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JP4830286B2 - 高周波用誘電体磁器組成物、誘電体共振器、誘電体フィルタ、誘電体デュプレクサ、および通信機装置 - Google Patents
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JP4830286B2 - 高周波用誘電体磁器組成物、誘電体共振器、誘電体フィルタ、誘電体デュプレクサ、および通信機装置 - Google Patents

高周波用誘電体磁器組成物、誘電体共振器、誘電体フィルタ、誘電体デュプレクサ、および通信機装置 Download PDF

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本願発明は、マイクロ波やミリ波などの高周波領域において利用される高周波用誘電体磁器組成物、ならびにそれを用いて構成される誘電体共振器、誘電体フィルタ、誘電体デュプレクサ、および通信機装置に関する。
マイクロ波やミリ波などの高周波領域において、誘電体共振器や回路基板などを構成する材料として、誘電体磁器が広く利用されている。
このような高周波用誘電体磁器を、特に誘電体共振器や誘電体フィルタなどに用いる場合、以下のような誘電特性を備えていることが要求される。
(1)誘電体中では電磁波の波長が1/(εr1/2に短縮されることから、小型化への対応性向上の見地より、比誘電率(εr)が高いこと。
(2)誘電損失が小さいこと(すなわちQ値が高いこと)。
(3)共振周波数の温度安定性が優れていること、すなわち共振周波数の温度係数(τf)が0ppm/℃付近であること。
なお、共振周波数の温度係数(τf)は、25℃における共振周波数(f25)と、55℃における共振周波数(f55)の値とを用いて、共振周波数温度曲線を直線近似したときの傾き(1次微係数)を表わすものであり、その値はτf=(f55−f25)/(f25・(55℃−25℃))の式によって求められる。
そこで、上述のような要求に応えることが可能な高周波用誘電体磁器組成物として、例えば、比誘電率(εr)が40〜60と高い誘電体磁器として、希土類元素(Ln)、Al、Ca、Zn、M(M:NbおよびTaのうちの少なくとも1種)およびTiを含む高周波用誘電体磁器組成物が提案されている(特許文献1)。
この高周波用誘電体磁器組成物は、組成式:(1−y)xCaTia1+2a−(1−y)(1−x)Ca(Zn1/32/3b1+2b−yLnAlc(3+3c)/2(ただし、x、yはモル比)で表わされる組成を有する高周波用誘電体磁器組成物であって、α=(1−y)xとしたとき、x、y、α、a、bおよびcが、0.560≦x≦0.800、0.080≦y≦0.18、α≦0.650、0.985≦a≦1.050、0.900≦b≦1.020、0.900≦c≦1.050の範囲内にあり、ペロブスカイト型結晶相を主結晶とすることを要件とする高周波用誘電体磁器組成物である。
そして、この高周波用誘電体磁器組成物においては、比誘電率(εr)が40〜60と大きく、Q値が1GHzにおいて30000以上と高く、かつ、共振周波数の温度係数(τf)を0±30(ppm/℃)に制御することができるとされている。
ところで近年、通信機などの分野においては、低価格競争が激しく、それに用いられる高周波用誘電体磁器にも低コスト化が求められている。そして、高周波用誘電体磁器については、製造工程における焼成時のエネルギーコストの、製品の全体的なコストに占める割合が大きく、そのため、特性を犠牲にすることなく、低温焼成が可能な高周波用誘電体磁器組成物が要求されている。
しかしながら、特許文献1の高周波用誘電体磁器組成物は、最適焼成温度が1550℃と高いため、さらに低い温度で焼成することが可能な高周波用誘電体磁器組成物が要求されているのが実状である。
特開2001−192265号公報
本願発明は上記課題を解決するものであり、低温焼成(1400℃以下の温度での焼成)が可能で、マイクロ波やミリ波などの高周波領域で使用しても、高い比誘電率(εr)と、高いQ値を有し、また共振周波数の温度係数(τf)の絶対値が小さい高周波用誘電体磁器組成物、それを用いた誘電体共振器、誘電体フィルタ、誘電体デュプレクサ、および通信機装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願発明(請求項1)の高周波用誘電体磁器組成物は、
