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JP4829158B2 - 自動車のドア構造 - Google Patents
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本発明は、車体側部に形成された1つのドア開口を、該ドア開口の前側部分に配設されたフロントドアと後側部分に配設されたリヤドアとで開閉するようにしたセンタピラーレスタイプの自動車のドア構造に関する。
センタピラーレスタイプの自動車においては、乗員の乗降や荷物の出し入れを容易に行えるようにするために、車体側部に1つのドア開口を形成し、該ドア開口をそれぞれフロントドアとリヤドアとで開閉する場合がある。
この種の自動車では,その構造上、車両側面衝突時にフロントドア,リヤドアが変形して車室内側に進入するおそれがある。このようなフロントドア,リヤドアの車室側への進入を抑制するために、フロントドア内及びリヤドア内のドア合わせ部に上下方向に延びる大型で強固な断面ハット状のドアリインホースを配置することにより、ドア合わせ部の強度,剛性を高める場合がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−9975号公報
ところで、上記従来のドア構造のように、フロントドア,リヤドアのドア合わせ部に大型で強固なドアリインホースを配置する構造では、側面衝突時のドア変形は抑制できるものの、車体重量が大きくなるという問題がある。特に、軽量な小型自動車に、上記大型のドアリインホースを配置すると、コスト的,車体重量的に不利であり、しかも側面衝突時の衝撃荷重の大きさによっては車体全体が移動してしまうおそれがある。
本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされたもので、コスト,車体重量をそれほど大きくすることなく、側面衝突時の車体全体の移動を防止できる自動車のドア構造を提供することを課題としている。
請求項1の発明は、車体側部に形成された1つのドア開口を、該ドア開口の前側部分に配設されたフロントドアと後側部分に配設されたリヤドアとで開閉するようにした自動車のドア構造であって、上記フロントドア内又はリヤドア内の少なくとも一方のドア合わせ部に、上下方向に延びる断面中空状の補強部材を配置し、該補強部材を、上下方向に少なくとも上側補強部材と下側補強部材とに分割し、該上側,下側補強部材の分割部をシートクッションの座面近傍に臨むよう位置させ、上記補強部材の分割部に、該分割部を車外側から囲むように車内側に向って延びるブラケットを結合するとともに、該ブラケットの内端部をドアインナパネルに閉断面なすよう結合したことを特徴としている。
請求項2の発明は、請求項1において、上記上側補強部材の強度,剛性は、下側補強部材の強度,剛性より大きい値に設定されていることを特徴としている。
本発明に係るドア構造によれば、フロントドア,リヤドアの何れかのドア合わせ部に断面中空状の補強部材を配置したので、例えば円筒状のパイプ材を採用することによって、従来の大型ドアリインホースを配置する場合に比べてコストの低減及び車体重量の軽減が可能となる。
上記補強部材の上側補強部材と下側補強部材との分割部をシートクッションの座面近傍に臨むよう位置させ、該補強部材の分割部に該分割部を囲むように車内側に向って延びるブラケットを結合し、該ブラケットの内端部をドアインナパネルに閉断面なすよう結合したので、側面衝突時に補強部材が分割部にて折れ変形して衝撃荷重を吸収することとなる。また上記分割部に結合されたブラケットがシートクッションに当接して該クッションを車室内側に押すことによっても上記衝撃荷重が吸収される。その結果、側面衝突時に車体全体が移動するのを防止できる。
請求項2の発明では、上側補強部材の強度,剛性を、下側補強部材より大きくしたので、側面衝突時に、下側補強部材の分割部での折れ変形を確実に誘発することができ、上側補強部材が変形して車室内に進入するのを防止できる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図6は、本発明の一実施形態による自動車のドア構造を説明するための図であり、図1は自動車の車体側部の側面図、図2は車体側部に配設されたフロントドア,リヤドアの側面図、図3はフロントドア,リヤドアのドア合わせ部の断面図(図2のIII-III 線断面図)、図4はフロントドア,リヤドアが配設された自動車の側面図、図5,図6は車両側面衝突時のフロントドアの変形モードを示す模式図である。
