JP4841012B2 - 有機電界発光素子、有機電界発光素子を内蔵する表示装置、及び発電装置 - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は、複数の電極間への印加電圧によって生じた電界によって有機電界発光層が光を放出する有機電界発光素子、表示装置及び発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶ディスプレイに代わる次世代のディスプレイとして、いわゆる有機電界発光素子を用いた表示装置が開発されている。この有機電界発光素子を用いたディスプレイ(以下「有機ELディスプレイ」という)は、印加電圧が小さくても高輝度な発光を実現することができる表示装置である。
【0003】
この有機ELディスプレイは、自発光の面状表示素子として注目されており、発光効率が高く、単純な素子構造で発光するという特徴を有する。具体的には、この有機ELディスプレイの有機電界発光素子は、対向する複数の電極から各々注入された正孔及び電子が有機物質を用いた発光層内で結合し、そのエネルギーで発光層中の蛍光物質を励起して発光を行うものである。従来の有機電界発光素子においては、加えたエネルギーに対する電界発光効率が20%程度である。
【0004】
一方、従来の有機ELディスプレイにおいては、コントラストの改善のため、その有機電界発光素子が、その陽極と陰極との間に複数の有機ELユニットを設けるとともに、この複数の有機ELユニットの間に電荷発生複合層を有する構成を採用している形態のものが存在している(特許文献1参照)。この電荷発生複合層は、例えば多段配列された有機ELユニットの一方による発光が他方の有機ELユニットに影響を与えないように効率良くするためのものである。
【0005】
【特許文献1】
特開2006−73484号公報(段落0039)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら従来の有機ELディスプレイにおいては、このように複数の有機ELユニットの間に電荷発生複合層を設けると、上記のように一方の有機ELユニットが放射した光が他方の有機ELユニットに影響を与えないようにすることでコントラストを多少ながら改善できるものの、そもそも複数の有機ELユニットを設けることから消費電力が大きくなってしまう問題点があった。従って従来の有機ELディスプレイにおいては、消費電力を抑制しつつ、電界発光効率を向上することが困難であった。
[0007]
本発明が解決しようとする課題には、上記した問題が一例として挙げられる。
課題を解決するための手段
[0008]
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、基板上に積層した少なくとも一方が透明或いは半透明な複数の電極と、前記複数の電極間において積層されており、印加電圧によって前記複数の電極間に生じた電界によって発光する有機電界発光層と、前記有機電界発光層の周囲に配置し、前記有機電界発光層によって放出された光のうち前記透明或いは半透明な電極から外部に放出されずに内部に残留した内部光を利用し、光電変換機能によって発電を行う発電半導体部とを有することを特徴とする有機電界発光素子である。
[0009]
上記課題を解決するために、請求項19記載の発明は、基板上に積層した少なくとも一方が透明或いは半透明な複数の電極と、前記複数の電極間において積層されており、印加電圧によって前記複数の電極間に生じた電界によって発光する有機電界発光層と、前記有機電界発光層の周囲に配置し、前記有機電界発光層によって放出された光のうち前記透明或いは半透明な電極から外部に放出されずに内部に残留した内部光を利用し、光電変換機能によって発電を行う発電半導体部とを備える有機電界発光素子が配列する表示パネルと、入力された画像データに応じて前記複数の電極間に印加電圧を与えることで、前記表示パネルの各前記有機電界発光素子を駆動する駆動回路とを有することを特徴とする表示装置である。
[0010]
発明を実施するための最良の形態
[0011]
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態としての有機電界発光素子3を備える表示装置1の外観の一例を示す正面図である。
表示装置1は、筐体2及び脚部5を有する。筐体2は、脚部5によって設置面において支えられている。この筐体2は、その外観上、表示パネル7及び2つのスピーカー4を備えている。この表示パネル7は、筐体2の中央部に設けられており、筐体2の中央部において、外部から入力された画像データに基づく映像を表示する機能を有する。この筐体2の下部には、その右側及び左側に各々スピーカー4が設けられている。
[0012]
このスピーカー4は、表示パネル7に表示された映像に同期して音を出力する機能を有する。この筐体2は、その内部に駆動回路6を備えている。この駆動回路6は、上記画像データに基づく映像を表示パネル7に表示させるための駆動制御を行う。
[0013]
上記表示パネル7は、いわゆる有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)を用いた表示パネルである。本実施形態においては、この有機エレクトロルミネッセンス素子を「有機電界発光素子」と呼ぶ。この表示パネル7は、多数の有機電界発光素子がマトリクス状に配列した構成となっている。これらマトリクス状に配列した有機電界発光素子は、上記駆動回路6の制御によって各画素ごとに駆動制御されている。
[0014]
<有機電界発光素子の構成例>
図2は、図1に示す表示パネル7の有機電界発光素子を拡大して表した構成例を示す部分断面図である。
有機電界発光素子3は、例えばトップエミッション型の有機電界発光素子であり、例えば赤色、緑色及び青色に対応させて各々形成される。この有機電界発光素子3は、ガラス基板45上に、陽極46(透明或いは半透明な電極)、正孔注入層47、正孔輸送層48、発光層49(有機電界発光層)、電子輸送層50、電子注入層51及び陰極52(電極)が順次積層された構造となっている。なお、この有機電界発光素子3は、発光層49内に電荷及び励起子を各々閉じ込めるための電荷及び励起子拡散層が積層された構造を採用しても良い。
【0015】
この発光層49を除くこれら各層、陽極46、正孔注入層47、正孔輸送層48、電子輸送層50、電子注入層51及び陰極52(電極)は、各々、例えばITO(Indium Tin Oxide)、CuPc、NPB、Alq3、LiF及びAlを材質としている。
【0016】
図示の有機電界発光素子3は、1画素分に相当している。この有機電界発光素子3は、隣り合う有機電界発光素子3との間において陽極46に沿って隔壁54が設けられている。この隔壁54は、この陽極46上に形成された絶縁体であり、各有機電界発光素子間を絶縁する機能を有する。この隔壁54上には、例えば有機電界発光素子3を形成した際に形成された側部41が残存している。なお、この側部41は、有機電界発光素子3を形成した際に残存した部材のみならず、意図的に形成した部材であっても良い。
【0017】
このガラス基板45は、透明或いは半透明な材質によって形成されている。上記陽極46は、上記ITOの代わりにIZOを材質としてもよい。この陽極46は、後述するように発光層49が放射した光Lを透過する透明或いは半透明な電極を構成している。上記陽極46(複数の電極の一方)は、ガラス基板45に沿って広くこのガラス基板45上に形成されている。この陽極46は、後述する発光層49に対して正孔を供給する機能を有する。
【0018】
上記正孔注入層47は、この陽極46から正孔を取り出しやすいようにするために積層されている。上記正孔輸送層48は、正孔注入層47によって陽極46から折り出された正孔を、その発光層49に輸送する機能を有する。この正孔注入層47は、主として陽極46上に積層されている。この正孔輸送層48は、この正孔注入層47上に積層されている。
【0019】
上記発光層49は、電界発光現象、つまり、いわゆるエレクトロルミネッセンス(EL:Electroluminescence)現象を使った発光素子である。この発光層49(発電半導体部)は、複数の電極46,52の間において積層されており、印加電圧によって複数の電極46,52間に生じた電界によって発光する機能を有する。この発光層49は、その外部から電界を用いて受け取ったエネルギーに基づく光を放出する現象を利用し、自ら光Lを出力する。
【0020】
本実施形態のように有機電界発光素子3が、例えばトップエミッションタイプである場合、この発光層49は、主として下方に光L(外部光)を放射するが、実際上においては一例として右側に示したように意図しない方向にも光Lを放射してしまう。このように発光層49が意図しない方向に放射した光Lは、外部光として有機電界発光素子3の外部に取り出されることなく、有機電界発光素子3内において消失してしまう。本実施形態では、このように発光層49が放出した光Lのうち外部光として取り出すことができない光を「内部光」と呼ぶ。
【0021】
この発光層49上には、上記電子輸送層50が積層されている。さらに、この電子輸送層50上には電子注入層51が積層されている。またこの電子注入層51上には陰極52が形成されている。これらのうち電子注入層51は、その陰極52から電子を取り出しやすくする機能を有する。また電子輸送層50は、この電子注入層51によって陰極52から取り出された電子を効率的に発光層49に輸送する機能を有する。
