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JP4839741B2 - 減圧装置 - Google Patents
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本発明は、減圧すべき対象の空間(減圧対象空間という)を所定の減圧度に減圧し、維持するための減圧装置に関する。
従来より、減圧対象空間を排気して所定の減圧度に減圧し、維持するための減圧装置が、乾燥、蒸発、脱気、真空包装、真空包装等の種々な分野で使用されている。一般に、減圧対象空間は密閉されており、減圧対象空間を所定の減圧度に減圧した後は、減圧維持のための排気量はさほど多くなくてよい。このため、減圧に用いる真空ポンプ等の排気装置は、通常、1台用いており、その排気装置を配管で減圧対象空間に接続している。
ところで、減圧対象空間には、密封を行うことができず、かなりの外気流入が避けられないものがある。このような減圧対象空間を減圧する場合、減圧度をあまり下げない場合でも(例えば、大気圧より10Kpa程度しか減圧しない場合でも)、減圧のための大量の排気が必要となる。このため、1台の排気装置では、排気装置の排気能力を相当大きくしないと減圧対象空間を所定の減圧度に到達させることができないことがある。そこで、その場合には、図5に示すように、減圧対象空間1に、配管2、バルブ3、分岐配管4等を介して複数の排気装置5を並列に接続し、複数の排気装置5の並列運転によって排気能力を高めて対処している。なお、6は減圧対象空間1内の圧力を示す圧力計である。
ところが、このように複数の排気装置5を並列に接続して並列運転した場合、複数の排気装置5が互いに干渉しあって、各排気装置5の本来の性能が十分には発揮されず、排気装置の設置台数に見合う程には能力アップを図ることができず、効率が悪いという問題があった。また、排気装置5として、排気ブロワー、真空ポンプ、アスピレータ等が用いられているが、排気時に圧力変動(脈動)を生じるタイプの排気装置を用いた場合には、排気装置によって生じた圧力変動が減圧減圧対象空間1にも作用し、減圧対象空間1に悪影響を及ぼすことがあった。また、減圧対象空間1によっては、減圧対象空間1からの排気中に空気のみならず、水滴等の液体が混じることがあり、その場合、液体が排気装置に吸入され、トラブルを起こすこともあった。
本発明はかかる状況に鑑みてなされたもので、所定の減圧度への減圧にかなりの排気能力が要求される減圧対象空間を、複数の排気装置を用いて効率良く減圧することができ、且つ排気装置として圧力変動を生じるものを用いた場合においても減圧対象空間に圧力変動の影響を及ぼすことほとんどなく減圧対象空間を所定の減圧度に維持しうる減圧装置を提供することを課題とする。また、本発明は、減圧対象空間からの排気中に液体が混入していた場合においても、その液体が排気装置に吸入されないようにした減圧装置を提供することも課題とする。
上記課題を解決すべくなされた本願請求項1に係る発明は、所定の減圧度に減圧して維持すべき減圧対象空間に配管を介して接続されたバッファタンクであって、該バッファタンクに設けられている流入口と流出口の間に、前記減圧対象空間から吸入した排気が衝突することで該排気から液体を分離する遮蔽板を備えたバッファタンクと、該バッファタンクに、それぞれ専用の配管を介して接続され、並列運転を行う複数の排気装置を有する減圧装置を要旨とする。
また、請求項2に係る発明は、上記した請求項1に係る発明において、前記バッファタンクの底部に、該バッファタンクで分離した液体をバッファタンク内を減圧した状態で系外に自動排出可能なドレン排出装置を接続しておき、そのドレン排出装置を、前記バッファタンクの底部に連結されたドレンタンクと、該ドレンタンクに接続され、該ドレンタンク内の液面を一定に保つように、該ドレンタンクに流れ込んだ液体を系外に排出するS字配管を有する構成としたものである。
