応じた周期でパルス信号を発生する。車速センサ11は、車速検出ユニットとして機能している。なお、車速検出ユニットとして車体前後加速度を検出するセンサを取り付け、この出力を時間積分することで車速を得るようにすることも可能である。舵角センサ10の出力信号および車速センサ11の出力信号は、それぞれECU2に供給されている。ECU2は、舵角センサ10の出力信号に基づいてステア角を検出するとともに、車速センサ11の出力信号に基づいて車速を検出する。
また、ECU2には、ヨーレートセンサ12やナビゲーションシステム13、さらには操舵トルクセンサ14も接続されている。ヨーレートセンサ12は、車両1の重心近傍に配置され、重心鉛直軸回りのヨーレートを検出し、検出結果をECU2に送出する。また、ナビゲーションシステム13は、GPS等を利用して車両1の位置を検出するための装置である。ナビゲーションシステム13は、車両1前方のカーブ曲率(1/R)や勾配等の状況を検知する機能をも有している。ECU2は、ナビゲーションシステム13を用いて車両1の位置および走行すると予想される道路の状況を把握する。操舵トルクセンサ14は、ステアリングシャフトに取り付けられており、ドライバがステアリングホイールを転舵させた際の操舵トルクを検出する。操舵トルクセンサ14は、検出した操舵トルクをECU2に出力する。
さらに、ECU2には、モータドライバ15も接続されている。モータドライバ15には、上述したステアリングギヤボックス5に配設されたモータ(アクチュエータ)16が接続されている。図示されていないが、ラックバー6の一部外周面にはボールスクリュー溝が形成されており、モータ16のロータにはこのボールスクリュー溝に対応するボールスクリュー溝を内周面上に有するボールナットが固定されている。一対のボールスクリュー溝の間には複数のベアリングボールが収納されており、モータ16を駆動させるとロータが回転してラックバー6の軸方向の移動、すなわち、転舵のアシストをすることができる。モータドライバ15は、本発明の転舵制御ユニットとして機能し、ECU2は、本発明の転舵制御量決定ユニットおよび目標横加速度決定ユニットとして機能する。
モータドライバ15は、ECU2の指令信号に従ってモータ16に駆動電流を供給する。モータ16は、モータドライバ15から供給された駆動電流に応じた本発明の転舵制御量である操舵トルクをラックバー6に付与する。ECU2は、後述する論理に従ってモータドライバ15に指令信号を供給し、モータ16を駆動することにより、ラックバー6を変位させ、車輪FL,FRを転舵させる。
また、ECU2には、警告ランプ17および警報ブザー18が接続されている。警告ランプ17は、車室内に搭乗した乗員が視認可能な位置に配置されており、ECU2からの指令信号に従って点灯する。また、警報ブザー18は、ECU2からの指令信号に従って車室内へ音声を発する。ECU2は、後述する論理に従って警告ランプ17および警報ブザー18を駆動し、乗員に対して注意を喚起する。
次に、車線維持制御(運転支援制御)について簡単に説明する。まず、車線維持制御の概要を説明する。車線維持制御では、車両1の前方におけるカーブ曲率(1/R)および車速Vに基づいて、車両1をこのカーブに沿って走行させるために必要な横加速度を求める。また、車両1と車両1の走行路との偏差である現在のオフセット距離Dを目標オフセット距離D0とするために必要な横加速度を求める。同様に、車両1の現在のヨー角θを目標ヨー角θ0とするために必要な横加速度を求める。これらの横加速度を合算した目標横加速度を求める。車両に横加速度を発生させることで、車両1を前方カーブに沿って走行させるとともに、そのオフセット距離Dとヨー角θとをそれぞれ目標オフセット距離D0、目標ヨー角θ0に収束させ、オフセット距離Dを解消することができる。
続いて、具体的な車線維持制御について説明する。まず、CCDカメラ8による画像データに基づいて道路上の車線を検出する。次に、検出された車線に沿って車両1が走行するようにモータ16を駆動して車輪FL,FRを転舵させる。具体的には、CCDカメラ8による画像データに基づいて検出された道路上の車線と車両1との現実の位置関係を把握する。道路上の車線と車両1との現実の位置関係は、上述したカーブ曲率(1/R)やオフセット距離D、ヨー角θなどによって把握することができる。
次いで、所定の目標とする位置関係(前方走行経路に対する自車両の位置関係)を成立させるために必要な車両1を移動させる制御量(目標横加速度であり、モータ16の制御量(操舵トルク制御量)となる)を算出する。そして、算出された制御量に基づいて、モータ16を駆動させ、ラックバー6に操舵トルクを付与して車輪FL,FRを転舵させる。この転舵によって、運転者がステアリングホイール3を操作することなく、あるいは、運転者のステアリングホイール3の操作を補助して、車両1を道路上の車線に沿って走行させることが可能となる。
