JP4837053B2 - 地下水流動測定方法 - Google Patents
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Description
これら地盤環境保全問題に対しても、精度の高い影響予測や効果的な対策工事を実施するためには地盤の透水係数だけでなく地下水の流向や流速を精度よく得ることがきわめて重要とされている。
また、ボーリング孔内に、おもり、糸、フロート、電極を利用した検出部から構成される測定器を挿入し、フロートの移動を電気的に測定して地下水の流向流速を測定する装置、測定方法も一般に知られている(実開昭60−70067号公報)。
また、下端部ヒンジ構造を有する画像処理技術を用いた連続式流向流速計測装置も一般に知られている(特開2005−345180)。
すなわち、地下水流動装置で低流速域での反応を敏感に取得できる測定体を使用した場合、流速が遅い、すなわち低流速での計測は良好に行えるが、わずかな流速変化によって、例えば浮きセンサなど測定体頭部の標点(マーク)がテレビカメラなど撮像カメラの撮影範囲から出てしまうため、速い流速、すなわち高流速での地下水の流速測定ができないとの課題があった。
かくして、本発明は、低流速域に対応させる、例えば長い浮きセンサで形成した測定体であって、前記低流速域での反応を敏感に取得できる地下水流動装置であっても、その測定体で同時に流れの速い、すなわち高流速の地下水流速も計測できる測定可能流速の範囲を大幅に改善させた地下水流動装置を使用した地下水流動測定方法を提供することを目的とするものである。
地中のボーリング孔内に地下水流動測定装置を挿入して設置し、該地下水流動測定装置内を通過する地下水内での被撮像物の揺動状態を撮像手段で撮影し、被撮像物の撮影像から地下水の流速と流向を連続かつ長時間測定可能な地下水流動測定装置を使用した地下水流動測定方法であり、
前記地下水流動測定装置には、内部に空間部を有して構成された装置本体を備え、
該装置本体内には、装置本体部内上部側に収納された撮像手段と、
該撮像手段の下側に設けられ地下水が通過する空間を有する測定部と、を有し、
前記測定部底面からは揺動可能な測定体が鉛直上方向に延出して立設され、
該測定体の頂部には地下水の遅い流速が計測可能な標点が形成されると共に、前記測定体の基部から測定体頂部側に亘っては、地下水の速い流速が計測可能な標点が間隔をあけて形成され、前記複数の標点が被撮像物とされ、
前記地下水流動測定装置の測定体取り付け位置は、ボーリング孔の中心位置にして、前記ボーリング孔外周における複雑挙動する地下水流線の影響を避けてなり、
地下水の遅い流速から早い流速にまで対応する前記複数の標点の移動量を撮像手段により測定して、該移動量と前記異なる流速との関係を示した関係図を予め作成しておき、ついで測定現場で前記複数の標点の移動量を前記撮像手段と同様の撮像手段により測定し、測定した複数の標点の移動量に該当するボーリング孔内の地下水流速を前記関係図を基に算定する、
ことを特徴とし、
または、
前記測定体はひも状をなして構成され、頂部には浮きが取り付けられた、
ことを特徴とし、
または、
前記測定体は円柱状をなして構成され、
前記地下水の速い流速が計測可能な標点は、前記円柱状測定体の側面を囲むように形成された、
ことを特徴とし、
または、
前記標点は、発光体物質により、あるいは受光することで撮像可能な輝度を有する物質により形成された、
ことを特徴とし、
または、
前記算出した複数の標点移動量からおのおの流速を算出し、算出された複数の流速値の平均値を地下水の流速値とする、
ことを特徴とし、
または、
前記算出した複数の標点移動量のうち、前記移動量が最大のものに対応する流速を算出し、算出された流速値を地下水の流速値とする、
ことを特徴とするものである。
