この種の負荷制御システムとしては、特許文献1に記載されているように時分割多重伝送信号を用いたものが従来より提供されている。
図9に示すように、このシステムでは伝送制御装置100に、2線式の信号線Lsを介して、操作スイッチS1…を有する複数台の操作端末器102、照明負荷(以下、負荷と略す)104を制御する複数台の制御端末器103などが接続される。
操作端末器102及び制御端末器103にはそれぞれ個別のアドレス(個別アドレス)が設定され、この個別アドレスを用いて伝送制御装置100が操作端末器102並びに制御端末器103をアクセスする。
伝送制御装置100は信号線Lsに対して、図10(a)に示すフォーマットの伝送信号Vsを送出する。すなわち、この伝送信号Vsは信号送出開始を示す同期信号SY、伝送信号Vsのモードを示すモードデータMD、操作端末器102や制御端末器103を各別に呼び出すためのアドレスデータAD、負荷104を制御する制御データCD、伝送誤りを検出するためのチェックサムデータCS、操作端末器102や制御端末器103からの返信信号(監視データ)を受信するタイムスロットである信号返信期間WTよりなる双極性(±24V)の時分割多重信号であり、パルス幅変調によってデータが伝送されるようになっている(図10(b))。各操作端末器102及び各制御端末器103では、信号線Lsを介して受信した伝送信号Vsにより伝送されたアドレスデータADが予め設定されているアドレスに一致すると、伝送信号Vsから制御データCDを取り込むとともに、伝送信号Vsの信号返信期間WTに監視データを電流モード信号(信号線Lsを適当な低インピーダンスを介して短絡することにより送出される信号)として返信する。
伝送制御装置100から所望の操作端末器102や制御端末器103にデータを伝送する場合には、モードデータMDを制御モードとし、操作端末器102または制御端末器103のアドレスをアドレスデータADとする伝送信号Vsを送出し、この伝送信号Vsを信号線Lsに送出すれば、アドレスデータADに一致する操作端末器102または制御端末器103が制御データCDを受け取り、信号返信期間WTに監視(状態)データを返信する。伝送制御装置100では送出した制御データCDと信号返信期間WTに受信した監視データとの関係によって制御データCDが所望の操作端末器102または制御端末器103に伝送されたことを確認する。制御端末器103は受け取った制御データCDに従って負荷104を制御するための負荷制御信号を出力し、操作端末器102では受け取った制御データCDに従って負荷104の動作確認表示を行なうための表示信号を出力する。
一方、伝送制御装置100は通常時にはモードデータMDをダミーモードとした伝送信号Vsを一定時間間隔で送出している(常時ポーリングという)。この場合、図10の(a)に示すようにある制御端末器103に対してアクセスして、負荷状態を示す監視データの返信を要求し、これに対してアクセスされた制御端末器103からは接続している負荷状態を監視データとして伝送制御装置100に返信する(図10(b))。この返信を受け取った伝送制御装置100はこの制御端末器103に対応関係がある操作端末器102のアドレスをアクセスして対応する制御端末器103に接続されている負荷104の状態を表示させるための制御データCDを伝送制御装置から伝送する(図10(c))。
このようにして常時ポーリングでは制御端末器103とこの制御端末器103に対応関係を持つ操作端末器102のアドレスをアクセスする動作をサイクリックに繰り返している。
そして常時ポーリング下で、伝送制御装置100に対して何らかの情報を伝送しようとするときには、ダミーモードの伝送信号Vsの同期信号SYに同期させて図10(c)のような割込信号を発生させる。このとき、操作端末器102は割込フラグを設定して伝送制御装置100との以後の情報授受に備える。伝送制御装置100では割込信号を受信すると、モードデータMDを割込ポーリングモードとしかつアドレスデータADの上位の半数のビット(アドレスデータADを8ビットとすれば上位4ビット)を順次増加させながら伝送信号を送出し、割込信号を発生した操作端末器102では、割込ポーリングモードの伝送信号のアドレスデータADの上位4ビットが操作端末器102に設定されているアドレスの上位4ビットに一致するときに、信号返信期間WTにアドレスの下位4ビットを伝送制御装置100に返信する。このように、伝送制御装置100は割込信号を発生した操作端末器102を16個ずつまとめて探すので、比較的短い時間で操作端末器102を発見することができる。
伝送制御装置100が割込信号を発生した操作端末器102のアドレスを獲得すると、モードデータMDを監視モードとし、獲得したアドレスデータADを持つ伝送信号Vsを信号線Lsに送出するのであって、この伝送信号Vsに対して操作端末器102は伝送しようとする情報を信号返信期間WTに返信するのである。最後に、伝送制御装置100は割込信号を発生した操作端末器102に対して割込リセットを指示する信号を送出し、操作端末器102の割込フラグを解除する。以上のようにして、操作端末器102から伝送制御装置100への情報伝送は、伝送制御装置100から操作端末器102への4回の信号伝送(ダミーモード、割込ポーリングモード、監視モード、割込リセット)によって完了する。伝送制御装置100が所望の制御端末器103の動作状態を知ろうとするときには、モードデータMDを監視データとした伝送信号を送出するだけでよい。
しかして、スイッチS1…の操作により操作データが発生すると、操作端末器102から操作データを監視データとして伝送制御装置100に返信し、この操作データに基づいて生成した制御データCDを含む伝送信号Vsを伝送制御装置100が制御端末器103に伝送されると、制御端末器103が負荷104を制御(点滅)する。ここで、制御端末器103は監視データを伝送制御装置100に返信し、返信された監視データを基に動作状態表示のための制御データCDを含む伝送信号Vsを操作端末器102に伝送する。この伝送信号Vsによって操作端末器102では負荷104の動作状態(点灯又は消灯)を表示する表示灯(発光ダイオードなど)を点灯・消灯する。
