JP4831389B2 - 気管内チューブ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、胸部外科手術、特に、左右の肺を個々に換気することができる分離肺換気を必要とする麻酔および呼吸管理等に使用するダブルルーメン型の気管内チューブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の気管内チューブとして、例えば、実公平8−7867号公報のものがある。この気管内チューブは、平行に設けられた2本のルーメンを備えるチューブ本体部を有し、第1のルーメンの先端開口が第2ルーメンの先端開口より所定長突出するように形成された突出チューブ部分を有する形状となっている。また、チューブ本体部には、第1のカフが設けられ、突出チューブ部分には第2のカフが設けられている。そして、突出するチューブ部分が、カリーナ(気管分岐部)を越え右あるいは左気管支に挿入され、使用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の気管内チューブでは、右あるいは左気管支に挿入された突出チューブ部分の先端が、気管支のセカンドカリーナ(第2分岐部)に当接しセカンドカリーナを閉塞してしまうことがある。このような状態をさけるためには、気管内チューブ自体の気管への挿入を浅くすることにより、対応することが必要となる。このような挿入作業は容易なものではない。さらに、このように、気管内チューブ自体の気管への挿入を浅くすることにより、第2のカフが、カリーナ(管分岐部)を閉塞することがある。また、カリーナ(分岐部)に膨張した第2カフがはみ出すことにより、第2のカフの固定性が低下するという問題も生じる。
このような問題は、人体におけるファーストカリーナ(第1気管分岐部)からセカンドカリーナ(第2分岐部)までの長さが、体格、人種などにより相違することに起因する。
特公昭60−10740号には、壁内の全長にわたって穿たれた小径の通し孔を持ち、先端部近傍にカフを有する気管内チューブと、通し孔内に収納されて使用時に送り出しが可能な気管支閉塞用カフ付カテーテルとからなる一側肺換気用気管内チューブが開示されている。
この気管内チューブは、一側肺換気用気管内チューブであり、左右の肺を個々に換気することができる分離肺換気に使用できるものではない。つまり、この気管内チューブでは、気管支閉塞用カフ付カテーテルは、挿入された側の肺を文字通り閉塞するためのものであり、挿入側の肺を換気することができない。さらに、気管支閉塞用カフ付カテーテルが送り出し可能なため、右あるいは左気管支の任意の位置にその先端部を配置することが可能となっているものの、小径の通し孔内に収納されたものを送り出すことが必要なため気管支閉塞用カフ付カテーテルの操作性も悪く、気管支閉塞用カフ付カテーテルを良好な位置に配置することも困難である。分離肺換気を行う場合には、左右の肺に気管支鏡を挿入することが必要である。気管支鏡は、吸痰、出血時の吸引を行うためのサクションルーメンと手術側気管支断端部の確認、出血確認のための光ファーバーを備えており、2〜4mm程度の外径を有している。しかし、上述の気管内チューブの気管支閉塞用カフ付カテーテルは、気管内チューブの壁内に形成された小径の通し孔内に収納されるものであるため、内部ルーメンを備えるものの内部ルーメンは小径のため、気管支鏡の挿入を行うことができない。
そこで、本発明の目的は、上記のような問題を解消し、チューブ突出部を右もしくは左気管支に良好に配置かつ良好に固定することができ、かつ、チューブ突出部が挿入された右もしくは左気管支内に気管支鏡を挿入することが可能な気管内チューブを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する気管内チューブは以下のものである。
(1)左右の肺を個々に換気することができる分離肺換気用の気管内チューブであって、前記気管内チューブは、内腔を軸方向に延びる第1ルーメンと第2ルーメンとに区分する区画壁を有するチューブ本体部と、該チューブ本体部に設けられた第1ルーメン先端開口と、前記第2ルーメンと連通するように前記チューブ本体部の先端部に取り付けられ、先端に第2ルーメン先端開口を有するチューブ突出部と、前記チューブ本体部に設けられるとともに前記第1ルーメン先端開口より基端側に位置する第1のカフと、前記チューブ突出部に設けられるとともに前記第2ルーメン先端開口より基端側に位置する第2のカフと、前記第1のカフと連通する第1カフインフレーション用ルーメンと、前記第2のカフと連通する第2カフインフレーション用ルーメンとを備え、前記チューブ突出部は、前記第2のカフより基端側に位置し、前記チューブ突出部の軸方向の長さを調整可能な筒状体からなる長さ調整部と、該長さ調整部を構成する筒状体の先端部に内腔が前記第2ルーメンと連通するように固定され、先端に前記第2ルーメン先端開口を備えるチューブ先端部を備え、さらに、前記長さ調整部は、内部に流体の流入が可能な細径チューブにより螺旋状に形成され、流体の注入による伸張もしくは流体の排出による収縮が可能な筒状体であり、かつ、前記気管内チューブは、該筒状体を形成する細径チューブ内部と連通する流体流通用の操作用ルーメンを備えている気管内チューブ。
(2)前記長さ調整部は、前記第1ルーメン先端開口と前記第2カフ間の距離を5mm以下〜20mm以下伸張もしくは縮小できるものである(1)に記載の気管内チューブ。
(3)前記気管内チューブは、前記チューブ本体部側の前記第2カフインフレーション用ルーメンと前記チューブ突出部側の前記第2カフインフレーション用ルーメンとを前記長さ調整部の外部もしくは内部において連通する第2カフインフレーション用ルーメン接続チューブを備えている(1)または(2)に記載の気管内チューブ。
(4)前記気管内チューブは、前記流体流通用の操作用ルーメンの後端部に設けられ、前記操作用ルーメンを開閉可能な閉塞部材を備えている(1)ないし(3)のいずれかに記載の気管内チューブ。
また、上記課題を解決する気管内チューブは以下のものである。