以下、本実施形態に係る運転支援システムにおいて、目標オフセット距離と目標ヨー角とから目標横加速度を直接求める手順について説明する。なお、本実施形態では、目標オフセット距離D0および目標ヨー角θ0をそれぞれ0として、さらに直線道路を走行する場合を例として説明する。
図4は、本実施形態に係る運転支援システムにおいて、目標オフセット距離と目標ヨー角とから目標横加速度を直接求める態様を説明するための図である。
図4に示すように、オフセット距離とヨー角とから目標横加速度を直接求める際には、まず、オフセット距離Dとヨー角θとを求める。そのため、CCDカメラ8によって、車両1の前方状況を撮像し、撮像した画像に基づいて画像処理部9やECU2などによって、前方走行経路の状況としてのカーブ曲率(1/R)と、車両1のオフセット距離Dおよびヨー角θとが算出される。なお、カーブ曲率(1/R)は、撮像された画像から前方カーブの曲率半径Rを幾何学的に求め、この逆数を取ることで求められる。
走行経路に対して目標となるオフセット距離Dやヨー角θは、目標オフセット距離D0および目標ヨー角θ0として予め決定されている。撮像画像から求められた車両1の現在のオフセット距離Dと目標オフセット距離D0との偏差(本実施形態では、オフセット距離Dに相当する)が第一演算部101で求められるとともに、ヨー角θと目標ヨー角θ0との偏差(本実施形態では、ヨー角θに相当する)が第二演算部102で求められる。
ここで、オフセット距離Dを補償する(目標値に収束させる)ために必要となる横加速度を求めるための制御ゲインについて説明する。上述したオフセット距離Dと目標オフセット距離D0とのオフセット距離偏差(D0−D)にゲイン係数をかけ、オフセット距離を補償する分の横加速度を算出する。ここでは、第一判定部103において、車速Vが所定高車速V1以上であるか否かを判定し、車速Vが所定高車速V1以上(V1≦V)である場合は、オフセット距離Dが同一であれば車速が大きくなるほど小さくなるゲイン係数K13を用いる第一乗算部105において乗算処理を行う。ここでの所定高車速V1としては、上記の所定高車速V1と同様、たとえば車両が自動車専用道路を非常に高速で走行する場合の車速、たとえば120〜150km/hの範囲の任意の速度を設定することができる。
また、車速Vが所定高車速V1未満である場合には、第二判定部104において、車速Vが、所定高車速V1よりも小さい所定低車速V0以上であるか否かを判定し、車速Vが、所定高車速V1よりも小さい所定低車速V0以上である場合(V0≦V<V1)には、車速がどのような値であっても目標横加速度が一定となるゲイン係数K12を用いる第二乗算部106において乗算処理を行う。さらに、車速Vが所定低車速V0未満である場合(V<V0)は、オフセット距離Dが同一であれば車速が大きくなるほど大きくなるゲイン係数K11を用いる第三乗算部107において乗算処理を行う。ここでの所定低車速V0としては、たとえば車両が自動車専用道路を走行する場合の最低車速、たとえば50〜80km/hの範囲の任意の速度を設定することができる。
次に、ヨー角θを補償する(目標に収束させる)ために必要となる横加速度について説明する。上述したヨー角θと目標ヨー角θ0との偏差(θ0−θ)にゲイン係数をかけ、ヨー角を補償する分の目標横加速度を算出する。ここでは、車速Vが所定高車速V1以上であるか否かを第三判定部108で判定し、車速Vが所定高車速V1以上である場合(V1≦V)は、オフセット距離Dが同一であれば車速が大きくなるほど小さくなるゲイン係数K23を用いる第四乗算部110において乗算処理を行う。また、車速Vが所定高車速V1未満である場合には、第四判定部109において、車速Vが、所定高車速V1よりも小さい所定低車速V0以上であるか否かを判定し、車速Vが、所定高車速V1よりも小さい所定低車速V0以上である場合(V0≦V<V1)には、車速がどのような値であっても目標横加速度が一定となるゲイン係数K22を用いる第五乗算部111において乗算処理を行う。さらに、車速Vが所定低車速V0未満である場合(V<V0)は、オフセット距離Dが同一であれば車速が大きくなるほど大きくなるゲイン係数K21を用いる乗算を行う第六乗算部112において乗算処理を行う。
こうして制御ゲインを決定したら、演算部113において、オフセット距離D、ヨー角θを補償するために必要となる横加速度を求めるための制御ゲインを用いて、下記の手順で目標横加速度を求める。
ここで、車速Vが所定低車速V0未満である場合(V<V0)の目標横加速度は下記(1)式で求めることができる。
