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JP4843526B2 - 無線型制御システム - Google Patents
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JP4843526B2 - 無線型制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、センサおよびコントローラを利用した制御システムに係り、特に、無線技術を利用した制御システムの電源を管理する無線装置の電源管理装置または方法、およびこれらを利用した無線センサ、無線コントローラ、無線アクチュエータ、センサネットワークシステム、並びにそれらにより構成される無線型制御システムに関する。
近年、無線技術は飛躍的な発展を遂げ、通信機器はもとより、センサおよびコントローラに内蔵した無線装置間で情報の送受信を行うセンサネットワーク、微小な無線装置(IDタグや無線タグ)を利用して人やモノを識別・管理するRFID(Radio Frequency Identification)など、多くの産業機器や家電機器で広く利用されている。
図12は、従来のセンサネットワークの一例についての構成を概略的に示した概略図である。図12を参照して従来のセンサネットワークについて以下に概説する。
センサネットワークシステム100は、親機としての無線基地局101が、センサ機能を有する子機としての複数のセンサ無線端末102とコントローラ機能を有する子機としての複数のコントローラ無線端末103とに無線にて通信可能な状態で構成されている。
このセンサネットワークシステム100において、センサ無線端末102は例えばビルの温度、湿度、照度、プラントの温度、流量、圧力、機器の振動などを測定し、指定された周期でこの測定データを無線通信で親機としての無線基地局101に送信する。
親機としての無線基地局101は、センサ無線端末102から測定データを受信すると、コントローラ無線端末103に発信する。
コントローラ無線端末103では、指定された周期で親機としての無線基地局101から測定データを受信し、例えば、ビルの空調制御装置、照明制御装置、プラントの温度・流量・圧力制御装置、機器のメカニカル制御装置等の制御対象へ当該制御対象を制御する制御信号を生成し、当該制御対象へ制御信号を出力する。
これらの無線端末は電源ケーブルや通信ケーブルを設置する必要がないことから、既設のビルや社会インフラなどに後から設置しやすい、設置工事費が安価である、仮設期間などの限定された期間のみ設置し期間経過後は移設するなどの一時的利用が可能である、設置の際、建物、設備の壁に穴を開けるような配線工事をする必要がない、などの利点がある。
また一方で、これらの無線端末では電源ケーブルを設置せず端末内に設けられた電源により通信、センシング、センシングしたデータの演算および変換などを行っているため、通信量が増えたり、通信距離を伸ばすために出力電波を大きくしたりすると、電力消費量が増加し、電源交換周期が短くなりメンテナンスのための労力やコストが増加するという問題がある。
この無線端末の電源を管理する方法として、(1)外部から電波や光などのエネルギーを非接触で供給する電力供給方式(RFIDなど)、(2)ソーラー電源や温度差発電、振動による発電などの自己発電機能によりエネルギーを得る自己発電方式、(3)通信の工夫により消費電力を減らし、電源の寿命を延ばす電源管理方式、などがある。
非特許文献1では、センサ向け無線通信規格であるZigBeeにおいて、上記(3)に関する電源管理の標準化が考慮されていることが記載されている。
また、特許文献1および2においても、(3)の電源管理方式に関する技術が記載されている。
特許文献1には、周期的に変調搬送波信号を探す受信モードに入り、変調搬送波信号が検出されないときにはスリープモードで動作する無線ラベルに関する技術が記載されている。
また、特許文献2には、遠隔操作を行う通信装置において、データが発生したときのみバインド状態に遷移して通信が可能になり、通信すべきデータないときにはアンバインド状態に遷移して消費電力を抑えることにより、送受信素子の寿命を延ばす技術が記載されている。
特許第3226784号公報 特許第3533419号公報 EDN Japan 2006 7月号 pp.42〜51
