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JP4833455B2 - 定電圧発生回路および半導体装置 - Google Patents
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JP4833455B2 - 定電圧発生回路および半導体装置 - Google Patents

定電圧発生回路および半導体装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電圧安定化技術に係り、特にオーバーシュートやアンダーシュート発生時に速やかに出力電圧を回復させ安定化ならしめることが可能な定電圧発生回路および半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9は、従来の一般的な定電圧回路の構成を説明するための図である。
同図に示すように、従来の一般的な定電圧回路は、誤差増幅器A31、P型の出力トランジスタQ35、および抵抗R33から構成され、出力トランジスタQ35のゲートは誤差増幅器A31の出力に接続され、出力トランジスタQ35のソースは電源Vddへ、出力トランジスタQ35のドレインは抵抗R33を介してグランドVssに接地されるとともに誤差増幅器A31の非反転入力端子(+)へ接続される。また、誤差増幅器A31の反転入力端子(−)には内部基準電圧Vrefが入力される。さらに、出力トランジスタQ35のドレインには容量C33を含む負荷回路が接続される。
【0003】
以上の構成を有する定電圧回路において、負荷が任意の時点で電力を消費した時、容量C33を含む負荷回路への出力電圧Voutに変動を生じるが、この出力電圧Voutを誤差増幅器A31の非反転入力端子(+)に入力して反転入力端子(−)に入力される内部基準電圧Vrefと比較し、その比較結果により出力トランジスタQ35のゲート電位を上下させて出力トランジスタQ35のオン抵抗を制御するようにしている。これにより、出力電圧VoutをVrefと略等しくすることができ、結果的に出力電圧Voutの定電圧化を図ることを可能にしている。
【0004】
図10は、特許第3085562号公報「基準電圧発生回路および内部降圧回路」に開示された内部降圧回路,配線等価回路,および負荷回路の回路構成例を説明するための図である。本公報に開示されたものは、外部電源電圧を降圧して内部電源電圧を生成する回路に関するものである。
【0005】
図10に示すように、本公報に開示された内部降圧回路40は誤差増幅器(差動増幅器)A41と出力トランジスタQ45から構成され、内部電源供給線Voutと出力トランジスタQ45のゲートとの間に出力トランジスタQ45のゲート容量以上の容量値を持つ帰還容量C41が接続されている。また、配線等価回路50は抵抗R54,2つの容量C53およびC54から構成され、負荷回路60は信号φによりゲートが制御されるP型トランジスタQ66、N型トランジスタQ67、負荷容量C65、および抵抗R63から構成されている。
【0006】
図10の構成において、信号φによりP型トランジスタQ66とN型トランジスタQ67に高速スイッチング動作を行わせて負荷容量C65を制御する場合、帰還容量C41により出力電圧Voutの変化が容量結合を介して遅延なく出力トランジスタQ45のゲートに伝達されるため、応答遅延により内部電源電圧Voutが振動することを抑制できる。
【0007】
図11は、特開2000−47740号公報「電圧補助回路および半導体集積回路装置」に開示された電圧補助回路を含む半導体集積回路の構成を説明するための図であり、内部降圧回路80、電圧補助回路70、および負荷回路(内部回路)90が示されている。
【0008】
同図において、内部降圧回路80は誤差増幅器(コンパレータ)A81と出力トランジスタQ85から構成され、電圧補助回路70は定電流源I71およびP型トランジスタQ71〜73、コンパレータA72、容量C71から構成されている。
【0009】
電圧補助回路70において、P型トランジスタQ71は電源VddとコンパレータA72の反転入力端子(−)との間に接続される。P型トランジスタQ71のゲートはコンパレータA72の反転入力端子(−)と接続される。定電流源I71はノードZ71とグランドVssとの間に接続される。定電流源I71およびP型トランジスタQ71の直列接続構成により、電源電圧Vddに対して一定電圧をノードZ71に発生させる。