(5)左右の肺を個々に換気することができる分離肺換気用の気管内チューブであって、前記気管内チューブは、内腔を軸方向に延びる第1ルーメンと第2ルーメンとに区分する区画壁を有するチューブ本体部と、該チューブ本体部に設けられた第1ルーメン先端開口と、前記第2ルーメンと連通するように前記チューブ本体部の先端部に取り付けられ、先端に第2ルーメン先端開口を有するチューブ突出部と、前記チューブ本体部に設けられるとともに前記第1ルーメン先端開口より基端側に位置する第1のカフと、前記チューブ突出部に設けられるとともに前記第2ルーメン先端開口より基端側に位置する第2のカフと、前記第1のカフと連通する第1カフインフレーション用ルーメンと、前記第2のカフと連通する第2カフインフレーション用ルーメンとを備え、前記チューブ突出部は、前記第2のカフより基端側に位置し、前記チューブ突出部の軸方向の長さを調整可能な筒状体からなる長さ調整部と、該長さ調整部を構成する筒状体の先端部に内腔が前記第2ルーメンと連通するように固定され、先端に前記第2ルーメン先端開口を備えるチューブ先端部を備え、さらに、前記長さ調整部は、操作用線状体の収納が可能な細径チューブにより螺旋状に形成され、線状体の移動により伸張または収縮もしくは伸縮可能な筒状体と、該筒状体を貫通し先端部が前記筒状体の先端部付近もしくは前記チューブ突出部に固定され、かつ基端側に延びる操作用線状体とを備える気管内チューブ。
また、上記課題を解決する気管内チューブは以下のものである。
(6)左右の肺を個々に換気することができる分離肺換気用の気管内チューブであって、前記気管内チューブは、内腔を軸方向に延びる第1ルーメンと第2ルーメンとに区分する区画壁を有するチューブ本体部と、該チューブ本体部に設けられた第1ルーメン先端開口と、前記第2ルーメンと連通するように前記チューブ本体部の先端部に取り付けられ、先端に第2ルーメン先端開口を有するチューブ突出部と、前記チューブ本体部に設けられるとともに前記第1ルーメン先端開口より基端側に位置する第1のカフと、前記チューブ突出部に設けられるとともに前記第2ルーメン先端開口より基端側に位置する第2のカフと、前記第1のカフと連通する第1カフインフレーション用ルーメンと、前記第2のカフと連通する第2カフインフレーション用ルーメンとを備え、前記チューブ突出部は、前記第2のカフより基端側に位置し、前記チューブ突出部の軸方向の長さを調整可能な筒状体からなる長さ調整部と、該長さ調整部を構成する筒状体の先端部に内腔が前記第2ルーメンと連通するように固定され、先端に前記第2ルーメン先端開口を備えるチューブ先端部を備え、さらに、前記長さ調整部は、操作用線状体の収納が可能かつ線状体の移動により伸張または収縮もしくは伸縮可能な筒状体と、該筒状体を貫通し先端部が前記筒状体の先端部付近もしくは前記チューブ突出部に固定され、かつ基端側に延びる操作用線状体を備える気管内チューブ。
(7)前記気管内チューブは、前記チューブ本体部側の前記第2カフインフレーション用ルーメンと前記チューブ突出部側の前記第2カフインフレーション用ルーメンとを前記長さ調整部の外部もしくは内部において連通する第2カフインフレーション用ルーメン接続チューブを備えている(5)または(6)に記載の気管内チューブ。
(8)前記気管内チューブは、前記操作用線状体の基端部を把持するとともに、該操作用線状体を弛緩もしくは牽引させるための操作部を備えている(5)ないし(7)のいずれかに記載の気管内チューブ。
(9)前記気管内チューブにおける前記第1ルーメン先端開口より前記チューブ突出部の先端までの長さは、前記チューブ長さ調整部の非伸張時において、30〜45mmであり、かつ該チューブ長さ調整部の伸張により、5mm以下〜20mm以下長くなるものである(1)ないし(8)のいずれかに記載の気管内チューブ。
【0005】
【発明の実施の形態】
そこで、本発明の気管内チューブを図面を参照して説明する。
本発明の第1実施例の気管内チューブ1について説明する。
図1は、本発明の気管内チューブの第1実施例の正面図である。図2は、図1に示した第1実施例の気管内チューブの先端部分の拡大図である。図3は、図1に示した第1実施例の気管内チューブの先端部分の拡大断面図である。図4は、図1に示した第1実施例の気管内チューブのチューブ突出部の長さ調整部の拡大図である。図5は、図1に示した第1実施例の気管内チューブのチューブ突出部の長さ調整部の拡大断面図である。図6は、図2のA−A線断面図である。
本発明の気管内チューブ1は、図1に示すように、内腔を軸方向に延びる第1ルーメン8と第2ルーメン9とに区分する区画壁14を有するチューブ本体部2と、チューブ本体部2に設けられた第1ルーメン先端開口6と、第2ルーメン9と連通するとともに先端に第2ルーメン先端開口10を有し、かつ、チューブ本体部2より先端側に延びるチューブ突出部3と、チューブ本体部2に設けられるとともに第1ルーメン先端開口6より基端側に位置する第1のカフ4と、チューブ突出部3に設けられるとともに第2ルーメン先端開口10より基端側に位置する第2のカフ5と、第1のカフ4と連通する第1カフインフレーション用ルーメン24と、第2のカフ5と連通する第2カフインフレーション用ルーメン25と、チューブ突出部3に設けられたチューブ突出部の長さを調整するチューブ長さ調整部7とを備える分離肺換気用ダブルルーメン型気管内チューブである。
そして、第1実施例の気管内チューブ1では、チューブ長さ調整部7は、チューブ突出部3に設けられるとともに第2のカフ5より基端側に位置している。 第1実施例の気管内チューブ1は、チューブ本体部2とその先端に取り付けられたチューブ突出部3からなる。言い換えれば、チューブ本体部を構成する本体チューブの先端に、本体チューブに比べて細径に形成された突出チューブが固定されたものとなっている。
【0006】
チューブ本体部2は、図1、図2、図3および図6に示すように、区画壁14により内腔をほぼ等分に区分することにより形成された第1ルーメン8と第2ルーメン9と、第1カフインフレーション用ルーメン24と、第2カフインフレーション用ルーメン25と、チューブ本体部の先端に位置する第1ルーメン先端開口6と、この先端開口6より若干基端側に設けられた第1のカフ4と、チューブ本体部の外面に固着された操作用ルーメン形成用チューブ15と、チューブ本体部2の基端に第1ルーメン8と連通するように設けられた第1ルーメン用コネクター17と、チューブ本体部2の基端に第2ルーメン9と連通するように設けられた第2ルーメン用コネクター18とを備えている。
第2ルーメン9は、チューブ本体部の内腔をチューブの軸方向にほぽ直線状に延びる区画壁14により区画することにより形成されているので、十分な内腔断面積を備え、気管支鏡の挿入が可能なものとなっている。第2ルーメン9としては、2〜4mmのチューブ状部材(例えば、気管支鏡)が挿入できるものであることが好ましい。また、第1ルーメン8としては、2〜4mmのチューブ状部材(例えば、気管支鏡)が挿入できるものであることが好ましい。
第1カフインフレーション用ルーメン24および第2カフインフレーション用ルーメン25は、図6に示すように、チューブ本体部2を構成するチューブ体の肉厚内に形成されている。しかし、これに限らず、操作用ルーメン形成用チューブ15のように、内部にルーメンを有するチューブ体をチューブ本体部の外面に固定したものでもよい。操作用ルーメン形成用チューブ15は、図6に示すように、チューブ本体部2の外面に形成された軸方向に延びる凹部に部分的に収納された状態にて固定されている。なお、操作用ルーメンはこのようなものに限定されるものではなく、第1カフインフレーション用ルーメンのように、チューブ本体部の肉厚内に形成してもよい。
