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JP4831291B2 - ゴルフボールのマーキング方法及びゴルフボール - Google Patents
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Description

本発明は、ゴルフボールの表面に文字、図柄等をマーキングするためのゴルフボールのマーキング方法及び当該方法を用いたゴルフボールに関し、更に詳述すると、黒色等の濃色で光輝性を付与しようとした場合にも当該濃色の鮮明性、再現性に優れたゴルフボールのマーキング方法及び当該方法を用いたゴルフボールに関するものである。
通常、ゴルフボールの表面には、文字や数字、商品名やロゴマーク等の図柄が直接印刷法又は間接印刷法によりマーキングされている。これらのマーキングの中には、光輝性を与えることによりボールの外観に鮮明性、美的外観を与えるものがある。光輝性を与える手段としては、アルミニウム粉や銅粉等の金属粉を含有させたインキを予め作製し、該インキを用いてゴルフボールにメタリック調のマーキングを施す技術が提案されている。
しかしながら、ゴルフボール表面に黒色等の濃色で光輝性を付与しようとした場合には、当該濃色の鮮明性、再現性に劣る傾向にある。
また、特開平11−114093号公報(特許文献1)には、顔料と金属粉末とを含有したインキ層を有する転写フィルムを用いてマークを形成したゴルフボールが記載されている。更に、米国特許第6,558,277号明細書(特許文献2)には、見る方向を変えることにより色が鮮やかに変化するというカラーフロップ性を有するためのゴルフボール、米国特許第5,427,378号明細書(特許文献3)には、樹脂製カバーの表面に光反射粒子が多数散在したゴルフボールがそれぞれ開示されている。
しかしながら、これらのゴルフボールについては、黒色等の濃色で光輝性を付与しようとした場合には、当該濃色の鮮明性、再現性が未だ不充分である。
特開平11−114093号公報 米国特許第6,558,277号明細書 米国特許第5,427,378号明細書
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、黒色等の濃色で光輝性を付与しようとした場合には、当該濃色の鮮明性、再現性に優れたゴルフボールのマーキング方法及び当該方法を用いたゴルフボールを提供することを目的とする。
本発明者は、ゴルフボール表面に施すマーキング層を2層に分割し、下層に目的とする色彩を出すためのインキ層を、上層に光輝性を付与するための透明インキ層を施してボールの外観性を高めると共に、特に、黒色等の濃色で光輝性を付与した際の当該濃色の鮮明性、再現性を良好なものすべく鋭意検討を行った結果、上層が、インキメジウムにアルミニウム粉等の金属粉を含有させた組成物からなり、かつ光輝性を付与した透明乃至半透明層とした場合に、上記金属粉のインキメジウム固形分に対する含有量(重量%)と上層の厚さ(μm)との関係が、
2.46≦金属粉の含有量(重量%)×上層の厚さ(μm)≦6.60
の数式を満たすように金属粉の含有量及び上層の厚さを調整することを特徴とするゴルフボールのマーキング方法に係る発明を見出したものである。
従って、本発明は、下記のゴルフボールのマーキング方法及びゴルフボールを提供する。
〔1〕 ゴルフボール表面に文字、図柄等を直接印刷法又は間接印刷法によりマーキングするゴルフボールのマーキング方法において、下層用インキメジウムに黒色顔料を含有させた組成物からなる下層と、該下層の上に、上層用インキメジウムに金属粉を含有させた組成物からなり、かつ透明乃至半透明であり光輝性を有した上層との2層構造からなるマーキング層をボール表面に施してマーキングすると共に、上記金属粉の上層用インキメジウム固形分に対する含有量(重量%)と上層の厚さ(μm)との関係が、2.46≦金属粉の含有量(重量%)×上層の厚さ(μm)≦6.60の数式を満たすように金属粉の含有量及び上層の厚さを調整することを特徴とするゴルフボールのマーキング方法。
〔2〕 パッド印刷法により文字、図柄等をマーキングする〔1〕記載のゴルフボールのマーキング方法。
〔3〕 転写体を用いて熱転写により文字、図柄等をマーキングする〔1〕又は〔2〕記載のゴルフボールのマーキング方法。