【0022】
<発電半導体部の構成例>
本実施形態においては、この有機電界発光素子3が発電半導体部を備えている。本実施形態では、この発電半導体部が、上述した複数の電極(陰極52及び陽極46)間のいずれかの層として積層されている。具体的には、この発電半導体部は、これら複数の電極間(52,46)に成膜された、電子注入層51、電子輸送層50、正孔輸送層48及び正孔注入層47のいずれか又はこれらいずれかの組合せである。
【0023】
この発電半導体部は、発光層49(有機電界発光素子)の周囲に配置しており、この発光層49によって放出された光Lのうち陽極46(透明或いは半透明な電極)から外部に放出されずに内部に残留した内部光を利用し、光電変換機能によって発電を行う機能を有する。この発電半導体部は、例えば有機半導体層又は無機半導体層によって構成されている。
【0024】
本実施形態では、この発電半導体部が、発光層49よりも透明或いは半透明な電極(陽極46)側において、例えば正孔注入層47及び正孔輸送層48の少なくとも一方として積層されているものとする。具体的には、本実施形態では、一例として、この発電半導体部が正孔注入層47であるものとし、以下の説明においては、正孔注入層47を「発電半導体部47」と呼称する。
【0025】
この発電半導体部47(光電変換膜)は、吸収すべき内部光Lの波長タイプとして特定の波長タイプの内部光Lを吸収する材質で構成されている。この発電半導体部47は、光Lを吸収した際に、この光Lを電荷に変換しなければならないので、特定の波長タイプにおいて高い吸光度(透過率)がよく、電荷分離効率及び電荷輸送が高い膜であることが好ましい。ここでいう「電荷分離」とは、この発電半導体部47内で正孔と電子に分離することを示している。本実施形態における有機電界発光素子3の構造では、正孔は発電半導体部47(正孔注入層)から正孔輸送層48に輸送され、電子は陽極46に注入される。
【0026】
この発電半導体部47は、特定の波長帯域の内部光Lを吸収する材質で構成されている。具体的には、この発電半導体部47は、例えば、その特定の波長帯域として紫外線領域から赤外線領域(可視光線を含む)の波長帯にて大きな吸収領域、高い吸光度(低い透過率)を有する材質が良い。
【0027】
発電半導体部47は、上記複数の電極(陰極52および陽極46)間において発光層49が出力する内部光の色に対応させて多層に形成されている。この半導体部47の材質としては、例えばバイポーラ(両極性,正孔及び電子の両方を兼ね備える)半導体材料を採用することができる。
【0028】
<発電半導体部の材質例>
また、この発電半導体部47の具体的な材料としては、その他にも、例えばペンタセンやテトラセンのようなポリアセン誘導体(p型寄りのバイポーラ)、CuPcやZnPcのフタロシアニン誘導体(p型、薄膜なら電子も輸送する)、チオフェン及びポリチオフェン誘導体(p型材料)、PCBMのようなフラーレン誘導体(n型)、ペリデン誘導体のような(有機太陽電池、有機光起電力素子)材料、キナクリドン誘導体(p型)、クマリン誘導体(p型)のような有機撮像素子材料などのいずれかを適宜選択することができる。有機電子供与体層(以下、「p型層」という場合もある)11を構成する有機電子供与体としては、電荷キャリアが正孔であることと、p型半導体特性を示す材料であれば、特に限定されるものではない。
【0029】
またさらにこの発電半導体部47の具体例としては、チオフェンおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、フェニレンビニレンおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、チエニレンビニレンおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、ビニルカルバゾールおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、ピロールおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、アセチレンおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、イソチアナフェンおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、ヘプタジエンおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマーなどの高分子、無金属フタロシアニン、金属フタロシアニン類およびそれらの誘導体、ジアミン類、フェニルジアミン類およびそれらの誘導体、ペンタセンなどのアセン類およびその誘導体、ポルフィリン、テトラメチルポルフィリン、テトラフェニルポルフィリン、ジアゾテトラベンズポルフィリン、モノアゾテトラベンズポルフィリン、ジアゾテトラベンズポルフィリン、トリアゾテトラベンズポルフィリン、オクタエチルポルフィリン、オクタアルキルチオポルフィラジン、オクタアルキルアミノポルフィラジン、ヘミポルフィラジン、クロロフィルなどの無金属ポルフィリンや金属ポルフィリンおよびその誘導体、シアニン色素、メロシア、ベンゾキノン、ナフトキノンなどのキノン系色素などの低分子が利用され得る。
【0030】
また、金属フタロシアニンや金属ポルフィリンの中心金属としては、それぞれ、マグネシウム、亜鉛、銅、銀、アルミニウム、珪素、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、スズ、白金、鉛などの金属、金属酸化物、金属ハロゲン化物が用いられる。
【0031】
一方で、電子受容体層(以下、「n型層」という場合もある)を構成する電子供与体としては、本願では電荷キャリアが電子であること、n型半導体特性を示す材料であれば、特に限定されることはない。
【0032】
具体的には、有機電子受容体としては、ピリジンおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、キノリンおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、ベンゾフェナンスロリン類およびその誘導体によるラダーポリマー、シアノポリフェニレンビニレンなどの高分子、フッ素化無金属フタロシアニン、フッ素化金属フタロシアニン類およびその誘導体、ペリレンおよびその誘導体、ナフタレン誘導体、バソキュプロインおよびその誘導体などの低分子が利用され得る。また、修飾又は未修飾のフラーレン類、カーボンナノチューブ類などを挙げることができる。
【0033】
なお、この発電半導体部47は、有機材料以外でも、化合物半導体や酸化物半導体でも良い。この場合、上記有機電界発光素子3は、このような層構成に加えてさらに、この発電半導体部47によって生成、発生した電荷を効率よく注入及び輸送する層を設けておくのが望ましい。
【0034】
なお、この発電半導体部47は、例えばn型半導体層とp型半導体層とを積層した構造であってもよい。そして、この発電半導体部47は、例えば気層成膜、蒸着、塗布方法、ゾルゲル法又はスパッタ法などを用いて成膜することができる。
【0035】
<有機電界発光素子3の動作例>
有機電界発光素子3及びこれを内蔵する表示装置1は以上のような構成であり、次にこの有機電界発光素子3及びこれを内蔵する表示装置1の動作例について説明する。
【0036】
図1に示す表示装置1は、その表示パネル7においてこのような有機電界発光素子3がマトリクス状に多数配列しており、これら多数の有機電界発光素子3は駆動回路6の制御によって次のように動作する。
【0037】
<有機電界発光素子3の一般的な動作例>
まずこの駆動回路6は、入力された画像データに基づいて、この画像データに基づく画像を表示パネル7に表示させるべく、各有機電界発光素子3を駆動する。すると、各有機電界発光素子3においては、この駆動回路6が、図2に示す陽極46と陰極52の間に、図示しない所定の電源から直流電圧を印加する。
【0038】
このように陽極46と陰極52に直流電圧が印加されると、この陽極46は、正孔注入層47の作用によって、より多くの正孔を放出する。この陽極46から放出された正孔は、正孔注入層47を経由して正孔輸送層48に到達する。この正孔輸送層48は、上記発光層49に対して正孔を輸送する。このようにして発光層49は、正孔輸送層48から正孔を受け取ることができる。
【0039】
一方、上記陰極52は、電子注入層51の作用によって電子を電子輸送層50に対して注入する。この電子輸送層50は、上記発光層49に対して電子を輸送する。このようにして発光層49は、陰極から放出された電子を電子注入層51及び電子輸送層50を経由して受け取ることができる。
【0040】
この発光層49は、このように注入された正孔と電子によって次のように動作する。これら注入された正孔及び電子は、この発光層49内において再結合して不安定な高いエネルギー状態である励起状態となる。さらにこの発光層49は、その後すぐに元の安定した低いエネルギー状態である基底状態に戻る。このとき、発光層49は、これら励起状態及び基底状態におけるエネルギー差に基づいて光Lを放出する。
【0041】
このようにすると、図1に示す表示装置1は、上記駆動回路6の制御によって各有機電界発光素子3に対応する画素から光Lを放出し、この表示パネル7に所定の画像を表示させることができる。このときこの画像の表示に同期させて、表示装置1は、そのスピーカー4から音を出力することができる。