チューブ本体部2は、長さ30〜50mm程度、外径5〜15mm程度のチューブ体である。チューブ本体部2は、軟質塩化ビニル樹脂、ポリウレタン、シリコーンゴム、ポリオレフィンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリスチレン系エラストマーなどの可撓性樹脂により形成される。
【0007】
第1のカフ4は、図3に示すように、チューブ本体部2に形成された第1カフインフレーション用ルーメン24と連通する側口24a部分を被包するように、チューブ本体部2に取り付けられた膨張可能なバルーン状物である。第1のカフ4は、先端部および基端部がチューブ本体部2に、熱融着、接着剤などにより固着されている。カフ4は内部が、第1カフインフレーション用ルーメン24と連通しており、第1カフインフレーション用ルーメン24より注入される流体(例えば、空気)により膨張し、流体の排出により収縮する。第1カフとしては、軸方向長さが25〜40mm程度のものが好ましい。第1のカフ4は、軟質塩化ビニル樹脂、ポリウレタン、シリコーンゴム、ポリオレフィンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリスチレン系エラストマーなどの可撓性樹脂により形成される。
気管内チューブ1は、図1に示すように、第1のカフのための操作部を備えている。第1のカフのための操作部は、パイロットバルーン12と、パイロットバルーン12の一端部を第1カフインフレーション用ルーメン24と連通させる接続チューブ11と、パイロットバルーン12の他端部に設けられ、パイロットバルーン12を開閉可能とする閉塞部材13とを備えている。閉塞部材13としては、通常状態では、閉塞状態であり、シリンジ、活栓などのルアーチップが取り付けられることにより開口するバルブ部材が用いられている。また、接続チューブ11は、一端がチューブ本体部2の基端側の外面に形成された側口より第1カフインフレーション用ルーメン24内に侵入しかつ液密に固着されている。また、接続チューブ11は、他端がパイロットバルーン内に侵入しかつ液密に固着されている。
同様に、気管内チューブ1は、図1に示すように、第2のカフのための操作部を備えている。第2のカフのための操作部は、パイロットバルーン22と、パイロットバルーン22の一端部を第2カフインフレーション用ルーメン25と連通させる接続チューブ21と、パイロットバルーン22の他端部に設けられ、パイロットバルーン22を開閉可能とする閉塞部材23とを備えている。閉塞部材23としては、通常状態では、閉塞状態であり、シリンジ、活栓などのルアーチップが取り付けられることにより開口するバルブ部材が用いられている。また、接続チューブ21は、一端がチューブ本体部2の基端側の外面に形成された側口より第2カフインフレーション用ルーメン25内に侵入しかつ液密に固着されている。また、接続チューブ21は、他端がパイロットバルーン22内に侵入しかつ液密に固着されている。
【0008】
チューブ本体部2は、図1、図2および図3に示すように、第1ルーメン側は、先端開口6により終端となっている。また、第1ルーメン先端開口部は、斜めに形成されている。
そして、第1実施例の気管内チューブは、チューブ本体部2より先端側に位置するチューブ突出部3を備える。
チューブ突出部3は、図2、図3、図4および図5に示すようにチューブ本体部2の第2ルーメン開口部に内腔がこの第2ルーメンと連通するように固定されるとともに、軸方向の長さを調整可能な筒状体からなる長さ調整部7と、長さ調整部7を構成する筒状体の先端部に内腔が筒状体の内腔と連通するように固定され、先端に第2ルーメン先端開口10を備えるチューブ先端部3aを備えている。
そして、この気管内チューブは、長さ調整部7を有することにより、チューブ突出部3の長さを調整可能となっている。チューブ突出部3としては、全長、言い換えれば、第1ルーメン先端開口6よりチューブ突出部3の先端までの長さL(図2)が、長さ調整部7の非伸張時において、30〜45mmであり、伸張時において、5mm以下〜20mm以下長くなるものであることが好ましい。また、チューブ突出部としては、最小内径部分における内径が、3〜7mmであることが好ましい。また、チューブ突出部3は、2〜4mmのチューブ状部材(例えば、気管支鏡)が挿入できるものであることが好ましい。また、この実施例の気管内チューブ1は、第1ルーメン先端開口6から第2カフの基端部までの長さが、長さ調整部7の非伸張時(言い換えれば、最小長さとなっている状態)において、10〜20mm、第1ルーメン先端開口6から第2カフの中央部までの長さが、長さ調整部7の非伸張時(言い換えれば、最小長さとなっている状態)において、15〜25mmであり、長さ調整部7は、この長さを、1〜5mm、好ましくは1〜10mm、より好ましくは1〜20mm長くすることができるものであることが好ましい。
長さ調整部7を構成する筒状体7aは、図4に示すように、細径チューブにより螺旋状に形成されるとともに、接触する部分が固着されることにより筒状に形成されている。筒状体7aは、図4に示すように、通常状態では、細径チューブ内の空気が除去もしくは減少した収縮状態となっており、内部に流体が流入されることにより、図5に示すように、細径チューブが膨張し、筒状体は伸張する。なお、筒状体7aは、通常状態において伸張しており、細径チューブ内の空気を排出することにより収縮するものであってもよい。
【0009】
細径チューブとしては、外径0.3〜1.5mm、内径0.2〜1.2mmの可撓性チューブが用いられる。そして、図4および図5に示すように、操作用ルーメン形成用チューブ15の一端が筒状体7aを構成する細径チューブの一端内に侵入するとともに液密に固着されている。また、筒状体7aを構成する細径チューブの他端7bは、図5に示すように、閉塞端となっている。長さ調整部7すなわち筒状体7aとしては、外径が6〜12mm程度のものが好適であり、内径が、3〜8mm程度のものが好適である。また、筒状体としては、非伸張時(言い換えれば、収縮時もしくは最小長さとなっている状態)における長さが、3〜12mm程度のものが好適であり、そして、筒状体は、この菜長さを5mm以下〜20mm以下長くすることができるもの、具体的には、1〜5mm、好ましくは1〜10mm、より好ましくは1〜20mm長くすることができるものであることが好ましい。
