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JP4825148B2 - レンズ移動装置 - Google Patents
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本発明は、レンズを移動させるフォーカシング機構やズーミング機構などに用いて好適なレンズ移動装置に関する。
一般に、レンズユニットに搭載するフォーカシング機構やズーミング機構には、所定のレンズ群を光軸方向に移動させるレンズ移動装置を備えており、この種のレンズ移動装置は、通常、位置を固定し、かつ光軸方向のガイド溝を有する中胴と、この中胴の外側に回動可能に配し、かつカム溝を有するカム筒と、中胴の内側に移動自在に配し、かつ所定のレンズ群を保持するとともに、ガイド溝及びカム溝の双方に係合する係合突起部を有する移動枠とを備えている。
従来、この種のレンズ移動装置としては、特開2000−193862号公報で開示される光学系位置調整可能な鏡枠が知られている。この光学系位置調整可能な鏡枠(レンズ移動装置)は、レンズを保持する内枠,第一の調整ネジが螺着される中枠,第二の調整ネジが螺着される外枠とで構成され、互いに平行バネで連結され、さらに、第一の調整ネジをX軸方向にねじ込むことによって、内枠をX軸方向に変位させるとともに、第二の調整ネジをY軸方向にねじ込むことによって、中枠を介して内枠をY軸方向に変位させ、レンズの光軸の位置調整を光軸の傾きのない状態で行うことができるようにして、光学部材の光学系位置調整(芯出し)を容易に行えるようにしたものである。
特開2000−193862号
しかし、上述した従来のレンズ移動装置(光学系位置調整可能な鏡枠)は、次のような問題点があった。
第一に、光学系位置調整(芯出し)機構を、レンズを光軸方向に移動させるレンズ移動装置に対して別途独立して構成するとともに、光学系位置調整機構は、X軸方向に変位させる調整機構の外側にY軸方向に変位させる調整機構を配する構成を採用するなど、光学系全体の大型化(大径化)を招く。
第二に、X軸方向に変位させる調整機構とY軸方向に変位させる調整機構は、それぞれ調整ネジと平行バネの組合わせにより構成するため、平行バネの弾性力が常に調整ネジの軸方向に付加されるなど、使用による振動や衝撃によって初期調整に狂いを生じやすく、信頼性に難がある。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決したレンズ移動装置の提供を目的とするものである。
本発明は、上述した課題を解決するため、位置を固定し、かつ光軸Fc方向のガイド溝2gを有する中胴2と、中胴2の外側に回動可能に配し、かつカム溝3cを有するカム筒3と、中胴2の内側に移動自在に配し、かつ所定のレンズ群Lを保持するとともに、ガイド溝2g及びカム溝3cの双方に係合する係合突起部4s…を有する移動枠4とを備えるレンズ移動装置1を構成するに際して、係合突起部4s…を一つ用いるとともに、移動枠4に螺合した複数の摺接突起部5…及び各摺接突起部5…を少なくとも中胴2に設けた孔部6…から所定の治具Tにより回動させて移動枠4の外周面4fからの突出長Dpを変更可能な突出長変更手段7からなる芯出調整機構Mを備えてなることを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、摺接突起部5…は、中胴2の内周面2iに当接する合成樹脂により形成した当接部11…を設けて構成できる。また、摺接突起部5…は、移動枠4の光軸Fc方向における異なる位置に二列に配することができる。さらに、中胴2の内周面2iにおける摺接突起部5…が摺接する面には、摺接突起部5…の移動方向(光軸Fc方向)に沿った挽目部12…を設けることができる。
このような構成を有する本発明に係るレンズ移動装置1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 係合突起部4s…を一つ用いるとともに、移動枠4に螺合した複数の摺接突起部5…及び各摺接突起部5…を少なくとも中胴2に設けた孔部6…から所定の治具Tにより回動させて移動枠4の外周面4fからの突出長Dpを変更可能な突出長変更手段7からなる芯出調整機構Mを備えるため、芯出調整機構Mは、レンズ移動装置の基本構成を利用し、この基本構成に含む状態で付設することができ、光学系全体の小型コンパクト化(小径化)を実現できる。
