JP4817526B2 - 光走査装置及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光走査装置及びそれを用いた画像形成装置に関し、特にレンズの表面反射(内部反射)やレンズ面間の反射によって発生する反射光が被走査面に入射し、ゴースト光(フレア光)となったときのその光量を低減させ、また像面湾曲、fθ特性、スポット径の均一性等の光学性能を良好に補正することのできる、例えば電子写真プロセスを有するレーザービームプリンタやデジタル複写機等の機器に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からレーザービームプリンタ等の光走査装置においては光源手段から画像信号に応じて光変調され射出した光束を、例えば回転多面鏡(ポリゴンミラー)より成る光偏向器により周期的に偏向させ、fθ特性を有するfθレンズ系によって感光性の記録媒体(感光ドラム)面上にスポット状に収束させ、該記録媒体面上を光走査して画像記録を行っている。
【0003】
図9は従来の光走査装置の光学系の主走査断面図、図10は図9の副走査断面図である。図9、図10において光源手段91から射出した発散光束はコリメーターレンズ92によって収束光束とされ、開口絞り93によって該光束を整形して副走査断面内におけるみに屈折力を有するシリンドリカルレンズ94に入射している。シリンドリカルレンズ94に入射した光束のうち主走査断面内においてはそのままの状態で射出し、副走査断面内においては収束して回転多面鏡から成る光偏向器95の偏向面95a近傍にほぼ線像として結像している。
【0004】
そして光偏向器95の偏向面95aで反射偏向された光束をfθ特性を有する走査光学手段である走査レンズ系(fθレンズ系)96を介して被走査面97としての感光ドラム面上へ導光し、該光偏向器95を矢印A方向に回転させることによって該感光ドラム面97上を矢印B方向(主走査方向)に光走査して画像情報の記録を行っている。
【0005】
この種の光走査装置において高精細な画像の記録を行うには、
(ア-1)被走査面全域にわたって像面湾曲が良好に補正されていること、
(ア-2)被走査面を等速で走査するための歪曲収差を有していること、
(ア-3)被走査面でのスポット径及びスポット形状が良好であること、
(ア-4)光偏向器の偏向面が回転軸に対して倒れた場合でも走査線の位置ズレが生じないように補正する倒れ補正機能を有していること、
等が挙げられる。
【0006】
更にこの種の光走査装置においては製作が容易と成るために走査レンズ系を反射コートなしの樹脂レンズで構成しており、そのため該樹脂レンズの表面反射(内部反射)やレンズ面間の反射によって発生する反射光が被走査面に入射し、ゴースト光(フレア光)となるのを防止またはその光量を低減させることが必要と成っている。
【0007】
これらの光学性能を良好に満たす光走査装置は従来から種々と提案されている。例えば上記のゴースト光(フレア光)を防止またはその光量を低減した光走査装置が、特開平7-287180号公報や特開平7-230051号公報等で種々と提案されている。
【0008】
上記特開平7-287180号公報や特開平7-230051号公報等の光走査装置は上記のゴースト光(フレア光)を防止またはその光量を低減するための手段として、例えばレンズをシフトまたはチルトさせたり、あるいは装置内部に遮光部材を設けたりしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
走査レンズ系を反射コートなしの樹脂レンズで構成した場合、該樹脂レンズのレンズ面で反射した反射光が光偏向器の偏向面に戻り、再び光偏向器で反射偏向され、被走査面上を走査し、ゴースト光となるという問題点が生じる。特に近年、感光ドラムの感度が高くなっているため、被走査面上でのこのようなゴースト光の存在が無視できなくなっている。
【0010】
上記特開平7-287180号公報や特開平7-230051号公報等の光走査装置ではゴースト光(フレア光)を防止またはその光量を低減させるためにレンズをシフトもしくはチルトさせたり、あるいは装置内に遮光部材を設けていることから走査線が湾曲し、画質が劣化するという問題点がある。また装置全体が複雑化し、コストアップの要因にもなる。
【0011】
