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JP4840566B2 - 車両の駆動力配分制御装置 - Google Patents
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JP4840566B2 - 車両の駆動力配分制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は車両の駆動力配分制御装置に係り、特にエンジンが始動後の新たなサンプリングによる補正制御の実施前、車両停止を行うような短時間走行を繰り返した場合に対処し、トランスファ、ディファレンシャル等の駆動力伝達機構や駆動力配分装置に対する不具合を解消する車両の駆動力配分制御装置に関するものである。
車両においては、エンジンからの駆動力を車両の走行状態に応じて、主駆動輪及び副駆動輪へと配分する駆動力配分装置を備えているものがある。
特公平7−5033号公報 実開昭59−158757号公報
ところで、従来の車両の駆動力配分制御装置において、応急用タイヤを装着した場合や、タイヤの空気圧が減圧したり、乗員人数が増えたりして見かけ上タイヤ径が小さくなった場合など、常時、前後輪回転速度差が発生する状況では、駆動力配分装置と連結しているトランスファやディファレンシャル等を破損する恐れがあるという不都合がある。
この不都合を解消する制御を行う必要がある。
従来では、制御周期毎に車速1km/h当たりの前後差回転を求め、その平均値と標準偏差の減算から求めた偏差に車速を乗算して求めた値を異径タイヤ分の前後差回転補正量とし、前後輪回転速度差から前後差回転補正量を差し引いた値を、制御用の前後差回転として制御を行っているものがある(特開2003−072407号公報、特開2003−104079号公報、特開2003−200746号公報、特開2003−226150号公報参照)。
しかし、イグニションスイッチのオフ時にタイヤの異径分の前後差回転補正量を消去するとした場合、タイヤが異径状態のままで、再度イグニションスイッチをオンし、エンジンが始動してから補正が働き始めるまでの時間(約5分程度)よりも短時間の走行を連続して行うと、全く前後差回転補正が働かないため、大きな前後輪回転速度差が発生したまま走行している状態と同じであり、トランスファやディファレンシャル等を破損する恐れがあるという不都合がある。
また、従来の車両の駆動力配分制御装置において、前後差回転が発生した場合、駆動力配分装置内のクラッチで摩擦熱が発生する。
大きな前後差回転が、継続して発生するような状態では、摩擦による発熱量も大きくなり、駆動力配分装置本体が破損する恐れがあるという不都合がある。
この不都合を解消するために、伝達トルクと前後差回転からクラッチ発熱量を計算し、発熱量が大きい時間が所定時間経過したとき、伝達禁止とする制御(上述の特許文献2参照)等が行われ、破損を回避している。
しかし、イグニションスイッチをオフしたときに、発熱量を記憶しておかない場合、
(1)サイドブレーキを戻し忘れたまま走行したり、スタックした状態からなかなか脱出できなかったり、大きな前後差回転が発生する運転を行う。
(2)イグニションスイッチをオフする。
(3)イグニションスイッチをすぐにオンし、再び、サイドブレーキを戻し忘れたまま走行したり、スタックした状態からなかなか脱出できなかったり、大きな前後差回転が発生する運転を行う。
続けて、上述の(2)及び(3)を連続して行った場合、計算された発熱量が、イグニションスイッチをオフからオンするたびに「0(「ゼロ」あるいは「零」ともいう。)」にリセットされてしまう。
この結果、駆動力配分装置の実際の発熱量が、トルク伝達禁止発熱量を超過しているにも拘わらず、計算された発熱量はトルク伝達禁止発熱量に達しない状況が発生し、駆動力配分装置が破壊に至ってしまうという不都合がある。
この発明の目的は、車両停止(「イグニションスイッチのオフ」とも換言できる。)した後も、制御装置が、発熱量を記憶しているので、次の走行時において、実際の発熱量に近い正確な発熱量を用いた駆動配分制御を実施することが可能な車両の駆動力配分制御装置を実現するにある。