ところで、この種の負荷制御システムでは、スイッチと負荷104とのアドレスの対応関係を伝送制御装置100で管理しているから、伝送制御装置100において1つのスイッチのアドレスに対して複数の負荷104のアドレスを対応付けておけば、1つのスイッチで複数の負荷104を一括して制御することが可能である。このような一括制御にはグループ制御とパターン制御とがある。グループ制御では複数の負荷104を同じ制御状態に制御し、パターン制御では複数の負荷104をあらかじめ設定した制御状態に制御する。グループ制御やパターン制御を行なう一括制御用の操作端末器(図示せず)のスイッチには一括制御用として定められているアドレス(グループアドレスやパターンアドレス)が対応付けられるが、他の構成は他の操作端末器と同様のものである。
そして、一括制御用の操作端末器のスイッチが操作されて当該スイッチに割り当てられたアドレス(例えば、グループアドレス)が伝送制御装置100で取得されると、伝送制御装置100では、当該グループアドレスと対応付けられている複数の負荷104を制御するための制御データをそれぞれ生成して順番に制御端末器103に伝送する。その結果、同じグループに属する負荷104が一括して制御されることになる。
上記従来例では、負荷104を制御する制御端末器103と、負荷を制御するための操作入力を受け付ける操作端末器102とが直接伝送信号VSを伝送するのではなく、伝送制御装置100を介して伝送する、いわゆる集中制御型のシステム構成となっている。したがって、伝送制御装置100が故障したり、あるいは信号線Lsが断線するとシステム全体が動作不能になってしまう。また、複数の負荷104を一括制御する際、制御対象の負荷104が接続されている複数の制御端末器103に対して伝送制御装置100から順番に制御データが伝送されるため、これら複数の負荷104の制御タイミングがずれてしまう上に、制御対象の負荷104が増えるにつれて一括制御によって負荷104が制御されるまでの時間が長くなって使用者に違和感を与えてしまう虞があった。
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、集中制御型の従来システムと比べて安定性並びに負荷制御の応答性が向上可能な負荷制御システムを提供することにある。
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、それぞれに1乃至複数の制御対象の負荷が接続される1乃至複数の第1操作制御端末器並びに1乃至複数の第2操作制御端末器が互いに信号線を介して接続されるとともに、第1操作制御端末器及び第2操作制御端末器にはそれぞれの端末器に固有の識別符号が割り当てられ、第1操作制御端末器及び第2操作制御端末器は、1乃至複数の操作スイッチを有し当該操作スイッチによる操作入力を受け付ける操作入力受付手段と、操作入力受付手段で受け付ける操作入力に応じて自らの制御対象である負荷を制御する制御手段と、信号線を介して第1操作制御端末器及び第2操作制御端末器との間でパケットを伝送する伝送手段とを共通に備え、第1操作制御端末器は、前記操作入力受付手段で受け付ける操作入力と1乃至複数の第2操作制御端末器の識別符号並びに各第2操作制御端末器の制御対象である負荷に対する制御内容との対応関係を記憶した記憶手段と、記憶手段を参照して操作入力に対応したそれぞれの識別符号と制御内容の組を取得するとともに各々制御内容に対応した制御コマンドを生成し当該制御コマンド並びに記憶手段から取得した前記識別符号の組を含み且つ記憶手段に記憶している第1のマルチキャストアドレスを宛先アドレスに設定したパケットを前記伝送手段より信号線を介して送信させる前記制御手段とを備え、第2操作制御端末器では、第1操作制御端末器から信号線を介して伝送されるパケットを前記伝送手段で受信し、受信したパケットに含まれる識別符号が自己に割り当てられた識別符号と一致すれば、当該識別符号と組になった制御コマンドに含まれる制御内容に応じて前記制御手段が自らの制御対象である負荷を制御してなることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、第1操作制御端末器並びに第2操作制御端末器の操作スイッチを操作することで当該操作制御端末器に接続されている制御対象の負荷を直接制御することができ、また、第1操作制御端末器の操作スイッチを操作することで当該第1操作制御端末器と信号線を介して接続された他の第1操作制御端末器や第2操作制御端末器の負荷を遠隔から制御することもでき、しかも、第1操作制御端末器と第2操作制御端末器が信号線を介して直接制御コマンドを含むパケットを伝送するから、信号線が断線したり、あるいは第1操作制御端末器又は第2操作制御端末器の何れかが故障してもシステム全体が動作不能になることがない。さらに、複数の第1操作制御端末器や第2操作制御端末器の負荷を遠隔から制御する際、各第1操作制御端末器並びに第2操作制御端末器に対して個別に制御コマンドを含むパケットを伝送するのではなく、当該制御コマンドを含むパケットを複数の第1操作制御端末器並びに第2操作制御端末器に対してマルチキャスト伝送するので、制御対象の全ての負荷を一斉に制御することができる。その結果、集中制御型の従来システムと比べて安定性並びに負荷制御の応答性が向上できる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、固有の識別符号が割り当てられ、第1操作制御端末器並びに第2操作制御端末器に信号線を介して接続される1乃至複数の操作端末器を有し、操作端末器は、1乃至複数の操作スイッチを有し当該操作スイッチによる操作入力を受け付ける操作入力受付手段と、信号線を介して第1操作制御端末器並びに第2操作制御端末器との間でパケットを伝送する伝送手段と、前記操作入力受付手段で受け付ける操作入力と1乃至複数の第1操作制御端末器又は第2操作制御端末器の識別符号並びに各第1操作制御端末器又は第2操作制御端末器の制御対象である負荷に対する制御内容との対応関係を記憶した記憶手段と、記憶手段を参照して操作入力に対応したそれぞれの識別符号と制御内容の組を取得するとともに各々制御内容に対応した制御コマンドを生成し当該制御コマンド並びに記憶手段から取得した前記識別符号の組を含み且つ記憶手段に記憶している第1のマルチキャストアドレスを宛先アドレスに設定したパケットを前記伝送手段より信号線を介して送信させる制御手段とを備え、第1操作制御端末器並びに第2操作制御端末器では、操作端末器から信号線を介して伝送されるパケットを前記伝送手段で受信し、受信したパケットに含まれる識別符号が自己に割り当てられた識別符号と一致すれば、当該識別符号と組になった制御コマンドに含まれる制御内容に応じて前記制御手段が自らの制御対象である負荷を制御してなることを特徴とする。
