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JP4823779B2 - 転てつ減摩器 - Google Patents
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本発明は、鉄道の分岐器を転換する転てつ装置において、トングレールの底面側を支承する支承装置をまくらぎの上面側に配置してなる転てつ減摩器に関するものである。
鉄道の線路においては、鉄道車両の進路を一つの線路から二つの方向に分ける位置に分岐器が設けられている。分岐器は、ポイント部分とリード部分とクロッシング部分とから成り、転換動作はポイント部分のトングレールを転てつ装置によって転換することで行われる。
図5は一般的な分岐器のポイント部分を示す平面図である。トングレールT1、T2は、基本レールR1、R2の内側に設置されている。トングレールT1が基本レールR1に密着しているときは、トングレールT2は基本レールR2から離れており、鉄道車両は分岐線方向に進むようになる。一方、トングレールT1が基本レールR1から離れているときは、トングレールT2は基本レールR2に密着しており、鉄道車両はそのまま基準線を直進するようになる。これらのトングレールT1、T2の転換動作は電気転てつ器31のモータの駆動力をリンク部材32および中継器33a、33bならびに転てつ棒34a、34b等を介してトングレールT1、T2に伝達することにより行われる。
ところで、トングレールT1、T2はまくらぎ35の上面側に取り付けられた鋼板製の床板36の上を摺動すべく載置されており、その転換動作を円滑に行うためには、床板36との摺動摩擦抵抗を低減する必要がある。そのため、従来は、床板36とトングレールT1、T2が摺動する面に油を塗布し、摺動摩擦抵抗の低減を図っていた。ところが、風雨等の影響を受けて油が流出したり、鉄道車両の車輪とレールとの接触により発生する鉄粉やその他の塵埃が付着するなどして摺動摩擦抵抗の低減効果が得られず、電気転てつ器31のモータの過負荷となり、転換不良を起こすことがあった。
そこで、特許文献1には、図6に示すようなトングレールT1、T2による転換動作時の摺動摩擦抵抗を低減しうる転てつ減摩器37が提案されている。この転てつ減摩器37は、基本レールR1、R2のベース部に底面側から回り込んで鉤部を係止して取り付けられる減摩器本体38と、この本体38に対してばね緩衝器39を介して取り付けられ、枢軸40を中心にして揺動可能なアーム部41と、このアーム部41の先端側に取り付けられたローラ42とからなる。トングレールT1、T2は、基本レールR1、R2に密着している状態から離れる方向へ動くとき、最初は床板36の上を摺動し、途中から上記ローラ42に乗り上げて転換動作時の摺動摩擦抵抗を低減しうるようにしている。ところが、この転てつ減摩器37はトングレールの底面側を支承するローラ42が1個存在するだけであり、トングレールT1、T2の広い移動範囲内において摺動摩擦抵抗を低減することは不可能である。
また、同特許文献1には、図7に示すように、床板51に挿通された支承軸52に対してトングレールの底面側を支承する支承ローラ53の装着部が支承軸52の軸心に対して偏心するように装着された転てつ減摩器54が開示されている。55はまくらぎである。この転てつ減摩器54によれば、支承軸52を軸心回りに回転させると、支承軸52の軸心に対して偏心した装着部を有する支承ローラ53の中心位置が回転した軌跡を描くようになり、その直径は偏心した寸法の2倍となる。このようにして、支承軸52を回転させることにより支承ローラ53の高さ調節が可能である。ところが、トングレールによる転換動作を繰り返すことにより支承ローラ53が摩耗するので、やがて支承ローラ53を取り替えることが必要になる。しかし、この転てつ減摩器54においては、支承ローラ53が摩耗して交換するときには、床板51ごと取り替えることが必要な場合があり、その場合、取り替えのための多大な作業コストが必要である。
特開2002−4203号公報
摺動面に油を塗布する方法は上記したように、摺動摩擦抵抗の低減効果が確実に期待できるとは言えない。また、人による給油作業は線路内に立ち入って行われるため、保安上大変危険であり、油塗布は地球環境保護の面からも問題である。
また、上記特許文献1に記載された転てつ減摩器では、摺動摩擦抵抗の低減を期待できる範囲が狭かったり、支承ローラが摩耗して交換するときには、床板ごと取り替えることが必要な場合があり、その場合、取り替えのための多大な作業コストが必要である。
