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JP4836667B2 - 薄板保持容器 - Google Patents
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JP4836667B2 - 薄板保持容器 - Google Patents

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Description

本発明は薄板保持容器に関する。本発明は、例えば、半導体ウエハ、磁気記録媒体ディスク、光記録媒体ディスク、液晶用ガラス基板、フレキシブル表示装置用フィルム基板などの電子デバイス用薄板の搬送、保管、処理等のために保持する薄板保持容器に適用し得ると共に、そのような薄板保持容器における2物体結合解除機構に適用し得る。
近年、半導体ウエハ等の電子デバイス用の薄板では、さらなる薄型化が求められている。このため、寸法の大小に係わらず、各薄板が極薄になって、破損しやすくなっている。また、板厚が変化しない場合でも外形の大型化の進展によって、板厚と外径とのアスペクトの観点から見て相対的に薄板化が進んできている。
このような極薄の薄板を収納して保管、搬送するための容器としては、特許文献1に記載の多段式収納カセットが知られている。この多段式収納カセットは、厚みが20〜100μmの極薄ウエハの外周面にチッピングを生じることなく、かつ、パッドへの吸着ミスなく搬出できる収納カセットである。具体的には、この多段式収納カセット6は、図9に示すように、極薄ウエハWの直径より僅かに大きい直径の半円弧状ガイド4を平板3上より起立させた収納棚2の複数を、支柱5を介して等間隔で上下に平行に並べたものである。搬送ロボットの吸着パッドをウエハW上面に移動させ、ついで下降させてウエハを平板上に押圧することによりウエハの反りを無くしてから吸着パッドにウエハを吸着固定する。
ところで、上述のような多段式収納カセット6では、1つ1つのカセットを個別に分解して搬送する構成にはなっていない。仮に、このカセットを把持して搬送するとしても、カセットを正確に位置決めして支持することができない。このため、カセットの内部の半導体ウエハも正確に位置決めすることができず、外部の処理装置等にスムーズに受け渡すことが難しいという問題がある。
そのため、本件出願人は、薄板を収容する複数の載置トレイを結合して構成される薄板保持容器であって、載置トレイ同士の結合、解除を容易に行うことができ、1枚の載置トレイ単体での搬送をも可能とするものを研究、開発している(例えば、特願2005−350744号)。
一般的に、2物体の結合解除機構として、係止爪及び嵌合穴を用いたものや、磁石を利用したものなどがある。前者の結合解除機構及び後者の結合解除機構は共にメリットを有するが、塵埃などの発生を極力させる環境で使用される結合解除機構として、後者の結合解除機構が利用されることもある。例えば、特許文献2には、一方の物体には第1の磁石を固定的に設け、他方の物体には第2の磁石を筐体内で移動可能に設け、第1の磁石に対し、第2の磁石の位置を変化させることで、結合又は解除を行う機構が記載されている。
特開2004−273867号公報 国際公開番号WO98/56676
しかしながら、特許文献2に記載の2物体の結合、解除方法は、2物体が分離している状態(結合解除状態)においても、各物体が有する磁石の磁束が外部に漏れ出しており、その漏洩磁束量が外部機器や当該結合、解除方法を採用している機器等に悪影響を及ぼす恐れがある。例えば、当該物体の近傍に磁性材料でなる物体があればそれを吸引しようとして悪影響を及ぼしたり、また、当該物体の近傍に電気機器又は磁気的な機器が存在すれば漏洩磁束がその動作などの精度を低下させる悪影響を及ぼしたりする恐れがある。
また、特許文献2に記載の2物体の結合、解除方法は、N極及びS極を有する磁石(第2の磁石)そのものの移動であるため、載置トレイ間の結合解除機構に適用した場合、載置トレイを大きなものとする恐れがある。
特許文献2には、また、第2の磁石として電磁石を適用し、第2の磁石を移動させる代わりに、電磁石の通電のオンオフによって、第1の磁石に対し、第2の磁石(電磁石)が結合又は解除を行う機構が記載されている。このような機構でも、電磁石及び通電構成が必要であるため、載置トレイ間の結合解除機構に適用し難いものである。また、第1の磁石を有する物体側については上述した漏洩磁束の悪影響の課題がある。
