JP4830616B2 - 塗布具及びその製造方法 - Google Patents
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Description
また、殆どの樹脂に対して非常に濡れがよい高揮発性溶剤を主溶剤としているインキは、インキを有効に消費するには、容器の内壁にインキが付着残留して不利であるが、樹脂との濡れの特性に逆らうだけの圧力をかけることによってインキを押し出せば、有効なインキの消費が保証されることとなる。本発明は、このような高揮発性溶剤を主溶剤とするインキを収容した容器に圧縮気体を封入して使用するに際しても、圧縮気体の外部への流出及びインキの減量を確実に防止し、塗布具の使用中における、カスレなどのインキの吐出不良をも抑制できるものである。尚、圧縮気体をポンピング機構などの押圧操作によって供給するようになしたものや、圧縮気体を用いず、移動隔壁などのフォロアーをインキの界面に配置して、インキの水頭圧をインキの吐出支援となしたものとすることもできる。
また、内部にインキを直接収容した場合、環境変化による容器内の圧力上昇によるインキの塗布先部分からの洩れを抑制するために、インキを一時的に貯留する一時的インキ溜め部材を設けたものや、塗布先部分の筆圧等による摺動によって、塗布先部分へのインキの供給路を確保する弁式のもの、インキを含浸させたインキ吸蔵体を収容するものなども例示でき、多種多様な構造の塗布具において好適に使用することができる。
図1に示したものは、内部にメチルシクロヘキサンを主溶剤とし、酸化チタン等の白色顔料を分散した、743mPa・s(B型粘度計No.3ローター、60rpm、25℃)の高粘度に設定してある修正液1を収容した修正塗布具の一例である。
修正液1は、塗布後の塗布面の速乾性が必要とされ、蒸気圧、蒸発速度などから有機溶剤を適宜選択することができるが、大気中に放出しても光化学スモッグの原因にならず、また、有機溶剤中毒予防規制を受けず比較的毒性の低い炭化水素系有機溶剤であるメチルシクロヘキサンが好ましく使用できる。また、白色顔料としては、酸化チタンの他に酸化亜鉛などが挙げられるが、白色度、隠蔽力、屈折率が比較的大きいことから、酸化チタンを用いるのが望ましい。
軸2は、透明性を有し、ガラス転移温度が115℃のポリエチレンテレフタレートポリエチレンナフタレートコポリマーの押出成形品であり、この軸2の内部には、修正液1が直接収容されている。軸2は、修正液1の主溶剤であるメチルシクロヘキサンにより、膨潤、融解、溶解、分解などによる形状変化をほとんど生じないもので、且つ、200cc/m2day/25μm・23℃/O2以下のガス透過性の低い材質である。尚、外部から修正液7の残量が視認できるような透明若しくは半透明のものであれば、ポリエチレンテレフタレートポリエチレンナフタレートコポリマーに限られるものではない。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン12、ナイロン6、ナイロン66、非晶性ナイロン、微結晶性ナイロン、半芳香族性ナイロン、脂肪酸ナイロン、ポリアクリロニトリル、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリエチレンナフタレートとポリエチレンテレフタレートのポリマーアロイ、ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートのポリマーアロイ、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナレフタレート、ポリブチレンナフタレートなどが挙げられる。勿論、軸2は、透明性を有する材質や、押出成形による成形品に限られるものではなく、修正液1の主溶剤であるメチルシクロヘキサンにより、膨潤、融解、溶解、分解などによる形状変化をほとんど生じないもので、且つ、200cc/m2day/25μm・23℃/O2以下のガス透過性の低いものであれば、透明性のない材質や射出成形による成形品であってもよい。
