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JP4836635B2 - 緩衝装置 - Google Patents
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JP4836635B2 - 緩衝装置 - Google Patents

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Description

本発明は、引戸や抽斗など開閉部材をレールなど固定部材に対して相対移動(摺動または回動)可能に保持してなる開閉装置(引戸装置、開戸装置、抽斗装置、等)において、固定部材と開閉部材のいずれか一方の部材に緩衝機構を設けるとともに他方の部材に緩衝機構作動部を設け、開閉部材が閉じられる際、緩衝機構作動部を緩衝機構に当接させることにより、緩衝機構を作動させて固定部材に対する開閉部材の移動を緩衝するように構成した緩衝装置に関する。
従来、この種の緩衝装置として、ケース体(固定要素)に固定されたブレーキプレートと、ブレーキプレートに対し接離可能に設けられた押付部材と、緩衝機構作動部の当接により回動して押付部材をブレーキプレートに押し付ける緩衝部材とを備え、ブレーキプレートをケース体の幅方向に位置調節可能とし、ブレーキプレートと押付部材との隙間の大きさを調節することにより、開閉部材の重量に応じて制動力を調節できるようにした緩衝装置が知られている。(特許文献1参照)
WO2005/068760A1
しかし、上記特許文献1記載の従来の緩衝装置では、長寸の部材であるブレーキプレートの位置調節によって制動力を調節するため、制動力を調節するための機構の構成が複雑であり調節もし難いという問題があった。
本発明は、上記のような事情に鑑み創案されたものであり、その目的は、開閉部材に作用させる制動力を従来よりも簡単な構成で容易に調節できる調節機構を備えた緩衝装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の緩衝装置は、固定部材に対して開閉部材を移動可能に保持してなる開閉装置において、前記固定部材と前記開閉部材のいずれか一方の部材に緩衝機構を設けるとともに他方の部材に緩衝機構作動部を設け、前記開閉部材が閉じられる際、前記緩衝機構作動部を前記緩衝機構に当接させることにより、前記緩衝機構を作動させて前記固定部材に対する前記開閉部材の移動を緩衝するように構成した緩衝装置であって、前記緩衝機構は、前記一方の部材に固定された固定要素と、前記固定要素に対して前記緩衝機構作動部の移動方向に摺動可能に保持された摺動部材と、前記摺動部材と共に前記緩衝機構作動部の移動方向に移動し、前記開閉部材が閉じられる際、前記緩衝機構作動部が当接することにより回動して前記固定要素又は前記固定要素に固定された部材との間にその回動量に応じた摩擦による制動力を発生させる緩衝部材と、前記緩衝部材の回動できる範囲を調節する調節機構と、を具備したものである。
上記のように構成された本発明の緩衝装置によれば、緩衝部材の回動できる範囲を調節機構によって調節することにより、開閉部材に作用させる制動力を容易に調節することができる。また、ブレーキプレートの位置調節により制動力を調節するものと比較して調節機構の構成も単純化できる。
本発明の緩衝装置において、前記調節機構は、前記摺動部材の摺動方向に対して直交する方向に移動可能に移動可能に前記摺動部材に取り付けられた調節部材を具備し、前記調節部材は前記緩衝部材と当接してその回動を規制する規制部を有し、前記規制部は前記緩衝部材に面して段階的に又は連続的に設けられていることが望ましい。
上記のように構成された本発明の緩衝装置によれば、摺動部材に対して調節部材を移動させることにより、緩衝部材の回動できる範囲を段階的に又は連続的に容易に調節することができる。
また、本発明の緩衝装置において、前記調節機構は、前記摺動部材に回動自在に設けられた調節部材を具備し、前記調節部材は前記緩衝部材と当接してその回動を規制する規制部を有し、前記規制部は前記調節部材の回動中心から偏心して段階的に又は連続的に設けられていることが望ましい。
上記のように構成された本発明の緩衝装置によれば、調節部材を回動させることにより、緩衝部材の回動できる範囲を段階的に又は連続的に容易に調節することができる。
本発明の緩衝装置によれば、開閉部材に作用させる制動力を従来よりも簡単な構成で容易に調節でき、開閉部材の重量や走行性のばらつきに対し柔軟に対応できる。すなわち、開閉部材に作用させる制動力を開閉部材の重量や走行性に合わせて調節できるので、重量や走行性の異なる様々な開閉部材に対して十分な制動力を作用させて開閉部材の荒閉まりを防止できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