そこで、この発明は、上述不都合を除去するために、エンジンからの駆動力を車両の走行状態に応じて、主駆動輪及び副駆動輪へと配分する駆動力配分装置を備えた車両の駆動力配分制御装置において、前記副駆動輪に伝達するトルクを算出する伝達トルク算出手段を備え、この伝達トルク算出手段により算出された伝達トルクに応じて、前記駆動力配分装置を駆動する駆動電流を算出する駆動電流算出手段を備え、車両の前記主駆動輪と前記副駆動輪との回転速度差を検出する回転速度差検出手段を備え、イグニションスイッチをオフした後も制御装置への電源供給を続け、所定時間経過後に制御装置への電源供給を遮断する遮断手段を備え、前記伝達トルク算出手段により算出された伝達トルクと前記回転速度差検出手段により検出された前記主駆動輪と前記副駆動輪との回転速度差とから発熱量を算出する発熱量算出手段を備え、前記遮断手段の実行時において、前記発熱量算出手段により算出された発熱量を、電気的にデータの書換えが可能な不揮発性メモリに保存する保存手段を備えていることを特徴とする。
以上詳細に説明した如くこの本発明によれば、車両停止(「イグニションスイッチのオフ」とも換言できる。)した後も、制御装置が、発熱量を記憶しているので、次の走行時において、実際の発熱量に近い正確な発熱量を用いた駆動配分制御を実施することが可能であり、従って、エンジンが始動してから新たなサンプリングによる補正制御が実施される前に、車両を停止するような短時間走行を繰り返した場合でも、発熱量が限界値を超えてしまって、トランスファ、ディファレンシャル等の駆動力伝達機構や、駆動力配分装置に悪影響を与えることがない。
上述の如く発明したことにより、制御装置が、車両停止した後も、制御装置が発熱量を記憶しており、次の走行時において、実際の発熱量に近い正確な発熱量を用いた駆動配分制御を実施することが可能であり、従って、エンジンが始動してから新たなサンプリングによる補正制御が実施される前に、車両を停止するような短時間走行を繰り返した場合でも、発熱量が限界値を超えてしまって、トランスファ、ディファレンシャル等の駆動力伝達機構や、駆動力配分装置に与える悪影響を回避している。
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明する。
図1〜図6はこの発明の実施例を示すものである。図2において、1はFFベースの四輪駆動車(以下、単に「車両」という。)、2は車両1の駆動力配分制御装置である。
前記車両1は、図2に示す如く、前側かつ横置き状態にエンジン3を搭載するとともに、このエンジン3にトランスミッション4とフロントデフ5とトランスファ6を設ける。
そして、フロントデフ5に前側左用ドライブシャフト7及び前側右用ドライブシャフト8の一端側を接続し、前側左用ドライブシャフト7の他端側に前側左車輪9を装着するとともに、前側右用ドライブシャフト8の他端側には前側右車輪10を装着する。
また、前記トランスファ6には、プロペラシャフト11を介して駆動力配分装置12を接続し、この駆動力配分装置12にリヤデフ13を設ける。
そして、このリヤデフ13に後側左用ドライブシャフト14及び後側右用ドライブシャフト15の一端側を接続し、後側左用ドライブシャフト14の他端側に後側左車輪16を装着するとともに、後側右用ドライブシャフト15の他端側には後側右車輪17を装着する。
このとき、前記駆動力配分装置12は、前記エンジン3からの駆動力を車両の走行状態に応じて、主駆動輪側の前側左右用ドライブシャフト7、8及び副駆動輪側の後側左右用ドライブシャフト14、15へと配分する機能を有している。
つまり、前記エンジン3からの出力は、トランスミッション4とフロントデフ5と前側左右用ドライブシャフト7、8を介して、前側左右車輪9、10に伝達される。
そして、フロントデフ5に入力されたトルクの一部は、トランスファ6によって後輪側に伝達され、プロペラシャフト11と駆動力分配装置12とリヤデフ13と後側左右用ドライブシャフト14、15を介して、後側左右車輪16、17に伝達される。
前記駆動力配分装置12は、従来のものと同様に、電子制御可能なクラッチとコイル等によって構成されており、この駆動力配分装置12の締結力は、制御装置18からの駆動信号によって決定される。
更に、前記駆動力配分制御装置2は、制御装置18を備えるとともに、前記副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17に伝達するトルクを算出する伝達トルク算出手段19を備え、この伝達トルク算出手段19により算出された伝達トルクに応じて、前記駆動力配分装置12を駆動する駆動電流を算出する駆動電流算出手段20を備え、車両の前記主駆動輪である前側左車輪9及び前側右車輪10と前記副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17との回転速度差を検出する回転速度差検出手段21を備え、この回転速度差検出手段21により、異径タイヤ分の回転速度差を算出する回転速度差補正量算出手段22を備え、