(目標横加速度)=K11×(オフセット距離)+K21×(ヨー角) ・・・(1)
ただし、K11=K1・V、 K21=K2・Vであり、K1、K2は、Vに依存しない係数である。
また、車速Vが所定低車速V0以上所定高車速V1未満である場合(V0≦V<V1)の目標横加速度は下記(2)式で求めることができる。
(目標横加速度)=K12×(オフセット距離)+K22×(ヨー角) ・・・(2)
ただし、K12=K11・V0/V=K1・V0であり、K22=K21・V0/V=K2・V0である。
さらに、車速Vが所定高車速V1以上である場合(V1≦V)の目標横加速度は下記(3)式で求めることができる。
(目標横加速度)=K13×(オフセット距離)+K23×(ヨー角) ・・・(3)
ただし、K13=K12・V1/V=K1・V0・V1/V 、K23=K22・V1/V=K2・V0・V1/Vである。
こうして、目標横加速度を求めたら、トルク演算部114において、この目標横加速度を発生させるために必要な、転舵量(=モータ16の駆動トルク)が算出される。
そして、算出された駆動トルクを発生するようにEPS(電子制御パワーステアリング)115、すなわち、モータ16が駆動され、その結果、左右前輪FR,FLが転舵され、車両1は車線を維持すべく旋回される。車両1が旋回すると、再度CCDカメラ8によって前方の状況が撮像され、上述したことが繰り返される。
続いて、本実施形態に係る運転支援システムの制御手順について説明する。図5は、本実施形態に係る運転支援システムの制御手順を示すフローチャートである。
図5に示すように、運転支援システムにおける制御では、まず、白線情報の検出を行う(S1)。白線情報の検出は、CCDカメラ8で撮像された車両1の周囲の画像から、画像処理部9において白線を検出することによって行われる。また、検出した白線情報に基づいて、道路上の車線と車両1との現実の位置関係を把握する。道路上の車線と車両1との現実の位置関係は、上述したカーブ曲率(1/R)やオフセット距離D、ヨー角θなどによって把握する。
続いて、ドライバがステアリングホイールを保持しているか否かを判断する(S2)。ステアリングホイールを保持しているか否かは、操舵トルクセンサ14によって検出された操舵トルクや図示しないCCDカメラ等で撮像された画像中のドライバの動作画像に基づいて判断される。
その結果、ドライバがステアリングホイールを保持してないと判断した場合には、制御ゲインを通常の制御ゲインに設定する(S4)。通常のゲインは、たとえばオフセット距離に対するものとして制御ゲインK12、ヨー角に対するものとして制御ゲインK22を設定し、オフセット距離Dが同一であれば、それぞれ車速がどのような値であっても目標横加速度が一定となる値とする。ここで、ドライバがステアリングホイールを保持していない場合には、ステアリングホイールを通じてドライバが反力変動を感じることがないので、通常の制御ゲインに設定する。ただし、ステップS2における判断を省略し、ドライバがステアリングホイールを保持していない場合にも制御ゲインの設定を変更する態様とすることもできる。また、ドライバがステアリングホイールを保持していない場合には、通常の制御ゲインより大きな制御ゲインを設定しない態様とすることもできる。
また、ステップS2でドライバがステアリングを保持していると判断した場合には、現在の車速Vが、所定高車速V1以上となっているか否かを判断する(S3)。その結果、車速が所定高車速V1以上となっていると判断した場合には、制御ゲインとして通常の制御ゲインに対して、オフセット距離Dが同一であれば車速が大きくなるほど小さくなる制御ゲインを設定する(S5)。具体的に、オフセット距離に対するものとして制御ゲインK13(=K12・V1/V)、ヨー角に対するものとして制御ゲインがK23(=K22・V1/V)を設定する。このように、オフセット距離Dが同一であれば車速が大きくなるほど小さくなる制御ゲインを設定することにより、高速走行時における操舵トルクの反力変動を小さくすることができ、ドライバに対する違和感を軽減することができる。
一方、車速Vが所定高車速V1以上でないと判断した場合には、車速Vが所定低車速V0未満であるか否かを判断する(S6)。その結果、車速Vが所定低車速V0未満であると判断した場合には、制御ゲインとして、通常の制御ゲインに対して、オフセット距離Dが同一であれば車速が大きくなるほど大きくなる制御ゲインを設定する(S7)。具体的に、オフセット距離に対するものとして制御ゲインK11(=K1・V)、ヨー角に対するものとして制御ゲインがK21(=K2・V)を設定する。また、車速Vが所定低車速V0未満でないと判断した場合には、通常の制御ゲインを設定する(S4)。
