JP4837237B2 - 高強度珪酸カルシウム硬化体 - Google Patents
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Description
この様な建材として、これまでにも軽量気泡コンクリート(以下屡々「ALC」と称する)および繊維補強珪酸カルシウム板(以下屡々「ケイカル板」と称する)が知られている。軽量気泡コンクリートは、セメント、珪石粉を主原料とし、これに必要により生石灰粉、石膏等を加え、水を添加してスラリー状とし気泡剤(foaming agent)により発泡した後、型枠で成形してオートクレーブ養生して製造される。これら軽量気泡コンクリートは、嵩比重が0.5から0.6付近と軽量であり、さらに結晶性の高いトバモライト(tobermorite)(5CaO・6SiO2・5H2O)を多量に含むことから長期の耐候性、耐火性、不朽性に優れ、建築物の外壁材、床材、内壁材として広く利用されている。
a = (Y × 10−3) / (D1.5) (1)
b = S /((Y × 10−3)1.5) (2)
V1(D) = 50 × D + 40 (3)
V2(D) = 100 × D + 15 (4)
V3(D) = 200 × D − 15 (5)
従来、軽量気泡コンクリートは、粗大気泡を含有することが高い生産性を可能にしていた。従って、本発明により、従来用いられてきた設備の範囲もしくは最小限の付加設備によって高い生産性を維持しながら従来の数倍の物性値を有する建材の提供が可能になった。
本発明の珪酸カルシウム硬化体は、最大径200μmを越える気泡を実質的に有しており、水銀圧入法で測定される細孔のうち、細孔径が0.1μm以下の細孔量の割合は、
嵩比重Dが0.5〜1.0の場合には、下記式(3)で求められるV1(D)〜98vol%が好ましく、より好ましくは下記式(3′)で求められるV12(D)〜98vol%であり、
嵩比重Dが0.3以上、0.5未満の場合には、下記式(4)で求められるV2(D)〜95vol%が好ましく、より好ましくは下記式(4′)で求められるV22(D)〜95vol%であり、
嵩比重Dが0.14以上、0.3未満の場合には、下記式(5)で求められるV3(D)〜95vol%が好ましく、より好ましくは下記式(5′)で求められるV32(D)〜90vol%以下である。
V1(D)=50×D+40 (3)、
V2(D)=100×D+15 (4)、
V3(D)=200×D−15 (5)、
V12(D)=50×D+45 (3′)、
V22(D)=100×D+20 (4′)、
V32(D)=200×D−10 (5′)
a=(Y×10-3)/(D1.5) (1)
b= S/( (Y×10-3)1.5) (2)
なお、本発明において規定される弾性率とは、動弾性率すなわち材料の共振周波数から計算される弾性率であり、静的な応力による変位応答から求めたものではない。動弾性率で規定することにより材料のあらゆる方向からの平均的な性能、すなわち材料の本質的な評価が可能である。
/g、より好ましくは50m2/g以下であり、嵩比重0.35以上0.5未満の場合は、好ましくは20〜70m2 /g、より好ましくは60m2/g以下であり、嵩比重0.14以上0.35未満の場合には、好ましくは20〜85m2
/gであり、より好ましくは70m2 /g以下である。なお、比表面積が著しく低下することは、トバモライト以外の低い比表面積を持つ物質が多量に混入していることを意味することから、比表面積は20m2/g以上が好ましい。