請求項2の発明によれば、負荷を直接制御せずに第1操作制御端末器又は第2操作制御端末器に接続されている負荷を遠隔制御する操作端末器を有しているので、システムの拡張性並びに利便性が向上する。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、第1操作制御端末器及び第2操作制御端末器の制御手段は、第1操作制御端末器又は操作端末器から制御コマンドを受け取って負荷を制御した後、制御後の負荷の状態を含み且つ当該制御コマンドの送信元アドレスを宛先アドレスに設定したパケットを伝送手段より信号線を介して送信させることを特徴とする。
請求項3の発明によれば、一般にユニキャスト伝送と比較してマルチキャスト伝送の信頼性が相対的に低くなるので、応答性が要求される制御コマンドはマルチキャスト伝送し、応答性よりも確実性が優先される負荷状態の通知をユニキャスト伝送することでバランス良く信号伝送を行うことができる。
請求項4の発明は、請求項3の発明において、第2操作制御端末器の制御手段は、自らの操作入力受付手段で受け付けた操作入力に応じて自らの制御対象である負荷を制御した後、制御後の負荷の状態を含み且つ第1のマルチキャストアドレスを宛先アドレスに設定したパケットを伝送手段より信号線を介して送信させることを特徴とする。
請求項4の発明によれば、第2操作制御端末器では自己の負荷状態を通知するために第1操作制御端末器や操作端末器のユニキャストアドレスを記憶する必要が無いので、記憶手段の記憶容量が節約できる。
請求項5の発明は、請求項1又は3又は4の発明において、第1操作制御端末器の記憶手段には、全ての第1操作制御端末器のみを対象とした第2のマルチキャストアドレスが記憶されており、第1操作制御端末器の制御手段は、他の全ての第1操作制御端末器に対して伝送するパケットの宛先アドレスに第2のマルチキャストアドレスを設定することを特徴とする。
請求項5の発明によれば、第2操作制御端末器に対して不要なパケットが伝送されることがないため、第2操作制御端末器の制御手段の処理負担が軽減できる。
請求項6の発明は、請求項1又は3又は4の発明において、第1操作制御端末器及び操作端末器の記憶手段には、全ての第1操作制御端末器又は全ての操作端末器若しくは全ての第1操作制御端末器及び操作端末器のみを対象とした第2のマルチキャストアドレスがそれぞれ記憶されており、第1操作制御端末器及び操作端末器の制御手段は、他の全ての第1操作制御端末器又は全ての操作端末器若しくは全ての第1操作制御端末器及び操作端末器に対して伝送するパケットの宛先アドレスに第2のマルチキャストアドレスを設定することを特徴とする。
請求項6の発明によれば、第2操作制御端末器に対して不要なパケットが伝送されることがないため、第2操作制御端末器の制御手段の処理負担が軽減できる。
請求項7の発明は、請求項5又は6の発明において、第1操作制御端末器の制御手段、又は第1操作制御端末器の制御手段及び操作端末器の制御手段は、第1操作制御端末器並びに第2操作制御端末器から受け取った負荷の状態を含み且つ第2のマルチキャストアドレスを宛先アドレスに設定したパケットを伝送手段より信号線を介して送信させることを特徴とする。
請求項7の発明によれば、全ての第1操作制御端末器、又は第1操作制御端末器並びに操作端末器において、負荷が制御されるたびに最新の負荷状態を知ることができる。
請求項8の発明は、請求項3〜7の何れか1項の発明において、第1操作制御端末器、又は第1操作制御端末器及び操作端末器は、第1操作制御端末器並びに第2操作制御端末器から受け取った負荷の状態に応じて、制御対象である全ての負荷が動作状態であるか否かを表示する表示手段を備えたことを特徴とする。
請求項8の発明によれば、複数の負荷毎の動作状態を表示する表示手段を設けなくても、制御対象である全ての負荷が動作状態であるか否かを表示手段の表示によって確認できるため、一括制御の要否を簡単に判断できる。
本発明によれば、集中制御型の従来システムと比べて安定性並びに負荷制御の応答性が向上する。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(実施形態1)
図1に本実施形態のシステム構成図を示す。本実施形態の負荷制御システムは、それぞれが負荷Lに接続された複数(図示例では4つ)の操作制御端末器1を有し、これら4つの操作制御端末器1が2線式の信号線Lsを介して相互に接続されている。負荷Lは、例えば、照明負荷であって電源線Lpを介して商用交流電源ACに接続されている。但し、本発明に係る負荷制御システムが制御対象とする負荷Lは照明負荷に限定されるものではなく、例えば、エアコンディショナや換気扇、電動カーテンなどの電気機器全般を制御対象とすることができる。
本実施形態における操作制御端末器1には、操作スイッチS11を有し当該操作スイッチS11が操作されたときに一つの負荷Lを点灯又は消灯する機能(以下、個別点滅機能と呼ぶ。)を有する操作制御端末器1A、複数(図示例では2つ)の操作スイッチS21,S22を有するとともに各操作スイッチS21,S22に対応する複数(図示例では2つ)の負荷Lが接続され、それぞれ操作スイッチS21,S22の操作に応じて2つの負荷Lを個別に点灯又は消灯する個別点滅機能を有する操作制御端末器1B、複数(図示例では3つ)の操作スイッチS31〜S33,S41〜S43を有し操作スイッチS31,S41が操作されたときに負荷Lを点灯又は消灯するとともに一方の操作スイッチS32,S42が操作されると負荷Lの光出力を増大させ、他方の操作スイッチS33,S43が操作されると負荷Lの光出力を減少させる機能(以下、調光点滅機能と呼ぶ。)を有する操作制御端末器1C,1Dが含まれる。
さらに操作制御端末器1Aは、個別点滅機能に対応した操作スイッチS11以外に複数(図示例では3つ)の操作スイッチS51,S52,S53を有しており、これらの操作スイッチS51〜S53が操作されたときに信号線Lsを介して制御コマンドを含むパケット(後述する)を送信することで他の何れかの操作制御端末器1B,1C,1Dに自らの制御対象である負荷Lを制御させる機能(以下、遠隔制御機能と呼ぶ。)を有している。つまり、本実施形態においては操作制御端末器1Aが「第1操作制御端末器」に相当し、残りの操作制御端末器1B〜1Dが「第2操作制御端末器」に相当する。尚、以下では、これらの操作制御端末器1を区別して説明する場合には「1A」,「1B」,「1C」,「1D」の符号を記し、全ての操作制御端末器1を共通に説明する場合には「1」の符号を記すこととする。
操作制御端末器1は、埋込型の配線器具に用いられる取付枠並びにフラッシプレートを用いて住宅等の建物の壁に埋込配設される。
