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JP4818941B2 - 延焼防止方法及びその方法に使用する延焼防止器具 - Google Patents
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延焼防止方法及びその方法に使用する延焼防止器具 Download PDF

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Description

本発明は、漏油火災現場において燃焼漏洩油の流出拡大を阻止するための延焼防止方法及びその方法に使用する延焼防止器具に関するものである。
漏油火災(貯蔵設備などから漏れた油に着火して発生する火災) はその物理的科学的性質から火災拡大の速度が極めて速く、しかもその規模が拡大してからではその消火が極めて困難になることから、消火できる態勢が整うまで、とにかく燃焼漏洩油の流出拡大阻止による延焼防止を図ることが重要となる。そこで、本出願人は、漏油火災初期において有効な、延焼防止方法とその方法に使用する延焼防止器具を特願2006−155067号として提案している。
この延焼防止方法によれば、変形自在で長尺の筒体を使用して、防災対象領域と発災領域を区切るとともに、その発災領域に連続する誘導領域を形成し、燃焼漏洩油を発災領域から誘導領域に誘導することにより、延焼するおそれのある防災対象領域に火災が拡大することを防止できる。この際、防災対象領域と発災領域を区切り発災領域に連続する誘導領域を形成する筒体の壁面から水を染み出させ、その染み出した水の膜で筒体の壁面を被覆することにより、火炎の熱から筒体を保護しその損傷を防ぎ、防災対象領域と発災領域を区切った状態及び誘導領域を維持することができる。また、発災領域及び誘導領域に染み出した水を溜めておくことにより、燃焼漏洩油を水面で燃焼させて油温を低く保ち、火炎の勢いを抑えることができる。更に、溜めた水の水位を筒体の高さを超えない範囲で保つことにより、燃焼漏洩油が筒体を乗り越えて防災対象領域に流出することもない。
なお、この延焼防止方法において「染み出す」とは、筒体中の通水が壁面を伝って流出する状態、例えば、壁面を布で形成した場合において布繊維の隙間を通って壁の全表面から湧き出てくるような状態を指す。筒体中の通水を、壁に設けた貫通孔を通して流出させた場合、孔径がきわめて小さいと筒体を火炎の熱から保護するために必要な流出量を確保することができない。また、孔径を、筒体の保護に必要な流出量が確保できる程度のものとした場合、そこから流出する水は放物線を描き筒体から離れた位置で溜まってしまうため、やはり、筒体を火炎の熱から保護できない。更に、貫通孔を通して流出させた場合、火炎の熱から筒体を保護しその損傷を防ぐための水膜が、筒体の壁面に形成されることもない。従って、この延焼防止方法では、筒体中の通水を、壁の全表面から湧き出るような状態で流出させること、すなわち染み出させることが必要となる。
特願2006−155067号
上記従来の延焼防止方法に使用される給水源には、消火栓等、非常時にのみ使用されるものが多くなることが想定される。しかしながら、そのような給水源から供給される水は錆、塵などを多く含んでいるため、筒体の壁面において水を染み出させるための隙間がそれら塵などによって狭められ、壁面から染み出る水の量が少なくなるおそれがあった。そして、筒体の壁面を染み出した水の膜で筒体の壁面を十分に保護することができず、火炎の熱による筒体の損傷を招くおそれがあった。
また、上記従来の延焼防止方法では、筒体の壁面から常時水を染み出させるために、大量の水を供給し、更に、壁面から染み出た水を適切に処理する必要があった。そのため、供給能力や排水処理能力の低い施設では使用できないおそれがあった。
