JP4828690B2 - 非水系電解液二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水系電解液二次電池に関し、特に負極を改良した非水系電解液二次電池に係わる。
【0002】
【従来の技術】
近年、VTR、携帯電話、パソコンなどの各種電子機器、コードレスの携帯型電子機器の小型、軽量化に伴ない、それら機器の電源の高エネルギー密度の要求が高まり、負極活物質に金属リチウムを使用したリチウム二次電池に代表される非水系電解液二次電池が提案されている。しかしながら、負極活物質として金属リチウムを用いたリチウム二次電池は、放電時にリチウムイオンとして電解液中に溶解したリチウムが電解液中の非水溶媒と反応して一部不活性になる。このため、充放電を繰り返すと負極の表面の凸部にリチウムが電析してデンドライト状(樹枝状)に析出し、このデンドライト状リチウムがセパレータを貫通して正極と接することにより内部短絡を生じる問題があった。
【0003】
このようなことから、特開昭63−121260号公報には負極にカーボンを用いた軽量の二次電池が開示されている。その後、負極活物質としてコークス、グラファイト、樹脂焼成体、熱分解気相炭素等、種々の炭素材料を用いる、いわゆるリチウムイオン二次電池が提案され、実用化されている。
【0004】
前記リチウムイオン二次電池としては、正極にLiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4等のカルコゲン化合物を用い、負極に前記炭素材料を用いたものが知られており、前記炭素材料の素材によって種々の特徴を有する。例えば、特開平5−89879号公報のように繊維径の断面方向にラメラ構造を持つ炭素繊維を負極活物質として含むリチウムイオン二次電池は優れた充放電特性を有する。また、黒鉛度の高いグラファイトを負極活物質として含むリチウムイオン二次電池は高い充電エネルギーを有する。さらに、前記リチウムイオン二次電池は金属リチウムを負極として用いた二次電池に比べて安全性が高く、各種の携帯端末の電源として広く利用されている。
【0005】
前述したようにコークス、グラファイト、樹脂焼成体、熱分解気相炭素等は負極の活物質として用いられているものの、これらの負極を備えたリチウムイオン二次電池において携帯端末の要求特性、例えば薄型化、軽量化、高容量化および高サイクル維持率を全て満足するに至っていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、負極を改良することによって高温充放電サイクル特性を向上した非水系電解液二次電池を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る非水系電解液二次電池は、リチウムを吸蔵・放出可能な正極、リチウムを吸蔵・放出可能な負極、セパレータおよび非水系電解液を備え、
前記正極および前記負極は、集電体にそれぞれ正極材料および負極材料を塗布した構造を有し、
前記負極材料は、繊維状炭素材(a),(b)と非繊維系炭素材(c)とを含む炭素質材を含有し、前記繊維状炭素材(b)がメソフェーズ低温焼成炭素であり、かつ
前記負極は、負極電位1V〜3V間の放電容量として15〜30mAh/gを有することを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる非水系電解液二次電池を詳細に説明する。
【0009】
この非水系電解液二次電池は、リチウムを吸蔵・放出可能な正極、リチウムを吸蔵・放出可能な負極、セパレータおよび非水系電解液を備える。
【0010】
次に、前記負極、正極、セパレータおよび非水系電解液を説明する。
【0011】
1)負極
この負極は、集電体に負極材料を塗布した構造を有する。
【0012】
前記集電体としては、例えば銅板、銅メッシュ材等を挙げることができる。
【0013】
前記負極材料は、繊維状炭素材(a),(b)および非繊維状炭素材(c)と、結着剤を含有する。この繊維状炭素材(b)は、メソフェーズ低温焼成炭素である。
【0014】
前記繊維状炭素材(a)は、前記負極材料の主たる炭素材料として機能する。この繊維状炭素材(a)としては、例えばメソフェーズピッチ系カーボン繊維、PAN系炭素繊維、またはフェノール樹脂、ポリイミドからなる繊維状をなす炭素材、繊維状の気相成長炭素体等を挙げることができる。特に、メソフェーズピッチ系カーボン繊維が好ましい。
【0015】
前記繊維状炭素材(a)は、平均繊維径8〜18μm、平均繊維長10〜50μm、真密度2.24g/cc以上であることが好ましい。このような繊維状炭素材(a)は、充放電サイクル特性の向上に寄与する。特に、前記平均繊維長10μm未満にすると繊維形態を示す比率が少なくなって粉末状になり、充放電効率が低下する恐れがある。一方、前記平均繊維長が50μmを超えるとこの繊維状炭素材(a)を含む負極材料を備えた負極の物性、例えば集電体と負極材料との密着性が低下する恐れがある。
【0016】
