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JP4837113B2 - ロボットを用いた嵌合装置 - Google Patents
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JP4837113B2 - ロボットを用いた嵌合装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ワークを対象物の穴に挿入する等の嵌合作業を、ロボットを用いて行う嵌合装置に関する。
ロボットを用いた嵌合装置を用いて、該ロボットの力制御によって嵌合作業を行う場合、ワークの姿勢誤差の修正は図7及び図8に示すような手順で行うことができる。すなわち、例えば図8(a)に示すように円柱状のワークW2をロボットで把持して嵌合方向D1に沿って移動させ、対応する嵌合穴H1を有するワークW1に嵌合させる場合、先ずワーク同士を接触させて両ワーク間の姿勢誤差に起因するモーメントMを検出する(図7のステップS101、図8(b))。次に、モーメントMが小さくなるように(或いはゼロに近付くように)ロボットの力制御を行いワークW2の姿勢を修正する(図7のステップS102、図8(c))。次にワークW2がワークW1の嵌合穴H1に対して所定の深さまで挿入されたかを判定し(図7のステップS103)、所定深さまで挿入されていなければステップS102に戻る。一方、ワークW2が所定深さまで挿入されていれば(図8(d))、嵌合完了と判断して処理を終了する(図7のステップS104)。
なお図7及び図8の例は姿勢誤差の修正に関するものであるが、位置誤差の修正に関しても同様の考え方が適用できる。ロボットの制御においては、ワーク同士に働く力及びモーメントと目標力及び目標モーメントとの差分に力制御ゲインというパラメータ量を乗算して指令速度及び角速度を計算する。力及びモーメントの検出やそれに応じた速度及び角速度指令量の計算は、制御周期毎に行われる。
上記の技術に加え、特許文献1には、把持した挿入部品が被挿入部品に接触したことを検出すると、挿入部品の把持力を弱め、把持部を平面内で移動して穴部の正確な位置を探索して部品の挿入位置を補正し、部品の把持力を再調整し、該部品を該穴部に挿入するという技術が記載されている。接触を認識したら被挿入部品の穴の位置を探索することで、挿入部品の位置が被挿入部品穴の位置から大幅にずれていても正しい穴の位置を探索することができるとされている。
また特許文献2には、並進成分だけでなく姿勢成分の探索動作を行う技術が記載されている。姿勢が大幅にずれているためにモーメントが検出されにくい状況においても、積極的に姿勢を変化させることでワークの適正な姿勢を探索することができるとされている。
さらに特許文献3には、大きさと方向が周期的に変化する振動力を嵌合部品に付加し、嵌合途中での噛付き解消を企図したロボット制御システムが開示されている。
特開平8−168927号公報 特開2004−167651号公報 特開2008−264910号公報
従来の制御方式には、姿勢誤差により生じるモーメントが小さいため、該モーメントに基づくワークの姿勢修正が難しいという問題がある。例えば図8(b)に示すように、ワークW2の姿勢誤差に起因するモーメントMは、ワークW2に作用する力F1とF2の合力により発生するモーメントであるが、力F1及びF2は概ね相反する向きに作用するため、この合力は各々の力よりも小さくなり、この小さな合力から得られるモーメントも結果として比較的小さいものとなる。つまり、このような小さいモーメントではワークの姿勢修正には不十分となる場合がある。特にロボットや嵌合ワークの剛性が低い場合、ワークの姿勢修正に必要なモーメントが検出されにくいという問題は顕著になる。一方、ワーク間の押付力を高めることで上記モーメントを大きくすることは可能ではあるが、同時にワークを損傷させる可能性も高まってしまう。