そのため、磁力を結合、解除に利用しながら、漏洩磁束量を抑え、構成の小型化を達成することができる薄板保持容器が望まれている。
発明は、互いに結合したとき、その間隙に薄板を狭持して保持収納する載置トレイの積層集合体を含む薄板保持容器であって、相前後する第1及び第2の載置トレイを結合、解除する結合・解除手段が、(1)磁束発生源と、この磁束発生源からの磁束を通過させる軟磁性材料で形成された磁気回路配線とでなる、上記第1の載置トレイに設けられた磁気回路と、(2)上記第1及び第2の載置トレイが結合したときに、上記磁気回路と結合して磁気回路の一部を構成する軟磁性材料からなる、上記第2の載置トレイに設けられた磁束受部と、(3)上記磁気回路の途中に挿入されて、上記磁気回路を、上記第1及び第2の載置トレイ間に亘る第1の閉状態と、上記第1の載置トレイに内在する第2の閉状態と、開状態との間で切り替える上記第1の載置トレイに設けられた磁気回路スイッチとを有することを特徴とする。
本発明の薄板保持容器によれば、磁力を結合、解除に利用しながら、漏洩磁束量を抑え、構成の小型化を達成することができる。
(A)第1の実施形態
以下、本発明による薄板保持容器の第1の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図2は、第1の実施形態に係る薄板保持容器の概略構成を示す斜視図である。図3は、載置トレイの下側面側から見た概略斜視図である。なお、薄板保持容器や載置トレイには上下左右という概念はないものであるが、以下の説明においては、図2の状態の上下左右で、各構成要素の上下左右に言及する。
図2において、薄板保持容器11は、主に、一対のベーストレイ12と、各ベーストレイ12の間に挿入される1又は複数の載置トレイ13と、各載置トレイ13の間やベーストレイ12と載置トレイ13との間を互いに結合し、結合解除する結合・解除手段14(図1参照)とから構成されている。
ベーストレイ12は、複数積層された載置トレイ13の上端面及び下端面を保護すると共に半導体ウエハWの研磨等の処理を行う機械装置(図示せず)に係合するためのトレイである。ベーストレイ12は、ほぼ円盤状に形成されている。ベーストレイ12の周縁には、互いに対向する2箇所の位置に後述する把持部21が設けられている。ベーストレイ12は、上ベーストレイ12Aと下ベーストレイ12Bとからなり、1又は複数枚積層された載置トレイ13の上下の端部に設けられている。上ベーストレイ12Aの上側面には、機械装置との機械的結合を行うための3つの装置ピン溝16が一体的に形成されている。この3つの装置ピン溝16は、処理装置側のキネマチックピン(図示せず)に嵌合して薄板保持容器11の位置決めを行うための溝である。この装置ピン溝16は、下ベーストレイ12Bの下側面にも同様に一体的に設けられている。
上ベーストレイ12Aの下側面は、後述する載置トレイ13の下側面の第2載置部19と同様に形成されている。下ベーストレイ12Bの上側面には、後述する載置トレイ13の上側面の第1載置部18と同様の第1載置部が設けられている。
各載置トレイ13は、各ベーストレイ12の間に挿入されて半導体ウエハWを収納支持するためのトレイである。載置トレイ13は、ベーストレイ12と同様の周囲形状を有している。載置トレイ13は、第1載置部18と、第2載置部19と、結合・解除手段14と、把持部21とを備えて構成されている。
第1載置部18は、図2に示すように、半導体ウエハWを載置するための部分である。第1載置部18は、載置トレイ13の上側面に、半導体ウエハWの大きさに合わせて形成されている。第1載置部18に載置される半導体ウエハWは円形であるため、第1載置部18は、それに合わせて円形に形成されている。例えば、直径300mm、厚さ50〜750μm程度の半導体ウエハWに合わせて設定される。なお、半導体ウエハWの表面には保護シートが貼付される場合があり、この場合は保護シートの厚さ分だけ厚くなる。第1載置部18の表面は平坦面状に形成され、半導体ウエハWの下側面全面に当接して支持するようになっている。なお、第1載置部18又は第2載置部19の少なくとも一方には、半導体ウエハWをトレイ載置面内の設定位置に規制するための抜け防止構造(図示せず)が形成されている。この抜け防止構造は具体的には、半導体ウエハWの外周部に沿った円形状又は円弧形状であって、段差状あるいは突起状に形成されている。