本発明の珪酸カルシウム硬化体の製造方法は、少なくとも珪酸質原料とセメントと石灰質原料を含む水性スラリーを型枠に注入し、予備硬化した後にオートクレーブ養生し、主としてトバモライトからなる珪酸カルシウム硬化体を製造する方法であって、上記珪酸質原料として結晶質である珪酸質原料を50重量%以上用い、かつ硫酸アルミニウムもしくはその水和物を、酸化物換算(Al2O3)で固体原料の総重量に対して0.09〜10重量%、その他の硫酸化合物を、上記硫酸アルミニウムもしくはその水和物を含めて、SO3量換算で固体原料の総重量に対して0.15〜15重量%含有し、かつ上記水性スラリーが、固体原料の総重量に対する使用した全ての水の重量比が0.67〜3.5であり、気泡剤としてアルミニウム粉末を固体アルミニウム換算で固体原料の総重量に対して0.002〜0.8重量%を混合して含むことを特徴とする。なお、本発明において予備硬化体とは、水性スラリーを型枠内に注入し、予備硬化させて得られるオートクレーブ養生前のものをいう。
[曲げ強度、圧縮強度]
R 5201の曲げ強さおよび圧縮強さの測定に準じて測定した。すなわち、曲げ強度測定に用いた試料は、寸法が40mm×40mm×160mmであり、スパン幅が100mmである。また、曲げ試験で割れた半分の試料において、加圧面を40mm×40mmとして最大荷重を測定し、これを圧縮強度とした。なお、ボード状試料、すなわち脱水成形や抄造法により得られる成形体(硬化体)の厚みが40mm未満の場合、接着剤を用いて張り合わせ、これから一辺40mmの立方体試料を切り出して測定用試料とした。この場合、少なくとも直交する3方向の圧縮強度を測定して、これらの平均値を圧縮強度とした。
JIS A−1127の共鳴振動によるコンクリートの動弾性係数の試験方法に準じて測定を行った。測定には、測定用試料として曲げ強度の測定に用いたものと同一形状、同一乾燥条件の試料を用い、PCオートスキャン型動ヤング率測定器((株)マルイ製:MODEL MIN-011-0-08)により、測定用試料の縦振動を測定した。この縦振動の一次共鳴周波数から動弾性係数を算出し、その値を動弾性率とした。
山中式土壌硬度計(No. 351:標準型)を用いて、予備硬化を開始して5時間経過した後に予備硬化体の硬度を測定した。この測定では、型枠に接していない硬化体上面において、互いに3cm以上離れた箇所で3回測定し、その平均値を予備硬化体の硬度とした。
曲げ試験に供したものと同じ寸法のオートクレーブ養生後の硬化体を105℃で24時間乾燥させた時の重量と寸法(体積)から、嵩比重を算出した。
実体顕微鏡(オリンパス光学工業(株)製:SZ)を用いて、曲げ強度試験後の試料破断面を40倍の倍率で観察し、10mm四方内に存在する最大径200μmを越える気泡の数を数えた。異なる箇所5点で測定を行い、その平均値を気泡数とした。
水銀圧入法(mercury porosimetry)により、多孔性特性及び孔径分布特性を測定することができる。また、水銀圧入法によって表面積も得ることができる。この方法は、試料を真空条件下に置き、外部から圧力をかけることにより、水銀を細孔構造内に浸入させるものである。加圧量の函数として水銀の浸入量を記録することによって、全細孔体積を算出し、様々な孔径分布特性を求めることができる。
水銀圧入法における条件と同じ乾燥処理を行った試料を更に真空下に70℃で3時間乾燥して、測定用試料とした。比表面積測定装置(米国Quantachrome 社製、Autosorb1-MP)を用いて、試料の比表面積をBET吸着法(Brunauer-Emmett-Teller equation adsorption method)により測定した。なお、測定点は1試料につき6点とした。
JIS R 5201のセメントの物理試験法における比表面積試験に準じて測定した。
曲げ強度試験に用いた試料を乳鉢中で粉砕した後に、X線回折装置(理学電気(株)製:RINT2000)を用いて、CuのKα線の前記回折ピーク強度Ibおよび前記最低値Iaを求めた。測定条件は、加速電圧40kV、加速電流200mA、受光スリット幅0.15mm、走査速度4°/分、サンプリング0.02°である。X線回折線は、グラファイトのモノクロメータにより単色化されてカウントされた。
試料および測定条件は、上記Ia,Ibの測定の場合と同様である。ただし、I(002)は、回折角6〜9°(2θ)付近にかけて、バックグランドを直線近似して(図3参照)得られた真の回折強度である。同様にI(220)は、回折角20〜40°(2θ)付近にかけて、バックグランドを直線近似して得られた真の回折強度である。なお、トバモライトの(002)回折線は、図3に示すように、7.7°(2θ)付近に現れる回折線に対応する。