[第1の実施形態]
図1は本発明の緩衝装置を備えた開閉装置としての上荷重タイプの引戸装置の主要部を例示する斜視図である。図2は図1の要部分解斜視図である。図3及び図4は緩衝装置の裏蓋を取り外した状態を示す平面図である。
図1に示す引戸装置100は、上下のガイドレール(下側のレールは不図示)のうち上側のガイドレール90が上下2段のレールで構成され、その上段レール内に引戸クローザ110が取り付けられている。引戸200は、ガイドレール90の下段内を走行する左右一対の4輪台車(走行体)210A、210Bの下に支軸211を介して吊り下げた状態で支持されている。
引戸200に設けられた一対の4輪台車210A、210Bのうち、引戸クローザ110側に位置する4輪台車210Aには、アダプタ250が装着されている。
アダプタ250は、ストッパピン(被捕捉部材)201とアダプタ本体251とを備えている。アダプタ本体251は、断面コ字形の板状部材であり、その基端部251aが台車本体210aの上端部に着脱可能に固定されることにより片持ち状態で支持されている。アダプタ本体251の先端部251b側は引戸クローザ110から離間する方向に大きく延びている。この例では、アダプタ本体251の先端部251bは、他方(左側)の4輪台車210Bにより近い位置まで延びている。そして、そのアダプタ本体251の先端部251bにストッパピン201が保持されている。
図2〜図4に示すように、引戸クローザ110は、細長矩形状のハウジング111と捕捉引込機構120と緩衝機構140(140A、140B)とを備えている。ハウジング111は、上レールに固定されたハウジング本体(固定要素)112と、ハウジング本体112の上部開口部を閉塞する平板状の裏蓋113とで構成されている。ハウジング本体112の前端部及び後端部には、引戸クローザ110をレールなどの固定部材に固定して取り付けるための取付け孔146、147が設けられている。
捕捉引込機構120は、固定要素であるハウジング本体112と、ハウジング本体112内に長手方向に摺動可能に設けられた捕捉体150と、捕捉体150を引戸200の閉止方向(右側)に付勢するべくその一端(以下、「自由端」と記す。)が捕捉体150に連結されると共にその他端(以下、「固定端」と記す。)がハウジング本体112に連結された引張ばね(弾性体)123と、引張ばね123の固定端を保持し且つハウジング本体112に対して摺動可能な弾性体保持部材161と、弾性体保持部材161のハウジング本体112に対する固定位置を引張ばね123の伸縮方向に無段階に調節可能な引込力調節機構170とを備えている。
捕捉体150は、ハウジング本体112内を摺動するスライダ(摺動部材)121と、ストッパピン201を捕捉すべくスライダ151に取り付けられたラッチ(捕捉部材、緩衝部材)122と、スライダ151を引戸200の閉止方向(右側)に付勢するべくスライダ151の前端部121aとハウジング本体112の後端部112aとの間に伸張させた状態で掛け渡して設けられた引張ばね(弾性体)123と、を備えている。
スライダ151は、本体部126と、本体部126の先端片側から前方に延出されたアーム部127とを有する。アーム部127の先端部には引張ばね123の自由端のくびれ部123aを挾持する挾持部124が設けられている。挾持部124は、絞部124aと狭持片124bとからなり、絞部124aからは引張ばね123をガイドするガイド壁125がスライダ151の本体部126へ延在している。狭持片124b側での引張ばね123のガイドはハウジング本体112の内側壁によってなされる。引張ばね123の固定端のくびれ部123bは、弾性体保持部材161及び引込力調節機構170を介してハウジング本体112に連結されている。
スライダ151の本体部126の先端部には、アーム部127の基端部に隣接させて本体部126よりも低い段差部128が形成されており、この段差部128にラッチ152が取り付けられている。ラッチ152の基部下面には回転軸122aが一体形成されている。回転軸122aは、ラッチ152のピン捕捉部152aの最奥部近傍に形成されている。一方、段差部128には、ラッチ152の回転軸122aと嵌合する軸孔135が形成されている。ラッチ152は、その回転軸122aを段差部128の軸孔135に嵌合させることにより、水平方向に回動可能に支持されている。ラッチ152の基部は、後述するように、第1の緩衝機構140Aを作動させるためのカムとしても機能する。
ハウジング本体112の底板部116には、ストッパピン201を受け入れてラッチ152のピン捕捉部152aに案内するスリット状のストッパガイド118が形成されるとともに、このストッパガイド118と平行して、ラッチ152の先端部下面に形成されたガイド突起152bを案内するスリット状のラッチガイド119が形成されている。ハウジング本体112の前端部には、ストッパピン201がストッパガイド118内にスムーズに入るように、前方に拡大した漏斗状のストッパピン出入口148が設けられている。