金属元素として、少なくとも希土類(Ln)、Al、Ca、Ti,M1,M2およびWを含有する組成物を主成分とし、前記M1がZnおよびMgのうち少なくとも1種、前記M2がNbおよびTaのうち少なくとも1種であり、かつ、
該主成分のモル比による組成式を(1−y)xCaTia1+2a−(1−y)(1−x)Ca{(M1)1/3(M21-zz2/3b1+2b−yLnAlc(3+3c)/2としたとき、
x、y、z、α(=(1−y)x)、a、bおよびcがそれぞれ、
0.56≦x≦0.8
0.08≦y≦0.18
0.05≦z≦0.5
α≦0.660
0.985≦a≦1.05
0.9≦b≦1.02
0.9≦c≦1.05
を満足することを特徴としている。
また、本願発明(請求項2)の誘電体共振器は、誘電体磁器が入出力端子に電磁界結合して作動するものである誘電体共振器であって、前記誘電体磁器が、請求項1記載の高周波用誘電体磁器組成物からなるものであることを特徴としている。
また、本願発明(請求項3)の誘電体フィルタは、請求項2に記載の誘電体共振器と、前記誘電体共振器の入出力端子に接続される外部結合手段とを備えていることを特徴としている。
また、本願発明(請求項4)の誘電体デュプレクサは、少なくとも2つの誘電体フィルタと、前記誘電体フィルタのそれぞれに接続される入出力接続手段と、前記誘電体フィルタに共通に接続されるアンテナ接続手段とを備える誘電体デュプレクサであって、前記誘電体フィルタの少なくとも1つが請求項3記載の誘電体フィルタであることを特徴としている。
また、本願発明(請求項5)の通信機装置は、請求項4記載の誘電体デュプレクサと、前記誘電体デュプレクサの少なくとも1つの入出力接続手段に接続される送信用回路と、前記送信用回路に接続される前記入出力手段とは異なる少なくとも1つの入出力接続手段に接続される受信用回路と、前記誘電体デュプレクサのアンテナ接続手段に接続されるアンテナとを備えていることを特徴としている。
本願発明(請求項1)の高周波用誘電体磁器組成物は、組成式を(1−y)xCaTia1+2a−(1−y)(1−x)Ca{(M1)1/3(M21-zz2/3b1+2b−yLnAlc(3+3c)/2とし、M1をZnおよびMgのうち少なくとも1種、M2をNbおよびTaのうち少なくとも1種としたときに、x、y、z、α(=(1−y)x)、a、bおよびcがそれぞれ、x=0.56〜0.8、y=0.08〜0.18、z=0.05〜0.5、α=0.660以下、a=0.985〜1.05、b=0.9〜1.02、c=0.9〜1.05の要件を満たすようにしているので、低温焼成(1400℃以下の温度での焼成)が可能で、マイクロ波やミリ波などの高周波領域で使用しても、高い比誘電率(εr)と、高いQ値を有し、また共振周波数の温度係数(τf)の絶対値が小さい、高周波用誘電体磁器組成物を得ることができる。
すなわち、上記組成を有する高周波用誘電体磁器組成物において、NbまたはTaの一部をW(タングステン)で置換するとともに、W(タングステン)置換量を制御することにより、低温焼成(1400℃以下の温度での焼成)を可能にすることができる。
また、本願発明の高周波用誘電体磁器組成物を用いた場合、焼成温度(最高温度)が1300〜1400℃の低温焼成を行った場合にも、高い比誘電率(εr)と、高いQ値を有し、かつ、共振周波数の温度係数(τf)の絶対値が小さい、優れた特性を有する高周波用誘電体磁器を得ることが可能になる。具体的には、比誘電率(εr):40以上、Q値:35000以上、共振周波数の温度係数(τf)の絶対値:30(ppm/℃)以内というような優れた特性を実現することが可能になる。
なお、一般的に、誘電体磁器組成物などのセラミックスを焼成する場合、焼成工程における最高温度が1400℃を超えると、MoSi2(珪化モリブデン)を発熱体に用いた焼成炉を使用して焼成を行うことが必要になり、MoSi2発熱体が高価なこと、MoSi2発熱体を用いた焼成炉は容積が小さく、生産性が低いばかりでなく、高温まで昇温するため消費電力が多いことなどから、コストの増大を招く傾向がある。これに対して、焼成工程における最高温度が1400℃以下である場合、安価なSiC(炭化珪素)を発熱体に用いた、大容積の焼成炉を使用して効率よく焼成を行うことが可能になり、コストの低減を図ることが可能になる。