第1載置部18の外周縁にはシール保持溝23が設けられている。このシール保持溝23は、シール材24を保持するための溝である。シール保持溝23は、第1載置部18の外周縁に円環状に形成されている。これにより、第1載置部18と第2載置部19とシール材24とで収納空間が構成されている。シール材24は、シール保持溝23に嵌合された状態で、2つの載置トレイ13が積層されて各載置トレイ13が互いに結合されたときにできる収納空間を囲繞するように設けられ、この収納空間を外部環境から隔離して気密に保つようになっている。この収納空間は、少なくとも1枚の半導体ウエハWを収納できる大きさに設定されている。収納空間は、用途に応じて、2枚以上の半導体ウエハWを同時に収納する場合もある。この場合、収納空間は、2枚重ね又はそれ以上重ねた半導体ウエハWの厚さに応じた寸法に設定される。
第2載置部19は、図3に示すように、他の載置トレイ13の第1載置部18に係合して外部環境と隔離した上記収納空間を形成すると共に、当該収納空間内で半導体ウエハWを挟み持って上下を逆にした際にも半導体ウエハWを載置して支持するための部分である。
第2載置部19は、第1載置部18に載置された半導体ウエハWを、その上側から覆ってできる上記収納空間内に収納して支持する。第2載置部19は、第1載置部18と同じ寸法に形成されている。
第1載置部18及び第2載置部19の表面全面には、詳細に見れば、載置凸部26が設けられている。この載置凸部26は、第1載置部18に載置された半導体ウエハWをその両側から押圧して支持するための部材である。載置凸部26は、網目状に形成されている。載置凸部26を網目状に形成するのは、載置凸部26が半導体ウエハWと最小面積で接触するようにすると共に、半導体ウエハWの全面を均等に押圧するためである。これにより、網目状の載置凸部26は、半導体ウエハWに最小面積で接触し、半導体ウエハWの全面を均等に押圧することで、第1載置部18と第2載置部19との間の収納空間で極薄の半導体ウエハWを挟んで確実に支持するようになっている。なお、第1載置部18については、いくつかの図で載置凸部26を設けないものもあるため、便宜的に載置凸部26の記載を省略した形で説明しているだけであり、上述のように第1載置部18にも載置凸部26が設けられている。第2載置部19の載置凸部26の構成及び動作は、第1載置部18に設けられる載置凸部26にもそのまま適用される。
第2載置部19の外周縁にはシール受け溝28が設けられている。このシール受け溝28は、第1載置部18側のシール保持溝23に保持されたシール材24が密着して上記収納空間内の気密性を向上させるための部分である。
図1は、図2におけるI−I線沿った、1枚の載置トレイ13についての概略断面図であり、図4は、結合・解除手段14の拡大断面図である。図4は、3枚の載置トレイ13−1〜13−3を示している。
結合・解除手段14は、図1及び図4に示すように、磁束発生源としての永久磁石30と、この永久磁石30からの磁束の通路として機能する、それぞれ左右に設けられている磁気回路配線31(31L、31R)、32(32L、32R)と、永久磁石30、磁気回路配線31及び32でなる磁気回路を磁気的に遮断、接続する磁気回路スイッチ33と、他の載置トレイ13の磁束を受け付ける磁束受部34と、スイッチ操作孔35とを有している。
永久磁石30、磁気回路配線31、32及び磁気回路スイッチ33は、載置トレイ13の厚み方向の上半分側に設けられており、磁束受部34は、載置トレイ13の厚み方向の下半分側に設けられている。
この第1の実施形態の場合、磁気回路スイッチ33は、スイッチ操作孔35から挿入された図示しない操作子の操作によって、図4の左右方向に直動する板状又は棒状のものである。磁気回路スイッチ33は、直動方向に間隔をもって設けられている第1及び第2の磁気スイッチオン部331及び332と、図4で左右の磁気回路配線32を適宜連結する、第1及び第2の磁気スイッチオン部331及び332の中間に設けられている磁気架橋部333とを磁気回路要素として備え、その他の部分は非磁性材料で構成されている。その他の部分における非磁性材料は高分子材料に限定されず、非磁性金属であっても良い。
第1及び第2の磁気スイッチオン部331及び332と、磁気架橋部333と、磁気回路配線31、32と、磁束受部34とは、磁気回路スイッチ33の位置に応じて、図4に示す3種類の磁気回路状態を達成できる位置に設けられている。
図4において、1番目の載置トレイ13−1における磁気回路の状態(第1の磁気回路状態)は、例えば、当該載置トレイ13−1が薄板保持容器11から分離されて単独で搬送などが実行される状態でのものである。第1の磁気回路状態では、永久磁石30のN極からの磁束は、左下の磁気回路配線31L−第1の磁気スイッチオン部331−左上の磁気回路配線32L−磁気架橋部333−右上の磁気回路配線32R−第2の磁気スイッチオン部332−右下の磁気回路配線31Rという経路で、永久磁石30のS極に至るようになされている。載置トレイ13−1の構成要素だけで磁気的な閉ループを構成させて磁気漏れを抑え、外部への悪影響を最小限にするようにしている。