そこで、本発明は、給水の質によることなく、また、給水能力や排水処理能力の低い施設においても使用できる、漏油火災初期において有効な、延焼防止方法とその方法に使用する延焼防止器具を提供すること目的とする。
本発明にかかる延焼防止方法では、耐熱性布状物で形成され耐水性を備える変形自在で長尺の筒体を地面に配置した後、該筒体に水を充填して膨らませた状態として、防災対象領域と発災領域を区切るとともに、該発災領域に連続する誘導領域を形成し、燃焼漏洩油を該発災領域から該誘導領域に誘導する
なお、本発明において耐熱性布状物とは、耐熱性や耐火性に優れた布であって、筒体とした際その内部に水を保持できる耐水性を備えるものであれば、織物であっても不織布であってもよい。例えば、ガラス繊維などの無機耐熱性繊維を密に織り上げた布であってもよく、具体的には、天ぷら鍋消火に用いられる防火シートに用いられる布であってもよい。また、本発明において耐水性とは、筒体の内部に水を保持できる程度であればよく、水を全く浸透させないものである必要はない。例えば、筒体に水を充填した後時間を置くと水が若干染み出る程度であれば、本発明の耐水性を備えていることになる。また、熱に対して不変である必要もなく、例えば、加熱されることにより若干滴り落ちる程度の水漏れを始めるものであれば、本発明の耐水性を備えていることになる。
該誘導領域を、発災前に予め形成した退避領域に連続させてもよい。
該筒体を、該筒体より高い耐摩耗性を備える変形自在で長尺の保護用筒体で被覆した状態で配置してもよい。
本発明にかかる延焼防止方法によれば、まず、従来の延焼防止方法と同様に、延焼するおそれのある防災対象領域に火災が拡大することを防止できる。すなわち、変形自在で長尺の筒体を水で膨らませた状態で防災対象領域と発災領域を区切ることにより、延焼するおそれのある防災対象領域に流出しようとする燃焼漏洩油をせき止め、防災対象領域に火災が拡大することを防止できる。一方、防災対象領域と発災領域を区切る筒体は、耐熱性布状物で形成されているため、壁面を水の膜で覆わなくとも、火炎の熱により損傷することはない。そのため、筒体には、燃焼漏洩油をせき止めることができるような膨らんだ形状を維持するために必要な量の水を充填すればよく、従来の延焼防止方法のように大量の水を供給し続ける必要はない。また、壁面から水を染み出させる必要がないため、給水に塵などが含まれていても、筒体の耐熱性に影響を及ぼすこともない。従って、給水の質によることなく、また、給水能力や排水処理能力の低い施設においても使用することができる。
なお、筒体に充填される水の使用量は、意図しない大量の漏洩などがなければある程度決まるため、貯水タンクを給水源とすることができる。その場合、水位による圧力を利用して充填できるため、圧力の高い給水設備を持たない施設でも利用できるという利点もある。
発災領域が防災対象領域に極めて近い場合や、発災領域において消火することが難しい場合等は、防災対象領域と発災領域を区切るとともに、発災領域に連続する誘導領域を形成し、燃焼漏洩油を発災領域から誘導領域に誘導することとしてもよい。この場合、誘導領域でより安全に燃焼させることにより、積極的な消火ができない状態においても防災対象領域への火災の拡大をより確実に防止できる。また、誘導領域は、発災前に予め形成した退避領域に連続させてもよく、その場合、燃焼漏洩油を誘導領域から退避領域に誘導して、後続の消火活動を円滑に行える状態とすることができる。なお、退避領域として、例えば、可燃性液体を取り扱う施設の周囲に巡らせた防火溝などが挙げられる。