操作制御端末器1の回路ブロック図を図2に示す。但し、第1操作制御端末器1Aの回路構成と第2操作制御端末器1B〜1Dの回路構成とは基本的に共通である。信号伝送部12は、図3(a)に示すフォーマットのパケットを符号化し且つディジタル変調して信号線Lsを介して送信するとともに信号線Lsを介して受信したパケットをディジタル復調して復号するものであって、各操作制御端末器1毎に割り当てられている固有の識別符号によって送信先及び送信元を識別している。尚、識別符号は、MACアドレスのようにハードウェアの製造者によって割り当てられた当該ハードウェアに固有の物理アドレスであってもよいし、あるいは、使用者が任意に割り当てるアドレスであってもよく、要するに同一システム(同一ネットワーク)の複数の操作制御端末器1(第1操作制御端末器1A並びに第2操作端末器1B〜1D)に対して同じ識別符号が重複して割り当てられなければよい。伝送されるパケットは、同期確立用のプリアンブル、データの種類を設定する制御ビット、宛先アドレス、送信元アドレス、制御コマンドなどのデータ、誤り検出用のチェックサムからなる。尚、本実施形態においては、従来周知のCSMA/CD方式による多重伝送を行っている。
操作入力受付部11は、操作スイッチS11,…の操作状態を監視し、操作スイッチS11,…が操作されたときに操作入力を受け付けて各操作スイッチS11,…に対応した操作信号を出力する。但し、同一の操作スイッチS11,…について、例えば、短く押す操作と長く押す操作を区別して互いに異なる操作信号(操作入力)を出力するようにしても構わない。制御部10はCPUを主構成要素とし、操作入力受付部11から出力される操作信号を取り込み、取り込んだ操作信号に対応する制御信号を負荷駆動部14に出力する。負荷駆動部14は、個別点滅機能を有する操作制御端末器1A,1Bにおいては商用交流電源ACから負荷Lへの給電を制御信号に応じて入切する機能を有し、調光点滅機能を有する操作制御端末器1C,1Dにおいては上記入切機能に加えて商用交流電源ACから負荷Lへの単位時間当たりの給電量を制御信号に応じて調整することで負荷Lの光出力を増減する機能を有している。尚、給電の入切はリレーを用いた従来周知の方法で実現可能であり、また、給電量の調整も従来周知であるトライアックを用いた位相制御方式などで実現可能であるから、詳細な構成の図示並びに説明は省略する。
記憶部13は電気的に書換可能な不揮発性半導体メモリ(例えば、EEPROMやフラッシュメモリなど)からなり、後述するマルチキャストアドレス、複数の負荷Lを識別するための負荷識別符号、などの情報を記憶する。但し、操作制御端末器1に固有の識別符号が使用者によって任意に割り当てられる場合には、当該識別符号も記憶部13に記憶される。動作表示部15は、自らの制御対象である負荷Lの動作状態(点灯又は消灯)を表示するものであって、LEDなどの発光素子LD11,…と発光素子LD11,…を駆動する駆動回路(図示せず)を有し、制御部10から出力される制御信号に応じて駆動回路が発光素子LD11,…を点灯及び消灯させる。尚、動作表示部15の発光素子LD11,…は、図1に示すように対応する操作スイッチS11,…の近傍に配設されている。電源部16は、電源線Lpを介して商用交流電源ACから給電される交流電力を直流電力に変換することで各部の動作電源を作成するものである。
ここで、操作制御端末器1が自らの制御対象である負荷Lを制御する動作について説明する。第1操作制御端末器1Aにおいて操作スイッチS11が操作されると、操作入力受付部11から制御部10へ操作信号が出力され、当該操作信号を受け取った制御部10は負荷Lの動作状態を反転(負荷Lが点灯している場合は消灯、負荷Lが消灯している場合は点灯)させるための制御信号を負荷駆動部14に出力する。負荷駆動部14では制御部10から受け取った制御信号に応じてリレーをオン又はオフすることで負荷Lの動作を反転させる。また、制御部10では負荷駆動部14に制御信号を出力した後、動作表示部15に対しても発光素子LD11の状態を反転(点灯していれば消灯、消灯していれば点灯)させるための制御信号を出力し、当該制御信号に応じて動作表示部15の駆動回路が発光素子LD11を消灯又は点灯させる。尚、第2操作制御端末器1Bにおいては、一方の操作スイッチS21が操作されたときに一方の負荷Lの動作状態並びに動作表示部15の操作スイッチS21に対応する発光素子LD21の状態が反転し、他方の操作スイッチS22が操作されたときに他方の負荷Lの動作状態並びに動作表示部15の操作スイッチS22に対応する発光素子LD22の状態が反転する。
第2操作制御端末器1C,1Dにおいて操作スイッチS31,S41が操作されたときは負荷Lの動作状態並びに動作表示部15の操作スイッチS21に対応する発光素子LD21の状態が反転する。また、負荷Lが点灯している状態で操作スイッチS32,S42が操作されると、操作入力受付部11から制御部10へ操作信号が出力され、当該操作信号を受け取った制御部10は負荷Lの光出力(調光レベル)を増大させるための制御信号を負荷駆動部14に出力する。負荷駆動部14では制御部10から受け取った制御信号に応じて駆動回路を介して負荷Lに給電する単位時間当たりの給電量を増加させる。さらに、負荷Lが点灯している状態で操作スイッチS33,S43が操作されると、操作入力受付部11から制御部10へ操作信号が出力され、当該操作信号を受け取った制御部10は負荷Lの光出力(調光レベル)を減少させるための制御信号を負荷駆動部14に出力する。負荷駆動部14では制御部10から受け取った制御信号に応じて駆動回路を介して負荷Lに給電する単位時間当たりの給電量を減少させる。但し、負荷Lが消灯している状態で操作スイッチS32,S42又はS33,S43が操作されたときに負荷Lを点灯させた後にその光出力(調光レベル)を増減させてもよい。また、制御部10では操作スイッチS31,S41が操作されて負荷Lを消灯する際、消灯時点における調光レベルを記憶部13に記憶させておき、次に操作スイッチS31,S41が操作されたときは記憶部13に記憶させた前回の調光レベルを読み出し、当該調光レベルに対応した給電量とするための制御信号を負荷駆動部14に出力することで前回の光出力(調光レベル)を直ちに再現することができる。