特許文献2は、上記問題を解決するための1つの方法を開示している。図9の4つのグラフは、特許文献2に記載の方法で探索動作をさせた場合の嵌合方向(ロボット進行方向)の位置(図9(a))、ワークに作用する嵌合方向(ワーク押付け方向)の力(図9(b))、ある方向回りのロボットの姿勢(図9(c))及びモーメント検出値(図9(d))の時間変化の一例を表す。ここでは簡単のため、姿勢成分の1成分のみに着目して考察する。図9(c)からわかるように、この例では押付動作を行いながらロボットの姿勢を周期的に変化させているが、姿勢が適正であるとき(図9(a)のL1部)は嵌合が進み、適正でないとき(図9(a)のL2部)は嵌合が進まない。従って、より短時間で嵌合作業を行え、さらに図9(b)のような力がワークに周期的に作用する頻度をより低減できる技術の提供が望まれる。
同様に特許文献3の技術についても、往復動作をするのみであるため大幅に時間を要したり、ワークに余計に力を加えてしまったりすることが考えられる。
そこで本発明は、嵌合方向への押付により十分なモーメントが検出できない状況下でも、ワークを傷付けずに嵌合作業が行える嵌合装置及び嵌合方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、嵌合ワークを把持したロボットにより、該嵌合ワークを定位置に設置された被嵌合ワークに嵌合する嵌合装置において、前記嵌合ワークに作用する力を測定する力測定部と、前記被嵌合ワークに対する前記嵌合ワークの嵌合が進行しているか否かを判断する嵌合進行判断部と、前記嵌合進行判断部により嵌合が進行していないと判断された場合に、前記嵌合ワークの現在の姿勢を変化させ、前記嵌合ワークの姿勢を変化させている間、前記力測定部により得られた嵌合方向の力が所定の閾値を下回ったとき又は前記嵌合ワークの嵌合方向の速度が所定の閾値を上回ったときと、前記力が所定の閾値を上回ったとき又は前記速度が所定の閾値を下回ったときとの間の前記嵌合ワークの姿勢を適正姿勢と判断するワーク姿勢探索部と、前記ワーク姿勢探索部により探索された前記嵌合ワークの適正姿勢を用いて、前記嵌合ワークを把持したロボットに嵌合動作を継続させる嵌合動作指示部と、を備えることを特徴とする嵌合装置を提供する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の嵌合装置において、前記ワーク姿勢探索部は、各々が前記嵌合ワークの嵌合方向と直交しかつ互いに直交する2方向のうち、少なくとも1つの方向回りについて前記嵌合ワークの姿勢変化を行わせる、嵌合装置を提供する。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の嵌合装置において、前記ワーク姿勢探索部は、前記嵌合ワークに設定された制御点を中心に前記嵌合ワークの姿勢を所定角度だけ往復変化させ、該往復変化の間に前記力測定部によって得られた嵌合方向の力、又は前記嵌合ワークの嵌合方向の速度に基づいて前記嵌合ワークの適正姿勢を探索する、嵌合装置を提供する。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の嵌合装置において、前記力測定部は、前記嵌合ワークに作用する力及びモーメントを測定するように構成され、前記嵌合装置は、前記モーメントが小さくなる方向に前記嵌合ワークの姿勢を力制御によって修正する力制御部をさらに有する、嵌合装置を提供する。
請求項5に記載の発明は、嵌合ワークを把持したロボットにより、該嵌合ワークを定位置に設置された被嵌合ワークに嵌合する嵌合方法において、前記嵌合ワークを前記被嵌合ワークに押付けるステップと、前記嵌合ワークに作用する力を測定するステップと、前記被嵌合ワークに対する前記嵌合ワークの嵌合が進行しているか否かを判断するステップと、前記被嵌合ワークに対する前記嵌合ワークの嵌合が進行していないと判断された場合に、前記嵌合ワークの現在の姿勢を変化させ、前記嵌合ワークの姿勢を変化させている間、前記嵌合ワークに作用する嵌合方向の力が所定の閾値を下回ったとき又は前記嵌合ワークの嵌合方向の速度が所定の閾値を上回ったときと、前記力が所定の閾値を上回ったとき又は前記速度が所定の閾値を下回ったときとの間の前記嵌合ワークの姿勢を適正姿勢と判断するステップと、探索された前記嵌合ワークの適正姿勢を用いて、前記嵌合ワークを把持したロボットに嵌合動作を継続させるステップと、を備えることを特徴とする嵌合方法を提供する。
