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JP4835197B2 - 車両制御装置 - Google Patents
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JP4835197B2 - 車両制御装置 - Google Patents

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本発明は、車両制御装置に関するものである。
車両制御装置の一形式としては、特許文献1「アンチスキッド制御装置」に示されているものがある。特許文献1に記載の車両制御装置は、車輪の回転速度に対応した車輪速度信号を検出する車輪速度検出手段と、該車輪に印加されるブレーキ液圧を調整するアクチュエータと、前記検出された車輪速度信号に基づいて前記アクチュエータを制御する制御手段と、を備え、前記ブレーキ液圧を増圧、または減圧制御を行なうようになっている。
この車両制御装置においては、特許文献1の図5に示されているように、ステップ120では、ステップ110で求めた加速度が予め定められた判定値G1未満であるか否かの判断が行なわれる。判定値G1は右前車輪1の大きな減速の開始を、初期に検出できるように設けられたものであり、車輪1がスキッドを起こしそうになる傾向を検出するレベルである。つまり加速度が判定値G1未満となる時点がアンチスキッド制御として減圧開始する時点t0である。このように、判定値G1がアンチスキッド制御を開始する制御開始判定値である。
車輪速度検出手段50は、磁束の変化を利用した非接触型の可変磁気抵抗方式のものが一般的に使用されており、図2に示すように、車輪Wflと一体回転するドライブシャフトDSflに一体的に固定されて車輪Wflと一体回転するセンサロータSRflと、車体側に固定されてセンサロータSRflの回転に応じた磁束変化を検出する車輪速度センサSflとから構成されている。
車輪速度検出手段50は、図3(a)に示すように、車輪速度センサ52(Sfl)に永久磁石を備えた形式のものと、図3(b)に示すように、センサロータ51(SRfl)に着磁した形式のものがある。前者の場合には、車輪速度センサ52は、永久磁石52aと、永久磁石52aとセンサロータ51の間に配設されて永久磁石52aに当接するポールピース(鉄製)52bと、ポールピース52bに巻かれたコイル52cから構成されている。センサロータ51は歯車状に凹凸が形成されており、複数の歯51aを有している。この場合、センサロータSRflが回転すると、センサロータ51の歯51aによって永久磁石52aからの磁束が変化してコイル52cに交流電圧が発生する。この交流電圧が車輪速度センサ52の出力である。
後者の場合には、車輪速度センサ52は、52bポールピース(鉄製)と、ポールピース52bに巻かれたコイル52cから構成されている。センサロータ51は、円周上に沿って交互に形成された着磁部51bと非着磁部51cを有している。この場合、センサロータ51が回転すると、センサロータ51からの磁束が変化してコイル52cに交流電圧が発生する。この交流電圧が車輪速度センサ52の出力である。
このように構成されている車輪速度検出手段の精度は、センサの電気的な要因でなく、センサロータ51の凹凸形状や、センサロータ51の着磁部51b、非着磁部51cの形状など構造的な要因によるところが大きい。したがって、従来の制御開始判定値は、通常、車輪速度検出手段の精度余裕を考慮して安全方向に深めに、すなわちABS制御が入り難い値に設定してある。
特許02500857号公報
しかし、上述したように車輪速度検出手段の精度余裕を考慮して制御開始判定値を設定すると、車輪速度検出手段の精度が高い場合でも制御開始判定値は深めになっているので、必要以上に精度に余裕ができてしまい、車輪速度検出手段の能力を十分に発揮できないという問題があった。このため、ABS制御が適切に開始されないで、車両安定性悪化や減速度低下が発生するおそれがあった。
本発明は、上述した各問題を解消するためになされたもので、精度の高い車輪速度検出手段の能力を十分に発揮できるようにすることにより、所定の車両挙動制御を適切に開始し車両の安定性、減速性を向上することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、車輪速度検出手段(50)からの入力に基づいて車輪(W**)の回転状態を演算する車輪回転状態演算手段(ステップ108,110)と、車輪回転状態演算手段によって演算された回転状態に基づいて所定の車両挙動制御を実施する車両挙動制御手段(40)と、回転状態が制御開始判定値に対して所定関係である制御開始条件を満たしたときに所定の車両挙動制御を開始する車両挙動制御開始手段(ステップ416)と、車輪速度検出手段の精度状態に関連付けて設定されている少なくとも大きさの異なる二つの制御開始判定値を記憶する制御開始判定値記憶手段(41)と、車輪速度検出手段の精度状態を判定する精度状態判定手段(ステップ204,206)と、車両挙動制御開始手段にて適用される制御開始条件の制御開始判定値(kdV)を、制御開始判定値記憶手段に記憶されている制御開始判定値のなかから精度状態判定手段によって判定された車輪速度検出手段の精度状態に基づいて切り替える切替手段(ステップ114)と、を備えた車両制御装置において、精度状態判定手段は、車両制御装置に電源が投入されると車輪速度検出手段の精度状態が高い状態でないと設定した後、車輪の回転状態の変動が規定範囲内にある状態が所定時間以上継続した場合に車輪速度検出手段の精度状態が高い状態にあると判定し、以降であって電源が投入されている間は車輪速度検出手段の精度状態が高い状態を継続することである。
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、切替手段は、車両挙動制御手段の初期化処理時に制御開始判定値(kdV)を制御開始し難い制御開始判定値(kdV1)に切り替える(ステップ106)ことである。
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1または請求項2において、切替手段(ステップ114)は、精度状態判定手段によって車輪速度検出手段の精度状態が高いと判定された場合、制御開始判定値(kdV)を制御開始し易い制御開始判定値(kdV2)に切り替えることである。
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至請求項3の何れか一項において、精度状態判定手段は、車輪の回転状態の変動が所定時間継続して収まる規定範囲を導出し、規定範囲を導出した際の速度と所定速度との差から、規定範囲を所定速度での規定範囲に換算し、換算した所定速度での規定範囲と、予め規定された規定範囲幅と精度状態の特性に基づいて車輪速度検出手段の精度状態が高いか否かを判定することである。