本発明の減圧装置は、減圧対象空間に対して、バッファタンクを介して排気装置を接続する構成としたことで、排気装置として排気時に圧力変動(脈動)を生じるタイプのもの、例えば、ダイアフラムポンプ等の容積型の排気装置を用いた場合にも、その排気装置で生じる圧力変動がバッファタンクで解消されるため、減圧対象空間にまで作用せず、従って、減圧対象空間には圧力変動が生じることがない。また、複数の排気装置を、それぞれ専用の配管を介してバッファタンクに接続しているため、複数の排気装置が互いに干渉しあうことがなく、このため、各排気装置の排気能力をそのまま発揮させることができ、従って、複数の排気装置によって効率良く減圧対象空間を減圧し、所定の減圧度に維持することができる。更に、バッファタンクに排気から液体を分離するための遮蔽板を設けているので、減圧対象空間からの排気に液体が混入していても、その液体はバッファタンクで分離され、排気装置に吸入されることはなくなる。このため、排気装置に液体が吸入されて排気装置を損傷させるといったトラブルを回避できる。
ここで、バッファタンクの底部に、該バッファタンクで分離した液体をバッファタンク内を減圧した状態で系外に自動排出可能なドレン排出装置であって、前記バッファタンクの底部に連結されたドレンタンクと、該ドレンタンクに接続され、該ドレンタンク内の液面を一定に保つように、該ドレンタンクに流れ込んだ液体を系外に排出するS字配管を有する構成のドレン排出装置を接続しておくと、減圧装置の運転を継続した状態で、且つドレンタンク内の液面を一定に保った状態で、バッファタンク内で分離した液体を系外に自動排出でき、バッファタンク内の液体排出のために装置の運転を一時的に停止する必要がなく、従って、長期間に渡って連続運転することが可能となる。
図1は本発明の好適な実施の形態に係る減圧装置を概略的に示すフローチャート、図2はその減圧装置に用いているバッファタンクの概略断面図、図3はバッファタンク底部に接続しているドレン排出手段の概略断面図であり、従来装置と同一部品には同一符号を付している。図1〜図3において、全体を参照符号11で示す減圧装置は、減圧対象空間1を所定の減圧度に減圧、維持するためのものであり、減圧対象空間1に接続された配管2及びバルブ3と、その配管2に接続されたバッファタンク12と、そのバッファタンク12に、それぞれ専用の配管13を介して接続された複数の排気装置5と、バッファタンク12の底部に接続されたドレン排出装置14等を備えている。
バッファタンク12は、排気装置5による排気時に生じる圧力変動(脈動)を吸収するためのものであり、複数の排気装置5の並列運転中においても排気装置5によって生じた圧力変動が減圧対象空間1にあまり影響しないようにタンク容量を定めている。更に、このバッファタンク12は、減圧対象空間1から吸入した排気から、その排気中に含まれている水滴等の液体を分離する気液分離機能も備えた構造としている。具体的には、バッファタンク12内には、流入口12aと流出口12bの間に遮蔽板16が設けられており、吸入された気流がその遮蔽板16に衝突することで液体が気流から分離されるようになっている。
バッファタンク12の底部に接続されたドレン排出装置14は、バッファタンク12で分離された液体をバッファタンク内を減圧した状態で系外に自動排出可能なものであり、配管18及びバルブ19を介して接続された、インジケータ20a付のドレンタンク20と、そのドレンタンク20の底部に接続されたS字配管21と、その先端に設けられたバルブ22等を備えている。ここで、S字配管21の頂部の位置は、ドレンタンク20内に収容する液体24の液面24aを所定の高さHとした時に、S字配管21の頂部における液面24bとの間に、バッファタンク12内の圧力と大気圧との差に相当する液面差hが形成されるように設定されている。これにより、ドレンタンク20にバッファタンク12内の圧力が作用している状態で、ドレンタンク20内にバッファタンク12から液体が流れ込み、液面20aが所定の高さHを越えると液体は自動的にS字配管21から自動的に流出し、ドレンタンク20内の液面20aは常に高さHに維持されることとなる。