図において、1はセンタピラーレスタイプの自動車を示している。該自動車1の車体2は、左,右のサイドパネル(車体側部)3,3の上端間にルーフパネル4を配設するとともに、下端間にフロアパネル5(図5参照)を配設して車室6を形成した構造を有しており、該車室6内のフロアパネル5の前側にはフロントシート7が、後側にはリヤシート(不図示)が搭載されている。
上記フロントシート7は、フロアパネル5に取り付けられたシートフレーム7aと、該シートフレーム7aにより前後方向にスライド可能に支持されたシートクッション7bと、上記シートフレーム7aのヒンジ部材7cにより前後に回動可能に支持されたシートバック7dとを備えている。
上記左のサイドパネル3には、該サイドパネル3の略全域に広がる1つのドア開口3aが形成されている。
このドア開口3aは、上記ルーフパネル4の左,右外縁部に接続され、車両前後方向に延びてドア開口3aの上縁部を形成するルーフレール8と、上記フロアパネル5の左,右外縁部に接続され、車両後方向に延びてドア開口3aの下縁部を形成するロッカパネル9と、該ロッカパネル9と上記ルーフレール8との前端部同士を上下方向に接続してドア開口3aの前縁部を形成するフロントピラー10と、後端部同士を上下方向に接続してドア開口3aの後縁部を形成するクォータピラー11とで構成されている。
上記ドア開口3aには、該ドア開口3aの前側半部を開閉するフロントドア15と、後側半部を開閉するリヤドア16とが配設されている。
上記フロントドア15は、これの前縁部が上記フロントピラー10に配置された上下一対のドアヒンジ17,17により車両幅方向に開閉可能に支持されている。
上記リヤドア16は、上記クォータパネル11に配置されたガイドレール18により車両前後方向にスライド可能に支持されている。
上記フロントドア15は、ドア本体15c及びウインドフレーム部15dをプレス成形により一体に形成したドアアウタパネル20aとドアインナパネル20bとの外縁部同士を結合した構造を有している。上記ドア本体15c内にはウインドフレーム部15dの開口を開閉するウインドガラス22が昇降可能に収容されている。
上記リヤドア16は、フロントドア15と同様に、ドア本体16c及びウインドフレーム部16dをプレス成形により一体に形成したドアアウタパネル23aとドアインナパネル23bとの外縁部同士を結合し、上記ドア本体16c内にウインドフレーム部16dの開口を開閉するウインドガラス25を昇降可能に収容した構造を有している。上記ドア本体16c内にはドアインナパネル23bに溶接により接合されたドアリインホース23dが配設されている。
ここで、上記フロントドア15及びリヤドア16は、ドア本体部に、該ドア本体部とは別体に形成されたウインドフレーム部を接続した、いわゆるサッシュドアタイプのものであってもよい。
上記フロントドア15のドアインナパネル20bの後壁20cと、リヤドア16のドアアウタパネル23aの前壁23cとは、車両前後方向に所定隙間をあけて対向しており、フロントドア15の後端部15aと、リヤドア16の前端部16aとは車幅方向に重ね合わされている(図3参照)。この重ね合わせ部及び上記対向部がドア合わせ部aとなっている。
上記フロントドア15のドア本体15c内には、ベルトラインLに沿って前後方向に延びるベルトラインリインホース27が配置されている。該ベルトラインリインホース27の前端部及び後端部は、それぞれ板金製のブラケット27a,27bを介してドアインナパネル20bの内側壁に結合されている。車両側方から見ると、ベルトラインリインホース27の前側のブラケット27aは上記フロントピラー10と車幅方向に重なっている。
また上記フロントドア15のドア本体15c内には、前後方向に延びるインパクトビーム28が配置され、該インパクトビーム28の前端部及び後端部は、それぞれブラケット28a,28bを介してドアアウタパネル20aの内側壁に結合されている。車両側方から見ると、上記インパクトビーム28の前側のブラケット28aは、上記フロントピラー10の上,下のドアヒンジ17の中間部と車幅方向に重なっている。
上記リヤドア16のドア本体16c内には、前後方向に延びるリヤインパクトビーム29が配置され、該リヤインパクトビーム29の前端部及び後端部は、それぞれブラケット29a,29bを介してドアアウタパネル23aの内側壁に結合されている。車両側方から見ると、上記リヤインパクトビーム29の後側のブラケット29bはクォータピラー11と車幅方向に重なっている。