こうして制御ゲインを決定したら、上記(1)式〜(3)式を用いて目標横加速度を求め、目標横加速度を達成するためのモータ16の制御量を算出する(S8)。モータ16の制御量を算出したら、算出した制御量をモータ16に出力する(S9)。そして、運転支援制御を終了する。
図6Aおよび図6Bには、目標横加速度と車速との関係が示されている。図6Aに示すように、従来の制御では、オフセット距離が同一である場合、車速によらず、すなわち、所定低車速V0未満でも所定高車速V1以上でも目標横加速度は常に一定であった。これに対して、本実施形態においては、オフセット距離が同一である場合において、車速Vが所定低車速V0未満のときには、車速が大きくなるほどオフセット補償のための目標横加速度が大きくなり、車速Vが所定高車速V1以上では、車速が大きくなるほどオフセット補償のための目標横加速度は小さくなる。このように、車速Vが所定高車速V1以上のときに、車速が大きくなるほど小さくなる制御ゲインとすることにより、高速走行時における操舵トルクの反力変動を小さくすることができ、ドライバに対する違和感を軽減することができる。
また、図6Bに示すように、従来の制御では、ヨー角が同一である場合、車速によらず、すなわち、所定低車速V0未満でも所定高車速V1以上でもヨー角補償のための目標横加速度は常に一定であった。これに対して、本実施形態においては、ヨー角が同一である場合において、車速Vが所定低車速V0未満のときには、車速が大きくなるほどヨー角補償のための目標横加速度が大きくなり、車速Vが所定高車速V1以上では、車速が大きくなるほどヨー角補償のための目標横加速度は小さくなる。このように、車速Vが所定高車速V1以上のときに車速が大きくなるほど小さくなる制御ゲインとすることにより、高速走行時における操舵トルクの反力変動を小さくすることができ、ドライバに対する違和感を軽減することができる。
本発明の第二の実施形態は、上記実施形態と同様の構成を有するが、上記第一の実施形態において、オフセット距離とヨー角とから、直接目標横加速度を求めているのに対して、本実施形態では、オフセット距離とヨー角にそれぞれ制御ゲインを乗じて、目標ヨーレートを求め、この目標ヨーレートに車速を乗じて目標横加速度を求める点において異なる。
本実施形態に係る車線維持制御では、車両1の前方におけるカーブ曲率(1/R)および車速Vに基づいて、車両1をこのカーブに沿って走行させるために必要なヨーレートωrを求める。また、車両1と車両1の走行路との偏差である現在のオフセット距離Dを目標オフセット距離D0とするために必要なヨーレートωdを求める。同様に、車両1の現在のヨー角θを目標ヨー角θ0とするために必要なヨーレートωθを求める。これらのωr,ωd,ωθを合算した目標ヨーレートωを求める。車両に目標ヨーレートωを発生させることで、車両1を前方カーブに沿って走行させるとともに、そのオフセット距離Dとヨー角θとをそれぞれ目標オフセット距離D0、目標ヨー角θ0に収束させ、オフセット距離Dを解消することができる。
以下、オフセット距離とヨー角とから目標ヨーレートを求め、この目標ヨーレートから目標横加速度を求める態様について図7に示すブロック図を参照して説明する。
オフセット距離とヨー角とから目標ヨーレートを求め、この目標ヨーレートから目標横加速度を求める際には、まず、オフセット距離とヨー角とを求める。そのため、CCDカメラ8によって、車両1の前方状況を撮像し、撮像した画像に基づいて画像処理部9やECU2などによって、前方走行経路の状況としてのカーブ曲率(1/R)と、自車両1のオフセット距離Dおよびヨー角θとが算出される。なお、カーブ曲率(1/R)は、撮像された画像から前方カーブの曲率半径Rを幾何学的に求め、この逆数を取ることで求められる。この態様においては、ECU2は、目標旋回ヨーレート決定ユニットとして機能する。
走行経路に対して目標となるオフセット距離やヨー角は、目標オフセット距離D0および目標ヨー角θ0として予め決定されている。撮像画像から求められた車両1の現在のオフセット距離Dと目標オフセット距離D0との偏差(本実施形態では、オフセット距離Dに相当する)が第一演算部121で求められるとともに、ヨー角θと目標ヨー角θ0との偏差(本実施形態では、ヨー角θに相当する)が第二演算部122で求められる。
ここで、オフセット距離Dを補償する(目標値に収束させる)ために必要となるヨーレートについて説明する。上述したオフセット距離Dと目標オフセット距離D0とのオフセット距離偏差(D0−D)にゲイン係数をかけてオフセット距離を補償する分のヨーレートを算出する。ここでは、第一判定部123において、車速Vが所定高車速V1以上であるか否かを判定し、車速Vが所定高車速V1以上である場合(V1≦V)は、オフセット距離Dが同一であれば車速が大きくなるほど小さくなるゲイン係数K33を用いる第一乗算部125において乗算処理を行う。ここでの所定高車速V1としては、上記の所定高車速V1と同様、たとえば車両が自動車専用道路を非常に高速で走行する場合の車速、たとえば120〜150km/hの範囲の任意の速度を設定することができる。