本発明によれば、嵌合前の初期許容姿勢誤差を大きくすることができる。また無駄な探索動作をなくし、嵌合に必要な時間を短縮できる。さらに、探索した適正姿勢を用いて嵌合作業が行われるので、弱い押付力でも嵌合でき、さらにはロボットや嵌合ワークの剛性が低くても嵌合できるようになる。
本発明の実施形態に係る嵌合装置の概略構成を示す図である。 本発明に係る嵌合作業の流れを示すフローチャートである。 姿勢誤差に起因して嵌合ワークに作用する力及びモーメントを説明する図である。 嵌合ワークの適正姿勢の探索動作の一例を示す図である。 嵌合ワークの適正姿勢の探索動作の他の例を示す図である。 図9(b)の部分拡大図であって、嵌合ワークが適正姿勢となる時間帯を説明するグラフである。 従来技術に係る嵌合作業の流れを示すフローチャートである。 図7に示すフローチャートに従って嵌合作業を行ったときのワークの位置関係を示す図であって、(a)嵌合ワークを被嵌合ワークに接近させている状態を示す図であり、(b)嵌合ワークが被嵌合ワークに当接して、姿勢誤差に起因する力及びモーメントが発生している状態を示す図であり、(c)上記モーメントを小さくするように力制御を行っている状態を示す図であり、(d)嵌合ワークと被嵌合ワークとの嵌合が完了した状態を示す図である。 従来技術に係る方法によって嵌合作業を行ったときの各パラメータの時間変化を示す図であって、(a)ロボット(嵌合ワーク)の進行方向位置を示すグラフであり、(b)嵌合ワークに作用する押付け方向の力を示すグラフであり、(c)ロボット(嵌合ワーク)の姿勢を示すグラフであり、(d)嵌合ワークに作用するモーメントを示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について記載する。図1は、本発明に係る嵌合装置10の概略構成を示す図である。嵌合装置10は、複数の軸回りの動作が可能なロボットアーム12を備えたロボット11と、力及びモーメントを検出するための力検出部又は力検出器14と、ロボットアーム12の動作を制御するための制御装置16と、被嵌合ワークであるワークW1を戴置するためのテーブル18とを備える。ロボットアーム12の先端部には嵌合ワークであるワークW2の把持及び解放が可能なハンド20が設けられている。また、テーブル18上には、ワークW1を固定するためのクランプ装置22が設けられており、ハンド20に把持されたワークW2に嵌合させるべきワークW1を着脱可能に固定できるようになっている。
力検出器14は、ロボットアーム12の手首部に取り付けられており、ハンド20に把持されたワークW2が受ける力F及びモーメントMを検出できるようになっている。例えば、力検出器14は、ロボットアーム12の先端とハンド20との間に取り付けられており、直交3軸方向の力及び直交3軸周りのモーメントを検出できる6軸の力覚センサとすることができる。しかし力検出器14は、6軸力覚センサに限定されるものではなく、ロボットアーム12を駆動するためのモータ等のアクチュエータ(図示せず)の電流値に基づいて、ワークW2が受ける力及びモーメントを推定する構成とすることもできる。
ワークW2は、例えば円筒形状の突出部24を有し、一方ワークW1は該突出部24に対応する円筒形状の嵌合穴26を有し、このような構成によりワークW1及びW2は互いに嵌合可能となる。図1に示されている嵌合装置10では、突出部24を有するワークW2をハンド20で把持し、テーブル18に固定されたワークW1の嵌合穴26の中心軸線28上に突出部24を整列させて中心軸線28と平行な嵌合方向にワークW2を移動させることにより、ワークW1の嵌合穴26にワークW2の突出部24を挿入し、2つのワークW1、W2を互いに嵌合させるものとする。
なお本実施形態では、ロボット11及びテーブル18はそれぞれ床に固定されているものとし、また嵌合穴26の中心軸28に平行な軸をZ軸とし、該Z軸に垂直かつ互いに直交する並進二方向をそれぞれX軸、Y軸とする。また本実施形態では、本願発明に係る嵌合進行判断部、ワーク姿勢探索部及び嵌合動作指示部の機能はいずれも制御装置16が担うものとする。
本発明では、後述する嵌合進行を円滑に実行するのに適した嵌合ワークの姿勢、すなわち適正姿勢を判定することができる。つまり本発明では、ワークの適正姿勢が得られたら姿勢を探索する動作を中断させ、姿勢の探索動作をしない従来の力制御動作(図7のステップS102)へ移行させることができる。しかし本発明では探索動作によって適正な姿勢が得られているので、力制御動作は必須ではなく、適正姿勢を維持したまま単純にワークの押込み動作を行ってもよい。以下、図2のフローチャートを用いて本発明に係る嵌合作業の流れを説明する。