前記繊維状炭素材(a)は、Cu−KαによるX線回折法での(101)回折ピークP101と(100)回折ピークP100の強度比(P101/P100)が1.2〜1.9であることがより好ましい。前記繊維状炭素材(a)は、面間隔(d002)が0.3354〜0.3370nm(より好ましくは0.3354〜0.3359nm)で、a軸方向の結晶子の大きさ(La)が60nm以上、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が40nm以上であることがさらに望ましい。
【0017】
前記繊維状炭素材(a)は、ホウ素添加により黒鉛結晶の面間隔(d002)を拡大する、つまり黒鉛化度を高めることを許容する。
【0018】
前記繊維状メソフェーズ低温焼成炭素(b)は、比較低温で焼成され、負極容量の増大および充放電サイクル特性の向上に寄与する。この繊維状炭素(b)は、平均繊維径8〜20μm、平均繊維長8〜20μm、真密度1.50〜1.75g/ccであることが好ましい。
【0019】
前記非繊維状炭素材(c)としては、例えば鱗片状または球塊状の黒鉛等を挙げることができ、単独もしくは2種以上の混合物の形態で用いることができる。この黒鉛は、3〜30μmの平均粒径を有することが好ましい。この黒鉛の平均粒径を3μm未満にすると、比表面積、吸油量が大きくなって負極材料を集電体に塗布する際の固形分比率が低下すると共に、負極の不可逆容量が大きくなる恐れがある。一方、前記黒鉛の平均粒径が30μmを超えると、集電体に対する負極材料の密着性が低下する等の物性劣化とプレス成形に際して必要とする圧下線圧が増大する恐れがある。
【0020】
前記繊維状炭素材(a),(b)と前記非繊維系炭素材(c)との配合割合は、前者が20〜85重量%、後者が15〜80重量%にすることが好ましい。前者の配合割合が85重量%を超えると、繊維状炭素材が多くなり、高い固形分率で負極スラリーの調製が可能になって製造面で有利になるものの、集電体に対する負極材料の密着性が低下して負極の材料の密度を高くすることが困難になる。一方、後者が80重量%を超えると、燐片状黒鉛のような非繊維状炭素材の量が多くなり、電極密度を高める上で有利であるものの、負極に対する非水電解液の浸透性が低下して充放電サイクル特性が低くなる恐れがある。
【0021】
前記繊維状炭素材(b)は、前記炭素質材に対して1〜10重量%、より好ましくは2〜9重量%配合されることが望ましい。この繊維状炭素材(b)の配合量を1重量%未満にすると、高容量化が困難になるばかりか、電極密度を高めることが困難になる。一方、前記繊維状炭素材(b)の配合量が10重量%を超えると、充放電サイクル寿命が短くなる恐れがある。
【0022】
前記負極は、前述した繊維状炭素材(a),(b)と非繊維系炭素材(c)とを含む炭素質材を含有した負極材料を有し、負極電位1V〜3V間の放電容量として15〜30mAh/gを有する。前記条件での負極の容量が前記範囲を逸脱すると、高温での充放電サイクル特性が低下する。より好ましい前記条件での負極の容量は、20〜25mAh/gである。
【0023】
前記結着剤は、PVdFに代表される有機溶媒に溶解性を持つ高分子材料、CMC、SBRに代表される水に分散し易い高分子材料等を用いることができるが、これらの高分子材料は一例に過ぎず特に制約を受けない。ただし、今後の環境の点も考慮すると水に分散し易い高分子材料が好ましい。
【0024】
前記結着剤は、負極材料に対して1.0〜6.0重量%配合されることが好ましい。この結着剤の配合量を1.0重量%未満にすると、容量の向上等の電極性能の点で好ましいものの、集電体に対する負極材料の密着性が低下して負極の加工時(特に裁断時)において欠けや剥離を生じ、また例えば正負極間にセパレータを介在した帯状物を捲回して電極群を作製する際にその電極群に微細な欠損物が混入して正負極の短絡等を招く恐れがある。一方、前記結着剤の配合量が6.0重量%を超えると、負極中に占める結着剤量が増大して容量の低下を招く恐れがある。
【0025】
2)正極
この正極は、集電体に正極材料を塗布した構造を有する。
【0026】
前記集電体としては、例えばアルミニウム板、アルミニウムメッシュ材等を挙げることができる。
【0027】
前記正極材料は、例えば活物質と結着剤とを含有する。前記活物質としては、例えば二酸化マンガン、二硫化モリブデン、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4等のカルコゲン化合物を挙げることができる。これらのカルコゲン化合物は、2種以上の混合物で用いることができる。前記結着剤としては、例えば例えばフッ素系樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂のような熱可塑性エラストマー系樹脂、またはフッ素ゴムのようなゴム系樹脂を用いることができる。具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル、ニトリルゴム、ポリブタジエン、ブチルゴム、ポリスチレン、スチレン−ブタジエンゴム、水添スチレン−ブタジエンゴム、多硫化ゴム、ニトロセルロース、シアノエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。これらの結着剤の中でエラストマー、ゴム架橋体または極性基を導入した変成体は、前記集電体と前記正極材料との密着性の向上および過充電時における抵抗増大効果の向上の観点から好適である。