ラッチガイド119は、ストッパガイド118の終端部近傍から中間部まで延びる直線部119aと、そこから直角に折れ曲がった折曲部119bとを有している。折曲部119bは、ラッチ152がストッパピン201を捕捉したり解放したりする際に、ラッチ152の外方への回動を許容するために設けられたものであり、その際、ラッチ152のガイド突起152bはラッチガイド119の折曲部119b内に入る。
ラッチ152は、閉止方向(右方向)に移動してきたストッパピン201が当接することにより内方に回動してストッパピン201を捕捉する。これとは反対に、ラッチ152がストッパピン201を解放する際には、スライダ151が引張ばね123の最大伸張位置に移動した状態にて、ストッパピン201がラッチ152の前部内面を開方向に押圧してラッチ152を外方に回動させることにより、ラッチ152によるストッパピン201の捕捉が解除される。
緩衝機構140は、ブレーキプレート132とこれを狭持するブレーキパット136A、136Bを用いた第1の緩衝機構140Aと、ロータリダンパ装置138を用いた第2の緩衝機構140Bとで構成されている。
ブレーキプレート132は、一方の端部がL字状に折り曲げられた細長い金属板からなる部材であり、そのL字状の端部132aがハウジング本体112内の前端近傍に形成された嵌合保持部145に嵌合固定されている。ブレーキプレート132の他端側はハウジング本体112の後端側に延びている。ブレーキプレート132の長さはスライダ151のストローク長よりも長く選定されている。
図5及び図6に示すように、スライダ151の本体部126の前端近傍には係止溝130が形成されている。スライダ151の本体部126にはブレーキプレート132を受け入れる収容溝133が形成されている。係止溝130にはL字状に折曲した金属板からなる押付部材134の短寸部が挿入され、押付部材134の長寸部は段差部128の側壁とブレーキプレート132との間に配置されている。押付部材134のブレーキプレート132側に向いた面には第1のブレーキパット136Aが取り付けられている。スライダ151の図示奥側側壁155には摩擦材から成る第2のブレーキパット136Bが取り付けられている。第1のブレーキパット136Aと第2のブレーキパット136Bは、ブレーキプレート132を受け入れる収容溝133を挟んで対向している。
ラッチ152の基部には、押付部材134を押圧するカム部158が形成されている。扉200が閉じられる際、ラッチ152は、ストッパピン201に押されて内方(矢印A側)へ回動し、そのカム部158によって押付部材134を押圧する。これによって、第1のブレーキパッド136Aを介してブレーキプレート132の一方の面が押圧される。このときブレーキプレート132の他方の面は第2のブレーキパッド136Bに圧接する。その結果、ブレーキプレート132が両ブレーキパッド136A、136Bで挾まれた状態になり、スライダ151とハウジング111の相対的移動を緩衝する。これによりスライダ151ひいては引戸200が制動される。
ラッチ152とスライダ151の本体部126との間には、ラッチ152の回動できる範囲を調節するための調節機構180が設けられている。調節機構180は、回動規制駒(調節部材)181を備えている。回動規制駒181は、本体部126の前端に隣接させて形成された駒収容部131内に、スライダ151の摺動方向に対して水平に直交する方向に移動可能に収容されている。駒収容部131の基端側内壁131aには水平方向に離間させて二箇所に円弧状の係合凹部131b、131cが形成されている。回動規制駒181の後端面181には一つの係合凸部181aが形成されている。回動規制駒181は、その移動位置に応じてその係合凸部181aが両係合凹部131b、131cの一方に係合し、その位置に保持されるようになっている。
駒収容部131の下部はストッパガイド118に望ませて開口している。回動規制駒180の下面には、操作爪184(図7参照)が設けられている。操作爪184は、ストッパガイド118内に突出している。すなわち、操作爪184は、レール90の下方に開口した部分(4輪台車210A、210Bの支軸211が移動するスリット状開口部91)と合致する位置に設けられており、この操作爪184を外部から操作することにより、回動規制駒180を移動させることができるようになっている。