図4において、2番目の載置トレイ13−2における上側磁気回路の状態(第2の磁気回路状態)は、遮断されている磁気回路である。例えば、結合状態にあった2枚の載置トレイ13−1及び13−2を分離させる際には、下側の載置トレイ13−2の磁気回路スイッチ33を第2の磁気回路状態にする。第2の磁気回路状態では、左下の磁気回路配線31L及び左上の磁気回路配線32L間は、磁気回路スイッチ33の非磁性材料部分によって磁気的に遮断され、左上の磁気回路配線32L及び右上の磁気回路配線32R間も、磁気回路スイッチ33の非磁性材料部分によって磁気的に遮断され、右上の磁気回路配線32R及び右下の磁気回路配線31R間も、磁気回路スイッチ33の非磁性材料部分によって磁気的に遮断されている。第2の磁気回路状態は、磁気的な開ループになっているが、載置トレイ13−2の上の表面に面している左上の磁気回路配線32L及び右上の磁気回路配線32Rには磁束が流れないので、他の載置トレイ13−1の磁束受部34が近接していてもその磁束受部34(従って、他の載置トレイ13−1)を引き寄せることはない。
図4において、3番目の載置トレイ13−3における上側磁気回路の状態(第3の磁気回路状態)は、2番目の載置トレイ13−2を吸着している結合状態の磁気回路である。第3の磁気回路状態では、永久磁石30のN極からの磁束は、左下の磁気回路配線31L−第1の磁気スイッチオン部331−左上の磁気回路配線32L−磁束受部34−右上の磁気回路配線32R−第2の磁気スイッチオン部332−右下の磁気回路配線31Rという経路で、永久磁石30のS極に至るようになされている。第3の磁気回路状態では、第1の磁気回路状態における磁気架橋部333に代えて、他の載置トレイ13−2の要素である磁束受部34を利用して磁気的な閉ループを構成させ、両載置トレイ13−2及び13−3を結合させている。第3の磁気回路状態も、第1の磁気回路状態と同様に、磁気的な閉ループを構成しているので、磁気漏れを抑え、外部への悪影響を最小限にし得る。
永久磁石30には、例えば、ネオジウム鉄系永久磁石、ネオジウム鉄コバルト系永久磁石、サマリウムコバルト系永久磁石を適用する。これらの種類の永久磁石は、図5に示すようなヒステリシス曲線において、残留磁束密度Brと保持力Hcとの積が大きく効率的に磁気回路を構成することができる。すなわち、結合・解除手段14の大きさを小さくした上で、結合時の結合力(吸引力)を大きくできるので、上記種類の永久磁石が好ましい。
磁気回路配線31、32、磁束受部34、第1及び第2の磁気スイッチオン部331及び332、磁気架橋部333などの磁気回路の要素は、磁束を通過させるが、磁束が供給されない状態では磁力(保持力)を発生させない軟磁性材料からなる。このような磁気回路要素に適用できる軟磁性材料は、例えば、純鉄、ケイ素鋼、フェライト、センダスト、パーマロイ、スーパーマロイ(商品名)などの、磁束が流れやすい高透磁率材料を適用する。
磁気架橋部333の磁気回路として接触する表面には、少なくとも厚み500μm程度以下の高分子材料で被覆されていることが、さびを防止すると共に、塵埃を抑える面から好ましい。ここで、厚みは、磁気回路配線32L、32Rと磁気架橋部333との間の吸着力を妨げない程度(少なくとも500μm程度以下)に選定する。磁気架橋部333の表面を被覆する高分子材料としては、フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリカーボネートを適用できる。磁気架橋部333の表面を被覆する高分子材料が、載置トレイ13を構成する高分子材料と同じであれば、磁気回路を構成しない部分との接触時に接触部分との親和性が良好となって好ましい。
なお、磁気架橋部333以外でも、磁気吸引力を妨げない程度に高分子材料を被覆するようにしても良い。
結合・解除手段14は、図6に示すように、ベーストレイ12及び載置トレイ13が積層されると、各載置トレイ13の間や、ベーストレイ12と載置トレイ13の間を互いに固定して一体となって薄板保持容器11を構成させる。このような一体化状態では、結合・解除手段14は、上述した第3の磁気回路状態をとっている。