また、車速Vが所定高車速V1未満である場合には、第二判定部124において、車速Vが、所定高車速V1よりも小さい所定低車速V0以上であるか否かを判定し、車速Vが、所定高車速V1よりも小さい所定低車速V0以上である場合(V0≦V<V1)には、目標横加速度が一定となるゲイン係数K32を用いる第二乗算部126において乗算処理を行う。さらに、一方、車速Vが所定低車速V0未満である場合(V<V0)は、オフセット距離Dが同一であれば車速が大きくなるほど大きくなるゲイン係数K31を用いる第三乗算部127において乗算処理を行う。ここでの所定低車速V0としては、たとえば車両が自動車専用道路を走行する場合の最低車速、たとえば50〜80km/hの範囲の任意の速度を設定することができる。
次に、ヨー角θを補償する(目標に収束させる)ために必要となるヨーレートについて説明する。上述したヨー角θと目標ヨー角θ0との偏差(θ0−θ)にゲイン係数をかけてヨー角を補償する分の目標ヨーレートを算出する。ここでは、車速Vが所定高車速V1以上であるか否かを第三判定部128で判定し、車速Vが所定高車速V1以上である場合(V1≦V)は、車速が大きくなるほど小さくなるゲイン係数K43を用いる第四乗算部130において乗算処理を行う。また、車速Vが所定高車速V1未満である場合には、第四判定部129において、車速Vが、所定高車速V1よりも小さい所定低車速V0以上であるか否かを判定し、車速Vが、所定高車速V1よりも小さい所定低車速V0以上である場合には、目標横加速度が一定となるゲイン係数K42を用いる第五乗算部131において乗算処理を行う。さらに、車速Vが所定低車速V0未満である場合は、オフセット距離Dが同一であれば車速が大きくなるほど大きくなるゲイン係数K41を用いる乗算を行う第六乗算部132において乗算処理を行う。
また、上述したカーブ曲率(1/R)に基づいて、車両1をカーブに沿って走行させるために必要なヨーレートが算出される。このとき、カーブ曲率(1/R)および車速Vがフィードフォワードコントローラ133に入力され、入力されたカーブ曲率(1/R)および車速Vから所定の特性に従ってカーブ曲率(1/R)に関するヨーレートが算出される。このようにして算出された3つのヨーレートは加算部134において合算され、目標ヨーレートωが算出される。この目標ヨーレートωは、車速センサ11によって検出された車速Vを用いた目標横加速度算出部135において目標横加速度に変換される。
ここで、車速Vが所定低車速V0未満である場合の目標ヨーレートは下記(4)式で求めることができ、目標横加速度は、下記(5)式で求めることができる。
(目標ヨーレート)=K31×(オフセット距離)+K41×(ヨー角)+ωr ・・・(4)
ここで、K31、K41は、Vに依存しない係数である。
(目標横加速度)=(目標ヨーレート)×V ・・・(5)
また、車速Vが所定低車速V0以上所定高車速V1未満である場合の目標ヨーレートは下記(6)式で求めることができる。また、目標横加速度は、上記(5)式で求めることができる。
(目標ヨーレート)=K32×(オフセット距離)+K42×(ヨー角)+ωr ・・・(6)
ここで、K32=K31・V0/V、K42=K41・V0/Vである。
さらに、車速Vが所定高車速V1以上である場合の目標ヨーレートは下記(7)式で求めることができる。また、目標横加速度は、上記(5)式で求めることができる。
(目標ヨーレート)=K33×(オフセット距離)+K43×(ヨー角)+ωr ・・・(7)
ここで、K33=K32・V1/V=K31・V0・V1/V、K43=K42・V1/V=K41・V0・V1/Vである。
こうして、目標横加速度を求めたら、トルク演算部136において、この目標横加速度を発生させるために必要な、転舵量=モータ16の駆動トルクが算出される。
そして、算出された駆動トルクを発生するようにEPS(電子制御パワーステアリング)137、すなわち、モータ16が駆動され、その結果、左右前輪FR,FLが転舵され、車両1は車線を維持すべく旋回される。車両1が旋回すると、再度CCDカメラ8によって前方の状況が撮像され、上述したことが繰り返される。