回動規制駒181の前端面183には、ラッチ152と当接してその回動を規制する規制部185を有する。規制部185は、ラッチ152に面して段階的に設けられている。この例では、回動規制駒181の前端面183に、水平方向の一方の側を凸面183a、もう一方の側を凹面183bとする段差が形成されており、これら凸面183a及び凹面183bが規制部185を構成している。そして、回動規制駒181の移動位置に応じて、ラッチ152の基部のエッジ186が回動規制駒181の凸面183a又は凹面183bに当接し、ラッチ152の内方(矢印A側)への回動が規制されるようになっている。図5ではラッチ152の基端部のエッジ186が回動規制駒181の凹面183bに当接している。このときラッチ152は内方(矢印A側)へ最大限回動している。これに対し、図6ではラッチ152の基端部のエッジ186が回動規制駒181の凸面183aに当接しているため、図5の場合よりも、ラッチ152の内方(矢印A側)への回動範囲が制限されている。
スライダ151の本体部126の後端部には支軸137が立設されている。この支軸137にロータリダンパ138のスリーブ状軸受138aが装着されている。ロータリダンパ138の回転軸にはピニオン139が固定されている。ピニオン139の歯はハウジング本体112の内壁面に形成されたラック141の歯と噛み合うことができるように支軸137を中心に回動可能になっている。ロータリダンパ138の回動範囲は一方ではスライダ後端部より突出したストッパ142により、他方ではスライダ151の本体部126の後端縁にて規制される。
また、ロータリダンパ138には摺動摩擦軸149が設けられている。摺動摩擦軸149はロータリダンパ138の回動支点である支軸137が通過する領域よりもラック141側に設けられている。この摺動摩擦軸149はハウジング111の裏蓋113の内面と摺接する。スライダ151がハウジング111と相対移動するとき、スライダ151の移動と共に、ロータリダンパ138が移動し、ロータリダンパ138に設けられた摺動摩擦軸149とハウジング111の裏蓋113の内面との間に摩擦が発生する。この摩擦の力により、スライダ151をハウジング111の後端側へ移動させている時には、ロータリダンパ138はその支軸137を中心にそのピニオン139とラック141とが噛み合う方向に回動させられる。一方、スライダ151をハウジング111の前端側へ移動させている時には、ロータリダンパ138はその支軸137を中心にそのピニオン139とラック141とが噛み合う方向とは反対の方向に回動させられ、その位置を保ったまま移動することができる。
裏蓋113には、スライダ151がハウジング111の前端側移動限界位置に達した時にロータリダンパ138の摺動摩擦軸149が停止する位置に、摺動摩擦軸149を弾力的に押圧する押圧片115が形成されている。押圧片115は、裏蓋113の下面より若干下方に突出させて、上下方向に弾性変形可能に形成されている。この押圧片115の存在により、スライダ151をハウジング111の前端側移動限界位置から後端側へ移動させる際、直ぐに、ロータリダンパ138をその支軸137を中心にそのピニオン139とラック141とが噛み合う方向に回動させて、ロータリダンパ138による制動力を確実に働かせることができる。
弾性体保持部材161は、ハウジング111の内側面114aとラック141が形成された壁の背面141aとの間に引張ばね123の伸縮方向に摺動可能に且つ回転不能に設けられた、略直方体形状の部材である。弾性体保持部材161の前端部には、引張ばね123の固定端のくびれ部123bを挾持する挾持部161aが形成されている。弾性体保持部材161の後端部には、引込力調節機構170の構成要素である棒螺子部材171の先端に形成されたフランジ部171aを収容した状態で保持する保持部161bが形成されている。すなわち、弾性体保持部材161は、引張ばね123の固定端と引込力調節機構170とを連結する連結部材として機能している。弾性体保持部材161の保持部161bは、棒螺子部材171のフランジ部171aを回転不能に保持している。
引込力調節機構170は、棒螺子部材171と、棒螺子部材171を引張ばね123の伸縮方向に進退移動させるギヤ機構172とを備えている。ギヤ機構172は、棒螺子部材171に螺合させて環装されたホイール173と、このホイール173と噛み合うウォーム174とからなる、いわゆるウォームギヤ構造のギヤ機構である。
ホイール173は、ハウジング本体112に形成されたホイール収容部175内に収容されて、棒螺子部材171の中心軸回りに定位置で回転できるように保持されている。ウォーム174は、ハウジング本体112にホイール収容部175と連通させて形成されたウォーム収容部176内に収容されて、ハウジング本体112の底板部116に垂直な軸回りに定位置で回転できるように保持されている。ハウジング111の底板部116には、ウォーム収容部176と連通させて、プラスドライバやマイナスドライバなど工具を挿入可能な操作孔が形成されている。この操作孔は、緩衝装置110をレール90に取り付けた状態において、レール90のスリット状開口部91を通して見える位置に形成されており、この操作孔を通してウォーム174の端面部174aが露出している。ウォーム174の端面部174aには、当該工具と係合する溝(プラス溝、マイナス溝、等)が形成されており、当該工具を使用することによりハウジング111の外部からウォーム174を回動動作できるようになっている。