〔4〕 文字、図柄等を転写体に印刷する方式がシルクスクリーン印刷である〔3〕記載のゴルフボールのマーキング方法。
〔5〕 金属粉の平均粒子径が20μm以下である〔1〕〜〔4〕のいずれか1項記載のゴルフボールのマーキング方法。
〔6〕 金属粉がアルミニウム粉である〔1〕〜〔5〕のいずれか1項記載のゴルフボールのマーキング方法。
〔7〕 文字、図柄等を転写体に印刷する方式がグラビア印刷である〔3〕記載のゴルフボールのマーキング方法。
〔8〕上記〔1〕〜〔7〕の方法を用いてゴルフボール表面にマーキング層を具備したことを特徴とするゴルフボール。
本発明のゴルフボールのマーキング方法によれば、ボールの上層に光輝性を付与するための透明インキ層を施してボールの外観性を高めることができ、特には、黒色等の濃色で光輝性を付与した際の当該濃色の鮮明性、再現性に優れたボール外観を獲得することができる。
本発明のゴルフボールのマーキング方法は、ゴルフボール表面に文字、図柄等を表示したマーキング層を上層と下層とに分割してマーキングの外観性を高めるようにしたものである。
上記マーキング層は、下層用のインキメジウムに黒色顔料を含有させた下層と、該下層の上に、上層用のインキメジウムに金属粉を含有させて光輝性を付与した透明乃至半透明からなる上層との2層構造からなる。
上記の上層用及び下層用インキメジウムとは、印刷インキを作製する工程における中間体であり、着色さえ施せばインキとして充分に印刷することができる機能を有したものである。上記インキメジウムには、通常、インキ樹脂、可塑材、充填材(体質顔料やフィラー等)、溶剤などを含んだものである。
上記の上層用及び下層用インキメジウムは、互いに同一の材料としても異なった材料としてもどちらでも良いが、層間の密着性の点から、同一であることが望まれる。
インキ樹脂としては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、硝化綿等が用いられ得る。また、インキ樹脂は無色透明のものが好ましい。その理由は、顔料を混合したときに発現する色彩効果を低減させないためである。
可塑剤としては、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、アジピン酸ジオクチル、アゼライン酸ジオクチル、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル、セバチン酸ジブチル、セバチン酸ジオクチル等が挙げられる。
体質顔料としては、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、アルミナホワイト、酸化亜鉛、クレイ、シリカ粉等が挙げられる。
本発明においては、光輝性を付与する観点から、インキメジウムに金属粉を含有する。この金属粉の形態としては、金属粉を溶剤に分散させた金属ペーストを用いることが好ましい。金属粉の平均粒子径は20μm以下、特に15μm以下であることが好ましい。平均粒子径が上記範囲より大き過ぎるとそれに応じて画質を粗くしなければならず不都合である。
ここで、金属粉末の種類としては、アルミニウム、クロム、コバルト、スチール、銀、金、銅、ニッケル及びこれらの金属の各種合金等が用いられる。これらの中では、アルミニウムを用いることが好ましい。
本発明の方法で用いる色顔料としては、下層に有彩色を有する顔料として公知の材料を用いることができ、有機系でも無機系でもよく、例えばカーボンブラック、黒鉛、鉄黒、鉛丹、べんがら、群青、紺青、リソールレッドB、ブリリアントスカーレットG、ピグメントスカーレット3B、ブリリアントカーミン6B、レーキレッドC、レーキレッドD、パーマネントレッド4R、ボルドー5B、ボルドー10B、パラレッド、ウォッチングレッド、ベンジジンオレンジ、ボンマルーンL、ボンマルーンM、ブリリアントスカーレット、バーミリオンレッド(洋朱)、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ファストスカイブルー、アニリンブラック、亜鉛華、鉛白、黄鉛、亜鉛黄、ジスアゾイエロー、硫酸バリウム、ファストイエローG、ファストイエロー10Gなどが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明のマーキング方法では、本発明の効果が顕著になるのは淡色よりも黒色等の濃色の顔料を用いる場合であり、具体的には、マンセル表色系(JIS Z8721)におけるL値にて60以下に調色されたものを用いる場合にその効果が顕著に現れるものである。