先ずステップS1において、ワークW1とワークW2とを接触させる。具体的には、予め定められたプログラム等に基づいて制御装置16から送られる動作指令に従って、ワークW2をロボットアーム12に取り付けられたハンド20によって把持し、テーブル18上に固定されたワークW1の嵌合穴26の中心軸線28とハンド20によって把持されたワークW2の突出部24の軸線とが整列するように、テーブル18に固定されるワークW1と対向する位置に移動させる。さらに、ロボットアーム12は、ワークW1の嵌合穴26の中心軸線28と平行な嵌合方向(Z軸方向)にワークW2を移動させ、テーブル18上のワークW1に接触させる。
一般にワークW2の位置及び姿勢には誤差があるため、ワークW1の嵌合穴26の中心軸線28とハンド20によって把持されたワークW2の突出部24の軸線とが正確に一直線上に整列していない状態で嵌合動作が行われることが多い。このような場合に、ワークW2をワークW1に向けて(嵌合方向に)押付けていくと(ステップS2)、ハンド20に把持されたワークW2に力F1、F2及びモーメントMが作用する(図3参照)。詳細には、図3に示されているように、ワークW1の嵌合穴26の中心軸線28に対して、ワークW2の突出部24の軸線36が傾いている場合に両ワークが接触すると、ワークW2には、ワークW1との接触点32、34に生じる力F1、F2と、嵌合方向に垂直な軸線周りのモーメントMが作用する。
次のステップS3では、この力及びモーメントを力検出器14によって検出する。詳細には、図3に示すように、ワークW2に作用する力F1、F2を検出するとともに、ワークW2上に設定された制御点P回りのモーメントを、力F1、F2の大きさ、F1、F2の作用点32、34の位置等に基づいて求め又は検出する。なお制御点Pは、図3では略円柱状の嵌合ワークW2の嵌合方向側端面(円形端面)の中心に定められているが、これは好適な一例であってこれに限定されるものではない。但し制御点は、嵌合ワークの中心軸線36(ワークが角柱、楕円柱等であればその端面の重心を通る軸線)上又はその近傍に設定されることが好ましい。また制御点回りのモーメントを求める関係上、制御点は、力F1、F2の作用点32、34に近い方が好ましい。例えば制御点Pは、ワークの嵌合方向側端面30と平行であって該端面30から嵌合深さDの1/2、1/3又は1/4だけ離れて設定された嵌合ワーク内の境界面38と端面30とで画定されるワーク内の領域に位置し、かつ中心軸線36(ワークが角柱、楕円柱等であればその端面の重心を通る軸線)上又はその近傍の点として設定することができる。
次のステップS4では、力検出器14が検出した力及びモーメントに基づいて、制御装置16が、該力及びモーメントを目標力及び目標モーメントに近づけるようにロボットアーム12及びハンド20の動作を制御(力制御)する。
ここでステップS4の詳細について説明する。上述のように、嵌合ワークW2を嵌合方向(Z方向)に押し付け、ワークW2に作用する力及びモーメントの値に基づきロボットの各方向の速度及び角速度を制御する。以下の式(1)〜(5)に基づき制御点の位置を制御する。
Figure 0004837113
ここで、式(1)〜(3)の左辺はそれぞれX、Y、Z方向における速度指令値を意味し、式(4)及び(5)の左辺はそれぞれX軸及びY軸回りの角速度指令値を意味する。また、FX、FY及びFZはそれぞれX、Y及びZ方向における力を意味し、MX及びMYはそれぞれX軸及びY軸回りのモーメントの検出値を意味する。さらに、GX、GY、GZ、GW及びGPはそれぞれX、Y、Z、W及びP方向における力制御ゲインを意味し、Fd及びvdはそれぞれ目標力及び目標速度を表す。これらの計算は計算周期毎に行われる。
式(1)〜(5)が示すように、力やモーメントが検出されれば位置や姿勢を修正できるが、逆に検出値がゼロに近い場合は位置や姿勢を修正することが難しい。そこで、式(4)及び(5)を、それぞれ以下の式(6)及び(7)のように修正し、ゼロでないモーメント指令や角速度指令を追加した探索動作を行う。