【0028】
前記正極材料には、導電補助材としてアセチレンブラック、粉末状膨張黒鉛などのグラファイト類、炭素繊維粉砕物、黒鉛化炭素繊維粉砕物、等をさらに含有することを許容する。
【0029】
3)セパレータ
このセパレータとしては、例えば20〜30μmの厚さを有するポリエチレン多孔質フィルム、ポリプロピレン多孔質フィルム等を用いることができる。
【0030】
4)非水系電解液
この非水系電解液は、例えばエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンから選ばれる少なくとも1種からなる非水溶媒に過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、ホウフッ化リチウム(LiBF4)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF6)を溶解した組成のもの等を用いることができる。
【0031】
前記非水溶媒は、粘性との関係から単独で使用するよりも2〜3種類を混合して使用することが好ましく、この非水溶媒に溶解する電解質の濃度は0.5〜1.5モル/Lの範囲にすることが好ましい。特に、前記非水溶媒中にはγ−ブチロラクトンが10〜80重量%(より好ましくは45〜70重量%)含有することが望ましい。
【0032】
本発明に係る非水系電解液二次電池としては、次に説明する図1に示す円筒型、図2に示す角型、図3,図4に示す薄型の構造のものが挙げられる。
【0033】
(1)円筒型非水系電解液二次電池
図1に示すように有底円筒状をなす金属製外装缶1は、例えば負極端子を兼ね、底部内面に下部絶縁板2が配置されている。発電要素である電極体3は、前記外装缶1内に収納されている。前記電極体3は、負極4とセパレータ5と正極6とを前記セパレータ5が最外周に位置するように渦巻き状に捲回することにより作製したものである。前記負極4の下端面には、負極リードタブ7がせつぞくされ、かつこのリードタブ7の他端は前記外装缶1の底部内面に接続されている。中心付近に正極リードタブ取出穴を有する上部絶縁板8は、前記外装缶1内の前記電極体3上に配置されている。
【0034】
茫漠気孔を有する封口部材9は、正極端子を兼ね、前記外装缶1の上端開口部に絶縁ガスケット10を介してかしめ固定されている。この封口部材9は、中央付近にガス抜き穴11が開口された皿形封口板12と、この封口板12に前記ガス抜き穴11を覆うように固定された例えばアルミニウムからなる弁膜ラブチャ13と、前記封口板12の周縁に配置されたリング状のPTC(Positive temperature Coefficient)14と、複数のガス抜き孔15が開口された帽子形の正極端子16とから構成されている。前記封口板12の下面には、正極リードタブ17が接続され、かつこのリードタブ17の他端は前記上部絶縁板8のリード取出穴を通して前記電極3の正極6に接続されている。
【0035】
(2)角型非水系電解液二次電池
図2に示す有底矩形筒状をなす金属、例えばアルミニウムから作られる外装缶21は、例えば正極端子を兼ね、底部内面に絶縁フィルム22が配置されている。発電要素である電極体23は、前記外装缶21内に収納されている。なお、外装缶がステンレスまたは鉄からなる場合には負極端子を兼ねる。前記電極体23は、負極24とセパレータ25と正極26とを前記正極26が最外周に位置するように渦巻状に捲回した後、扁平状にプレス成形することにより作製したものである。中心付近にリード取出穴を有する例えば合成樹脂からなるスペーサ27は、前記外装缶21内の前記電極体23上に配置されている。
【0036】
金属製蓋体28は、前記外装缶1の上端開口部に例えばレーザ溶接により気密に接合されている。前記蓋体28の中心付近には、負極端子の取出穴29が開口されている。負極端子30は、前記蓋体28の穴29にガラス製または樹脂製の絶縁材31を介してハーメティックシールされている。前記負極端子30の下端面には、リード32が接続され、かつこのリード32の他端は前記電極体23の負極24に接続されている。
【0037】
上部側絶縁紙33は、前記蓋体28の外表面全体に被覆されている。スリット34を有する下部側絶縁紙35は、前記外装缶21の底面に配置されている。二つ折りされたPTC素子(Positive Temperature Coefficient)36は、一方の面が前記外装缶21の底面と前記下部側絶縁紙35の間に介装され、かつ他方の面が前記スリット34を通して前記絶縁紙35の外側に延出されている。外装チューブ37は、前記外装缶21の側面から上下面の絶縁紙33、35の周辺まで延出するように配置され、前記上部側絶縁紙33および下部側絶縁紙35を前記外装缶21に固定している。このような外装チューブ37の配置により、外部に延出された前記PTC素子36の他方の面が前記下部側絶縁紙35の底面に向けて折り曲げられる。
【0038】
(3)薄型非水系電解液二次電池