前記回転速度差補正量算出手段22により算出された補正量を、電気的にデータの書換えが可能な不揮発性メモリに保存する保存手段24を備える構成を有する。
そして、この実施例においては、前記駆動力配分制御装置2は、制御装置18を備えるとともに、前記副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17に伝達するトルクを算出する伝達トルク算出手段19を備え、この伝達トルク算出手段19により算出された伝達トルクに応じて、前記駆動力配分装置12を駆動する駆動電流を算出する駆動電流算出手段20を備え、車両の前記主駆動輪である前側左車輪9及び前側右車輪10と前記副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17との回転速度差を検出する回転速度差検出手段21を備え、この回転速度差検出手段21により、異径タイヤ分の回転速度差を算出する回転速度差補正量算出手段22を備え、イグニションスイッチをオフした後も前記制御装置18への電源供給を続け、所定時間経過後に制御装置18への電源供給を遮断する遮断手段23を備え、この遮断手段23の実行時において、前記回転速度差補正量算出手段22により算出された補正量を、電気的にデータの書換えが可能な不揮発性メモリに保存する保存手段24を備える構成を有する。
詳述すれば、前記制御装置18には、図2に示す如く、前側左車輪9に取り付けられる第1回転速度センサ25と、前側右車輪10に取り付けられる第2回転速度センサ26と、後側左車輪16に取り付けられる第3回転速度センサ27と、後側右車輪17に取り付けられる第4回転速度センサ28と、CAN(自動車内のLAN(Local Area Network)規格)通信ラインと、モード切換スイッチ29とが接続される。
このとき、前記第1〜第4回転速度センサ25、26、27、28は、通常の四輪駆動車が備えるアンチ・ロック・ブレーキシステム(「ABS」ともいう。)のセンサを流用したものであり、第1〜第4回転速度センサ25、26、27、28からの出力が前記制御装置18に入力される。
そして、前側の前記第1、第2回転速度センサ25、26から前記主駆動輪である前側左車輪9及び前側右車輪10の回転速度(前記駆動力配分装置12の入力軸回転速度)を求めることができ、後側の前記第3、第4回転速度センサ27、28からは、駆動力配分装置12の出力軸回転速度を求めることができるため、前記回転速度差検出手段21は、以下の式によって車両の前記主駆動輪である前側左車輪9及び前側右車輪10と前記副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17との回転速度差を検出することとなる。
回転速度差(ΔN)
=駆動力配分装置12の入力軸回転速度−駆動力配分装置12の出力軸回転速度
また、CAN通信ラインからは、前記駆動力配分装置12へ出力する電流値を制御するために必要なエンジン回転やスロットル開度等の情報が前記制御手段18に入力される。
更に、前記モード切換スイッチ29は、2WDモードと、回転速度差が発生した時のみ4WD状態になる4WD−AUTOモードと、常時4WD状態になる4WD−LOCKモードとの3つモードを有し、これらのモードのうち、いずれかのモードを選択でき、このスイッチ信号は前記制御手段18に入力される。
更にまた、前記保存手段24に保存された補正量は、次のイグニションスイッチがオンされたときに直ちに読み出され、回転速度差補正量算出時に用いられる。
追記すれば、異径タイヤによる回転速度差の補正量において、前記駆動力配分装置12に流す駆動電流値は、車両1に取り付けられる種々のセンサ情報(エンジン回転、アクセル開度、車速、回転速度差、温度)や前記モード切換スイッチ29の信号から、後輪側に伝達したいトルクを算出し、予め決定されている「伝達トルク−駆動電流特性」(図3参照)を基に決定する。
また、後輪、つまり副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17側に伝達するトルクは、一般的には、アクセル開度に応じて決定されるアクセル開度分の伝達トルク分と、回転速度差と車速に応じて決定される伝達トルク分の足し合わせとして求められる。