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、車輪速度検出手段(50)からの入力に基づいて車輪(W**)の回転状態を演算する車輪回転状態演算手段(ステップ108,110)と、車輪回転状態演算手段によって演算された回転状態に基づいて所定の車両挙動制御を実施する車両挙動制御手段(40)と、回転状態が制御開始判定値に対して所定関係である制御開始条件を満たしたときに所定の車両挙動制御を開始する車両挙動制御開始手段(ステップ416)と、車輪速度検出手段の精度状態に関連付けて設定されている少なくとも大きさの異なる二つの制御開始判定値を記憶する制御開始判定値記憶手段(41)と、車輪速度検出手段の精度状態を判定する精度状態判定手段(ステップ204,206)と、車両挙動制御開始手段にて適用される制御開始条件の制御開始判定値(kdV)を、制御開始判定値記憶手段に記憶されている制御開始判定値のなかから精度状態判定手段によって判定された車輪速度検出手段の精度状態に基づいて切り替える切替手段(ステップ114)と、を備えた車両制御装置において、精度状態判定手段は、車両制御装置に電源が投入されると車輪速度検出手段の精度状態が高い状態でないと設定した後、車輪の回転状態の分散値が規定範囲内にある状態が所定の判定時間以上継続した場合に車輪速度検出手段の精度状態が高い状態にあると判定し、以降であって電源が投入されている間は車輪速度検出手段の精度状態が高い状態を継続することである。
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、切替手段が、車両挙動制御開始手段にて適用される制御開始条件の制御開始判定値を、制御開始判定値記憶手段に記憶されている制御開始判定値のなかから精度状態判定手段によって判定された車輪速度検出手段の精度状態に基づいて切り替える。これにより、車両挙動制御開始手段が、車輪速度検出手段の精度状態に対応した制御開始判定値に対して回転状態が所定関係である制御開始条件を満たしたときに所定の車両挙動制御を開始する。したがって、車輪速度検出手段の精度に応じた適切な精度余裕にて制御開始判定値が設定されるので、車輪速度検出手段の能力を十分に発揮できるようになる。このため、ABS制御などの所定の車両挙動制御を適切に開始し、車両の安定性、減速性を向上することができる。
さらに、精度状態判定手段は、車両制御装置に電源が投入されると車輪速度検出手段の精度状態が高い状態でないと設定した後、車輪の回転状態の変動が規定範囲内にある状態が所定時間以上継続した場合に車輪速度検出手段の精度状態が高い状態にあると判定し、以降であって電源が投入されている間は車輪速度検出手段の精度状態が高い状態を継続する。
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、請求項1に係る発明において、切替手段は、車両挙動制御手段の初期化処理時に制御開始判定値を制御開始し難い制御開始判定値に切り替えるので、システム起動直後の車輪速度検出手段の精度が不明の時に、制御開始判定値を深めに設定することにより、確実に誤作動を防止することができる。
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、請求項1または請求項2に係る発明において、切替手段は、精度状態判定手段によって車輪速度検出手段の精度状態が高いと判定された場合、制御開始判定値を制御開始し易い制御開始判定値に切り替えるので、車輪速度検出手段の精度が高い場合に、適切な精度余裕にて制御開始判定値が設定されるため、車輪速度検出手段の能力を十分に発揮できるようになる。
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、請求項1乃至請求項3の何れか一項において、精度状態判定手段は、車輪の回転状態(例えば車輪加速度、車輪速度)の変動が所定時間継続して収まる規定範囲を導出し、規定範囲を導出した際の速度と所定速度との差から、規定範囲を所定速度での規定範囲に換算し、換算した所定速度での規定範囲と、予め規定された規定範囲幅と精度状態の特性に基づいて車輪速度検出手段の精度状態が高いか否かを判定するので、車輪速度検出手段の精度状態が高いか否かを確実かつ容易に判定することができる。
上記のように構成した請求項5に係る発明においては、切替手段が、車両挙動制御開始手段にて適用される制御開始条件の制御開始判定値を、制御開始判定値記憶手段に記憶されている制御開始判定値のなかから精度状態判定手段によって判定された車輪速度検出手段の精度状態に基づいて切り替える。これにより、車両挙動制御開始手段が、車輪速度検出手段の精度状態に対応した制御開始判定値に対して回転状態が所定関係である制御開始条件を満たしたときに所定の車両挙動制御を開始する。したがって、車輪速度検出手段の精度に応じた適切な精度余裕にて制御開始判定値が設定されるので、車輪速度検出手段の能力を十分に発揮できるようになる。このため、ABS制御などの所定の車両挙動制御を適切に開始し、車両の安定性、減速性を向上することができる。
さらに、精度状態判定手段は、車両制御装置に電源が投入されると車輪速度検出手段の精度状態が高い状態でないと設定した後、車輪の回転状態の分散値(例えば車輪加速度の分散値、車輪速度の分散値)が規定範囲内にある状態が所定の判定時間以上継続した場合に車輪速度検出手段の精度状態が高い状態にあると判定し、以降であって電源が投入されている間は車輪速度検出手段の精度状態が高い状態を継続する。

以下、本発明に係る車両制御装置の一実施形態を図面を参照して説明する。図1は車両制御装置を示す概要図である。車両制御装置Aは、ABS(アンチロックブレーキシステム)機能を有するものであり、ブレーキペダル11の踏込状態に応じた液圧のブレーキ液を生成して車輪Wfl,Wrr,Wrl,Wfrの回転を規制するホイールシリンダWCfl,WCrr,WCrl,WCfrに供給するマスタシリンダ10と、ブレーキ液を貯蔵するとともにマスタシリンダ10へ補給するリザーバタンク12と、ブレーキペダル11の踏み込み力を助勢する負圧式ブースタ13とを備えている。
各ホイールシリンダWCfl,WCrr,WCrl,WCfrは、各キャリパCLfl,CLrr,CLrl,CLfrに設けられており、液密に摺動するピストン(図示省略)を収容している。各ホイールシリンダWCfl,WCrr,WCrl,WCfrにマスタシリンダ10からの液圧が供給されると、各ピストンが一対のブレーキパッドを押圧して各車輪Wfl,Wrr,Wrl,Wfrと一体回転するディスクロータDRfl,DRrr,DRrl,DRfrを両側から挟んでその回転を規制するようになっている。なお、本実施の形態においては、ディスク式ブレーキを採用するようにしたが、ドラム式ブレーキを採用するようにしてもよい。この場合、各ホイールシリンダWCfl,WCrr,WCrl,WCfrに液圧が供給されると、各ピストンが一対のブレーキシューを押圧して各車輪Wfl,Wrr,Wrl,Wfrと一体回転するブレーキドラムの内周面に当接してその回転を規制するようになっている。
本実施形態の車両制御装置のブレーキ配管系はX配管方式にて構成されており、マスタシリンダ10の第1および第2出力ポート10a,10bは、第1および第2配管系La,Lbにそれぞれ接続されている。第1配管系Laは、マスタシリンダ10と左前輪Wfl,右後輪WrrのホイールシリンダWCfl,WCrrとをそれぞれ連通するものであり、第2配管系Lbは、マスタシリンダ10と左後輪Wrl,右前輪WfrのホイールシリンダWCrl,WCfrとをそれぞれ連通するものである。
第1配管系Laは、第1〜第6油路La1〜La6から構成されている。第1油路La1は一端がマスタシリンダ10の第1出力ポート10aに接続されている。第2油路La2は、一端が第1油路La1に接続され他端がホイールシリンダWCflに接続されている。第2油路La2上には、保持弁21が配設されている。第3油路La3は、一端が第1油路La1に接続され他端がホイールシリンダWCrrに接続されている。第3油路La3上には、保持弁22が配設されている。第4油路La4は、一端が第1油路La1に接続され他端が内蔵リザーバタンク24に接続されている。第4油路La4上には、ポンプ23が配設されている。第2および第4油路La2,La4の間には、両油路La2,La4を接続する第5油路La5が設けられている。第5油路La5上には、減圧弁25が配設されている。第3および第4油路La3,La4の間には、両油路La3,La4を接続する第6油路La6が設けられている。第6油路La6には、減圧弁26が配設されている。