【0010】
P型トランジスタQ72は電源VddとノードZ72との間に接続される。P型トランジスタQ72のゲートはノードZ72と接続される。容量C71およびP型トランジスタQ72は直列接続されて分圧回路を構成している。P型トランジスタQ72はノードZ72の電位に応答してオン/オフする。
【0011】
P型トランジスタQ73は電源Vddと出力ノードZ70との間に接続される。P型トランジスタQ73のゲートはコンパレータA72の出力に接続される。コンパレータA72はノードZ71の電圧とノードZ72の電圧とを入力し、それらを比較する。P型トランジスタQ73はコンパレータA72によるノードZ71の電圧とノードZ72の電圧と比較結果に応答してオン/オフの制御が行われる。
【0012】
本構成において、定常状態でノードZ72の方がノードZ71よりも高電位になるように設定しておく。この状態で、負荷回路90の動作により例えば出力電圧Voutが急激に低下したとすると、ノードZ72の電位、すなわちコンパレータA72の非反転入力端子(+)の電位が容量C71のカップリングにより低下する。この結果、コンパレータA72の出力はLレベルになり、P型トランジスタQ73がオンする。
【0013】
これにより出力ノードZ70が充電され、またコンパレータA72の非反転入力端子(+)の電位もP型トランジスタQ72を介して充電されるためコンパレータA72の出力がHレベルになるまで回復し、一連の充電動作が終了する。このように、電圧補助回路70は、急激に出力電圧Voutが低下したときにその微分成分のみに応答して出力端子を充電する。なお、本公報(特開2000−47740号公報)には、N型トランジスタを用いた対グランド側への電圧補助回路についても言及されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
図9に示す従来の一般的な定電圧回路では、出力トランジスタQ35のドレインとグランドVss間に接続される抵抗R33に流れる電流は定常的な漏れ電流として全体の消費電流に影響を与えるため、携帯端末機器などのシステムにおいては抵抗R33は数MΩ〜数十MΩオーダの値が選定されるのが一般的である。また、出力トランジスタQ35の電流駆動能力は、定電圧回路の立ち上がり特性を向上することや、負荷回路が必要とする電流供給能力の最大値で決定されるため、大きな駆動能力が得られるように設計され、システムによっては数十mA〜数百mAのオーダに達する。
【0015】
このように定常的な消費電流を抑えること、高い電流供給能力を維持すること、という2つの要求を満たすために、従来から高抵抗値の抵抗R33と駆動能力の高い出力トランジスタQ35を組み合わせる方法が採用されている。一方、定電圧回路の出力電圧配線には配線容量が寄生し、また出力端子にはその性格上からノイズ成分除去のため負荷回路の一部として安定化容量C33が接続されることも多い。
【0016】
ここで、このようなシステムにおいて、抵抗R33と出力トランジスタQ35の電流駆動能力に大きな差があることによって、出力端子に接続された容量C33により過渡応答特性が著しく悪化するという問題が生じる。
【0017】
すなわち、電源Vddに突発的なノイズが重畳されたり、内部基準電圧Vrefに正ノイズが発生したりすると、出力電圧Voutが規定値より高くなる。また、負荷回路の動作により出力電流が急激に減少する際に、ドレイン電圧−誤差増幅器−出力トランジスタQ35の制御ループの動作遅れによって出力電圧Voutがオーバシュートを起こす。この状態を後述する図3および図5の破線で示す。
【0018】
この図3および図5の破線に示すように、出力トランジスタQ35の高い駆動能力により容量C33に電荷が充電され、一度このような電荷が充電されると、今度は電荷を放電するパスが高抵抗値のR33しか存在しないために、容量C33に充電された電荷により長時間にわたり出力電圧Voutが高く維持されるという現象が生じる。また、このような出力電圧を上昇させる外的要因が短い周期で加わると出力電圧Voutが恒常的に上昇するという問題があった。
【0019】