アクセル開度分の伝達トルク分の求め方の一例としては、図4に示す「アクセル係数−車速特性」から求められるアクセル係数と、図5に示す「伝達トルク−アクセル開度特性」から求められる伝達トルクとを乗じた値として求められる。
前記回転速度差と車速に応じて決定される伝達トルク分の求め方の一例としては、図6に示す「伝達トルク−車速特性」からなる伝達トルクマップに回転速度差と車速とを当てはめ、伝達トルクを求めることができる。
更に、タイヤに異径差がある場合は、異径差による回転速度差が常時オフセットで加算されるため、回転速度差と車速に応じて決定される伝達トルクが増大する。そして、異径差によって生じた余分な伝達トルクを、常時、前記副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17に伝えることになるため、燃費の悪化や駆動系の負荷が増えることになる。
従って、一般的には、タイヤの異径差によって生じている回転速度差の補正量を求め、その補正量分を差し引いた回転速度差を使用しての4WD制御が行われる。
しかし、「イグニションスイッチをオフしたときに補正量を消去する」方策とした場合には、タイヤに異径差があり続けたまま、
(1)イグニションスイッチをオンし、エンジン3を始動させる。
(2)中速〜高速の走行を開始し、タイヤ異径差による回転速度差補正が働き始める前に、イグニションスイッチをオフする。
等の上記の(1)及び(2)を連続して行った場合(「上記の(1)及び(2)の走行パターンを繰り返して行った場合」に換言できる。)に、走行開始から回転速度差補正が働き始めるまでに、数分の時間がかかるため、全く回転速度差補正制御が行われないまま走行している状況とほとんど変わらず、トランスファやディファレンシャル等を破損する可能性がある。
このような状況を回避するために、イグニションスイッチのオフからセルフシャットオフ終了するまでの間に、他の記録媒体(EEPROM等、バッテリを外しても消えない記憶媒体)に補正量を保存しておき、次にイグニションスイッチがオンした時の最初のルーチンで記憶媒体から補正量を読み出し、制御で使うこととして、常時、回転速度差補正制御が働く状態とし、トランスファやディファレンシャル等の駆動系の保護を図るものである。
また、前記駆動力配分制御装置2は、制御装置18を備えるとともに、前記副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17に伝達するトルクを算出する伝達トルク算出手段19を備え、この伝達トルク算出手段19により算出された伝達トルクに応じて、前記駆動力配分装置12を駆動する駆動電流を算出する駆動電流算出手段20を備え、車両の前記主駆動輪である前側左車輪9及び前側右車輪10と前記副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17との回転速度差を検出する回転速度差検出手段21を備え、前記伝達トルク算出手段19により算出された伝達トルクと前記回転速度差検出手段21により検出された前記主駆動輪である前側左車輪9及び前側右車輪10と前記副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17との回転速度差とから発熱量を算出する発熱量算出手段30を備え、前記発熱量算出手段30により算出された発熱量を、電気的にデータの書換えが可能な不揮発性メモリに保存する保存手段24を備える構成も有している。
この実施例においては、前記駆動力配分制御装置2は、制御装置18を備えるとともに、前記副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17に伝達するトルクを算出する伝達トルク算出手段19を備え、この伝達トルク算出手段19により算出された伝達トルクに応じて、前記駆動力配分装置12を駆動する駆動電流を算出する駆動電流算出手段20を備え、車両の前記主駆動輪である前側左車輪9及び前側右車輪10と前記副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17との回転速度差を検出する回転速度差検出手段21を備え、イグニションスイッチをオフした後も前記制御装置18への電源供給を続け、所定時間経過後に制御装置18への電源供給を遮断する遮断手段23を備え、前記伝達トルク算出手段19により算出された伝達トルクと前記回転速度差検出手段21により検出された前記主駆動輪である前側左車輪9及び前側右車輪10と前記副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17との回転速度差とから発熱量を算出する発熱量算出手段30を備え、前記遮断手段23の実行時において、前記発熱量算出手段30により算出された発熱量を、電気的にデータの書換えが可能な不揮発性メモリに保存する保存手段24を備える構成を有する。
