JP4826558B2 - レーザー装置 - Google Patents
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レーザー光の波長を変換して例えば第2高調波を発生することができる非線形光学結晶からなる波長変換素子は、例えば、半導体の微細加工に用いられるステッパなどの半導体露光装置に適用されるレーザー光源や、安定な高出力レーザー光を発振できるレーザー光発生装置などに採用されている。
レーザー光の高出力化、短波長化を達成する手段として、現在、様々な手法が取られているが、これらの中で最も有望なものの一つに、固体レーザーからの出力光を非線形光学結晶の波長変換により短波長化し、短波長領域、特に紫外光領域のレーザー光を得る方法が挙げられる。固体レーザーは、半導体レーザーよりも、高効率でかつ安価に提供することが可能であり、また、KrFやArF等を用いるガスレーザーに比べて信頼性が高いと考えられる。
図18に示すように、Nd:YAGレーザー発振器等の光源(図示を省略する)から発振された波長1064nmのレーザー光Laは、非線形光学結晶101、例えばホウ酸リチウム結晶(以下、LBO結晶と称する)を通過する。この際、第2高調波である波長532nmのレーザー光Lbが発生する。次に非線形光学結晶101から出射されるレーザー光Lbは別の非線形光学結晶102、例えばβ‐ホウ酸バリウム結晶(以下、BBO結晶と称する)を通過して、第4高調波である波長266nmのレーザー光Lcが発生する。
ウォークオフ角をα、結晶の長さをlzとすると、x方向のビームの長さωxは下記の式(1)で表される。
ωx=tanα×lz・・・(1)
したがって、x方向のビームの長さはtan4.8°×6mm=0.5mmとなる。
アナモルフックプリズムは通常、2枚または4枚の偏角プリズムから構成され、予め設定された拡大または縮小率となるように個々のプリズムの角度や位置が調整されたうえで固定されている。
(a)内部屈折率の不均一性
(b)光軸方向の長さの加工精度による光路長のばらつき
(c)内部散乱体の影響
(d)内部吸収率の不均一性
(e)位相整合条件のばらつき
このようなビームパラメータのばらつきは特にx方向で顕著である。
その他の上記(a)、(c)、(d)、(e)の理由によってもx方向のビーム径が変化し、出力されるビームが縦横比1:1からずれてしまう。
更に、本発明のレーザー装置においては、前記レーザー装置の内部に形成される前記ウォークオフ方向のビームウェスト位置近傍に、ウォークオフ方向と略直交する方向に延長するスリットを設ける。
このスリットを設ける場合は、レンズ群、シリンドリカルレンズ及びスリットのうち1以上の面間隔を可変とすることが望ましい。
したがって、上記のレンズ群、シリンドリカルレンズの位置を調整することによって、非線形光学結晶の育成条件や加工工程において生じるばらつきや不均一性に起因するビームの形状の変化を抑え、良好なビーム形状の第2高調波を出射することが可能となる。
このようにスリットを設ける場合は、レンズ群、シリンドリカルレンズ及びこのスリットのうち1以上の面間隔を可変とすることによって、同様に、きわめて簡易な作業によりビーム形状の補正を行うことが可能となる。
本発明のレーザー装置によれば、上述した非線形光学結晶の育成条件や加工に起因するビーム形状の変化に加え、経時変化や出力変化により生じるビーム形状の変化を補正することも可能となる。
[1]第1の実施の形態例
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るレーザー装置の構成と作用を説明する。図1に示すように、このレーザー装置50は、基本波レーザー光を出射する光源20と、非線形光学結晶2とを備える。図1及び以下の各図においては、前述の図19及び図21と同様に、非線形光学結晶2のウォークオフ方向をx方向として示し、これとは直交する方向をy方向、また光軸に沿う光の進行方向をz方向として示す。そしてこのレーザー装置50においては、非線形光学結晶2のウォークオフ方向、すなわちx方向に全体として正の焦点距離を持つレンズ群30、この例においてはレンズ3及び4と、ウォークオフ方向と略直交する方向すなわちy方向に正の焦点距離を持つシリンドリカルレンズ6と、ウォークオフ方向すなわちx方向に正の焦点距離を持つシリンドリカルレンズ8とを備える。
この例においては、光源20から出射される基本波を非線形光学結晶2に集光するレンズ10を光源20と非線形光学結晶2との間に配置する。