ウォーム174を回動させると、これと噛合しているホイール173が回転する。ホイール173が回転すると、これと螺合している棒螺子部材171がその軸方向すなわち引張ばね123の伸縮方向に移動する。これに伴って、弾性体保持部材161も引張ばね123の伸縮方向に移動する。すなわち、引張ばね123の固定端の位置が変化する。その結果、引張ばね123の張力が変化する。棒螺子部材171の移動方向は、ウォーム174を回動させる方向によって変えることができる。また、棒螺子部材171の移動量は、ウォーム174の回動量を調節することにより、無段階に調節することができる。したがって、ウォーム174を回動操作することにより、引張ばね123の固定端を保持している弾性体保持部材161の固定位置を無段階に変化させて、引張ばね123による引戸200の引き込み力の強さを無段階に調節することができる。
次に、上記のように構成された緩衝装置110の動作について図3及び図4を参照して説明する。
図3はストッパピン201がラッチ152に捕捉される直前の状態を示している。このときラッチ152のガイド突起152bはハウジング本体112のラッチガイド119の折曲部119bに係合している。図3の状態からストッパピン201がさらに閉止方向(右方向)に移動すると、ストッパピン201がラッチ152に捕捉される。このときラッチ152がストッパピン201に押されて内方(図5、図6中の矢印Aの向き)へ回動するため、ラッチ152のガイド突起152bがラッチガイド119の折曲部119bから離脱し、直線部119aに移動する。これによりハウジング本体112に対する捕捉体150の係合が解かれ、引張ばね123の引っ張り力によるスライダ151の引き込みが開始される。スライダ151が閉止方向(右側)に移動している時、緩衝機構140を構成している第1および第2の緩衝機構140A、140Bによってスライダ151とハウジング111の相対的移動が緩衝される。これにより、引戸200が激しく閉じられるのを防止できる。そして、図4に示すように、スライダ151が閉止方向(右側)への移動限界位置に達したら、ストッパピン201ひいては引戸200の動きが停止する。この時、引戸200が完全に閉じた状態(閉止状態)になる。ストッパピン201はラッチガイド119の終端部に停止した後も、ラッチ152によって捕捉された状態に保たれる。
図4の状態から引戸200を開けると、ストッパピン201を捕捉しているラッチ152を含むスライダ151も開方向(図示の例では左側)に移動する。このとき、ロータリダンパ138がラック141とピニオン139とが噛み合う方向とは反対の方向に回動しているため、緩衝機構140は全く作動しない。そして、スライダ151が開方向(左側)への移動限界位置に達したら、ラッチ152がストッパピン201により外方へ回動させられることにより、ラッチ152によるストッパピン201の捕捉が解除されると同時に、ラッチ152のガイド突起152bがラッチガイド119の直線部119aから折曲部119bに移動し、ハウジング本体112と捕捉体150とが互いに係合した状態すなわち図3の状態になる。
上記のように構成された第1の実施形態の緩衝装置110によれば、回動規制駒181の位置を切り替えることにより、第1の緩衝機構140Aを作動させるためのカムとして機能するラッチ152の回動可能範囲を段階的に切り替えることができるので、第1の緩衝機構140Aによる引戸200に対する制動力を容易に段階的に調節できる。したがって、引戸200の重量や走行性のばらつきに対し柔軟に対応できる。すなわち、引戸200に作用させる制動力を引戸200の重量や走行性に合わせて調節できるので、重量や走行性の異なる様々な引戸200に対して十分な制動力を作用させて引戸200の荒閉まりを防止できる。回動規制駒180を操作するための操作爪184がレール90のスリット状開口部91を通して見える位置に形成されているので、緩衝装置110をレール90に取り付けた状態で、第1の緩衝機構140Aによる引戸200に対する制動力を容易に調節できる。第1の緩衝機構140Aは、引戸200が閉じられる際、特に初期の段階で引戸200に制動力を作用させて緩衝効果を発揮するため、回動規制駒181の位置の切り替えにより、緩衝装置110の緩衝効果が発揮される初期の段階での緩衝効果を調節することができる。