すなわち、例えば、CCDカメラあるいはシーモスカメラなどのテレビカメラで撮影する装置内部に設置された測定体において、標点の配置を頂部部分だけはではなく、測定体の側面などに形成し、これら標点に蛍光塗料を塗布するなど認識アップのための特徴的な形成を施すことで、たとえ、測定体が測定すべき地下水の速い流速により大きく傾斜し、もって測定体の頂部が撮影範囲外になったとしても、前記述べた他の標点類は撮影範囲内に留まって明確に認識可能となっており、もって該標点類を用いて速い流速をも測定できるものとなる。
本実施例による地下水流動測定装置1は、内部に略円筒状の空間部2を有して構成された装置本体3を備えている。
また、前記測定部8の底面9からは揺動軸10を基点として揺動可能に構成された測定体5が鉛直方向に延出して立設されている。
さらに、該測定体5の頂部、例えば前記浮き11の上面には地下水4の遅い流速が計測できるように標点7−1が形成されている。
すなわち、ひも状の測定体5の長さが長いほど、換言すれば揺動軸10から標点7−1までの測定体5の長さが長いほど、地下水4の遅い水流に対しても敏感に反応させて、測定体5を傾斜させることができ、たとえ水流が遅くとも正確に測定することができるからである。
これら複数の標点7−2、7−3、7−4、7−5は地下水4の速い流速に対応させるべく設けられたものである。すなわち、測定すべき地下水4の流速が比較的速い場合、測定体5は図1から理解されるように前記揺動軸10を基点として、大きく地下水4の流速によって傾斜し、測定体5の頂部に形成された標点7−1が撮像カメラ6の撮像範囲12から外れてしまうことになる。
図10(a)、図10(b)は,静水中および流水中の測定体5、特に浮き11の頂部に設けられた標点7−1を撮像カメラ6により撮影した各画像例を示す。
当該図に示すように,静水中では測定体5は略鉛直に立っており,測定体5の浮き11頂部に設けられた標点7−1は取得画像の中心に位置している。
しかして、この測定体5の浮き11頂部に設けられた標点7−1の移動量(例えば、画像上の移動ピクセル数)を基に,地下水流速が算定できるのである。
また,地下水流向は,地下水流によって傾斜した測定体5の傾斜方向を内蔵方位計を基準にし,方位角として地下水流向を算定できる様に構成されている。
まず、予め地下水4の流速とそれにより測定体5がどの程度傾斜するかの関係を予め把握し、基準となるデータを作成しておく必要がある。
そのために例えば、予め室内実験装置を用意し、それにより基準データを作成しておく。
そして、測定体5の材料や径や長さを変えたりし,各測定体5の頂部に設けられた標点7−1の移動量と地下水流速の関係を予め正確に把握し,それらの関係式、関係図を求めておくのである(図3、図4,図5参照)。
このデータを予め求めておき、現場での複数標点の移動量と比較するのである。
しかして、測定現場において、地下水流動測定装置1を設置する(図1参照)。
そして、連続的に撮影し、撮像画像を取得していく。該画像は測定体5を上方から撮影して取得した画像である。
この移動量を画像解析によりピクセル数として定量的に算出する。
そして、上記予め算出してある標点7−1の移動量(ピクセル数)を基にして,事前に求めておいた関係式、関係図を用い,原位置のボーリング孔13内の地下水流速を算定するのである。
例えば,測定体5の頂部に設けられた標点7−1の移動量が125ピクセルとすると,関係曲線との交点を下にのばした点がボーリング孔内の地下の地下水流速(v=3.3×10-3m/s)として算定されるが如くである(図9参照)。
なお、撮像カメラ6で取得したデジタル画像を用いて標点7−1の中心位置の移動量(ピクセル数)を画像解析により算定する場合、写真座標の読み取り誤差が測定精度に影響を及ぼすことがある。
このことから,測定体5を構成する浮き11頂部の中心位置に設けた標点7−1の写真座標を精度良く読み取るために,該標点7−1を例えば、φ0.5mm程度の小さな丸点として構成し,該標点7−1の明度(黒:0〜白:255の256階調)による重み付き重心の値を写真座標として取得するものとした。