また、この場合、レーザー装置の内部に形成される前記ウォークオフ方向のビームウェスト位置の近傍に、ウォークオフ方向と略直交する方向すなわちy方向に延長するスリット7を設ける。
また、それらに分極反転処理をほどこした、PP−C−LiNbO3、PP−C−LiTaO3、PP−S−LiNbO3、PP−S−LiTaO3(PPLST)、PP−MgO:C−LiNbO3、PP−MgO:C−LiTaO3、PP−ZnO:C−LiNbO3、PP−ZnO:C−LiTaO3、PP−MgO:S−LiNbO3、PP−MgO:S−LiTaO3、PP−ZnO:S−LiNbO3、PP−ZnO:S−LiTaO3、PP−KTiOPO4などの結晶素子を挙げることができる。
なお、スリットはビームウェスト位置近傍であればよく、すなわち、上述のサイドローブを消去し得る範囲であれば、ビームウェスト位置から多少ずれていてもよい。
なお、x方向及びy方向のビームはそれぞれ、y方向及びx方向に曲率を持つシリンドリカルレンズを通過するが、曲率を持つ方向に直交する成分に対しては集光または発散の作用がないので説明を省略する。
このように、スリットを設けることで、内部屈折率の不均一性などによるビーム品質の劣化を防ぐことができる。また、第2高調波のビームポインティングの数分から数時間の範囲で生じる経時変化についても、上記の構成により補正することができ、強度分布の対称性を改善することができる。
まず、結晶の温度を変化させて補正する。すなわち非線形光学結晶2の温度を制御するヒートシンク、ペルチェ素子等の温度制御手段を設ける。これにより、ある程度のビームポインティングの変動を抑制できる。
また、ビームポインティングの方位を例えば4分割フォトダイオード等の検出手段を設けて検出する。そして検出されたビームポインティングの変位を、ビーム整形光学系を構成するレンズを移動することによって補正する。この移動は例えばレンズの光軸に垂直な面内で移動させる移動機構を設け、その移動量として、検出した変位に対応する移動量をフィードバックする構成としてもよい。すなわちビームポインティングの変動を抑制するようにレンズを適切量偏芯させる構成とする。レンズの偏芯によって結晶から射出するビームの変動をキャンセルすることによって、最終的にレーザー装置から射出するビームポインティングの経時変化を回避もしくは十分に抑制することができる。
なお、レンズの距離の調整は、接着剤等を使わずにネジ止め等の取り外し可能な固定方法により各部を固定して、調整時にその都度固定し直してもよい。また、光軸に沿う方向に可動性を有するレール等を設け、その上に各部を配置するとか、或いは光軸に沿う方向に移動するモータステージ上に各部を配置する等の構成としてもよく、この場合は、容易にレンズ間の距離を調整することが可能となる。
図7は、本発明の第2の実施形態に係るレーザー装置の概略構成図である。図7において、図1と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この例においては、非線形光学結晶2を、4枚のミラーを交叉して配置するいわゆるボウタイ型の外部共振器構成の共振器1内に配置する場合を示す。この共振器1には、図示しない例えば波長532nmの光源からレーザー光が入射される。レーザー光の出力としては、例えば1Wの連続レーザーを用いることができる。非線形光学結晶2としては例えばBBO結晶を用いて、その光軸方向の長さlzは例えば6.0mmとする。
共振器1はインプットミラー11、アウトプットミラー12、ミラー13及び14より構成される。アウトプットミラー12は、共振器1の内側に凹面を向けその反対の面は平面とされる平凸レンズより構成される。曲率半径は100mm、厚さ3mm、材質は合成石英であり、光軸に対してx方向、すなわち非線形光学結晶2のウォークオフ方向に10°傾いて設置される。アウトプットミラー12は、共振器1を構成するとともに、非線形光学結晶2より射出される波長変換された例えば波長266nmのレーザービームを共振器1の外部へ通過させる。
シリンドリカルレンズ6は共振器側に平面を向けたy方向に曲率を持つ平凸型のシリンドリカルレンズであり、曲率半径は71.9mm、厚さ2mm、材質は合成石英である。
シリンドリカルレンズ7は共振器側に平面を向けたx方向に曲率を持つ平凸型のシリンドリカルレンズであり、曲率半径は90mm、厚さ2mm、材質は合成石英である。
a1:75mm
a2:可変