図8Aおよび図8Bには、上述の通り求められた目標横加速度と車速との関係が示されている。図8Aに示すように、従来の制御では、オフセット距離が同一である場合、車速によらず、すなわち、所定低車速V0未満でも所定高車速V1以上でも目標横加速度は常に一定であった。これに対して、本実施形態においては、オフセット距離が同一である場合において、車速Vが所定低車速V0未満のときには、車速が大きくなるほどオフセット補償のための目標横加速度が大きくなり、車速Vが所定高車速V1以上では、車速が大きくなるほどオフセット補償のための目標横加速度は小さくなる。このように、車速が大きくなるほど小さくなる制御ゲインとすることにより、高速走行時における操舵トルクの反力変動を小さくすることができ、ドライバに対する違和感を軽減することができる。
また、図8Bに示すように、従来の制御では、ヨー角が同一である場合、車速によらず、すなわち、所定低車速V0未満でも所定高車速V1以上でもヨー角補償のための目標横加速度は常に一定であった。これに対して、本実施形態においては、ヨー角が同一である場合において、車速Vが所定低車速V0未満のときには、車速が大きくなるほどヨー角補償のための目標横加速度が大きくなり、車速Vが所定高車速V1以上では、車速が大きくなるほどヨー角補償のための目標横加速度は小さくなる。このように、車速が大きくなるほど小さくなる制御ゲインとすることにより、高速走行時における操舵トルクの反力変動を小さくすることができ、ドライバに対する違和感を軽減することができる。
なお、本実施形態では、目標横加速度に基づいてモータ16の駆動量を決定しているが、目標ヨーレートからモータ16の駆動量を決定する態様とすることもできる。
本発明の第三の実施形態は上記第一実施形態と同様の構成を有しているが、上記第一実施形態において、目標オフセット距離と目標ヨー角とから目標横加速度を直接求めるにあたり、車両1の走行路に対する走行路横方向の車両位置の変位量であるオフセット距離Dを解消するための制御量を求めているのに対して、本実施形態では、前方注視距離地点での車両位置と車両の走行路との偏差を解消するための制御量を求める態様としている点において異なる。この場合、車速Vが所定低車速V0未満である場合(V<V0)の目標横加速度は下記(8)式で求めることができる。
(目標横加速度)=K51・V×{(オフセット距離)+(前方注視距離)×(ヨー角)} ・・・(8)
ここで、K51は、Vに依存しない係数である。
また、車速Vが所定低車速V0以上所定高車速V1未満である場合(V0≦V<V1)の目標横加速度は下記(9)式で求めることができる。
(目標横加速度)=K52×{(オフセット距離)+(前方注視距離)×(ヨー角)} ・・・(9)
ただし、K52=V0・K51である。
さらに、車速Vが所定高車速V1以上である場合(V1≦V)の目標横加速度は下記(10)式で求めることができる。
(目標横加速度)=K53・(1/V)×{(オフセット距離)+(前方注視距離)×(ヨー角)} ・・・(10)
ただし、K53=V0・V1・K51である。
こうして求められた目標横加速度と車速との関係は、図9Aに示すようになる。図9Aに示すように、従来の制御では、目標横加速度は、車速によらずに常に一定であった。これに対して、本実施形態においては、オフセット距離が同一である場合において、車速Vが所定高車速V1以上では、車速が大きくなるほど目標横加速度は小さくなる。このように、車速が大きくなるほど小さくなる制御ゲインとすることにより、高速走行時における操舵トルクの反力変動を小さくすることができ、ドライバに対する違和感を軽減することができる。
本発明の第四の実施形態は上記第二実施形態と同様の構成を有しているが、上記第二実施形態において、目標オフセット距離と目標ヨー角とから目標ヨーレートを求め、この目標ヨーレートに基づいて目標横加速度を求めるにあたり、車両1の走行路に対する走行路横方向の車両位置の変位量であるオフセット距離Dを解消するための制御量を求めているのに対して、本実施形態では、前方注視距離地点での車両位置と車両の走行路との偏差を解消するための制御量を求める態様としている点において異なる。この場合、車速Vが所定低車速V0未満である場合(V<V0)の目標横加速度は下記(11)式で求めることができる。また、目標横加速度は、上記(5)式で求めることができる。
(目標ヨーレート)=K61×{(オフセット距離)+(前方注視距離)×(ヨー角)}+ωr ・・・(11)
ここで、K61は、Vに依存しない係数である。
また、車速Vが所定低車速V0以上所定高車速V1未満である場合の目標ヨーレート及び目標横加速度は下記(12)式で求めることができる。また、目標横加速度は、上記(5)式で求めることができる。
(目標ヨーレート)=K62・(1/V)×{(オフセット距離)+(前方注視距離)×(ヨー角)}+ωr ・・・(12)
ここで、K62=V0・K61である。
さらに、車速Vが所定高車速V1以上である場合の目標ヨーレートは下記(13)式で求めることができる。また、目標横加速度は、上記(5)式で求めることができる。