【0042】
<発電半導体部による内部光の吸収>
上述のように発光層49が光Lを放出すると、上記有機電界発光素子3内においては、この発光層49が放出した光Lが全て有機電界発光素子3から放出されず、一部がその内部において消失する。
【0043】
このような内部光Lの消失原因としては、例えば陽極46と陰極52との間における各層の屈折率の違い(屈折率差)によって光Lが屈折し、各層の境界方向に沿って漏れ光Lが導かれて流れてしまうことによる場合がある。本実施形態では、このように各層の境界方向に沿って漏れ光Lが導かれてしまうことを「導波」という。本実施形態では、発電半導体部47が、このような漏れ光Lの導波を利用することによって発電を行っている。この発電半導体部47による各層47などの屈折率差に基づく漏れ光Lの利用については後述する。
【0044】
上記実施形態における有機電界発光素子3は、基板45(ガラス基板)上に積層した少なくとも一方が透明或いは半透明な複数の電極46,52(陽極、陰極)と、上記複数の電極46,52間において積層されており、印加電圧によって上記複数の電極46,52間に生じた電界によって発光する有機電界発光層49(発光層)と、上記有機電界発光層49の周囲に配置し、上記有機電界発光層49によって放出された光のうち上記透明或いは半透明な電極46(陽極)から外部に放出されずに内部に残留した内部光を利用し、光電変換機能によって発電を行う発電半導体部47,48,50,51のいずれか又はこれらいずれかの組み合わせ(正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び電子注入層のいずれか又はこれらいずれかの組合せ)を有することを特徴とする。
【0045】
上記実施形態における表示装置1は、基板45(ガラス基板)上に積層した少なくとも一方が透明或いは半透明な複数の電極46,52(陽極、陰極)と、上記複数の電極46,52間において積層されており、印加電圧によって上記複数の電極46,52間に生じた電界によって発光する有機電界発光層49(発光層)と、上記有機電界発光層49の周囲に配置し、上記有機電界発光層49によって放出された光のうち上記透明或いは半透明な電極46(陽極)から外部に放出されずに内部に残留した内部光を利用し、光電変換機能によって発電を行う発電半導体部47,48,50,51のいずれか又はこれらいずれかの組み合わせ(以下、「発電半導体部47など」という)と、を備える有機電界発光素子3が配列する表示パネル7と、入力された画像データに応じて上記複数の電極46,52間に印加電圧を与えることで、上記表示パネル7の各上記有機電界発光素子3を駆動する駆動回路6とを有することを特徴とする。
【0046】
このように本実施形態では、有機電界発光素子3が、内部で自動的に電荷を発生する機構を兼ね備えている。具体的には、この有機電界発光素子3は、その内部に存在する発電半導体部47,48,50,51のいずれか又はこれらいずれかの組み合わせに光電変換機能を持たせている。
【0047】
このようにすると、この発電半導体部47,48,50,51のいずれか又はこれらいずれかの組み合わせ(以下、「発電半導体部47など」という)が、各々、有機電界発光素子3が生成した内部光を吸収することができる。具体的には、この内部光を吸収した発電半導体部47などは励起子を生成し、特定の電界下で電荷(正孔または電子)に分離して輸送する。この分離して輸送された電荷は、外部から供給(注入)された電荷とともに作用することで、有機電界発光層49がエレクトロルミネッセンス(EL)発光する。
【0048】
具体的には、まず有機電界発光層49(発光層)は、印加電圧によって複数の電極46、52間に生じた電界によって発光する。このように有機電界発光素子3内で生じた光Lは、その一部が透明或いは半透明な電極46(陽極)を通過して外部に出力されるが、その大部分は有機電界発光素子3の内部で漏れ残った光(以下、本実施形態において「内部光」と呼んでいる)となる。
【0049】
上記有機電界発光素子3は、この有機電界発光層49(発光層)の周囲に配置した発電半導体部47などが、この内部光を吸収して励起子を生成し、特定の電界下で電荷(正孔又は電子)に分離し、輸送する。この発電半導体部47などは、このような光電変換作用によって新たに電荷を発生し、発電を行うことができる。
【0050】
このため、この有機電界発光素子3は、このように分離して輸送された電荷分、外部から供給(注入)されるべき電荷が少なくて済む。さらにこの有機電界発光素子3は、このように新たに発生した電荷によって、複数の電極46,52への印加電圧を抑制し、内部における消費電力を低減することができる。
【0051】
また、この有機電界発光素子3は、この新たに生じさせた電荷によって外部から有機電界発光層49に供給(注入)すべき電荷を少なくしても、同等の光量の光Lを放射できるため、電界発光効率を向上させることができる。この電界発光効率(cd/A)は、電界発光輝度[cd]/電流[A]で表される。
【0052】
具体的には、この有機電界発光素子3は、例えば10cd/の電荷発光効率がある特定の素子の場合、この発電半導体部47などを設けると、50%の消費電力を削減できれば、この電界発光効率が20cd/Aとなる。なお、この有機電界発光素子3は、外部から供給される注入量が減るため、消費電力を低下させることができる。
【0053】
上記実施形態における有機電界発光素子3は、発電半導体部47などが有機半導体或いは無機半導体であることを特徴とする。上記実施形態における表示装置1が内蔵する有機電界発光素子3は、発電半導体部47などが有機半導体或いは無機半導体であることを特徴とする。
【0054】
このような構成によれば、有機電界発光素子3は、有機半導体或いは無機半導体である電荷注入層51などを発電半導体部として内蔵することができるため、この発電半導体部を電荷注入層51などとは別途設けなくてもよく、小型化を図ることができる。
【0055】
上記実施形態における有機電界発光素子3は、上記発電半導体部47などが、複数の電極46,52間のいずれかの層として積層されていることを特徴とする。上記実施形態における表示装置1が内蔵する有機電界発光素子3は、上記発電半導体部47などが、複数の電極46,52間のいずれかの層として積層されていることを特徴とする。
【0056】
上記発電半導体部47などが、上記有機電界発光層49とともに複数の電極46,52間に積層されているため、この有機電界発光層49が放出した光を広い面積で受け取ることができる。このため、この発電半導体部47などは、効率よく光電変換を行い、有機電界発光素子3の内部における消費電力を低減したり、上記有機電界発光層49の電界発光効率を向上させることができる。
【0057】
上記実施形態における有機電界発光素子3においては、発電半導体部が、複数の電極46,52間に成膜された、電子注入層51、電子輸送層50、正孔輸送層48及び正孔注入層47のいずれか又はこれらいずれかの組合せであることを特徴とする。
【0058】
上記実施形態における表示装置1が内蔵する有機電界発光素子3においては、発電半導体部が、複数の電極46,52間に成膜された、電子注入層51、電子輸送層50、正孔輸送層48及び正孔注入層47のいずれか又はこれらいずれかの組合せであることを特徴とする。
【0059】
このようにすると、複数の電極46,52間に別途発電半導体部を設けなくても、上記有機電界発光素子3内に発電半導体部47などを内蔵させることができるため、このような発電半導体部47などを設けてもサイズが大きくならないようにすることができる。
【0060】
上記実施形態における有機電界発光素子3は、発電半導体部47などが複数の電極46,52間において上記内部光Lの色に各々対応した多層に形成されていることを特徴とする。
【0061】
上記実施形態における表示装置1が内蔵する有機電界発光素子3は、発電半導体部47などが複数の電極46,52間において上記内部光Lの色に各々対応した多層に形成されていることを特徴とする。
【0062】
このような構成によれば、多層の発電半導体部47などが、各々例えば色ごとに内部光Lを吸収することができるため、さらに効率よく内部光Lを利用して発電することができる。
【0063】
上記実施形態における有機電界発光素子3は、発電半導体部47などが、特定の波長帯域の内部光Lを吸収する材質で構成されていることを特徴とする。
【0064】
上記実施形態における表示装置1が内蔵する有機電界発光素子3は、発電半導体部47などが、特定の波長帯域の内部光を吸収する材質で構成されていることを特徴とする。
【0065】
上記有機電界発光素子3においては、発電半導体部47などが、特定の波長帯域において吸光度(低い透過率)が高くなるように調整してあると、次のような効果を発揮することができる。つまり発電半導体部47などは、上述のように効率よく内部光を吸収して発電を行うことができるばかりでなく、特定の波長帯域を吸収するため、それ以外の波長帯域の光Lのコントラストを向上することができる。
【0066】
上記実施形態における有機電界発光素子3は、上記発電半導体部47などが特定の波長帯域として紫外線領域から赤外線領域にわたる内部光Lを吸収する材質であることを特徴とする。
【0067】
上記実施形態における表示装置1が内蔵する有機電界発光素子3は、上記発電半導体部47などが特定の波長帯域として紫外線領域から赤外線領域にわたる内部光Lを吸収する材質であることを特徴とする。