上記フロントドア15内のドア合わせ部aには、上下方向に延びる断面中空状のフロント補強パイプ30が該フロンドドア15の後壁20cに近接するよう配設されている。また上記リヤドア16内のドア合わせ部aには、上記フロント補強パイプ30と略平行に延びる断面中空状のリヤ補強パイプ31が該リヤドア16の前壁23cに近接するよう配設されている。
上記リヤ補強パイプ31は、リヤドア16内のドアリインホース23dに結合されている。該リヤ補強パイプ31の上端部及び下端部は、それぞれブラケット31a,31bを介してドアインナパネル23bの内側壁に結合されている。
車両側方から見ると、リヤ補強パイプ31の上側のブラケット31aはルーフレール8と車幅方向に重なっており、下側のブラケット31bはロッカパネル9と車幅方向に重なっている。また上記リヤ補強パイプ31の下端部には、上記リヤインパクトビーム29の前端部が連結されている。
上記リヤ補強パイプ31は、上下方向中間部にて上側補強パイプ32と、下側補強パイプ33とに分割されている。該上側,下側補強パイプ32,33の分割部31cは、溶接により接合されており、上記フロントシート7のシートバック7dの上端部に臨む位置に、換言すればベルトラインLより上側に位置するよう設定されている。
上記上側補強パイプ32の強度、剛性は、下側補強パイプ33の強度,剛性より大きい値に設定されている。具体的には、材質あるいは板厚を変えることにより、下側補強パイプ33の5倍程度の強度となっている。
上記フロント補強パイプ30の上端部及び下端部は、それぞれブラケット30a,30bを介してドアインナパネル20bの内側壁に結合されている。
車両側方から見ると、フロント補強パイプ30の上側のブラケット30aはルーフレール8と車幅方向に重なっており、下側のブラケット30bはロッカパネル9と車幅方向に重なっている。また上記フロント補強パイプ30の下端部には、上記インパクトビーム28の後端部が交差している。
上記フロント補強パイプ30は、上下方向に上側補強パイプ35と、下側補強パイプ36とに分割されている。該上側,下側補強パイプ35,36の分割部30cは、溶接により接合されており、上記フロントシート7のシートクッション7bの座面近傍に臨む位置に設定されている。具体的には、上記分割部30cは、シートクッション7bの座面と略同じ高さに位置しており、これによりシートクッション7bに着座した乗員のヒップポイントに臨む位置となっている。
上記上側補強パイプ35の強度、剛性は、下側補強パイプ36の強度,剛性より大きい値に設定されている。具体的には、材質あるいは板厚を変えることにより、下側補強パイプ36の5倍程度の強度となっている。
上記フロント補強パイプ30の分割部30cには、該分割部30cを車外側から囲むように車内側に向って延びるブラケット40が配置されている。
このブラケット40は、フロント補強パイプ30の分割部30cを跨いで上下方向に延び、かつ該補強パイプ30の車外側から前側及び後側を覆うように車内側に延びる断面略U字形状の半円筒部40aと、該半円筒部40aの内縁からそれぞれ前側,後側に突出する前,後フランジ部(内端部)40b,40bとを有している。
上記ブラケット40の半円筒部40aには、フロント補強パイプ30が溶接により結合されている。上記ブラケット40の前,後フランジ部40b,40bは、ドアインナパネル20bのドア内側壁に溶接により結合されている。
これによりブラケット40とドアインナパネル20bとで、上記分割部30cを囲む筒状の閉断面bが形成されている。また側面衝突時に、上記ブラケット40の前,後フランジ部40bが、補強パイプ30より先にシートフレーム7aに当接するようになっている。なお、図示していないが、上記ドアインナパネル20bの車内側壁には、弾性を有する内装部材からなるパッドが貼着されており、側面衝突時には、正確には上記パッドが上記シートフレーム7aに当接することとなる。
図5,図6に示すように、側面衝突によってフロントドア15に衝撃力Fが作用すると、フロント補強パイプ30の下側補強パイプ36が分割部30cを折れ点として車内側に折れ曲がることにより、及びこの折れ変形部がシートフレーム7aに当接して該シートフレーム7aを車内側に押し倒すことにより、衝撃エネルギーが吸収される。この場合、上側補強パイプ35は、ルーフレール8との接続部を支点に直線状態を保ったまま車内側に入り込むこととなり、車室への影響が回避される。