図3,図4に示すように発電要素41は、例えば活物質および結着剤を含む正極材料である正極活物質層42が集電体43の両面に担持された正極44とセパレータ45と活物質および結着剤を含む負極材料である負極活物質層46が集電体47の両面に担持された負極48とセパレータ45とを渦巻状に捲回し、さらに成形した扁平で矩形状をなす。前記正極44,負極48に接続された外部リード端子49,50は、それぞれ前記発電要素41の同一側面から外部に延出されている。
【0039】
前記発電要素41は、図3に示すように例えば2つ折りのカップ型外装フィルム51のカップ52内にその折曲げ部が前記発電要素41の前記外部リード端子49,50が延出された側面と反対側の側面側に位置するように包み込まれている。この外装フィルム51は、図4に示すように内面側に位置するシーラントフィルム53、アルミニウムまたはアルミニウム合金の箔54および剛性を有する有機樹脂フィルム55をこの順序で積層した構造を有する。前記外装フィルム51における前記折り曲げ部を除く前記発電要素1の2つの長側面および1つの短側面に対応する3つの側部は、前記シーラントフィルム53同士を熱シールして水平方向に延出したシール部56a,56b,56cが形成され、これらのシール部56a,56b,56cにより前記発電要素41を封口している。前記発電要素41の正極44、負極48に接続された外部端子49,50は、前記折り曲げ部と反対側のシール部56bを通して外部に延出されている。前記発電要素41内部および前記シール部56a,56b,56cで封口された前記外装フィルム51内には、非水系電解液が含浸・収容されている。
【0040】
なお、前記薄型非水系電解液二次電池において外装フィルムはカップ型に限らず、ピロー型、パウチ型にしてもよい。
【0041】
以上説明したように本発明に係る非水電解液二次電池は、リチウムを吸蔵・放出可能な正極、リチウムを吸蔵・放出可能な負極、セパレータおよび非水系電解液を備え、前記正極および前記負極が集電体にそれぞれ正極材料および負極材料を塗布した構造を有し、前記負極材料が繊維状炭素材(a),(b)と非繊維系炭素材(c)とを含む炭素質材を含有し、前記繊維状炭素材(b)がメソフェーズ低温焼成炭素であり、かつ前記負極が負極電位1V〜3V間の放電容量として15〜30mAh/gを有する。
【0042】
このような炭素質材として繊維状炭素材(a)、非繊維系炭素材(c)と共に繊維状メソフェーズ低温焼成炭素(b)を含む負極材料を集電体に塗布した構造を有し、かつ負極電位1V〜3V間の放電容量として15〜30mAh/gを有する(つまり、過放電領域においても所定の容量を有する)改良された負極を備えることによって、高温(例えば35〜60℃)における充放電サイクル特性を向上した非水電解二次電池を得ることができる。すなわち、負極が過放電領域において所定の容量を有することによって、放電後に高温環境下に長期間放置しても二次電池の能力が消失することなく、その後の充電により初期の充放電特性を発揮できる。
【0043】
特に、前記繊維状炭素材(a)として、平均繊維径8〜18μm、平均繊維長10〜50μm、真密度2.24g/cc以上(より好ましくはこれら特性に加えてCu−KαによるX線回折法での(101)回折ピークP101と(100)回折ピークP100の強度比(P101/P100)が1.2〜1.9であることがより好ましい。前記繊維状炭素材(a)は、面間隔(d002)が0.3354〜0.3370nmで、a軸方向の結晶子の大きさ(La)が60nm以上、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が40nm以上)のものを用いることによって、より高温での充放電サイクル寿命を向上した非水電解二次電池を得ることができる。
【0044】
また、繊維状炭素材(b)として比較低温で焼成される。この繊維状炭素は、平均繊維径8〜20μm、平均繊維長8〜20μm、真密度1.50〜1.75g/ccのものを用いることによって、より一層高温での充放電サイクル寿命を向上した非水電解二次電池を得ることができる。
【0045】
さらに、前記非繊維状炭素材として鱗片状または球塊状の黒鉛(好ましくは3〜30μmの平均粒径を有する黒鉛)を用いることによって、より一層高温での充放電サイクル寿命を向上した非水電解二次電池を得ることができる。
【0046】
さらに、前記非水系電解液の非水溶媒としてγ−ブチロラクトンを10〜80重量%(より好ましくは45〜70重量%)含有するものを用いることによって、前記負極の容量を増大させることに伴う正極の性能の低下を補償でき、高温充放電サイクル特性の向上が図られ、かつバランスのとれた性能を有する非水系電解液二次電池を得ることができる。
【0047】
【実施例】
以下、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0048】
「繊維状炭素材(a)の作製」
メソフェーズピッチを紡糸、不融化し、アルゴン雰囲気下、680℃で炭化し、適度に粉砕した後、窒素雰囲気下で3000℃にて黒鉛化することにより繊維状炭素材を得た。
【0049】