【0068】
このような構成によれば、有機電界発光素子3は、例えば表示装置1に用いられるため、有機電界発光層49が出力した光Lのうち紫外線波長から赤外線波長の内部光Lを吸収することから、内部に散乱する内部光Lを減少させ、外部光Lによるコントラストを向上することができる。
【0069】
上記実施形態における有機電界発光素子3は、上記発電半導体部47などが、電荷分離効率及び電荷輸送が高い膜であることを特徴とする。
【0070】
上記実施形態における表示装置1が内蔵する有機電界発光素子3は、上記発電半導体部47などが、電荷分離効率及び電荷輸送が高い膜であることを特徴とする。
【0071】
このような構成とすると、有機電界発光素子3において発電半導体部47などがより効率よく内部光Lに基づいて電荷を発生させ、この発生させた電荷を効率よく有機電界発光層49(発光層)に供給(注入)することができる。このため有機電界発光層49は、さらに消費電力を抑制するとともに、さらに電界発光効率が向上する。
【0072】
上記実施形態における有機電界発光素子3は、発電半導体部47などがバイポーラ半導体材料を材質とすることを特徴とする。上記実施形態における表示装置1が内蔵する有機電界発光素子3は、発電半導体部47などがバイポーラ半導体材料を材質とすることを特徴とする。
【0073】
このような構成とすると、バイポーラ半導体材料を用いた積層が容易なため、発電半導体部47などを簡単に形成することができる。
【0074】
上記実施形態における有機電界発光素子3は、発電半導体部47などが、気層成膜、蒸着、塗布方法、ゾルゲル法、スパッタ法などにより成膜されたことを特徴とする。上記実施形態における表示装置1が各々内蔵する有機電界発光素子3は、発電半導体部47などが、気層成膜、蒸着、塗布方法、ゾルゲル法、スパッタ法などにより成膜されたことを特徴とする。このようにすると、発電半導体部47などは、一般的な成膜技術を用いて簡単に積層することができる。
【0075】
<各層の屈性率差を利用した発電方法例>
このような有機電界発光素子3は、発光層49が出力した光Lのうちガラス基板45を経由して外部に出力すべき外部光Lは、発光層49が出力した光Lのうち約20%程度である。残りの光は、有機電界発光素子3の内部において損失により消失した内部光Lとなる。このような消失した光は、主として各層の境界を通過する際に、この各層の境界を横方向に導波するために消失すると考えられる。より具体的に説明すると、この光の消失に関する事象は次のようになっている。
【0076】
図3及び図4は、各々、各層における屈折率差に基づいて光Lが屈折する様子の一例を示す断面図である。なお図3及び図4においては、光Lが上側の層から下側の層に通過するものとする。
図3に示す例では、両層における屈折率差が比較的少ない場合の一例を示している。この場合、光Lが入射する側の層においては入射角がθ1であり、光Lが出射する側における層では出射角がθ2となっている。図示の例では、各層の境界Bにおいて導波する光Lが少ないことがわかる。
【0077】
図4に示す例では、両層における屈折率差が大きい場合の一例を示している。この場合、光Lが入射する側の層においては入射角が図3の場合と同様にθ1であり、光Lが出射する側における層では出射角がθ3となっている。図示の例では、各層の境界Bにおいて導波する光Lが多いことがわかる。
【0078】
以上のように、両層における屈折率差が大きい場合の方が各層の境界Bに沿った方向における光(漏れ光)の導波が大きくなる。そこで本実施形態における発電半導体47は、このような各層の境界Bの光Lの導波を利用して発電を行うのが望ましい。
【0079】
そこで、本実施形態では、上述した発電半導体部47がこのような屈折率差をあえて大きくするように積層するのが望ましい。通常、陽極46の屈折率は約2.0であり、発光層49の屈折率は約1.6〜1.8である。またガラス基板45の屈折率は約1.5である。従って、発電半導体部47は、これらの各層などの屈折率差を敢えて大きくするように、例えば正孔注入層47、正孔輸送層48、電子輸送層50及び電子注入層51のいずれか又はこれらいずれかの組み合わせとして設けることができる。
【0080】
そこで、上記実施形態における有機電界発光素子3は、上記発電半導体部が、上記内部光Lが入射する側において隣り合う各上記層48などのいずれかとの屈折率差を所定値以上とさせる材質であることを特徴とする。
【0081】
また、上記実施形態における表示装置1が内蔵する有機電界発光素子3は、上記発電半導体部が、上記内部光Lが入射する側において隣り合う各上記層48などいずれかとの屈折率差を所定値以上とさせる材質であることを特徴とする。
【0082】
まず、光が隣り合う複数の層を通過する場合、これら複数の層の屈折率の差(屈折率差)がより大きい方が、より大きく屈折してこれら複数の層の境界に沿った方向に導波する光が多くなる。この発電半導体部47などはその隣り合う層48などとの屈折率差が十分に大きく、その隣り合う層48などから入射した内部光Lは、この発電半導体部47など内をあまり屈折しないで通過するよりも長い距離に渡り通過することになる。すると、この発電半導体部47などは、上述したあまり屈折しないで通過した場合よりも、より多くの内部光Lを吸収して励起子を生成し、特定の電界下で電荷に分離し、輸送することができる。つまり、この発電半導体部47などは、このような光電変換作用によって新たに電荷を発生し、発電を行うことができる。
【0083】
このようにすると、有機電界発光素子3は、このように分離して輸送された電荷分、外部から供給(注入)されるべき電荷が少なくて済む。さらにこの有機電界発光素子3は、このように新たに発生した電荷によって、複数の電極46,52への印加電圧を抑制し、内部における消費電力を低減することができる。
【0084】
また、この有機電界発光素子3は、この新たに生じさせた電荷によって外部から有機電界発光層49に供給(注入)すべき電荷を少なくしても、同等の光量の光Lを放射できるため、電界発光効率を向上させることができる。
【0085】
さらに、上記実施形態における有機電界発光素子3においては、発電半導体部47,48の少なくとも一方が、上記有機電界発光層49よりも上記透明或いは半透明な電極46(陽極)側に積層されていることを特徴とする。
【0086】
また、上記実施形態における表示装置1が内蔵する有機電界発光素子3においては、発電半導体部47,48の少なくとも一方が、上記有機電界発光層49よりも上記透明或いは半透明な電極46(陽極)側に積層されていることを特徴とする。
【0087】
この有機電界発光層49が放出した光Lは、外部に出力される際にこの有機電界発光層49と陽極46との間に積層された正孔注入層47及び正孔輸送層48を通過する際に、これら有機電界発光層49、正孔注入層47、正孔輸送層48、陽極46及びガラス基板45における各層の境界において屈折し、その一部が内部で消失し、全てが外部に放射されない。
【0088】
この発電半導体部は、このように有機電界発光層49とガラス基板45との間で本来は消失してしまっていた光Lを吸収し、新たな電荷を生成して発電することができる。つまりこの発電半導体部は、本来外部光として外部に放出すべき光Lのうち、各層の屈折率の差によって外部光Lとして活用できなくなった内部光Lを利用して発電することができる。
【0089】
このようにすると、有機電界発光素子3は、このように分離して輸送された電荷分、外部から供給(注入)されるべき電荷が少なくて済む。さらにこの有機電界発光素子3は、このように新たに発生した電荷によって、複数の電極46,52への印加電圧を抑制し、内部における消費電力を低減することができる。
【0090】
また、この有機電界発光素子3は、この新たに生じさせた電荷によって外部から有機電界発光層49に供給(注入)すべき電荷を少なくしても、同等の光量の光Lを放射できるため、電界発光効率を向上させることができる。
【0091】
さらにこの有機電界発光素子3は、有機電界発光層49とガラス基板45との間で乱反射していた内部光Lが減少することにより、明瞭な外部光Lを出力することができるためコントラストを向上することができる。
【0092】
<第2実施形態>
図5は、第2実施形態における有機電界発光素子3aの構成例を示す部分断面図である。
この第2実施形態における有機電界発光素子3aは、第1実施形態とほぼ同様の構成であり、ほぼ同様の動作であることから、同一の構成及び動作については第1実施形態における図1から図4と同一の符号を用いるとともに、その説明を省略し、以下の説明では異なる点を中心として説明とする。
【0093】
第1実施形態においては、陰極52及び陽極46間におけるいずれかの層(例えば正孔注入層47、正孔輸送層48、電子輸送層50及び電子注入層51のいずれか又はこれらいずれかの組み合わせ)が発電半導体部として機能することを例示しているが、第2実施形態においては、発電半導体部53をこれら各層47などとは別に積層させる点が異なっている。なお、この発電半導体部53は、これら各層47とは別に積層させる点を除いては、以下に説明する点を除いて、上記第1実施形態における発電半導体部47などとほぼ同様の機能を有する。
【0094】
この発電半導体部53は、これら陽極46、正孔注入層47、正孔輸送層48及び有機電界発光層49のいずれかの間、及び、陰極52、電子注入層51、電子輸送層50及び有機電界発光層49のいずれかの間の少なくとも一方であればどの位置に積層されていてもよい。