(2) 中胴2と移動枠4間の隙間に複数の摺接突起部5…を介在させることによりレンズ群Lに対するX軸方向とY軸方向の位置調整(芯出し)を行うため、バネ等による弾性力は付加されない。したがって、使用による振動や衝撃によっても初期調整に狂いが生じにくく、信頼性をより高めることができる。
(3) 好適な態様により、摺接突起部5…を、中胴2の内周面2iに当接する合成樹脂により形成した当接部11…を設けて構成すれば、中胴2に対する移動枠4の円滑な摺動(滑り)を確保できる。
(4) 好適な態様により、摺接突起部5…を、移動枠4の光軸Fc方向における異なる位置に二列に配すれば、中胴2に対する移動枠4の円滑な平行移動を確保できる。
(5) 好適な態様により、中胴2の内周面2iにおける摺接突起部5…が摺接する面には、摺接突起部5…の移動方向に沿った挽目部12…を設ければ、中胴2に対する移動枠4の円滑な摺動を確保しつつ摺動音を低減することができる。
次に、本発明に係る最良の実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係るレンズ移動装置1の構成について、図1〜図7を参照して説明する。
図1は、スチルカメラに用いる交換レンズAの概要を示し、特に、交換レンズAの一部を構成するレンズ移動装置1を明示する。交換レンズAは、不図示のカメラ本体(カメラボディ)に着脱するリング形のレンズマウント部21を備え、このレンズマウント部21にレンズ移動装置1が支持される。このレンズ移動装置1は、レンズマウント部21の前端面に固定した中胴2と、中胴2の外側に配したカム筒3と、中胴2の内側に配した移動枠4を備える。
この場合、中胴2は、図3に示すように、光軸Fc方向に沿い、かつ図2に示すように、周方向へ120゜間隔で配した三つのガイド溝2g…を有する。また、カム筒3は、中胴2に対して光軸Fc方向の変位が規制され、かつ中胴2の外周面に回動可能に装填する。このカム筒3は、図3に示すように、螺旋方向に沿い、かつ図2に示すように、周方向へ120゜間隔で配した三つのカム溝3c…を有する。さらに、カム筒3には、このカム筒3よりも大径となるフォーカスリング22を取付ける。このフォーカスリング22は、交換レンズAの最外郭に位置する。一方、移動枠4は、中胴2の内周面に対して光軸Fc方向へ移動自在に装填する。この移動枠4は、所定のレンズ群Lを保持するとともに、移動枠4の外周面には、ガイド溝2g…及びカム溝3c…の双方に係合し、かつ図2に示すように、周方向へ120゜間隔で配した三つの係合突起部4s…(4sa,4sb,4sc)を突設する。
以上がレンズ移動装置1の基本構成となり、フォーカスリング22を手で回すことにより一体のカム筒3が回動し、これにより、カム溝3c…が周方向へ変位する。この結果、カム溝3c…とガイド溝2g…の交点に位置する係合突起部4s…がガイド溝2g…に沿って変位するとともに、係合突起部4s…が設けられた移動枠4が変位する。そして、この移動枠4に保持されたレンズ群Lが光軸Fc方向に移動することによりフォーカシングが行われる。
他方、本実施形態に係るレンズ移動装置1は、上述した基本構成に対して芯出調整機構Mを付設して構成する。芯出調整機構Mは、移動枠4に螺合する複数(例示は六つ)の摺接突起部5…を備えるとともに、各摺接突起部5…を少なくとも中胴2に設けた孔部6…から所定の治具Tにより回動させて移動枠4の外周面4fからの突出長Dp…を変更可能な突出長変更手段7を備える。
この場合、摺接突起部5は、図6及び図7に示すように、偏平円柱形の基部31とこの基部31に組付けることにより中胴2の内周面2iに当接する当接部11を有する。基部31は精密性を確保するため、例えば、ステンレス等の金属素材により形成し、外周面にはネジ部31nを設ける。このネジ部31nは、図7に示すように、移動枠4に形成したネジ孔部32に螺合する。また、基部31の上面には凹形のリング溝31sを形成し、このリング溝31sに、筒形に形成した当接部11を嵌着(圧入)する。この当接部11は摩擦係数が比較的小さいポリアセタール樹脂(POM)やABS樹脂等の合成樹脂素材により形成し、上端面が中胴2の内周面2iに当接する当接面11sとなる。さらに、リング溝31sよりも中心側に位置する基部31の上面には、所定の治具Tが係合する治具係合部31cを設ける。例示の治具係合部31cは、マイナスドライバTrが係合するマイナス形の係合凹部31crである。
