JP4835393B2 - 路車間通信の判定システム及び方法とこれに用いる判定装置 - Google Patents
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Description
具体的には、車両の保持するビーコン間の旅行時間情報等を含むアップリンク情報が車載機からインフラ側の光ビーコンに送信され、逆に、渋滞情報、区間旅行時間情報、事象規制情報及び車線通知情報等を含むダウンリンク情報が光ビーコンから車載機に送信されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
他方、上記車載機も、光ビーコンの投受光器との間で双方向通信を行うために、LEDとフォトセンサを有する投受光器(車載ヘッド)を備えている。
その原因としては、光ビーコンの投受光器のフォトセンサの経年劣化によりその受光感度が低下した場合、光ビーコンの投受光器の受光パネルが汚れて光の透過率が低下した場合、車載機側の投受光器の発光ダイオードの経年劣化によりその発光量が低下した場合、及び、車両のフロントガラスの汚れや周辺環境(降雨や霧等)によって車載機の投受光器の手前で信号が反射される場合等が考えられる。
また、光ビーコンがアップリンク情報を適切に受信しないと、光ビーコンはダウンリンクの切り替えを行って所定の情報を格納したダウンリンク情報を車載機に送信しなくなる。このような場合には、ドライバがそれに気付かないまま適切な交通情報サービスが得られているものとして、車両走行を継続する恐れがある。
前記安全運転支援システムでは、車載機から光ビーコンに対するアップリンク情報が未達となった場合、光ビーコンは前記信号情報等の支援動作用情報を車載機に送信できないため、車両側において、ドライバへの警告やブレーキ制御といった安全運転支援動作が実行できなくなる。
このため、上記判定部が判定した通信状態の適否をシステム管理者に報知する出力部を判定装置に設けることにより、システム管理者が光ビーコンメンテナンスの要否を容易に判断することができる。
この場合、判定装置の停止部が、通信異常が発生している或いはその可能性が高い光ビーコンに運用停止情報を送信するので、当該光ビーコンの運用の停止を迅速に行うことができる。なお、この場合の運用停止とは、光ビーコンが全く動作しないように制御することが含まれるのは勿論のこと、単に車載機との路車間通信を停止するだけの場合や、特定の情報(例えば、停止線までの距離情報や信号情報)を車載機に送信するのを停止するだけの場合も含まれる。
なお、上記出力部としては、通信状態の異常があり得る光ビーコンをシステム管理者に視覚で注意喚起するディスプレイや、その光ビーコンを音声で注意喚起するスピーカ装置等を採用することができる。
〔システムの全体構成〕
図1は、本発明の路車間通信の判定システムの全体構成を示すブロック図である。
図1に示すように、この路車間通信の判定システムは、インフラ側の交通管制システム1と、道路Rを走行する各車両Cに搭載された車載機2とから構成されている。交通管制システム1は、管制室に設けられた判定装置としての機能を併有する中央装置3と、道路Rの各所に多数設置された光ビーコン(光学式車両感知器)4とから構成されており、光ビーコン4は、近赤外線を通信媒体とした光通信によって車載機2との間で双方向通信を行う。なお、中央装置3は交通管制室に設けられている。
中央装置3は、電話回線等の通信回線5を介して各光ビーコン4と接続された通信インタフェースである通信部6と、この通信部6が接続された管理コンピュータ7と、管制室のシステム管理者に対するヒューマンインタフェースとしてのディスプレイ8及びスピーカ装置9とを備えている。
上記管理コンピュータ7は、CPU、メモリ(RAM)及び記憶装置(ROM)を有する汎用大型コンピュータ(メインフレーム)よりなり、各種の交通情報の収集・処理・記録、信号制御及び情報提供を統括的に行っている。
ディスプレイ8は、管理コンピュータ7が管理する全ての信号機や光ビーコン4等の道路地図上での位置が表示された表示画面を有しており、異常があった光ビーコン4に対応するランプを点滅させることにより、システム管理者に当該光ビーコン4の異常とその位置を報知するようになっている。また、スピーカ装置9は、光ビーコン4の異常発生を同時に音声でシステム管理者に報知する。
光ビーコン4は、電話回線等の通信回線5を介して中央装置3と接続された通信インタフェースである通信部14と、この通信部14が接続されたビーコン制御機15と、この制御機15のセンサ用インタフェースに接続された複数(図例では4つ)の投受光器(ビーコンヘッド)16とを備えている。