また、本願発明の高周波用誘電体磁器組成物には、本願発明の目的を損なわない範囲内で微量の添加物を添加することも可能である。例えば、SiO2、MnCO3、B23、NiO、CuO、Li2CO3、Pb34、Bi23、V25、Fe23などを0.01〜1.0重量%添加することにより、特性の劣化を抑えながら、焼成温度をさらに低下させることが可能になる。
その他にも、BaCO3、SrCO3などを1〜3重量%添加することにより、比誘電率(εr)と共振周波数の温度係数(τf)の微調整が可能になり、さらに特性の優れた高周波用誘電体磁器を得ることが可能になる。
また、本願発明(請求項2)の誘電体共振器は、誘電体磁器が入出力端子に電磁界結合して作動する誘電体共振器において、誘電体磁器として、上記の請求項1記載の高周波用誘電体磁器組成物からなる誘電体磁器(すなわち、高い比誘電率(εr)と、高いQ値を有し、かつ、共振周波数の温度係数(τf)の絶対値が小さい誘電体磁器)を用いるようにしているので、小型で、誘電損失が小さく、共振周波数の温度安定性に優れた誘電体共振器を提供することが可能になる。
また、本願発明(請求項3)の誘電体フィルタは、請求項2に記載の誘電体共振器と、該誘電体共振器の入出力端子に接続される外部結合手段とを備えているので、小型で、良好な特性を備えた誘電体フィルタを提供することが可能になる。
また、本願発明(請求項4)の誘電体デュプレクサは、少なくとも2つの誘電体フィルタと、誘電体フィルタのそれぞれに接続される入出力接続手段と、誘電体フィルタに共通に接続されるアンテナ接続手段とを備える誘電体デュプレクサであって、誘電体フィルタの少なくとも1つとして、請求項3記載の誘電体フィルタを用いているので、小型で、良好な特性を備えた誘電体デュプレクサを提供することが可能になる。
また、本願発明(請求項5)の通信機装置は、請求項4記載の誘電体デュプレクサと、誘電体デュプレクサの少なくとも1つの入出力接続手段に接続される送信用回路と、送信用回路に接続される入出力手段とは異なる少なくとも1つの入出力接続手段に接続される受信用回路と、誘電体デュプレクサのアンテナ接続手段に接続されるアンテナとを備えているので、小型で、良好な特性を備えた通信機装置を提供することが可能になる。
以下、本願発明の実施の形態を示して本願発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
まず、本願発明の高周波用誘電体磁器組成物が適用される誘電体共振器、誘電体フィルタ、誘電体デュプレクサ、および通信機装置について説明する。
図1は、本願発明の高周波用誘電体磁器組成物を誘電体(誘電体磁器)として用いた誘電体共振器1の基本的な構造を図解的に示す断面図である。
この誘電体共振器1においては、図1に示すように、金属ケース2内に、支持台3によって支持された柱状の誘電体磁器4が配置されている。そして、金属ケース2には、同軸ケーブル7の中心導体と外導体との間に結合ループ5を形成した入力端子9aと、同軸ケーブル8の中心導体と外導体との間に結合ループ6を形成した出力端子9bが設けられている。なお、入力端子9aと出力端子9bは、同軸ケーブル7,8の外導体と金属ケース2とが電気的に接合された状態で、金属ケース2によって保持されている。
誘電体磁器4は、入力端子9aおよび出力端子9bに電磁界結合して作動するもので、入力端子9aから入力された所定の周波数の信号だけが出力端子9bから出力される。
そして、この誘電体共振器1が備えている誘電体磁器4に、本願発明の高周波用誘電体磁器組成物が用いられている。
なお、図1に示す誘電体共振器1は、基地局などで用いられるTE01δモード共振器であるが、本願発明の高周波用誘電体磁器組成物は、他のTEモード、Mモード、およびTEMモードなどを利用する誘電体共振器にも同様に適用することが可能である。
図2は、上述の誘電体共振器1を用いて構成される通信機装置の一例を示すブロック図である。
図2に示す通信機装置10は、誘電体デュプレクサ12、送信用回路14、受信用回路16およびアンテナ18を備えている。
送信用回路14は、誘電体デュプレクサ12の入力接続手段20に接続され、受信用回路16は、誘電体デュプレクサ12の出力接続手段22に接続されている。