そして、前記保存手段24に保存された発熱量は、次のイグニションスイッチがオンされたときに直ちに読み出された後、設定値と比較し、読み出された発熱量が、設定値より多い場合には、副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17にトルクを伝達するのを禁止している。
追記すれば、前記駆動力配分装置12の発熱量において、回転速度差が発生した場合は、駆動力配分装置12内のクラッチで摩擦熱が発生する。大きな回転速度差が継続して発生するような状態では、発熱量が駆動力配分装置12の限界発熱量を超え、破損に至る場合がある。
そのため、伝達トルクと回転速度差からクラッチ発熱量を計算し、発熱量が大きい時間が所定時間経過したときに、トルク伝達を禁止とする制御(特許文献2参照)が行われ、破損を回避していた。
しかし、イグニションスイッチをオフしたときに、発熱量を記憶しておかない場合の一例として、スタックからなかなか脱出できないような状況等において、急激に発熱するような運転をした後に、イグニションスイッチをオフからオンし、すぐに、再び急激に発熱する運転を繰り返し行った場合に、イグニションスイッチがオフからオン時に、発熱量を「0」にリセットしてしまうため、実際に前記駆動力配分装置12での発熱量の方が、計算から求めた発熱量よりも大きな値になる。
そのため、実際の前記駆動力配分装置12の発熱量が、トルク伝達を禁止とする発熱量を超え、計算して求めた発熱量が、トルク伝達を禁止とする発熱量以下である状況が発生する。
このとき、さらに急激な発熱をするような運転をすると、前記駆動力配分装置12の限界発熱量を超えて破損し、走行不能状態に陥ってしまう。
このような状況を回避するために、イグニションスイッチのオフからセルフシャットオフ終了するまでの間に、他の記録媒体(EEPROM等、バッテリを外しても消えない記憶媒体)に発熱量を保存しておき、次にイグニションスイッチがオンした時の最初のルーチンで記憶媒体から発熱量を読み出し、制御で使うことによって、実際に前記駆動力配分装置12が発熱している量と計算から求めた発熱量とが大きく異なることがなく、駆動力配分装置12の発熱による破損を回避するものである。
ただし、前記保存手段24に保存された発熱量は、イグニションスイッチがオフ直前の発熱量の値から設定された割合だけ減らした値としてもよい。
つまり、イグニションスイッチのオフ時間が長い時も考慮して、他の記憶媒体に保存する発熱量は,図7に示したようにイグニッションスイッチのオフ時の発熱量から、予め設定された値だけ減らした値としてもよい。これにより、停止直前の車両状態が発熱量の大きいため、2WD状態のまま車両が停止した場合でも、他の記録媒体に保存される発熱量の値として、予め設定された割合だけ減らした値が保存されることになる。よって、次にイグニッションスイッチがオンされた時には、2WDと4WDのどちらかを選択するためのしきい値よりも低い値が発熱量として読み込まれるので、4WD状態となる。したがって、運転者の選択した駆動状態を駆動機構にダメージを与えることなく、より長く実現できるので、商品力向上に貢献できる。なお、図8は、図7との比較のために、上記減らした値を保存しない場合を示している。例えば、イグニションスイッチのオフ時の発熱量から30%減らした値を保存してもよい。
次に図1の前記駆動力配分制御装置2の制御用フローチャートに沿って作用を説明する。
前記駆動力配分制御装置2の制御用プログラムがスタート(A01)すると、判定1であるイグニションスイッチがオン(「ON」とも記載する。)であるか否かの判断(A02)に移行し、この判断(A02)がYESの場合には、判定2であるイグニションスイッチのオン後、1回目のルーチンであるか否かの判断(A03)に移行し、判断(A02)がNOの場合には、判定3であるセルフシャットオフ途中か否かの判断(A04)に移行する。
上述の判定2であるイグニションスイッチのオン後、1回目のルーチンであるか否かの判断(A03)において、この判断(A03)がYESの場合には、補正量を記憶媒体から読み出した補正量とするとともに、発熱量を記憶媒体から読み出した発熱量とする処理(A05)を行い、車両1に取り付けられた前記第1〜第4回転速度センサ25、26、27、28を含むセンサやCAN通信ラインからデータを取得する処理(A06)に移行し、判断(A03)がNOの場合には、車両1に取り付けられた前記第1〜第4回転速度センサ25、26、27、28を含むセンサやCAN通信ラインからデータを取得する処理(A06)に直接移行する。