【0095】
第2実施形態においては、上記発電半導体部53が、一例として陰極52と電子注入層51との間に積層されている。つまり、このような構成においては、有機電界発光素子3aが、ガラス基板45から、陽極46、正孔注入層47、正孔輸送層48、発光層49、電子輸送層50、電子注入層51、発電半導体部(光電変換層)53及び陰極52の順で積層されている。
【0096】
この有機電界発光素子3aの積層構成としては、陽極46から陰極52の間において、このガラス基板45側から次のような層構成を採用することができる。なお、以降の記載においては、「/」は各層の境界を表している。
陽極46/正孔注入層47/正孔輸送層48/発光層49/電子輸送層50/電子注入層51/発電半導体部53/陰極51
【0097】
<第3実施形態>
図6は、第3実施形態における有機電界発光素子3bの構成例を示す部分断面図である。
第3実施形態における有機電界発光素子3bは、第2実施形態とほぼ同様の構成であり、ほぼ同様の動作であることから、同一の構成及び動作については第2実施形態における図1から図5と同一の符号を用いるとともに、その説明を省略し、以下の説明では異なる点を中心として説明をする。
【0098】
第3実施形態における有機電界発光素子3bは、第2実施形態における有機電界発光素子3aの構成に加えて、バッファ層55が存在している点が異なっている。このバッファ層55は、隣接する各層への電子或いは正孔の注入効率を高める機能を有する。このバッファ層55は、陰極52と陽極46との間に積層する各層のいずれかの層の組合せの間、少なくとも1カ所に積層することができる。
【0099】
第3実施形態においては、一例としてバッファ層55が陰極52と発電半導体部53との間に形成されていることを明示している。つまり、このような積層構成では、ガラス基板45から、陽極46、正孔注入層47、正孔輸送層48、発光層49、電子輸送層50、電子注入層51、発電半導体部53、バッファ層55及び陰極52となるように積層されている。
【0100】
<その他の積層例>
第3実施形態における有機電界発光素子3bは、ガラス基板45から、次のような積層構成としてもよい。
陽極46/バッファ層55/発電半導体層53(光電変換層)/正孔注入層47/正孔輸送層48/発光層49/電子輸送層50/電子注入層51/陰極52
【0101】
また第3実施形態における有機電界発光素子3bは、ガラス基板45から、次のような逆積みした積層構成を採用してもよい。
陰極52/発電半導体部53/電子注入層51/電子輸送層50/発光層49/正孔輸送層48/正孔注入層47/バッファ層55/陽極46
【0102】
上記第3実施形態における有機電界発光素子3bは、複数の電極46,52(陽極、陰極)の少なくとも一方と発電半導体部53との間において、上記発電半導体部53への電荷の注入を促進するバッファ層55を有することを特徴とする。
【0103】
上記第3実施形態における表示装置1bが内蔵する有機電界発光素子3bは、複数の電極46,52(陽極、陰極)の少なくとも一方と発電半導体部53との間において、上記発電半導体部53への電荷の注入を促進するバッファ層55を有することを特徴とする。
【0104】
このような構成によれば、発電半導体部53は、バッファ層55の存在によって複数の電極46,52の少なくとも一方との電荷の受け渡しが容易になり、より電界発光効率を向上することができる。
【0105】
なお、このバッファ層55は、発電半導体層53の近傍に積層されているのが望ましい。このようにすると、バッファ層55が発電半導体部53の近傍に配置していると、より多くの電荷を発電半導体部53へ注入することができる。このため発電半導体部53は、より効率よく、吸収した内部光Lに基づいて新たな電荷を生成し、発電を行うことができる。
【0106】
<第4実施形態>
第4実施形態における有機電界発光素子は、第1実施形態〜第3実施形態とほぼ同様の構成であり、ほぼ同様の動作であることから、同一の構成及び動作については第1実施形態及び第3実施形態における図1〜図6と同一の符号を用いるとともに、その説明を省略し、以下の説明では異なる点を中心として説明する。
【0107】
上述した第1実施形態〜第3実施形態においては、各々、有機電界発光素子3,3a,3bが主として一層の発電半導体53を有しているものと例示しているが、第4実施形態における有機電界発光素子は、複数の発電半導体部53を有していてもよい。
【0108】
このような積層構成によれば、第4実施形態における有機電界発光素子は、陽極46から陰極52の間において、ガラス基板45から、次のようないずれかの積層構成を採用することができる。
陽極46/発電半導体部53(光電変換層)/正孔注入層47/正孔輸送層48/発光層49/電子輸送層50/電子注入層51/発電半導体層53(光電変換層)/陰極52
陽極46/バッファ層55/発電半導体部53(光電変換層)/正孔注入層47/正孔輸送層48/発光層49/電子輸送層50/電子注入層51/発電半導体部53(光電変換層)/陰極52
陽極46/発電半導体部53(光電変換層)/正孔注入層47/正孔輸送層48/発光層49/電子輸送層50/電子注入層51/発電半導体部53(光電変換層)/バッファ層55/陰極52
陽極46/バッファ層55/発電半導体部53(光電変換層)/正孔注入層47/正孔輸送層48/発光層49/電子輸送層50/電子注入層51/発電半導体部53(光電変換層)/バッファ層55/陰極52
【0109】
第4実施形態によれば、上記第1実施形態から第3実施形態のいずれかの効果に加えてさらに、複数の発電半導体部53がより多くの内部光Lを吸収し、より多くの電荷を発生することができるため、有機電界発光素子の電界発光効率を向上することができる。
【0110】
<変形例>
なお、本実施形態は、上記に限られず、種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0111】
<発電装置>
上記各実施形態では、このような各発電半導体部47などが内蔵された有機電界発光素子3,3a,3bなどを例示しているが、これに限られず、これら上記第1実施形態における有機電界発光素子3、第2実施形態における有機電界発光素子3a、第3実施形態における有機電界発光素子3b、及び第4実施形態における有機電界発光素子(以下、「有機電界発光素子3,3a,3bなど」という)を、それぞれ、次のように把握することもできる。
【0112】
すなわち、これら有機電界発光素子3,3a,3bなどは、一例として、上記各実施形態において各々発光層49による発光機能に加えて、別途特殊な発電機能を搭載したものとした観点で把握しているが、その代わりに、発電装置が、発電半導体部47,53などによる発電機能に加えて、別途発光層49による発光機能をとしての機能を有するという観点で把握することもできる。つまり、この発電装置は、発光層49による光Lの発光機能を搭載したものであるという構成としての見方に変更することができる。すなわち、ここでいう発電装置は、上記各実施形態における有機電界発光素子3,3a,3bなどと同様の構成となっている。
【0113】
このような発電装置によれば、表示パネル7中に有機電界発光素子3などとは別に太陽電池を組み込む必要が無くなるため、上記実施形態における有機電界発光素子3などを薄膜で積層可能とし、コンパクトな構成とすることができるとともに製造コストを下げることができる。なお、この発電装置は、有機電界発光素子3など内における、上記内部光Lの導波により光損失を伴ういずれかの箇所に配置しておくことができる。
【0114】
上記実施形態における発電装置は、基板45(ガラス基板)上に積層した少なくとも一方が透明或いは半透明な複数の電極46,52(陽極、陰極)と、上記複数の電極46,52間において積層されており、印加電圧によって上記複数の電極46,52間に生じた電界によって発光する有機電界発光層49(発光層)と、上記有機電界発光層49の周囲に配置し、上記有機電界発光層49によって放出された光のうち上記透明或いは半透明な電極46(陽極)から外部に放出されずに内部に残留した内部光を利用し、光電変換機能によって発電を行う発電半導体部47,48,50,51のいずれか又はこれらいずれかの組み合わせとを有することを特徴とする有機電界発光素子3などに内蔵された発電装置である。
【0115】
このように本実施形態では、有機電界発光素子3が、内部で自動的に電荷を発生する機構を兼ね備えている。具体的には、この有機電界発光素子3は、その内部に存在する発電半導体部47,48,50,51のいずれか又はこれらいずれかの組み合わせ(正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び電子注入層のいずれか又はこれらいずれかの組合せ)に光電変換機能を持たせている。
【0116】
このようにすると、この発電半導体部47,48,50,51のいずれか又はこれらいずれかの組み合わせ(以下、「発電半導体部47など」という)が、各々、有機電界発光素子3が生成した内部光を吸収することができる。具体的には、この内部光を吸収した発電半導体部47などは励起子を生成し、特定の電界下で電荷(正孔又は電子)に分離して輸送する。この分離して輸送された電荷は、外部から供給(注入)された電荷とともに作用することで、有機電界発光層49がエレクトロルミネッセンス(EL)発光する。
【0117】