また、アンテナ18は、誘電体デュプレクサ12のアンテナ接続手段24に接続されている。
通信機装置10を構成する誘電体デュプレクサ12は、2つの誘電体フィルタ26、28を備えている。誘電体フィルタ26、28は、本願発明の誘電体共振器に外部結合手段を接続することにより構成されるものである。図2に示す実施形態では、例えば図1に示す誘電体共振器1の入出力端子9a,9bにそれぞれ外部結合手段30を接続することにより、誘電体フィルタ26および28のそれぞれが構成されている。
そして、一方の誘電体フィルタ26は、入力接続手段20と他方の誘電体フィルタ28との間に配設され、他方の誘電体フィルタ28は、一方の誘電体フィルタ26と出力接続手段22との間に配設されている。
次に、図1の誘電体共振器1に用いられる誘電体磁器4のように、高周波領域において有利に用いられる誘電体磁器に使用される本願発明の高周波用誘電体磁器組成物について説明する。
本願発明の高周波用誘電体磁器組成物は、組成式を(1−y)xCaTia1+2a−(1−y)(1−x)Ca{(M1)1/3(M21-zz2/3b1+2b−yLnAlc(3+3c)/2としたとき、M1がZnおよびMgのうち少なくとも1種、M2がNbおよびTaのうち少なくとも1種であり、かつ、
x、y、z、α(=(1−y)x)、a、bおよびcがそれぞれ、
0.56≦x≦0.8
0.08≦y≦0.18
0.05≦z≦0.5
α≦0.660
0.985≦a≦1.05
0.9≦b≦1.02
0.9≦c≦1.05
の要件を満足すように原料が選択され、配合される。
そして、上記組成式で示される高周波用誘電体磁器組成物において、NbまたはTaの一部をW(タングステン)で置換するとともに、W(タングステン)置換量を制御することにより、1400℃以下の温度での低温焼成が可能になるようにしている。
以下に本願発明の実施例を示して、本願発明の特徴とするところを具体的に説明する。
(1)出発原料として、高純度のアルミナ(Al23)、炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化チタン(TiO2)、酸化ニオブ(Nb25)、酸化タンタル(Ta25)、希土類酸化物(Nd23)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化タングステン(WO3)の各粉末を準備した。
(2)次に、表1,2,3,4および5に示すx、y、z、a、b、およびcにそれぞれ選ばれた、組成式:(1−y)・xCaTia1+2a−(1−y)・(1−x)Ca{Zn1/3(M21-zz2/3b1+2b−yNdAlc(3+3c)/2(ここで、M2はNbおよび/またはTa)で表わされる組成が得られるように、前記の各出発原料粉末を調合した。
(3)それから、この調合粉末を、ボールミルを用いて16時間湿式混合し、均一に分散させた後、脱水および乾燥処理を施して調整粉末を得た。
(4)次に、この調整粉末を、1000〜1300℃の温度で3時間仮焼し、得られた仮焼粉末に適量のバインダを加えて、再びボールミルを用いて16時間湿式粉砕することにより、焼成用粉末を得た。
(5)そして、この焼成用粉末を、1500kgf/cm2〜2500kgf/cm2(1.47×102MPa〜2.45×102MPa)の圧力で円板状にプレス成形した後、1350℃で4時間、大気中において焼成し、直径10mm、厚さ5mmの円板状の焼結体(試料)を得た。
それから、得られた各焼結体(各試料)について、測定周波数fが6〜8GHzにおける比誘電率(εr)とQ値を、TE011モードによる両端短絡型誘電体共振器法にて測定し、Q×f(周波数)=一定、の式に基づき、Q値(1GHz)に換算した。また、TE01δモードによるキャビティ法にて共振周波数を測定し、25〜55℃の温度範囲での共振周波数の温度係数(τf)を測定した。
上述のようにして測定した、各試料の比誘電率(εr)、Q値(1GHz)、および共振周波数の温度係数(τf)を、表1、2、3、4、および5に示す。
Figure 0004830286
Figure 0004830286
Figure 0004830286
Figure 0004830286
Figure 0004830286
表1、2、3、4、および5において、試料番号に*を付したものは、この発明の範囲外の試料である。