次に、第1操作制御端末器1Aに特有の遠隔制御機能について説明する。本実施形態においては、第1操作制御端末器1Aの操作スイッチS51〜S53を操作することによって複数の負荷Lを一括制御することができるようになっている。従来技術で説明したように一括制御にはグループ制御とパターン制御(負荷Lが照明負荷の場合は「シーン制御」とも呼ばれる。)とがあり、グループ制御とは、同一のグループに属する負荷Lを一括して同じ動作状態に制御する制御方式であり、パターン制御とは、同一のパターングループに属する負荷Lをそれぞれの負荷L毎に設定された動作状態に一括して制御する制御方式である。第1操作制御端末器1Aにおいては、操作スイッチS51がグループ制御に対応し、操作スイッチS52,S53がそれぞれパターン制御に対応している。操作スイッチS51に対応するグループ制御は、例えば、信号線Lsに接続されている全ての第2操作制御端末器1B〜1Dが属するグループにおいて、当該グループに属する全ての第2操作制御端末器1B〜1Dを一斉に点灯又は消灯させる制御であって、第1操作制御端末器1Aの記憶部13には当該グループに属する第2操作制御端末器1B〜1Dの識別符号が操作スイッチS51と対応付けて記憶されている。また、操作スイッチS52に対応するパターン制御は、全ての第2操作制御端末器1B〜1Dが属する第1のパターングループにおいて、例えば、第2操作制御端末器1Bの2つの負荷Lを点灯、第2操作制御端末器1Cの負荷Lを調光レベル50%で調光点灯、第2操作制御端末器1Dの負荷Lを70%で調光点灯させる制御(第1のパターン制御)であって、第1操作制御端末器1Aの記憶部13には当該第1のパターングループに属する第2操作制御端末器1B〜1Dの識別符号及び各負荷L毎の制御内容(調光レベル)が操作スイッチS52と対応付けて記憶されている。さらに、操作スイッチS53に対応するパターン制御は、2つの第2操作制御端末器1C,1Dが属する第2のパターングループにおいて、第2操作制御端末器1Cの負荷Lを調光レベル70%で調光点灯、第2操作制御端末器1Dの負荷Lを30%で調光点灯させる制御(第2のパターン制御)であって、第1操作制御端末器1Aの記憶部13には当該第2のパターングループに属する第2操作制御端末器1C,1Dの識別符号及び各負荷L毎の制御内容(調光レベル)が操作スイッチS53と対応付けて記憶されている。但し、各第2操作制御端末器1B〜1Dが一括制御の何れのグループ又はパターングループに属するかは任意に選択可能である。また第1操作制御端末器1Aでは、後述するように第2操作制御端末器1B〜1Dから通知される負荷Lの状態を記憶部13に記憶している。
次に、第1操作制御端末器1Aを用いて複数の負荷Lを一括制御(グループ制御並びにパターン制御)する動作について説明する。尚、第1操作制御端末器1Aから遠隔制御(一括制御)される負荷Lは第2操作制御端末器1B〜1Dに接続された負荷Lに限定されるものではなく、他の第1操作制御端末器(図示せず)に接続された負荷であっても構わない。
まず、図4のシーケンス図を参照しながらグループ制御の動作について説明する。第1操作制御端末器1Aの操作スイッチS51が操作されると、操作入力受付部11から制御部10へ操作信号が出力され、当該操作信号を受け取った制御部10は記憶部13に記憶されている対応関係を参照して当該操作信号(操作スイッチS51による操作入力)に対応付けられている第2操作制御端末器1B〜1Dの識別符号と、第2操作制御端末器1B〜1Dに接続されている制御対象の負荷Lの状態(最新の状態)とを取得する。制御部10は、記憶部13から取得した各負荷Lの状態が全て同じ、すなわち、全ての負荷Lが点灯状態又は消灯状態であれば、それぞれ反対の状態(点灯状態であれば消灯、消灯状態であれば点灯)とする制御コマンドを生成し、各負荷Lの状態が全て同じでない、例えば、何れか一つの負荷Lのみが点灯状態であり且つ残りの負荷Lが消灯状態であれば、全ての負荷Lを同じ状態(点灯状態又は消灯状態)とする制御コマンドを生成する。但し、最新の負荷Lの状態に関わらず、常に負荷Lを点灯又は消灯の何れかの状態とする制御コマンドを生成しても構わない。
さらに制御部10は、生成した制御コマンドをデータに設定するとともに宛先アドレスにマルチキャストアドレスを設定し且つ送信元アドレスに自己の識別符号を設定したパケットを作成し、当該パケットを信号伝送部12より信号線Lsを介して送信させる。尚、制御コマンドは、図3(b)に示すようにコマンド内容(今の場合は負荷制御)、制御対象の第2操作制御端末器1B〜1Dの識別符号及び負荷Lの制御内容(今の場合は点灯又は消灯)からなる。また、宛先アドレスにマルチキャストアドレスが設定されたパケットは、本実施形態の負荷制御システムを構成する全ての端末器(第1操作制御端末器1A並びに第2操作制御端末器1B〜1D)で受信される。
第2操作制御端末器1B〜1Dにおいては、信号伝送部12で当該パケットを受信して制御部10に渡し、制御部10では、受け取ったパケットに含まれる制御コマンドに自己の識別符号が含まれていれば当該識別符号と対応した制御内容に応じて負荷Lを点灯又は消灯させるための制御信号を負荷駆動部14に出力する。負荷駆動部14では制御部10から受け取った制御信号に応じてリレーをオン又はオフすることで負荷Lを点灯又は消灯させる。また制御部10では、制御コマンドを受け取ってから所定の待機時間(各第2操作制御端末器1B〜1D毎に異なった時間)が経過した後、制御コマンドを含むパケットの送信元アドレスに設定されている第1操作制御端末器1Aの識別符号を宛先アドレスに設定するとともに自己の識別符号を送信元アドレスに設定し、且つ制御後の負荷Lの状態(点灯又は消灯)をデータに設定したパケット(負荷状態通知のパケット)を生成して信号伝送部12より信号線Lsを介して送信させる。さらに制御部10は、制御後の負荷Lの状態に応じて自己の動作表示部15の表示を変更する。
一方、第1操作制御端末器1Aでは、信号伝送部12で当該パケットを受信して制御部10に渡し、制御部10では、受け取ったパケットに含まれる負荷Lの状態を記憶部13に記憶させる。そして、操作スイッチS51に対応したグループに属する全ての第2操作制御端末器1B〜1Dから負荷状態通知のパケットを受け取れば、制御部10は動作表示部15の表示を変更する、例えば、全ての負荷Lを点灯した場合は発光素子LD51を消灯し、全ての負荷Lを消灯した場合は発光素子LD51を点灯する。このように発光素子LD51を消灯させることで制御対象である全ての負荷Lが動作状態(点灯状態)であることを表示し、発光素子LD51を点灯させることで制御対象である全ての負荷Lが非動作状態(消灯状態)であることを表示すれば、それぞれの負荷Lの動作状態を個別に表示する表示手段(発光素子)を設けなくても、制御対象である全ての負荷Lが動作状態(点灯状態)であるか否かを発光素子LD51の表示によって確認できるため、一括制御の要否を簡単に判断できるという利点がある。