得られた繊維状炭素材は、c軸方向の結晶子(Lc)の大きさ60nm、平均繊維径8.5μm、平均繊維長18.5μm、真密度2.26g/cc、面間隔(d002)0.3359nm、Cu−KαによるX線回折法での(101)回折ピークP101と(100)回折ピークP100の強度比(P101/P100)が1.45であった。
【0050】
「繊維状メソフェーズ低温焼成炭素材(b)の作製」
黒鉛化温度化を変えて焼成し、平均繊維径17μm、真密度1.50〜1.80g/ccを有する数種の繊維状メソフェーズ低温焼成炭素材を用意した。
【0051】
「黒鉛の作製」
天然系黒鉛を球塊状に解扮して所定の黒鉛を得た。この黒鉛は、平均粒径8.5μm、比表面積6.7m2/g、面間隔(d002)0.3358nmであった。
【0052】
(実施例1)
<負極の作製>
まず、カルボキシメチルセルロースの0.68重量%濃度の粘調水溶液177重量部に前記繊維状炭素材(a)50重量部、真密度が1.55g/ccの前記繊維状メソフェーズ低温焼成炭素材(b)2重量部および前記球塊状黒鉛(c)48重量部を添加した後、せん断分散した。つづいて、この混合物にSBRラテックス3.4重量部を添加し、均一の混合攪拌して負極塗工スラリーを調製した。
【0053】
次いで、前記塗工スラリーをナイフエッジコータにより厚さ15μmの銅箔(集電体)の両面にそれぞれ103g/m2になるように塗工し、乾燥した。この時の銅箔上の負極材料の密度は、1.23g/ccであった。その後、プレス、スリット加工を施して厚さ149μm(負極材料の密度;1.5g/cc)、幅43.25mmの帯状負極を作製した。
【0054】
得られた負極について、負極電位1V〜3V間の放電容量を次のような手法で測定した。
【0055】
作製した負極から2×2cmの大きさに切り出したサンプルを全重量から集電体の重量を引いて活物質量(負極材料の量)を計算する。前記サンプルと対極リチウム金属の間にガラスフィルタを介在させ、参照極に金属リチウムを使用し、これらを三極端子付のガラス容器内に組み込む。このガラス容器にγ−ブチロラクトンおよびエチレンカーボネートの混合溶媒(混合体積比2:1)にLiBF4を1.5モル/L溶解した組成を有する電解液を注液した後、脱泡するために真空排気しガラスセルを組立てる。ここまでの作業は、ドライアルゴン雰囲気中のグローブボックス内で行なう。
【0056】
組立てたガラスセルを充放電器に繋ぎ、25℃の雰囲気中の恒温槽に入れる。前記充放電器では、前記サンプルと対極の間に電流を流した時の電圧電流と前記対極と前記サンプルの間の電圧をモニタする。充電条件は、活物質1g当たり320mAhを1Cとし、サンプル活物質重量に応じて1C電流を決める。
【0057】
1〜3サイクル目は、0.3C×10mV×8hの充電、0.3C×3.0Vカットオフの放電の条件で充放電を行ない、4サイクル目は0.3C×10mV×8hの充電、0.1C×1.0Vカットオフの放電の条件にて充放電行なう。ここで、充電とは負極サンプルにLiイオンがインターカレートする方向に電流が流れることを意味する。
【0058】
次いで、4サイクル目において、1Vまでの放電量から3Vまでの放電量を引いたものを1V〜3V間の放電容量(mAh/g)として計算する。
【0059】
このような試験、計算から、前記負極の電位1V〜3V間の放電容量は15mAh/gであった。
【0060】
<正極の作製>
まず、12重量%濃度のポリフッ化ビニリデン樹脂(PVdF)のN−メチルピロリドン溶液41.7重量部に活物質としてのLiCoO2粉末100重量部、導電フィラーとしてのグラファイト粉末(ロンザ社製商品名;KS4)5重量部を混合し、混練した。つづいて、この混合物にN−メチルピロリドン15重量部をさらに添加し、ビーズミルを用いて前記固形物を分散させて正極塗工スラリーを調製した。
【0061】
次いで、前記正極塗工スラリーを厚さ15μmのAl箔(集電体)の両面にそれそれ255g/m2になるように塗工し、乾燥した後、プレス、スリット加工を施すことにより厚さ167μm、幅42.00mmの正極を作製した。
【0062】
<二次電池の組立>
次いで、前記正負極の集電体にリードタブをそれぞれ接合し、自動捲回機を用いてポリエチレン製多孔膜を2枚介してスパイラル状に巻き上げ、さらにプレスすることにより扁平状の電極体を作製した。得られた電極体に直流電源から100Vの電圧を5秒間印加し、10μV以上流れるものを不良と判定して除外した。
【0063】
次いで、良品として判定された電極体を厚さ4.8mm、幅30mm、高さ47mmの有底矩形筒状をなすアルミニウム製外装缶内に挿入し、非水系電解液を注入した後、前記外装缶の開口部にアルミニウム製蓋体を気密に接合することにより前述した図2に示す角型リチウムイオン二次電池を組立てた。なお、前記非水系電解液はγ−ブチロラクトンおよびエチレンカーボネートの混合溶媒(混合体積比2:1)にLiBF4を1.5モル/L溶解した組成を有する。
【0064】
(実施例2)
負極として、以下に説明する方法で作製したものを用いた以外、実施例1と同様な構造の角型リチウムイオン二次電池を組立てた。なお、正負極、セパレータを有する電極体の作製後は、実施例1と同様な良・不良の判定を行ない、良品として判定された電極体のみを使用した。