保持弁21は、マスタシリンダ10とホイールシリンダWCflを連通・遮断するノーマルオープン型の電磁開閉弁である。保持弁22は、マスタシリンダ10とホイールシリンダWCrrを連通・遮断するノーマルオープン型の電磁開閉弁である。保持弁21,22は、ECU(制御装置)40の指令に応じて非通電されると連通状態(図示状態)にまた通電されると遮断状態に制御できる2位置弁として構成されている。保持弁21,22にはホイールシリンダWCfl,WCrrからマスタシリンダ10への流れを許容する逆止弁21a,22aがそれぞれ並列に設けられている。
ポンプ23は、吸い込み口がブレーキ液を貯蔵する内蔵リザーバタンク24に連通し、吐出口が逆止弁27を介してマスタシリンダ10およびホイールシリンダWCfl,WCrrに連通するものである。ポンプ23は、ECU40の指令に応じた電動モータ23aの作動によって駆動されている。ポンプ23は、ABS制御の減圧モード時においては、ホイールシリンダWCfl,WCrr内のブレーキ液または内蔵リザーバタンク24内に貯められているブレーキ液を吸い込んでマスタシリンダ10に戻している。なお、ポンプ23が吐出したブレーキ液の脈動を緩和するために、第4油路La4のポンプ23の吐出側にはダンパ28が配設されている。逆止弁27は、マスタシリンダ10への流れを許容する逆止弁である。
減圧弁25は、ホイールシリンダWCflと内蔵リザーバタンク24を連通・遮断するノーマルクローズ型の電磁開閉弁である。減圧弁26は、ホイールシリンダWCrrと内蔵リザーバタンク24を連通・遮断するノーマルクローズ型の電磁開閉弁である。減圧弁25,26は、ECU40の指令に応じて非通電されると遮断状態(図示状態)にまた通電されると連通状態に制御できる2位置弁として構成されている。
さらに、第2配管系Lbは前述した第1配管系Laと同様な構成であり、第1〜第6油路Lb1〜Lb6を備えている。第1油路Lb1は一端がマスタシリンダ10の第2出力ポート10bに接続されている。第2油路Lb2は、一端が第1油路Lb1に接続され他端がホイールシリンダWCrlに接続されている。第2油路Lb2上には、保持弁21および逆止弁21aと同様な保持弁31および逆止弁31aが配設されている。第3油路Lb3は、一端が第1油路Lb1に接続され他端がホイールシリンダWCfrに接続されている。第3油路Lb3上には、保持弁22および逆止弁22aと同様な保持弁32および逆止弁32aが配設されている。第4油路Lb4は、一端が第1油路Lb1に接続され他端が内蔵リザーバタンク24と同様な内蔵リザーバタンク34に接続されている。第4油路Lb4上には、ダンパ28、逆止弁27およびポンプ23と同様なダンパ38、逆止弁37およびポンプ33が配設されている。第2および第4油路Lb2,Lb4を接続する第5油路Lb5には、減圧弁25と同様な減圧弁35が配設されている。第3および第4油路Lb3,Lb4を接続する第6油路Lb6には、減圧弁26と同様な減圧弁36が配設されている。
また、車両制御装置Aは、ブレーキペダル11の付近に設けられて、ブレーキペダル11が踏まれるとオンされ、踏み込みが解除されるとオフされるストップスイッチ14を備えている。このストップスイッチ14のオン・オフ信号はECU40に送信されるようになっている。
さらに、車両制御装置Aは、各車輪Wfl,Wrr,Wrl,Wfrの付近にそれぞれ設けられて、それらの車輪速度をそれぞれ検出して各検出信号をECU40に送信する車輪速度検出装置50を備えている。車輪速度検出手段50は、磁束の変化を利用した非接触型の可変磁気抵抗方式のものが一般的に使用されている。車輪速度検出手段50は、図2に示すように、車輪Wflを例にして説明すると、車輪Wflと一体回転するドライブシャフトDSflに一体的に固定されて車輪Wflと一体回転するセンサロータSRflと、車体側に固定されてセンサロータSRflの回転に応じた磁束変化を検出する車輪速度センサSflとから構成されている。他の車輪Wrr,Wrl,Wfrにおいても車輪速度センサSrr,Srl,Sfrが備えられている。
車輪速度検出手段50は、図3(a)に示すように、車輪速度センサ52(Sfl)に永久磁石を備えた形式のものと、図3(b)に示すように、センサロータ51(SRfl)に着磁した形式のものがある。前者の場合には、車輪速度センサ52は、永久磁石52aと、永久磁石52aとセンサロータ51の間に配設されて永久磁石52aに当接するポールピース(鉄製)52bと、ポールピース52bに巻かれたコイル52cから構成されている。センサロータ51は歯車状に凹凸が形成されており、複数の歯51aを有している。この場合、センサロータSRflが回転すると、センサロータ51の歯51aによって永久磁石52aからの磁束が変化してコイル52cに交流電圧が発生する。この交流電圧が車輪速度センサ52の出力である。
後者の場合には、車輪速度センサ52は、52bポールピース(鉄製)と、ポールピース52bに巻かれたコイル52cから構成されている。センサロータ51は、円周上に沿って交互に形成された着磁部51bと非着磁部51cを有している。この場合、センサロータ51が回転すると、センサロータ51からの磁束が変化してコイル52cに交流電圧が発生する。この交流電圧が車輪速度センサ52の出力である。
このように、車輪速度センサSfl,Srr,Srl,Sfrは、各車輪Wfl,Wrr,Wrl,Wfrの回転に応じた周波数のパルス信号をECU40に出力している。
さらに、車両制御装置Aは、上述したストップスイッチ14、電動モータ23a、各電磁弁21,22,25,26,31,32,35,36、および各車輪速度センサSfl,Srr,Srl,Sfrに接続されたECU(電子制御ユニット)40を備えている。ECU40はマイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続された入出力インターフェース、CPU、RAMおよびROM(いずれも図示省略)を備えている。CPUは、図4〜6に示すフローチャートに対応したプログラムを実行して、各車輪速度に基づき、各電磁弁21,22,25,26,31,32,35,36の開閉を切り換え制御し電動モータ23aを必要に応じて作動してホイールシリンダWCfl,WCrr,WCrl,WCfrに付与するブレーキ液圧すなわち各車輪Wfl,Wrr,Wrl,Wfrに付与する制動力を調整するABS制御を実行する。RAMは同プログラムの実行に必要な変数を一時的に記憶するものであり、ROMは前記プログラムを記憶するものである。すなわち、ECU40は、車輪回転状態演算手段(ステップ108,110)によって演算された車輪の回転状態に基づいて所定の車両挙動制御を実施する車両挙動制御手段である。
また、車両制御装置Aは、車輪速度検出手段である車輪速度検出装置50の精度状態に関連付けて設定されている少なくとも大きさの異なる二つの制御開始判定値を記憶している記憶装置(制御開始判定値記憶手段)41を備えている。車輪速度検出装置50の精度状態は、センサロータ51の凹凸形状や、センサロータ51の着磁部51b、非着磁部51cの形状など構造的な要因によるところが大きい。したがって、制御開始判定値は、通常、車輪速度検出手段の精度余裕を考慮して安全方向に深めに、すなわちABS制御が入り難い値に設定してある。このことから、車輪速度検出装置50に必要十分な精度余裕に相当する値を制御開始判定値として設定すればよい。制御開始判定値は、精度が高くなるほど浅めにすなわち制御開始し易い値に設定することができ、低くなるほど深めにすなわち制御開始し難い値に設定する必要がある。