長さ調整部7を構成する筒状体は、軟質塩化ビニル樹脂、ポリウレタン、シリコーンゴム、ポリオレフィンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリスチレン系エラストマーなどの可撓性樹脂により形成される。
チューブ先端部3aは、第2のカフ5と、第2カフインフレーション用ルーメン25と、先端開口10を備えている。先端開口10は、中心軸に対して斜めに形成されている。
【0010】
チューブ先端部3aは、長さ20mm〜40mm程度、外径6〜10mm、内径3〜7mm程度のチューブ体である。チューブ先端部3aは、軟質塩化ビニル樹脂、ポリウレタン、シリコーンゴム、ポリオレフィンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリスチレン系エラストマーなどの可撓性樹脂により形成される。
第2のカフ5は、図3に示すように、チューブ先端部3aに形成された第2カフインフレーション用ルーメン25と連通する側口25a部分を被包するように、チューブ先端部3aに取り付けられた膨張可能なバルーン状物である。第2のカフ5は、先端部および基端部がチューブ先端部2に、熱融着、接着剤などにより固着されている。第2のカフ5は内部が、第2カフインフレーション用ルーメン25と連通しており、第2カフインフレーション用ルーメン25より注入される流体(例えば、空気)により膨張し、流体の排出により収縮する。第2カフとしては、軸方向長さが15〜35mm程度のものが好ましい。第2のカフ5は、軟質塩化ビニル樹脂、ポリウレタン、シリコーンゴム、ポリオレフィンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリスチレン系エラストマーなどの可撓性樹脂により形成される。
また、チューブ本体部2側の第2カフインフレーション用ルーメン25とチューブ突出部3側の第2カフインフレーション用ルーメン25は、第2カフインフレーション用ルーメン接続チューブ19により気密に接続されている。具体的には、チューブ本体部2に設けられた第2カフインフレーション用ルーメン25の先端部とチューブ突出部3のチューブ先端部3aに設けられた第2カフインフレーション用ルーメン25の基端部は、長さ調整部7の外部(外側)を通過する第2カフインフレーション用ルーメン接続チューブ19により気密に連通されている。なお、接続チューブ19は、長さ調整部7の内部(第2ルーメン内)においてチューブ本体部2とチューブ先端部3aの第2カフインフレーション用ルーメンを接続するものであってもよい。接続チューブ19は、長さ調整部7が伸張した状態に対応可能な長さを備えている。
そして、長さ調整部7の内部と連通する操作用ルーメン形成用チューブ15は、チューブ本体部2に固定されない部分15aを備え、さらに、操作用ルーメン形成用チューブ15(15a)の他端には、図1に示すように、長さ調整部7のための操作部16を備えている。長さ調整部7のための操作部16は、開閉可能な閉塞部材を備えている。閉塞部材としては、通常状態では、閉塞状態であり、シリンジ、活栓などのルアーチップが取り付けられることにより開口するバルブ部材、流体注入器(例えば、シリンジ)を取付可能な活栓(例えば、二方活栓、三方活栓)が用いられている。操作用ルーメン形成用チューブ15は、上述した可能性樹脂により形成される。この実施例の長さ調整部7の伸張に用いられる流体としては、生理食塩水、X線造影剤などの液体、空気などを用いることができる。
【0011】
次に、第2実施例の気管内チューブについて説明する。
図7は、本発明の気管内チューブの第2実施例の正面図である。図8は、図7に示した第2実施例の気管内チューブのチューブ突出部の長さ調整部の拡大図である。図9は、図7に示した第2実施例の気管内チューブのチューブ突出部の長さ調整部を説明するための説明図である。
第2実施例の気管内チューブ50の基本構成は、第1実施例の気管内チューブ1と同じである。相違点は、チューブ長さ調整部57の操作機構のみである。
第2実施例の気管内チューブ50では、図7に示すように、長さ調整部57は、操作用線状体54の先端側部分の収納が可能な細径チューブにより螺旋状に形成され、線状体54の移動により伸張または収縮もしくは伸縮可能な筒状体により構成されている。さらに、気管内チューブ50は、筒状体57aを貫通し先端部54aが筒状体57aの先端部付近もしくはチューブ先端部3aに固定され、かつ基端側に延びる操作用線状体54を備えている。操作用線状体54は操作用線状体収納チューブ55内に摺動可能に収納されている。また、チューブ本体部2は、操作用線状体収納チューブ55を部分的に収納するための軸方向に延びる凹部を備えている。操作用線状体収納チューブ55はこの凹部に収納されるともに固着されている。なお、操作用線状体収納チューブ55を用いることなく、チューブ本体部の肉厚内に、操作用線状体収納用ルーメンを設けたものとしてもよい。さらに、気管内チューブ50は、図7に示すように、操作用線状体54の基端部を把持するとともに、操作用線状体を弛緩もしくは牽引させるための操作部53を備えている。操作部53は、チューブ本体部2の基端部に固定されている。
チューブ本体部2、第1のカフ4、第2のカフ5、チューブ突出部3、第1のカフのための操作部、第2のカフのための操作部などは上述した実施例1の気管内チューブ1と同じである。
そして、第2実施例の気管内チューブ50においても、第1実施例の気管内チューブ1と同様に、チューブ本体部2より先端側に位置するチューブ突出部3を備える。この実施例においてもチューブ突出部としては、最小内径部分における内径が、3〜7mmであることが好ましい。また、チューブ突出部3は、2〜4mmのチューブ状部材(例えば、気管支鏡)が挿入できるものであることが好ましい。
【0012】
そして、この気管内チューブ50は、長さ調整部57を有することにより、チューブ突出部3の長さを調整可能となっている。チューブ突出部3としては、全長、言い換えれば、第1ルーメン先端開口6よりチューブ突出部3の先端までの長さL(図2参照)が、長さ調整部57の非伸張時において、30〜45mmであり、伸張時において、5mm以下〜20mm以下長くなるものであることが好ましい。また、この実施例の気管内チューブ50は、第1ルーメン先端開口6から第2カフ5の基端部までの長さが、長さ調整部57の非伸張時(言い換えれば、最小長さとなっている状態)において、10〜20mm、第1ルーメン先端開口6から第2カフ5の中央部までの長さが、長さ調整部57の非伸張時(言い換えれば、最小長さとなっている状態)において、15〜25mmであり、長さ調整部7は、この長さを、1〜5mm、好ましくは1〜10mm、より好ましくは1〜20mm長くすることができるものであることが好ましい。