把持部21は、外部の機械装置側の処理アームが嵌合して把持するための部分である。把持部21は、図2に示すように、載置トレイ13の対向する側面(左右側面)に、それぞれ設けられている。把持部21は、その縦断面形状を楔状に形成されている。すなわち、把持部21の縦断面形状は、上下方向の位置決めをする、互いに傾斜した2つの傾斜面を備えて構成されている。図示しない処理アームの保持機構はV溝構造になっている。この保持機構のV溝部分が把持部21の2つの傾斜面と接触して互いに嵌合することで、載置トレイ13の上下方向が位置決めされるようになっている。なおここでは、把持部21の縦断面形状を楔状にしたが、上下方向の位置決めをする、互いに傾斜した2つの傾斜面を備えた構造であれば、楔状以外の構造でも良い。把持部21の左右方向の位置決めは、把持部21の両端壁が、保持機構の端壁と当接して行われる。
載置トレイ13は、非帯電性又は導電性の高分子材料で形成されている。さらに、載置トレイ13の第1載置部18及び第2載置部19の部分が透明になる高分子材料で形成されている。
載置トレイ13の具体的な材料としては、ポリカーボネート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリメタクリル酸メチル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などの熱可塑性高分子材料やフッ素系樹脂などを用いることができる。これらの高分子にカーボンファイバーや金属パウダーなどの導電材料を混合したり、界面活性剤を混合したりすることによって、導電性や非帯電性を付与することができる。
弾性のある材料としては、ポリブチレンテレフタレート系樹脂やポリエチレンエラストマ−やポリブチレンエラストマ−などがある。また、ほとんどの有機高分子材料はシリコンよりも柔らかいため、半導体ウエハWよりも柔らかい材料であることは、あまり意識する必要はない。なお、半導体ウエハWよりも柔らかい材料として、ほとんどの有機高分子材料を用いることができるが、半導体ウエハWと直接接する場所には、有機高分子材料の中でも弾性を有してより柔らかい材料であるポリブチレンテレフタレート系樹脂などを用いるのが望ましい。
透明な材料としては、ポリカーボネート系樹脂、ポリメタクリル酸メチル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂などがある。
なお、上記弾性、非帯電性又は導電性の機能を満たす高分子材料と別の種類の高分子材料を使用してもよい。この場合は、載置トレイ13の第1載置部18及び第2載置部19の部分のみ、又はその一部を透明な高分子材料で形成する。載置トレイ13のみ、又はその一部を透明な高分子材料で形成しても良い。
以上のように構成された薄板保持容器11は、次のようにして使用される。まず、薄板保持容器11を構成する方法を説明する。
まず、保持する半導体ウエハWの枚数に合わせて載置トレイ13を用意する。そして、各半導体ウエハWを各載置トレイ13の第1載置部18に載置する。次いで、全ての載置トレイ13を積み重ねる。この積層前においては、各結合・解除手段14の磁気回路スイッチ33の位置を第1の磁気回路状態(図4の載置トレイ13−1の状態)にしておく。積層された後、スイッチ操作孔35から図示しないスイッチ操作子を挿入し、磁気回路スイッチ33の位置を第3の磁気回路状態(図4の載置トレイ13−3の状態)にする。
このような積層、結合状態においては、各載置トレイ13の第1載置部18に載置された半導体ウエハWは、上側の載置トレイ13の第2載置部19と、上記第1載置部18と、シール材24とによって収納空間が形成されて、外部環境と遮断される。さらに、半導体ウエハWは、第2載置部19の載置凸部26で押圧されて、この載置凸部26と第1載置部18とで、挟んで確実に支持される。
さらに、複数枚積層された各載置トレイ13の上下両側端部にベーストレイ12が取り付けられる。即ち、各載置トレイ13の上側に上ベーストレイ12Aが、下側に下ベーストレイ12Bが、結合・解除手段14によってそれぞれ取り付けられる。なおここでは、上ベーストレイ12A及び下ベーストレイ12Bを、複数の載置トレイ13が積層された後に取り付けているが、載置トレイ13と同時に積層されても良い。
1つの薄板保持容器11を構成したら、その薄板保持容器11を搬送する。次の搬送に供される半導体ウエハWの枚数が前回の薄板保持容器11よりも少ない場合又は多い場合には、それに応じて載置トレイ13の枚数を調整して対応する。