そして、車両1に取り付けられた前記第1〜第4回転速度センサ25、26、27、28を含むセンサやCAN通信ラインからデータを取得する処理(A06)の後には、4つの第1〜第4回転速度センサ25、26、27、28から、式
回転速度差(ΔN)
=駆動力配分装置12の入力軸回転速度−駆動力配分装置12の出力軸回転速度
を使って回転速度差(「前後差回転」ともいう。)(ΔN)を算出し、補正量を減算する処理(A07)を行い、タイヤの異径度合いによる回転速度差を再計算し、補正量を更新する処理(A08)に移行する。
このタイヤの異径度合いによる回転速度差を再計算し、補正量を更新する処理(A08)の後には、前記モード切換スイッチ29や車速、回転速度差(ΔN)、エンジン回転、アクセル回過度などの情報から、後輪側に伝達するトルクを算出する処理(A09)を行い、式
発熱量=伝達トルクX回転速度差(ΔN)
によって発熱量を求める処理(A10)に移行する。
また、式
発熱量=伝達トルクX回転速度差(ΔN)
によって発熱量を求める処理(A10)の後には、後輪側に伝達するトルクを図に示す「伝達トルク−駆動電流特性」に当てはめ、駆動電流値を算出する処理(A11)を行い、判定4である発熱量がトルク伝達禁止発熱量を超えているか否かの判断(A12)に移行する。
この判定4である発熱量がトルク伝達禁止発熱量を超えているか否かの判断(A12)において、判断(A12)がYESの場合には、駆動電流値を「0」とする処理(A13)を行い、駆動電流値を出力する処理(A14)に移行するとともに、判断(A12)がNOの場合には、駆動電流値を出力する処理(A14)に直接移行する。
更に、上述した判定3であるセルフシャットオフ途中か否かの判断(A04)において、この判断(A04)がYESの場合には、以下の2つの
(1)異径タイヤ分の回転速度差補正量
(2)駆動力配分装置12の発熱量
を記憶媒体に保存する処理(A15)を行い、その後に駆動電流値を出力する処理(A14)に移行するとともに、判断(A04)がNOの場合には、制御プログラムのエンド(A16)に移行する。
そして、駆動電流値を出力する処理(A14)の後には、前記駆動力配分制御装置2の制御用プログラムのエンド(A16)に移行する。
なお、上述したフローチャートは、前記制御装置(「CPU」とも換言できる。)18が、所定周期毎に繰り返し実行・処理してもよいものである。
これにより、前記制御装置18を備えるとともに、前記副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17に伝達するトルクを算出する伝達トルク算出手段19を備え、この伝達トルク算出手段19により算出された伝達トルクに応じて、前記駆動力配分装置12を駆動する駆動電流を算出する駆動電流算出手段20を備え、車両の前記主駆動輪である前側左車輪9及び前側右車輪10と前記副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17との回転速度差を検出する回転速度差検出手段21を備え、この回転速度差検出手段21により、異径タイヤ分の回転速度差を算出する回転速度差補正量算出手段22を備え、前記回転速度差補正量算出手段22により算出された補正量を、電気的にデータの書換えが可能な不揮発性メモリに保存する保存手段24を備える構成を有する前記駆動力配分制御装置2によって、制御装置18が、常時、回転速度差補正量算出手段により算出された補正量を保存しているので、エンジン始動毎に新たなサンプリングによる補正制御を実施する必要がない。