これに対し、図10に示した如き特許第3085562号公報に開示された回路においては、出力ノード(Vout)と出力トランジスタQ45のゲート間に接続した帰還容量C41による容量結合を介して出力電圧Voutの変化を遅延なく出力トランジスタQ45のゲートに伝達するようにして、応答遅延により内部電源電圧Voutが振動することを抑制することを可能にしている。
【0020】
しかし、この場合に接続する帰還容量C41は出力トランジスタQ45のゲート容量以上の容量が必要であり、また対象とする負荷回路60が半導体記憶装置で、常時接続される容量C53が微小(pFオーダ)且つ定常的な出力電流が存在する場合には有効であるが、出力電流が0A〜数十mAまで変動し、容量C53がμFオーダに至るようなケースでは対応不可能である。つまり、このような状況では容易にオーバーシュートを発生し、さらに余分な電圧を放電する手段を有していない。
【0021】
また、図11に示した如き特開2000−47740号公報に開示された回路では、急激な出力電圧(Vout)の変動を、容量C71を介してコンパレータA72の非反転入力端子(+)に入力し、この入力電圧と第2の基準電圧である反転入力端子(−)の入力電圧を比較することにより、出力電圧(Vout)が急激に変動した場合のみ出力ノードを充電あるいは放電する回路を提案している。しかしこの場合、回路構成が複雑で占有面積が大きく、また従来の定電圧回路と同様の帰還系を利用しているので、系に内在する応答遅延の問題から主となる定電圧回路に比べてことさら高速に反応させることは不可能である。
【0022】
さらに、図11の回路においては、コンパレータA72および第2の基準電圧源に常時電流が流れ、且つコンパレータA72の応答速度はその電流量で決定されるため、高速化が要求される場合は、ある程度の電流量を確保する必要がある。一方、コンパレータA72の両入力端子の定常的な電圧関係を充電用トランジスタ(Q73)が非アクティブであるように設定することが要求されるが、これはコンパレータA72の製造バラツキによるオフセットの問題と合わせて考慮すべき事項である。
【0023】
そこで、本願出願人は、先に特願2000−138489号「電圧発生方式、電圧発生回路、ボルテージレギュレータ、およびそれらを用いた携帯端末機器」(平成12年5月11日出願)を出願した。この出願では、過渡応答性を改善した基準電圧発生回路(先願発明)を提案している。
【0024】
図12は、上記先願発明に係る基準電圧発生回路の一例を説明するための図である。
同図において、基準電圧発生回路100は、直列接続されたP型トランジスタQ101と第1抵抗R101からなる充電用回路と、直列接続された第2抵抗R102とN型トランジスタQ102からなる放電用回路を有している。
【0025】
内部基準電圧回路120からの基準電圧Vrefの入力を、第1誤差増幅器A101の反転入力端子(−)に供給するとともに、第3ダイオードD103と抵抗R103を介して接地し、その分圧点電位を第2誤差増幅器A102の反転入力端子(−)へ供給している。出力電圧Voutを第1誤差増幅器A101と第2誤差増幅器A102の非反転入力端子(+)に供給する。
【0026】
また、第1誤差増幅器A101の出力をP型トランジスタQ101のゲートに、第2誤差増幅器A102の出力をN型トランジスタQ102のゲートに供給する。
【0027】
これに加えて、電源端子VddからグランドVssの方向に導通する2つのダイオードを直列接続した第4ダイオードD104を第2抵抗R102とN型トランジスタQ102の間に設け、出力電圧Voutから第4ダイオードD104の両端に第1ダイオードD101と第2ダイオードD102とを逆並列に接続している。
【0028】
さらに、高抵抗値の第2抵抗R102と並列に接続されるP型トランジスタQ104のゲートが、ゲート抵抗R104を介して第1電源端子Vddに接続され、さらにゲートコンデンサC104を介して第2抵抗R102と第4ダイオードD104の接続点に接続されている。つまり、P型トランジスタQ104のゲートに接続されるゲート抵抗R104とゲートコンデンサC104とがハイパスフィルタを構成している。ゲート抵抗R104とゲートコンデンサC104とで構成されるハイパスフィルタにより、出力電圧Voutが低下した瞬間、その低下が生じている分だけゲート抵抗R104に電圧が印加され、P型トランジスタQ104をオンさせる。
【0029】