また上記の特開平7-287180号公報や特開平7-230051号公報等の光走査装置はレンズの表面反射(内部反射)やレンズ面間の反射によって発生する反射光が光偏向器に戻り、再び被走査面へ向かい、ゴースト光(フレア光)となることについては全く考慮されていなかった。
【0012】
本発明はレンズの表面反射(内部反射)やレンズ面間の反射によって発生する反射光が被走査面上に入射し、ゴースト光(フレア光)となったときのその光量を低減させ、また簡易な構成で高画質な画像を得ることができる光走査装置及びそれを用いた画像形成装置の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の光走査装置は、光源手段と、前記光源手段から出射された光束を主走査方向において線像として偏向手段の偏向面に結像させる入射光学系と、前記偏向手段の偏向面にて偏向された光束を被走査面上に結像させる結像光学系と、を有する光走査装置において、
前記結像光学系を構成する全ての結像レンズは、樹脂レンズであり、前記樹脂レンズの全てのレンズ面は、反射防止膜がコートされておらず、
前記結像光学系を構成する最も偏向手段側の結像レンズは、主走査断面内において前記偏向手段側へ凹面を向けたメニスカスレンズであり、かつ、前記結像光学系を構成する最も偏向手段側の結像レンズの偏向手段側のレンズ面は、副走査断面内において平面形状又は前記偏向手段側に凸形状であり、
前記偏向手段の偏向面の副走査方向の高さをhp、前記結像光学系を構成する最も偏向手段側の結像レンズの前記偏向手段側のレンズ面の副走査方向の近軸曲率半径をRs、前記偏向面の中心から前記結像光学系を構成する最も偏向手段側の結像レンズの偏向手段側のレンズ面までの距離をL、前記入射光学系の偏向手段側の副走査方向のFナンバーをFNoとしたとき、
【数1】
を満足していることを特徴としている。
【0014】
請求項2の発明は請求項1の発明において、前記結像光学系を構成する最も偏向手段側の結像レンズの偏向手段側のレンズ面の副走査方向の近軸曲率半径をRs、前記結像光学系を構成する最も偏向手段側の結像レンズの偏向手段側のレンズ面の主走査方向の近軸曲率半径をRmとしたとき、
|Rm|/|Rs|<1
なる条件を満足することを特徴としている。
【0015】
請求項3の発明の画像形成装置は、請求項1又は2に記載の光走査装置と、前記被走査面に配置された感光体と、前記光走査装置で走査された光束によって前記感光体の上に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像手段と、現像されたトナー像を被転写材に転写する転写手段と、転写されたトナー像を被転写材に定着させる定着手段とを有することを特徴としている。
【0016】
請求項4の発明の画像形成装置は、請求項1又は2に記載の光走査装置と、外部機器から入力したコードデータを画像信号に変換して前記光走査装置に入力せしめるプリンタコントローラとを有していることを特徴としている。
【0025】
【発明の実施の形態】
[実施形態1]
図1は本発明の実施形態1の主走査方向の要部断面図(主走査断面図)、図2は本発明の実施形態1の副走査断方向の要部断面図(副走査断面図)である。
【0026】
尚、本明細書においては走査光学手段の光軸と光偏向器により偏向された光束とが形成する面を主走査断面、走査光学手段の光軸を含み主走査断面と直交する面を副走査断面と定義する。
【0027】
同図において1は光源手段であり、例えば半導体レーザーより成っている。2は第1の光学系としてのコリメーターレンズであり、光源手段1から出射された発散光束を略平行光束に変換している。3は開口絞りであり、通過光束を制限してビーム形状を整形している。4は第2の光学系としてのシリンドリカルレンズであり、副走査方向にのみ所定のパワーを有しており、開口絞り3を通過した光束を副走査断面内で後述する光偏向器5の偏向面(反射面)5aにほぼ線像として結像させている。尚、コリメーターレンズ2、開口絞り3、そしてシリンドリカルレンズ4等の各要素は入射光学手段11の一要素を構成している。
【0028】
5は偏向手段としての光偏向器であり、例えば4面構成のポリゴンミラー(回転多面鏡)より成っており、モーター等の駆動手段(不図示)により図中矢印A方向に一定速度で回転している。