各投受光器16は、筐体17の内部に発光ダイオード(LED)18とフォトセンサ19を収納して構成されている(図3参照)。このうち、LED18は、近赤外線よりなるダウンリンク情報26,28を後述する通信領域Aに発光し、フォトセンサ19は、車載機2からの近赤外線よりなるアップリンク情報27を受光する。
図2に示すように、本実施形態の光ビーコン4は、同じ方向の複数(図例では4つ)の車線R1〜R4を有する道路Rに設置されており、各車線R1〜R4に対応して設けられた前記複数の投受光器8と、これらの投受光器8を一括制御する制御部である一台の前記ビーコン制御機15とを備えている。
上記ビーコン制御機15は、CPU、メモリ(RAM)及び記憶装置(ROM)を有するプログラマブルなマイコンよりなり、通信部14による中央装置3との双方向通信と、各投受光器16による車載機2との路車間通信の制御を行う通信制御部として機能する。なお、このビーコン制御機15による路車間通信の内容については後述する。
各投受光器16のLED18は、各車線R1〜R4の直下よりも上流側に向けて近赤外線を発光しており、これにより、車載機2との間で路車間通信を行うための通信領域Aが当該投受光器16の上流側(図2の右側)に設定されている。
図3に示すように、この通信領域Aは、後述する車載機2の投受光器29がダウンリンク情報を受信することができるダウンリンク領域(図3において実線のハッチングを設けた領域)DAと、光ビーコン4の投受光器16がアップリンク情報を受信することができるアップリンク領域(図3において破線のハッチングを設けた領域)UAとからなる。
従って、ダウンリンク領域DAの車両進行方向長さは通信領域A全体の同方向長さと一致する。
もっとも、各領域DA,UAの車両進行方向長さは上記各数値に限定されない。また、図3に仮想線で示すように、ダウンリンク領域DAの上流端c’をアップリンク領域の上流端cよりも更に上流側(図3の右側)に位置させる場合もある。
車両Cに搭載された車載機2は、車載コンピュータ23(図4参照)と、このコンピュータに接続された投受光器(車載ヘッド:図3及び図4参照)24とを備えている。
この車載機2の投受光器24も、光ビーコン4の投受光器(ビーコンヘッド)8と同様に、発光ダイオード(LED)とフォトセンサを備えている(図示せず)。このうち、LEDは、近赤外線よりなるアップリンク情報27を発光し、フォトセンサは、通信領域Aに発光された近赤外線よりなるダウンリンク情報26,28を受光する。また、車載機2の車載コンピュータ23は、投受光器24による光ビーコン4との路車間通信の制御処理を行う。
〔路車間通信の判定処理〕
中央装置3の管理コンピュータ7は、自己が管理するすべての光ビーコン4が受信した車載機2からのアップリンク情報27に含まれる車両ID情報を、各光ビーコン4から常時収集かつ監視しており、管理コンピュータ7の判定部10は、その車両ID情報に基づいて特定の光ビーコン4での路車間通信の適否を判定する。以下、この判定部10による判定処理について説明する。
図5(b)に示す位置テーブルを構成するマトリックスにおいて、左列(ビーコン名)には、上記各光ビーコンB1〜B4が上から順に並んでおり、中央列(上流側ビーコン)には、各光ビーコンB1〜B4から見て上流側に位置する光ビーコンが上から順に並んでおり、右列(下流側ビーコン)には、各光ビーコンB1〜B4から見て下流側に位置する光ビーコンが上から順に並んでいる。
また、光ビーコンB2の上流側には光ビーコンB1が存在し、同ビーコンB2の下流側には光ビーコンB3が存在するので、位置テーブルの「B2」の行では、上流側ビーコンの欄が「B1」でかつ下流側ビーコンの欄が「B3」となっている。
管理コンピュータ7は、自己が管轄する道路Rに設置された全ての光ビーコン4に関しての前記位置テーブルを予め記憶装置に記憶している。
この判断により、該当する光ビーコン4(例えば、図5のB2)が存在する場合には、判定部10は、この光ビーコンB2から、所定時間内に同じ車両IDが送信されてくるか否かを監視する。
そして、管理コンピュータ7の判定部10は、車両IDの「抜け回数」が所定時間内において予め設定した閾値を超えている場合や、車両IDの「受信回数」に対する「抜け回数」が所定の割合以上である場合に、光ビーコンB2の路車間通信が不良(異常)であると判定し、逆にそうでない場合は、光ビーコンB2の路車間通信は良好(正常)であると判定する。
なお、光ビーコンの設置地点の地理的な関係を示すものであれば、前記位置テーブルを用いなくても良い。また、隣接する光ビーコンを上流側ビーコンまたは下流側ビーコンとしなくてもよく、例えば、「B2」の光ビーコンの下流側ビーコンとして「B4」を用いても良いし、「B3」の上流側ビーコンとして「B1」を用いても良い。