出力電圧Voutの上昇の高速性をトランジスタQ101で確保し、出力電圧Voutの降下をトランジスタQ102で確保するとともに、出力電圧Voutの変動の微分成分をN型トランジスタQ104に伝達するようにしたため、出力電圧Voutが設定電圧より一時的に低下した瞬間だけN型トランジスタQ104がオンし、時間遅れなく出力電圧Voutの降下を抑制し安定化することができる。
【0030】
しかし、上記先願発明では、ゲート抵抗R104とゲートコンデンサC104とで構成されるハイパスフィルタと組み合わせるトランジスタQ104のしきい値Vthをキャンセルすることについて考慮していないため、トランジスタQ104のしきい値Vthが0Vの場合には有効であるが、そのままの構成では一般的に効果が充分ではない。あるいは低しきい値(Vth≒0V)のトランジスタを組み合わせた場合には製造バラツキなどによりトランジスタQ104が常時オンして無効電流が流れ、出力ノードの制御系に影響を与えてしまうという問題点がある。
【0031】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、オーバーシュートやアンダーシュート発生時に速やかに出力電圧を回復させ安定化ならしめることが可能で、かつ構成が簡単でプロセスによるバラツキを受けにくく、動作が安定で、遅延時間が短く、且つ占有面積が少なく、定常的な無効電流が極めて微小である定電圧発生回路(請求項)ならびに半導体装置(請求項)を提供することを目的としている。
【0038】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、次のような特徴を有する。すなわち、(1)請求項記載の発明は、定電圧回路(20)と、該定電圧回路(20)の出力ノード(Vout)と第1の電源(Vdd)の間に設けられ、第1の電極が第1の電源(Vdd)に接続され、第2の電極が電力供給配線あるいは出力ノード(Vout)に接続され、制御電極が電力供給配線あるいは出力ノード(Vout)と第1の電源(Vdd)の間に形成された第1のハイパスフィルタの出力点に接続された第1のトランジスタ(Q2)と、定電圧回路(20)の出力ノード(Vout)と第2の電源(Vss)の間に設けられ、第1の電極が第2の電源(Vss)に接続され、第2の電極が電力供給配線あるいは出力ノード(Vout)に接続され、制御電極が電力供給配線あるいは出力ノード(Vout)と第2の電源(Vss)の間に形成された第2のハイパスフィルタの出力点に接続された第2のトランジスタ(Q3)と、第1の電源(Vdd)と第2の電源(Vss)の間に直列に接続された、飽和結線された第3のトランジスタ(Q1)と定電流源(I1)あるいは抵抗と飽和結線された第4のトランジスタ(Q4)を有し、第1のハイパスフィルタが第3のトランジスタ(Q1)と定電流源(I1)あるいは抵抗との接続点に接続され、第2のハイパスフィルタが定電流源(I1)あるいは抵抗と第4のトランジスタ(Q4)との接続点に接続されたことを特徴としている(図2)。
【0039】
)請求項記載の発明は、請求項において、第1および第2のハイパスフィルタを、それぞれ抵抗(R1,R2)と容量の直列接続で構成し、各ハイパスフィルタの出力点を該抵抗と容量の接続点にしたことを特徴としている(図2)。
【0040】
)請求項記載の発明は、請求項において、各ハイパスフィルタを構成する抵抗および容量のうち、抵抗(R1,R2)を第1の電源(Vdd)または第2の電源(Vss)と各トランジスタ(Q2,Q3)の制御電極との間に設け、容量(C1,C2)を各トランジスタ(Q2,Q3)の制御電極と電力供給配線あるいは出力ノード(Vout)の間に設けたことを特徴としている(図2)。
【0041】
)請求項記載の半導体装置は、請求項3のいずれか1項に記載の定電圧発生回路を構成要素として具備させた半導体装置である。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明の実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る定電圧発生回路の実施例を説明するための図であり、電圧安定化回路10と、定電圧回路20と、負荷回路30を示している。定電圧回路20は誤差増幅器A1とP型トランジスタQ5と抵抗R3からなり、負荷回路30は負荷と容量C3を有する。
