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JP4821160B2 - コークス炉ドアの補修方法 - Google Patents
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Description

本発明は、コークス炉ドアの補修方法に係わり、特に、コークス炉ドアの寿命を従来より格段に延長可能とする補修方法に関する。
一般に、高炉等で使用される強度の高い所謂「冶金コークス」は、強粘結性を有する石炭を多く配合した原料炭を室炉式コークス炉に装入し、乾留することで製造される。また、現在稼動中のコークス炉は、老朽化が進んだものが多いが、地球環境の観点より新規な建設が難しい状況にある。従って、製鉄業者にとっては、コークス炉をできるだけ長く使用できるよう努力することが重要な課題となっている。
ところで、コークス炉の各炭化室には、製造されたコークスを炉外へ押し出すため、開閉式のドアが設けられている。このドアは、図1に示すように、鉄枠1に耐火性キャスタブル3を組み込んだ構造であるが、高温下で使用されるので損耗が激しい。つまり、約1年程度の使用で衝撃の繰り返しを受け、図1に示すように、キャスタブル3の一部が欠損する。そのため、その欠損部分4を補修材で直しては再使用している。
しかしながら、現在採用している補修方法では、欠損部分との密着が今一歩で、満足できる補修状態が得られていないのが現状である。すなわち、コークス炉の炉蓋補修方法として、補修の必要な欠損箇所に欠損部と同材質の骨材を含む補修材を流し込み補修するとの提案があるが(特許文献1参照)、その方法では、自然乾燥を待つために十分な数の予備の炉蓋、つまりコークス炉ドア、を保有することが必要であるばかりでなく、高温下で通常使用される耐火物(補修材)の接着剤(バインダともいう)には、高温下で接合強度を発現する接合剤を使用して、高温下での補修材の長寿命化を図っている。室温(常温)で接合強度を発現する接着剤を使用したのでは、高温下で使用した際、焼失して補修材の強度が維持できないからである。このような従来の補修方法では、高温下で接合強度を発現する接着剤を使用しているので、完全なる自然乾燥を待ってから、補修済みコークス炉ドアを再利用しなければならなかった。
特開2000−73066号公報
本発明は、かかる事情に鑑み、補修が迅速に行われるばかりでなく、補修後の補修材の寿命が従来よりも延長可能なコークス炉ドアの補修方法を提供することを目的としている。
発明者は、上記目的を達成するため、新規な補修材の開発に鋭意努力し、その成果を本発明に具現化した。
すなわち、本発明は、コークス炉ドアの欠損したキャスタブル部分を補修するに当たり、補修材に添加する接着剤として、ポリビニールアルコール、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、デキストリン及びメチルセルロースから選ばれた一種又は二種以上からなり、室温で接合強度を発現する第一の接着剤と、SiO :30〜60mass%、Al :5〜20mass%、B :15〜40mass%、Na O:10〜20mass%からなり、高温で接着強度を発現する第二の接着剤とを併用し、且つ前記第一の接着剤を前記補修材を構成するモルタル100質量部に対し10〜16質量部、前記第二の接着剤を10〜15質量部それぞれ含有させることを特徴とするコークス炉ドアの補修方法である。
本発明によれば、温で接合強度を発現する第一の接着剤と、温で接着強度を発現する第二の接着剤とを併用して補修を行うので、補修に際して、第の接着剤による接合強度が発現し、完全な自然乾燥を待つことなくコークス炉ドアの補修が完了する。その結果、補修済みコークス炉へのドアの取り付けが迅速になると共に、コークスの製造過程でドアが受ける熱履歴によって、第の接着剤の接合強度が発現し、補修したコークス炉ドアであっても新品と同様な長寿命が達成できるようになる。
以下、発明に至った経緯をまじえ、本発明の実施の形態を説明する。
まず、発明者は、従来の補修方法を見直し、高温で接合強度を発現する接着剤だけでなく、室温で接合強度を発現する接着剤をも補修材に含有させれば、広い温度範囲で該補修材と被補修箇所の物質(例えば、キャスタブル・ブロック)との密着性が向上すると考えた。そして、実際のコークス炉ドアから試片としてキャスタブル・ブロック(以下、単にブロックという)を切り出し、このブロックと、高温で接合強度を発現する接着剤及び室温で接合強度を発現する接着剤を混合添加した補修材との密着性能について実験を行った。
ブロックには、未使用のコークス炉ドアから40×40×160mmのサイズで切り出したもの(ブロックA),使用済みコークス炉ドアのキャスタブルの平滑な面から切り出したもの(ブロックB)及び凹凸面から切り出したもの(ブロックC)の3種類を選んだ。そして、実験は、これらブロックの上面に、台形柱状(40mmφ、37mmφ、高さ25mm)のPP(ポリプロピレン製)製型枠を載せ、該型枠内にモルタル及び前記2種類の接着剤(以下、温で有効なものを第一の、温で有効なものを第二の接着剤という)を水で混練した物質(補修材に相当する)を充填した後、室温で2〜5日間放置して自然乾燥させてから、800℃で2時間以上かけて焼成することで行った。実験成績は、各焼成後の試料について、ブロックと充填物質との接着強度及び充填物質自体の圧縮強度を測定し、その測定値で評価した。なお、充填物質(つまり、補修材)の圧縮強度は、台形柱を横向きにして圧縮して求めた(上面からの圧縮では、強度が強く500kgfを超えて、各試料間で差がないため)。また、実験では、モルタル及び接着剤の種類と量を適宜変更し、種々に条件で充填を行った。