ところで、地下水の流速が時間により、あるいは季節などにより大幅に変化することがある。この様な場合、従来はその変化した流速に対応する測定体5に切り替えたり、場合によっては測定装置自体を交換しなければならなかった。なぜなら、地下水の流速が速くなった場合など撮像カメラ6の撮像範囲12から、標点7−1が外れてしまい、測定することが出来なくなってしまうからである。
よって、本実施例では複数の標点について移動量の測定を行い、それらの移動量に対応する流速を算出し、その流速にばらつきがあった場合にはその平均値を求め、かかる平均値の値を地下水の流速とすることにより、より正確な測定値が求められるように構成されている。
本実施例による地下水流動測定装置1は、内部に略円筒状の空間部2を有して構成された装置本体3を備えていること図1に示す実施例1と同様である。
また、前記測定部8の底面9からは揺動軸10を基点として揺動可能に構成された測定体5が鉛直方向に延出して立設されている。
さらに、該測定体5の頂部上面には地下水4の遅い流速が計測できるように標点7−1が形成されている。
すなわち、測定体5の長さが長いほど、換言すれば揺動軸10から標点7−1までの測定体5の長さが長いほど、地下水4の遅い水流に対しても敏感に反応させることができ、たとえ水流が遅くとも正確に測定することができるからである。
これら複数の標点7−2、7−3、7−4、7−5は地下水4の速い流速に対応させるべく設けられたものである。すなわち、測定すべき地下水4の流速が比較的速い場合、測定体5は図1から理解されるように前記揺動軸10を基点として、大きく地下水4の流速によって傾斜し、測定体5の頂部に形成された標点7−1が撮像カメラ6の撮像範囲12から外れてしまうことになる。
なお、本実施例では揺動軸10の構成については、図2から理解されるように、測定体5の基端部に球状をなす膨出部を形成し、該膨出部を底面に設けた凹部にはめ込み、いわゆるヒンジ構造にして揺動軸10の構成としたものである。
図10(a)、図10(b)は,静水中および流水中の測定体5、特に浮き11の頂部に設けられた標点7−1を撮像カメラ6により撮影した各画像例を示す。
当該図に示すように,静水中では測定体5は略鉛直に立っており,測定体5の頂部に設けられた標点7−1は取得画像の中心に位置している。
しかして、この測定体5の頂部に設けられた標点7−1の移動量(画像上の移動ピクセル数)を基に,地下水流速が算定できるのである。
また,地下水流向は,地下水流によって傾斜した測定体5の傾斜方向を内蔵方位計を基準にし,方位角として地下水流向を算定できる様に構成されている。
まず、予め地下水4の流速とそれにより測定体5がどの程度傾斜するかの関係を予め把握し、基準となるデータを作成しておく必要がある。
そのために例えば、予め室内実験装置を用意し、それにより基準データを作成しておく。
そして、測定体5の材料や径や長さを変えたりし,各測定体5の頂部に設けられた標点7−1の移動量と地下水流速の関係を予め正確に把握し,それらの関係式、関係図を求めておくのである(図6、図7,図8参照)。
このデータを予め求めておき、現場での複数標点の移動量と比較するのである。
しかして、測定現場において、地下水流動測定装置1を設置する(図2参照)。
この移動量を画像解析によりピクセル数として定量的に算出する。
そして、上記で算出した標点7−1の移動量(ピクセル数)を基にして,事前に求めておいた関係式、関係図を用い,原位置のボーリング孔13内の地下水流速を算定するのである。
なお、撮像カメラ6で取得したデジタル画像を用いて標点7− 1の中心位置の移動量(ピクセル数)を画像解析により算定する場合、写真座標の読み取り誤差が測定精度に影響を及ぼすことがある。
このことから,測定体5を構成する浮き11頂部の中心位置に設けた標点7−1の写真座標を精度良く読み取るために,該標点7−1を例えば、φ0.5mm程度の小さな丸点として構成し,該標点7−1の明度(黒:0〜白:255の256階調)による重み付き重心の値を写真座標として取得するものとした。