【0043】
本実施例に係る電圧安定化回路10は一対の安定化回路構成を有する。同図に示すように、その一方の安定化回路構成は、定電流源I1、P型トランジスタQ1およびQ2、容量C1、抵抗R1から構成され、もう一方の安定化回路構成は、定電流源I1’、N型トランジスタQ3およびQ4、容量C2、抵抗R2から構成される。これら一対の安定化回路構成は夫々独立して機能しており、対象とする出力ノードによっては必ずしも充電時と放電時の両方とも必要というわけではなく、充電時に機能する安定化回路(例えば、後述する図6(a)、図7(a)、図8(a)参照)、または放電時に機能する安定化回路(例えば、後述する図6(b)、図7(b)、図8(b)参照)のいずれか一方のみでよい。
【0044】
P型トランジスタQ1、抵抗R1および容量C1は、電源Vdd〜出力ノードVout間に接続され、P型トランジスタQ1のソースは電源Vddに、P型トランジスタQ1のゲートおよびドレインは抵抗R1に接続されるとともに定電流源I1を介してグランドVssへ、またP型トランジスタQ2が電源Vdd〜出力ノード間に配置され、P型トランジスタQ2のソースは電源Vddへ、P型トランジスタQ2のドレインは出力ノードへ、P型トランジスタQ2のゲートは容量C1と抵抗R1の接続点に夫々接続される。
【0045】
一方、N型トランジスタQ4、抵抗R2および容量C2はグランドVss〜出力ノード間に接続される。N型トランジスタQ4のソースはグランドVssに、N型トランジスタQ4のゲートおよびドレインは抵抗R2に接続されるとともに定電流源I1’を介して電源Vddへ、またN型トランジスタQ3がグランドVss〜出力ノード間に配置され、N型トランジスタQ3のソースはグランドVssへ、N型トランジスタQ3のドレインは出力ノードへ、N型トランジスタQ3のゲートは容量C2と抵抗R2の接続点に夫々接続される。
【0046】
なお、図1においては、それぞれ定電流源を有する一対の安定化回路構成を組み合わせて用いているが、図2に示すように、図1の定電流源I1と定電流源I1’を一つの定電流源I1で共通化(兼用)してP型トランジスタQ1とN型トランジスタQ4の間に直列接続し、定電流源I1を一対の安定化回路構成で兼用するようにしてもよい。また、定電流源I1の代わりに単純に高抵抗を設ける構成にしてもよい。
【0047】
以上のように、容量C1と抵抗R1、あるいは容量C2と抵抗R2で構成されるハイパスフィルタの出力が、それぞれ各電源間に接続されたP型トランジスタQ2とN型トランジスタQ3のゲートに加えられる構成を採用することにより、定常的には容量C1および容量C2には出力ノードの設定電圧〜電源間の電圧よりも各トランジスタのしきい値分だけ少ない電圧が充電されてバランスしている。この時、P型トランジスタQ2とN型トランジスタQ3はともにオフ状態にある。
【0048】
次に、負荷変動により出力ノードの電圧が設定電圧より過渡的に変動した時を考える。この場合、その変動量の微分成分が容量を介してP型トランジスタQ2とN型トランジスタQ3のゲートに伝えられこれらのトランジスタを制御する。例えば出力電圧Voutが上昇した時は直ちにN型トランジスタQ3がオンしてその電圧を放電し、反対に出力電圧Voutが降下した時は直ちにP型トランジスタQ2がオンして電圧を充電し、その後定電圧を保つ。
【0049】
なお、P型トランジスタQ1およびN型トランジスタQ4は、P型トランジスタQ2とN型トランジスタQ3のしきい値Vthの影響をキャンセルするためのトランジスタであり、本回路の本来の特性自体は、P型トランジスタQ1およびN型トランジスタQ4と組み合わされる定電流源I1の電流値には左右されない。
【0050】
図3は、図1に示した回路構成を用いて求めた負荷回路に流れる負荷電流とそのときの出力電圧の時間的変化を示す特性図である。図3において、出力電圧における実線は図2に示した本発明の実施例の回路構成における出力電圧の変化を、出力電圧における破線は図9に示した従来の一般的な定電圧回路における出力電圧の変化を示す図である(図4、図5も同様)。
【0051】
本例で用いた各素子の具体的な物理値の一例を示すと、抵抗R1およびR2の抵抗値は100MΩ、容量C1およびC2の容量は10pF、トランジスタQ2およびQ3のW/Lサイズは500μ/2μ、定電流源I1(定電流源I1’)の電流値は1nAであり、これは十分に現実的な値であり、容易に実現可能である。