Figure 0004837113
式(6)及び(7)において、MXd及びMYdはそれぞれX軸及びY軸回りの目標モーメントを意味し、ωXd及びωYdはそれぞれX軸及びY軸回りの目標角速度を意味する。安全のため、探索動作の符号は下記の条件i)又はii)の何れかを満たしたら反転することが好ましい。
i)嵌合開始時と比較して、制御点における嵌合ワークの姿勢が、ユーザの設定した上限角度を超えて変化した場合
ii)嵌合ワークに作用するモーメントが、ユーザの設定した目標モーメントになった場合
ステップS1〜S4までは、概ね従来技術と同様の考え方でよい。そして次のステップS5でワークW1がワークW2に対して所定の深さまで挿入された(図8(d)の状態)か否かを判定し、所定深さまで挿入されていれば嵌合完了と判断して(ステップS6)処理は終了する。一方所定深さまで挿入されていない場合は、ステップS7に進み、ステップS7の判定結果によってはワーク姿勢の探索動作を行い、適正姿勢が得られたら探索動作を停止して再び力制御動作へ移行する。
ステップS7では、後述する姿勢探索動作(ステップS8)に移行すべきか否かの判定を行う。具体例として、下記3つの条件iii)〜v)の少なくとも1つを選択できる。
iii)ワーク同士が初めて接触したとき、つまり次式(8)を初めて満たしたとき。但し式(8)におけるCFは、接触を認識するための力の閾値である。
Figure 0004837113
iv)嵌合が進行しているかどうかを判断する嵌合進行判断部により、嵌合が進行していないと判定されたとき。すなわち、以下の式(9)〜(14)の条件式のうち選択した少なくとも1つの条件式を満たしたときである。
Figure 0004837113
ここで、TF、TMはそれぞれ力及びモーメントが目標値に近づいたことを判断するための閾値を意味し、Tv及びTωは嵌合が進行していないことを判定するための閾値である。また、ロボットの振動等に起因する外乱により、進行の判定が困難な場合には、検出された力及びモーメントデータにフィルタをかけたものに基づいて判断することも可能である。
v)ユーザが設定した時間内に、嵌合ワークの被嵌合ワーク内への嵌合深さ(挿入深さ)が指定深さに満たないとき。この場合も、嵌合が進行していないと判断できる。例えば、ステップS4の力制御動作のよってワークの姿勢を修正している最中であっても、予め指定した時間内で予め指定した深さ嵌合されない場合は、強制的に探索動作へ移行させることができる。
ステップS7において探索動作に移行すべき(嵌合が進行していない)と判断された場合は、ステップS8に進んでワーク姿勢の探索動作を行う。図4は、例えば探索動作開始前の嵌合ワークの姿勢が点40で示されるものであり、かつ図4のグラフの原点Oが嵌合に理想的な姿勢であるとする場合に、X、Y方向回りの2成分にそれぞれ角速度指令を与えて嵌合ワークの姿勢を変化させる例を説明する図である。グラフの横軸及び縦軸はそれぞれ、嵌合ワークのX軸及びY軸回りの姿勢(角度)を示している。この場合、鋸歯状のグラフ42における原点Oの近傍に相当する姿勢が適正姿勢として判断されることになる。
図5は、図4に示した探索動作の他の具体例を示す図である。図5の例では、X、Y方向回りの2成分を同時に変化させるのではなく、1成分ずつ変化させる探索動作を行う。具体的には、先ずY方向回りの成分を固定してX方向回りについての成分を変化させて(グラフ44、46)X方向回りについての最適姿勢を探索し、次にX方向回りの成分を固定してY方向回りについての成分を変化させる(グラフ48、50)。無論、X、Yの順序は逆でもよい。全成分について力制御を行いながら、探索をする成分についてはモーメント指令を加えることで適正姿勢を探索する。
ステップS8での探索動作によって適正姿勢が得られたら、再び処理を力制御動作へ移行させる(ステップS9)。例えば図5の探索方法を採用した場合、成分毎に以下のvi)〜ix)の何れかの条件で判定を行い、2成分についてその条件を満たしたらステップS2に戻る。
vi)嵌合ワークに作用する嵌合方向の力がある閾値以下になったとき。