しかし、これらの特許文献1および特許文献2の技術において、スリープ状態(アンバインド状態)からウエイクアップ状態(バインド状態)に遷移して通信を行うタイミングは制御対象プロセスの状態への影響が考慮されずに制御されているため、これらの技術を用いると制御対象プロセスに対して適切な制御を行うことができない場合があるという問題があった。
例えば、制御対象プロセスが過渡状態にあるときは、適切な制御を行うためには細かなタイミングでセンサによるデータの測定やコントローラによる各種装置の制御が必要であるため、電源の消費電力を減らすために通信回数を減らすと制御性能が低下し、迅速に的確な制御が行われないという問題があった。
本発明は、無線センサや無線コントローラなど無線を利用した制御システムの電源を管理する無線装置の電源管理装置あるいは方法、およびこれを利用した無線センサ、無線コントローラ、無線アクチュエータ、センサネットワークシステム、並びにそれらにより構成される無線型制御システムにおいて、上記事情に鑑みてなされたものであり、制御対象プロセスの制御性能を維持しつつ無線装置の電源寿命を延長させることが可能な無線型制御システムおよびその制御方法を提供することを目的とする。
本発明に係る無線型制御システムは、上述した課題を解決するため、制御対象プロセスの状態を制御量として測定するセンサ装置と、前記センサ装置の測定値に基づき前記制御対象プロセスの制御演算を行うコントローラ装置と、前記コントローラ装置の算出した操作量に応じて前記制御対象プロセスの設備機器を操作するアクチュエータ装置とを具備し、前記コントローラ装置とセンサ装置およびアクチュエータ装置の少なくとも一方との間の通信が無線通信であり、前記センサ装置およびアクチュエータ装置の少なくとも一つ以上が二次電池を少なくとも電源の一部として構成される無線通信端末装置である無線型制御システムにおいて、前記コントローラ装置は、制御則および受信した制御量に基づき、前記制御対象プロセスの操作量を算出する制御演算部と過去から現在までの制御量および操作量の情報から現在までの制御量および操作量の情報に基づいて制御性能を評価する機能を有する制御性能評価部と、前記制御対象プロセスの制御性能評価指標と前記通信周期指令値との関係を表す情報と、前記制御性能評価部が行った前記制御性能の評価結果とに基づいて、前記無線通信端末装置の電源のスリープ時間を通信周期指令値として算出する通信周期指令値算出部と、前記制御対象プロセスの制御性能評価指標と前記制御パラメータとの関係を表す情報と、前記制御性能評価部が行った前記制御性能の評価結果とに基づいて、制御パラメータの調整指令値を算出する制御パラメータ算出部と、前記通信周期指令値算出部が算出した通信周期指令値を前記無線通信端末装置に送信する通信周期送信部を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る無線型制御システムは、上述した課題を解決するため、制御対象プロセスの状態を制御量として測定するセンサ装置と、前記センサ装置の測定値に基づき前記制御対象プロセスの制御演算を行うコントローラ装置と、前記コントローラ装置の算出した操作量に応じて前記制御対象プロセスの設備機器を操作するアクチュエータ装置とを具備し、前記コントローラ装置とセンサ装置およびアクチュエータ装置の少なくとも一方との間の通信が無線通信であり、前記センサ装置およびアクチュエータ装置の少なくとも一つ以上が二次電池を少なくとも電源の一部として構成される無線通信端末装置である無線型制御システムにおいて、前記コントローラ装置は、制御則および受信した制御量に基づき、前記制御対象プロセスの操作量を算出する制御演算部と、評価関数を設定する評価関数設定部と、前記評価関数設定部が設定する制御性能に関する評価を行う評価関数および無線通信時に要する電力消費エネルギーの評価を行う評価関数演算部と、前記評価関数演算部が行った評価関数の最適化計算の結果に基づき、前記無線通信端末装置の電源のスリープ時間を通信周期指令値として算出する通信周期指令値算出部と、前記評価関数演算部が行った評価関数の最適化計算の結果に基づき、制御パラメータの調整指令値を算出する制御パラメータ算出部と、前記通信周期指令値算出部が算出した通信周期指令値を前記無線通信端末装置に送信する通信周期送信部を備えることを特徴とする。