筒体を配置する際には、筒体をそれ自体より高い耐摩耗性を備える変形自在で長尺の保護用筒体で被覆した状態としてもよい。筒体を形成する耐熱性布状物がガラス繊維からなる場合、筒体を地面で引き回してしまうと、地面に擦れた部分の強度が低下し充填された水の漏洩を招くおそれがある。そのため、筒体の配置作業では地面を引き回すことのないよう細心の注意が必要となるが、より高い耐摩耗性を備える保護用筒体で被覆した状態とすれば筒体が直接地面に擦れるおそれがないため、設置作業負担を低減できる。なお、保護用筒体は、筒体の配置作業において筒体自体が地面と擦れ合うことを防げるものであればよく、筒体の配置作業完了後に燃焼漏洩油の熱で損傷しても問題にならない。そのため、筒体そのものに求められる耐熱性は不要である。しかしながら、筒体と同程度の柔らかさと、筒体より高い引っ張り強度を持つことが好ましい。筒体を形成する耐熱性布状物がガラス繊維からなる場合、筒体は柔らかいものとなり、充填する水の圧力を低くすれば、膨らんで地表面に隙間無く密着した状態となる。ところが、保護用筒体が筒体より硬いと、筒体を膨らませることを想定した圧力の水を筒体に充填しても、保護用筒体が膨らむことの妨げとなり、保護用筒体の表面に皺ができ、地表面との間に燃焼漏洩油の流出を許す隙間を形成するおそれがある。一方、筒体を形成する耐熱性布状物がガラス繊維からなる場合、筒体の引っ張り強度はあまり高くなく、筒体に水を充填する作業(充水作業)の初期段階で圧力の調整が充分に行われず一時的に筒体内の圧力が高くなることがあると、その圧力で筒体が破裂するおそれがある。ところが、保護用筒体の引っ張り強度が高いと、保護用筒体が筒体の過度の膨張を防止し、充水作業の初期段階における破裂を防止できるという効果も得ることができる。従って、保護用筒体は、筒体と同程度の柔らかさと、高い引っ張り強度を持つことが好ましい。更に、筒体を被覆できる範囲で筒体の径とほぼ同じ程度としておくことが好ましい。保護用筒体の径が筒体の径より大きくなると、筒体が膨らんだ状態となっても保護用筒体の表面に皺ができ、地表面との間に燃焼漏洩油の流出を許す隙間を形成するおそれがあるからである。
筒体の形態として、まず、直状で一端が閉塞し他端が給水源に接続可能となっているものが考えられる。しかしながら、防災対象領域と発災領域を区切るとともに発災領域に連続する誘導領域を形成できるものであれば、その形態に制限はない。例えば、発災領域の周囲を誘導領域として利用できる場合は、発災領域と誘導領域を囲む環状体とこの環状体から延出する直状体で構成され、直状体の開口端が高圧水供給源に接続自在となっているものであってもよい。
本発明にかかる延焼防止方法に使用する延焼防止器具は、耐熱性布状物で形成された変形自在で長尺の筒体で構成されているため、地面に所望の形で配置して、防災対象領域と発災領域を区切ることができる。また、必要な場合には、発災領域に連続する誘導領域を形成することもできる。そして、筒体は耐水性を備えるため、配置作業が終了した後に水を充填すると、燃焼漏洩油をせき止めることができるような膨らんだ形状を維持することができる
この延焼防止器具は、筒体が直状で、一端が閉塞しているものであってもよく、その場合、給水開始後、短時間で、筒体を水で膨らませることができる。この際、閉塞している一端は、他の筒体の端部と連結及び連通が自在となっていてもよく、その場合、発災現場の状況に応じて長さや形状を調整することができる。なお、ここにいう他の筒体の端部とは、この延焼防止器具を構成する筒体の端部の他、より高い耐摩耗性を有する筒体も含む。例えば、この延焼防止器具を配置する場所が給水源から離れている場合には、その配置場所までは耐熱性は低いものの耐摩耗性の高い通常の消防ホースを使用してより効率の良い配置作業を行うことができるからである。