このように構成する摺接突起部5…は、図1及び図2に示すように、移動枠4の光軸Fc方向における異なる位置に二列に配するとともに、各列においては周方向へ120゜間隔で三つ(計六つ)配する。この際、各摺接突起部5…は、図2に示すように、各係合突起部4s…の相互間における中央位置にそれぞれ配する。摺接突起部5…を、移動枠4の光軸Fc方向における異なる位置に二列に配することにより、中胴2に対する移動枠4の円滑な平行移動を確保できる利点がある。
一方、当接部11が当接する中胴2の内周面2iには、摺接プレート35を設ける。この摺接プレート35における当接面11sの摺接する面には、摺接突起部5の移動方向(光軸Fc方向)に沿った挽目部12をプレス加工等により形成する。これにより、中胴2に対する移動枠4の円滑な摺動を確保しつつ摺動音を低減することができる。なお、この挽目部12は、摺接プレート35を用いることなく、中胴2の内周面2iに直接形成することも可能である。
さらに、摺接プレート35を含む中胴2には、マイナスドライバTr(所定の治具T)が挿通する孔部6…を形成する。この場合、孔部6の内径は、少なくとも当接部11における当接面11sの最外径よりも小さくなるように選定する。これにより、マイナスドライバTrを中胴2の外側から孔部6を通して係合凹部31crに係合させ、摺接突起部5を右方向又は左方向に回すことができる。この構成は、摺接突起部5が移動枠4の外周面4fから突出する突出長Dpを変更可能な突出長変更手段7となり、また、摺接突起部5…と突出長変更手段7は本発明の要部となる芯出調整機構Mを構成する。
他方、レンズ移動装置1は、このような芯出調整機構Mを備えるため、前述した三つの係合突起部4s…のうち、一つの係合突起部4s(4sa)のみを本来の係合突起部として機能させる。即ち、一つの係合突起部4saをガイド溝2g及びカム溝3cに対して比較的小さいクリアランスを介して係合させる。この係合突起部4saを図4に示す。この場合、係合突起部4sは、支軸を兼ねるネジ部41と、このネジ部41により回動自在に支持される、例えば、POM等の合成樹脂素材により形成したローラ部42xを備える。したがって、移動枠4の外周面4fには、ネジ部41が螺着するネジ孔43を形成するとともに、ローラ部42xが図4に示すようにガイド溝2g及びカム溝3cに対して比較的小さいクリアランスにより係合する。
さらに、他の二つの係合突起部4s…(4sb,4sc)は、ガイド溝2g…に対して比較的大きクリアランスC…を介して係合させるとともに、カム溝2c…に対して比較的小さいクリアランスにより係合させる。係合突起部4sb(他の係合突起部4scも同じ)を図5に示す。係合突起部4sbも基本的な構成は、上述した係合突起部4saと同じであるが、図5に示すように、外径を上述したローラ部42xの外径よりも小さくした細目のローラ部42yを用いる。このような係合突起部4sb(4sc)を用いることにより、移動枠4の径方向への変位(逃げ)を確保できる。よって、芯出調整機構Mを実質的に機能させることができ、本来のレンズ移動装置1の機能を確保しつつ光学系位置調整(芯出し)を確実に行うことができる。
なお、一つのレンズ群Lについて説明したが、通常、図1に示すように、他のレンズ群Leも異なる角度のカム溝(3c)によリ同時に移動する構成を備えている。この場合、上述した芯出調整機構Mは、特に、精密調整が要求される所定のレンズ群Lに適用すれば足りるが、他のレンズ群Leに対しても同様に適用することができる。図1中、4seは、他のレンズ群Leを移動させるための係合突起部を示している。
次に、本実施形態に係るレンズ移動装置1の組付手順を含む機能について、図1〜図7を参照して説明する。
まず、移動枠4の各ネジ孔部32…に摺接突起部5…をそれぞれ螺合させる。この際、移動枠4の外周面4fから摺接突起部5…が突出しない状態に螺合させる。移動枠4に全て(六つ)の摺接突起部5…を螺合するとともに、レンズ群L等の他の部品の組付が終了したなら、移動枠4を中胴2の内部に挿入し、さらに、不図示の芯出調整装置にセットする。芯出調整装置は、レンズ群Lの光軸中心を確認できる機能を備えており、セットした中胴2の移動枠4をスプリング等の付勢機能により径方向一方に付勢しながら芯出調整を行う。具体的には、図7に示すように、中胴2に設けた孔部6の位置に摺接突起部5の位置を合わせるとともに、この孔部6に外側からマイナスドライバTrを挿入し、係合凹部31crに係合させることにより摺接突起部5を右方向又は左方向に回し操作する。これにより、各摺接突起部5…を移動枠4の外周面4fから突出させて内筒2の内周面2iに当接させるとともに、全摺接突起部5…を内筒2の内周面2iに当接させた状態において、レンズ群Lの光軸が正規の光軸Fcに一致し、かつ平行になるように、各摺接突起部5…の突出長Dp…を変更する芯出調整を行う。