本発明は従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、油を用いずにトングレールによる転換動作に伴う摺動摩擦抵抗を低減することができる転てつ減摩器であって、トングレールの底面側を支承する支承手段が摩耗して交換する際には、床板はそのままにして支承手段のみを交換することが可能な転てつ減摩器を提供することにある。また、本発明は、トングレールによる転換動作を円滑に行うことができるとともに、トングレールによる転換動作に伴う摺動摩擦抵抗を広い範囲にわたって低減することが可能な転てつ減摩器を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、まくらぎの上面と基本レール及びトングレールの底面との間に配置される床板に設け、上記トングレールの底面側を支承する支承装置を取り付けた転てつ減摩器において、上記支承装置は、トングレール底面側を支承する複数個の支承ローラを取り付けたローラユニットからなり、上記床板は、上記ローラユニットの床板に対する取付位置を変更できるように床板上にトングレールの移動方向に一致するようにローラユニットのガイド部材を有し、上記ローラユニットは、上記ガイド部材に沿ってトングレールの移動方向にスライドさせることが可能なように構成されて床板に対して脱着自在に取り付けられ、上記床板は、トングレールの摺動面を有し、該摺動面は、上記ローラユニットのトングレール側端部に、転換動作時にトングレールをガイドする傾斜面を有し、上記複数の支承ローラの内、トングレールに最も近い支承ローラは低く配置されていることを特徴としている。
さらに、上記複数個の支承ローラは、上記基本レールに近い位置から軌間の中心側へ向けてローラユニットに取り付けられていることが好ましい。
そして、上記支承ローラの軸部は、レールの長手方向に一致するようにローラユニットに形成された挿通孔に挿通されて固定されていることが好ましい。
本発明の転てつ減摩器によれば、トングレールの底面側を支承する支承ローラを取り付けたローラユニットが床板に対して脱着自在に取り付けられているので、トングレールが転換動作を繰り返すことにより支承ローラが摩耗した場合、床板はそのままにしてローラユニットのみを取り外して摩耗した支承ローラを新しい支承ローラと交換して、再びそのローラユニットを床板に取り付けるだけでよいので、支承ローラの交換作業が簡単に行える。
また、床板上にトングレールの移動方向に一致するようにローラユニットのガイド部材を形成することにより、ローラユニットを上記ガイド部材に沿ってトングレールの移動方向に適宜スライドさせ、トングレールによる転換動作を円滑に行うことができる位置にローラユニットの取付位置を変更することができる。
さらに、基本レールに近い位置から軌間の中心側へ向けて複数個の支承ローラをローラユニットに取り付けることにより、トングレールによる転換動作に伴う摺動摩擦抵抗を広い範囲にわたって低減することが可能である。
そして、レールの長手方向に一致するようにローラユニットに形成された挿通孔に支承ローラの軸部を挿通して固定する方式を採用することにより、予めローラユニットに形成成された挿通孔に支承ローラの軸部を挿通して固定するだけでよいから、転てつ減摩器の製作が容易であり、安価に製作できる。
以下に本発明の実施形態を説明するが、本発明は下記実施形態に限定されるものでなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲において、適宜変更と修正が可能である。
図1(a)は本発明のローラユニット1の側面図、図1(b)は本発明のローラユニット1の平面図、図1(c)は図1(a)および図1(b)の右端面図である。図1(a)(b)に示すように、本実施例のローラユニット1には、後記する支承ローラと一体となった支承ローラの軸部を挿通して固定するための螺子部を有する挿通孔2が後記する基本レールおよびトングレールの長手方向に一致するように4個形成されている。もちろん、挿通孔2の数量は必要に応じて増減できることは言うまでもない。また、支承ローラと軸部は必ずしも一体のものである必要はなく、ローラユニットに形成された螺子部を有する挿通孔に螺子部を有する支承軸を挿通して螺着し、この支承軸に支承ローラを装着する構成のものも採用できる。