表1、2、3、4、および5において、試料番号が奇数の試料は、M2(Nbおよび/またはTa)サイトをW(タングステン)で置換していない試料(z=0)であり、試料番号が偶数の試料は、M2(Nbおよび/またはTa)サイトの10mol%をWで置換した試料である。
表1〜5に示すように、M2(Nbおよび/またはTa)サイトの10mol%をWで置換した試料(試料番号が偶数の試料)においては、M2(Nbおよび/またはTa)サイトをWで置換していない試料(試料番号が奇数の試料)と比較して、εrとQ値が増加することが確認された。
一方、主成分組成物の組成範囲が本願発明の範囲から外れた試料(試料番号に*を付した試料)の場合には、εrが40未満になったり、Q値が35000未満になったり、τfの絶対値が30ppm/℃を超えたりして、十分に優れたマイクロ波誘電特性を得ることができなかった。
この実施例2では、表1の試料番号11,12の試料について、Ndサイトを他の希土類(Y,La,Sm,Pr)で置換して、組成式:0.553CaTiO3−0.297Ca{Zn1/3(Nb1-zz2/3}O3−0.150LnAlO3で表わされる高周波用誘電体磁器組成物を作製した。なお、この実施例2の高周波用誘電体磁器組成物の製造方法および製造条件は、上記実施例1の場合と同様である。
また、この実施例2では、Ndサイトを置換する希土類(Ln)として、Y,La,Sm,Prを用いた。そして、Y,La,Sm,Prの原料として、その酸化物であるY23,La23,Sm23,Pr23を用いた。
そして、得られた高周波用誘電体磁器組成物について、比誘電率(εr)、Q値、および共振周波数の温度係数(τf)を測定した。なお、各特性の測定方法および条件は上記実施例1の場合と同様とした。
上述のようにして測定した比誘電率(εr)、Q値(1GHz)、および共振周波数の温度係数(τf)を表6に示す。
Figure 0004830286
表6においても、試料番号が奇数の試料は、M2(この実施例2ではNb)サイトをW(タングステン)で置換していない試料(z=0)、試料番号が偶数の試料は、M2(Nb)サイトの10mol%をWで置換した試料である。
表6に示すように、Ndサイトの一部または全部を他の希土類で置換した場合にも、M2(Nb)サイトの10mol%をWで置換した試料(試料番号が偶数の試料)においては、M2(Nb)サイトをWで置換していない試料(試料番号が奇数の試料)と比較して、εrとQ値が増加することが確認された。
この実施例3では、上記実施例1の表1の試料番号11,12,21,22の試料について、Znサイトの一部または全部をMgで置換して、組成式:(1−y)・xCaTiO3−(1−y)・(1−x)Ca{(Zn1-θMgθ1/3(Nb1-zz2/3}O3−yNdAlO3で表わされる高周波用誘電体磁器組成物を作製した。なお、この実施例3の高周波用誘電体磁器組成物の製造方法および製造条件は、上記実施例1の場合と同様である。また、この実施例3では、Znサイトを置換するMgの原料として、その酸化物であるMgOを用いた。
そして、得られた高周波用誘電体磁器組成物について、比誘電率(εr)、Q値、および共振周波数の温度係数(τf)を測定した。なお、各特性の測定方法および条件は上記実施例1の場合と同様とした。
上述のようにして測定した比誘電率(εr)、Q値(1GHz)、および共振周波数の温度係数(τf)を表7に示す。
Figure 0004830286
表7においても、試料番号が奇数の試料は、M2サイト(この実施例ではNb)をW(タングステン)で置換していない試料(z=0)であり、試料番号が偶数の試料は、M2(Nb)サイトの10mol%をWで置換した試料である。
表7に示すように、Znサイトの一部または全部をMgで置換した場合にも、M2(NbあるいはTa)サイトの10mol%をWで置換した試料(試料番号が偶数の試料)においては、Wで置換していない試料(試料番号が奇数の試料)と比較して、εrとQ値が増加することが確認された。
この実施例4では、上記実施例1の表1の試料番号11の試料について、M2(Nb)サイトのWによる置換量を制御して、組成式:0.553CaTiO3−0.297Ca(Zn1/3(Nb1-zz2/3)O3−0.150NdAlO3で表わされる高周波用誘電体磁器組成物を作製した。なお、この実施例4の高周波用誘電体磁器組成物の製造方法および製造条件は、上記実施例1の場合と同様である。