長期耐久性の尺度として、促進炭酸化反応時の収縮率を測定した。オートクレーブ養生後の硬化体の寸法を20mm×40mm×160mmとし、20℃および60%RHの恒温恒湿槽中で硬化体が平衡重量に達するまで乾燥した。この硬化体を温度20℃、相対湿度60%および炭酸ガス濃度10vol%の試験条件に維持した中性化促進試験装置(朝日科学(株)製:アサヒ−ルネイア)中に置き、3日目、7日目および14日目に標点間距離(150mm)の変化を顕微鏡を用いて測定し、下記の式により収縮率を算出した。
収縮率(%)=100×(L0−L1)/L0
L0:中性化試験開始時の標点間距離
L1:中性化試験開始後、3日目、7日目または14日目の標点間距離
20℃および60%RHの恒温恒湿槽中にオートクレーブ養生後の硬化体を置き、硬化体の絶乾状態を基準とした含水量が、10±2%になった時点で測定試料とした。保釘力試験に供せられた180mm×180mm×50mmの試料の中央に、3.0mmφ、深さ25mmの下穴をドリルにより穿孔した後、4.1mmφおよび長さ45mmのサラ木ネジ((株)八幡ねじ製:4-020-04145)を深さ30mmまで手動でねじ込み、建研式付着力試験機(山本扛重機株式会社製;能力1.5トン、揚程10mm)を用いて引抜強度を測定した。なお、引抜強度測定が終了するには2つのタイプがあり、保釘力が弱い場合にはネジの抜けだしで終わり、保釘力が強い場合にはネジを中心とした円錐状に試料が破壊する(コーン破壊)。
これらの実施例において、硬化体原料として表1および2に示す配合量の次の固体原料および水を用いた。すなわち、珪酸質原料として珪石粉砕粉または珪石粉砕粉とシリカフューム(EFACO社製)を用いた。更に、石灰質原料として生石灰、セメントとして普通ポルトランドセメント(Ordinary Portland Cement、表1〜5にはOPCで表示)、硫酸アルミニウムとしてその18水和物、その他の硫酸化合物として二水石膏および有機繊維として微粉砕パルプを用いた。ここで、硫酸アルミニウム18水和物および二水石膏は、それらの無水和物の重量部を表1および2に示している。さらに気泡剤としてアルミニウム粉末、増粘剤としてメチルセルロースおよび水を表1および2に示す配合量で用いた。
60℃に加温した水を投入した容量10Lのステンレス槽に、珪石粉砕粉、シリカフューム(実施例1、2、6〜9および12)、生石灰、普通ポルトランドセメント、硫酸アルミニウム18水和物および二水石膏(実施例1、2、6〜9および12)を一次投入し、ステンレス槽を60℃に加温しながら、攪拌機((株)井内盛栄堂:ウルトラ攪拌機DC-CHRM25)の回転数1200rpmで水分の蒸発を抑制した状態で大気圧下に2時間攪拌、混合した。次いで、生石灰および二水石膏(実施例1、2、6〜9および12を除く)を二次投入し、一次投入と同様の条件下で1分間攪拌、混合した。実施例4および7においては、その後、微粉砕パルプを添加して同様の条件下で1分間混合した。
セメント系材料用気泡液(マールP液、麻生フォームクリート社製)を2.5重量%含む水溶液を用い、起泡機(セルフォーム技術研究所社製)を用いて、空気圧力0.25kg/cm2、送液圧力0.25kg/cm2でフォームを調製した。得られたフォームの密度は0.093g/cm3であった。表2に示す配合により、固体原料と水を混合してスラリーを調製した後、アルミニウム粉末を添加せずに上記フォームをスラリーに対して27vol%混合して1分間混合した後、型枠に注入して珪酸カルシウム硬化体を製造した。
実施例16では、実施例15と同じ配合および同様の方法で固体原料と水を混合してスラリーを調製した後にフォームを140vol% 混合し、実施例17では、表2に示す配合で固体原料と水を混合してスラリーを調製した後にフォームを58vol%混合した以外は、実施例15と同様にして珪酸カルシウム硬化体を製造した。