具体的には、まず有機電界発光層49(発光層)は、印加電圧によって複数の電極46、52間に生じた電界によって発光する。このように有機電界発光素子3内で生じた光Lは、その一部が透明或いは半透明な電極46(陽極)を通過して外部に出力されるが、その大部分は内部光Lとなる。
【0118】
上記有機電界発光素子3は、この有機電界発光層49(発光層)の周囲に配置した発電半導体部47などが、この内部光を吸収して励起子を生成し、特定の電界下で電荷(正孔又は電子)に分離し、輸送する。この発電半導体部47などは、このような光電変換作用によって新たに電荷を発生し、発電を行うことができる。
【0119】
このため、この有機電界発光素子3は、このように分離して輸送された電荷分、外部から供給(注入)されるべき電荷が少なくて済む。さらにこの有機電界発光素子3は、このように新たに発生した電荷によって、複数の電極46,52への印加電圧を抑制し、内部における消費電力を低減することができる。
【0120】
また、この有機電界発光素子3は、この新たに生じさせた電荷によって外部から有機電界発光層49に供給(注入)すべき電荷を少なくしても、同等の光量の光Lを放射できるため、電界発光効率を向上させることができる。
【0121】
具体的には、この有機電界発光素子3は、例えば10cd/の電荷発光効率がある特定の素子の場合、この発電半導体部47などを設けると、50%の消費電力を削減できれば、この電界発光効率が20cd/Aとなる。この有機電界発光素子3は、外部から供給される注入量が減るため、消費電力を低下させることができる。
【0122】
上記実施形態における発電装置を内蔵する有機電界発光素子3などは、発電半導体部47などが有機半導体或いは無機半導体であることを特徴とする。
【0123】
このような構成によれば、有機電界発光素子3は、有機半導体或いは無機半導体である電荷注入層51などを発電半導体部として内蔵することができるため、この発電半導体部を電荷注入層51などとは別途設けなくてもよく、小型化を図ることができる。
【0124】
上記実施形態における発電装置を内蔵する有機電界発光素子3などは、上記発電半導体部47などが、複数の電極46,52間のいずれかの層として積層されていることを特徴とする。
【0125】
上記発電半導体部が、上記有機電界発光層49とともに複数の電極46,52間に積層されているため、有機電界発光層49が放出した光を広い面積で受け取ることができる。このため、この発電半導体部47などは、効率よく光電変換を行い、有機電界発光素子3の内部における消費電力を低減したり、上記有機電界発光層49の電界発光効率を向上させることができる。
【0126】
上記実施形態における発電装置を内蔵する有機電界発光素子3などにおいては、発電半導体部が複数の電極46,52間に成膜された、電子注入層51、電子輸送層50、正孔輸送層48及び正孔注入層47のいずれか又はこれらいずれかの組合せであることを特徴とする。
【0127】
このようにすると、複数の電極46,52間に別途発電半導体部を設けなくても、上記有機電界発光素子3内に発電半導体部47などを内蔵させることができるため、このような発電半導体部47などを設けてもサイズが大きくならないようにすることができる。
【0128】
上記実施形態における発電装置を内蔵する有機電界発光素子3などは、上記発電半導体部47などが、上記内部光Lが入射する側において隣り合う各上記層47などのいずれかとの屈折率差を所定値以上とさせる材質であることを特徴とする。
【0129】
まず、光が隣り合う複数の層を通過する場合、これら複数の層の屈折率の差(屈折率差)がより大きい方が、より大きく屈折してこれら複数の層の境界に沿った方向に導波する光が多くなる。この発電半導体部47などはその隣り合う層48などとの屈折率差が十分に大きく、その隣り合う層48などから入射した内部光Lは、この発電半導体部47内などをあまり屈折しないで通過するよりも長い距離に渡り通過することになる。すると、この発電半導体部47などは、上述したあまり屈折しないで通過した場合よりも、より多くの内部光Lを吸収して励起子を生成し、特定の電界下で電荷に分離し、輸送することができる。つまり、この発電半導体部47などは、このような光電変換作用によって新たに電荷を発生し、発電を行うことができる。
【0130】
このようにすると、有機電界発光素子3は、このように分離して輸送された電荷分、外部から供給(注入)されるべき電荷が少なくて済む。さらにこの有機電界発光素子3は、このように新たに発生した電荷によって、複数の電極46,52への印加電圧を抑制し、内部における消費電力を低減することができる。
【0131】
また、この有機電界発光素子3は、この新たに生じさせた電荷によって外部から有機電界発光層49に供給(注入)すべき電荷を少なくしても、同等の光量の光Lを放射できるため、電界発光効率を向上させることができる。
【0132】
上記実施形態における発電装置を内蔵する有機電界発光素子3などにおいては、発電半導体部47などが、上記有機電界発光層49よりも上記透明或いは半透明な電極46(陽極)側に積層されていることを特徴とする。
【0133】
この有機電界発光層49が放出した光は、外部に出力される際にこの有機電界発光層49と陽極46との間に積層された正孔注入層47及び正孔輸送層48を通過する際に、これら有機電界発光層49、正孔注入層47、正孔輸送層48、陽極46及びガラス基板45における各層の境界Bにおいて屈折し、その一部が内部で消失し、全てが外部に放射されない。
【0134】
この発電半導体部47などは、このように有機電界発光層49とガラス基板45との間で本来は消失してしまっていた光を吸収し、新たな電荷を生成して発電することができる。つまりこの発電半導体部47などは、本来外部光として外部に放出すべき光のうち、各層の屈折率の差によって外部光として活用できなくなった内部光を利用して発電することができる。
【0135】
このようにすると、有機電界発光素子3は、このように分離して輸送された電荷分、外部から供給(注入)されるべき電荷が少なくて済む。さらにこの有機電界発光素子3は、このように新たに発生した電荷によって、複数の電極46,52への印加電圧を抑制し、内部における消費電力を低減することができる。
【0136】
また、この有機電界発光素子3は、この新たに生じさせた電荷によって外部から有機電界発光層49に供給(注入)すべき電荷を少なくしても、同等の光量の光Lを放射できるため、電界発光効率を向上させることができる。
【0137】
さらにこの有機電界発光素子3は、有機電界発光層49とガラス基板45との間で乱反射していた内部光Lが減少することにより、明瞭な外部光を出力することができるためコントラストを向上することができる。
【0138】
上記実施形態における発電装置を内蔵する有機電界発光素子3などは、発電半導体部47などが複数の電極46,52間において上記内部光Lの色に各々対応した多層に形成されていることを特徴とする。
【0139】
このような構成によれば、多層の発電半導体部47などが、各々、例えば色ごとに内部光Lを吸収することができるため、さらに効率よく内部光Lを利用して発電することができる。
【0140】
上記実施形態における発電装置を内蔵する有機電界発光素子3などは、発電半導体部47などが、特定の波長帯域の内部光Lを吸収する材質で構成されていることを特徴とする。
【0141】
上記有機電界発光素子3においては、発電半導体部47などが、特定の波長帯域において吸光度(低い透過率)が高くなるように調整してあると、次のような効果を発揮することができる。つまり発電半導体部47などは、上述のように効率よく内部光Lを吸収して発電を行うことができるばかりでなく、特定の波長帯域を吸収するため、それ以外の波長帯域の光Lのコントラストを向上することができる。
【0142】
上記実施形態における発電装置を内蔵する有機電界発光素子3などは、上記発電半導体部47などが特定の波長帯域として紫外線領域から赤外線領域にわたる内部光Lを吸収する材質であることを特徴とする。
【0143】
このような構成によれば、有機電界発光素子3は、例えば表示装置1に用いられるため、有機電界発光層49が出力した光Lのうち紫外線波長から赤外線波長の内部光Lを吸収することから、内部に散乱する内部光Lを減少させ、外部光Lによるコントラストを向上することができる。
【0144】
上記実施形態における発電装置を内蔵する有機電界発光素子3などは、上記発電半導体部47などが、電荷分離効率及び電荷輸送が高い膜であることを特徴とする。
【0145】
このような構成とすると、有機電界発光素子3において発電半導体部47などがより効率よく内部光Lに基づいて電荷を発生させ、この発生させた電荷を効率よく有機電界発光層49(発光層)に供給(注入)することができる。このため有機電界発光層49は、さらに消費電力を抑制するとともに、さらに電界発光効率が向上する。
【0146】
上記実施形態における発電装置を内蔵する有機電界発光素子3などは、発電半導体部47などがバイポーラ半導体材料を材質とすることを特徴とする。
【0147】
このような構成とすると、バイポーラ半導体材料を用いた積層が容易なため、発電半導体部47などを簡単に形成することができる。
【0148】
上記実施形態における発電装置を内蔵する有機電界発光素子3などは、発電半導体部47などが、気層成膜、蒸着、塗布方法、ゾルゲル法、スパッタ法などにより成膜されたことを特徴とする。このようにすると、発電半導体部47などは、一般的な成膜技術を用いて簡単に積層することができる。
【0149】
<有機電界発光素子の変形例>