また、前記制御装置18を備えるとともに、前記副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17に伝達するトルクを算出する伝達トルク算出手段19を備え、この伝達トルク算出手段19により算出された伝達トルクに応じて、前記駆動力配分装置12を駆動する駆動電流を算出する駆動電流算出手段20を備え、車両の前記主駆動輪である前側左車輪9及び前側右車輪10と前記副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17との回転速度差を検出する回転速度差検出手段21を備え、この回転速度差検出手段21により、異径タイヤ分の回転速度差を算出する回転速度差補正量算出手段22を備え、イグニションスイッチをオフした後も前記制御装置18への電源供給を続け、所定時間経過後に制御装置18への電源供給を遮断する遮断手段23を備え、この遮断手段23の実行時において、前記回転速度差補正量算出手段22により算出された補正量を、電気的にデータの書換えが可能な不揮発性メモリに保存する保存手段24を備える構成を有する前記駆動力配分制御装置2によって、車両停止した後も、制御装置18が異径タイヤ分の回転速度差による補正値のデータを記憶しているので、次の走行時において、直ちに異径タイヤ分の回転速度差を見込んだ駆動配分制御を実施することが可能であり、従って、エンジン3が始動してから新たなサンプリングによる補正制御が実施される前に、車両1を停止するような短時間走行を繰り返した場合でも、トランスファ、ディファレンシャル等の駆動力伝達機構や、駆動力配分装置に過度な負担がかかることはなく、これによって信頼性の高い駆動力配分制御装置2を実現することが可能である。
更に、前記保存手段24に保存された補正量は、次のイグニションスイッチがオンされたときに直ちに読み出され、回転速度差補正量算出時に用いられることにより、伝達トルクを決定するのに必要な回転速度差を算出する場合において、異径タイヤ分の回転速度差データをイグニションスイッチのオン後、即座に読み出すことができ、正確な回転速度差を直ちに把握することが可能であり、従って、正確な駆動力配分制御を常時実現することが可能である。
更にまた、前記制御装置18を備えるとともに、前記副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17に伝達するトルクを算出する伝達トルク算出手段19を備え、この伝達トルク算出手段19により算出された伝達トルクに応じて、前記駆動力配分装置12を駆動する駆動電流を算出する駆動電流算出手段20を備え、車両の前記主駆動輪である前側左車輪9及び前側右車輪10と前記副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17との回転速度差を検出する回転速度差検出手段21を備え、前記伝達トルク算出手段19により算出された伝達トルクと前記回転速度差検出手段21により検出された前記主駆動輪である前側左車輪9及び前側右車輪10と前記副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17との回転速度差とから発熱量を算出する発熱量算出手段30を備え、前記発熱量算出手段30により算出された発熱量を、電気的にデータの書換えが可能な不揮発性メモリに保存する保存手段24を備える構成を有する前記駆動力配分制御装置2によって、制御装置18が、常時、発熱量算出手段により算出された発熱量を保存しているので、エンジン始動毎に新たなサンプリングによる補正制御を実施する必要がない。
また、前記制御装置18を備えるとともに、前記副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17に伝達するトルクを算出する伝達トルク算出手段19を備え、この伝達トルク算出手段19により算出された伝達トルクに応じて、前記駆動力配分装置12を駆動する駆動電流を算出する駆動電流算出手段20を備え、車両の前記主駆動輪である前側左車輪9及び前側右車輪10と前記副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17との回転速度差を検出する回転速度差検出手段21を備え、イグニションスイッチをオフした後も前記制御装置18への電源供給を続け、所定時間経過後に制御装置18への電源供給を遮断する遮断手段23を備え、前記伝達トルク算出手段19により算出された伝達トルクと前記回転速度差検出手段21により検出された前記主駆動輪である前側左車輪9及び前側右車輪10と前記副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17との回転速度差とから発熱量を算出する発熱量算出手段30を備え、前記遮断手段23の実行時において、前記発熱量算出手段30により算出された発熱量を、電気的にデータの書換えが可能な不揮発性メモリに保存する保存手段24を備える構成を有する前記駆動力配分制御装置2によって、車両停止した後も、制御装置18が発熱量を記憶しているので、次の走行時において、実際の発熱量に近い正確な発熱量を用いた駆動配分制御を実施することが可能であり、従って、エンジンが始動してから新たなサンプリングによる補正制御が実施される前に、車両1を停止するような短時間走行を繰り返した場合でも、発熱量が限界値を超えてしまって、トランスファ、ディファレンシャル等の駆動力伝達機構や、駆動力配分装置12に悪影響を与えることがない。