硫酸アルミニウムを添加しなかった以外は、実施例1と同じ配合割合で同様の方法により、珪酸カルシウム硬化体を製造した。得られた珪酸カルシウム硬化体の各種物性を表8に示す。この硬化体の破断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察を行った結果、その構造は、粗大気泡部に存在するトバモライトの板状粒子と、その他の部位ではトバモライトの板状粒子と、少量の繊維状粒子および珪石粒子から構成されていた。さらに粉末X線回折の結果、最強線はトバモライトの(220)回折線と同定された。
硫酸アルミニウムを添加しなかった以外は、実施例3と同じ配合割合で同様の方法により、珪酸カルシウム硬化体を製造した。混合したスラリーを型枠に流し込み、60℃で5時間保持して予備硬化させた時の予備硬化体の硬度は、実施例3においては10mmであるのに対し、0mmであった。得られた珪酸カルシウム硬化体の各種物性を表8に示す。得られた珪酸カルシウム硬化体の破断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察を行った結果、その構造は、粗大気泡部に存在するトバモライトの板状粒子と、その他の部位ではトバモライトの板状粒子と、少量の繊維状粒子および珪石粒子から構成されていた。さらに粉末X線回折の結果、最強線はトバモライトの(220)回折線と同定された。
硫酸アルミニウムを添加しなかった以外は、実施例4と同じ配合割合で同様の方法により、珪酸カルシウム硬化体を製造した。混合したスラリーを型枠に流し込み、60℃で5時間保持して予備硬化させた時の予備硬化体の硬度は、実施例4においては10mmであるのに対し、4mmであった。得られた珪酸カルシウム硬化体の各種物性を表8に示す。この硬化体の破断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察を行った結果、その構造は、粗大気泡部に存在するトバモライトの板状粒子と、その他の部位ではトバモライトの板状粒子と、少量の繊維状粒子および珪石粒子から構成されていた。さらに粉末X線回折の結果、最強線はトバモライトの(220)回折線と同定された。
硫酸アルミニウムを添加しなかった以外は、実施例6と同じ配合割合でかつ同様の方法で混合を行い、混合後のスラリーを型枠に流し込み、60℃で5時間保持した。しかし、水と固体の分離が生じており、発泡した予備硬化体の底に水がたまっていたため、目的とする嵩比重の珪酸カルシウム硬化体は得られなかった。分離した水は使用した水の25重量%であった。
硫酸アルミニウムを添加しなかった以外は、実施例7と同じ配合割合で同様の方法により、珪酸カルシウム硬化体を製造した。混合したスラリーを型枠に流し込み、60℃で5時間保持して予備硬化させた時の予備硬化体の硬度は、実施例7においては10mmであるのに対し、2mmであった。得られた珪酸カルシウム硬化体の各種物性を表8に示す。この硬化体の破断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察を行った結果、その構造は、粗大気泡部に存在するトバモライトの板状粒子と、その他の部位ではトバモライトの板状粒子と、少量の繊維状粒子および珪石粒子から構成されていた。さらに粉末X線回折の結果、最強線はトバモライトの(220)回折線と同定された。
硫酸アルミニウムを添加しなかった以外は、実施例12と同じ配合割合で同様の方法により、珪酸カルシウム硬化体を製造した。得られた珪酸カルシウム硬化体の各種物性を表8に示す。この硬化体の破断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察を行った結果、その構造は、粗大気泡部に存在するトバモライトの板状粒子と、その他の部位ではトバモライトの板状粒子と、少量の繊維状粒子および珪石粒子から構成されていた。さらに粉末X線回折の結果、トバモライトの(220)回折線強度を大きく上回るピークとして石英の(101)回折線のみが観測された。