【0029】
6は集光機能とfθ特性とを有する第3の光学系としてのfθレンズ系(走査レンズ系)(結像光学系)であり、光偏向器5側より順にプラスチック材より成る第1、第2の2枚のfθレンズ(結像レンズ)6a,6bを有し、該第1、第2のfθレンズ6a,6bの全てのレンズ面R1〜R4には反射防止膜がコートされていない。第1、第2のfθレンズ6a,6bは共に主走査断面内で非球面形状のトーリック面で形成され、光偏向器5によって反射偏向された画像情報に基づく光束を被走査面に配置された感光ドラム面7上にスポット状に結像させ、かつ副走査断面内において光偏向器5の偏向面5aと感光ドラム面7との間を共役関係にすることにより、倒れ補正機能を有している。第1のfθレンズ6aは少なくとも1面が主走査断面内で非円弧(非球面係数が0でないこと、また平面でもないこと)で、かつ主走査断面内で光偏向器5側へ凹面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズより成っている。第1のfθレンズ6aの光偏向器5側のレンズ面R1は、該光偏向器5側からの光束が該レンズ面R1で反射したとき、副走査断面内において平行光束もしくは発散光束となる形状をしている。本実施形態ではこのレンズ面R1の副走査断面内における形状を平面形状より形成しているが、曲面を有していても良い。
【0030】
7は被走査面としての感光ドラム面である。
【0031】
本実施形態において半導体レーザー1から射出した発散光束はコリメーターレンズ2により略平行光束に変換され、開口絞り3によって該光束(光量)が制限され、シリンドリカルレンズ4に入射している。シリンドリカルレンズ4に入射した略平行光束のうち主走査断面においてはそのままの状態で射出する。また副走査断面内においては収束して光偏向器5の偏向面5aにほぼ線像(主走査方向に長手の線像)として結像している。そして光偏向器5の偏向面5aで反射偏向された光束は第1、第2のfθレンズ6a,6bを介して感光ドラム面7上にスポット状に結像され、該光偏向器5を矢印A方向に回転させることによって、該感光ドラム面7上を矢印B方向(主走査方向)に等速度で光走査している。これにより記録媒体としての感光ドラム面7上に画像記録を行なっている。
【0032】
本実施形態におけるfθレンズ系6を構成する第1、第2のfθレンズ6a,6bの形状は次式の関数で表わされる。
【0033】
例えば第1、第2のfθレンズと光軸との交点を原点とし、図1に示すように光軸に対して走査開始側7aと走査終了側7bでの主走査断面内の面形状は、光軸をX軸、主走査断面内において光軸と直交する方向をY軸、副走査断面内で光軸と直交する方向をZ軸としたとき、
走査開始側7aの面形状は
【0034】
【数5】
【0035】
走査終了側7bの面形状は
【0036】
【数6】
【0037】
で表される。
【0038】
但し,Rは曲率半径、K,B4、B6、B8、B10は非球面係数である。係数のサフィックスsは走査開始側、サフィックスeは走査終了側を表している。
【0039】
また副走査方向は図2に示すように光軸に対して走査開始側と走査終了側で第1、第2のfθレンズ6a,6bの各レンズ面のうち、少なくとも一面の副走査断面内における曲率を、該レンズの有効部内において連続的に変化させており、またfθレンズ系6の主走査断面内における対称軸を被走査面の垂直二等分線に対して非対称な構成とし、副走査断面内において
走査開始側7aの面形状は
【0040】
【数7】
【0041】
走査終了側7bの面形状は
【0042】
【数8】
【0043】
で表される。
【0044】
但し、rは曲率半径、D2、D4、D6、D8、D10は係数である
本実施形態では副走査断面内におけるピント補正(像面湾曲補正)とfθレンズ系6の副走査断面内における倍率の一様性(スポット径の像高による変動)を補正するために第1のfθレンズ6aの射出側のレンズ面R2、第2のfθレンズ6bの両レンズ面R3、R4の副走査断面内における形状を後述する表−1に示すように光軸に対し連続的で、かつ非対称に変化させているが、主走査断面内におけるレンズ形状によっては1面のみの変化で両収差を補正することが可能であり、これによってレンズ形状が簡略化され、製造上有効であるという特徴を有する。
【0045】