また、第1の実施形態の緩衝装置110によれば、ウォーム174を回動操作することにより、引張ばね123の固定端を保持している弾性体保持部材161の固定位置を無段階に変化させることができるので、引張ばね123による引戸200の引き込み力の強さを容易に無段階に調節することができ、微調節も可能である。したがって、引戸200の走行性のばらつきに対し柔軟に対応できる。すなわち、引張ばね123による引戸200の引き込み力を引戸200の走行性に合わせて調節できるので、走行性の異なる様々な引戸200に対して十分な引き込み力を作用させて引戸200を確実に閉止することができる。ウォーム174を外部から回動操作するための操作孔がレール90のスリット状開口部91を通して見える位置に形成されているので、緩衝装置110をレール90に取り付けた状態で、引張ばね123による引戸200を容易に無段階に調節することができる。
なお、上記実施形態では、ラッチ152のカム部158が押付部材134及び第1のブレーキパット136Aを介してブレーキプレート132を押圧する構成としたが、ラッチ152のカム部158が直接ブレーキプレート132或いはハウジング本体118の内側面114bを押圧する構成としてもよい。
[第2の実施形態]
図8は本発明の緩衝装置の第2の実施形態を示す要部分解斜視図である。ここでは、第1の実施形態と同一又は機能的に共通する構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
この第2の実施形態の調節機構180は、回動規制駒(調節部材)181と調節螺子191とを備えている。回動規制駒181は、スライダ151の駒収容部131内に上下方向(ラッチ152の回転中心軸と並行な方向)に設けられている。回動規制駒181の前端下部にはスリット187が形成されており、このスリット187の部分を駒収容部131の前端壁131aに嵌合させることにより、回動規制駒181の回転及びがたつきを防止している。
回動規制駒181の後端近傍には、これを上下方向に貫通させて雌螺子孔188が形成されている。駒収容部131の底部には、図示しない貫通孔が形成されており、この貫通孔に下方から調節螺子191の雄螺子部192が挿入され、回動規制駒181の雌螺子孔188に螺合している。雄螺子部192の下端には円板状のヘッド部193が一体に設けられており、このヘッド部193がスライダ151の下面部に形成された図示しない円形の凹部内に回転可能に収容されている。当該凹部は、緩衝装置110をレール90に取り付けた状態において、レール90のスリット状開口部91を通して見える位置に形成されており、この凹部の開口部を通してヘッド部193が露出している。そして、ドライバなどの工具を用いて調節螺子191を正逆回転させて、回動規制駒181に対する雄螺子部192の螺合状態(雌螺子孔188への雄螺子部192の進入長)を調節することにより、回動規制駒181を上下に移動させて任意の位置(高さ)に保持できるように構成されている。
回動規制駒181の前端面189は、上端が最も前方(ラッチ152側)に迫出したテーパ面になっており、ラッチ152と当接してその回動を規制する規制部185として機能する。一方、ラッチ152の後端部には、カム部158と隣接させて、下端が最も後方(回動規制駒181側)に迫出したテーパ面159が形成されており、このテーパ面159が回動規制駒181の規制部185に当接するようになっている。
この第2の実施形態の構成によれば、調節螺子191を正逆回転させることにより、回動規制駒181を上下に移動させて任意の位置(高さ)に位置調節することができる。この回動規制駒181の位置調節により、第1の緩衝機構140Aを作動させるためのカムとして機能するラッチ152の回動可能範囲を調節することができるので、第1の緩衝機構140Aによる引戸200に対する制動力を容易に無段階に調節できる。したがって、引戸200の重量や走行性のばらつきに対し柔軟に対応でき、微調節も可能である。したがって、引戸200の重量や走行性のばらつきに対しより柔軟に対応できる。回動規制駒181の位置を外部から調節するための調節螺子191がレール90のスリット状開口部91を通して操作できる位置に配置されているので、緩衝装置110をレール90に取り付けた状態で、引戸200に対する緩衝機構140による制動力を容易に無段階に調節できる。
[第3の実施形態]
図9及び図10は本発明の緩衝装置の第3の実施形態を示す図である。これらの図は緩衝装置の裏蓋を取り外した状態を示す平面図である。ここでは、第1の実施形態と同一又は機能的に共通する構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
この第3の実施形態の緩衝機構150は、固定要素であるハウジング本体112内に緩衝機構作動部であるストッパピン101の移動方向(ハウジング本体112の長手方向)に摺動可能に設けられた平板状のスライダ301と、スライダ301に重ねて回動可能に取り付けられた平板状のラッチ(捕捉部材)303とを備えている。