すなわち、無線型制御システムでは、無線端末が電源管理機能を有し、コントローラ装置である無線基地局から受信した通信周期指令値に応じて、無線端末をスリープモードにし、消費電力を最小にする。また、コントローラ装置である無線基地局側には、無線型制御管理機能を有し、センサ装置を通じて受信した制御量やアクチュエータ装置に発信した操作量に基づき制御対象プロセスの状態を推定し、その状態に応じて無線端末の電源状態を制御するための通信周期指令値を発信する。その結果として、制御周期が時々刻々と変化することになり、制御系の状態、安定性、制御性能などを適切に維持するためには、コントローラ装置の制御演算機能そのものも対応が必要になる。そこで、その対応として通信周期指令値と同時に制御演算に関わるパラメータを調整する。この結果、無線端末のバッテリー寿命を延長するための電源管理を考慮した通信周期と制御系の制御性能を考慮した制御パラメータの双方をそれぞれ、あるいは協調して、あるいは同時に適切に保つことができる、という点が本発明の無線型制御システムの特徴である。
本発明の無線型制御システムによれば、制御対象プロセスの状態に応じてセンサ装置、コントローラ装置、アクチュエータ装置間の少なくとも一部の無線通信における通信周期を制御することができるので、無線端末のバッテリー電源寿命を延長されることができる。また、通信周期に応じて制御演算に関するパラメータを調整することもできるので、制御対象プロセスへの制御性能を維持することができる。従って、通信周期と制御パラメータを同時に最適化あるいは協調して調整すれば、制御性能維持と無線端末の電源寿命延長を同時に実現する無線型制御システムおよび無線制御方法を提供することができる。
以下、本発明に係る無線型制御システムについて添付の図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る無線型制御システム1の基本的なシステム構成を概略的に示した概略図である。すなわち、図1に示される無線型システム1は、以下に説明する各実施形態に共通する基本的なシステム構成である。
図1によれば、無線型制御システム1は、制御対象プロセス2に対し、その制御量を測定し、コントローラ装置3にフィードバックするためのセンサ装置4と、センサ装置4で測定された制御量に基づき、制御対象を所望の状態に制御するための操作量を算出する制御演算機能を有するコントローラ装置3と、コントローラ装置3で算出された操作量に基づき、制御対象プロセス2に操作を加えるアクチュエータ装置5を具備して構成される。
制御対象プロセス2は、コントローラ装置3により制御される制御対象全体である。例えばビルの空調制御装置、照明制御装置、プラントの温度・流量・圧力制御装置、機器のメカニカル制御装置およびこれらの装置が制御する状態量が該当する。
コントローラ装置3は、無線基地局(親機)に相当し、無線端末装置(子機)と無線通信を行い、制御対象プロセス2の制御に必要な情報を送受信する。また、センサ装置4およびアクチュエータ装置5は、無線端末装置(子機)に相当し、無線基地局(親機)と無線通信を行い、制御対象プロセス2の制御に必要な情報を送受信する。
センサ装置4は、センサ機能を有し、温度、湿度、圧力等の制御対象となる状態量を測定する。そして、測定した状態量、すなわち、制御量をコントローラ装置3へ送信する。
アクチュエータ装置5は、例えば、空調機におけるファン回転数制御器のように回転数指令値を受け取り、実際のファン回転数を指令値に追従させるようにインバータ周波数を調整するなどのローカル制御器や、プラントにおけるバルブ開度制御器など制御対象プロセス2と一体になって、その操作をする機能(アクチュエータ機能)を有する。アクチュエータ装置5は、コントローラ装置3から受け取った操作量の指令値に基づき制御対象プロセス2の操作を行う。
ここで、無線型制御システム1では、制御量と操作量の少なくとも一方は無線通信による情報伝達が実施されているものとし、各無線端末装置(子機)は、その駆動電源の少なくとも一部が二次電池(バッテリー)によって駆動するものとする。
また、本明細書では、制御対象プロセスに関する状態量で制御により所望の値にしたい変数を「制御量」、制御量の未来の挙動・応答を予測したものを「予測応答」、制御を行うために空調機などの設備・装置側に操作指令値としてコントローラ装置3から出力する信号を「操作量」と称する。