次に本発明の目的を達成するための手段と効果について説明する。
【0046】
第1、第2のfθレンズ6a,6bは上記の如く共にコーティングのないプラスチックレンズ(樹脂レンズ)であり、表面反射率はその材質の屈折率が約1.5であるから、およそ4%である。このプラスチックレンズ(第1、第2のfθレンズ)6a,6bの最も光偏向器5側のレンズ面R1で反射される反射光が偏向面5aに戻り、再びfθレンズ系6を通過し、被走査面7上に入射し、ゴースト光(フレア光)となるとき、該被走査面7上でのその光量および集光状態によって画像が劣化する。特にゴースト光の光量が被走査面7上において3%以上の場合は肉眼でも判別できる程度まで画質が劣化するので、3%以下に抑えることが望ましい。
【0047】
図11に示すように第1のfθレンズ96aのレンズ面R1で反射して再び光偏向器95で偏向され、被走査面97上に入射するゴースト光の光量を低減するために、本実施形態では図2に示すようにfθレンズ系6の最も光偏向器5側のレンズ面R1の副走査断面内における曲率半径を無限大、つまり平面で構成し、該レンズ面R1で反射して偏向面5aに戻った反射光の副走査方向の広がりを、該偏向面5aの副走査方向の高さhpより広がるように各光学要素を設定している。
【0048】
即ち、レンズ面R1からの反射光が偏向面5aに戻ったとき、該偏向面5a上での副走査方向の広がりは、光偏向器5の偏向点P(偏向面5aの中心)から第1のfθレンズ6aのレンズ面R1までの距離をL、レンズ面R1の副走査断面内における曲率半径をRs、シリンドリカルレンズ4の副走査断面内における有効F値(Fナンバー)をFNOとしたとき、
【0049】
【数9】
【0050】
で表される。
【0051】
シリンドリカルレンズ4の副走査断面内における有効F値は、該シリンドリカルレンズ4の焦点距離fと副走査断面内におけるビーム幅Dの比で与えられる。例えば光偏向器5の偏向面5aの反射率が95%のとき、該偏向面5aに戻った反射光の副走査方向の広がりは、該偏向面5aの副走査方向の高さhpより後述するように約8%以上広がって入射すれば、被走査面7上でのゴースト光の光量は3%以下に抑えられる。
【0052】
本実施形態における第1,第2のfθレンズ6a,6bは前述の如く各々反射コート無しのプラスチックレンズで構成されており、該第1のfθレンズ6aの少なくとも一面の副走査断面内における近軸曲率半径をRs、主走査断面内における近軸曲率半径をRmとしたとき、
|Rm|/|Rs|<1 ‥‥(1)
なる条件を満足するように設定している。
【0053】
即ち、本実施形態では第1の最も偏向器側の結像レンズであるfθレンズ6aの光偏向器5側のレンズ面R1の主走査断面内(主走査方向)における近軸曲率半径Rmを副走査断面内(副走査方向)における近軸曲率半径Rsより小さく成るように設定することにより、偏向面5aにレンズ面R1からの反射光が戻りやすくしている。このような場合は反射光の副走査方向の広がりを偏向面5aの副走査方向の高さhpより広くすると、さらに有効となる。
【0054】
そこで本実施形態では上記条件式(1)を満たすと共に、偏向面5aの副走査方向の高さhpを
【0055】
【数10】
【0056】
なる条件を満足するように設定している。これにより本実施形態では被走査面7上でのゴースト光の光量を低減させている。
【0057】
更に本実施形態ではレンズ面R1で反射した反射光が光偏向器5の偏向面5aで反射し、fθレンズ系6に戻る光束の割合をX(%)としたとき、該割合X(%)は、上述した値を用いて、
となり、上記の如く反射光が偏向面5aの副走査方向の高さhpより約8%以上広がって入射すれば、被走査面7上でのゴースト光の光量は3%以下に抑えられることから、
【0058】
【数11】
【0059】
なる条件を満足するように設定している。
【0060】
次に上記の条件式(1),(2),(3)の技術的意味について説明する。
【0061】
条件式(1)は主走査断面内における近軸曲率半径Rmと副走査断面内における近軸曲率半径Rsとの比に関するものであり、条件式(1)を外れると偏向面にレンズ面R1からの反射光が戻りにくくなるので良くない。
【0062】
条件式(2)はレンズ面R1からの反射光の副走査方向の広がりを偏向面の副走査方向の高さhpより広くするための条件であり、条件式(2)を外れると被走査面上でのゴースト光の光量を低減させることが難しくなってくるので良くない。