長さ調整部57を構成する筒状体57aは、図8に示すように、細径チューブにより螺旋状に形成されるとともに、接触する部分が固着されることにより筒状に形成されている。筒状体57aは、図8に示すように、通常状態では、操作用線状体54が牽引されているため収縮した状態となっており、操作用線状体を弛緩させることにより、図9に示すように、細径チューブが本来の形状に復元し、筒状体は伸張する。なお、筒状体57aは、通常状態において伸張しており、操作用線状体を牽引することにより収縮するものであってもよい。特に、気管内チューブ50としては、操作用線状体54の弛緩および牽引の両者を行え、筒状体57aの伸縮を可能とするものが好ましい。
筒状体57aを構成する細径チューブとしては、外径0.3〜1.5mm、内径0.2〜1.2mmの可撓性チューブが用いられる。そして、図7、図8および図9に示すように、チューブ本体部2の外面には、操作用線状体収納チューブ55が固定されており、操作用線状体収納チューブ55の一端が筒状体57aを構成する細径チューブの一端内に侵入するとともに固着されている。操作用線状体収納チューブ55の一端は、細径チューブの少なくとも内径より大きい膨出部54aとなっている。
【0013】
長さ調整部57すなわち筒状体57aとしては、外径が6〜12mm程度のものが好適であり、内径が、3〜8mm程度のものが好適である。また、筒状体としては、非伸張時(言い換えれば、収縮時もしくは最小長さとなっている状態)における長さが、3〜12mm程度のものが好適であり、そして、筒状体は、この長さを5mm以下〜20mm以下長くすることができるもの、具体的には、1〜5mm、好ましくは1〜10mm、より好ましくは1〜20mm長くすることができるものであることが好ましい。
長さ調整部57を構成する筒状体は、軟質塩化ビニル樹脂、ポリウレタン、シリコーンゴム、ポリオレフィンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリスチレン系エラストマーなどの可撓性樹脂により形成される。
チューブ先端部3aは、第2のカフ5と、第2カフインフレーション用ルーメン25と、先端開口10を備えている。先端開口10は、中心軸に対して斜めに形成されている。
【0014】
チューブ先端部3a、第2カフインフレーション用ルーメン接続チューブ19については、上述した第1実施例の気管内チューブと同じである。
そして、操作用線状体収納チューブ55は、チューブ本体部2の基端よりさらに後端方向に突出し、操作部53に接続されている。
操作部53について、図13および図14を用いて説明する。
操作部53は、チューブ本体部2の基端に固定された操作部本体部53aと、操作用線状体54の基端部を保持する線状体保持部59を備えている。操作部本体部53aは、側口71を備え、操作用線状体収納チューブ55の他端がこの側口71より操作部本体部53a内に侵入している。操作用線状体54は、線状体保持部59内に位置する部分において他の部分より若干拡径するとともに、他端に抜け止めのための膨出部55bを備えている。また、線状体保持部59は、操作用線状体54を把持するとともに、外面に所定長の長さにわたり形成された雄ねじ部を備えている。そして、操作部本体部53aは、線状体保持部59に形成された雄ねじ部と螺合する雌ねじ部を備えている。このため、操作部本体部53aを把持した状態にて、線状体保持部59を回転させることにより、線状体保持部59は、操作部本体部53aに対して、前進もしくは後退する。線状体保持部59を前進させることにより、図9に示すように、操作用線状体54の牽引状態が緩和され、言い換えれば、弛緩状態となり、圧縮されていた長さ調整部57が、線状体保持部59の進行分伸張する。逆に、線状体保持部59を後退させることにより、操作用線状体54の牽引状態が進行し、圧縮されていた長さ調整部57が、線状体保持部59の進行分収縮する。
操作用線状体収納チューブ55は、上述した可能性樹脂により形成される。操作部本体部および線状体保持部としては、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン)、ポリスチレンなどの硬質もしくは半硬質樹脂、ステンレス鋼、チタン、チタン合金などの金属により形成される。操作用線状体54としては、非伸縮性材料で形成することが好ましく、金属線材料、合成樹脂繊維が使用できる。金属線材料としては、ステンレス線、超弾性金属線、アモルファス金属線などの単線もしくは複数本の単線を撚り線としたものが使用できる。合成樹脂繊維としては、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維などの合成繊維、さらには、それらを炭素繊維、ガラス繊維により補強したしたものなどの単線もしくは複数本の単線を撚り線としたものが使用できる。
【0015】
次に、第3実施例の気管内チューブについて説明する。
図10は、本発明の気管内チューブの第3実施例の正面図である。図11は、図10に示した第3実施例の気管内チューブのチューブ突出部の長さ調整部の拡大断面図である。図12は、図10に示した第3実施例の気管内チューブのチューブ突出部の長さ調整部の作用を説明するための説明図である。図13は、図10に示した第3実施例の気管内チューブの基端部の拡大図である。図14は、図10に示した第3実施例の気管内チューブの基端部の拡大部分断面図である。図15は、図13のC−C線にて切断した端面図である。図16は、図10のB−B線断面図である。
第3実施例の気管内チューブ60の基本構成は、第1実施例の気管内チューブ1と同じである。相違点は、チューブ長さ調整部63およびその操作機構のみである。
そして、第3実施例の気管内チューブ60においても、第1実施例の気管内チューブ1と同様に、チューブ本体部2より先端側に位置するチューブ突出部3を備える。この実施例においてもチューブ突出部としては、最小内径部分における内径が、3〜7mmであることが好ましい。また、チューブ突出部3は、2〜4mmのチューブ状部材(例えば、気管支鏡)が挿入できるものであることが好ましい。
第3実施例の気管内チューブ60では、図12に示すように、チューブ長さ調整部63は、操作用線状体65、66の先端部分の収納が可能かつ線状体65、66の移動により伸張または収縮もしくは伸縮可能な筒状体からなる。さらに、気管内チューブ60は、筒状体63aを貫通し先端部が筒状体63aの先端部付近もしくはチューブ先端部3aに固定され、かつ基端側に延びる操作用線状体65,66を備えている。操作用線状体65,66はそれぞれ操作用線状体収納チューブ67,68に摺動可能に収納されている。さらに、気管内チューブ60は、図10ないし図15に示すように、操作用線状体65,66の基端部を把持するとともに、操作用線状体65,66を弛緩もしくは牽引させるための操作部64を備えている。操作部64は、チューブ本体部2の基端部に固定されている。また、チューブ本体部2は、図16に示すように、操作用線状体収納チューブ67,68を部分的に収納するための軸方向に延びる凹部を備えている。操作用線状体収納チューブ67,68はこの凹部に収納されるともに固着されている。なお、操作用線状体収納チューブ67,68を用いることなく、チューブ本体部の肉厚内に、操作用線状体収納用ルーメンを設けたものとしてもよい。