本発明においては、上記金属粉のインキメジウム固形分に対する含有量(重量%)と上層の厚さ(μm)との関係が、
2.46≦金属粉の含有量(重量%)×上層の厚さ(μm)≦6.60
の数式を満たすように金属粉の含有量及び上層の厚さを調整する。
上記数式には、ボール外観の光輝性を付与する効果と色の再現性を良好にする効果の相乗効果を図る技術的意義がある上記数値が2.46未満であると、マーキングにおける光輝性の効果が充分には得られず、また6.60を超えると、アルミニウム粉等の金属粉による隠蔽効果により下層用インキメジウムの色が金属の色に打ち消されるおそれがある。
上層の厚さは1〜12μmの範囲内に調整することが望ましい。上層が上記範囲よりも厚過ぎるとボール表面に印刷したマーキング層全体が厚くなるため、打撃耐久性等のボール機能が損なわれるおそれがある。
また、ゴルフボール表面に文字、図柄等をマーキングする方法としては、ゴルフボールのマーキングに普通に用いられている方法を採用することができ、例えばパッド印刷法による直接印刷法、所謂全ベタの転写フィルムを用いて刻印で押す転写方法、熱転写で印刷する熱転写印刷法などの間接印刷法が挙げられる。なお、マーキングされるマーク類の種類、マーキング位置、マーク類の数などについては、特に制限されず、文字、数字、商品名、ロゴマークなどのマーク類を任意のマーキング位置に施すことができる。
例えば、転写フィルムを用いてゴルフボール表面にマーキングを印刷する場合は、予め準備したインキ組成物を、従来から一般に用いられているポリプロピレンフィルムないし二軸延伸ポリプロピレンフィルムや、これらとグラシン紙とのラミネート箔等に印刷して転写フィルムとすることができる。ベースフィルム上に所定の図柄等のマーキング層を形成させる方法としては、スクリーン印刷法又はグラビア印刷法が採用することが好ましい。スクリーン印刷法を採用する場合、スクリーン線数が200〜300線のスクリーンを用いることが望ましい。
ゴルフボールへの転写は、ゴルフボールのマーク形成部位に転写用インキ層を重ね合わせ、ベースフィルム側より90〜150℃程度、もしくは150〜180℃程度で加熱押圧し、その後にベースフィルムを剥離することで行なうことができる。なお、転写されたマークの上から、さらにクリアーコートを適宜塗布することができる。
本発明におけるマーキング層の厚さは、ボールへの転写等がなされた際の厚さが2〜16μm、特に、4〜12μmになるように予め調整しておくことが望ましい。
本発明で使用されるゴルフボールのボール構造、ボール材料、ボール製造方法などは特に制限されず、公知の材料を用いて通常の方法により成形することができ、ボール構造は、糸巻きゴルフボールでもよく、ワンピース、ツーピース又はカバーが二層以上のマルチピースソリッドゴルフボールでもよい。
以下、実施例と比較例とを示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
図1(A)に示されるように、ベースフィルムとして厚さ33μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム4を用い、このフィルム(転写箔)4上に、表1に示した各処方の黒色インキ組成からなるマーキング下層2及び表2に示した各処方のマーキング上層3を組み合わせて積層し、シルクスクリーン印刷方式又はグラビア印刷方式により印刷した転写フィルム10を実施例1〜5、参考例I及び比較例1〜9ごとに作製した。
次に、マークが転写されるゴルフボールとして、ポリブタジエンゴムを主成分とする架橋ゴム製のコアに、ショアーD硬度65のアイオノマー樹脂を主成分とするカバー材料を約2mm厚に被覆したツーピースボールを準備した。なお、これらのボールの表面にはプラズマ表面処理を施した。図1(B)に示されるように、この表面処理を施したゴルフボールの表面1に対し、実施例1〜5、参考例I(表3)、比較例1〜9(表4,表5)に示した構成からなる転写フィルム10を用いて、縦横の大きさが約12mmである略十文字状のマーク2を熱転写した。その様子を図2に示す。転写温度は140℃とし、シリコンパッドで1秒間圧着した。また、実施例6では、パッド印刷法による直接印刷を採用した。具体的には、ボール表面に下層インキメジウムaを用いてパッド方式により印刷した後、その上に上層インキメジウムCを用いてパッド方式により印刷した。