【0063】
条件式(3)は条件式(2)において、光偏向器の偏向面で反射し,第3の光学系に戻る光束の割合Xも含めて考慮したものであり,条件式(3)を外れると条件式(2)と同様に被走査面上でのゴースト光の光量を低減させることが難しくなってくるので良くない。
【0064】
表−1に本実施形態の光学パラメータを示す。
【0065】
【表1】
【0066】
本実施形態において第1のfθレンズ6aは主走査断面内において光偏向器5側へ凹面を向けた正のメニスカスレンズであり、第1、第2のfθレンズ6a、6bのうち、少なくとも1面の副走査断面内における曲率を、該レンズの有効部内において連続的で、かつ光軸に対して非対称に変化させており、またfθレンズ系6の主走査断面内における対称軸を被走査面8の垂直二等分線に対して非対称な構成としている。尚、光軸は主走査断面内における被走査面の垂直二等分線と一致させている。
【0067】
表−1から本実施形態の第1のfθレンズ6aのレンズ面R1の形状は、Rm=−34.3、Rs=∞より
|Rm|/|Rs|=0
であり、これは条件式(1)を満たしている。また
{2L(L+Rs)}/(Rs・FNO)=3.1、
hp=2.0
であり、これは条件式(2)を満たしている。また
X×{2L(L+Rs)}/(Rs・FNO)=2.8
hp=2.0
であり、これは条件式(3)を満たしている。
【0068】
更に図3に示すように本実施形態では像面湾曲、fθ特性、スポットの均一性等の光学性能も良好に補正されている。
【0069】
このように本実施形態では上述の如く第1のfθレンズ6aの光偏向器5側のレンズ面R1を副走査断面内において平面形状より形成すると共に、上記条件式(1),(2),(3)のうち1つ以上を満たすことにより、被走査面上でのゴースト光の光量を低減することができ、また第1、第2のfθレンズ6a、6bのレンズ形状を適切に設定することにより,像面湾曲、fθ特性、スポットの均一性等の光学性能も良好に補正することができる。
【0070】
尚、本実施形態ではfθレンズ系6を2枚のレンズで構成したが、これに限らず、例えば1枚や3枚以上のレンズであっても、実施形態1と全く同様の効果を得ることができる。また第1のfθレンズ6aのレンズ面R1以外のレンズ面で反射し、光偏向器へ戻り、被走査面上に入射するゴースト光も、該第1のfθレンズ6aの副走査断面内における形状により光偏向器に戻る際、発散光束にすることも可能である。
【0071】
[実施形態2]
図4は本発明の実施形態2の主走査方向の要部断面図(主走査断面図)である。同図において図2に示した要素と同一要素には同符番を付している。
【0072】
本実施形態において前述の実施形態1と異なる点はfθレンズ系6を構成する第1、第2のfθレンズ16a,16bの副走査断面内における曲率半径を異ならせて形成したことである。その他の構成及び光学的作用は実施形態1と略同様であり,これにより同様な効果を得ている。
【0073】
即ち、同図において16は集光機能とfθ特性とを有する第3の光学系としてのfθレンズ系(走査レンズ系)であり、光偏向器5側より順にプラスチック材より成る第1、第2の2枚のfθレンズ16a,16bを有し、該第1、第2のfθレンズ16a,16bの全てのレンズ面R1〜R4には反射防止膜がコートされていない。第1、第2のfθレンズ16a,16bは共に主走査断面内で非球面形状のトーリック面で形成され、光偏向器5によって反射偏向された画像情報に基づく光束を被走査面としての感光ドラム面7上にスポット状に結像させ、かつ副走査断面内において光偏向器5の偏向面5aと感光ドラム面7との間を共役関係にすることにより、倒れ補正機能を有している。第1のfθレンズ16aは少なくとも1面が主走査断面内で非円弧(非球面係数が0でないこと、また平面でもないこと)であり、かつ主走査断面内で光偏向器5側へ凹面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズより成っている。第1のfθレンズ16aの光偏向器5側のレンズ面R1は、該光偏向器5側からの光束が該レンズ面R1で反射したとき、副走査断面内において平行光束もしくは発散光束となる形状をしている。本実施形態ではこのレンズ面R1の副走査断面内における形状を光偏向器5側に凸面を向けた形状より形成している。