スライダ301は、その両側面をハウジング本体112の両内側面114a、114bと摺接させつつ摺動する。スライダ301とラッチ303は、どちらも合成樹脂からなる樹脂成型品である。ラッチ303には、ストッパピン101を捕捉する捕捉部302が形成されている。スライダ301の先端中央部には、ラッチ303の捕捉部302と重ねるようにして、ストッパピン101を捕捉部302に導入するピン導入路304が形成されており、引戸200が閉じられる際、ストッパピン101がピン導入路304を通って捕捉部302に導入され捕捉されるようになっている。捕捉部302は、当該合成樹脂の持つ可撓性を利用してストッパピン101を係合離脱可能に掴んで保持し得る構造になっている。すなわち、この捕捉部302は、引戸200が開かれる際、ストッパピン101と共にスライダ301とラッチ303とが移動し得るようにストッパピン101と連結する。
スライダ301の後端部の側縁301a寄りの領域には、ラッチ303の厚さとほぼ同じ高さの段部307が形成されている。段部307には、側縁301a側から内側に延びる切込溝308が形成され、切込溝308にはL字状に折曲した金属板からなる押付部材309の一片309aが挿入されている。押付部材309のもう一片309bは、段部307の切込溝308入口から前端にかけて形成された切欠部310内に収容され、その先端部312は段部307の前端よりもさらに前方(図示右側)に延出している。押付部材309のハウジング本体112の内側面114b側に向いた面には、ブレーキパット311が取り付けられている。
ラッチ303は、スライダ301の中央部から片側の側縁301aの近傍に延在している。ラッチ303の当該側縁301a側の後端側角部近傍には、軸孔305が形成されている。一方、スライダ301の側縁301a近傍には、支軸306が突設されている。支軸306は、ピン導入路304の最奥部よりも後端側(図示右側)に設けられている。この支軸306にラッチ303の軸孔305が回動可能に嵌合している。すなわち、ラッチ303は、支軸306を中心にして回動できるようになっている。そして、ラッチ303がストッパピン101に押されて図中の矢印Aの向きに回動することにより、ラッチ303のエッジ部313が押付部材309に当接し、押付部材309を介してブレーキパット311をハウジング本体112の内側面114bに押し付けるようになっている。このときブレーキパット311とハウジング本体112の内側面114bとの間に発生する摩擦力によって、ストッパピン101ひいては引戸200が制動される。
スライダ301の後端近傍には、ラッチ303の回動できる範囲を調節する調節機構180が設けられている。この調節機構180は、スライダ301に回動自在に設けられた調節部材321と、この調節部材321をスライダ301に締着固定するための螺子325とを備えている。調節部材321は円板状の部材であり、段部307の段部307に形成された略円形の調節部材収容部322内に偏心回転可能に収容されている。調節部材321の外周面は、ラッチ303と当接してその回動を規制する規制部321aとして機能する。段部307の前端307aには、調節部材321をラッチ303側に出没させるための開口部323が調節部材収容部322と連通させて形成されている。
調節部材収容部322の底部の中央部には、図示しない螺子孔が形成されている。一方、調節部材321には、図示しない螺挿通孔が偏心した位置に形成されている。調節部材321は、螺子325をその螺挿通孔に挿通し、調節部材収容部322の螺子孔に螺合させて締め付けることにより、調節部材収容部322内に収容された状態でスライダ301に固定されている。調節部材321は、螺子325を緩めれば回動可能となる。
調節部材321は、円板状の部材であり、その回動中心すなわち螺挿通孔の中心が偏心しているため、これを回動させることによって、段部307の前端307aからの規制部321aの出没量を無段階に調節可能である。そして、螺子325を締めれば、その時の規制部321aの出没量を保った状態でスライダ301に固定される。
この第3の実施形態の構成によれば、調節部材321を回動させることにより、調節部材321が収容されている段部307の前端307aからの規制部321aの出没量を無段階に調節することができる。すなわち、調節部材321を回動させることにより、ラッチ303と調節部材321の規制部321aとの相対位置を無段階に調節することができる。この相対位置調節により、緩衝機構140を作動させるためのカムとして機能するラッチ303の回動可能範囲を調節することができるので、緩衝機構140による引戸200に対する制動力を容易に無段階に調節できる。したがって、引戸200の重量や走行性のばらつきに対し柔軟に対応でき、微調節も可能である。したがって、引戸200の重量や走行性のばらつきに対しより柔軟に対応できる。図9は引戸200に作用する制動力の強さが最も小さくなるように調節した状態を示している。図10は引戸200に作用する制動力の強さが最も大きくなるように調節した状態を示している。