表3に示される原料を混合直後のスラリー温度が50℃となるように混合した。珪酸質原料は、ブレーン比表面積2500cm2/g の珪石粉砕粉を用いた。気泡剤として表3に示す重量部のアルミニウム粉末を用い、添加する量を変化させることにより発泡倍率を変化させた。アルミニウム粉末の添加混合後、コンクリート原料を直ちに型枠に流し込み、60℃で3時間予備硬化させた。得られた予備硬化体を脱型して、オートクレーブに入れ180℃で4時間高温高圧養生を行った後に乾燥して、嵩比重の異なる軽量気泡コンクリート(珪酸カルシウム硬化体)を製造した。
3種の市販ALC から無筋部分を採取して、各種物性を測定した。得られた結果を表9に示す。これらのALCの破断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察を行った結果、それらの構造は、粗大気泡部に存在するトバモライトの板状粒子と、その他の部位ではトバモライトの板状粒子および残留珪石と珪石周辺の粗大空隙が認められた。さらに粉末X線回折の結果、トバモライトの(220)回折線強度を大きく上回るピークとして石英の(101)回折線のみが観察された。
普通ポルトランドセメント31重量部、生石灰42重量部、ブレーン値7500の微粉珪石27重量部、および水160重量部を攪拌機を用いて60℃で混合を行った。その後、攪拌を止めて静置し、60℃で4時間保持して硬化させた。得られた硬化体の解砕物50重量部、普通ポルトランドセメント8.4重量部、生石灰8.4重量部、ブレーン値11000の微粉珪石30.1重量部、二水石膏3重量部、水53.9重量部、および古紙パルプをミクロフィブリル化した繊維0.42重量部を混合した後、得られたスラリーに、気泡剤としてアルミニウム粉末0.065重量部を添加し、さらに同じ温度で30秒間混合した後に得られたスラリーを型枠に流し込み、水分の蒸発を抑制した状態で60℃で12時間かけて予備硬化させた。予備硬化体を脱型して、オートクレーブに入れ180℃で4時間高温高圧養生を行った後に、乾燥して珪酸カルシウム硬化体を得た。
得られた硬化体の各種物性を表10に示す。また、この硬化体の保釘力試験の結果を表13に示す。さらに、得られた硬化体の破断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察を行った結果、その構造は、粗大気泡部に存在するトバモライトの板状粒子と、その他の部位ではトバモライトの板状粒子と、少量の繊維状粒子および珪石粒子から構成されていた。さらに粉末X線回折の結果、最強線はトバモライトの(220)回折線と同定された。
普通ポルトランドセメント31重量部、生石灰42重量部、ブレーン値11000の微粉珪石27重量部、および水160重量部を攪拌機を用いて60℃で混合した。その後、攪拌を止めて静置し、60℃で4時間保持して硬化させた。得られた硬化体の解砕物40重量部、普通ポルトランドセメント13.6重量部、生石灰13.6重量部、ブレーン値11000の微粉珪石29.8重量部、二水石膏3重量部、水118重量部、および古紙パルプをミクロフィブリル化した繊維1重量部を混合した後、気泡剤としてアルミニウム粉末0.107重量部を添加し、さらに同じ温度で30秒間混合した後に、得られたスラリーを型枠に流し込んで珪酸カルシウム硬化体を得た。
得られた硬化体の各種物性を表10に示す。この硬化体の破断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察を行った結果、その構造は、粗大気泡部に存在するトバモライトの板状粒子と、その他の部位ではトバモライトの板状粒子と、少量の繊維状粒子および珪石粒子から構成されていた。さらに粉末X線回折の結果、最強線はトバモライトの(220)回折線と同定された。