a3:可変
a4:可変
a5:179mm
n:1.499683
ここで、非線形光学結晶2の長さlzに対して採りうる距離a2、a3及びa4の値の一例を下記の表1に示す。lz=6mmの場合はa2=35mm、a3=44mm、a4=38mmとする。
なお、ここで距離とは、レンズ間においてはレンズの面間隔、非線形光学結晶との距離とはその出射面との間隔、スリットとの距離とは、スリット内の中心点、この場合ビームウェスト位置Wとの間隔を指す。
これに対し、a3、a4及びa5を変更しないと、x方向のビーム径が1.05mm、y方向のビーム径が1mmとなり、縦横比が1:1.05となってしまう。
図10は、本発明の第3の実施形態に係るレーザー装置の概略構成図である。図10において、図1及び図7と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
この例においても、非線形光学結晶2をボウタイ型の共振器1内に設ける例であり、図中に示していない波長532nmのレーザー光源からレーザー光が入射される。またレーザー光としては例えば出力1Wの連続光を用い得る。非線形光学結晶2としては例えばBBO結晶を用いて、光軸方向の長さlzは6.0mmとする。共振器1のアウトプットミラー13は、内側に凹面を向けその反対の面は平面であり、曲率半径を100mm、厚さ3mm、材質は合成石英とし、光軸に対してx方向すなわちウォークオフ方向に10°傾いて設置される。
シリンドリカルレンズ5は共振器1側に凹面を向けたx方向に曲率を持つ平凹型のシリンドリカルレンズであり、曲率半径は25mm、厚さ2mm、材質は合成石英である。
スリット7はx方向のビームウェスト位置Wに配置され、y方向に延長するスリットであり、x方向の幅は0.1mmである。ここにx方向のビームウェストが形成される。
シリンドリカルレンズ8は共振器側に平面を向けたx方向に曲率を持つ平凸型のシリンドリカルレンズであり、曲率半径は90mm、厚さ2mm、材質は合成石英である。
b1:63mm
b2:35mm
b3:可変
b4:可変
b5:可変
b6:179mm
n:1.499683
ここで、非線形光学結晶2の長さlzに対して採りうる距離b3、b4及びb5の値の一例を下記の表2に示す。lz=6mmの場合はb3=45mm、b4=6.5mm、b5=14mmとする。
共振器1から射出されたビームのx方向の成分のビーム伝搬について説明すると、負レンズの作用を持つ凹面ミラーであるアウトプットミラー12、x方向に曲率を持つ正のシリンドリカルレンズ4及びx方向に曲率を持つ正のシリンドリカルレンズ5により、位置Wにx方向のビームウェストが形成される。x方向のビームウェスト径は70μmである。ここに配置されたスリット7により図3において説明した例と同様にサイドローブが除かれる。次にシリンドリカルレンズ8により、ビーム径1mmのビームにコリメートされる。
これに対し、距離b3、b4及びb5を変更しない場合は、x方向のビーム径が0.95mm、y方向のビーム径が1mmとなり、縦横比が1:0.95となってしまう。
この場合においても距離b3、b4及びb5を変更しないと、x方向のビーム径が1.05mm、y方向のビーム径が1mmとなり、縦横比が1:1.05となってしまう。
図13は、本発明の第4の実施形態に係るレーザー装置の概略構成図である。図13において、図1、図7及び図10と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
この例においては、図中に示していない波長532nmのレーザー光源から非線形光学結晶2にレーザー光が入射される。レーザー光としては例えば平均出力1Wのパルス光を用い、非線形光学結晶2としてはBBO結晶を用いることができる。非線形光学結晶2の光軸方向の長さlzは6.0mmとする。非線形光学結晶2の出射光路上に、シリンドリカルレンズ4及び5、スリット7、シリンドリカルレンズ6及び8が配置される。
c1=85.7mm
c2:可変
c3:可変
c4:可変
c5:可変
n=1.499683
ここで、非線形光学結晶2の長さlzに対して採りうる距離c2、c3、c4及びc5の値の一例を下記の表3に示す。lz=6mmの場合はc2=34.5mm、c3=27mm、c4=40.5mm、c5=150mmとする。
一方y方向の成分のビームはシンドリカルレンズ6により、ビーム径1mmのビームにコリメートされる。よって縦横比1:1のビームが得られる。得られたビーム形状を図15に示す。