さらに、ポリブチレンテレフタレートの分子鎖の一部分を、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレンエーテル、ポリオクタンエーテルなどのポリアルキレンエーテルとし、前軸3をポリブチレンテレフタレートに柔軟性を付与した共重合物の、例えば、ポリブチレンテレフタレート・ポリブチレングリコール共重合体、ポリブチレンテレフタレート・ポエチレングリコール共重合体などとしてもよい。これらのポリブチレンテレフタレートに柔軟性を付与した共重合物も、ガラス転移温度、ガス透過性、修正液1の主溶剤であるメチルシクロヘキサンにより、膨潤、融解、溶解、分解などによってほとんど形状変化しない物性を維持するものである。
ポリエチレンナフタレートは、透明性を有する成型品を得ることができると共に、比較的、成型時の樹脂の流れが良好であるので、成型品の表面に所謂ヒケと呼ばれる凹凸が発生し難く、透明性を阻害しないものとすることができる。更に、接続部材の材質をポリブチレンテレフタレート・ポリブチレングリコール共重合体とすると、後述するとおり、25℃の加熱で抜け強度を損なわず、且つ、圧入によって生じる応力を吸収する変形を行うことができるので、室温を25℃環境にすれば、加熱工程が省略され、製造工程でのコストダウンを図ることができるものである。
図3に示したものは、図1に示した一例の塗布具の製造工程である。
まず、内部にコイルスプリング6を備え、ボール4を抱持しているボールホルダー5を、室温(20℃)にて前軸3の先端に圧入固定する。ボールホルダー5を圧入固定した前軸3を80℃で、前軸3の全体が80℃になるように15分以上加熱する。80℃を維持したまま、前軸3を軸2の先端開口部2aへ圧入し固定する。加熱温度の80℃は、前軸3のガラス転移温度以上で軸2のガラス転移温度未満の温度範囲(22℃以上115℃未満)内で設定されている。これは、前軸3を軸2へ圧入固定するにあたり、前軸3のみを室温における硬い状態から、変形し易い状態にさせ、且つ、圧入固定において、加熱された前軸3の熱が軸2へ万一伝達しても、軸2が前軸3と同様な状態にならないようにするためである。また、加熱温度は、圧縮気体7の圧力によって前軸3が軸2から外れて、修正液1が外部に飛散することを防止するための抜け強度(39.1kg/cm2)も加味し、前軸3が過剰変形しないよう極力低温になるようにしている。このようにして設定された温度による前軸3の加熱により、圧入固定において、軸2よりも前軸3が変形し易い状態になり、軸2を拡径しようとする応力が生じず、前軸3を縮径しようとする応力が生じる。このため、軸2の材質であるポリエチレンテレフタレートポリエチレンナフタレートコポリマーの樹脂における分子と分子の隔離が発生しない。一方、応力を生じた前軸3は、縮径方向に応力を緩和しながら変形する。前軸3の変形は縮径方向であるので、前軸3の材質であるポリブチレンテレフタレートの樹脂における分子と分子の間は縮まりこそすれ引き離されることはなく、分子と分子の隔離は起こらない。これらの前軸3に対する応力付与、及び変形は圧入固定している瞬間的作用であるので、後工程では前軸3の加熱を維持する必要はない。軸2と前軸3を圧入固定後、図4に示すように軸2内に軸2の後端開口部2bから充填ノズル10にて、修正液1を充填する。軸2と前軸3の圧入固定において、軸2及び前軸3の材質のいずれにも分子と分子の隔離が起こらないため、軸2内に充填された修正液1が、軸2と前軸3の圧入部分と接触しても、修正液1が含有する溶剤が浸入し得る隙間が存在しないためクラックは生じない。このクラックの防止により、軸2のクラック部分の薄肉化による修正液1の溶剤減量や、落下などの衝撃や軸2の内部の圧縮気体7の圧力による軸2のクラック部分からの破損や割れ、これに伴う修正液1、圧縮気体7の外部への流出が抑えられ、修正液1の塗布時におけるカスレや吐出不良を抑制することができる。
図5に示すように、修正液1の充填後は、移動隔壁8を軸2の後端開口部から押し棒11によって、移動隔壁8を修正液1の界面と接触するまで、移動隔壁8を図5に示すよう変形させて、修正液1と移動隔壁8の間に介在した空気12を除去しつつ押し込んで移動し、尾栓9を軸2の後端開口部2bへ圧縮気体7を軸2内へ封入しながら圧入固定する。