複数の排気装置5は、それぞれ専用の配管13を介してバッファタンク12に接続されている。このように各排気装置5を直接、容量の大きいバッファタンク12に接続することで、複数の排気装置5の相互の干渉を回避し、各排気装置5の排気能力を十分に発揮させることができる。ここで排気装置5としては、排気ブロワー、真空ポンプ、アスピレータ等、任意のものを用いることができ、また真空ポンプとしては、ダイアフラムポンプなどの、排気時に圧力変動(脈動)を生じる容積型のものを用いても、その排気能力を十分に発揮させることができる。また、複数の排気装置5は、相互に干渉することがないので、同一仕様の排気装置5を用いる場合に限定されず、排気能力の異なるものや、構造の異なるものを組み合わせて用いることもできる。なお、複数の排気装置5をバッファタンク12に接続するには、図4に示すように、複数の排気装置5を分岐配管26を介して接続することも考えられるが、分岐配管26を用いると、隣接した排気装置5が互いに干渉して能力を十分に発揮できず、特に、隣接した排気装置5の排気容量が異なる場合や排気装置5の排気時に圧力変動を伴う場合には、隣接した排気装置5同士の干渉が大きく生じることが判明した。そこで、この現象を避けるため、図1に示すように、各排気装置5を専用の配管13を用いてバッファタンク12に直接接続する構成としている。
上記構成の減圧装置11では、複数の排気装置5を並列運転することで、バッファタンク12を介して減圧対象空間1を排気して減圧することができ、その際、複数の排気装置5が相互に干渉せず、それぞれの排気能力を十分に発揮できるので、外気の侵入の多い減圧対象空間1に対しても大量の排気を行って減圧することができる。この際、バッファタンク12が排気装置5によって生じる脈動などの圧力変動を吸収するので、減圧対象空間1を圧力変動の無い一定の減圧度に維持することができる。また、減圧対象空間1からの排気中に水滴などの液体が混じることがあるが、その液体は排気がバッファタンク12を通過する際に気流から分離されるため、液体が排気装置5に流入してトラブルを起こすということはない。
バッファタンク12で分離された液体は、ドレンタンク20に流下し、系外に排出される。ここで、減圧装置11の運転開始時には、S字配管21の先端のバルブ22は閉じておき、S字配管21及びドレンタンク20を通って外気がバッファタンク12内に流入しないようにしておくが、バッファタンク12から流下する液体がドレンタンク20に溜まり、ドレンタンク20及びS字配管21内に溜まった液体の深さがバッファタンク12内の減圧に対抗できる深さ以上となった後の適当な時点でバルブ22を開く。この時、図3に示すように、ドレンタンク20及びS字配管21内に溜まった液体の液面は破線24c、24dで示す位置となって、液面差hがバッファタンク12からの減圧に対抗するので外気が侵入することはない。その後、バッファタンク12からの液体の流下に伴って液面が徐々に上昇し、ドレンタンク20の液面20aが所定の高さHに達するとS字配管21側の液面24bは配管頂部に達し、その後のドレンタンク20への液体流入に伴い、液体がS字配管21を通って自動的に流出し、ドレンタンク20内の液面20aは常に高さHに維持される。かくして、バッファタンク12で分離した液体を系外に自動排出しながら、減圧装置11を連続運転することができ、減圧対象空間1を長期間に渡って所定の減圧度に維持することができる。上記した減圧装置11の使用対象は、特に限定するものではないが、減圧度は、大気圧より10Kpa程度以下というような低い値でよいが、その減圧度を達成するためには大量の排気を必要とし、しかもその排気中に水滴などの液体分が混入するような特性の空間の減圧に使用することが好ましい。
図1に示す減圧装置11による効果を確認するため、外気の侵入口を形成した減圧対象空間1を準備し、それに、図1に示すように、バッファタンク12、ドレン排出装置14、複数の(テストでは2台の)排気装置5及び専用配管13を備えた減圧装置11を接続し、減圧テストを行った。ここで用いた排気装置5は、ダイアフラムポンプである。また、排気中に液体を混入させるため、減圧対象空間1に噴霧ノズルによって少量の水を吹き込んだ。この減圧装置11の2台の排気装置5を並列運転して減圧対象空間1を減圧する減圧テストを行い(実施例1)、その時の減圧対象空間1の減圧度及び圧力変動を測定し、また、排気からの液体分離状況を観察した。その結果を表1に示す。