尚、以下の各実施の形態における説明では、センサ装置4およびアクチュエータ装置5の両方が無線端末装置(子機)であることを前提に説明するが、無線型制御システム1では、センサ装置4およびアクチュエータ装置5の両方が無線端末装置である必要はなく、少なくとも一方が無線端末装置であれば良い。
[第1の実施の形態]
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る無線型制御システム1Aの構成を概略的に示した概略図である。
図2によれば、無線型制御システム1Aは、無線基地局(親機)としてのコントローラ装置3Aと、無線端末装置(子機)としてのセンサ装置4およびアクチュエータ装置5とを備える。
コントローラ装置3Aは、データ受信機能を有するデータ受信部11と、制御演算機能を有する制御演算部12と、データ送信機能を有するデータ送信部13と、システム管理機能を有するシステム管理部14Aと、通信周期指令値送信機能を有する通信周期送信部15とを備える。
データ受信部11は、データ受信機能を有し、センサ装置4が測定した測定データ、すなわち、測定時刻kにおける制御量y(k)を受信する。受信した測定データは、データ受信部11から制御演算部12およびシステム管理部14Aへ送られる。
制御演算部12は、制御対象プロセス2を所望の状態に制御するための操作量を算出する機能(制御演算機能)を有する。制御演算部12は、制御の手順を表す数式またはプログラムの情報(以下、制御則とする)を有しており、制御則およびデータ受信部11が受信した制御量に基づき、制御対象プロセス2を所望の状態に制御するための操作量を算出する。つまり、制御演算部12は、制御対象プロセス2の制御に必要な情報を生成し送信するコントローラ装置3(3A)のコントロール機能を担う構成要素である。制御演算部12が演算した結果(操作量u(k))は、制御演算部12からデータ送信部13およびシステム管理部14Aへ送られる。
データ送信部13は、データ送信機能を用いて、制御演算部12から操作量を受け取り、アクチュエータ装置5へ送信する。
システム管理部14Aは、システム全体の管理するため、通信周期と制御パラメータを調整し管理する。より具体的には、制御量および操作量に基づき、制御対象プロセス2およびセンサ装置4、コントローラ装置3およびアクチュエータ装置5で構成される制御系全体の状態に関する各種の制御パラメータを求める(取得または算出する)制御状態算出部21と、制御状態算出部21が算出した制御状態算出結果に基づいて通信周期指令値を算出する通信周期指令値算出部22と、制御状態算出結果に基づいて制御パラメータの調整指令値を算出する制御パラメータ算出部23とを有する。
システム管理部14Aでは、制御状態算出部21、通信周期指令値算出部22、および、制御パラメータ算出部23の各構成要素が所定の処理を実行することによって無線型制御システム1Aの管理を行う。システム管理部14Aが行うシステム管理の概要については、図3を引用して別途後述する。
通信周期送信部15は、通信周期指令値送信機能を用いて、システム管理部14Aから送られてきた通信周期指令値をセンサ装置4およびアクチュエータ装置5へ送信する。
センサ装置4は、センサ機能を有するセンサ部25と、受信した信号(センサ信号)に対して所望の信号処理を行う機能(信号処理機能)を有する信号処理部26と、データ送信機能を有するデータ送信部27と、コントローラ装置3Aから通信周期指令値を受信する通信周期受信部28と、タイマーセット機能を有するタイマーセット部29と、タイマー機能を有しセンサ装置4のスリープ時間を管理するスリープタイマー部30と、センサ部25、信号処理部26およびデータ送信部27の電源を管理する機能(電源管理機能)を有する電源管理部31とを備える。
センサ装置4のセンサ部25は、制御対象プロセス2の制御に関する状態量(制御量y(t))を計測する。計測結果であるセンサ信号、すなわち、時刻t=kでの制御量y(k)は、センサ部25から信号処理部26へ送られる。信号処理部26は、信号処理機能を用いて、センサ部25から受け取ったセンサ信号について、その補正、レンジ調整、単位変換、フィルタリング、ノイズ処理、異常データのチェック、データ欠損の補間などの信号処理を行う。信号処理結果は、データ送信部27へ送られる。データ送信部27は、データ送信機能を用いて、信号処理結果であるセンサ信号を制御量y(k)としてコントローラ装置3Aへ送信する。