次いで、薄板保持容器11は、内部の半導体ウエハWの処理内容に応じた場所に搬送される。この薄板保持容器11は、搬送されてきた後、機械装置の図示しない載置台に載置される。このとき、機械装置側のキネマチックピンにベーストレイ12の装置ピン溝16が嵌合して薄板保持容器11が正確な位置に載置される。
次に、図7(A)、(B)に示すように、機械装置側の2つの保持機構42が載置トレイ13−mの各把持部21にそれぞれ嵌合して、処理対象の半導体ウエハWを保持した載置トレイ13−mを把持する。これにより、楔状の把持部21と保持機構42のV溝とで上下方向が、把持部21の両端壁と保持機構42側の端壁とで左右方向がそれぞれ位置決めされる。
次いで、図示しないスイッチ操作子が、その載置トレイ13−mより1段下の載置トレイ13−(m−1)の位置に移動して、スイッチ操作孔35に挿入され、載置トレイ13−(m−1)の磁気回路スイッチ33を操作して第2の磁気回路状態(図4の載置トレイ13−2の状態)にして結合・解除手段14の固定を解除し、図7(C)に示すように、保持機構42で把持された載置トレイ13−mが持ち上げられ、薄板保持容器11は、載置トレイ13−m、13−(m−1)間で切り離される。載置トレイ13−mが持ち上げられると、図示しないスイッチ操作子が、載置トレイ13−(m−1)の磁気回路スイッチ33を、第1の磁気回路状態(図4の載置トレイ13−1の状態)にするように操作する。
次いで、機械装置側の出し入れ機構(図示せず)が半導体ウエハWを支持して持ち上げて、処理するために外部に搬出される。半導体ウエハWが搬出された後は、そのまま待機する。また、必要に応じて、持ち上げた載置トレイ13−mを元に戻して、図示しないスイッチ操作子が、載置トレイ13−(m−1)の磁気回路スイッチ33を、第3の磁気回路状態(図4の載置トレイ13−3の状態)にするように操作する。
処理が終了した後の半導体ウエハWを薄板保持容器11に収納する場合は、出し入れ機構で支持された半導体ウエハWを第1載置部18に載置する。載置トレイ13−m、13−(m−1)を結合している場合は、戻したい位置の上の載置トレイ13−mを上記同様にして切り離して保持機構42で持ち上げてから載置トレイ13−(m−1)に載置する。その後は、保持機構42で持ち上げた載置トレイ13−mを降ろし、図示しないスイッチ操作子が、載置トレイ13−(m−1)の磁気回路スイッチ33を、第3の磁気回路状態(図4の載置トレイ13−3の状態)にするように操作し、最結合させる。これで、半導体ウエハWの収納は完了する。
他の位置の半導体ウエハWを処理する場合は、その位置の載置トレイ13を上記同様に切り離して、その内部の半導体ウエハWを取り出して行う。
半導体ウエハWの反対面を処理する場合は、薄板保持容器11を反転させてから機械装置に載置し、上記処理を行う。
薄板保持容器11に対する切り離しを2回行うことにより、1枚又は複数枚でなる一部の載置トレイ13群を、薄板保持容器11から分離して取り出すことができる。この分離時にも、分離位置の下側の載置トレイに対し、磁気回路スイッチ33を操作して、第3の磁気回路状態から第2の磁気回路状態にして分離し、その後、第1の磁気回路状態にする。
第1の実施形態によれば、1個の永久磁石を用い、その永久磁石からの磁束の磁気回路の一部を構成するものとして、他の載置トレイの軟磁性材料からなる磁束受部を用い、磁気回路スイッチによる磁気回路の接続、遮断によって、載置トレイ間の結合、解除を行うようにしたので、磁力結合のために、2枚の載置トレイが共に磁力を働き合う磁石を持っていなくてすみ、結合、解除構成を小型のものとし得る。
また、第1の実施形態によれば、分離状態においても、1枚の載置トレイだけで構成される磁気回路の閉ループ状態を用意したので、分離状態で磁束が外部に漏れて悪影響を与えることを防止することができる。
(B)第2の実施形態
次に、本発明による薄板保持容器の第2の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
第2の実施形態は、結合・解除手段(第2の実施形態では符号14Aを用いる)の具体的な構成だけが第1の実施形態と異なっている。第1の実施形態は磁気回路スイッチ33が直動するものであったが、第2の実施形態は磁気回路スイッチが回動又は揺動するものである。以下では、第2の実施形態における結合・解除手段14Aの構成、作用について説明する。
図8は、第2の実施形態における結合・解除手段14Aの構成を示す図面である。図8(A1)〜(A3)は回転軸の軸方向から見た概略正面図であり、図8(B1)〜(B3)は図8(A1)〜(A3)のそれぞれに対する概略右側面図である。