【0065】
<負極の作製>
まず、カルボキシメチルセルロースの0.68重量%濃度の粘調水溶液177重量部に前記繊維状炭素材(a)50重量部、真密度が1.70g/ccの前記繊維状メソフェーズ低温焼成炭素材(b)2重量部および前記球塊状黒鉛(c)48重量部を添加した後、せん断分散した。つづいて、この混合物にSBRラテックス3.4重量部を添加し、均一の混合攪拌して負極塗工スラリーを調製した。
【0066】
次いで、前記塗工スラリーをナイフエッジコータにより厚さ15μmの銅箔(集電体)の両面にそれぞれ103g/m2になるように塗工し、乾燥した。この時の銅箔上の負極材料の密度は、1.23g/ccであった。その後、プレス、スリット加工を施して厚さ149μm(負極材料の密度;1.5g/cc)、幅43.25mmの帯状負極を作製した。
【0067】
得られた負極の電位1V〜3V間の放電容量は、実施例1と同様な試験、計算により16mAh/gであった。
【0068】
(実施例3)
負極として、以下に説明する方法で作製したものを用いた以外、実施例1と同様な構造の角型リチウムイオン二次電池を組立てた。なお、正負極、セパレータを有する電極体の作製後は、実施例1と同様な良・不良の判定を行ない、良品として判定された電極体のみを使用した。
【0069】
<負極の作製>
まず、カルボキシメチルセルロースの0.68重量%濃度の粘調水溶液177重量部に前記繊維状炭素材(a)50重量部、真密度が1.60g/ccの前記繊維状メソフェーズ低温焼成炭素材(b)4重量部および前記球塊状黒鉛(c)46重量部を添加した後、せん断分散した。つづいて、この混合物にSBRラテックス3.4重量部を添加し、均一の混合攪拌して負極塗工スラリーを調製した。
【0070】
次いで、前記塗工スラリーをナイフエッジコータにより厚さ15μmの銅箔(集電体)の両面にそれぞれ103g/m2になるように塗工し、乾燥した。この時の銅箔上の負極材料の密度は、1.23g/ccであった。その後、プレス、スリット加工を施して厚さ149μm(負極材料の密度;1.5g/cc)、幅43.25mmの帯状負極を作製した。
【0071】
得られた負極の電位1V〜3V間の放電容量は、実施例1と同様な試験、計算により20mAh/gであった。
【0072】
(実施例4)
負極として、以下に説明する方法で作製したものを用いた以外、実施例1と同様な構造の角型リチウムイオン二次電池を組立てた。なお、正負極、セパレータを有する電極体の作製後は、実施例1と同様な良・不良の判定を行ない、良品として判定された電極体のみを使用した。
【0073】
<負極の作製>
まず、カルボキシメチルセルロースの0.68重量%濃度の粘調水溶液177重量部に前記繊維状炭素材(a)50重量部、真密度が1.55g/ccの前記繊維状メソフェーズ低温焼成炭素材(b)4重量部および前記球塊状黒鉛(c)46重量部を添加した後、せん断分散した。つづいて、この混合物にSBRラテックス3.4重量部を添加し、均一の混合攪拌して負極塗工スラリーを調製した。
【0074】
次いで、前記塗工スラリーをナイフエッジコータにより厚さ15μmの銅箔(集電体)の両面にそれぞれ103g/m2になるように塗工し、乾燥した。この時の銅箔上の負極材料の密度は、1.23g/ccであった。その後、プレス、スリット加工を施して厚さ149μm(負極材料の密度;1.5g/cc)、幅43.25mmの帯状負極を作製した。
【0075】
得られた負極の電位1V〜3V間の放電容量は、実施例1と同様な試験、計算により25mAh/gであった。
【0076】
(実施例5)
負極として、以下に説明する方法で作製したものを用いた以外、実施例1と同様な構造の角型リチウムイオン二次電池を組立てた。なお、正負極、セパレータを有する電極体の作製後は、実施例1と同様な良・不良の判定を行ない、良品として判定された電極体のみを使用した。
【0077】
<負極の作製>
まず、カルボキシメチルセルロースの0.68重量%濃度の粘調水溶液177重量部に前記繊維状炭素材(a)50重量部、真密度が1.70g/ccの前記繊維状メソフェーズ低温焼成炭素材(b)9重量部および前記球塊状黒鉛(c)41重量部を添加した後、せん断分散した。つづいて、この混合物にSBRラテックス3.4重量部を添加し、均一の混合攪拌して負極塗工スラリーを調製した。
【0078】
次いで、前記塗工スラリーをナイフエッジコータにより厚さ15μmの銅箔(集電体)の両面にそれぞれ103g/m2になるように塗工し、乾燥した。この時の銅箔上の負極材料の密度は、1.23g/ccであった。その後、プレス、スリット加工を施して厚さ149μm(負極材料の密度;1.5g/cc)、幅43.25mmの帯状負極を作製した。
【0079】
得られた負極の電位1V〜3V間の放電容量は、実施例1と同様な試験、計算により30mAh/gであった。
【0084】
(比較例1)
負極として、以下に説明する方法で作製したものを用いた以外、実施例1と同様な構造の角型リチウムイオン二次電池を組立てた。なお、正負極、セパレータを有する電極体の作製後は、実施例1と同様な良・不良の判定を行ない、良品として判定された電極体のみを使用した。
【0085】
<負極の作製>