(目標ヨーレート)=K63・(1/V)×{(オフセット距離)+(前方注視距離)×(ヨー角)}+ωr ・・・(13)
ここで、K63=V0・V1・K61である。
こうして求められた目標横加速度と車速との関係は、図9Bに示すようになる。図9Bに示すように、従来の制御では、目標横加速度は、車速によらずに常に一定であった。これに対して、本実施形態においては、オフセット距離が同一である場合において、車速Vが所定高車速V1以上では、車速が大きくなるほど目標横加速度は小さくなる。このように、車速が大きくなるほど小さくなる制御ゲインとすることにより、高速走行時における操舵トルクの反力変動を小さくすることができ、ドライバに対する違和感を軽減することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態では、オフセット距離およびヨー角の両方を補償する目標ヨーレートまたは目標横加速度を求めているが、オフセット距離またはヨー角のいずれかを補償する目標ヨーレートまたは目標横加速度を求める態様とすることができる。また、オフセット距離Dの補償とヨー角θの補償との双方に同様の所定車速(所定低車速および所定高車速)を適用したが、オフセット距離Dとヨー角θとで異なる所定車速を用いることもできる。さらに、上記実施形態では、転舵制御量として、転舵輪を転舵させるモータの操舵トルクを制御しているが、たとえば転舵輪の転舵角度を制御する態様とすることもできる。また、上記実施形態では、周囲情報取得ユニットとしてCCDカメラを用いているが、たとえば高精度GPSやVICS(Vehicle Information and Communication System)など、車両と車両の走行路との偏差を求めることができるものを用いることもできる。
なお、本発明の好適な実施形態について詳述してきたが、当業者であれば明らかなように、特許請求の範囲により特定される本発明の思想及び範囲を逸脱することなく、本発明の変形及び改良を成すことができる。
本実施形態の運転支援システムのブロック構成図である。 車両に搭載されている画像部により走行車線の画像データが取得される状況を説明するための図である。 車両が走行車線を走行する際の各種道路パラメータおよび走行パラメータを説明するための図である。 目標オフセット距離と目標ヨー角とから目標横加速度を直接求める態様を説明するための図である。 運転支援システムの制御手順を示すフローチャートである。 図6Aがオフセット距離から直接求めた目標横加速度と車速との関係を示すグラフであり、図6Bがヨー角から直接求めた目標横加速度と車速との関係を示すグラフである。 目標オフセット距離と目標ヨー角とから目標ヨーレートを求め、この目標ヨーレートから目標横加速度を求める態様を説明するための図である。 図8Aがオフセット距離から求めた目標ヨーレートを介して求めた目標横加速度と車速との関係を示すグラフであり、図8Bがヨー角から求めた目標ヨーレートを介して求めた目標横加速度と車速との関係を示すグラフである。 図9Aがオフセット距離とヨー角と前方注視距離から求めた目標横加速度と車速との関係を示すグラフであり、図9Bがオフセット距離とヨー角と前方注視距離から求めた目標ヨーレートを介して求めた目標横加速度と車速との関係を示すグラフである。

Claims (13)

  1. 転舵輪(FR、FL)を転舵させるアクチュエータ(16)を備える運転支援システムにおいて、
    前記車両の車速を検出する車速検出ユニット(11)と、
    前記車両の周囲情報を取得する周囲情報取得ユニット(8)と、
    前記周囲情報取得ユニット(8)によって取得された周囲情報に基づいて、前記車両の車両位置と前記車両の走行路との偏差として、前記車両の走行路に対する前記走行路横方向の前記車両の車両位置の変位量(D)および前記車両の走行路に対する前記車両の傾き(θ)のうちの少なくとも一方を検出する位置偏差検出ユニット(2、9)と、
    前記位置偏差検出ユニット(2、9)によって検出した前記車両の車両位置と前記車両の走行路との偏差を解消するために前記アクチュエータの転舵制御量を決定する転舵制御量決定ユニット(2)と、
    前記転舵制御量に基づいて、前記アクチュエータ(16)を制御する転舵制御ユニット(15)と、を備えており、
    前記転舵制御量決定ユニット(2)は、前記車両の車両位置と前記車両の走行路との偏差を解消するための車両の目標横加速度を求める目標横加速度決定ユニットを有しており、前記目標横加速度決定ユニットによって求めた目標横加速度に基づいて前記転舵制御量を決定し、前記車速検出ユニット(11)によって検出された車速が第1の所定値以上であるときに前記車両の車両位置と前記車両の走行路との偏差に応じて車速が大きいほど前記転舵制御量が小さくなるように前記転舵制御量を決定すること、