ポルトランドセメント15.0重量部、珪石60.0重量部、生石灰換算で22.0重量部の消石灰(消石灰/セメントの重量比で約2)、石膏3重量部、およびアルミニウム粉末0.01重量部を配合した水/固形分=0.66、CaO/SiO2モル比=0.6のスラリーを40℃に加熱した。得られたスラリーを離型剤を塗布したJIS R5201のモルタル強度試験用型枠(4cm×4cm×16cm)に注入し、湿度95%および温度45℃の雰囲気下に型枠を10時間置いて、スラリーを硬化させた。得られた予備硬化体を脱型してオートクレーブに入れ、180℃、10気圧で高温高圧水蒸気養生を8時間行って、珪酸カルシウム硬化体を得た。原料の配合比を表4に示す。
比較例17ではアルミニウム粉末を0.020重量部、比較例18ではアルミニウム粉末を0.050重量部混合した以外は、比較例16と同様にして珪酸カルシウム硬化体を得た。原料の配合比を表5に示す。
得られた各珪酸カルシウム硬化体の各種物性を表11に示す。また、比較例17で得られた硬化体の促進炭酸化試験における収縮率を表12に示す。一方、各硬化体の破断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察を行った結果、これらの構造は、粗大気泡部にトバモライトの板状粒子が観察されたのみで、粗大気泡部以外のマトリックスが不定形および短繊維状の粒子と極く少量のトバモライトの板状粒子から構成されていた。また、顕微鏡の設定倍率2500倍、35.4μm×18.9μmの領域で、気泡剤による粗大気泡部以外のマトリックスを無作為に20箇所観察したところ、上記領域に板状のトバモライト粒子が占める面積割合の平均は10%であった。さらに粉末X線回折の結果、トバモライトの(220)回折線を大きく上回る最強線として石英の(101)回折線のみが観察された。
普通ポルトランドセメント18重量部、生石灰32.2重量部、消石灰10.7重量部、および平均粒径20μm程度の珪石粉末41.7重量部と、これらの合計に対して3重量%の二水石膏を混合し、全固体原料に対して水/固体比0.79になるように水を添加してスラリーとし、得られたスラリーに気泡剤としてアルミニウム粉末を添加し、添加後更に同じ温度で30秒間混合した後に、このスラリーを40℃に加熱して、離型剤を塗布したJISR 5201のモルタル強度試験用型枠(10cm×10cm×40cm;鉄筋を配置していない)に注入した。この型枠を湿度80%および温度50℃の雰囲気中に10時間置いて、スラリーを予備硬化させた。予備硬化体を脱型して、オートクレーブに入れ180℃で7時間水蒸気養生を行って、珪酸カルシウム硬化体を得た。原料の配合比を表5に示す。
Claims (14)
- 主としてトバモライトからなり、粉末X 線回折におけるトバモライトの(220)面の回折ピーク強度Ibが、トバモライトの(220)面と(222)面の2本の回折ピークに挟まれた角度領域における回折強度の最低値Iaとの間に、Ib/Iaが3.0以上となる関係を持ち、かつ嵩比重が0.14〜1.0であり、かつ水銀圧入法で測定される微分細孔分布曲線の最大値の1/4の高さにおける対数分布幅が0.40〜1.20であり、破断面上の10mm四方に含まれる最大径200μmを越える気泡が20個より多く、弾性率Y(N/mm 2 )と嵩比重Dから下記式(1)を用いて求められる値aが7以上であり、かつ圧縮強度S(N/mm 2 )と弾性率Y(N/mm 2 )から下記式(2)を用いて求められる値bが1.20以上であり、水銀圧入法で測定される細孔のうち、孔径0.1μm以下の細孔量の割合が、嵩比重Dが0.5〜1.0の場合には、下記式(3)で計算されるV1(D)〜98vol%、Dが0.3以上0.5未満の場合には、下記式(4)で計算されるV2(D)〜95vol% 、Dが0.14以上0.3未満の場合には下記式(5)で計算されるV3(D)〜90vol%であることを特徴とする珪酸カルシウム硬化体。
a = (Y × 10 −3 ) / (D 1.5 ) (1)
b = S /((Y × 10 −3 ) 1.5 ) (2)
V1(D) = 50 × D + 40 (3)
V2(D) = 100 × D + 15 (4)
V3(D) = 200 × D − 15 (5) - 嵩比重が0.14〜0.9であることを特徴とする請求項1 に記載の珪酸カルシウム硬化体。