軸2内に予め、充填後の修正液1の界面位置に移動隔壁8を配置し、図6に示すように、軸2の先端開口部2aから充填ノズル10にて、修正液1を定位置まで充填し、次いで、ボールホルダー5を圧入固定した前軸3を80℃に維持しながら、軸2の先端開口部2aへ圧入して固定する。軸2へ前軸3を圧入固定したあと、尾栓9を軸2の後端開口部2bへ圧縮気体7を軸2内へ封入しながら圧入固定する。修正液1の充填や稼働隔壁8の押し込みを手作業により行う製造工程の場合、軸2の後端開口部2bと、定位置に充填された修正液1の界面との距離が比較的長いため、充填ノズル10を軸2内から抜き取る際に、軸2の内壁面に充填ノズル10が接触して修正液1が付着したり、移動隔壁8と修正液1の間に空気12を残留させてしまうことを極力抑制することができ好適である。
また、前軸3をポリブチレンテレフタレート・ポリブチレングリコール共重合体やポリブチレンテレフタレート・ポエチレングリコール共重合体などの、ポリブチレンテレフタレートの分子鎖の一部に、柔軟性を付与する成分を共重合させた材質のものであれば、室温である程度変形し易い状態になっている。したがって、諸条件により圧入力が比較的大きくなっても、前軸3をポリブチレンテレフタレートによって形成する場合よりも、加熱温度を下げることができる。例えば、図1の例のものでは、前軸3を80℃で加熱して、軸2に圧入し固定しているが、ポリブチレングリコール成分を40%とした、ポリブチレンテレフタレート・ポリブチレングリコール共重合体を用いた場合には、25℃の加熱で抜け強度を損なわず、且つ、圧入によって生じる応力を吸収する変形を行うことができる。このため、室温を25℃環境にすれば、前軸3が、常に圧入によって生じる応力を吸収する変形を行う状態とすることができるので、加熱工程が省略され、製造工程でのコストダウンを図ることができ好適である。尚、25℃の加熱で、圧入によって生じる応力を吸収する変形を行う前軸3とするために、ポリブチレンテレフタレート・ポリブチレングリコール共重合体のポリブチレングリコール成分を40%としたが、ポリブチレンテレフタレートのガラス転移温度やガス透過性などの物性を維持しつつ、軸2と前軸3との圧入力、前軸3の先端に取り付けられるペン先の用途、塗布時の筆圧などの振動の吸収などの柔軟性を考慮して適宜設定される。但し、修正塗布具としての塗布性能を考慮すると、ポリブチレングリコール成分は50%以下とすることが好ましい。
2 軸
2a 先端開口部
2b 後端開口部
2c 内方突部
3 前軸
4 ボール
5 ボールホルダー
5a 外方突部
6 コイルスプリング
7 圧縮気体
8 移動隔壁
9 尾栓
9 ボールホルダー
10 充填ノズル
11 押し棒
12 空気
Claims (6)
- 内部に液体を収容する容器内に接続部材を圧入固定する塗布具において、前記液体が主媒体としてメチルシクロヘキサンと白色顔料とから少なくともなり、前記液体の塗布部よりの吐出支援をなす圧縮気体を前記容器内に収容し、前記容器のガス透過性が200cc/m 2 day/25μm・23℃O 2 以下の合成樹脂材料の成形品であると共に、前記接続部材のガラス転移温度が容器のガラス転移温度未満である塗布具。
- 前記容器内に収容されている液体が、前記容器内に直接自由状態で充填されている請求項1に記載の塗布具。
- 前記容器内に収容されている液体が、少なくとも高揮発性溶剤を含有する請求項1又は請求項2に記載の塗布具。
- 前記容器及び/または接続部材が、内部に収容されている液体の存在を外部から視認可能とする透明若しくは半透明の合成樹脂成形品である請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の塗布具。
- 前記容器の材質が主にポリエチレンナフタレートであり、前記接続部材の材質が主にポリブチレンテレフタレート・ポリブチレングリコール共重合体である請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の塗布具。
- 前記接続部材を、該接続部材のガラス転移温度以上、前記容器のガラス転移温度未満の温度で加熱しながら、前記容器内に圧入固定する請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の塗布具の製造方法。
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2006
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