【0074】
表−2に本実施形態の光学パラメータを示す。
【0075】
【表2】
【0076】
本実施形態においては第1のfθレンズ16aの光偏向器5側のレンズ面R1の副走査断面内における形状を、該光偏向器5側に凸面を向けた形状にしたことにより、該レンズ面R1で反射した反射光が、実施形態1よりもさらに副走査方向に広がった発散光束として偏向面に戻る。よって被走査面7上でのゴースト光の光量は実施形態1よりさらに低減させることができる。
【0077】
表−2から本実施形態の第1のfθレンズ16aのレンズ面R1の形状は、Rm=−34.3、Rs=50.0より
|Rm|/|Rs|=0.686
であり、これは条件式(1)を満たしている。また
{2L(L+Rs)}/(Rs・FNO)=4.6、
hp=2.0
であり、これは条件式(2)を満たしている。また
X×{2L(L+Rs)}/(Rs・FNO)=4.2
hp=2.0
であり、これは条件式(3)を満たしている。
【0078】
更に図5に示すように本実施形態では像面湾曲、fθ特性、スポットの均一性等の光学性能も良好に補正されている。
【0079】
このように本実施形態では上述の如く第1のfθレンズ16aの光偏向器5側のレンズ面R1を副走査断面内において該光偏向器5側に凸を向けた形状より形成すると共に、上記条件式(1),(2),(3)のうち1つ以上を満たすことにより、被走査面上でのゴースト光の光量を低減することができ、また第1、第2のfθレンズ16a、16bのレンズ形状を適切に設定することにより,像面湾曲、fθ特性、スポットの均一性等の光学性能も良好に補正することができる。
【0080】
[参考例1]
図6は本発明の参考例1の主走査方向の要部断面図(主走査断面図)である。同図において図2に示した要素と同一要素には同符番を付している。
【0081】
本参考例において前述の実施形態1と異なる点はfθレンズ系26を構成する第1、第2のfθレンズ26a,26bの副走査断面内における曲率半径を異ならせて形成したことである。その他の構成及び光学的作用は実施形態1と略同様であり,これにより同様な効果を得ている。
【0082】
即ち,同図において26は集光機能とfθ特性とを有する第3の光学系としてのfθレンズ系(走査レンズ系)であり、光偏向器5側より順にプラスチック材より成る第1、第2の2枚のfθレンズ26a,26bを有し、該第1、第2のfθレンズ26a,26bの全てのレンズ面R1〜R4には反射防止膜がコートされていない。第1、第2のfθレンズ26a,26bは共に主走査断面内で非球面形状のトーリック面で形成され、光偏向器5によって反射偏向された画像情報に基づく光束を被走査面としての感光ドラム面7上に結像させ、かつ副走査断面内において光偏向器5の偏向面5aと感光ドラム面7との間を共役関係にすることにより、倒れ補正機能を有している。第1のfθレンズ26aは少なくとも1面が主走査断面内で非円弧(非球面係数が0でないこと、また平面でもないこと)であり、かつ主走査断面内で光偏向器5側へ凹面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズより成っている。第1のfθレンズ26aの光偏向器5側のレンズ面R1は、該光偏向器5側からの光束が該レンズ面R1で反射したとき、副走査断面内において平行光束もしくは発散光束となる形状をしている。本参考例ではこのレンズ面R1の副走査断面内における形状を光偏向器5側に弱い凹を向けた形状より形成している。
【0083】
表−3に本参考例の光学パラメータを示す。
【0084】
【表3】
【0085】
本参考例においては第1のfθレンズ26aの光偏向器5側のレンズ面R1の副走査断面内における形状を、該光偏向器5側に弱い凹を向けた形状にしたことにより、該レンズ面R1で反射した反射光は、実施形態1よりもさらに副走査方向に広がった弱発散光として偏向面に戻る。よって被走査面7上でのゴースト光の光量は実施形態1よりさらに低減させることができる。
【0086】
表−3から本参考例の第1のfθレンズ26aのレンズ面R1の形状は、Rm=−34.3、Rs=−350より
|Rm|/|Rs|=0.098
であり、これは条件式(1)を満たしている。また