その結果、通常のモルタルに、室温及び高温(500〜900℃程度)で接着力を発揮する上記第一及び第二の接着剤をそれぞれ適量配合し、水で混練しても何ら支障がないことを確認でき、かかる接着剤の使用を要件にしたコークス炉ドアの補修方法を開発したのである。
この温で接合強度を発現する第一の接着剤と、温で接合強度を発現する第二の接着剤を併用した補修材を利用するコークス炉ドアの補修方法によれば、まず、欠損を生じたコークス炉ドアを取り外し、その欠損部分に上記補修材を充填する。充填後に第の接着剤は迅速に接合強度を発現するので、被補修対象のコークス炉ドアは搬送が可能となり、コークス炉の取り外した位置に移動して、新しい補修済みドアとして取り付けができる。なお、搬送中に充填した補修材が脱落することなく、ハンドリングも円滑に行えた。このことは、従来の補修方法に比べ、補修時間を短縮できるばかりでなく、補修部分での亀裂発生、自然乾燥不十分に起因するドア取り付け時の亀裂発生等が防止でき、補修箇所の長寿命に貢献する。
なお、本発明では、補修材として利用するモルタルの化学組成については、特に限定しない。使用時の温度に耐えれば、いかなる化学組成であっても良いからである。また、接着剤は、室温及び高温で接着力(それぞれ第1及び第2の接着剤という)を発揮する2種類が必要であった。施工時及び使用時に接着力が必要だからである。
(実施例1)
前記ブロックA,ブロックB及びブロックCに対する具体的な実験結果の例を表1〜3に示す。この場合、第1の接着剤及び第2の接着剤としては、後の実施例2で使用するものと同じものである。なお、表1〜表3には、比較のため第1及び第2の接着剤を配合せず、モルタルのみの場合も示してある。これらの表より、本発明に係る混練物、つまり補修材は、接着強度及び圧縮強度が共に大きいことが明らかである。
Figure 0004821160
Figure 0004821160
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(実施例2)
第一の接着剤として、ポリビニールアルコール、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、デキストリン及びメチルセルロースから選ばれた一種又は二種以上を用いる。また、第二の接着剤として、SiO2:30〜60mass%、Al23:5〜20mass%、B23:15〜40mass%,Na2O:10〜20mass%よりなる無機ガラス質フリットを使用した。
また、それら接合剤のモルタルに対する配合量は、モルタル100質量部に、第1の接着剤を10〜16質量部及び第2の接着剤を10〜15質量部とする必要があった。第1の接着剤及び第2の接着剤が共に10質量部未満だと、接着力が不十分で、キャスタブルとの密着性が維持できず、第1の接着剤が16質量部、第2の接着剤が15質量部超えだと、配合効果が飽和し、それより過剰な配合は、経済的にかえってマイナスになるからである。さらに、混練時に使用する水については、10〜30質量部の配合が良い。10質量部未満だと、モルタルの水和効果が発現せず、30質量部を超えると、水が多過ぎて固化しないからである。
コークス炉の点検により、全炭化室(465室)のうち、50室のドアでキャスタブルの欠損が発見された。そこで、本発明に係る補修材を、それらの補修に適用した。なお、このドアは、幅412mm×高さ440mmであり、内張りされたキャスタブルの厚みは700mmのものである。
まず、欠損部分(図1参照)の表面に付着しているカーボンをケレンハンマーによって除去し、そこに予め準備しておいた本発明に係る補修材(モルタル100部に対して、第1の接着剤12部、第2の接着剤14部及び15部の水を加えて混練したもの)を埋め込み施工した。そして、2日間の自然乾燥を行ってから2時間、ガス・バーナを用いて800℃程度で加熱し、焼成した。なお、キャスタブルの欠損部分の平均サイズは、長さ600mm,幅700mm,厚み400mmであった。
補修後のドアは、再度炭化室に利用されているが、その後、430日経過したが、いまだそれらドアの再補修の必要性が生じていない。
以上述べたように、本発明により、コークス炉ドアの補修が迅速、且つ容易となり、補修箇所の寿命が従来よりも延長された。その結果、コークス炉の長年の使用ができるようになると期待できる。
コークス炉ドアのキャスタブルの欠損状況を示す斜視図である。
符号の説明
1 コークス炉ドアの鉄枠
2 アングル
3 キャスタブル
4 欠損部分

Claims (1)

  1. コークス炉ドアの欠損したキャスタブル部分を補修するに当たり、
    補修材に添加する接着剤として、ポリビニールアルコール、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、デキストリン及びメチルセルロースから選ばれた一種又は二種以上からなり、室温で接合強度を発現する第一の接着剤と、SiO :30〜60mass%、Al :5〜20mass%、B :15〜40mass%、Na O:10〜20mass%からなり、高温で接着強度を発現する第二の接着剤とを併用し、且つ前記第一の接着剤を前記補修材を構成するモルタル100質量部に対し10〜16質量部、前記第二の接着剤を10〜15質量部それぞれ含有させることを特徴とするコークス炉ドアの補修方法。
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