【0052】
図4は、図3における負荷電流の立ち上がり時の出力電圧を拡大して示した図である。同図に示すように、負荷電流の立ち上がり時における出力電圧のアンダーシュートやオーバーシュートは、従来の一般的な定電圧回路の場合に比較して本願回路構成(図2参照)の場合の方が減少しており、より急速に安定状態になることがわかる。
【0053】
図5は、図3における負荷電流の立ち下がり時の出力電圧を拡大して示した図である。同図に示すように、負荷電流の立ち下がり時における出力電圧は、従来の一般的な定電圧回路の場合は上昇したままであるが(図9の説明参照)、本願回路構成(図4参照)の場合は上昇した後直ちに低下して安定することがわかる。
【0054】
このように、抵抗と容量からなるハイパスフィルタを設けることにより負荷電流の過渡的な変動時にその微分成分を得、この微分成分によりトランジスタQ2あるいはQ3をオン制御して出力電圧を速やかに安定化させるようにしたため、効果的な電圧安定化回路を実現できる。
【0055】
また上述したように、充電時に機能する安定化回路構成と放電時に機能する安定化回路構成は必ずしも常に両方とも備えている必要はなく、適用する回路によってはいずれか一方のみでよい。図6〜図8は一方の安定化回路構成のみを有する例を示す図であり、これら各図において(a)は充電時に機能する安定化回路構成のみを有する例、(b)は放電時に機能する安定化回路構成のみを有する例を示している。
【0056】
なお、図1、図2、図6(a)または図6(b)では、ハイパスフィルタと電源(VddまたはVss)の間に充電または放電を行うトランジスタ(P型トランジスタQ2またはN型トランジスタQ3)のしきい値Vthと同等の電圧を発生する一導電性の飽和結線されたトランジスタ(P型トランジスタQ1およびN型トランジスタQ4)を設けているが、該しきい値Vthと同等の電圧を発生する構成としては必ずしもトランジスタである必要はなく、しきい値Vthと同等の電圧を発生する電圧源であれば如何なるものであってもよい。
【0057】
図7(a)はハイパスフィルタと電源Vddの間に充電を行うトランジスタQ2のしきい値Vthと同等の電圧を発生する電圧源を設けた回路図であり、図7(b)はハイパスフィルタと電源Vssの間に放電を行うトランジスタQ3のしきい値Vthと同等の電圧を発生する電圧源を設けた回路図である。しかし、該電圧源として図1,図2,図6に示したように充放電を行うトランジスタ(Q2,Q3)と同様のプロセスで作製されるトランジスタ(Q1,Q4)を用いるようにすればプロセスによるバラツキが少なくなり安定した動作を行う安定化回路が得られる。
【0058】
以上、図1,図2,図6,および図7を用いて説明したように、P型トランジスタQ2とN型トランジスタQ3のしきい値Vthの影響をトランジスタまたは電圧源を用いてキャンセルすることにより、遅延時間が短く、且つ占有面積が少なく、定常的な無効電流が極めて微小である電圧安定化回路を実現することができる。特に図1,図2、図6に示すように、充放電を行うトランジスタのしきい値Vthの影響を、同様な構造を有するトランジスタを用いてキャンセルするようにすれば、簡単な構成で、プロセスによるバラツキを受けにくい、安定した動作の電圧安定化回路を実現することができる。
【0059】
なお、P型トランジスタQ2とN型トランジスタQ3のしきい値Vthの影響をキャンセルする必要がなければ、単に、図8(a)に示すように充電用トランジスタQ2のゲートにハイパスフィルタを、および/または図8(b)に示すように放電用トランジスタQ3のゲートにハイパスフィルタを設けるようにしてもよい。この構成によれば、非常に簡単な構成で、定常的にノード電圧を制御する系には何ら影響を与えず、負荷変動により出力ノードの電圧が過渡的に変動した場合に、その微分成分にのみに応答して出力電圧を速やかに安定化させることができるようになる。
【0060】
以上、特に電圧安定化回路へ適用した場合の実施例を中心に本発明を説明したが、本発明は直接説明した電圧安定化回路や電圧発生回路に限らず、電圧変動が発生した場合に、速やかに安定化させる必要がある回路を含む全ての回路に適用可能であり、またこのような電圧安定化回路や電圧発生回路を組み込むことによって同様の効果を有する半導体装置を得ることができる。