【0016】
長さ調整部を構成する筒状体63aは、中空リング状部材が積層されたような構造となっている。具体的には、筒状体63aは、リング状空間78が軸方向に平行に並んだ状態の内部空間を備え、さらに、操作用線状体65,66を貫通するための2つの向かい合う位置に設けられた貫通孔76,77を備えている。各リング状空間78は、貫通孔により連通している。さらに、筒状材63aは、図11及び図12に示すように、各リング状空間78と筒状体の外部もしくは筒状体の内部空間と連通する細孔63bを備えていてもよい。
長さ調整部63すなわち筒状体63aとしては、外径が6〜12mm程度のものが好適であり、内径が、3〜8mm程度のものが好適である。また、筒状体としては、非伸張時(言い換えれば、収縮時もしくは最小長さとなっている状態)における長さが、3〜12mm程度のものが好適であり、そして、筒状体は、この長さを5mm以下〜20mm以下長くすることができるもの、具体的には、1〜5mm、好ましくは1〜10mm、より好ましくは1〜20mm長くすることができるものであることが好ましい。
さらに、気管内チューブ60は、図10、図13、図14および図15に示すように、操作用線状体65,66の基端部を把持するとともに、操作用線状体65,66を弛緩もしくは牽引させるための操作部643を備えている。操作部64は、チューブ本体部2の基端部に固定されている。
チューブ本体部2、第1のカフ4、第2のカフ5、チューブ突出部3、第1のカフのための操作部、第2のカフのための操作部などは上述した実施例1の気管内チューブ1と同じである。
【0017】
そして、第3実施例の気管内チューブ60においても、第1実施例の気管内チューブ1と同様に、チューブ本体部2より先端側に位置するチューブ突出部3を備える。
そして、この気管内チューブ60は、長さ調整部63を有することにより、チューブ突出部3の長さを調整可能となっている。チューブ突出部3としては、全長、言い換えれば、第1ルーメン先端開口6よりチューブ突出部3の先端までの長さL(図2参照)が、長さ調整部の非伸張時において、30〜45mmであり、伸張時において、5mm以下〜20mm以下長くなるものであることが好ましい。また、この実施例の気管内チューブ60は、第1ルーメン先端開口6から第2カフ5の基端部までの長さが、長さ調整部の非伸張時(言い換えれば、最小長さとなっている状態)において、10〜20mm、第1ルーメン先端開口6から第2カフ5の中央部までの長さが、長さ調整部の非伸張時(言い換えれば、最小長さとなっている状態)において、15〜25mmであり、長さ調整部7は、この長さを、1〜5mm、好ましくは1〜10mm、より好ましくは1〜20mm長くすることができるものであることが好ましい。
長さ調整部を構成する筒状体63aは、図11に示すように、筒状体63aは、リング状空間78が軸方向に平行に並んだ状態の内部空間を備える内外面ともに蛇腹状となったものである。筒状体63aは、図11に示すように、通常状態では、操作用線状体65,66が牽引されているため各中空リング状部がつぶれ、圧縮された状態となっており、操作用線状体を弛緩させることにより、図12に示すように、各中空リング状部が本来の形状に復元し、筒状体は伸張する。なお、筒状体63aは、通常状態において伸張しており、操作用線状体を牽引することにより収縮するものであってもよい。特に、気管内チューブ60としては、操作用線状体65,66の弛緩および牽引の両者を行え、筒状体63aの伸縮を可能とするものが好ましい。
【0018】
筒状体57aを各中空状リング状部の中空部における外径は、0.3〜1.5mm、内径0.2〜1.2mm程度が好ましく、中空状リング状部の数としては、4〜20程度が好ましい。そして、図10ないし図16に示すように、チューブ本体部2の外面には、操作用線状体収納チューブ67,68が固定されており、操作用線状体収納チューブ67,68の一端が筒状体63aの一端に固定されている。この気管内チューブでは、チューブ先端部3aの基端部に固定されたリング状部材75を備え、2本の操作用線状体65,66の一端はこのリング状部材75に固定もしくは保持されている。筒状体63aは、操作用線状体65,66による牽引により、収縮可能なものとなっている。
長さ調整部を構成する筒状体63aは、軟質塩化ビニル樹脂、ポリウレタン、シリコーンゴム、ポリオレフィンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリスチレン系エラストマーなどの可撓性樹脂により形成される。
チューブ先端部3aは、第2のカフ5と、第2カフインフレーション用ルーメン25と、先端開口10を備えている。先端開口10は、中心軸に対して斜めに形成されている。
チューブ先端部3a、第2カフインフレーション用ルーメン接続チューブ19については、上述した第1実施例の気管内チューブと同じである。
そして、操作用線状体収納チューブ67,68は、チューブ本体部2の基端よりさらに後端方向に突出し、操作部64に接続されている。
【0019】
操作部64について、図13、図14、図15を用いて説明する。
操作部64は、チューブ本体部2の基端に固定された操作部本体部64aと、操作用線状体65,66の基端部を保持する線状体保持部69を備えている。操作部本体部64aは、側口71、72を備え、操作用線状体収納チューブ67,68の他端がこの側口71、72より操作部本体部63a内に侵入している。操作用線状体65,66は、線状体本体部64a内に位置する部分において若干幅が広がるとともに断面半円状となっており、2本の操作用線状体65,66は、平坦面部において接合され一体となった基端部を形成している。さらに、それぞれの操作用線状体65,66は、他端に抜け止めのための膨出部65a、66aを備えている。また、線状体保持部69は、操作用線状体65,66の基端部、具体的には、一体となった操作用線状体の基端部を把持するとともに、外面に所定長の長さにわたり形成された雄ねじ部を備えている。そして、操作部本体部64aは、線状体保持部69に形成された雄ねじ部と螺合する雌ねじ部を備えている。このため、操作部本体部64aを把持した状態にて、線状体保持部69を回転させることにより、線状体保持部69は、操作部本体部64aに対して、前進もしくは後退する。線状体保持部69を前進させることにより、図12に示すように、操作用線状体65,66の牽引状態が緩和され、言い換えれば、弛緩状態となり、圧縮されていた長さ調整部63が、線状体保持部69の進行分伸張する。逆に、線状体保持部69を後退させることにより、操作用線状体65,66の牽引状態が進行し、圧縮されていた長さ調整部63が、線状体保持部69の進行分収縮する。