このように、上流側又は下流側の光ビーコンの一方のみにおいて受信されるアップリンクを用いるのではなく、双方の光ビーコンを用いることで、その中間に位置する光ビーコンの路車間通信状態を判定することができる。
すなわち、道路Rにおける車両の走行速度と光ビーコンB1〜B3間の距離から、B1〜B3間の所要時間を推定できるから、前記推定値と前記計時手段によって得られる所要時間が所定以上乖離している場合に、当該アップリンクを光ビーコンB2の路車間通信状態の判定に用いないようにすることができる。
上記の通り、管理コンピュータ7の判定部10により、特定の光ビーコン4の路車間通信の適否が判定されるが、複数の車載機2から得た複数の車両ID情報について上記判定を行うことにより、路車間通信状態を一層正確に判定することが可能となる。
すなわち、本実施形態では、管理コンピュータ7の識別部11は、複数の車載機2の車両IDについて、ある光ビーコン4に関するトータルの通信異常の割合が、所定期間内で所定の閾値以上であれば、当該光ビーコン4を通信異常のある光ビーコン4として特定する。
また、気象庁の天候情報配信サーバ(図示せず)や路上に設置した天候を検知するセンサ(図示せず)から天候に関する情報を受信しておき、当該情報を一緒に蓄積しておくこともできる。例えば、雨天時にドライバがワイパーを動作させていると、当該ワイパーによって路車間通信における光信号が一時的に遮断される場合があるため、晴天時に比べて車載機2からのアップリンク光が、光ビーコン4に到達しない確率が高くなると考えられる。
管理コンピュータ7は、上記識別部11で特定された通信異常のある光ビーコン4の位置を、中央装置3のディスプレイ8に表示させたり、スピーカ装置9から音声出力させたりして、当該通信異常と見なされた光ビーコン4の存在とその位置をシステム管理者に報知する。
もっとも、運用停止情報33を受けた場合に、上記のように光ビーコン4が全く動作しないように制御すること以外に、単に車載機2との路車間通信を停止するだけにしたり、特定の情報(例えば、停止線までの距離情報や信号情報)を車載機2に送信するのを停止するだけにしたりすることもできる。
図4は、通信領域Aにおいて光ビーコン4の投受光器16と車載機2の投受光器24との間で行われる双方向での路車間通信の手順を示している。以下、図4を参照しつつ、この路車間通信の内容を説明する。
まず、光ビーコン4のビーコン制御機15は、各車線R1〜R4に対応する各投受光器16から、ダウンリンクの切り替え前の第一情報として、車線通知情報を含む第一のダウンリンク情報26を、各車線R1〜R4のダウンリンク領域DAに所定の送信周期で常に送信し続けている(図5のF1)。なお、この段階では、車線通知情報には未だ車両IDは格納されていない。
このさい、車載機2の車載コンピュータ23は、当該車両Cが通信領域A内に存在していることを認識する。その後、車載コンピュータ23はアップリンク情報27の送信を開始し(図5のF2)、このアップリンク情報27を光ビーコン4の投受光器16に対して所定の送信周期で送信する(図5のF3)。
なお、車載コンピュータ23は、ビーコン間の旅行時間情報を有している場合には、この情報もアップリンク情報27に含ませる。また、車載コンピュータ23は、光ビーコン4のビーコン制御機15がダウンリンクの切り替えを行ったことを認識するまで、当該アップリンク情報27を送信し続ける。
上記車線通知情報には、車線R1〜R4ごとに車両IDを格納するフィールドがあり、各車両IDに対して車線番号を付与することができる。このため、異なる車線R1〜R4を走行する各車両Cの車載コンピュータ23は、その格納フィールド内のいずれに自車両の車両IDが含まれるかを判断することにより、自車両がどの車線R1〜R4を走行しているかを認識できる。
上記支援情報には、光ビーコン4の下流側の信号が変わるタイミング情報である前記信号情報や、ダウンリンク領域DAから光ビーコン4の下流側の所定位置(例えば、停止線)までの長さ情報である距離情報等が含まれる。
前記規格によれば、第二のダウンリンク情報28は、1〜80個の最小フレーム29で構成することができ、送信可能時間は250msに設定されている。また、このダウンリンク情報28は送信すべき情報量に対応した任意数の最小フレーム29で構成され、上記送信可能時間の範囲内で繰り返し送信される。
車載機2の車載コンピュータ23は、第二のダウンリンク情報28を受信した時点(図5のF7)で光ビーコン4でのダウンリンクの切り替えを認識し、この時点でアップリンク情報27の送信を停止する。