そして、得られた高周波用誘電体磁器組成物について、比誘電率(εr)、Q値、および共振周波数の温度係数(τf)を測定した。なお、各特性の測定方法および条件は上記実施例1の場合と同様とした。
上述のようにして測定した比誘電率(εr)、Q値(1GHz)、および共振周波数の温度係数(τf)を表8に示す。
Figure 0004830286
表8に示すように、Wの置換量を本願発明の範囲(0.05≦z≦0.5)とした場合、置換量が本願発明の範囲外にあるものに比べて、εrとQ値が増加することが確認された。
なお、本願発明は上記実施例に限定されるものではなく、微量添加物の添加の有無、焼成条件などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
上述のように、本願発明によれば、1400℃以下の低い温度で焼成することが可能で、経済性に優れ、しかも、誘電率(εr)が40以上、Q値(1GHz)が35000以上、共振周波数の温度係数(τf)の絶対値が30ppm/℃以内の優れた特性を備えた高周波用誘電体磁器組成物を提供することが可能になるとともに、この高周波用誘電体磁器組成物を用いることにより、小型化され、かつ優れた特性を有する誘電体共振器、誘電体フィルタ、誘電体デュプレクサ、および通信機装置を有利に構成することができる。
したがって、本願発明は、誘電体共振器、誘電体フィルタ、誘電体デュプレクサ、および通信機装置などの分野に広く利用することができる。
本願発明の高周波用誘電体磁器組成物を用いて構成される誘電体共振器の基本的構造を図解的に示す断面図である。 図1に示す誘電体共振器を用いて構成される通信機装置の一例を示すブロック図である。
符号の説明
1 誘電体共振器
2 金属ケース
3 支持台
4 誘電体磁器
5、6 結合ループ
7、8 同軸ケーブル
9a 入力端子
9b 出力端子
10 通信機装置
12 誘電体デュプレクサ
14 送信用回路
16 受信用回路
18 アンテナ
20 入力接続手段
22 出力接続手段
24 アンテナ接続手段
26、28 誘電体フィルタ
30 外部結合手段

Claims (5)

  1. 金属元素として、少なくとも希土類(Ln)、Al、Ca、Ti,M1,M2およびWを含有する組成物を主成分とし、前記M1がZnおよびMgのうち少なくとも1種、前記M2がNbおよびTaのうち少なくとも1種であり、かつ、
    該主成分のモル比による組成式を(1−y)xCaTia1+2a−(1−y)(1−x)Ca{(M1)1/3(M21-zz2/3b1+2b−yLnAlc(3+3c)/2としたとき、
    x、y、z、α(=(1−y)x)、a、bおよびcがそれぞれ、
    0.56≦x≦0.8
    0.08≦y≦0.18
    0.05≦z≦0.5
    α≦0.660
    0.985≦a≦1.05
    0.9≦b≦1.02
    0.9≦c≦1.05
    を満足することを特徴とする高周波用誘電体磁器組成物。
  2. 誘電体磁器が入出力端子に電磁界結合して作動するものである誘電体共振器であって、前記誘電体磁器が、請求項1記載の高周波用誘電体磁器組成物からなるものであることを特徴とする誘電体共振器。
  3. 請求項2に記載の誘電体共振器と、前記誘電体共振器の入出力端子に接続される外部結合手段とを備えていることを特徴とする誘電体フィルタ。
  4. 少なくとも2つの誘電体フィルタと、前記誘電体フィルタのそれぞれに接続される入出力接続手段と、前記誘電体フィルタに共通に接続されるアンテナ接続手段とを備える誘電体デュプレクサであって、前記誘電体フィルタの少なくとも1つが請求項3記載の誘電体フィルタであることを特徴とする誘電体デュプレクサ。
  5. 請求項4記載の誘電体デュプレクサと、前記誘電体デュプレクサの少なくとも1つの入出力接続手段に接続される送信用回路と、前記送信用回路に接続される前記入出力手段とは異なる少なくとも1つの入出力接続手段に接続される受信用回路と、前記誘電体デュプレクサのアンテナ接続手段に接続されるアンテナとを備えていることを特徴とする通信機装置。
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