ここで、何れかの第2操作制御端末器1B〜1Dから負荷状態通知のパケットを受信できない場合、第1操作制御端末器1Aの制御部10は、負荷状態通知のパケットを受信できなかった第2操作制御端末器(例えば、1D)の識別符号を宛先アドレスに設定し、負荷状態の通知を要求する制御コマンドをデータに設定したパケットを信号伝送部12より信号線Lsを介して送信させる。そして、負荷状態通知を要求する当該パケットを受け取った第2操作制御端末器1Dから負荷状態通知のパケットが返信されてくれば、第1操作制御端末器1Aの制御部10は通知された負荷Lの状態を記憶部13に記憶させ、負荷状態通知のパケットが返信されて来なければ、第1操作制御端末器1Aの制御部10は動作表示部15の発光素子LD51を点滅させるなどの方法で異常が生じていることを表示する。
続いて、図5のシーケンス図を参照しながらパターン制御(第2のパターン制御)の動作について説明する。第1操作制御端末器1Aの操作スイッチS53が操作されると、操作入力受付部11から制御部10へ操作信号が出力され、当該操作信号を受け取った制御部10は記憶部13に記憶されている対応関係を参照して当該操作信号(操作スイッチS53による操作入力)に対応付けられている第2操作制御端末器1C,1Dの識別符号と、第2操作制御端末器1C,1Dに接続されている制御対象の負荷Lに対する制御内容(調光レベル)とを取得する。制御部10は、記憶部13から取得した制御内容(第2のパターン制御)に応じて、第2操作制御端末器1Cの負荷Lを調光レベル70%で調光点灯し、第2操作制御端末器1Dの負荷Lを30%で調光点灯させる制御コマンドを生成し、生成した制御コマンドをデータに設定するとともに宛先アドレスにマルチキャストアドレスを設定し且つ送信元アドレスに自己の識別符号を設定したパケットを作成して信号伝送部12より信号線Lsを介して送信させる。尚、この制御コマンドには第2のパターングループに属さない第2操作制御端末器1Bの識別符号及び制御内容は含まれていない。
第2操作制御端末器1B〜1Dにおいては、信号伝送部12で当該パケットを受信して制御部10に渡す。第2操作制御端末器1Bの制御部10では、受け取ったパケットに含まれる制御コマンドに自己の識別符号が含まれていないので、負荷Lの制御は行わずに現在の負荷Lの状態(点灯又は消灯)をデータに設定したパケット(負荷状態通知のパケット)を生成して信号伝送部12より信号線Lsを介して送信させる。一方、第2操作制御端末器1C,1Dの制御部10では、受け取ったパケットに含まれる制御コマンドに自己の識別符号が含まれているので、自己の識別符号と対応する制御内容(調光レベル)で負荷Lを調光点灯させるための制御信号を負荷駆動部14に出力する。負荷駆動部14では制御部10から受け取った制御信号に応じて駆動回路を介して負荷Lに給電する単位時間当たりの給電量を調整させる。また第2操作制御端末器1C,1Dの制御部10では、制御コマンドを受け取ってから所定の待機時間が経過した後、制御コマンドを含むパケットの送信元アドレスに設定されている第1操作制御端末器1Aの識別符号を宛先アドレスに設定するとともに自己の識別符号を送信元アドレスに設定し、且つ制御後の負荷Lの状態(調光レベル)をデータに設定した負荷状態通知のパケットを生成して信号伝送部12より信号線Lsを介して送信させる。さらに制御部10は、制御後の負荷Lの状態に応じて自己の動作表示部15の表示を変更する。
ここで、第2操作制御端末器1B〜1Dから第1操作制御端末器1Aに対して負荷Lの状態を通知するためのパケットをマルチキャスト伝送ではなくユニキャスト伝送することの利点は、一般にユニキャスト伝送と比較してマルチキャスト伝送の信頼性が相対的に低くなるので、応答性が要求される制御コマンド(負荷Lを一括制御するための制御コマンド)についてはマルチキャスト伝送し、応答性よりも確実性(信頼性)が要求される負荷状態の通知についてはユニキャスト伝送することでバランス良く信号伝送を行うことができることである。
第1操作制御端末器1Aでは、信号伝送部12で当該パケットを受信して制御部10に渡し、制御部10では、受け取ったパケットに含まれる負荷Lの状態を記憶部13に記憶させる。そして、操作スイッチS53に対応した第2のパターングループに属する全ての第2操作制御端末器1C,1Dから負荷状態通知のパケットを受け取れば、制御部10は動作表示部15の発光素子LD53を点灯させて第2のパターン制御が実行中であることを表示する。尚、第1のパターン制御の動作については基本的に第2のパターン制御の動作と共通であるから説明は省略する。また、第1操作制御端末器1Aによる一括制御の対象に、自らの制御対象である負荷L(第1操作制御端末器1Aに接続されている負荷L)を加えることも可能である。
ところで、第1操作制御端末器1Aによって遠隔制御(グループ制御又はパターン制御)された後、個々の第2操作制御端末器1B〜1Dで操作スイッチS21,…が操作されて個別制御が行われることで負荷Lの状態が変化すると、第1操作制御端末器1Aの動作表示部15で表示する表示内容と実際の負荷Lの状態とが一致しなくなってしまう。そのために本実施形態では、第2操作制御端末器1B〜1Dにおいて負荷Lの制御が行われた場合、第2操作制御端末器1B〜1Dから負荷状態通知のパケットを伝送して変化後の負荷Lの状態(最新の状態)を第1操作制御端末器1Aに通知している。したがって、第1操作制御端末器1Aでは、第2操作制御端末器1B〜1Dから負荷状態通知のパケットを受け取って負荷Lの状態を更新した際、制御部10が更新後の負荷Lの状態に応じて動作表示部15で表示する表示内容を適宜変更することによって、動作表示部15の表示内容と実際の負荷Lの状態とを一致させることができる。ここで、第2操作制御端末器1B〜1Dから負荷状態通知のパケットを伝送する際、当該パケットの宛先アドレスにマルチキャストアドレスを設定すれば、第2操作制御端末器1B〜1Dの記憶部13に第1操作制御端末器1Aの識別符号(ユニキャストアドレス)を記憶しておく必要がなく、記憶部13のメモリ消費量を削減することができる。