まず、カルボキシメチルセルロースの0.68重量%濃度の粘調水溶液177重量部に前記繊維状炭素材(a)50重量部および前記球塊状黒鉛(c)50重量部を添加した後、せん断分散した。つづいて、この混合物にSBRラテックス3.4重量部を添加し、均一の混合攪拌して負極塗工スラリーを調製した。
【0086】
次いで、前記塗工スラリーをナイフエッジコータにより厚さ15μmの銅箔(集電体)の両面にそれぞれ103g/m2になるように塗工し、乾燥した。この時の銅箔上の負極材料の密度は、1.23g/ccであった。その後、プレス、スリット加工を施して厚さ149μm(負極材料の密度;1.5g/cc)、幅43.25mmの帯状負極を作製した。
【0087】
得られた負極の電位1V〜3V間の放電容量は、実施例1と同様な試験、計算により7mAh/gであった。
【0088】
(比較例2)
負極として、以下に説明する方法で作製したものを用いた以外、実施例1と同様な構造の角型リチウムイオン二次電池を組立てた。なお、正負極、セパレータを有する電極体の作製後は、実施例1と同様な良・不良の判定を行ない、良品として判定された電極体のみを使用した。
【0089】
<負極の作製>
まず、カルボキシメチルセルロースの0.68重量%濃度の粘調水溶液177重量部に前記繊維状炭素材(a)50重量部、真密度が1.63g/ccの前記繊維状メソフェーズ低温焼成炭素材(b)1重量部および前記球塊状黒鉛(c)49重量部を添加した後、せん断分散した。つづいて、この混合物にSBRラテックス3.4重量部を添加し、均一の混合攪拌して負極塗工スラリーを調製した。
【0090】
次いで、前記塗工スラリーをナイフエッジコータにより厚さ15μmの銅箔(集電体)の両面にそれぞれ103g/m2になるように塗工し、乾燥した。この時の銅箔上の負極材料の密度は、1.23g/ccであった。その後、プレス、スリット加工を施して厚さ149μm(負極材料の密度;1.5g/cc)、幅43.25mmの帯状負極を作製した。
【0091】
得られた負極の電位1V〜3V間の放電容量は、実施例1と同様な試験、計算により10mAh/gであった。
【0092】
(比較例3)
負極として、以下に説明する方法で作製したものを用いた以外、実施例1と同様な構造の角型リチウムイオン二次電池を組立てた。なお、正負極、セパレータを有する電極体の作製後は、実施例1と同様な良・不良の判定を行ない、良品として判定された電極体のみを使用した。
【0093】
<負極の作製>
まず、カルボキシメチルセルロースの0.68重量%濃度の粘調水溶液177重量部に前記繊維状炭素材(a)50重量部、真密度が1.55g/ccの前記繊維状メソフェーズ低温焼成炭素材(b)7重量部および前記球塊状黒鉛(c)43重量部を添加した後、せん断分散した。つづいて、この混合物にSBRラテックス3.4重量部を添加し、均一の混合攪拌して負極塗工スラリーを調製した。
【0094】
次いで、前記塗工スラリーをナイフエッジコータにより厚さ15μmの銅箔(集電体)の両面にそれぞれ103g/m2になるように塗工し、乾燥した。この時の銅箔上の負極材料の密度は、1.23g/ccであった。その後、プレス、スリット加工を施して厚さ149μm(負極材料の密度;1.5g/cc)、幅43.25mmの帯状負極を作製した。
【0095】
得られた負極の電位1V〜3V間の放電容量は、実施例1と同様な試験、計算により40mAh/gであった。
【0096】
(比較例4)
負極として、以下に説明する方法で作製したものを用いた以外、実施例1と同様な構造の角型リチウムイオン二次電池を組立てた。なお、正負極、セパレータを有する電極体の作製後は、実施例1と同様な良・不良の判定を行ない、良品として判定された電極体のみを使用した。
【0097】
<負極の作製>
まず、カルボキシメチルセルロースの0.68重量%濃度の粘調水溶液177重量部に前記繊維状炭素材(a)50重量部、真密度が1.70g/ccの前記繊維状メソフェーズ低温焼成炭素材(b)12重量部および前記球塊状黒鉛(c)38重量部を添加した後、せん断分散した。つづいて、この混合物にSBRラテックス3.4重量部を添加し、均一の混合攪拌して負極塗工スラリーを調製した。
【0098】
次いで、前記塗工スラリーをナイフエッジコータにより厚さ15μmの銅箔(集電体)の両面にそれぞれ103g/m2になるように塗工し、乾燥した。この時の銅箔上の負極材料の密度は、1.23g/ccであった。その後、プレス、スリット加工を施して厚さ149μm(負極材料の密度;1.5g/cc)、幅43.25mmの帯状負極を作製した。
【0099】
得られた負極の電位1V〜3V間の放電容量は、実施例1と同様な試験、計算により40mAh/gであった。
【0100】
(比較例5)
負極として、以下に説明する方法で作製したものを用いた以外、実施例1と同様な構造の角型リチウムイオン二次電池を組立てた。なお、正負極、セパレータを有する電極体の作製後は、実施例1と同様な良・不良の判定を行ない、良品として判定された電極体のみを使用した。
【0101】
<負極の作製>