{2L(L+Rs)}/(Rs・FNO)=2.8、
hp=2.0
であり、これは条件式(2)を満たしている。また
X×{2L(L+Rs)}/(Rs・FNO)=2.6
hp=2.0
であり、これは条件式(3)を満たしている。
【0087】
更に図7に示すように本参考例では像面湾曲、fθ特性、スポットの均一性等の光学性能も良好に補正されている。
【0088】
このように本参考例では上述の如く第1のfθレンズ26の光偏向器5側のレンズ面R1を副走査断面内において光偏向器5側に凹を向けた形状より形成すると共に、上記条件式(1),(2),(3)のうち1つ以上を満たすことにより、被走査面上でのゴースト光の光量を低減することができ、また第1、第2のfθレンズ26a、26bのレンズ形状を適切に設定することにより、像面湾曲、fθ特性、スポットの均一性等の光学性能を良好に補正することができ、更に本参考例では副走査方向の横倍率を低減させ、ピッチムラによる画像劣化を低減させている。
【0089】
[画像形成装置]
図8は、前述した実施形態1又は2の光走査装置を用いた画像形成装置(電子写真プリンタ)の実施形態を示す副走査断面内における要部断面図である。図8において、符号104は画像形成装置を示す。この画像形成装置104には、パーソナルコンピュータ等の外部機器117からコードデータDcが入力する。このコードデータDcは、装置内のプリンタコントローラ111によって、画像データ(ドットデータ)Diに変換される。この画像データDiは、各実施形態1、2、3で示した構成を有する光走査ユニット100に入力される。そして、この光走査ユニット(光走査装置)100からは、画像データDiに応じて変調された光ビーム(光束)103が射出され、この光ビーム103によって感光ドラム101の感光面が主走査方向に走査される。
【0090】
静電潜像担持体(感光体)たる感光ドラム101は、モータ115によって時計廻りに回転させられる。そして、この回転に伴って、感光ドラム101の感光面が光ビーム103に対して、主走査方向と直交する副走査方向に移動する。感光ドラム101の上方には、感光ドラム101の表面を一様に帯電せしめる帯電ローラ102が表面に当接するように設けられている。そして、帯電ローラ102によって帯電された感光ドラム101の−表面に、前記光走査ユニット100によって走査される光ビーム103が照射されるようになっている。
【0091】
先に説明したように、光ビーム103は、画像データDiに基づいて変調されており、この光ビーム103を照射することによって感光ドラム101の表面に静電潜像を形成せしめる。この静電潜像は、上記光ビーム103の照射位置よりもさらに感光ドラム101の回転断面内における下流側で感光ドラム101に当接するように配設された現像器107によってトナー像として現像される。
【0092】
現像器107によって現像されたトナー像は、感光ドラム101の下方で、感光ドラム101に対向するように配設された転写ローラ(転写器)108によって被転写材たる用紙112上に転写される。用紙112は感光ドラム101の前方(図7において右側)の用紙カセット109内に収納されているが、手差しでも給紙が可能である。用紙カセット109端部には、給紙ローラ110が配設されており、用紙カセット109内の用紙112を搬送路へ送り込む。
【0093】
以上のようにして、未定着トナー像を転写された用紙112はさらに感光ドラム101後方(図8において左側)の定着器へと搬送される。定着器は内部に定着ヒータ(図示せず)を有する定着ローラ113とこの定着ローラ113に圧接するように配設された加圧ローラ114とで構成されており、転写部から撒送されてきた用紙112を定着ローラ113と加圧ローラ114の圧接部にて加圧しながら加熱することにより用紙112上の未定着トナー像を定着せしめる。更に定着ローラ113の後方には排紙ローラ116が配設されており、定着された用紙112を画像形成装置の外に排出せしめる。
【0094】
図8においては図示していないが、プリントコントローラ111は、先に説明したデータの変換だけでなく、モータ115を始め画像形成装置内の各部や、光走査ユニット100内のポリゴンモータなどの制御を行う。
【0095】
【発明の効果】