各例の方法においてマーキングされたボールに対して下記の評価を行った。
光輝性
屋外にて太陽光下でマーキング部分を目視にて確認した。
◎:光の反射による金属光沢が十分に得られる
○:光の反射による金属光沢が得られる
△:光の反射が不十分であり、金属光沢が不十分である
×:光の反射がほとんどないか又は全くなく、光沢感がない
下層色の再現性
室内にて白色系照明下でマーキング部分を目視にて確認した。
◎:下層の色目がそのまま再現されている
○:下層の色目がほぼ再現されている
△:下層の色目に上層の色目が若干混ざる(白っぽくみえる)
×:下層の色目とは異なる色目となる(金属の色が支配的に現れる)
摩耗試験
磁器製のボールミルにゴルフ場のバンカーに用いられる砂を入れ、それにボールを一緒に入れて2時間回転させた。その後、ボールを取り出し、マーキング部の剥離、損傷を次の基準により目視で評価した。
◎:剥離、損傷が全くない
○:マーキング部分の90%以上の範囲で剥離、損傷がない
△:マーキング部分の70%以上の範囲で剥離、損傷がない
×:マーキング部分の30%以上の範囲で剥離、損傷を受けている
打撃耐久性
各例によりマーキングされたゴルフボールをW#1を用いて45m/sのヘッドスピードで布製の的に向け、繰り返し200回打撃し、マーキング部の損傷の度合いを次の基準により目視で評価した。
◎:剥離、損傷が全くない
○:マーキング部分の90%以上の範囲で剥離、損傷がない
△:マーキング部分の70%以上の範囲で剥離、損傷がない
×:マーキング部分の30%以上の範囲で剥離、損傷を受けている
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上記表3〜5の結果より、本実施例のマーキング方法では、アルミニウム粉の上層用インキメジウム固形分に対する含有量と上層の厚さとが所定の関係式を満たすことにより、光輝性に優れていると共に、印刷部における黒色の鮮明性、再現性が良好である。これに対して、比較例のマーキング方法では、アルミニウム粉の上層用インキメジウム固形分に対する含有量と上層の厚さとが適正化されておらず、又はマーキング層を上層と下層とに分割しておらず、その結果、光輝性が得られないか又は黒色の再現性が乏しいものであった。
本発明の1実施例に係るゴルフボールのマーキング方法を説明するための説明図である。 マーキングが施されたボール表面の一部を示す平面図である。
符号の説明
1 ゴルフボール表面
2 マーキング下層
3 マーキング上層
4 フィルム(転写箔)
10 転写フィルム

Claims (8)

  1. ゴルフボール表面に文字、図柄等を直接印刷法又は間接印刷法によりマーキングするゴルフボールのマーキング方法において、下層用インキメジウムに黒色顔料を含有させた組成物からなる下層と、該下層の上に、上層用インキメジウムに金属粉を含有させた組成物からなり、かつ透明乃至半透明であり光輝性を有した上層との2層構造からなるマーキング層をボール表面に施してマーキングすると共に、上記金属粉の上層用インキメジウム固形分に対する含有量(重量%)と上層の厚さ(μm)との関係が、2.46≦金属粉の含有量(重量%)×上層の厚さ(μm)≦6.60の数式を満たすように金属粉の含有量及び上層の厚さを調整することを特徴とするゴルフボールのマーキング方法。
  2. パッド印刷法により文字、図柄等をマーキングする請求項1記載のゴルフボールのマーキング方法。
  3. 転写体を用いて熱転写により文字、図柄等をマーキングする請求項1又は2記載のゴルフボールのマーキング方法。
  4. 文字、図柄等を転写体に印刷する方式がシルクスクリーン印刷である請求項3記載のゴルフボールのマーキング方法。
  5. 金属粉の平均粒子径が20μm以下である請求項1〜4のいずれか1項記載のゴルフボールのマーキング方法。
  6. 金属粉がアルミニウム粉である請求項1〜5のいずれか1項記載のゴルフボールのマーキング方法。
  7. 文字、図柄等を転写体に印刷する方式がグラビア印刷である請求項3記載のゴルフボールのマーキング方法。
  8. 請求項1〜7の方法を用いてゴルフボール表面にマーキング層を具備したことを特徴とするゴルフボール。
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