    を特徴とする運転支援システム。
  2. 前記転舵制御量が、前記アクチュエータ(16)によって前記転舵輪(FR、FL)に付与される操舵トルクを制御する操舵トルク制御量である請求項1に記載の運転支援システム。
  3. 前記目標横加速度は、前記車両の走行路に対する前記走行路横方向の前記車両の車両位置の変位量(D)を解消するために必要な横加速度と、前記車両の走行路に対する前記車両の傾き(θ)を解消する為に必要な加速度とを合算して求められる請求項1または請求項2に記載の運転支援システム。
  4. 前記車速検出ユニット(11)によって検出された車速が前記第1の所定値より小さい第2の所定値より小さい場合、前記車両の車両位置と前記車両の走行路との偏差に応じて、車速が大きいほど前記転舵制御量が大きくなる請求項1〜請求項のいずれか1項記載の運転支援システム。
  5. 前記車速検出ユニット(11)によって検出された車速が前記第1の所定値より小さく前記第2の所定値以上である場合、前記車両の車両位置と前記車両の走行路との偏差に応じて、前記転舵制御量が一定となる請求項記載の運転支援システム。
  6. 前記車両の車両位置と前記車両の走行路との偏差は、前記車両における前方注視距離地点における前記車両の車両位置と前記車両の走行路との偏差である請求項1〜請求項のうちのいずれか1項に記載の運転支援システム。
  7. 前記転舵制御量決定ユニット(2)は、前記車両の車両位置と前記車両の走行路との偏差に所定のゲインを乗じて得た値に基づいて転舵制御量を決定するものであり、
    前記車速検出ユニット(11)によって検出された車速が所定値以上であるときに、前記車両の車両位置と前記車両の走行路との偏差に応じて、車速が大きいほど前記所定のゲインを小さくする請求項1または請求項2に記載の運転支援システム。
  8. 前記車速検出ユニット(11)によって検出された車速が前記第1の所定値より小さい第2の所定値より小さい場合、前記車両の車両位置と前記車両の走行路との偏差に応じて、車速が大きいほど前記所定のゲインを大きくする請求項記載の運転支援システム。
  9. 前記車速検出ユニット(11)によって検出された車速が前記第1の所定値より小さく前記第2の所定値以上である場合、前記転舵制御量が一定となるように前記所定のゲインが決定される請求項記載の運転支援システム。
  10. 前記車両の車両位置と前記車両の走行路との偏差に基づいて、前記偏差を解消するための車両の目標ヨーレートを決定する目標ヨーレート決定ユニット(2)をさらに備え、
    前記転舵制御量決定ユニット(2)は、前記目標ヨーレート決定ユニット(2)によって決定した目標ヨーレートに基づいて、転舵制御量を決定する請求項1または請求項2に記載の運転支援システム。
  11. 前記目標ヨーレートに車速を乗じて目標横加速度を求め、前記目標横加速度に基づいて、前記転舵制御量が決定される請求項10記載の運転支援システム。
  12. 前記目標ヨーレートは、車両を前記カーブにそって走行させる為に必要なヨーレートと、前記車両の走行路に対する前記走行路横方向の前記車両の車両位置の変位量(D)を解消するために必要なヨーレートと、前記車両の走行路に対する前記車両の傾き(θ)を解消する為に必要なヨーレートとを合算して求められる請求項10または11記載の運転支援システム。
  13. 転舵輪(FR、FL)を転舵させるアクチュエータ(16)による転舵によって車両の運転支援を行う運転支援方法において、
    前記車両の車速を検出し、
    前記車両の周囲情報を取得し、
    前記周囲情報に基づいて、前記車両の車両位置と前記車両の走行路との偏差として、前記車両の走行路に対する前記走行路横方向の前記車両の車両位置の変位量(D)および前記車両の走行路に対する前記車両の傾き(θ)のうちの少なくとも一方を検出し、
    前記車両の車両位置と前記車両の走行路との偏差を解消するために前記アクチュエータ(16)の転舵制御量を決定し、
    前記転舵制御量に基づいて、前記アクチュエータ(16)を制御し、
    前記車両の車両位置と前記車両の走行路との偏差を解消するための車両の目標横加速度を求め、求めた目標横加速度に基づいて、前記転舵制御量を決定し、前記車速が第1の所定値以上であるときに前記車両の車両位置と前記車両の走行路との偏差に応じて車速が大きいほど前記転舵制御量が小さくなるように前記転舵量を決定する
    運転支援方法。
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