まず、カルボキシメチルセルロースの0.68重量%濃度の粘調水溶液177重量部に前記繊維状炭素材(a)50重量部、真密度が1.52g/ccの前記繊維状メソフェーズ低温焼成炭素材(b)13重量部および前記球塊状黒鉛(c)37重量部を添加した後、せん断分散した。つづいて、この混合物にSBRラテックス3.4重量部を添加し、均一の混合攪拌して負極塗工スラリーを調製した。
【0102】
次いで、前記塗工スラリーをナイフエッジコータにより厚さ15μmの銅箔(集電体)の両面にそれぞれ103g/m2になるように塗工し、乾燥した。この時の銅箔上の負極材料の密度は、1.23g/ccであった。その後、プレス、スリット加工を施して厚さ149μm(負極材料の密度;1.5g/cc)、幅43.25mmの帯状負極を作製した。
【0103】
得られた負極の電位1V〜3V間の放電容量は、実施例1と同様な試験、計算により70mAh/gであった。
【0104】
得られた実施例1〜6および比較例1〜5の二次電池について、25℃にて700mA、4.2V、6hの初充電を行ない、エージングを12時間施した後、25℃で700mA、3.0Vのカットオフで放電した時の平均容量を測定した。
【0105】
初充電終了後、各二次電池を60℃の雰囲気中に移し、12時間のエージングを行なった後、同温度下にて700mA、4.2V、6hの充電、700mA、3.0Vのカットオフの放電を1サイクルとし、100回繰り返した時の初期放電容量に対する放電容量維持率(サイクル特性)を測定した。
【0106】
これらの結果を下記表1に示す。なお、表1には実施例1〜6および比較例1〜5の二次電池に組み込まれる負極の電位1V〜3V間の放電容量を併記する。
【0107】
【表1】
【0108】
前記表1から明らかなように3Vカットの放電以降、さらに3Vから1Vに向う深い放電時の容量として15〜30mAh/gを有する負極を備えた実施例1〜5の二次電池は、前記負極の容量が15〜30mAh/gの範囲を外れる比較例1〜5の二次電池に比べて高温での充放電サイクルル特性が優れていることがわかる。
【0109】
なお、前述した実施例では図2に示す角型リチウムイオン二次電池について説明したが、本発明は前述した図1の円筒型リチウムイオン二次電池、図3および図4の薄型リチウムイオン二次電池に適用しても同様な優れた高温充放電サイクル特性を有する。
【0110】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば負極を改良することによって高温充放電サイクル特性を向上した非水系電解液二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非水系電解液二次電池の一形態ある円筒型非水系電解液二次電池(円筒型リチウムイオン二次電池)を示す部分断面図。
【図2】本発明に係る非水系電解液二次電池の他の形態ある角型非水系電解液二次電池(角型リチウムイオン二次電池)を示す部分切欠斜視図。
【図3】本発明に係る非水系電解液二次電池のさらに他の形態ある薄型非水系電解液二次電池(薄型リチウムイオン二次電池)を示す斜視図。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図。
【符号の説明】
1、21…外装缶、
3,23電極体、
4,24,48…負極、
5,25,45…セパレータ、
6,26,44…正極、
12…封口板、
28…蓋体、
41…発電要素、
43,46…集電体、
51…外装フィルム。
Claims (8)
- リチウムを吸蔵・放出可能な正極、リチウムを吸蔵・放出可能な負極、セパレータおよび非水系電解液を備え、
前記正極および前記負極は、集電体にそれぞれ正極材料および負極材料を塗布した構造を有し、
前記負極材料は、繊維状炭素材(a),(b)と非繊維系炭素材(c)とを含む炭素質材を含有し、前記繊維状炭素材(b)がメソフェーズ低温焼成炭素であり、かつ
前記負極は、負極電位1V〜3V間の放電容量として15〜30mAh/gを有することを特徴とする非水系電解液二次電池。 - 前記繊維状炭素材(a)は、平均繊維径8〜18μm、平均繊維長10〜50μm、真密度2.24g/cc以上であることを特徴とする請求項1記載の非水系電解液二次電池。
- 前記繊維状炭素材(b)は、平均繊維径8〜20μm、平均繊維長8〜20μm、真密度1.50〜1.75g/ccのメソフェーズ低温焼成炭素であることを特徴とする請求項1記載の非水系電解液二次電池。
- 前記非繊維系炭素材(c)は、鱗片状または球塊状の黒鉛であることを特徴とする請求項1記載の非水系電解液二次電池。
- 前記繊維状炭素材(b)は、前記炭素質材に対して1〜10重量%配合されることを特徴とする請求項3記載の非水系電解液二次電池。
- 前記繊維状炭素材(b)は、前記炭素質材に対して2〜9重量%配合されることを特徴とする請求項3記載の非水系電解液二次電池。
- 前記非水系電解液は、非水溶媒としてγ−ブチロラクトンを含有することを特徴とする請求項1記載の非水系電解液二次電池。
- 前記γ−ブチロラクトンは、前記非水溶媒中に45〜70重量%占めることを特徴とする請求項7記載の非水系電解液二次電池。
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