また、比較のため、実施例1と同じ減圧対象空間1、バッファタンク12、ドレン排出装置14及び2台の排気装置5を用いて、図4に示す構成の減圧装置を作成し、1台の排気装置5のみを運転して減圧減圧対象空間1を減圧する減圧テスト(比較例1)、及び、2台の排気装置5を並列運転した減圧テスト(比較例2)を行った。更に、実施例1と同じ減圧対象空間1及び2台の排気装置5を用いて、図5に示す従来の減圧装置を構成し、1台の排気装置5のみを運転した減圧テスト(比較例3)、2台の排気装置5を並列運転した減圧テスト(比較例4)も行った。これらの減圧テストの結果も表1に示す。
Figure 0004839741
表1の結果から分かるように、排気装置5を分岐配管26を介してバッファタンク12に接続した場合(比較例1、2)、1台の排気装置5の運転時に比べて、2台の排気装置5を並列運転することで排気能力を高くすることは可能であるが、その高くなる程度はさほど大きくなく、2台並列運転の効率が悪い。これに対し、2台の排気装置5をそれぞれ専用配管13を用いてバッファタンク12に接続した実施例1では、2台の排気装置5による排気能力がかなり大きくなっていて減圧度を大きくできた。更に、バッファタンク12の設置により減圧対象空間には圧力変動がほとんど生じなかった。また、邪魔板16を有するバッファタンク12によって、良好な気液分離を行うこともできた。一方、バッファタンクを用いない比較例3、4では、バッファタンクを用いた比較例1、2よりは排気能力が高く、到達真空度が高くなるが、やはり2台を並列運転した際の能力増加の程度はさほど大きくなく、実施例1の到達減圧度を得ることはできなかった。更に、比較例3、4ではバッファタンクを用いないので、排気装置5の圧力変動が減圧対象空間1に影響し、減圧対象空間1にもかなりの圧力変動が生じていた。かくして、これらの減圧テストにより、本発明の実施例による効果を確認できた。
以上に本発明の好適な実施の形態及び実施例を説明したが、本発明はこれらの実施の形態や実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載範囲内で適宜変更可能であることは言うまでもない。
本発明の好適な実施の形態に係る減圧装置を概略的に示すフローチャート 図1に示す減圧装置のバッファタンクの概略断面図 図1に示す減圧装置のドレン排出装置の概略断面図 排気装置のバッファタンクに対する接続経路を図1の装置とは変更した構造の減圧装置を概略的に示すフローチャート 従来の減圧装置を概略的に示すフローチャート
符号の説明
1 減圧対象空間
2 配管
3 バルブ
4 分岐配管
5 排気装置
6 圧力計
11 減圧装置
12 バッファタンク
13 配管
14 ドレン排出装置
16 遮蔽板
18 配管
19 バルブ
20 ドレンタンク
21 S字配管
22 バルブ
26 分岐配管

Claims (2)

  1. 所定の減圧度に減圧して維持すべき減圧対象空間に配管を介して接続されたバッファタンクであって、該バッファタンクに設けられている流入口と流出口の間に、前記減圧対象空間から吸入した排気が衝突することで該排気から液体を分離する遮蔽板を備えたバッファタンクと、該バッファタンクに、それぞれ専用の配管を介して接続された、並列運転を行う複数の排気装置を有する減圧装置。
  2. 前記バッファタンクの底部には、該バッファタンクで分離した液体をバッファタンク内を減圧した状態で系外に自動排出可能なドレン排出装置が接続されており、該ドレン排出装置は、前記バッファタンクの底部に連結されたドレンタンクと、該ドレンタンクに接続され、該ドレンタンク内の液面を一定に保つように、該ドレンタンクに流れ込んだ液体を系外に排出するS字配管を有することを特徴とする請求項1記載の減圧装置。
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