図8(A1)及び(B1)は、第1の実施形態で説明した第1の磁気回路状態(分離時閉ループ状態)に相当する状態を示しており、図8(A2)及び(B2)は、第1の実施形態で説明した第2の磁気回路状態(分離時開ループ状態)に相当する状態を示しており、図8(A3)及び(B3)は、第1の実施形態で説明した第3の磁気回路状態(結合時閉ループ状態)に相当する状態を示している。
図8において、永久磁石100には、磁気回路配線部材101L及び101Rに接続している。図8(B1)〜(B3)において、磁気回路配線部材101L及び101Rは、永久磁石100から左右に延びた後、図8(B1)〜(B3)の紙面法線方向の奥側に曲がっており、曲がっている先端側は、図8(A1)〜(A3)に示すように円弧状となっている。
図8(A1)〜(A3)に示すように、磁気回路配線部材101L及び101Rの円弧状先端部と離間している円弧状部分102L及び102Rを有する磁気回路配線部材103L及び103Rが設けられている。磁気回路配線部材103L及び103Rは、図8(B1)〜(B3)に示すように、円弧状部分102L及び102Rを取り付けていてしかも上方に延びている部分104L及び104Rと、そこから内方に向かっている部分105L及び105Rとからなる。両者の内方に向かっている部分105L及び105Rの対向面には、円弧状に延びている磁気回路配線部材106L及び106Rが設けられている。磁気回路配線部材106L及び106Rは、互いに離間している。
回転軸110には、2個の磁気回路オンオフ部材111L及び111R、磁気架橋部材113が、回転軸110の回転と共に回転するように取り付けられている。
磁気回路オンオフ部材111L及び111Rは、概ね直角に曲がった部材であり、曲がり角部が回転軸110に取り付けられており、磁気回路オンオフ部材111L及び111Rの2つの先端部分112L1、112L2、及び、112R1、112R2は円弧状をしており、その円弧状部分112L1、112L2、及び、112R1、112R2には軟磁性材料が設けられている。
磁気回路オンオフ部材111Lの円弧状部分112L1及び112L2はそれぞれ、磁気回路配線部材101Lの円弧状先端部と、磁気回路配線部材103Lの円弧状部分102Lとを磁気的に接続し得るものである。同様に、磁気回路オンオフ部材111Rの円弧状部分112R1及び112R2はそれぞれ、磁気回路配線部材101Rの円弧状先端部と、磁気回路配線部材103Rの円弧状部分102Rとを磁気的に接続し得るものである。
磁気架橋部材113は、回転中心から延びてその先端が円弧状をしており、その円弧状部分114には軟磁性材料が設けられている。磁気架橋部材113の円弧状部分114は、離間している磁気回路配線部材106L及び106Rを磁気的に接続し得るものである。
磁気架橋部材113は、磁気回路オンオフ部材111L、111Rの一方の円弧状部分112L1、112R1が、磁気回路配線部材101L、101Rの円弧状先端部と、磁気回路配線部材103L、103Rの円弧状部分102L、102Rとを磁気的に接続しているときに、離間している磁気回路配線部材106L及び106Rを磁気的に接続するように、回転軸100に取り付けられている。
図8(A1)及び(B1)に示す第1の磁気回路状態(分離時閉ループ状態)では、永久磁石100のN極から出た磁束は、磁気回路配線部材101L−磁気回路オンオフ部材111Lの円弧状部分112L1−磁気回路配線部材102L−磁気回路配線部材106L−磁気架橋部材113−磁気回路配線部材106R−磁気回路配線部材102R−磁気回路オンオフ部材111Rの円弧状部分112R1−磁気回路配線部材101Rの経路を経て永久磁石100のS極に戻る。
図8(A2)及び(B2)に示す第2の磁気回路状態(分離時開ループ状態)では、磁気回路オンオフ部材111L、111Rが、そのいずれの円弧状部分112L1、112L2、112R1、112R2も、磁気回路配線部材101L、101Rの円弧状先端部と、磁気回路配線部材103L、103Rの円弧状部分102L、102Rとを磁気的に接続しない位置に位置されることにより、磁気回路を切断させている。
図8(A3)及び(B3)に示す第3の磁気回路状態(結合時閉ループ状態)では、永久磁石100のN極から出た磁束は、磁気回路配線部材101L−磁気回路オンオフ部材111Lの円弧状部分112L1−磁気回路配線部材102L−他の載置トレイの磁束受部34−磁気回路配線部材102R−磁気回路オンオフ部材111Rの円弧状部分112R1−磁気回路配線部材101Rの経路を経て永久磁石100のS極に戻る。