更に、本実施形態の判定システムによれば、前記判定部10で判定された通信異常のある光ビーコン4をディスプレイ8やスピーカ装置9でシステム管理者に報知するようになっているので、システム管理者が通信異常のある光ビーコン4の存在を即座に認識することができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、路車間通信の適否を判定する判定装置として交通管制システム1の中央装置3を採用しているが、当該判定装置は、複数の光ビーコン4と通信可能なその他のインフラ側の制御装置(信号制御機等)を採用することもできる。
そこで、中央装置(判定装置)3に路車間通信状態の適否を判定させることを主たる目的としたメンテナンス用の車両(メンテナンスカー)Cを提供し、車線規制等を行うことなく、当該メンテナンスカーが適否の判定対象となる路線の光ビーコン4の投受光器8の下を通過し、路車間通信の適否を判定することができれば大変有用である。
さらに、判定装置3は、一般車両等から受信した大量のアップリンクデータの中から、メンテナンスカー専用の車両IDを格納したアップリンク情報を抽出したあと、当該抽出データを用いて路車間通信状態を判定するようにすれば、効率よく判定することが可能となり、大変有用である。
メンテナンスカーCは、路車間通信状態を判定する目的で走行するから、例えば、特定の車線を順番に走行したり、所定の速度を維持して走行したりすることができ、判定装置3に路車間通信状態が正常であるか否かの判定をより正確に行わせるようにすることもできる。
また、交通量の多い幹線道路では、光ビーコン4による交通情報提供サービスに期待するドライバも多いと考えられるため、メンテナンスの要否を的確に判定することは大変有用である。
2 車載機
3 中央装置(判定装置)
4 光ビーコン
6 中央装置の通信部
7 管理コンピュータ
8 ディスプレイ(出力部)
9 スピーカ装置(出力部)
10 判定部
11 識別部
12 停止部
16 投受光器(ビーコン側)
23 車載コンピュータ
29 投受光器(車載機側)
26 第一のダウンリンク情報
27 アップリンク情報
28 第二のダウンリンク情報
33 運用停止情報
A 通信領域
C 車両
R 道路
DA ダウンリンク領域
UA アップリンク領域
Claims (5)
- 道路を走行する車両の車載機と、前記道路の所定範囲に通信領域が設定された投受光器を有し、前記車載機との間で路車間通信を行う複数の光ビーコンと、前記路車間通信の通信状態を判定する判定装置とを備えた路車間通信の判定システムであって、
前記判定装置は、前記車載機が送信した同一の車両IDを含むアップリンク情報を前記複数の光ビーコンから受信する通信部と、前記複数の光ビーコンの中で車両進行方向における上流側と下流側とに設置された光ビーコンが同一の車両IDを含むアップリンク情報を受信しているときに、その車両進行方向の中間にある光ビーコンが当該同一の車両IDを含むアップリンク情報を受信しているか否かにより、当該中間にある光ビーコンの通信状態の適否を判定する判定部とを有することを特徴とする路車間通信の判定システム。 - 前記判定装置は、前記判定部の判定結果から通信異常と見なし得る前記光ビーコンに運用停止情報を送信する停止部を備えている請求項1に記載の路車間通信の判定システム。
- 前記判定装置は、前記判定部の判定結果から通信異常と見なし得る前記光ビーコンをシステム管理者に報知する出力部を備えている請求項1又は2に記載の路車間通信の判定システム。
- 道路を走行する車両の車載機と、前記道路の所定範囲に通信領域が設定された複数の光ビーコンの投受光器との間で行われる路車間通信の判定方法であって、
前記車載機が送信した同一の車両IDを含むアップリンク情報を前記複数の光ビーコンから受信し、前記複数の光ビーコンの中で車両進行方向における上流側と下流側とに設置された光ビーコンが同一の車両IDを含むアップリンク情報を受信しているときに、その車両進行方向の中間にある光ビーコンが当該同一の車両IDを含むアップリンク情報を受信しているか否かにより、当該中間にある光ビーコンの通信状態の適否を判定することを特徴とする路車間通信の判定方法。 - 道路を走行する車両の車載機と、前記道路の所定範囲に通信領域が設定された複数の光ビーコンの投受光器との間で行われる路車間通信の判定装置であって、
前記車載機が送信した同一の車両IDを含むアップリンク情報を前記複数の光ビーコンから受信する通信部と、前記複数の光ビーコンの中で車両進行方向における上流側と下流側とに設置された光ビーコンが同一の車両IDを含むアップリンク情報を受信しているときに、その車両進行方向の中間にある光ビーコンが当該同一の車両IDを含むアップリンク情報を受信しているか否かにより、当該中間にある光ビーコンの通信状態の適否を判定する判定部とを有することを特徴とする路車間通信の判定装置。
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