本実施形態においては、二つの制御開始判定値kdV1およびkdV2が記憶されている。制御開始判定値kdV1は、制御開始し難い値であり、ECU40の初期化処理時(システム起動時)に設定される(切り替えられる)値である。制御開始判定値kdV2は、制御開始し易い値であり、車輪速度検出装置50の精度状態が高いと判定された場合に切り替えられる(設定される)値である。
次に、上記のように構成した車両制御装置Aの作動を図4から図7のフローチャートおよび図8および図9のタイムチャートに沿って説明する。ECU40は、車両のイグニションスイッチ(図示省略)がオン状態になると、上記フローチャートに対応したプログラムを実行する。ECU40に電源が投入されてECU40のシステムが起動されると、ECU40は、ステップ102において、メモリクリア、フラグリセット等の初期化処理を行う。ECU40は、ステップ104において、車輪速度精度高履歴をリセットする。車輪速度精度高履歴がセットされていれば、車輪速度精度が高い状態を示しており、車輪速度精度高履歴がセットされていなければ、車輪速度精度が高い状態でない状態を示している。ECU40は、ステップ106において、制御開始判定値を初期値である制御開始判定値kdV1に設定する(切り替える)。ステップ106は、切替手段である。
ECU40は、以降の処理(ステップ108からステップ116の処理)を所定時間(例えば5msec)毎に繰り返し実行する。
ECU40は、ステップ108において、上記各車輪速度センサSfl,Srr,Srl,Sfrからの出力である車輪速度信号に基づき、各車輪Wfl,Wrr,Wrl,Wfrの車輪速度VW**(**は、各輪に対応する添え字であって、fl,rr,rl,frのいずれかである。以下の説明及び図面において同じである。)を演算し、ステップ110において、これら車輪速度の微分値である各車輪Wfl,Wrr,Wrl,Wfrの車輪加速度dVW**を演算する。上述した車輪速度VW**および車輪加速度dVW**が、車輪W**の回転状態を示すパラメータである。ステップ108およびステップ110は車輪回転状態演算手段である。
そして、ECU40は、ステップ114において、車輪速度検出装置50の精度状態を判別する(切替手段)。すなわち、車輪速度検出装置50の精度が高い状態であるか否かを判別(判断)する。ECU40は、具体的には、図5に示すフローチャートに沿って車輪速度精度判断ルーチンを実施する。
ECU40は、ステップ202において、車輪速度精度高履歴がセットされているか否かを判定する。車輪速度精度高履歴がセットされていれば、車輪速度精度が高い状態であることが既に判断されているので、ECU40は、ステップ202にて「YES」と判定し、ステップ204からステップ210の処理を実施しないで、プログラムをステップ212に進めて本サブルーチンを終了する。一方、車輪速度精度高履歴がセットされていなければ、車輪速度精度が高い状態であるか否かが不明であるので、ECU40は、ステップ202にて「NO」と判定し、プログラムをステップ204に進めて、車輪速度精度が高い状態であるか否かを判断する。
ECU40は、ステップ204において、車輪速度検出装置50の精度状態を演算する。ECU40は、具体的には、図6に示すフローチャートに沿って車輪速度精度演算ルーチンを実施する。
ECU40は、本車輪速度精度演算の実施許可があり、かつ、4輪の車輪加速度が規定範囲内にある状態が所定時間以上継続されるか否かを判定することにより、車輪速度精度の状態を導出(演算)する。すなわち、車輪速度精度演算の実施許可があり、かつ、4輪の車輪加速度が規定範囲内にある状態が所定時間以上継続される場合には、車輪速度精度が高い状態であることを導出し、そうでない場合には、車輪速度精度が高い状態でないことを導出する。なお、所定時間はステップ310の処理に使用されるタイマ規定値と対応しており、少なくとも車輪の1回転分の時間に設定されている。
具体的には、ECU40は、ステップ302において、本演算の許可があるか否かを判定する。具体的には、所定の演算可能な条件を満たしているか否かを判定し、この条件を満たしている場合には、演算の許可があると判定し、条件を満たしていない場合には、演算の許可がないと判定する。なお、所定の演算可能な条件は、例えば、ストップスイッチ14がオフであり、車体速度VBが30km/h以上であり、かつ、各種車両挙動制御が非作動である場合である。
ECU40は、演算の許可がない場合には、ステップ302において「NO」と判定しプログラムをステップ308に進めて、ステップ308にてタイマをクリアしステップ314にて車輪速度精度高をリセットした後、プログラムをステップ316に進めて本サブルーチンを終了する。一方、ECU40は、演算の許可がある場合には、ステップ302において「YES」と判定しプログラムをステップ304に進める。
ECU40は、ステップ304においては、上述したステップ110で算出された車輪加速度が図8に示す規定範囲内に入っているか否かを判定する。ECU40は、車輪加速度が規定範囲外である場合には、ステップ304において「NO」と判定しプログラムをステップ308に進めて、ステップ308にてタイマをクリアしステップ314にて車輪速度精度高をリセットした後、プログラムをステップ316に進めて本サブルーチンを終了する。一方、ECU40は、車輪加速度が規定範囲内である場合には、ステップ304において「YES」と判定しプログラムをステップ306に進めて、タイマをカウントアップする。
ECU40は、ステップ310においては、タイマがタイマ規定値以上となった否かを判定する。ECU40は、タイマがタイマ規定値に到達するまでは、ステップ310において「NO」と判定しプログラムをステップ314に進めて、ステップ314にて車輪速度精度高をリセットした後、プログラムをステップ316に進めて本サブルーチンを終了する。一方、ECU40は、タイマがタイマ規定値に到達すると、ステップ310において「YES」と判定しプログラムをステップ312に進めて、ステップ312にて車輪速度精度高をセットした後、プログラムをステップ316に進めて本サブルーチンを終了する。車輪速度精度高がセットされていれば、車輪速度精度が高い状態であることを示しており、車輪速度精度高がセットされていなければ、車輪速度精度が高い状態でない状態であることを示している。
ECU40は、前述した車輪速度精度演算ルーチンの処理が終了すると、プログラムを図5のステップ206に進める。ECU40は、ステップ206において、車輪速度精度高がセットされているか否かを判定する。ECU40は、車輪速度精度高がセットされていれば、ステップ206にて「YES」と判定し、ステップ208にて制御開始判定値を制御開始判定値kdV1から制御開始判定値kdV2に切り替える(切替手段)とともに、ステップ210にて車輪速度精度高履歴をセットする。その後、プログラムをステップ212に進めて、本車輪速度精度判断ルーチンを終了する。一方、ECU40は、車輪速度精度高がセットされていなければ、ステップ206にて「NO」と判定し、プログラムをステップ212に進めて本車輪速度精度判断ルーチンを終了する。
なお、上述したステップ204,206が車輪速度検出装置50の精度状態を判定する精度状態判定手段である。