【0064】
【発明の効果】
請求項1〜3および4記載の発明によれば、オーバーシュートやアンダーシュート発生時に速やかに出力電圧を回復させ安定化ならしめることが可能で、かつ構成が簡単でプロセスによるバラツキを受けにくく、動作が安定で、遅延時間が短く、且つ占有面積が少なく、定常的な無効電流が極めて微小である定電圧発生回路および半導体装置を実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電圧安定化回路の実施例を説明するための図である。
【図2】図1の変形例で、定電流源を兼用した例を示す図である。
【図3】図2に示した回路構成を用いて求めた負荷回路に流れる負荷電流とそのときの出力電圧の時間的変化を示す特性図である。
【図4】図3における負荷電流の立ち上がり時の出力電圧を拡大して示した図である。
【図5】図3における負荷電流の立ち下がり時の出力電圧を拡大して示した図である。
【図6】一方の安定化回路構成のみを有する例を示す図である(その1:ハイパスフィルタを用いた例)。
【図7】一方の安定化回路構成のみを有する例を示す図である(その2:電圧源を用いた例)。
【図8】一方の安定化回路構成のみを有する例を示す図である(その3:トランジスタを用いた例)。
【図9】従来の一般的な定電圧回路の構成を説明するための図である。
【図10】特許第3085562号公報に開示された内部降圧回路,配線等価回路,および負荷回路の回路構成例を説明するための図である。
【図11】特開2000−47740号公報に開示された電圧補助回路を含む半導体集積回路の構成を説明するための図である。
【図12】先願発明(特願2000−138489号)に係る基準電圧発生回路の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
10:電圧安定化回路、20:定電圧回路、30:負荷回路、
I1,I1’:定電流源、Q1〜Q5:トランジスタ、C1〜C3:容量、R1〜R3:抵抗、Vdd:電源(第1の電源)、Vss:電源(第2の電源)、Vout:出力ノード(または出力電圧)、Vth:しきい値(またはしきい値Vthを有する電圧源)、A1:誤差増幅器。

Claims (4)

  1. 定電圧回路と、
    該定電圧回路の出力ノードと第1の電源の間に設けられ、第1の電極が前記第1の電源に接続され、第2の電極が前記電力供給配線あるいは前記出力ノードに接続され、制御電極が前記電力供給配線あるいは前記出力ノードと前記第1の電源の間に形成された第1のハイパスフィルタの出力点に接続された第1のトランジスタと、
    前記定電圧回路の出力ノードと第2の電源の間に設けられ、第1の電極が前記第2の電源に接続され、第2の電極が前記電力供給配線あるいは前記出力ノードに接続され、制御電極が前記電力供給配線あるいは前記出力ノードと前記第2の電源の間に形成された第2のハイパスフィルタの出力点に接続された第2のトランジスタと、
    前記第1の電源と前記第2の電源の間に直列に接続された、飽和結線された第3のトランジスタと定電流源あるいは抵抗と飽和結線された第4のトランジスタを有し、
    前記第1のハイパスフィルタが前記第3のトランジスタと前記定電流源あるいは抵抗との接続点に接続され、
    前記第2のハイパスフィルタが前記定電流源あるいは抵抗と前記第4のトランジスタとの接続点に接続されたことを特徴とする定電圧発生回路。
  2. 請求項に記載の定電圧発生回路であって、
    前記第1および第2のハイパスフィルタは、それぞれ抵抗と容量の直列接続で構成され、前記各ハイパスフィルタの出力点は抵抗と容量の接続点であることを特徴とする定電圧発生回路。
  3. 請求項に記載の定電圧発生回路であって、
    前記各ハイパスフィルタを構成する抵抗および容量のうち、前記抵抗は前記第1または第2の電源と前記各トランジスタの制御電極との間に直列に設けられ、前記容量は前記各トランジスタの制御電極と前記電力供給配線あるいは前記出力ノードの間に直列に設けられることを特徴とする定電圧発生回路。
  4. 請求項3のいずれか1項に記載の定電圧発生回路を具備する半導体装置。
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