更に、前記保存手段24に保存された発熱量は、次のイグニションスイッチがオンされたときに直ちに読み出された後、設定値と比較し、読み出された発熱量が、設定値より多い場合には、副駆動輪にトルクを伝達するのを禁止していることにより、実際の発熱量に即したデータを、始動後直ちに制御装置が把握することができ、トランスファ、ディファレンシャル等の駆動力伝達機構や駆動力配分装置12を保護するシステムの精度を向上させることが可能である。
更にまた、前記保存手段24に保存された発熱量は、イグニションスイッチがオフ直前の発熱量の値から設定された割合だけ減らした値であることによって、停止直前の車両状態が発熱量の大きいため、2WD状態のまま車両が停止した場合でも、他の記録媒体に保存される発熱量の値として、予め設定された割合だけ減らした値が保存されることになる。よって、次にイグニッションスイッチがオンされた時には、2WDと4WDのどちらかを選択するためのしきい値よりも低い値が発熱量として読み込まれるので、4WD状態となる。したがって、運転者の選択した駆動状態を駆動機構にダメージを与えることなく、より長く実現できるので、商品力向上に貢献できる。
この発明の実施例を示す駆動力配分制御装置の制御用フローチャートである。 車両の駆動力配分制御装置のシステム図である。 伝達トルク−駆動電流特性を示す図である。 アクセル係数−車速特性を示す図である。 伝達トルク−アクセル開度特性を示す図である。 伝達トルク−車速特性を示す図である。 イグニションスイッチのオフ時の発熱量と時間と関係を示す図である。 減らした値を保存しない場合の発熱量と時間と関係を示す図である。
1 四輪駆動車(以下、単に「車両」という。)
2 駆動力配分制御装置
3 エンジン
4 トランスミッション
5 フロントデフ
6 トランスファ
7 前側左用ドライブシャフト
8 前側右用ドライブシャフト
9 前側左車輪
10 前側右車輪
11 プロペラシャフト
12 駆動力配分装置
13 リヤデフ
14 後側左用ドライブシャフト
15 後側右用ドライブシャフト
16 後側左車輪
17 後側右車輪
18 制御装置
19 伝達トルク算出手段
20 駆動電流算出手段
21 回転速度差検出手段
22 回転速度差補正量算出手段
23 遮断手段
24 保存手段
25 第1回転速度センサ
26 第2回転速度センサ
27 第3回転速度センサ
28 第4回転速度センサ
29 モード切換スイッチ
30 発熱量算出手段

Claims (3)

  1. エンジンからの駆動力を車両の走行状態に応じて、主駆動輪及び副駆動輪へと配分する駆動力配分装置を備えた車両の駆動力配分制御装置において、前記副駆動輪に伝達するトルクを算出する伝達トルク算出手段を備え、この伝達トルク算出手段により算出された伝達トルクに応じて、前記駆動力配分装置を駆動する駆動電流を算出する駆動電流算出手段を備え、車両の前記主駆動輪と前記副駆動輪との回転速度差を検出する回転速度差検出手段を備え、イグニションスイッチをオフした後も制御装置への電源供給を続け、所定時間経過後に制御装置への電源供給を遮断する遮断手段を備え、前記伝達トルク算出手段により算出された伝達トルクと前記回転速度差検出手段により検出された前記主駆動輪と前記副駆動輪との回転速度差とから発熱量を算出する発熱量算出手段を備え、前記遮断手段の実行時において、前記発熱量算出手段により算出された発熱量を、電気的にデータの書換えが可能な不揮発性メモリに保存する保存手段を備えていることを特徴とする車両の駆動力配分制御装置。
  2. 前記保存手段に保存された発熱量は、次のイグニションスイッチがオンされたときに直ちに読み出された後、設定値と比較し、読み出された発熱量が、設定値より多い場合には、副駆動輪にトルクを伝達するのを禁止していることを特徴とする請求項に記載の車両の駆動力配分制御装置。
  3. 前記保存手段に保存された発熱量は、イグニションスイッチがオフ直前の発熱量の値から設定された割合だけ減らした値であることを特徴とする請求項に記載の車両の駆動力配分制御装置。
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