上述した車輪速度精度判断ルーチンによる作用の一例を図8のタイムチャートを参照して説明する。図8においては、上から順番に車輪速度、フィルタリング処理された車輪加速度、タイマ、車輪速度精度高履歴のセット状態、および制御開始判定値が示されている。この場合、走行中の車両を示しており、この車両はイグニッションスイッチの投入時点から時刻t3までの間において制御開始判定値がkdv1のまま切り替えられていない状態であるとする。
時刻t0からタイマがカウントアップされているなか、車輪加速度が規定範囲から外れると(時刻t1)、タイマがクリアされる。そして、再び車輪加速度が規定範囲に入ると(時刻t2)、タイマのカウントアップが開始される。そして、タイマがタイマ規定値に到達すると(時刻t3)、すなわち4輪の車輪加速度が規定範囲内にある状態が所定時間以上継続されると、リセットされていた車輪速度精度高履歴がセットされて、制御開始判定値がkdv1からkdv2に切り替えられる。
このように車輪速度の精度状態が判断されると、ECU40は、プログラムを図4のステップ116に進めて、車輪速度の精度状態に応じた制御開始判定値kdVに基づいて車両挙動制御処理を実施する。ECU40は、具体的には、図7に示すフローチャートに沿って車両挙動制御処理ルーチンを実施する。
ECU40は、ステップ402において、図4のステップ108で求めた各車輪Wfl,Wrr,Wrl,Wfrの車輪速度VW**の内の例えば最大速度VWmaxに基づき、車体速度VBを演算する。この処理は、例えば、各車輪Wfl〜Wfrの車輪速度VWfl〜VWfrの内の最大速度VWmaxが、前回求めた車体速度VB(n−1)に所定値を加えた加速限界値Vαから、車体速度VB(n−1)から所定値を減じた減速限界値Vβまでの範囲内にあるか否かを判断する。最大速度VWmaxが加速限界値Vαから減速限界値Vβまでの範囲内にあれば、最大速度VWmaxをそのまま車体速度VBとして設定する。最大速度VWmaxが加速限界値Vαを越えていれば、この加速限界値Vαを車体速度VBとして設定する。最大速度VWmaxが減速限界値Vβを下回っていれば、その減速限界値Vβを車体速度VBとして設定する。
ECU40は、ステップ404において、ステップ402で演算した車体速度VBと、各車輪Wfl〜Wfrの車輪速度VWfl〜VWfrとに基づき、各車輪Wfl〜Wfrのスリップ量ΔVW**(=VB−VW**)を演算する。
ECU40は、先にステップ404で演算した車輪スリップ量ΔVW**と、先にステップ110で算出した車輪加速度dVW**とに基づいて、ABS制御を増圧モード、減圧モード、保持モード、および通常パルス増モードの何れに制御するかを設定し、その制御モードにてABS制御を実行する。具体的には、ECU40は、図7に示すフローチャートに沿ってABS制御ルーチンを実施する。
このルーチンは、各車輪Wfl,Wrr,Wrl,Wfrに対して計4回実行されるようになっている。まず、ECU40は、ストップスイッチ14がオンになったか否かを判定する(ステップ406)。そして、ストップスイッチ14がオンになるまでは、当該車輪の制御中フラグFをリセットしすなわち0に設定し(ステップ408)、当該車輪の制御モードを増圧モードにセットする(ステップ410)。その後、プログラムをステップ412に進めてABS制御ルーチンを一旦終了する。なお、制御中フラグFはABS制御が行われているか否かを示すフラグであり、0のときABS制御中でないことを示し、1のときABS制御のうち減圧モード中であることを示し、2のときABS制御のうち保持モード中であることを示す。
一方、ECU40は、ストップスイッチ14がオンになったときは、車輪のスリップ量ΔVW**を所定スリップ量kVと大小比較する(ステップ414)。この比較の結果、ΔVW**>kVとなるまでは、プログラムをステップ432に進める。ステップ432においては、制御中フラグFが0でないか否かを判定する。ΔVW**>kVとなるまでは、ABS制御は開始されないため制御中フラグFは0のままであるので、ステップ432にて「NO」と判定し続けて、当該車輪の制御モードを増圧モードにセットする(ステップ410)。
そして、ECU40は、ΔVW**>kVとなると、ステップ414にて「YES」と判定し、車輪加速度dVW**を制御開始判定値kdVと大小比較する(ステップ416)。なお、制御開始判定値kdVは、上述したように車輪速度の精度状態に応じた制御開始判定値に設定されている。本実施形態においては、制御開始判定値kdV1または制御開始判定値kdV2に設定されている。この比較の結果、dVW**<kdVとなるまでは、プログラムをステップ422に進める。ステップ422においては、制御中フラグFが0であるか否かを判定する。dVW**<kdVとなるまでは、ABS制御は開始されないため制御中フラグFは0のままであるので、ステップ422にて「YES」と判定し続けて、当該車輪の制御モードを増圧モードにセットする(ステップ410)。
そして、ECU40は、dVW**<kdVとなると、制御中フラグFを1に設定し(ステップ418)、当該車輪の制御モードを減圧モードにセットする、すなわちABS制御を開始する(ステップ420)。このように、車輪のスリップ量ΔVW**がΔVW**>kVなる条件を満たし、かつ、車輪加速度dVW**がdVW**<kdVなる条件(制御開始条件)を満たして始めてABS制御が開始される。なお、制御開始条件は回転状態である車輪加速度が制御開始判定値に対して所定関係であることであり、所定関係は例えば大小関係である。また、回転状態である車輪加速度が制御開始判定値に対して所定関係である制御開始条件を満たしたときにABS制御を開始する車両挙動制御開始手段は、ステップ416である。
一方、ECU40は、ABS制御を開始した時点以降に制御開始判定値kdV未満であった車輪加速度dVW**が、制御開始判定値kdV以上となると、ステップ414、416,422にてそれぞれ「YES」、「NO」、「NO」と判定し、プログラムをステップ424に進める。ECU40は、ステップ424において、制御中フラグFが2であるか否かを判定する。現時点において制御中フラグFが1に設定されているので、ステップ424において、「NO」と判定しプログラムをステップ426に進める。
そして、ECU40は、ステップ426にて車輪加速度dVW**が0以上であるか否かを判定する。車輪加速度dVW**が0以上となるまでは、ステップ426にて「NO」と判定し続けて、当該車輪の制御モードを減圧モードにセットする(ステップ420)。一方、車輪加速度dVW**が0以上となると、ステップ426にて「YES」と判定し、制御中フラグFを2に設定し(ステップ428)、当該車輪の制御モードを保持モードにセットする(ステップ430)。
ECU40は、保持モード(保持制御)を開始した時点以降に車輪加速度dVW**が制御開始判定値kdV以上である場合には、ステップ414、416、422にてそれぞれ「YES」、「NO」、「NO」と判定し、プログラムをステップ424に進める。ECU40は、ステップ424において、制御中フラグFが2であるか否かを判定する。現時点において制御中フラグFが2に設定されているので、ステップ424にて「YES」と判定し、当該車輪の制御モードを保持モードに維持する(ステップ430)。
そして、ECU40は、ABS制御を開始した時点以降にΔVW**≦kVとなると、ステップ414、432にてそれぞれ「NO」、「YES」と判定し、当該車輪の制御モードを通常パルス増モードにセットする(ステップ434)。
上述した各制御モードにおける作動について第1配管系Laを例に説明する。ABS制御が実質的に実施されない増圧モード(通常ブレーキ時)には、ECU40から増圧出力が指示され(ステップ410)、その指示に応じて、保持弁21,22は非通電されて連通状態となり、減圧弁25,26は非通電されて遮断状態となり、ポンプ23は非駆動状態となる。これにより、マスタシリンダ10からの液圧に応じたホイールシリンダ圧がホイールシリンダWCfl,WCrrにそれぞれ形成される。