通信周期受信部28は、コントローラ装置3Aから通信周期指令値を受信し、タイマーセット部29へ送る。タイマーセット部29は、受信した通信周期指令値に基づき、センサ装置4のスリープ時間を設定し、設定したスリープ時間の情報をスリープタイマー部30へ送信する(タイマーセット機能)。
スリープタイマー部30は、スリープ時間の情報を受け取り、当該情報に基づき、タイマーセットを行う。そして、セットされたタイマーに基づき、活動を休眠するスリープ状態(機能停止状態)および活動を行うアウェイク状態(機能起動状態)の時間を管理する(タイマー機能)。また、スリープタイマー部30は、スリープ状態およびアウェイク状態の時間情報を電源管理部31へ送信する。電源管理部31は、スリープタイマー部30から受け取った時間情報に基づいて、センサ部25、信号処理部26およびデータ送信部27の電源を個別にON/OFFを切り替えて管理する。
また、センサ装置4は、通信周期受信部28、タイマーセット部29、スリープタイマー部30および電源管理部31を備えるので、センサ部25でセンシングする状態量をサンプリングするサンプリング機能を実現することができる。
アクチュエータ装置5は、データ受信機能を有するデータ受信部33と、受信した信号に対して所望の信号処理を行う信号処理部34と、操作部35と、通信周期受信部28、タイマーセット部29、スリープタイマー部30および電源管理部31とを備える。また、アクチュエータ装置5は、通信周期受信部28、タイマーセット部29、スリープタイマー部30および電源管理部31を備えるので、離散信号である操作量を次の離散信号が入力されるまでの間ホールドするホールド機能を実現することができる。
データ受信部33は、データ受信機能を有し、コントローラ装置3Aから送信されるデータ、すなわち、制御対象プロセス2に関する操作量u(k)を受信する。そして、受信した操作量u(k)を信号処理部34へ送る。
信号処理部34は、受信する信号がセンサ信号ではなく操作量u(k)を示す操作量信号という点で異なる以外は実質的に信号処理部26と異ならない。すなわち、信号処理部34は、信号処理機能を用いて、受け取った操作量信号について必要な信号処理を行う。信号処理後の操作量信号は、操作部35へ送られる。尚、信号処理後の操作量信号は、前記ホールド機能によって連続信号u(t)として送られる。
操作部35は、信号処理部34から受け取った信号処理後の操作量信号から得られる操作量に基づき制御対象プロセス2の操作を行う。
次に、無線型制御システム1A(より詳細にはシステム管理部14A)が行うシステム管理の概要について図3を引用して説明する。
図3は、無線型制御システム1Aのシステム管理の概要を説明するための説明図であり、無線型制御システム1Aをブロック線図的に表現した図である。
図3において、ホールダー38とは、ホールド機能を実現する構成要素であり、より具体的には、図2に示されるアクチュエータ装置5の通信周期受信部28、タイマーセット部29、スリープタイマー部30および電源管理部31が実質的に相当する。また、39はサンプラーとは、サンプリング機能を実現する構成要素であり、より具体的には、図2に示されるセンサ装置4の通信周期受信部28、タイマーセット部29、スリープタイマー部30および電源管理部31が実質的に相当する。
図3によれば、無線型制御システム1Aは、システム管理部14Aが、制御偏差e(k)に応じて制御周期調整指令値(通信周期指令値)と制御演算に関するパラメータ(制御則調整指令値)の少なくとも一方を変更するように構成された閉ループ制御システムである。より具体的に説明すると、無線型制御システム1Aでは、目標値r(k)(目標値r(t)のt=kにおける値)と制御量y(t)のサンプリング値(離散値)である制御量系列y(k)の偏差である制御偏差e(k)を示す制御偏差信号が制御演算部12およびシステム管理部14Aに入力される。尚、制御偏差e(k)は以下の数式1で表される。 [数1]
制御偏差e(k)=目標値r(k)−制御量系列y(k)
システム管理部14Aは、図2の説明において図を省略したが、電子データを格納する領域を有し、当該領域内に、制御偏差の絶対値|e|と制御周期との関係を示す制御周期調整用テーブル41と、制御偏差の絶対値|e|と制御定数との関係を示す制御定数調整用テーブル42とを有するシステム管理データベース43を読み出し可能に格納する。