図1(a)に示すように、ローラユニット1には、トングレールによる転換動作がスムーズに行われるように、トングレールをガイドするための傾斜面3が形成されている。また、後記する床板上にトングレールの移動方向に一致するように形成された突条ガイド(図3(a)(b)の番号11参照)に沿ってローラユニット1をトングレールの移動方向にスライドさせることができるように、ローラユニット1には、図1(b)(c)に示すように、その突条ガイドに嵌合する溝部4がローラユニット1の全長(図1(c)の紙面直角方向)にわたり形成されている。また、図1(b)(c)に示すように、ローラユニット1には、床板に取り付けるための締結ボルトを挿通しうるように楕円形状に類似する長孔5が溝部4に沿って形成されている。また、上記締結ボルトが床板上面から突出しないように、楕円形状に類似する長孔5の周囲には段部6が形成されている。
図2は支承ローラ7の平面図である。支承ローラ7には、支承ローラ7と一体となった、螺子部を有する軸部7aが突出している。
図3(a)はローラユニット1を取り付ける床板8の側面図、図3(b)はその床板8の平面図である。床板8は、基本レールの設置部9とトングレールの摺動面10を有している。また、床板8にはトングレールの移動方向に一致するように突条ガイド11が形成されている。図1(b)(c)に示すローラユニット1に形成された溝部4が突条ガイド11に嵌合することによって、ローラユニット1をトングレールの移動方向にスライドさせることができる。この突条ガイド11には、ローラユニット1を床板8に取り付けるためのボルトを挿通する6個のボルト挿通孔12が設けられている。また、床板8には、後記するレール押さえを取り付けるためのボルトを挿通するボルト挿通孔13と、床板8をまくらぎに取り付けるためのボルトを挿通するボルト挿通孔14が形成されている。
図4(a)は本発明の転てつ減摩器15をまくらぎ16に設置した状態を示す正面図であり、図4(b)はその平面図である。図4(b)では後記する基本レールとトングレールとレール押さえは省略されている。図4(a)(b)において、トングレールの底面側を支承する4個の支承ローラ7の軸部をローラユニット1の挿通孔(図1(b)の番号2参照)に挿通して螺着することにより支承ローラ7はローラユニット1に取り付けられている。17は基本レール、18はトングレールである。19はレール押さえであり、レール押さえ19は締結ボルト20によって床板8に取り付けられている。このように構成される転てつ減摩器15は締結ボルト21をボルト挿通孔(図3(a)の番号14参照)に挿通することによってまくらぎ16に取り付けられる。
トングレール18の支承ローラ7への乗り上げ動作を円滑にするために、図4(a)に示すように、支承ローラ7の高さは床板8のトングレール摺動面10よりも僅かだけ高くなるように設定されている。なお、図1(a)から分かるように、4個の挿通孔2の中で、傾斜面3に最も近い挿通孔2は他の挿通孔に比べてごく僅かだけ低く形成されているので、その挿通孔2に挿通される支承ローラ7(トングレール18に最も近い支承ローラでトングレール18が最初に当接する支承ローラ)は他の支承ローラに比べてごく僅かだけ低く、トングレールの転換動作が一層容易である。
図4(b)において、ローラユニット1は3個の締結ボルト22によって床板8に取り付けられているが、ローラユニット1の床板8に対する取付位置を変更できるように、ローラユニット1は突条ガイド11に沿ってトングレール18の移動方向にスライドすることが可能である。すなわち、締結ボルト22を抜いて突条ガイド11に沿ってローラユニット1をトングレール18の移動方向(図4(a)の両矢示方向参照)に適宜スライドさせ、トングレール18による転換動作を円滑に行うことができる位置で締結ボルト22によってローラユニット1を床板8に取り付けることができる。基本レール17に近い位置から軌間の中心側へ向けて複数個の支承ローラ7をローラユニット1に取り付けることにより、トングレール18による転換動作に伴う摺動摩擦抵抗を広い範囲にわたって低減することが可能である。
次に、以上のように構成される転てつ減摩器15の動作を説明する。