操作用線状体収納チューブ67,68は、上述した可能性樹脂により形成される。操作部本体部および線状体保持部としては、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン)、ポリスチレンなどの硬質もしくは半硬質樹脂、ステンレス鋼、チタン、チタン合金などの金属により形成される。操作用線状体65,66は、非伸縮性材料で形成することが好ましく、金属線材料、合成樹脂繊維が使用できる。金属線材料としては、ステンレス線、超弾性金属線、アモルファス金属線などの単線もしくは単線を撚り線としたものが使用できる。合成樹脂繊維としては、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維などの合成繊維、さらには、それらを炭素繊維、ガラス繊維により補強したしたものなどの単線もしくは単線を撚り線としたものが使用できる。
【0020】
そして、上述したすべての実施例の気管内チューブにおいて、長さ調整部は、チューブ突出部3に設けられるとともに第2のカフ5より基端側に位置するものとなっている。しかし、このようなものに限定されるものではなく、図17および図18に示すように、長さ調整部7は、第2ルーメン先端開口10と第2のカフ5間に位置するものであってもよい。
図17に示す第4実施例の気管内チューブ80の基本構成は、上述した第1実施例の気管内チューブ1と同じである。相違点は、長さ調整部7が、第2ルーメン先端開口10と第2のカフ5間に位置する点である。
図17は、本発明の第4実施例の気管内チューブの先端部分の拡大図である。図18は、図17に示した第4実施例の気管内チューブの先端部の拡大図である。
第4実施例の気管内チューブ80では、チューブ突出部3の基端部3bはチューブ本体部2と一体に形成されている。そして、チューブ突出部の基端部3bに第2のカフ5が取り付けられており、第2カフインフレーションルーメン25は、チューブ本体部2を越えて、チューブ突出部3の基端部3bに到達しており、側口25aにより、第2のカフ5内と連通している。このため、第4実施例の気管内チューブは、第1実施例の気管内チューブ1が備えている接続チューブ19を備えていない。そして、チューブ突出部3の基端部3bの先端には、第1実施例の気管内チューブ1と同様のチューブ長さ調整部7が取り付けられており、さらに、チューブ長さ調整部7の先端には、チューブ先端部3aが取り付けられている。そして、チューブ突出部3の基端部3bの外面に固着されるとともにチューブ本体部2の基端側に延びる操作用ルーメン形成用チューブ15が設けられており、操作用ルーメン形成用チューブ15は、チューブ長さ調整部7を構成する細径チューブと連通している。
なお、チューブ長さ調整部としては、第2実施例の気管内チューブが備える形態のチューブ長さ調整部であってもよく、また、第3実施例の気管内チューブが備える形態のチューブ長さ調整部であってもよい。
そして、第4実施例の気管内チューブにおいても、第1ルーメン先端開口6よりチューブ突出部3aの先端までの長さL(図17)は、チューブ長さ調整部が非伸張時において30〜45mmであり、伸張時において5mm以下〜20mm以下長くなるものであることが好ましい。具体的には、チューブ長さ調整部は、長さL(図17)1〜5mm、好ましくは1〜10mm、より好ましくは1〜20mm長くすることができるものであることが好ましい。さらに、第4実施例の気管内チューブにおける第1ルーメン先端開口6より第2のカフ5の中央までの長さK(図17)は、1.5〜1.2mmであることが好ましい。
【0021】
【発明の効果】
本発明の気管内チューブは、内腔を第1ルーメンと第2ルーメンとに区分する軸方向に区画する区画壁を有するチューブ本体部と、該チューブ本体部に設けられた第1ルーメン先端開口と、前記第2ルーメンと連通するとともに先端に第2ルーメン先端開口を有し、かつ、前記チューブ本体部より先端側に延びるチューブ突出部と、前記チューブ本体部に設けられるとともに前記第1ルーメン先端開口より基端側に位置する第1のカフと、前記チューブ突出部に設けられるとともに前記第2ルーメン先端開口より基端側に位置する第2のカフと、前記第1のカフと連通する第1カフインフレーション用ルーメンと、前記第2のカフと連通する第2カフインフレーション用ルーメンと、前記チューブ突出部に設けられたチューブ突出部の長さを調整可能とする長さ調整部とを備えている。
特に、チューブ突出部の長さを調整可能とする長さ調整部を備えるので、チューブ突出部の長さを患者の気管分岐部から第2分岐部の長さに適合するものとでき、チューブ突出部を右もしくは左気管支に良好に配置かつ良好に固定することができる。さらに、チューブ突出部の内腔は、区画壁により区分され十分な内腔断面積を備える第2ルーメンと連通するので、気管支鏡を挿入することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の気管内チューブの第1実施例の正面図である。
【図2】図2は、図1に示した第1実施例の気管内チューブの先端部分の拡大図である。
【図3】図3は、図1に示した第1実施例の気管内チューブの先端部分の拡大断面図である。
【図4】図4は、図1に示した第1実施例の気管内チューブのチューブ突出部の長さ調整部の拡大図である。
【図5】図5は、図1に示した第1実施例の気管内チューブのチューブ突出部の長さ調整部の拡大断面図である。
【図6】図6は、図2のA−A線断面図である。
【図7】図7は、本発明の気管内チューブの第2実施例の正面図である。
【図8】図8は、図7に示した第2実施例の気管内チューブのチューブ突出部の長さ調整部の拡大図である。
【図9】図9は、図7に示した第2実施例の気管内チューブのチューブ突出部の長さ調整部を説明するための説明図である。
【図10】図10は、本発明の気管内チューブの第3実施例の正面図である。
【図11】図11は、図10に示した第3実施例の気管内チューブのチューブ突出部の長さ調整部の拡大断面図である。
【図12】図12は、図10に示した第3実施例の気管内チューブのチューブ突出部の長さ調整部の作用を説明するための説明図である。
【図13】図13は、図10に示した第3実施例の気管内チューブの基端部の拡大図である。