システム管理部14A(制御状態算出部21、通信周期指令値算出部22、および、制御パラメータ算出部23)は、これらの情報を参照して制御則調整指令および制御周期調整指令値を算出する。
ここで、制御則調整指令とは、制御の手順を表す数式またはプログラム(制御則)における制御パラメータのうち少なくとも一つを調整する指令をいう。また、制御パラメータとしては、例えばPID制御の場合、Kp(比例ゲイン),Ti(積分時間),Td(微分時間),σ(制御偏差の積分値),δ(制御偏差の微分値)等が該当する。
システム管理部14Aでは、通信周期指令値算出部22が、制御周期調整用テーブル41を参照し、各離散時刻kにおける制御偏差e(k)に応じた制御周期τを通信周期指令値として図2に示される通信周期送信部15へ送る。また、制御パラメータ算出部23が、制御定数調整用テーブル42を参照し、各離散時刻kにおける制御偏差e(k)に応じた制御パラメータKp,Ti,Tdを読み出し、制御演算部12へ送信する。
制御演算部12は、制御偏差e(k)が入力されると、例えば、PID演算を行い、離散時間信号として得られた操作量(以下、操作量系列とする)u(k)を算出する。PID演算については、以下の数式2に示す通りである。
[数2]
σ(k)=σ(k−1)+e(k)×τ(k−1)
δ(k)=(e(k)−e(k−1))/τ(k−1)
u(k)=Kp(k)×(e(k)+σ(k)/Ti(k)+Td(k)×δ(k))
ここで、σ(k),δ(k),Kp(k),Ti(k),Td(k)はそれぞれ時刻kで算出されるPID制御(上記制御例)の制御パラメータである。また、e(k)は時刻kで算出された制御偏差(数式1)、τ(k)は時刻kで算出された制御周期である。添え字がk―1のものは、前回(時刻k−1)の制御演算における諸量である。
制御演算部12から出力された操作量系列u(k)は、ホールダー38で連続化した連続信号である操作量u(t)に変換され、最終的には図3に示されるように、制御対象プロセス2へ出力される。また、制御対象プロセス2から出力された制御量y(t)は、フィードバックされ、サンプラー39で所定の周期でサンプリングされる。サンプリング周期(制御周期)は、センサ装置4またはアクチュエータ装置5との通信周期に相当する周期である。
尚、制御周期調整用テーブル41が示す制御偏差|e|と制御周期τとの関係は、制御偏差が大きいほど、制御周期τは小さい値となる。また、制御定数調整用テーブル42が示す制御偏差|e|と制御パラメータKp,Ti,Tdとの関係は、各々の制御周期τと制御対象プロセス2の特性に応じて決定される。
この結果、制御偏差|e|が大きいほど、比例ゲインKpは小さい値、積分時間Tdは大きい値、微分時間Tdは小さい値となるので、制御偏差|e|が大きい過渡状態では、制御周期τが小さくきめ細かい制御動作となり制御性能や安定性を維持することができる一方、制御偏差|e|が小さい定常状態では、制御周期τが大きく粗い制御動作となり、無線端末(センサ装置4およびアクチュエータ装置5)のバッテリー電源の寿命を延長することができる。
次に、本発明の第1の実施の形態に係る無線型制御システム1Aの動作(シーケンス)について説明する。
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る無線型制御システム1Aのシーケンスを説明したシーケンスチャートである。
図4によれば、無線型制御システム1Aのシーケンスは、無線型制御システム1Aの電源投入後、まず、コントローラ装置3Aが、データ受信を待機する受信待機状態に移行し、センサ装置4がスリープ状態からアウェイク状態に移行するまでの間、受信待機状態を保持する(ステップS0)。そして、受信待機状態にあるコントローラ装置3Aが、計測結果としての制御量を受信すると(ステップS5)、制御演算を実行(ステップS6)し、演算結果として算出した操作量をアクチュエータ装置5へ送る(ステップS7)。
また、コントローラ装置3Aは、制御演算終了後、操作量を送信するステップ(ステップS7)と並行して、制御状態の算出(ステップS12)、制御状態算出結果に応じた制御パラメータの算出(ステップS13)、および、制御状態算出結果に応じた通信周期指令値の算出(ステップS14)を行う。そして、算出した通信周期指令値をセンサ装置4およびアクチュエータ装置5に送信する(ステップS15)。ステップS15の処理ステップが完了すると、ステップS0に戻る。すなわち、コントローラ装置3Aは、データ受信を待機する受信待機状態に移行し、ステップS0以降の処理ステップを実行する。