ところで、第1実施例でも説明したが、地下水の流速が時間により、あるいは季節などにより大幅に変化することがある。この様な場合、従来はその変化した流速に対応する測定体5に切り替えなければならなかった。なぜなら、地下水の流速が速くなった場合など撮像カメラ6の撮像範囲から、標点7−1が外れてしまうからである。
すなわち、図5に示すように、地下水の遅い流速から速い流速にまで対応する複数の標点の移動量が予め算出されており、もってこの算出データを基に、たとえ測定体5の頂部に設けられた標点7−1が撮像範囲外となったとしても、他の標点7―2,7−3,7−4,7−5のいずれか、あるいはそれらの複数が撮像範囲内に残っていれば地下水の流速が迅速、正確に測定できるのである。
よって、本実施例では複数の標点について移動量の測定を行い、それらの移動量に対応する流速を算出し、その流速にばらつきがあった場合にはその平均値を求め、かかる平均値の値を地下水の流速とすることにより、より正確な測定値が求められるように構成されている。
2 空間部
3 装置本体
4 地下水
5 測定体
6 撮像カメラ
7、7−1,7−2,7−3,7−4,7−5
標点
8 測定部
9 測定部の底面
10 揺動軸
11 係止片
12 撮像範囲
13 ボーリング孔
14 パッカー
Claims (6)
- 地中のボーリング孔内に地下水流動測定装置を挿入して設置し、該地下水流動測定装置内を通過する地下水内での被撮像物の揺動状態を撮像手段で撮影し、被撮像物の撮影像から地下水の流速と流向を連続かつ長時間測定可能な地下水流動測定装置を使用した地下水流動測定方法であり、
前記地下水流動測定装置には、内部に空間部を有して構成された装置本体を備え、
該装置本体内には、装置本体部内上部側に収納された撮像手段と、
該撮像手段の下側に設けられ地下水が通過する空間を有する測定部と、を有し、
前記測定部底面からは揺動可能な測定体が鉛直上方向に延出して立設され、
該測定体の頂部には地下水の遅い流速が計測可能な標点が形成されると共に、前記測定体の基部から測定体頂部側に亘っては、地下水の速い流速が計測可能な標点が間隔をあけて形成され、前記複数の標点が被撮像物とされ、
前記地下水流動測定装置の測定体取り付け位置は、ボーリング孔の中心位置にして、前記ボーリング孔外周における複雑挙動する地下水流線の影響を避けてなり、
地下水の遅い流速から早い流速にまで対応する前記複数の標点の移動量を撮像手段により測定して、該移動量と前記異なる流速との関係を示した関係図を予め作成しておき、ついで測定現場で前記複数の標点の移動量を前記撮像手段と同様の撮像手段により測定し、測定した複数の標点の移動量に該当するボーリング孔内の地下水流速を前記関係図を基に算定する、
ことを特徴とする地下水流動測定装置を使用した地下水流動測定方法。
- 前記測定体はひも状をなして構成され、頂部には浮きが取り付けられた、
ことを特徴とする請求項1記載の地下水流動測定方法。
- 前記測定体は円柱状をなして構成され、
前記地下水の速い流速が計測可能な標点は、前記円柱状測定体の側面を囲むように形成された、
ことを特徴とする請求項1記載の地下水流動測定方法。
- 前記標点は、発光体物質により、あるいは受光することで撮像可能な輝度を有する物質により形成された、
ことを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の地下水流動測定方法。
- 前記算出した複数の標点移動量からおのおの流速を算出し、算出された複数の流速値の平均値を地下水の流速値とする、
ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3または請求項4記載の地下水流動測定方法。
- 前記算出した複数の標点移動量のうち、前記移動量が最大のものに対応する流速を算出し、算出された流速値を地下水の流速値とする、
ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5記載の地下水流動測定方法。
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