まず、図4(a)の実線で示すように、トングレール18が基本レール17に接している状態から分岐器の転換動作が開始された場合、トングレール18は移動初期にあっては床板8の摺動面10上を摺動し、直ぐに一番近い支承ローラ7の上に乗り上げ、その移動に伴う摩擦抵抗が軽減される。以後、トングレール18は順次、隣接する支承ローラ7の上を摺動し、全体として円滑な転換動作が達成される。図4(a)の鎖線はトングレール18が転換動作を完了した状態を示すものである。このように、まくらぎ16の上面側に取り付けられた床板8の基本レール17に近い位置から軌間の中心側へ向けて複数個の支承ローラ7を配置することにより、分岐器の転換動作に際し、トングレール18がその移動範囲の多くで支承ローラ7に乗り上げた状態で移動できるようになり、転換動作に伴う摺動摩擦抵抗を著しく低減することが可能である。
ところが、トングレール18による転換動作を繰り返すことにより支承ローラ7が摩耗するので、やがて支承ローラ7を取り替えることが必要になる。この場合、従来の転てつ減摩器では床板ごと取り替えることが必要な場合があり、その場合、取り替えのための多大な作業コストが必要である。しかし、本発明の転てつ減摩器15によれば、図4(b)に示す締結ボルト22を抜いて床板8はそのままにしてローラユニット1のみを取り外して新しいローラユニットと交換し、再びそのローラユニット1を締結ボルト22によって床板8に取り付けるだけでよいので、支承ローラの交換作業が簡単に行える。
本発明は上記実施形態に限られるものでなく、適宜の変更が可能である。
図1(a)は本発明のローラユニット1の側面図、図1(b)は本発明のローラユニット1の平面図、図1(c)は図1(a)および図1(b)の右端面図である。 支承ローラ7の平面図である。 図3(a)はローラユニット1を取り付ける床板8の側面図、図3(b)はその床板8の平面図である。 図4(a)は本発明の転てつ減摩器をまくらぎに設置した状態を示す正面図であり、図4(b)はその平面図である。図4(b)では基本レールとトングレールとレール押さえは省略されている。 一般的な分岐器のポイント部を示す平面図である。 従来の転てつ減摩器を基本レールへ取り付けた状態を示す正面図である。 従来の転てつ減摩器をまくらぎへ取り付けた状態を示す正面図である。
符号の説明
1 ローラユニット
2 挿通孔
3 傾斜面
4 溝部
5 長孔
6 段部
7 支承ローラ
7a 支承ローラの軸部
8 床板
9 基本レールの設置部
10 トングレールの摺動面
11 突条ガイド
12 ボルト挿通孔
13 ボルト挿通孔
14 ボルト挿通孔
15 転てつ減摩器
16 まくらぎ
17 基本レール
18 トングレール
19 レール押さえ
20 締結ボルト
21 締結ボルト
22 締結ボルト
31 電気転てつ器
32 リンク部材
33a 中継器
33b 中継器
34a 転てつ棒
34b 転てつ棒
35 まくらぎ
36 床板
37 転てつ減摩器
38 減摩器本体
39 ばね緩衝器
40 枢軸
41 アーム部
42 ローラ
51 床板
52 支承軸
53 支承ローラ
54 転てつ減摩器
55 まくらぎ
T1 トングレール
T2 トングレール
R1 基本レール
R2 基本レール

Claims (3)

  1. まくらぎの上面と基本レール及びトングレールの底面との間に配置される床板に設けられ、上記トングレールの底面側を支承する支承装置を取り付けた転てつ減摩器において、
    上記床板は、トングレールの移動方向に摺動面を有し、
    上記支承装置は、上記摺動面よりも僅かに高く設定されてトングレール底面側を支承する複数個の支承ローラを取り付けたローラユニットからなり、
    上記床板は、上記ローラユニットの床板に対する取付位置を変更できるように床板上にトングレールの移動方向に一致するようにローラユニットのガイド部材を有し、
    上記ローラユニットは、上記ガイド部材に沿ってトングレールの移動方向にスライドさせることが可能なように構成されるとともに床板に対して脱着自在に取り付けられ
    該ローラユニットは、トングレール側端部に、転換動作時にトングレールをガイドする傾斜面を有するとともに、上記複数の支承ローラの内、トングレールに最も近い支承ローラが低く配置されていることを特徴とする転てつ減摩器。
  2. 上記複数個の支承ローラは、上記基本レールに近い位置から軌間の中心側へ向けてローラユニットに取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の転てつ減摩器。
  3. 上記支承ローラの軸部は、レールの長手方向に一致するようにローラユニットに形成された挿通孔に挿通されて固定されていることを特徴とする請求項1または2記載の転てつ減摩器。
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