ところで、本実施形態では遠隔制御機能を有する第1操作制御端末器1Aを一つしか有していないが、複数の第1操作制御端末器を有するシステム構成であっても構わない。そして、複数の第1操作制御端末器を有するシステム構成においては、個々の第1操作制御端末器で一括制御の対象となる負荷L(第2操作制御端末器1B〜1D)が重複する場合があるので、何れかの第1操作制御端末器で一括制御した後の負荷Lの状態を、他の第1操作制御端末器にも通知する必要がある。そこで第1操作制御端末器1Aの制御部10では、第2操作制御端末器1B〜1Dから負荷状態通知のパケットを受信した場合、当該パケットによって取得した最新の負荷Lの状態を別の第1操作制御端末器(図示せず)に転送するための制御コマンドを生成し、当該転送用の制御コマンドをデータに設定し、宛先アドレスにマルチキャストアドレスを設定するとともに送信元アドレスに自己の識別符号を設定した転送用のパケットを信号伝送部12から信号線Lsを介して送信する。当該転送用のパケットを受信した他の第1操作制御端末器では、記憶部13に記憶している負荷Lの状態を当該パケットによって転送された負荷Lの状態に更新する。ここで、転送用のパケットを受信した他の第1操作制御端末器から当該パケットの送信元の第1操作制御端末器には受信確認のためのACKパケットがユニキャストで返信されるのであるが、ACKパケットを受け取ることができなかった他の第1操作制御端末器に対しては、転送元の第1操作制御端末器から再度転送用のパケットをユニキャスト伝送する。尚、負荷Lの状態を転送するための転送用のパケットは第1操作制御端末器のみが受け取ればよく、第2操作制御端末器1B〜1Dが受け取る必要はない。故に、第1操作制御端末器の記憶部13に第2のマルチキャストアドレスを記憶しておき、転送用のパケットの宛先アドレスに第2のマルチキャストアドレスを設定して伝送すれば、第1操作制御端末器のみが転送用のパケットを受け取ることができ、第2のマルチキャストアドレスを記憶部13に記憶していない第2操作制御端末器1B〜1Dでは当該転送用のパケットを受信しても破棄することで制御部10における処理負担が軽減できるという利点がある。
上述のように本実施形態の負荷制御システムでは、操作制御端末器1(第1操作制御端末器1A並びに第2操作制御端末器1B〜1D)の操作スイッチS11,…を操作することで操作制御端末器1に接続されている制御対象の負荷Lを直接制御することができ、また、第1操作制御端末器1Aの操作スイッチS51,S52,S53を操作することで第1操作制御端末器1Aと信号線Lsを介して接続された第2操作制御端末器1B〜1Dの負荷Lを遠隔から制御することもできる。しかも、第1操作制御端末器1Aと第2操作制御端末器1B〜1Dが信号線Lsを介して直接制御コマンドを含むパケットを伝送するから、信号線Lsが断線したり、あるいは第1操作制御端末器1A又は第2操作制御端末器1B〜1Dの何れかが故障してもシステム全体が動作不能になることがない。さらに、複数の第2操作制御端末器1B〜1Dの負荷Lを遠隔から一括制御する際、各第2操作制御端末器1B〜1Dに対して個別に制御コマンドを含むパケットを伝送(ユニキャスト伝送)するのではなく、当該制御コマンドを含むパケットを複数の第2操作制御端末器1B〜1Dに対してマルチキャスト伝送するので、制御対象の全ての負荷Lを一斉に制御することができ、その結果、集中制御型の従来システムと比べて安定性並びに負荷制御の応答性が向上できる。
尚、従来技術で説明した集中制御型の負荷制御システムと本発明に係る負荷制御システムを比較した場合、伝送制御装置100が不要である分だけ本発明に係る負荷制御システムの方が導入コストを抑えることができるが、従来システムの端末器(操作端末器102及び制御端末器103)に比べて本発明に係る負荷制御システムの操作制御端末器1の方が製造コストが高くなると考えられる。したがって、オフィスビルのように多数の端末器が必要な場合は集中制御型の従来システムの方がトータルの導入コストを抑えることができ、一般住戸のように必要な端末器の数が少ない場合は本発明に係る負荷制御システムの方が導入コストを抑えることができると考えられる。
(実施形態2)
図6に本実施形態のシステム構成図を示す。本実施形態の負荷制御システムは、実施形態1で説明した操作制御端末器(遠隔制御機能を有する第1操作制御端末器1A並びに遠隔制御機能を有しない第2操作制御端末器)1と、負荷Lが接続されず、遠隔制御機能のみを有する操作端末器2とで構成されている。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるから、共通の構成要素には同一の符号を付して適宜図示並びに説明は省略する。
本実施形態における操作端末器2は、グループ制御のみを行う操作端末器2Aと、パターン制御のみを行う操作端末器2Bとの2種類がある。但し、2種類の操作端末器2を区別して説明する場合には「2A」,「2B」の符号を記し、全ての種類の操作端末器2を共通に説明する場合には「2」の符号を記すこととする。
操作端末器2の回路ブロック図を図7に示す。信号伝送部22は、実施形態1の操作制御端末器1が備える信号伝送部12と同様に、図3(a)に示すフォーマットのパケットを符号化し且つディジタル変調して信号線Lsを介して送信するとともに信号線Lsを介して受信したパケットをディジタル復調して復号するものであって、操作制御端末器1と同じく固有の識別符号によって送信先及び送信元を識別している。
操作入力受付部21は、操作スイッチS61,S62、S71,S72,S73の操作状態を監視し、操作スイッチS61,…が操作されたときに操作入力を受け付けて各操作スイッチS61,…に対応した操作信号を出力する。制御部20はCPUを主構成要素とし、操作入力受付部21から出力される操作信号を取り込み、取り込んだ操作信号に対応する制御コマンドを生成する。記憶部23は書換可能な不揮発性半導体メモリ(例えば、EEPROMやフラッシュメモリなど)からなり、操作スイッチS61,…に対応するグループやパターングループに属する操作制御端末器1の識別符号、マルチキャストアドレス、他の操作端末器2及び第1操作制御端末器1Aの識別符号、一括制御対象の負荷Lの状態などの情報を記憶している。
動作表示部24は、操作スイッチS61,…に対応した負荷Lの動作状態を表示するものであって、LEDなどの発光素子LD61,LD62、LD71,LD72,LD73と発光素子LD61,…を駆動する駆動回路(図示せず)を有し、制御部20から出力される制御信号に応じてグループ制御やパターン制御の対象である負荷Lが全て動作中(点灯中)であるときに駆動回路が発光素子LD61,…を消灯させ、グループ制御やパターン制御の対象である負荷Lの少なくとも一部が非動作中(消灯中)であるときに駆動回路が発光素子LD61,…を点灯させる。尚、動作表示部24の発光素子LD61,…は、図6に示すように対応する操作スイッチS61,…の近傍に配設されている。電源部25は、電源線Lpを介して商用交流電源ACから給電される交流電力を直流電力に変換することで各部の動作電源を作成するものである。