耐熱性布状物として、ガラス繊維を密に織り上げた布を採用した場合、そのような布は液状の水は通しにくいものの水蒸気はよく通すことができるため、そのような布で形成された筒体が熱に曝されて高くなった内圧で破裂する可能性は低い。しかしながら、水蒸気を通しにくい布を採用した場合は、閉塞している一端を、筒体の内圧が所定値以上となった場合に開放し、筒体内の水を外部に放出する弁で塞ぐものとしておけば、内圧が上昇した場合にその内圧で筒体が破裂することを防止できる。また、この場合、筒体の水蒸気の通しやすさに関わらず、緊急充水の勢いによる筒体の破裂を防止することができるという効果も得られる。更に、ある程度の量であれば連続給水が可能な給水設備を備えている場合は、弁から常時適量の放水状態を保つことにより、筒体の形状を安定させることができるという効果も得られる。なお、弁から常時適量の放水状態を保った場合、筒体内部の水温は常時流れるため、水温を低い状態で維持して蒸気発生による内圧上昇を防ぐこともできる。更にまた、水蒸気をよく通すことができる布を採用した場合であっても、何らかの原因で内圧が上昇することも考えられるため、やはり、閉塞している一端を、筒体の内圧が所定値以上となった場合に開放し、筒体内の水を外部に放出する弁で塞ぐものとしておくことは、筒体の破裂を防止するために好ましい。
この延焼防止器具は、筒体が、開閉自在の環状部と、この環状部から延出する直状部を備え、直状部の開口端が高圧水供給源に接続自在となっているものであってもよく、その場合、環状部を開けた状態とすれば配置作業を容易に行うことができ、配置作業が終了し給水を開始した後、短時間で、筒体を水で膨らませることができる。
図1を参照しながら、本発明の具体例を説明する。図1は、本発明の延焼防止器具を使用して本発明の延焼防止方法が実施された発災現場の概略を示す平面図である。
まず、この延焼防止方法の実施に好適な、延焼防止器具について説明する。この延焼防止器具は、耐熱性布状物で形成された耐水性を備える変形自在で長尺の筒体1で構成されている。そして、その筒体1の一端1aが閉塞している。耐熱性布状物として、天ぷら鍋消火に用いられる防火シートであるファイヤーストップ(製品名、旭ファイバーグラス株式会社製)と同じ布が採用されている。
この延焼防止器具によれば、地面に所望の形で配置して、防災対象領域と発災領域を区切ることができる。また、必要な場合には、発災領域に連続する誘導領域を形成することもできる。そして、配置作業が終了した後に水を充填すると、燃焼漏洩油をせき止めることができるような膨らんだ形状を維持することができる。
また、この筒体1の閉塞している一端1aは、他の筒体の端部と連結及び連通が自在となっている。こうすると、発災現場の状況に応じて長さや形状を調整することができる。例えば、図示は省略するが、発災領域が広い場合や、広い誘導領域を形成する必要がある場合には、複数の筒体を連結して、必要十分な長さの筒体を得ることができる。また、この延焼防止器具を配置する場所が給水源から離れている場合には、その配置場所までは耐熱性は低いものの耐摩耗性の高い通常の消防ホースを使用してより効率の良い配置作業を行うことができる。
ファイヤーストップと同じ布で形成した筒体1は、液状の水は通しにくいものの水蒸気はよく通すことができるため、熱に曝されて高くなった内圧で破裂する可能性が低いものとなっている。しかしながら、水蒸気を通さない布を採用した場合は、閉塞している一端1aを、筒体1の内圧が所定値以上となった場合に開放し、筒体1内の水を外部に放出する弁で塞ぐものとしておけば、内圧が上昇した場合にその内圧で筒体が破裂することを防止できる。なお、そのような弁として、公知の調圧弁を採用することができる。
次に、延焼防止方法について説明する。なお、この具体例は、可燃性の液体を取り扱う施設において、所定の間隔で並べて配置された設備の一つで発災した状況を想定している。
この延焼防止方法の実施にあたり、まず、上記延焼防止器具の閉塞していない他端を給水源2に接続する。次に、延焼防止器具を構成する筒体1で、防災対象領域4と発災領域5を区切るとともに発災領域5に連続する誘導領域7を形成する。この具体例では、発災した設備とその周辺近傍が発災領域5と、発災した設備の両隣の設備とそれら設備の周辺近傍が防災対象領域4となる。また、この発災現場には、発災した設備から所定距離の位置に防火溝11が予め設けられており、発災領域5とこの防火溝11との間が誘導領域7となる。