vii)先ず嵌合方向の力がある閾値以下になったときの嵌合ワーク又はロボットの姿勢(第1の姿勢)を記録する。次に姿勢の変化を続けて、嵌合方向の力がある閾値以上になったときの嵌合ワーク又はロボットの姿勢(第2の姿勢)を記録し、姿勢の変化を中断する。その後第1の姿勢と第2の姿勢の間の姿勢へ動作させる。
viii)嵌合ワークの嵌合方向の速度がある閾値以上になったとき。
ix)先ず嵌合方向の速度がある閾値以上になったときの嵌合ワーク又はロボットの姿勢(第3の姿勢)を記録する。次に姿勢の変化を続けて、嵌合方向の速度がある閾値以下になったときの嵌合ワーク又はロボットの姿勢(第4の姿勢)を記録し、姿勢の変化を中断する。その後第3の姿勢と第4の姿勢の間の姿勢へ動作させる。
上記vi)〜ix)の条件について具体例を挙げて説明する。図6は図9(b)における力の時間変化グラフにおいて、横軸の12秒から14秒までを拡大したものである。図6からわかるように、経過時間12.2秒から13.0秒までの間は力が抜けており(その前後の時間帯と比べ力が大きく低下しており)、この間はワーク又はワークを把持しているロボットの姿勢が適正(嵌合進行可能な状態)であることが予想される。従って、例えば力が所定の閾値(例えば5N)を下回ったとき(12.2秒)に姿勢探索動作を中断させ、12.2秒での姿勢を適正姿勢としてワーク又はロボットの姿勢を該適正姿勢に維持して、嵌合操作を続行することが考えられる(vi)。或いは、少なくとも力が該閾値を下回ってから(12.2秒)再び該閾値を上回る(13.0秒)までの間、姿勢変化を行うとともに各時刻とワークの姿勢との関係を適当な記憶手段に記憶しておき、力が閾値を下回っている間、好ましくは中間(12.6秒)での姿勢を適正姿勢としてワーク又はロボットの姿勢を該適正姿勢に変更して、嵌合操作を続行することも可能である(vii)。このようにすれば、高速かつ無駄な力をかけることなく、所望の嵌合作業を実行できる。なお図6では力について説明したが速度(viii、ix)についても同様の考え方が適用できる。
なお嵌合が進むにつれて、上述の力が抜ける領域(図5の例では12.2秒〜13.0秒)が狭まることが予想される。つまり1回探索動作を行い上記の方法で正しい姿勢を判定し従来の力制御動作へ移行した後であっても、再び嵌合が進行しなくなる可能性がある。その時点でまだ嵌合が完了していない場合には、以下のx)〜xii)の何れかの条件の成立をトリガーとして、再度探索動作へ移行させるかどうか判断することができる。なお下記の閾値や所定の深さ等は、経験的に求めることができる。
x)嵌合方向の力がある閾値以上になったとき
xi)嵌合方向の速度がある閾値以下になったとき
xii)所定の時間経過しても、ワークが所定の深さまで嵌合されないとき
以下の式(15)及び(16)は、探索動作を終了させて力制御動作へ移行させるための条件である。式(15)及び(16)の少なくとも一方を満たしたら、ワーク又はロボットの姿勢が適正姿勢となったと判定する。
Figure 0004837113
式(15)及び(16)において、RF、Rvはいずれも、ユーザが設定する1以下の定数である。本発明では例えば、探索動作を以下のxiii)〜xv)の3通りから選択できる。
xiii)2方向同時での探索動作
上記(6)式のMXd、ωXdのうち少なくとも1つをゼロでない値にし、式(7)のMYd、ωYdのうち少なくとも1つをゼロでない値にすることにより、2方向同時の探索動作を行い、式(15)及び(16)の少なくとも一方が満たされたら、力制御動作へ移行する。
xiv)1方向ずつの探索動作
式(7)のMYd、ωYdを両方ともゼロにし、式(6)のMXd、ωXdのうち少なくとも1つをゼロでない値にすることにより、X方向回りのみの探索動作を行う。式(15)及び(16)の少なくとも一方が満たされたら、式(6)のMXd、ωXdを両方ともゼロにし、式(7)のMYd、ωYdのうち少なくとも1つをゼロでない値にすることにより、Y方向回りのみの探索動作を行う。式(15)及び(16)の少なくとも一方が満たされたら、力制御動作へ移行する。
xv)1方向ずつの探索動作でより正しい姿勢で探索動作を停止する方法
上式(7)のMYd、ωYdを両方ともゼロにし、式(6)式のMXd、ωXdのうち少なくとも1つをゼロでない値にすることで、X方向回りのみの探索動作を行う。式(15)及び(16)の少なくとも一方を初めて満たしたときの嵌合ワーク又はロボットの姿勢θ1を記録して探索動作を継続させ、条件を満たさなくなった瞬間の嵌合ワーク又はロボットの姿勢θ2を記録して探索動作を停止させ、次式(17)で示される姿勢θに嵌合ワーク又はロボットがなるようにロボットを動作させる。