次に、操作端末器2を用いて複数の負荷Lを一括制御する動作について、グループ制御用の操作端末器2Aの操作スイッチS61を操作して操作制御端末器1(第1操作制御端末器1A並びに第2操作制御端末器1B〜1D)に接続されている負荷Lを一斉に点灯又は消灯する場合を例にして、図8のシーケンス図を参照しながら説明する。
操作端末器2Aの操作スイッチS61が操作されると、操作入力受付部21から制御部20へ操作信号が出力され、当該操作信号を受け取った制御部20は記憶部23に記憶されている対応関係を参照して当該操作信号(操作スイッチS61による操作入力)に対応付けられている操作制御端末器1(第1操作制御端末器1A並びに第2操作制御端末器1B〜1D。以下同じ。)の識別符号と、操作制御端末器1に接続されている制御対象の負荷Lの状態(最新の状態)とを取得する。制御部20は、記憶部23から取得した各負荷Lの状態が全て同じ、すなわち、全ての負荷Lが点灯状態又は消灯状態であれば、それぞれ反対の状態(点灯状態であれば消灯、消灯状態であれば点灯)とする制御コマンドを生成し、各負荷Lの状態が全て同じでない、例えば、何れか一つの負荷Lのみが点灯状態であり且つ残りの負荷Lが消灯状態であれば、全ての負荷Lを同じ状態(点灯状態又は消灯状態)とする制御コマンドを生成する。但し、最新の負荷Lの状態に関わらず、常に負荷Lを点灯又は消灯の何れかの状態とする制御コマンドを生成しても構わない。さらに制御部20は、生成した制御コマンドをデータに設定するとともに宛先アドレスにマルチキャストアドレスを設定し且つ送信元アドレスに自己の識別符号を設定したパケットを作成し、当該パケットを信号伝送部22より信号線Lsを介して送信させる。
操作制御端末器1においては、信号伝送部12で当該パケットを受信して制御部10に渡し、制御部10では、受け取ったパケットに含まれる制御コマンドに自己の識別符号が含まれていれば当該識別符号と対応した制御内容に応じて負荷Lを点灯又は消灯させるための制御信号を負荷駆動部14に出力する。負荷駆動部14では制御部10から受け取った制御信号に応じてリレーをオン又はオフすることで負荷Lを点灯又は消灯させる。また制御部10では、制御コマンドを受け取ってから所定の待機時間が経過した後、制御コマンドを含むパケットの送信元アドレスに設定されている操作端末器2Aの識別符号を宛先アドレスに設定するとともに自己の識別符号を送信元アドレスに設定し、且つ制御後の負荷Lの状態(点灯又は消灯)をデータに設定した負荷状態通知のパケットを生成して信号伝送部12より信号線Lsを介して送信させる。さらに制御部10は、制御後の負荷Lの状態に応じて自己の動作表示部15の表示を変更する。
一方、操作端末器2Aでは、信号伝送部22で当該パケットを受信して制御部20に渡し、制御部20では、受け取ったパケットに含まれる負荷Lの状態を記憶部23に記憶させる。そして、操作スイッチS61に対応したグループに属する全ての操作制御端末器1から負荷状態通知のパケットを受け取れば、制御部20は動作表示部24の表示を変更する、例えば、全ての負荷Lを点灯した場合は発光素子LD61を消灯し、全ての負荷Lを消灯した場合は発光素子LD61を点灯する。さらに制御部20では、操作制御端末器1から負荷状態通知のパケットを受信した後、当該パケットによって取得した最新の負荷Lの状態を他の操作端末器2B並びに第1操作制御端末器1Aに転送するための制御コマンドを生成し、当該転送用の制御コマンドをデータに設定し、宛先アドレスに第2のマルチキャストアドレス(遠隔制御機能を有する端末器、すなわち、第1操作制御端末器1Aと操作端末器2のみを対象とし第2操作制御端末器1B〜1Dを対象としないマルチキャストアドレス)を設定するとともに送信元アドレスに自己の識別符号を設定した転送用のパケットを信号伝送部22から信号線Lsを介して送信する。当該転送用のパケットを受信した他の操作端末器2B並びに第1操作制御端末器1Aでは、記憶部23,13に記憶している負荷Lの状態を当該パケットによって転送された負荷Lの状態に更新する。ここで、転送用のパケットを受信した他の操作端末器2B並びに第1操作制御端末器1Aから当該パケットの送信元の操作端末器2Aには受信確認のためのACKパケットがユニキャストで返信されるのであるが、ACKパケットを受け取ることができなかった他の操作端末器2B並びに第1操作制御端末器1Aに対しては、転送元の操作端末器2Aから再度転送用のパケットをユニキャスト伝送する。
上述のように本実施形態の負荷制御システムにおいても実施形態1と同様に、操作端末器2の操作スイッチS61,…を操作することで信号線Lsを介して接続された操作制御端末器1の負荷Lを遠隔から一括制御することができ、しかも、操作端末器2と操作制御端末器1が信号線Lsを介して直接制御コマンドを含むパケットを伝送するから、信号線Lsが断線したり、あるいは操作端末器2又は操作制御端末器1の何れかが故障してもシステム全体が動作不能になることがない。さらに、複数の操作制御端末器1の負荷Lを遠隔から一括制御する際、操作端末器2から各操作制御端末器1に対して個別に制御コマンドを含むパケットを伝送(ユニキャスト伝送)するのではなく、当該制御コマンドを含むパケットを複数の操作制御端末器1に対してマルチキャスト伝送するので、制御対象の全ての負荷Lを一斉に制御することができ、その結果、集中制御型の従来システムと比べて安定性並びに負荷制御の応答性が向上できる。
尚、本実施形態では遠隔制御機能を有する全ての端末器、すなわち、第1操作制御端末器1A及び操作端末器2を第2のマルチキャストアドレスの対象としているが、例えば、第1操作制御端末器1Aあるいは操作端末器2Bが遠隔制御の対象である負荷Lの状態を表示しないものである場合等においては負荷Lの状態を転送する必要がないので、このような場合等には第1操作制御端末器1A又は操作端末器2の何れか一方のみを第2のマルチキャストアドレスの対象とすればよい。また、第2のマルチキャストアドレスによってマルチキャスト伝送するべき情報は負荷Lの状態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の情報が第2のマルチキャストアドレスによってマルチキャスト伝送される。つまり、第2のマルチキャストアドレスの対象とする端末器(遠隔制御機能を有する第1操作制御端末器1及び操作端末器2)は、第2のマルチキャストアドレスによってマルチキャスト伝送される情報に応じて適宜選択されるべきものである。