芯出調整が終了したなら、中胴2の外周面にカム筒3を装着し、カム筒3のカム溝3c…及び中胴2のガイド溝2g…の各位置を一致させた状態で、各係合突起部4s…をカム筒3の外側からネジ孔部43…に螺着する。これにより、レンズ移動装置1の組付が終了する。この後、中胴2に対するレンズマウント部21の取付やカム筒3に対するフォーカスリング22の取付などを行うことにより交換レンズAを組立てることができる。
よって、このような本実施形態に係るレンズ移動装置1によれば、係合突起部4s…を一つ用いるとともに、移動枠4に螺合した複数の摺接突起部5…及び各摺接突起部5…を少なくとも中胴2に設けた孔部6…から所定の治具Tにより回動させて移動枠4の外周面4fからの突出長Dpを変更可能な突出長変更手段7からなる芯出調整機構Mを備えるため、芯出調整機構Mは、レンズ移動装置の基本構成を利用し、この基本構成に含む状態で付設することができ、光学系全体の小型コンパクト化(小径化)を実現できる。また、中胴2と移動枠4間の隙間に複数の摺接突起部5…を介在させることによりレンズ群Lに対するX軸方向とY軸方向の位置調整(芯出し)を行うため、バネ等による弾性力は付加されない。したがって、使用による振動や衝撃によっても初期調整に狂いが生じにくく、信頼性をより高めることができる。
以上、最良の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、レンズ移動装置1は、フォーカシング機構に適用した場合を示したが、ズーミング機構など、レンズ(レンズ群)を移動させる各種機構に適用できる。また、摺接突起部5…は、二つの部品の組合わせにより構成する場合を示したが、合成樹脂等により一体形成し、一つの部品により構成する場合を排除するものではない。なお、本発明に係るレンズ移動装置1は、例示したスチルカメラ(銀塩フィルムカメラ,デジタルカメラ)をはじめ、ビデオカメラやプロジェクタ等の各種映像機器や光学機器等のレンズユニットに利用できる。
本発明の最良の実施形態に係るレンズ移動装置を明示する交換レンズの断面側面図、 同レンズ移動装置の主要部を明示する断面正面図、 同レンズ移動装置の主要部を明示する外観側面図、 同レンズ移動装置に用いる一つの係合突起部の一部断面側面図、 同レンズ移動装置に用いる他の係合突起部の側面図、 同レンズ移動装置に用いる摺接突起部の斜視図、 同レンズ移動装置に用いる摺接突起部を移動枠に螺合した状態を示す断面側面図、
1:レンズ移動装置,2:中胴,2g:ガイド溝,2i:中胴の内周面,3:カム筒,3c:カム溝,4:移動枠,4s…:係合突起部,4f:移動枠の外周面,5:摺接突起部,6…:孔部,7:突出長変更手段,11…:当接部,12:挽目部,Fc:光軸,L:レンズ群,T:治具,Dp:突出長,M:芯出調整機構,C:比較的大きいクリアランス

Claims (4)

  1. 位置を固定し、かつ光軸方向のガイド溝を有する中胴と、前記中胴の外側に回動可能に配し、かつカム溝を有するカム筒と、前記中胴の内側に移動自在に配し、かつ所定のレンズ群を保持するとともに、前記ガイド溝及び前記カム溝の双方に係合する係合突起部を有する移動枠とを備えるレンズ移動装置において、前記係合突起部を一つ用いるとともに、前記移動枠に螺合した複数の摺接突起部及び各摺接突起部を少なくとも前記中胴に設けた孔部から所定の治具により回動させて前記移動枠の外周面からの突出長を変更可能な突出長変更手段からなる芯出調整機構を備えてなることを特徴とするレンズ移動装置。
  2. 前記摺接突起部は、前記中胴の内周面に当接する合成樹脂により形成した当接部を有することを特徴とする請求項1記載のレンズ移動装置。
  3. 前記摺接突起部は、前記移動枠の光軸方向における異なる位置に二列に配することを特徴とする請求項1又は2記載のレンズ移動装置。
  4. 前記中胴の内周面における前記摺接突起部が摺接する面には、前記摺接突起部の移動方向に沿った挽目部を設けてなることを特徴とする請求項1,2又は3記載のレンズ移動装置。
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