【図14】図14は、図10に示した第3実施例の気管内チューブの基端部の拡大部分断面図である。
【図15】図15は、図13のC−C線にて切断した端面図である。
【図16】図16は、図10のB−B線断面図である。
【図17】図17は、本発明の第4実施例の気管内チューブの先端部分の拡大図である。
【図18】図18は、図17に示した第4実施例の気管内チューブの先端部の拡大図である。
【符号の説明】
1,50,60,80 気管内チューブ
2 チューブ本体部
3 チューブ突出部
4 第1のカフ
5 第2のカフ
6 第1ルーメン先端開口
7 チューブ長さ調整部
8 第1ルーメン
9 第2ルーメン
10 第2ルーメン先端開口
Claims (9)
- 左右の肺を個々に換気することができる分離肺換気用の気管内チューブであって、
前記気管内チューブは、内腔を軸方向に延びる第1ルーメンと第2ルーメンとに区分する区画壁を有するチューブ本体部と、該チューブ本体部に設けられた第1ルーメン先端開口と、前記第2ルーメンと連通するように前記チューブ本体部の先端部に取り付けられ、先端に第2ルーメン先端開口を有するチューブ突出部と、前記チューブ本体部に設けられるとともに前記第1ルーメン先端開口より基端側に位置する第1のカフと、前記チューブ突出部に設けられるとともに前記第2ルーメン先端開口より基端側に位置する第2のカフと、前記第1のカフと連通する第1カフインフレーション用ルーメンと、前記第2のカフと連通する第2カフインフレーション用ルーメンとを備え、
前記チューブ突出部は、前記第2のカフより基端側に位置し、前記チューブ突出部の軸方向の長さを調整可能な筒状体からなる長さ調整部と、該長さ調整部を構成する筒状体の先端部に内腔が前記第2ルーメンと連通するように固定され、先端に前記第2ルーメン先端開口を備えるチューブ先端部を備え、さらに、前記長さ調整部は、内部に流体の流入が可能な細径チューブにより螺旋状に形成され、流体の注入による伸張もしくは流体の排出による収縮が可能な筒状体であり、かつ、前記気管内チューブは、該筒状体を形成する細径チューブ内部と連通する流体流通用の操作用ルーメンを備えていることを特徴とする気管内チューブ。 - 前記長さ調整部は、前記第1ルーメン先端開口と前記第2カフ間の距離を5mm以下〜20mm以下伸張もしくは縮小できるものである請求項1に記載の気管内チューブ。
- 前記気管内チューブは、前記チューブ本体部側の前記第2カフインフレーション用ルーメンと前記チューブ突出部側の前記第2カフインフレーション用ルーメンとを前記長さ調整部の外部もしくは内部において連通する第2カフインフレーション用ルーメン接続チューブを備えている請求項1または2に記載の気管内チューブ。
- 前記気管内チューブは、前記流体流通用の操作用ルーメンの後端部に設けられ、前記操作用ルーメンを開閉可能な閉塞部材を備えている請求項1ないし3のいずれかに記載の気管内チューブ。
- 左右の肺を個々に換気することができる分離肺換気用の気管内チューブであって、
前記気管内チューブは、内腔を軸方向に延びる第1ルーメンと第2ルーメンとに区分する区画壁を有するチューブ本体部と、該チューブ本体部に設けられた第1ルーメン先端開口と、前記第2ルーメンと連通するように前記チューブ本体部の先端部に取り付けられ、先端に第2ルーメン先端開口を有するチューブ突出部と、前記チューブ本体部に設けられるとともに前記第1ルーメン先端開口より基端側に位置する第1のカフと、前記チューブ突出部に設けられるとともに前記第2ルーメン先端開口より基端側に位置する第2のカフと、前記第1のカフと連通する第1カフインフレーション用ルーメンと、前記第2のカフと連通する第2カフインフレーション用ルーメンとを備え、
前記チューブ突出部は、前記第2のカフより基端側に位置し、前記チューブ突出部の軸方向の長さを調整可能な筒状体からなる長さ調整部と、該長さ調整部を構成する筒状体の先端部に内腔が前記第2ルーメンと連通するように固定され、先端に前記第2ルーメン先端開口を備えるチューブ先端部を備え、さらに、前記長さ調整部は、操作用線状体の収納が可能な細径チューブにより螺旋状に形成され、線状体の移動により伸張または収縮もしくは伸縮可能な筒状体と、該筒状体を貫通し先端部が前記筒状体の先端部付近もしくは前記チューブ突出部に固定され、かつ基端側に延びる操作用線状体とを備えることを特徴とする気管内チューブ。 - 左右の肺を個々に換気することができる分離肺換気用の気管内チューブであって、
前記気管内チューブは、内腔を軸方向に延びる第1ルーメンと第2ルーメンとに区分する区画壁を有するチューブ本体部と、該チューブ本体部に設けられた第1ルーメン先端開口と、前記第2ルーメンと連通するように前記チューブ本体部の先端部に取り付けられ、先端に第2ルーメン先端開口を有するチューブ突出部と、前記チューブ本体部に設けられるとともに前記第1ルーメン先端開口より基端側に位置する第1のカフと、前記チューブ突出部に設けられるとともに前記第2ルーメン先端開口より基端側に位置する第2のカフと、前記第1のカフと連通する第1カフインフレーション用ルーメンと、前記第2のカフと連通する第2カフインフレーション用ルーメンとを備え、
前記チューブ突出部は、前記第2のカフより基端側に位置し、前記チューブ突出部の軸方向の長さを調整可能な筒状体からなる長さ調整部と、該長さ調整部を構成する筒状体の先端部に内腔が前記第2ルーメンと連通するように固定され、先端に前記第2ルーメン先端開口を備えるチューブ先端部を備え、さらに、前記長さ調整部は、操作用線状体の収納が可能かつ線状体の移動により伸張または収縮もしくは伸縮可能な筒状体と、該筒状体を貫通し先端部が前記筒状体の先端部付近もしくは前記チューブ突出部に固定され、かつ基端側に延びる操作用線状体を備えることを特徴とする気管内チューブ。 - 前記気管内チューブは、前記チューブ本体部側の前記第2カフインフレーション用ルーメンと前記チューブ突出部側の前記第2カフインフレーション用ルーメンとを前記長さ調整部の外部もしくは内部において連通する第2カフインフレーション用ルーメン接続チューブを備えている請求項5または6に記載の気管内チューブ。
- 前記気管内チューブは、前記操作用線状体の基端部を把持するとともに、該操作用線状体を弛緩もしくは牽引させるための操作部を備えている請求項5ないし7のいずれかに記載の気管内チューブ。
- 前記気管内チューブにおける前記第1ルーメン先端開口より前記チューブ突出部の先端までの長さは、前記チューブ長さ調整部の非伸張時において、30〜45mmであり、かつ該チューブ長さ調整部の伸張により、5mm以下〜20mm以下長くなるものである請求項1ないし8のいずれかに記載の気管内チューブ。
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