一方、上記衝撃力Fによって、ブラケット40が補強パイプ30より先にシートフレーム7aに当接して踏ん張ることから、フロントドア15の断面崩れが回避される。
本実施形態によれば、フロントドア15内のドア合わせ部aの近傍に、上下方向に延びる断面中空状の補強パイプ30を配置したので、従来の大型のドアリインホースを配置する場合に比べて材料コスト及び重量を低減できる。これにより、車体幅寸法及び車室幅寸法に制約のある小型自動車に採用する場合のコスト,車体重量への影響を回避でき、かつ設計に対する自由度を向上できる。
本実施形態では、フロント補強パイプ30を上側補強パイプ35と下側補強パイプ36とに分割し、両パイプ35,36の分割部30cをシートクッション7bの座面に臨むよう位置させ、さらに補強パイプ30の分割部30cに該分割部30cを囲むように車内側に向って延びるブラケット40を結合し、該ブラケット40の前,後フランジ部40b,40bをドアインナパネル20bに閉断面bなすよう結合したので、側面衝突時に補強パイプ30が分割部30cにて折れ変形することにより、衝撃荷重を吸収することとなる。また上記分割部30cに結合されたブラケット40がシートフレーム7aに当接してシートクッション7bを車室内側に押すことによっても上記衝撃荷重を吸収する。その結果、安定した変形モードが得られ、側面衝突時に車体全体が移動するのを防止できる。
また、仮に上記補強パイプ30の折れ変形部が乗員の腰付近にまで及んだ場合でも、ドアインナパネル20bの内面には弾性を有するパッドが貼着されているので、乗員への荷重はそれほど大きくならない。
本実施形態では、上側補強パイプ35の強度,剛性を、下側補強パイプ36より大きくしたので、側面衝突時に、下側補強パイプ36の分割部30cでの折れ変形を確実に誘発することができ、上側補強パイプ35が変形して車室6内に侵入するのを防止できる。
ここで、上記実施形態では、フロント補強パイプ30をフロントドア15に配置したが、本発明は、フロント補強パイプ30とリヤ補強パイプ31との配置関係を逆にしてもよい。即ち、フロント補強パイプ30をリヤドア16側に配置し、リヤ補強パイプ31をフロントドア15側に配置してもよい。またフロント補強パイプ30をフロントドア15,リヤドア16の両方に配置してもよい。
上記実施形態では、リヤドア16を前後方向にスライド可能のスライドタイプとしたが、本発明は、リヤドアをクォータピラーにより枢支し、フロントドアとで車幅方向に開閉させる、いわゆる観音開きタイプのものとしてもよい。
本発明の一実施形態による自動車の車体側部の側面図である。 上記車体側部に配設されたフロントドア,リヤドアの側面図である。 上記フロントドア,リヤドアのドア合わせ部の断面図(図2のIII-III 線断面図)である。 上記フロントドア,リヤドアが配設された自動車の側面図である。 車両側面衝突時のフロンドアの変形モードを示す模式図である。 車両側面衝突時のフロンドアの変形モードを示す模式図である。
符号の説明
1 自動車
3 サイドパネル(車体側部)
3a ドア開口
7b シートクッション
15 フロントドア
16 リヤドア
20b ドアインナパネル
30 フロント補強パイプ(補強部材)
30c 分割部
35 上側補強パイプ(上側補強部材)
36 下側補強パイプ(下側補強部材)
40 ブラケット
40b 前,後フランジ部(内端部)
a ドア合わせ部
b 閉断面

Claims (2)

  1. 車体側部に形成された1つのドア開口を、該ドア開口の前側部分に配設されたフロントドアと後側部分に配設されたリヤドアとで開閉するようにした自動車のドア構造であって、
    上記フロントドア内又はリヤドア内の少なくとも一方のドア合わせ部に、上下方向に延びる断面中空状の補強部材を配置し、
    該補強部材を、上下方向に少なくとも上側補強部材と下側補強部材とに分割し、該上側,下側補強部材の分割部をシートクッションの座面近傍に臨むよう位置させ、
    上記補強部材の分割部に、該分割部を車外側から囲むように車内側に向って延びるブラケットを結合するとともに、該ブラケットの内端部をドアインナパネルに閉断面なすよう結合したことを特徴とする自動車のドア構造。
  2. 請求項1において、上記上側補強部材の強度,剛性は、下側補強部材の強度,剛性より大きい値に設定されていることを特徴とする自動車のドア構造。
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