Figure 0004837113
嵌合ワーク又はロボットが上記姿勢θを呈するようにロボットを動作させた後、同様にY軸回りのみの探索動作を行い、式(15)及び(16)の条件を初めて満たしたときの嵌合ワーク又はロボットの姿勢θ1を記録して探索動作を継続させ、条件を満たさなくなった瞬間の嵌合ワーク又はロボットの姿勢θ2を記録して探索動作を停止させ、式(17)で示される姿勢θに嵌合ワーク又はロボットがなるようにロボットを動作させた後、力制御動作へ移行する。
本発明によれば、従来の力制御動作と探索動作とを自動的に使い分けて嵌合作業を行うことができるようになり、結果として効率の良い嵌合が実現できる。
10 嵌合装置
11 ロボット
12 ロボットアーム
14 力検出器
16 制御装置
18 テーブル
20 ハンド
W1 被嵌合ワーク
W2 嵌合ワーク

Claims (5)

  1. 嵌合ワークを把持したロボットにより、該嵌合ワークを定位置に設置された被嵌合ワークに嵌合する嵌合装置において、
    前記嵌合ワークに作用する力を測定する力測定部と、
    前記被嵌合ワークに対する前記嵌合ワークの嵌合が進行しているか否かを判断する嵌合進行判断部と、
    前記嵌合進行判断部により嵌合が進行していないと判断された場合に、前記嵌合ワークの現在の姿勢を変化させ、前記嵌合ワークの姿勢を変化させている間、前記力測定部により得られた嵌合方向の力が所定の閾値を下回ったとき又は前記嵌合ワークの嵌合方向の速度が所定の閾値を上回ったときと、前記力が所定の閾値を上回ったとき又は前記速度が所定の閾値を下回ったときとの間の前記嵌合ワークの姿勢を適正姿勢と判断するワーク姿勢探索部と、
    前記ワーク姿勢探索部により探索された前記嵌合ワークの適正姿勢を用いて、前記嵌合ワークを把持したロボットに嵌合動作を継続させる嵌合動作指示部と、
    を備えることを特徴とする嵌合装置。
  2. 前記ワーク姿勢探索部は、各々が前記嵌合ワークの嵌合方向と直交しかつ互いに直交する2方向のうち、少なくとも1つの方向回りについて前記嵌合ワークの姿勢変化を行わせる、請求項1に記載の嵌合装置。
  3. 前記ワーク姿勢探索部は、前記嵌合ワークに設定された制御点を中心に前記嵌合ワークの姿勢を所定角度だけ往復変化させ、該往復変化の間に前記力測定部によって得られた嵌合方向の力、又は前記嵌合ワークの嵌合方向の速度に基づいて前記嵌合ワークの適正姿勢を探索する、請求項1又は2に記載の嵌合装置。
  4. 前記力測定部は、前記嵌合ワークに作用する力及びモーメントを測定するように構成され、前記嵌合装置は、前記モーメントが小さくなる方向に前記嵌合ワークの姿勢を力制御によって修正する力制御部をさらに有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の嵌合装置。
  5. 嵌合ワークを把持したロボットにより、該嵌合ワークを定位置に設置された被嵌合ワークに嵌合する嵌合方法において、
    前記嵌合ワークを前記被嵌合ワークに押付けるステップと、
    前記嵌合ワークに作用する力を測定するステップと、
    前記被嵌合ワークに対する前記嵌合ワークの嵌合が進行しているか否かを判断するステップと、
    前記被嵌合ワークに対する前記嵌合ワークの嵌合が進行していないと判断された場合に、前記嵌合ワークの現在の姿勢を変化させ、前記嵌合ワークの姿勢を変化させている間、前記嵌合ワークに作用する嵌合方向の力が所定の閾値を下回ったとき又は前記嵌合ワークの嵌合方向の速度が所定の閾値を上回ったときと、前記力が所定の閾値を上回ったとき又は前記速度が所定の閾値を下回ったときとの間の前記嵌合ワークの姿勢を適正姿勢と判断するステップと、
    探索された前記嵌合ワークの適正姿勢を用いて、前記嵌合ワークを把持したロボットに嵌合動作を継続させるステップと、
    を備えることを特徴とする嵌合方法
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