減圧モード時には、ECU40から減圧出力が指示され(ステップ420)、その指示に応じて、保持弁21,22は通電されて遮断状態となり、減圧弁25,26は通電されて連通状態となり、ポンプ23は駆動状態となる。これにより、ホイールシリンダWCfl,WCrrの液圧(ブレーキ液)が第5および第6油路La5,La6を通って内蔵リザーバタンク24へ流入して、ホイールシリンダ圧がリニアに減圧される。一方、ホイールシリンダWCfl,WCrrの液圧(ブレーキ液)および内蔵リザーバタンク24に貯留されている液圧(ブレーキ液)が、ポンプ23の作動によってマスタシリンダ10へ戻されている。
保持モード時には、ECU40から保持出力が指示され(ステップ430)、その指示に応じて、保持弁21,22は通電されて遮断状態となり、減圧弁25,26は非通電されて遮断状態となり、ポンプ23は駆動状態となる。これにより、ホイールシリンダ圧が保持モード開始時点の圧力を維持したまま保持される。
通常パルス増圧モード時には、ECU40から通常パルス増出力が指示され(ステップ434)、その指示に応じて、保持弁21,22は所定時間の非通電、その後所定時間だけの通電を交互に繰り返されて連通状態(増圧状態)および遮断状態(保持状態)を交互に繰り返し、減圧弁25,26は非通電されて遮断状態となり、ポンプ23は駆動状態となる。これにより、ホイールシリンダ圧が、増圧状態と保持状態を所定時間ずつ交互に繰り返すことにより増圧制御されてほぼ階段状に増圧される。
以上のように構成された結果、この実施形態では、図9のタイムチャートに示すような作用効果が発揮される。図9(a)は、制御開始判定値kdVが切り替えられる前の場合、すなわち制御開始判定値kdVとして初期値である制御開始判定値kdV1を適用した場合の所定の一輪のタイムチャートである。図9(b)は、制御開始判定値kdVが切り替えられた後の場合、すなわち制御開始判定値kdVとして切替値である制御開始判定値kdV2を適用した場合の所定の一輪のタイムチャートである。図9(a)および図9(b)の各上段は、車輪速度および車体速度の時間変化を示しており、各中段は、車輪加速度の時間変化と制御開始判定値kdV1、および車輪加速度の時間変化と制御開始判定値kdV2を示しており、各下段は、ホイールシリンダ圧PW**(制御液圧)の時間変化を示している。なお、「PW**」の「**」は、各輪に対応する添え字であって、fl,rr,rl,frのいずれかである。
まず、制御開始判定値kdVとして初期値である制御開始判定値kdV1を適用した場合について説明する。時刻t11にて、操作者によってブレーキペダル11が踏込操作されてストップスイッチ14がオンとなり、制動が開始されたとする。ブレーキペダルの踏込操作によってマスタシリンダ圧が上昇しこれに伴ってホイールシリンダ圧PWが上昇する。これにより、車輪速度VW**が減少する。
時刻t12にて車輪のスリップ量ΔVW**>所定スリップ量kVとなり、かつ、車輪加速度dVW**<所定車輪加速度kdV1となると、車輪のロック傾向が発生したと判定して、ABS制御が開始される(ステップ414,416,418,420)。すなわち減圧出力が指示されてホイールシリンダ圧PWがリニアに減圧される(ステップ420)。
ホイールシリンダ圧PWが減少して、時刻t13にて車輪加速度dVW**≧加速度零(0G)となると、保持出力が指示されてホイールシリンダ圧PWがその時点の圧力を維持したまま保持される(ステップ426,428,430)。
この保持制御によりホイールシリンダ圧PWが一定に維持されるなか、車輪速度VW**が増加する。時刻t14にて車輪のスリップ量ΔVW**≦所定スリップ量kVとなると、パルス増出力が指示されてホイールシリンダ圧PWが増圧状態と保持状態を所定時間ずつ交互に繰り返すことにより増圧制御されてほぼ階段状に増圧される(ステップ414,432,434)。
次に、制御開始判定値kdVとして切替値である制御開始判定値kdV2を適用した場合について説明する。時刻t21にて、操作者によってブレーキペダル11が踏込操作されてストップスイッチ14がオンとなり、制動が開始されたとする。ブレーキペダルの踏込操作によってマスタシリンダ圧が上昇しこれに伴ってホイールシリンダ圧PWが上昇する。これにより、車輪速度VW**が減少する。
時刻t12より早い時刻t22にて車輪のスリップ量ΔVW**>所定スリップ量kVとなり、かつ、車輪加速度dVW**<所定車輪加速度kdV1となると、車輪のロック傾向が発生したと判定して、ABS制御が開始される(ステップ414,416,418,420)。すなわち減圧出力が指示されてホイールシリンダ圧PWがリニアに減圧される(ステップ420)。この場合、制御開始判定値kdV1の場合と比較して低い圧力にてABS制御を開始することができる。
ホイールシリンダ圧PWが減少して、時刻t23にて車輪加速度dVW**≧加速度零(0G)となると、保持出力が指示されてホイールシリンダ圧PWがその時点の圧力を維持したまま保持される(ステップ426,428,430)。時刻t22から時刻t23までの時間は、時刻t12から時刻t13までの時間より短くなるので、制御開始判定値kdV1の場合と比較してホイールシリンダ圧PWの落ち込みを抑制することができる。
この保持制御によりホイールシリンダ圧PWが一定に維持されるなか、車輪速度VW**が増加する。時刻t24にて車輪のスリップ量ΔVW**≦所定スリップ量kVとなると、パルス増出力が指示されてホイールシリンダ圧PWが増圧状態と保持状態を所定時間ずつ交互に繰り返すことにより増圧制御されてほぼ階段状に増圧される(ステップ414,432,434)。時刻t23から時刻t24までの時間は、時刻t13から時刻t14までの時間より短くなるので、制御開始判定値kdV1の場合と比較してホイールシリンダ圧PWの増圧開始を早くすることができる。
上述した説明から明らかなように、本実施形態によれば、切替手段(ステップ114)が、車両挙動制御開始手段(ステップ116)にて適用される制御開始条件の制御開始判定値kdVを、制御開始判定値記憶手段(41)に記憶されている制御開始判定値(kdV1、kdV2)のなかから精度状態判定手段(ステップ204,206)によって判定された車輪速度検出手段(車輪速度検出装置50)の精度状態に基づいて切り替える。これにより、車両挙動制御開始手段(ステップ116)が、車輪速度検出手段(車輪速度検出装置50)の精度状態に対応した制御開始判定値kdVに対して回転状態(車輪加速度)が所定関係である制御開始条件を満たしたときに所定の車両挙動制御(ABS制御)を開始する。したがって、車輪速度検出手段の精度状態に応じた適切な精度余裕にて制御開始判定値kdVが設定されるので、車輪速度検出手段の能力を十分に発揮できるようになる。このため、ABS制御などの所定の車両挙動制御を適切に開始し、車両の安定性、減速性を向上することができる。
また、切替手段(ステップ106)は、車両挙動制御手段であるECU40の初期化処理時に制御開始判定値kdVを制御開始し難い制御開始判定値(kdV1)に切り替えるので、システム起動直後の車輪速度検出手段の精度が不明の時に、制御開始判定値kdVを深めに設定することにより、確実に誤作動を防止することができる。