上記の例では、その滑らかな外周面を規制部321aとして有する調節部材321を備えた装置構成について説明したが、その外周面に段差を形成するなどして段階的に偏心した規制部を有する調節部材321を使用すれば、緩衝部材としてのラッチ303の回動できる範囲を容易に段階的に調節できる。この構成によれば、調節部材321を回動させることにより、緩衝機構140による引戸200に対する制動力を容易に段階的に調節できる。
なお、上記実施形態では、ラッチ303のエッジ部313が押付部材309を介してブレーキパッド311をハウジング本体118の内側面114bに押圧する構成としたが、ラッチ303のエッジ部313がハウジング本体118の内側面114bを押圧する構成としてもよい。
[その他の実施形態]
上記実施形態では、本発明の緩衝装置110が引戸200の上端部に設けられている例を示したが、引戸200の下端部に本発明の緩衝装置110を設けることも可能である。
また、上記実施形態では、ストッパピン201を引戸200に取り付け、引戸クローザ110をレール90などの固定部材に取り付けた例を示したが、これとは反対に、ストッパピン201を固定部材に取り付け、引戸クローザ110を引戸200に取り付けてもよい。
本発明の緩衝装置は、開き戸装置や抽斗装置などその他の開閉装置の緩衝装置としても有効に利用可能である。
本発明の緩衝装置を備えた開閉装置としての上荷重タイプの引戸装置の主要部を例示する斜視図 図1の要部分解斜視図 本発明の第1の実施形態の緩衝装置の裏蓋を取り外した状態を示す平面図 本発明の第1の実施形態の緩衝装置の裏蓋を取り外した状態を示す平面図 緩衝装置の要部拡大図 緩衝装置の要部拡大図 緩衝装置の部分下面図 本発明の第2の実施形態の緩衝装置の要部分解斜視図 本発明の第3の実施形態の緩衝装置の裏蓋を取り外した状態を示す平面図 本発明の第3の実施形態の緩衝装置の裏蓋を取り外した状態を示す平面図
符号の説明
90 ガイドレール
100 引戸装置
110 引戸クローザ(緩衝装置)
112 ハウジング本体(固定要素)
112c 操作孔
116 底板部
118 ストッパガイド
119 ラッチガイド
120 捕捉引込機構
121 スライダ(摺動部材)
122a 回転軸
123 引張ばね(弾性体)
131 駒収容部
131b 係合凹部
131c 係合凹部
132 ブレーキプレート(固定要素に固定された部材)
134 押付部材
135 軸孔
136A 第1のブレーキパット
136B 第2のブレーキパット
138 ロータリダンパ
140 緩衝機構
140A 第1の緩衝機構
140B 第2の緩衝機構
152 ラッチ(緩衝部材)
152a ピン捕捉部
158 カム部
180 調節機構
181 回動規制駒(調節部材)
181a 係合凸部
183a 凸面
183b 凹面
184 操作爪
185 規制部
188 雌螺子孔
191 調節螺子
192 雄螺子部
193 ヘッド部
201 ストッパピン(被捕捉部材)
301 スライダ(摺動部材)
302 捕捉部
303 ラッチ(捕捉部材)
304 ピン導入路
305 軸孔
306 支軸
307 段部
309 押付部材
311 ブレーキパット
321 調節部材
321a 規制部
322 調節部材収容部
323 開口部
325 螺子

Claims (1)

  1. 固定部材に対して開閉部材を移動可能に保持してなる開閉装置において、前記固定部材と前記開閉部材のいずれか一方の部材に緩衝機構を設けるとともに他方の部材に緩衝機構作動部を設け、前記開閉部材が閉じられる際、前記緩衝機構作動部を前記緩衝機構に当接させることにより、前記緩衝機構を作動させて前記固定部材に対する前記開閉部材の移動を緩衝するように構成した緩衝装置であって、
    前記緩衝機構は、
    前記一方の部材に固定された固定要素と、
    前記固定要素に対して前記緩衝機構作動部の移動方向に摺動可能に保持された摺動部材と、
    前記摺動部材と共に前記緩衝機構作動部の移動方向に移動し、前記開閉部材が閉じられる際、前記緩衝機構作動部が当接することにより回動して前記固定要素又は前記固定要素に固定された部材との間にその回動量に応じた摩擦による制動力を発生させる緩衝部材と、
    前記緩衝部材の回動できる範囲を調節する調節機構と、を具備し
    前記調節機構は、
    前記摺動部材の摺動方向に対して直交する方向に移動可能に前記摺動部材に取り付けられた調節部材を具備し、前記調節部材は前記緩衝部材と当接してその回動を規制する規制部を有し、前記規制部は前記緩衝部材に面して段階的に又は連続的に設けられていることを特徴とする緩衝装置。
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