第2の実施形態によっても、磁気回路スイッチのオンオフ構成が第1の実施形態とは異なるが、第1の実施形態と同様な効果を奏することができる。
(C)他の実施形態
本発明の薄板保持容器が対象とする薄板の種類などは限定されるものではない。例えば、半導体ウエハ、磁気記録媒体ディスク、光記録媒体ディスク、液晶用ガラス基板、フレキシブル表示装置用フィルム基板などのいずれであっても良い。
上記各実施形態においては、磁束発生源が永久磁石であるものを示したが、電磁石であっても良い。この場合において、載置トレイは電磁コイルを備え、その電磁コイルに対する電流の供給源は外部(例えば、全ての載置トレイに共通)に設けられていても良い。
また、上記各実施形態においては、磁気回路スイッチの状態によって位置が変化する磁気架橋部分333、磁気架橋部材113を利用して、磁束をできるだけ表面から遠い位置を流れるように分離時閉ループを形成していたが、分離時閉ループを、磁気架橋部分、磁気架橋部材を用いることなく形成させても良い。
第1の実施形態に係る載置トレイの概略断面図である。 第1の実施形態に係る薄板保持容器の概略構成を示す斜視図である。 第1の実施形態の載置トレイを下側面側から見た概略斜視図である。 第1の実施形態における結合・解除手段の詳細構成を示す概略断面図である。 第1の実施形態における永久磁石として適用できる種類の機能の説明図である。 第1の実施形態に係る薄板保持容器の概略断面図である。 第1の実施形態に係る薄板保持容器の結合、解除の説明図である。 第2の実施形態における結合・解除手段の詳細構成を示す図面である。 従来の薄板保持容器を示す正面図である。
符号の説明
11:薄板保持容器、12:ベーストレイ、13:載置トレイ、14、14A:結合・解除手段、18:第1載置部、19:第2載置部、21:把持部、23:シール保持溝、24:シール材、26:載置凸部、28:シール受け溝、30:永久磁石30、31(31L、31R)、32(32L、32R):磁気回路配線、33:磁気回路スイッチ、34:磁束受部35:スイッチ操作孔、42:保持機構、100:永久磁石、101L、101R、103L、103R、106L、106R:磁気回路配線部材、110:回転軸、111L、111R:磁気回路オンオフ部材、113:磁気架橋部材、W:半導体ウエハ。

Claims (6)

  1. 互いに結合したとき、その間隙に薄板を狭持して保持収納する載置トレイの積層集合体を含む薄板保持容器であって、
    相前後する第1及び第2の載置トレイを結合、解除する結合・解除手段が、
    磁束発生源と、この磁束発生源からの磁束を通過させる軟磁性材料で形成された磁気回路配線とでなる、上記第1の載置トレイに設けられた磁気回路と、
    上記第1及び第2の載置トレイが結合したときに、上記磁気回路と結合して磁気回路の一部を構成する軟磁性材料からなる、上記第2の載置トレイに設けられた磁束受部と、
    上記磁気回路の途中に挿入されて、上記磁気回路を、上記第1及び第2の載置トレイ間に亘る第1の閉状態と、上記第1の載置トレイに内在する第2の閉状態と、開状態との間で切り替える上記第1の載置トレイに設けられた磁気回路スイッチと
    を有することを特徴とする薄板保持容器。
  2. 上記磁気回路、上記磁束受部及び上記磁気回路スイッチは、上記第1及び第2の載置トレイが互いに結合しているときは磁束閉ループを構成し、上記第1及び第2の載置トレイを分離するとき磁束開ループを構成し、完全に分離後は、上記磁気回路及び上記磁気回路スイッチは、当該磁気回路スイッチと連動して動作する磁気架橋部によって磁束閉ループを構成することを特徴とする請求項に記載の薄板保持容器。
  3. 上記磁気架橋部の表面は、少なくとも厚み500μm程度以下の高分子材料で被覆されていることを特徴とする請求項に記載の薄板保持容器。
  4. 上記磁気架橋部の表面を被覆している高分子材料は、フッ素樹脂又はポリプロピレン又はポリカーボネートであることを特徴とする請求項に記載の薄板保持容器。
  5. 上記磁束発生源は、永久磁石であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の薄板保持容器。
  6. 上記永久磁石は、ネオジウム鉄系永久磁石、ネオジウム鉄コバルト系永久磁石、サマリウムコバルト系永久磁石であることを特徴とする請求項に記載の薄板保持容器。
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