また、切替手段(ステップ114)は、精度状態判定手段(ステップ204,206)によって車輪速度検出手段(車輪速度検出装置50)の精度状態が高いと判定された場合、制御開始判定値kdVを制御開始し易い制御開始判定値(kdV2)に切り替えるので、車輪速度検出手段の精度が高い場合に、適切な精度余裕にて制御開始判定値kdVが設定されるため、車輪速度検出手段の能力を十分に発揮できるようになる。
また、精度状態判定手段(ステップ204,206)は、車輪の車輪加速度の変動に基づいて車輪速度検出手段(車輪速度検出装置50)の精度状態が高いか否かを判定するので、車輪速度検出手段の精度状態が高いか否かを確実かつ容易に判定することができる。
また、車両挙動制御手段であるECU40によって実施される所定の車両挙動制御がABS制御であるので、ABS制御を適切に開始し、車両の安定性、減速性を向上することができる。
なお、上述した実施形態においては、精度状態判定手段(ステップ204,206)は、車輪の回転状態である車輪加速度の変動に基づいて車輪速度検出手段(車輪速度検出装置50)の精度状態が高いか否かを判定するようにしたが、車輪の回転状態の分散値すなわち車輪加速度の分散値に基づいて車輪速度検出手段の精度状態が高いか否かを判定するようにしてもよい。これによっても、車輪速度検出手段の精度状態が高いか否かを確実かつ容易に判定することができる。
この場合、ECU40は、図6に示す車輪速度精度演算ルーチンに代えて、図10に示す車輪速度精度演算ルーチンを実施する。より具体的には、図6のステップ304の処理に代えて、図10のステップ500〜504の処理を実施する。
ECU40は、ステップ500において、上述したステップ110で演算した各車輪W**の車輪加速度から、その高周波成分を取り出すフィルタリング処理を行なう。具体的には、ECU40は、下記数1のフィルタ演算式を用いて、ステップ110で演算した車輪加速度の高周波成分を取り出すフィルタリング処理を行なう。
Figure 0004835197
ただし、 dVW(dVW**):フィルタ前車輪加速度、dVWF(dVWF**):フィルタ後車輪加速度、A0、A1、A2、B0、B1:フィルタ係数、つまり上記数1のフィルタ演算式が、所定の高周波成分のみを取り出すハイパスフィルタとなる様に、フィルタ係数A0、A1、A2、B0、B1を設定する。具体的には、車体減速度の周波数及びアンチスキッド制御による制御変動周波数と、オフロード路面等の悪路による周波数とを区別し、悪路に起因する周波数のみを取り出すために、例えば20〜30Hzより高い周波数成分を通過させる様に上記数1のフィルタ係数を設定する。そして、このフィルタリング処理によって得られたdVWFD(n)の値を、フィルタ後車輪加速度dVWFとする。
ECU40は、ステップ502において、4輪の車輪加速度dVWF**の分散値を演算する。すなわち、図11に示すフローチャートに沿って分散値演算ルーチンを実施する。
下記数2に示すように、フィルタ後車輪加速度dVWFの分散値dVWBは、フィルタ後車輪加速度dVWFの2乗の値の積算値をそのサンプル数(演算回数)nで割ったものであり、フィルタ後車輪加速度dVWFの分散の状態を表している。例えば分散値dVWBが大であれば、そのバラツキの程度が大きいことを示している。
(数2)
dVWB={dVWF(1)2+・・・+dVWF(n)2}/n
そして、この数2に基づいて、以下に述べる様にして分散値dVWBを算出する。まず、ECU40は、ステップ602にて、所定の演算タイミング(例えば5ms)であるか否かを判定し、ここで肯定判断されるとステップ604に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。ステップ604では、上述したステップ110の処理にて算出されたフィルタ後車輪加速度dVWFの2乗の値を、分散値積算値dVWSUMに加算する。続くステップ606では、n個の加算が終了したか否かを判定し、ここで肯定判断されるとステップ608に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。ステップ608では、分散値積算値dVWSUMをnで割って、分散値dVWBを算出する。続くステップ610では、分散値積算値dVWSUMをクリアし、一旦本処理を終了する。
そして、ECU40は、ステップ504においては、上述したステップ502で演算された車輪加速度の分散値が規定範囲内に入っているか否かを判定する。ECU40は、車輪加速度の分散値が規定範囲外である場合には、ステップ504において「NO」と判定しプログラムをステップ308に進めて、ステップ308にてタイマをクリアしステップ314にて車輪速度精度高をリセットした後、プログラムをステップ316に進めて本サブルーチンを終了する。一方、ECU40は、車輪加速度の分散値が規定範囲内である場合には、ステップ504において「YES」と判定しプログラムをステップ306に進めて、タイマをカウントアップする。
これにより、本車輪速度精度演算の実施許可があり、かつ、4輪の車輪加速度の分散値が規定範囲内にある状態が所定時間以上継続されるか否かを判定することにより、車輪速度精度の状態を導出(演算)する。すなわち、車輪速度精度演算の実施許可があり、かつ、4輪の車輪加速度が規定範囲内にある状態が所定時間以上継続される場合には、車輪速度精度が高い状態であることを導出し、そうでない場合には、車輪速度精度が高い状態でないことを導出する。なお、所定時間はステップ310の処理に使用されるタイマ規定値と対応しており、少なくとも車輪の1回転分の時間に設定されている。
また、上述した実施形態においては、精度状態判定手段(ステップ204,206)は、車輪の回転状態である車輪加速度の変動に基づいて車輪速度検出手段(車輪速度検出装置50)の精度状態が高いか否かを判定するようにしたが、車輪の回転状態である車輪速度に基づいて車輪速度検出手段の精度状態が高いか否かを判定するようにしてもよく、また、車輪の回転状態の分散値である車輪速度の分散値に基づいて車輪速度検出手段の精度状態が高いか否かを判定するようにしてもよい。
また、上述した実施形態においては、制御開始判定値kdVとして二つの制御開始判定値kdV1およびkdV2を記憶し、車輪速度検出装置50の精度状態に応じてこれら二つの値を切り替えるようにしたが、制御開始判定値を車輪速度検出装置50の精度状態と関連付けたマップ(または演算式)として記憶し、車輪速度検出装置50の精度状態に応じて制御開始判定値をリニアに切り替えるようにしてもよい。
このマップは、図12に示すように、車輪速度検出装置50の精度状態が高くなるほど制御開始判定値が小さくなるようになっている。そして、ECU40は、このマップと精度状態判定手段によって判定された精度状態とに基づいて制御開始判定値を導出するようにすればよい。
なお、車輪速度検出装置50の精度状態を判定する方法として、車輪加速度の変動が必要かつ十分に(すっぽり)収まる規定範囲を導出し、その導出した規定範囲の幅から精度状態を判定(導出)するようにしてもよい。具体的にはまず、車輪加速度の変動が所定時間(上述したステップ310で使用したタイマ規定値に相当)継続して収まる規定範囲(上述したステップ304の処理で使用したもの)を該規定範囲の幅を変動させて導出する。このとき、規定範囲の幅を導出したときの車速も併せて検出する。次に、導出した規定範囲の幅を所定速度での規定範囲に換算する。この場合、車速が大きいほど変動が大きくなり規定範囲が大きくなるので、車速に対して規定範囲は正比例の傾向があるため、比例計算で近似することができる。そして、導出された所定速度での規定範囲と、図13に示すマップとに基づいて精度状態を判定(導出)する。図13に示すマップは、規定範囲の幅と精度状態との関係を示しており、規定範囲の幅が大きいほど精度状態が低くなるようになっている。