防災対象領域4と発災領域5を区切るとともに発災領域5に連続する誘導領域7を形成したら、筒体1に水を充填し膨らませた状態とすることにより、延焼するおそれのある防災対象領域4に流出しようとする燃焼漏洩油をせき止めることができる。そのため、防災対象領域4に火災が拡大することを防止できる。
なお、この施設では、ある程度の量であれば連続給水が可能な給水設備を備えているため、通常の放水作業により燃焼漏洩油3の誘導が行われている。この具体例では、発災領域5の誘導領域7に接する側を前として、発災領域5の後方から通常の消火ホース12を使用した放水を行うことで、燃焼漏洩油3の誘導を行っている。
このように、防災対象領域4と発災領域5を区切るとともに、その発災領域5に連続する誘導領域7を形成し、燃焼漏洩油3を発災領域5から誘導領域7に誘導することとすれば、誘導領域7でより安全に燃焼させることにより、積極的な消火ができない状態においても防災対象領域5への火災の拡大をより確実に防止できる。
この具体例において、発災前に予め形成した防火溝11の内部を退避領域9とし、誘導領域7は、この退避領域9に連続するものとなっている。そのため、燃焼漏洩油3を誘導領域7から退避領域9に誘導して、後続の消火活動を円滑に行える状態とすることができる。特に、この具体例のように、退避領域を防火溝の内部とすれば、直線状の一次元火災に収束させることができ、後続の消火活動を極めて容易に行うことができるため好ましい。
この具体例において発災した施設のように放水できる程度の給水設備が無く、放水による燃焼漏洩油3の誘導作業を行うことができない場合であっても、筒体1が膨らんだ形状を維持している限り、防災対象領域4に流出しようとする燃焼漏洩油3をせき止め、防災対象領域4に火災が拡大することを防止できる。ただし、この場合、防災対象領域4への輻射熱の影響を低減させるために、筒体1は防災対象領域4からできる限り離れた位置で発災領域5を狭めるように配置することが好ましい。
次に、図2を参照しながら、本発明にかかる延焼防止方法及び延焼防止器具の他の具体例を示す。図2は、本延焼防止方法が実施された発災現場の概略を示す平面図である。なお、図2において、図1で示した上記具体例と実質的に同じ部分には同符号を付し、その説明を省略または簡略化するものとする。
この具体例が適用される図2に示す発災現場では、発災した設備の周囲が全て防災対象領域4となっている。しかしながら、隣接する設備までの距離があるため、退避領域7を、防災対象領域4に火炎の影響が及ばない範囲で最大の直径を有する円形としている。このように、退避領域7が閉じた領域である場合、筒体1として、開閉自在の環状部1dと、この環状部1dから延出する直状部1eを備え、その直状部1eの開口端が高圧水供給源2に接続自在となっているものを採用できる。この場合、環状部1dを開けた状態とすれば配置作業を容易に行うことができ、配置作業が終了した後、環状部1dを閉めた状態とすれば短時間で、筒体中に水を充填し膨らんだ状態とすることができる。
環状部1dは、途中に設けられた連結具15を着脱することにより、開閉自在となっている。この連結具15には、公知の消火ホース用の連結金具を採用してもよい。ただし、連結具15の径が筒体1の径よりも大きいと、連結具15と地表面との隙間が大きくなり、その隙間から燃焼漏洩油の流出を許すおそれがある。従って、連結具14の径は筒体1の径と等しいことが好ましい。なお、上述の、直状の筒体1の閉塞している一端1aを他の筒体の端部と連結及び連通自在とする場合においても同様に、一端1aに設置する治具の径は筒体1の径と等しいことが好ましい。また、連結にかかる部位の径が筒体1の径よりも大きくなる場合は、その部位は土嚢などで保護しておくことが好ましい。