上記実施形態における有機電界発光素子3などは、この発電半導体47などが単層膜であってもよいし、或いは、p型半導体及びn型半導体を混ぜた混合膜などであってもよい。
【0150】
つまり、上記各実施形態における有機電界発光素子3などは、発電半導体部47などが単層膜であることを特徴とする。上記各実施形態における表示装置1などが各々内蔵する有機電界発光素子3などは、発電半導体部47などが単層膜であることを特徴とする。上記実施形態における発電装置を内蔵する有機電界発光素子3などは、発電半導体部47などが単層膜であることを特徴とする。
【0151】
このような構成とすると、一種類の材料で内部光の吸収、光から電荷キャリアへの分離及び膜内での電荷キャリア輸送、そして隣接する層への電荷キャリア注入を兼ね備え、成膜手順を簡便にすることができる。なお、ここでいう単層膜は、混合膜を含んだ概念としてもよい。
【0152】
つまり、上記実施形態における有機電界発光素子3などは、発電半導体部47などがp型半導体およびn型半導体を混ぜた混合膜であることを特徴とする。上記実施形態における表示装置1などが各々内蔵する有機電界発光素子3などは、発電半導体部47などがp型半導体およびn型半導体を混ぜた混合膜であることを特徴とする。上記実施形態における発電装置を内蔵する有機電界発光素子3などは、発電半導体部47などがp型半導体およびn型半導体を混ぜた混合膜であることを特徴とする。
【0153】
このような構成によれば、一種類の材料で内部光Lの吸収、光から電荷キャリアへの分離及び膜内での電荷キャリア輸送、そして隣接する層への電荷キャリア注入を兼ね備えることが難しい場合、多種の材料を混合することにより各機能を補うことで、発電半導体部47の光電変換膜としての機能を高めることができる。
【0154】
また、上記実施形態における有機電界発光素子3などは、発電半導体部47などがn型半導体層とp型半導体層とを積層した構造であることを特徴とする。上記実施形態における表示装置1などが各々内蔵する有機電界発光素子3などは、発電半導体部47などがn型半導体層とp型半導体層とを積層した構造であることを特徴とする。上記実施形態における発電装置を内蔵する有機電界発光素子3などは、発電半導体部47などがn型半導体層とp型半導体層とを積層した構造であることを特徴とする。
【0155】
多種の材料を混合する場合には濃度調整などの制御が難しいこともありうるが、上述のように積層することで、発電半導体部(光電変換膜)が、内部光の吸収、光から電荷キャリアへの分離及び膜内での電荷キャリア輸送、そして隣接する層への電荷キャリア注入の各機能により発揮する効果を大きくさせることができる。
【0156】
なお、発電半導体部47などは、上述のような単層膜、混合膜及び積層膜のいずれかであるばかりでなく、混合膜及び積層膜を合わせた構造を採用しても良い。このような積層構造としては、発電半導体部47などが、例えばp型半導体層とp型半導体層を積層したり、n型半導体層とn型半導体層を積層する構造を例示することができる。このようにすると、これら混合膜及び積層膜によって各機能をすべて補い、発電半導体部47などによる光電変換効率を向上させることができる。
【0157】
また発電装置が内蔵する第3実施形態における有機電界発光素子3bは、複数の電極46,52(陽極、陰極)の少なくとも一方と発電半導体部53との間において、上記発電半導体部53への電荷の注入を促進するバッファ層55を有することを特徴とする。
【0158】
このような構成によれば、発電半導体部53は、バッファ層55の存在によって複数の電極46,52の少なくとも一方との電荷の受け渡しが容易になり、より電界発光効率を向上することができる。
【0159】
上記各実施形態では、有機電界発光素子3などの積層構成を各々例示したが、この積層構成は上述されたものに限られず、ガラス基板45から次のような積層構成を採用することもできる。
【0160】
上記各実施形態では、1つの有機電界発光素子3などを例示しているが、例えば次のような構成としてもよい。すなわち、1つの有機電界発光素子3などが、複数の電極46,53間において、複数の積層構造(正孔注入層47/正孔輸送層48/発光層49/電子輸送層50/電子注入層51の組み合わせが複数ある形態)を採用した場合には、各積層構造がこの発電半導体部53を挟み込みつつ何層も配列している形態であってもよい。なお、この積層構造の配列順は逆としてもよい。
【0161】
上記各実施形態では、ガラス基板45から、陽極46/発電半導体部53(光電変換膜)/正孔注入層47/正孔輸送層48/発光層49/電子輸送層50/電子注入層51/発電半導体部53(光電変換膜)/正孔注入層47/正孔輸送層48/発光層49/電子輸送層50/電子注入層51/陰極52の順で積層されていても良い。
【0162】
また上記各実施形態では、ガラス基板45から、陽極46/発電半導体部53(光電変換膜)/発光層49/発電半導体部53(光電変換膜)/発光層49/電子輸送層50/電子注入層51/陰極52の順で積層されていも良い。
【0163】
上記各実施形態では、有機電界発光素子3などが、ガラス基板45から、陽極46/発電半導体部53/発光層49/発電半導体部53/発光層49/発電半導体部53/・・(省略)・・/陰極52の順のように、各層間に発電半導体部53が挟み込まれている形態であってもよい。
【0164】
上記実施形態においては、発電半導体部53が、主として陰極52及び陽極46の間におけるいずれかの層に積層されているものと例示しているが、これに限られない。すなわちこの発電半導体部53は、このように陰極52及び陽極46との間に積層されているばかりではなく、有機電界発光素子3などの内部のいずれかの位置に配置されていてもよい。例えば、この発電半導体部53は、隔壁54、陽極46、ガラス基板45及び側部41のいずれか又はこれらいずれかの組合せに配置されていてもよい。
【0165】
なお、発電半導体部としての側部41は、上述した図示の例に限られず、各層47などを成膜した際に光の取り出しに関係のない無駄な部分とすることができる。またこの側部41は、図示のように右側のみならず、その代わりに或いは併せて左側に形成されていても良い。
【0166】
上記実施形態における有機電界発光素子3などにおいては、発電半導体部とすべき層を、例えば正孔注入層47(や電子注入層51)よりもより発光層49に近い正孔輸送層48(や電子輸送層50)にすれば、この発電半導体部とした層がより有効に内部光を利用して新たに電荷を発生し、電界発光効率をより向上することができる。このとき併せて、上記実施形態における有機電界発光素子3などにおいては、その内部において外部に取り出して本来は利用することのできない内部光を除去することができるため、コントラストの向上に寄与する。
【0167】
上記実施形態における有機電界発光素子3などは、上記有機電界発光層49(発光層)が、上記複数の電極46,52間において複数の箇所に積層されていてもよい。
【0168】
上記実施形態における表示装置1などにおいて有機電界発光素子3などが、上記有機電界発光層49(発光層)が、上記複数の電極46,52間において複数の箇所に積層されていてもよい。
【0169】
上記実施形態における発電装置において有機電界発光素子3などが、上記有機電界発光層49(発光層)が、上記複数の電極46,52間において複数の箇所に積層されていてもよい。
【0170】
このような構成とすると、有機電界発光層49による光量が増すばかりでなく、発電半導体部47などは複数箇所に積層されている有機電界発光層49による内部光Lをより多く吸収し、この吸収した光に基づくより多くの新たな電荷を発生し、発電することができる。
【0171】
また上記各実施形態における有機電界発光素子3などは、各々、上記発電半導体部53の材質成分は、π電子を含有する有機半導体材料ないし、色素機能材料であり、GaAsなどの無機半導体化合物、又は、ZnOやTiOなどの酸化物半導体を材質とすることを特徴とする。
【0172】
また上記各実施形態における表示装置1などは、それぞれ、有機電界発光素子3などが、各々、上記発電半導体部53の材質成分は、π電子を含有する有機半導体材料ないし、色素機能材料であり、GaAsなどの無機半導体化合物、又は、ZnOやTiOなどの酸化物半導体を材質とすることを特徴とする。
【0173】
また上記各実施形態における発電装置は、それぞれ、有機電界発光素子3などが、各々、上記発電半導体部53の材質成分は、π電子を含有する有機半導体材料ないし、色素機能材料であり、GaAsなどの無機半導体化合物、又は、ZnOやTiOなどの酸化物半導体を材質とすることを特徴とする。
【0174】
また上記実施形態では、発電半導体部47などとその上下の各層との屈折率差を利用しているが、例えばこの発電半導体部47などがその周辺層(例えば発電半導体部47などの上層及びその下層)よりも屈折率が高い場合に、この発電半導体部47など(光電変換部)内を内部光が導波しやすくなることを利用してもよい。すなわち、本実施形態においては、上述の構成に加えてさらに、この発電半導体部47などが、その周辺層よりも屈折率が高い構成となっている。このようにすると、内部光が、一旦、発電半導体部47など内に入射すると、この内部光は、この発電半導体47など内に滞留し易くなり、発電半導体部47などは、このような内部光を用いて内部における消費電力を低減することができる。
【0175】