また、上述した実施形態においては、車両挙動制御としてABS制御を例に挙げて説明したが、本発明を他の車両挙動制御例えばEBD制御に適用することができる。EBD制御は、電子制動力配分制御であって、車両走行状態に応じた適切な四輪制動力配分を実現しようとする制御である。その制御方法は、公知であるので、概略を説明する。例えば、前後制動力配分制御においては、四輪の車輪速度センサからの信号に基づいて車輪速度・車輪加速度を演算し、各車輪の状態を判定して、各輪の液圧を制御することで、車両の積載状態や、減速度による荷重変化に応じた適切な前後制動力配分を実現する。これにより、後輪先ロックを防止するとともに、後輪制動力を有効に活用することができる。
EBD制御は、特開2005−255017号公報に示されているように、後輪側の過度のスリップ傾向が前輪側の過度のスリップ傾向よりも大きいとき、後2輪のホイールシリンダ圧を保持制御することで後2輪のホイールシリンダ圧の過度の上昇を防止せしめる制御である。EBD制御開始条件は、例えば、後2輪の最新の実際のスリップ率Sarr,Sarlの平均値から前2輪の最新の実際のスリップ率Safr,Saflの平均値を減じた値が所定のスリップ率基準値Srefebd(正の値)よりも大きいときに成立する。
本発明による車両制御装置の一実施形態を示す概要図である。 車輪速度検出装置の取付状態を示す図である。 (a)は磁石を車輪速度センサ側に設けた車輪速度検出装置を示す概略図であり、(b)はセンサロータに着磁した車輪速度検出装置を示す概略図である。 図1に示すECU(制御装置)にて実行される制御プログラムのフローチャートである。 図1に示すECU(制御装置)にて実行される車輪速度精度判断ルーチンのフローチャートである。 図1に示すECU(制御装置)にて実行される車輪速度精度演算ルーチンのフローチャートである。 図1に示すECU(制御装置)にて実行される車両挙動制御(ABS制御)ルーチンのフローチャートである。 車輪速度精度判断ルーチンによる作用効果を示すタイムチャートである。 本発明による実施形態における作用効果を示すタイムチャートである。 図1に示すECU(制御装置)にて実行される他の車輪速度精度演算ルーチンのフローチャートである。 図1に示すECU(制御装置)にて実行される分散値演算ルーチンのフローチャートである。 車輪速度検出装置の精度状態と制御開始判定値との相関関係を示すマップである。 車輪加速度の変動が収まる規定範囲の幅と車輪速度検出装置の精度状態との相関関係を示すマップである。
符号の説明
11…ブレーキペダル、12…リザーバタンク、13…負圧式ブースタ、14…ストップスイッチ、21,22,31,32…保持弁、23,33…ポンプ、23a…電動モータ、24,34…内蔵リザーバタンク、25,26,35,36…減圧弁、40…ECU(制御装置)、41…記憶装置(制御開始判定値記憶手段)、50…車輪速度検出装置(車輪速度検出手段)、51…センサロータ、52…車輪速度センサ、Sfl,Srr,Srl,Sfr…車輪速度センサ、SRfl,SRrr,SRrl,SRfr…センサロータ、A…車両制御装置、Wfl,Wfr,Wrl,Wrr…車輪、La,Lb…第1および第2配管系、WCfl,WCrr,WCrl,WCfr…ホイールシリンダ。

Claims (5)

  1. 車輪速度検出手段(50)からの入力に基づいて車輪(W**)の回転状態を演算する車輪回転状態演算手段(ステップ108,110)と、
    前記車輪回転状態演算手段によって演算された回転状態に基づいて所定の車両挙動制御を実施する車両挙動制御手段(40)と、
    前記回転状態が制御開始判定値に対して所定関係である制御開始条件を満たしたときに前記所定の車両挙動制御を開始する車両挙動制御開始手段(ステップ416)と、
    前記車輪速度検出手段の精度状態に関連付けて設定されている少なくとも大きさの異なる二つの前記制御開始判定値を記憶する制御開始判定値記憶手段(41)と、
    前記車輪速度検出手段の精度状態を判定する精度状態判定手段(ステップ204,206)と、
    前記車両挙動制御開始手段にて適用される前記制御開始条件の制御開始判定値(kdV)を、前記制御開始判定値記憶手段に記憶されている前記制御開始判定値のなかから前記精度状態判定手段によって判定された前記車輪速度検出手段の精度状態に基づいて切り替える切替手段(ステップ114)と、を備えた車両制御装置において、
    前記精度状態判定手段は、前記車両制御装置に電源が投入されると前記車輪速度検出手段の精度状態が高い状態でないと設定した後、前記車輪の回転状態の変動が規定範囲内にある状態が所定時間以上継続した場合に前記車輪速度検出手段の精度状態が高い状態にあると判定し、以降であって前記電源が投入されている間は前記車輪速度検出手段の精度状態が高い状態を継続することを特徴とする車両制御装置。
  2. 請求項1において、前記切替手段は、前記車両挙動制御手段の初期化処理時に前記制御開始判定値(kdV)を制御開始し難い制御開始判定値(kdV1)に切り替える(ステップ106)ことを特徴とする車両制御装置。
  3. 請求項1または請求項2において、前記切替手段(ステップ114)は、前記精度状態判定手段によって前記車輪速度検出手段の精度状態が高いと判定された場合、前記制御開始判定値(kdV)を制御開始し易い制御開始判定値(kdV2)に切り替えることを特徴とする車両制御装置。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか一項において、前記精度状態判定手段は、前記車輪の回転状態の変動が所定時間継続して収まる規定範囲を導出し、前記規定範囲を導出した際の速度と所定速度との差から、前記規定範囲を所定速度での規定範囲に換算し、前記換算した所定速度での規定範囲と、予め規定された規定範囲幅と精度状態の特性に基づいて前記車輪速度検出手段の精度状態が高いか否かを判定することを特徴とする車両制御装置。
  5. 車輪速度検出手段(50)からの入力に基づいて車輪(W**)の回転状態を演算する車輪回転状態演算手段(ステップ108,110)と、
    前記車輪回転状態演算手段によって演算された回転状態に基づいて所定の車両挙動制御を実施する車両挙動制御手段(40)と、
    前記回転状態が制御開始判定値に対して所定関係である制御開始条件を満たしたときに前記所定の車両挙動制御を開始する車両挙動制御開始手段(ステップ416)と、
    前記車輪速度検出手段の精度状態に関連付けて設定されている少なくとも大きさの異なる二つの前記制御開始判定値を記憶する制御開始判定値記憶手段(41)と、
    前記車輪速度検出手段の精度状態を判定する精度状態判定手段(ステップ204,206)と、
    前記車両挙動制御開始手段にて適用される前記制御開始条件の制御開始判定値(kdV)を、前記制御開始判定値記憶手段に記憶されている前記制御開始判定値のなかから前記精度状態判定手段によって判定された前記車輪速度検出手段の精度状態に基づいて切り替える切替手段(ステップ114)と、を備えた車両制御装置において、
    前記精度状態判定手段は、前記車両制御装置に電源が投入されると前記車輪速度検出手段の精度状態が高い状態でないと設定した後、前記車輪の回転状態の分散値が規定範囲内にある状態が所定の判定時間以上継続した場合に前記車輪速度検出手段の精度状態が高い状態にあると判定し、以降であって前記電源が投入されている間は前記車輪速度検出手段の精度状態が高い状態を継続することを特徴とする車両制御装置。
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