これに対し、距離c2、c3、c4及びc5を変更しないと、x方向のビーム径が0.95mm、y方向のビーム径が1mmとなり、縦横比が1:0.95となってしまう。
これに対し、距離c2、c3、c4及びc5を変更しないと、x方向のビーム径が1.05mm、y方向のビーム径が1mmとなり、縦横比が1:1.05となってしまう。
例えば、図16においては、図7において説明した第1の実施の形態例と同様の構成として、スリット7とシリンドリカルレンズ8との間に光路を略90°折り曲げるミラー9を設ける場合の概略構成図を示す。図16において、図7と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
この例においても、上述の図7に示す例と同様に、距離a2〜a4を変更することによって、ビームプロファイルの変化を補正して、良好なビーム形状とすることが可能である。
図17に示すように、この例においては、スリット7とミラー9との間に凹レンズ21、ミラー9とシリンドリカルレンズ8との間に凸レンズ22を配置して、これらが光軸と直交する面内で移動可能な構成とする。図示しないが移動手段としてはステッピングモーターや2軸アクチュエーター等種々の駆動装置を用い得る。
また、ミラー9を例えば半透過ミラーとして、一部を4分割フォトダイオード等の検出手段23に受光させ、制御装置24において例えばレンズ21及び22の矢印m1,m2で示す方向の移動量を検出し、図示しない移動手段に信号Sm1,Sm2として出力する構成とし、いわばビームポインティングの変動をフィードバックさせる構成とすることも可能である。
このような構成として移動手段によりレンズを偏心させることにより、より大きいビームポインティングの変動を補正することが可能となる。
Claims (2)
- 光源からの光を入射光として入射することにより、前記入射光の2倍の周波数であってウォークオフ方向に偏平なビーム形状を有する波長変換光を出射する非線形光学結晶と、
前記非線形光学結晶のウォークオフ方向に全体として正の焦点距離を持ち、前記波長変換光を前記ウォークオフ方向に集光してビームウェストを形成するレンズ群と、
前記レンズ群の後段に配置され、前記ウォークオフ方向と略直交する方向に正の焦点距離を持ち、前記波長変換光を前記ウォークオフ方向と略直交する方向にコリメートする第1のシリンドリカルレンズと、
前記第1のシリンドリカルレンズの後段に配置され、前記波長変換光のビームウェスト位置近傍に、前記ウォークオフ方向と略直交する方向に延長するスリットを有する光学部品と、
前記スリットを有する光学部品の後段に配置され、前記ウォークオフ方向に正の焦点距離を持ち、前記波長変換光を前記ウォークオフ方向にコリメートする第2のシリンドリカルレンズと、
を備え、
前記レンズ群、前記第1及び前記第2のシリンドリカルレンズ、及び前記スリットを有する光学部品のうち1以上の面間隔が可変とされ、
前記ビームウェスト位置における前記ウォークオフ方向の前記波長変換光のビーム形状のサイドローブを前記スリットを有する光学部品により消去して、前記スリットを有する光学部品を通過後の前記ウォークオフ方向の前記波長変換光のビーム形状が前記ウォークオフ方向と略直交する方向の前記波長変換光のビーム形状と近い形状となるようにし、
前記非線形光学結晶の育成条件や加工工程において生じるばらつきや不均一性に起因して前記波長変換光のビーム形状が変化しても、前記スリットを有する光学部品における前記ウォークオフ方向の前記波長変換光のビームウェスト径が一定となるように、前記レンズ群、前記第1及び前記第2のシリンドリカルレンズ、及び前記スリットを有する光学部品のうち1以上の面間隔を調整した
レーザー装置。 - 前記レンズ群、前記第1及び前記第2のシリンドリカルレンズのうち1以上を光軸に垂直な面内で移動させる移動機構と、
前記第2のシリンドリカルレンズの後段に配置され、前記波長変換光を受光してビームポインティングの変位を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出される前記ビームポインティングの変位に対応して、前記移動機構を用いて前記レンズ群、前記第1及び前記第2のシリンドリカルレンズのうち1以上を偏芯させることにより、前記ビームポインティングの変位を抑制する
請求項1記載のレーザー装置。
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