また上記実施形態では、発電半導体部47などに直接対面する上層及び下層の少なくとも一方に、その上層及びその下層の少なくとも一方の膜からの内部光Lを乱反射させる補償層を有する形態としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0176】
【図1】第1実施形態としての有機電界発光素子を備える表示装置の外観の一例を示す正面図である。
【図2】第1実施形態における有機電界発光素子の構成例を示す部分断面図である。
【図3】複数の層を光が通過する際における光の屈折状態の一例を示す図である。
【図4】複数の層を光が通過する際における光の屈折状態の一例を示す図である。
【図5】第2実施形態における有機電界発光素子の構成例を示す部分断面図である。
【図6】第3実施形態における有機電界発光素子の構成例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
【0177】
1 表示装置
1a 表示装置
1b 表示装置
3 有機電界発光素子
3a 有機電界発光素子
3b 有機電界発光素子
6 駆動回路
7 表示パネル
41 側部(発電半導体部)
45 ガラス基板(基板、発電半導体部)
46 陽極(複数の電極一方、透明或いは半透明な電極、発電半導体部)
47 正孔注入層(発電半導体部)
48 正孔輸送層(発電半導体部)
49 発光層(有機電界発光層)
50 電子輸送層(発電半導体部)
51 電子注入層(発電半導体部)
52 陰極(複数の電極の他方、発電半導体部)
53 発電半導体部
54 隔壁(発電半導体部)
L 光、内部光、外部光
Claims (36)
- 基板上に積層した少なくとも一方が透明或いは半透明な複数の電極と、
前記複数の電極間において積層されており、印加電圧によって前記複数の電極間に生じた電界によって発光する有機電界発光層と、
前記有機電界発光層の周囲に配置し、前記有機電界発光層によって放出された光のうち前記透明或いは半透明な電極から外部に放出されずに内部に残留した内部光を利用し、光電変換機能によって発電を行う発電半導体部と
を有することを特徴とする有機電界発光素子。 - 請求項1記載の有機電界発光素子において、
前記発電半導体部は、有機半導体、無機半導体或いは酸化物半導体であることを特徴とする有機電界発光素子。 - 請求項1記載の有機電界発光素子において、
前記発電半導体部は、前記複数の電極間のいずれかの層として積層されていることを特徴とする有機電界発光素子。 - 請求項3記載の有機電界発光素子において、
前記発電半導体部は、前記複数の電極間に成膜された、電子注入層、電子輸送層、正孔輸送層及び正孔注入層のいずれか又はこれらいずれかの組み合わせであることを特徴とする有機電界発光素子。 - 請求項3記載の有機電界発光素子において、
前記発電半導体部は、前記内部光が入射する側において隣り合う前記層との屈折率差を所定値以上とさせる材質であることを特徴とする有機電界発光素子。 - 請求項1記載の有機電界発光素子において、
前記発電半導体部は、前記有機電界発光層よりも前記透明或いは半透明な電極側に積層されていることを特徴とする有機電界発光素子。 - 請求項1記載の有機電界発光素子において、
前記発電半導体部は、前記複数の電極間において前記内部光の色に各々対応して多層に形成されていることを特徴とする有機電界発光素子。 - 請求項1記載の有機電界発光素子において、
前記有機電界発光層は、前記複数の電極間において複数箇所に積層されていることを特徴とする有機電界発光素子。 - 請求項1記載の有機電界発光素子において、
前記発電半導体部は、特定の波長帯域の前記内部光を吸収する材質で構成されていることを特徴とする有機電界発光素子。 - 請求項9記載の有機電界発光素子において、
前記発電半導体部は、前記特定の波長帯域として紫外線領域から赤外線領域に渡る前記内部光を吸収する材質であることを特徴とする有機電界発光素子。 - 請求項1記載の有機電界発光素子において、
前記発電半導体部は、電荷分離効率及び電荷輸送が高い膜であることを特徴とする有機電界発光素子。 - 請求項1記載の有機電界発光素子において、
前記発電半導体部は、バイポーラ半導体材料を材質とすることを特徴とする有機電界発光素子。 - 請求項12記載の有機電界発光素子において、
前記発電半導体部は、単層であることを特徴とする有機電界発光素子。 - 請求項1記載の有機電界発光素子において、
前記発電半導体部は、p型半導体及びn型半導体を混ぜた混合膜であることを特徴とする有機電界発光素子。 - 請求項1記載の有機電界発光素子において、
前記発電半導体部は、n型半導体層とp型半導体層とを積層した構造であることを特徴とする有機電界発光素子。 - 請求項1記載の有機電界発光素子において、
前記複数の電極の少なくとも一方と前記発電半導体部との間にて、前記発電半導体部への電荷の注入を促進するバッファ層を有することを特徴とする有機電界発光素子。 - 請求項1記載の有機電界発光素子において、
前記発電半導体部の材質成分は、π電子を含有する有機半導体材料ないし、色素機能材料であり、無機半導体化合物又は酸化物半導体を材質とすることを特徴とする有機電界発光素子。 - 請求項1記載の有機電界発光素子において、
前記発電半導体部は、気相成膜、蒸着、塗布方法、ゾルーゲル法又はスパッタ法により成膜されることを特徴とする有機電界発光素子。 - 基板上に積層した少なくとも一方が透明或いは半透明な複数の電極と、
前記複数の電極間において積層されており、印加電圧によって前記複数の電極間に生じた電界によって発光する有機電界発光層と、
前記有機電界発光層の周囲に配置し、前記有機電界発光層によって放出された光のうち前記透明或いは半透明な電極から外部に放出されずに内部に残留した内部光を利用し、光電変換機能によって発電を行う発電半導体部と
を備える有機電界発光素子が配列する表示パネルと、
入力された画像データに応じて前記複数の電極間に印加電圧を与えることで、前記表示パネルの各前記有機電界発光素子を駆動する駆動回路と
を有することを特徴とする表示装置。 - 請求項19記載の表示装置において、
前記発電半導体部は、有機半導体或いは無機半導体であることを特徴とする有機電界発光素子を内蔵する表示装置。 - 請求項19記載の表示装置において、
前記発電半導体部は、前記複数の電極間のいずれかの層として積層されていることを特徴とする有機電界発光素子を内蔵する表示装置。 - 請求項21記載の表示装置において、
前記発電半導体部は、前記複数の電極間に成膜された、電子注入層、電子輸送層、正孔輸送層及び正孔注入層のいずれか又はこれらいずれかの組み合わせであることを特徴とする有機電界発光素子を内蔵する表示装置。 - 請求項21記載の表示装置において、
前記発電半導体部は、前記内部光が入射する側において隣り合う前記層との屈折率差を所定値以上とさせる材質であることを特徴とする有機電界発光素子を内蔵する表示装置。 - 請求項19記載の表示装置において、
前記発電半導体部は、前記有機電界発光層よりも前記透明或いは半透明な電極側に積層されていることを特徴とする有機電界発光素子を内蔵する表示装置。 - 請求項19記載の表示装置において、
前記発電半導体部は、前記複数の電極間において前記内部光の色に各々対応して多層に形成されていることを特徴とする有機電界発光素子を内蔵する表示装置。 - 請求項19記載の表示装置において、
前記有機電界発光層は、前記複数の電極間において複数箇所に積層されていることを特徴とする有機電界発光素子を内蔵する表示装置。 - 請求項19記載の表示装置において、
前記発電半導体部は、特定の波長帯域の前記内部光を吸収する材質で構成されていることを特徴とする有機電界発光素子を内蔵する表示装置。 - 請求項27記載の表示装置において、
前記発電半導体部は、前記特定の波長帯域として紫外線領域から赤外線領域に渡る前記内部光を吸収する材質であることを特徴とする有機電界発光素子を内蔵する表示装置。 - 請求項19記載の表示装置において、
前記発電半導体部は、電荷分離効率及び電荷輸送が高い膜であることを特徴とする有機電界発光素子を内蔵する表示装置。 - 請求項19記載の表示装置において、
前記発電半導体部は、バイポーラ半導体材料を材質とすることを特徴とする有機電界発光素子を内蔵する表示装置。 - 請求項30記載の表示装置において、
前記発電半導体部は、単層であることを特徴とする有機電界発光素子を内蔵する表示装置。 - 請求項19記載の表示装置において、
前記発電半導体部は、p型半導体及びn型半導体を混ぜた混合膜であることを特徴とする有機電界発光素子を内蔵する表示装置。 - 請求項19記載の表示装置において、
前記発電半導体部は、n型半導体層とp型半導体層とを積層した構造であることを特徴とする有機電界発光素子を内蔵する表示装置。 - 請求項19記載の表示装置において、
前記複数の電極の少なくとも一方と前記発電半導体部との間にて、前記発電半導体部への電荷の注入を促進するバッファ層を有することを特徴とする有機電界発光素子を内蔵する表示装置。 - 請求項19記載の表示装置において、
前記発電半導体部の材質成分は、π電子を含有する有機半導体材料ないし、色素機能材料であり、無機半導体化合物又は酸化物半導体を材質とすることを特徴とする有機電界発光素子を内蔵する表示装置。 - 請求項19記載の表示装置において、
前記発電半導体部は、気相成膜、蒸着、塗布方法、ゾルーゲル法又はスパッタ法により成膜されることを特徴とする有機電界発光素子を内蔵する表示装置。
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