- 嵩比重が0.2以上0.7未満であることを特徴とする請求項1に記載の珪酸カルシウム硬化体。
- Ib/Iaが4.0以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の珪酸カルシウム硬化体。
- 圧 縮強度S(N/mm2)と弾性率Y(N/mm2)から上記式(2)を用いて求められる値bが1.30以上であることを特徴とする請求項1〜4に記載の珪酸カルシウム硬化体。
- 粉末X線回折において、トバモライトの(220)面の回折ピーク強度Ibに対するトバモライト以外の高結晶性の共存物質の最強線の回折強度Icの比(Ic/Ib)が3.0以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の珪酸カルシウム硬化体。
- 少なくとも珪酸質原料とセメントと石灰質原料を含む水性スラリーを型枠に注入し、予備硬化した後にオートクレーブ養生し、主としてトバモライトからなる珪酸カルシウム硬化体を製造する方法であって、上記珪酸質原料のうち、50重量%以上が結晶質である珪酸質原料であり、かつ上記水性スラリーが、硫酸アルミニウムもしくはその水和物を、酸化物換算(Al2O3)で固体原料の総重量に対して0.09〜10重量%、その他の硫酸化合物を、上記硫酸アルミニウムもしくはその水和物を含めて、SO3量換算で固体原料の総重量に対して0.15〜15重量%含有し、かつ上記水性スラリーが、固体原料の総重量に対する使用した全ての水の重量比が0.67〜3.5であり、気泡剤としてアルミニウム粉末を固体アルミニウム換算で固体原料の総重量に対して0.002〜0.8重量%を混合して含むことを特徴とする請求項1に記載の珪酸カルシウム硬化体の製造方法。
- 予備硬化により得られた予備硬化体を、型枠からはずした後に、オートクレーブ養生することを特徴とする請求項7に記載の珪酸カルシウム硬化体の製造方法。
- 少なくとも珪酸質原料とセメントと石灰質原料と水を、固体原料の総重量に対する使用した全ての水の重量比が0.67〜3.5になるように混合した後に、起泡剤又はその水溶液に空気を送り込んで作製されたフォームを上記水性スラリーに対して5〜300vol%混合して水性スラリーを得、該水性スラリーを型枠に注入することを特徴とする請求項7又は8に記載の珪酸カルシウム硬化体の製造方法。
- 少なくとも珪酸質原料とセメントと石灰質原料を含む水性スラリーを得る工程が、珪酸質原料とセメントと硫酸アルミニウムもしくはその水和物とその他の硫酸化合物と石灰質原料の一部と水を混合する第一工程と、引き続き、残りの石灰質原料を加えてさらに混合する第二工程とを有することを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の珪酸カルシウム硬化体の製造方法。
- 少なくとも珪酸質原料とセメントと石灰質原料を含む水性スラリーを得る工程が、珪酸質原料とセメントと水と硫酸アルミニウムもしくはその水和物と石灰質原料の一部とを混合する第一工程と、引き続き、その他の硫酸化合物および残りの石灰質原料を加えてさらに混合する第二工程を有することを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の珪酸カルシウム硬化体の製造方法。
- 硫酸アルミニウム及びその水和物以外の他の硫酸化合物が二水石膏であることを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載の珪酸カルシウム硬化体の製造方法。
- 結晶質珪酸原料が、ブレーン比表面積で5000〜300000cm2/gの微粉珪石であることを特徴とする請求項7〜12のいずれかに記載の珪酸カルシウム硬化体の製造方法。
- 請求項7〜13のいずれかに記載の珪酸カルシウム硬化体の製造方法において、補強鉄筋または補強金網が配置された型枠に注入することを特徴とする珪酸カルシウム複合体の製造方法。
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