本発明によれば前述の如く第3の光学系の最も偏向手段側のレンズの副走査断面内における形状を平面、もしくは光偏向器側に凸の形状より形成することにより、被走査面上でのゴースト光(フレア光)の光量を低減させることができ、また第3の光学系を構成するレンズの形状を適切に設定することにより、像面湾曲、fθ特性、スポット径の均一性も良好に補正することができる高画質な光走査装置及びそれを用いた画像形成装置を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1の主走査断面図
【図2】 本発明の実施形態1の副走査断面図
【図3】 本発明の実施形態1の光学性能を示した図
【図4】 本発明の実施形態2の副走査断面図
【図5】 本発明の実施形態2の光学性能を示した図
【図6】 本発明の参考例1の副走査断面図
【図7】 本発明の参考例1の光学性能を示した図
【図8】 本発明の光走査装置を用いた画像形成装置(電子写真プリンタ)の構成例を示す副走査断面図
【図9】 従来の光走査装置の主走査断面図
【図10】 従来の光走査装置の副走査断面図
【図11】 光走査装置において被走査面に向かうゴースト光を表す主走査断面図
【符号の説明】
1 光源手段(半導体レーザ)
2 第1の光学系(コリメータ−レンズ)
3 開口絞り
4 第2の光学系(シリンドリカルレンズ)
5 偏向手段(光偏向器)
5a 偏向面
6,16,26 第3の光学系(fθレンズ系)
6a,16a,26a 第1のfθレンズ
6b,16b,26b 第2のfθレンズ
7 被走査面(感光ドラム面)
11 入射光学手段
100 光走査装置
101 感光ドラム
102 帯電ローラ
103 光ビーム
104 画像形成装置
107 現像装置
108 転写ローラ
109 用紙カセット
110 給紙ローラ
111 プリンタコントローラ
112 転写材(用紙)
113 定着ローラ
114 加圧ローラ
115 モータ
116 排紙ローラ
117 外部機器
Claims (4)
- 光源手段と、前記光源手段から出射された光束を主走査方向において線像として偏向手段の偏向面に結像させる入射光学系と、前記偏向手段の偏向面にて偏向された光束を被走査面上に結像させる結像光学系と、を有する光走査装置において、
前記結像光学系を構成する全ての結像レンズは、樹脂レンズであり、前記樹脂レンズの全てのレンズ面は、反射防止膜がコートされておらず、
前記結像光学系を構成する最も偏向手段側の結像レンズは、主走査断面内において前記偏向手段側へ凹面を向けたメニスカスレンズであり、かつ、前記結像光学系を構成する最も偏向手段側の結像レンズの偏向手段側のレンズ面は、副走査断面内において平面形状又は前記偏向手段側に凸形状であり、
前記偏向手段の偏向面の副走査方向の高さをhp、前記結像光学系を構成する最も偏向手段側の結像レンズの前記偏向手段側のレンズ面の副走査方向の近軸曲率半径をRs、前記偏向面の中心から前記結像光学系を構成する最も偏向手段側の結像レンズの偏向手段側のレンズ面までの距離をL、前記入射光学系の偏向手段側の副走査方向のFナンバーをFNoとしたとき、
を満足していることを特徴とする光走査装置。 - 前記結像光学系を構成する最も偏向手段側の結像レンズの偏向手段側のレンズ面の副走査方向の近軸曲率半径をRs、前記結像光学系を構成する最も偏向手段側の結像レンズの偏向手段側のレンズ面の主走査方向の近軸曲率半径をRmとしたとき、
|Rm|/|Rs|<1
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。 - 請求項1又は2に記載の光走査装置と、前記被走査面に配置された感光体と、前記光走査装置で走査された光束によって前記感光体の上に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像手段と、現像されたトナー像を被転写材に転写する転写手段と、転写されたトナー像を被転写材に定着させる定着手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1又は2に記載の光走査装置と、外部機器から入力したコードデータを画像信号に変換して前記光走査装置に入力せしめるプリンタコントローラとを有していることを特徴とする画像形成装置。
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