上記図1に示す具体例、及び上記図2に示す具体例において、筒体1は、地面で引き回された場合等に地面に擦れると、その擦れた部分の強度が低下し充填された水の漏洩を招くおそれがあるものとなっている。そのため、筒体1より高い耐摩耗性を備える変形自在で長尺の保護用筒体10で筒体1を覆った状態で、配置されている。図3は、保護用筒体で覆った状態の筒体の一部分を示す正面図である。この場合、筒体1が直接地面に擦れるおそれがないため、万が一地面を引き回されたとしても、擦れた部分の強度低下による充填された水の漏洩を招くおそれがない。
保護用筒体10として、一般にブルーシートと称されている合成樹脂製シートで形成した長尺の筒状体が採用されている。また、その径は、筒体1を被覆できる範囲で筒体1の径とほぼ同じ程度となっている。そのため、皺を生じさせることなく配置することができるとともに、筒体1が膨らんだ状態となった場合にも表面に皺ができることもなく、地表面との間に燃焼漏洩油の流出を許す隙間ができることを防止できるものとなっている。更に、充水作業の初期段階における筒体1の破裂を防止できるものとなっている。
筒体1はまた、その内部に充填される水の圧力が低いことから、ねじれた状態で配置されると変形し、地表面との間に燃焼漏洩油の流出を許す隙間を多く生じさせる可能性がある。そのため、その配置に際しては、巻いた状態の筒体1をその巻いた状態から除除に開放する配置用器具を使用し、ねじれが生じないように配置している。図4は配置用器具の概観を示す斜視図である。
この配置用器具の使用に際しては、まず、筒体1の一端を給水源2或いは給水源2に接続した給水用ホースの一端に接続する。そして、配置用器具のハンドル部21を把持し、作業者の体の側部において吊り下げた状態を維持しながら、作業者は筒体1を配置したい位置に沿って移動すればよい。すると、巻き取られた筒体1は、軸部22を中心に、筒体1の巻取状態を開放する方向に回転し、巻取状態から開放された筒体1が所望の位置に配置されることになる。
筒体1は、地面に展張した状態から普通の消防ホースの一重巻きと同様に下流側から上流側に向かって巻いたものを、前記軸部22にそのまま装着すればよい。筒体1の下流側先端には、前記連結具15や調圧弁が付帯されていれば、巻き取った状態の中心部には隙間が形成されるので、この隙間に軸部22を差し込むことができる。軸部22は、その一端22aのみがハンドル部21から垂直に延出する支柱部24に固定され、他端22bは鉤状に折り曲げ自在となっている。この場合、軸部22を直状にすれば、巻いた状態の筒体1を簡単に着脱することができ、軸部22を鉤状に曲げれば、使用時における筒体1の脱落を防止できる。
本発明の延焼防止器具を使用して本発明の延焼防止方法が実施された発災現場の概略を示す平面図である。 本発明にかかる延焼防止器器具の他の具体例が実施された発災現場の概略を示す平面図である。 保護用筒体で覆った状態の筒体の一部分を示す平面図である。 配置用器具の概観を示す斜視図である。
符号の説明
1 筒体
1a 一端
1d 環状部
1e 直上部
2 高圧水供給源
3 燃焼漏洩油
4 防災対象領域
5 発災領域
7 誘導領域
9 退避領域
10 保護用筒体
11 防火溝
12 消火ホース
15 連結具
21 ハンドル部
22 軸部
22a 一端
22b 他端
24 支柱部

Claims (3)

  1. 耐熱性布状物で形成され耐水性を備える変形自在で長尺の筒体(1)を地面に配置した後、該筒体(1)に水を充填して膨らませた状態として、防災対象領域(4)と発災領域(5)を区切るとともに、該発災領域(5)に連続する誘導領域(7)を形成し、燃焼漏洩油(3)を該発災領域(5)から該誘導領域(7)に誘導することを特徴とする延焼防止方法。
  2. 該誘導領域(7)を、発災前に予め形成した退避領域(9)に連続させる請求項に記載の延焼防止方法。
  3. 該筒体(1)を、該筒体(1)より高い耐摩耗性を備える変形自在で長尺の保護用筒体(10)で被覆した状態で配置する請求項1又は2に記載の延焼防止方法。
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