一方、センサ装置4では、まず、前回の通信周期指令値に基づき、タイマー機能を用いてスリープ時間を計測する(ステップS1)。その後、センサ装置4は、スリープ状態が終了すると(ステップS2)、制御対象プロセス2の状態量について計測(センシング)を行い(ステップS3)、計測結果を制御量としてコントローラ装置3Aへ送信する(ステップS4)。
ステップS4の後は、通信周期指令値の受信を待機する受信待機状態に移行する。そして、通信周期指令値を受信すると、新たに受信した通信周期指令値を次回のスリープ時間としてセットして再びスリープ状態に入る(ステップS16)。ステップS16の後は、ステップS1に戻り、センサ装置4は、ステップS1以降の処理ステップを実行する。
他方、アクチュエータ装置5では、センサ装置4と同様に前回の通信周期指令値に基づき、タイマー機能を用いてスリープ時間を計測する(ステップS8)。そして、スリープ状態が終了し(ステップS9)、アウェイク状態となった後、コントローラ装置3Aから送信された操作量を受信し(ステップS10)、受信した操作量に基づき制御対象プロセス2の制御(操作)を実行する(ステップS11)。
ステップS11の後は、通信周期指令値の受信を待機する受信待機状態に移行する。そして、通信周期指令値を受信すると、新たに受信した通信周期指令値を次回のスリープ時間としてセットして再びスリープ状態に入る(ステップS17)。ステップS17の後は、ステップS8に戻り、アクチュエータ装置5は、ステップS8以降の処理ステップを実行する。
つまり、無線型制御システム1Aでは、図3に示されるように、電源投入(ON状態)中は、コントローラ装置3Aが、ステップS0、ステップS5〜ステップS7およびステップS12〜ステップS15の処理ステップを繰り返し、センサ装置4がステップS1〜ステップS4およびステップS16の処理ステップを繰り返し、アクチュエータ装置5がステップ8〜ステップS11およびステップS17を繰り返し実行する。
無線型制御システム1Aによれば、コントローラ装置3A(親機)のシステム管理部14Aが、制御対象プロセス2の状態に応じた通信周期指令値を決定し、センサ装置4およびアクチュエータ装置5(子機)へ送信することで、センサ装置4およびアクチュエータ装置5が制御性能に支障をきたすことのない安全な範囲で電源部のスリープ時間をできるだけ長くなるように制御することができる。従って、従来よりも電源寿命をさらに延長させた無線型制御システム1Aを提供することができる。
また、システム管理部14Aは、決定した通信周期指令値に基づいて制御パラメータを調整するので、制御演算がその通信周期、すなわち、制御周期に適したものに調整することができる。この結果、無線型制御システム1Aでは、制御対象プロセス2あるいは制御システム全体の制御性能、安定性などを適切に維持することができる。
さらに、無線型制御システム1Aでは、制御偏差が大きい時、制御周期τを細かく、制御パラメータをハイゲインにすることで、制御性能を維持し、制御偏差が小さい時、制御周期τを長く、制御パラメータを低いループゲインにすることで、無線端末(センサ装置4およびアクチュエータ装置5)との通信周期を長くしてバッテリー電源の寿命を延長しつつ制御系の安定性を維持することができる。
さらにまた、制御パラメータとしての比例ゲインKp、積分時間Tiおよび微分時間Tdは、制御周期τが長いときはループゲインが弱めのフィードバック動作となり、長いサンプリング周期でも安定性を維持することができ、制御周期τが短いときは、ループゲインが強めのフィードバック動作となるので、大きな制御偏差に対し、ハイゲインフィードバックで素早く制御偏差を修正して制御性能を維持することができる。
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態に係る無線型制御システム1Bは、応答予測モデルを使用して得た制御対象プロセス2の制御量y(t)の未来の応答を予測し、予測した制御量y(t)に基づいて、制御則調整指令および制御周期調整指令を生成するように構成されたシステムである。
具体的には、無線型制御システム1Bは、図2に示される無線型制御システム1Aに対して、システム管理部14Aの代わりにシステム管理部14Bを備える点以外は実質的に相違しない。すなわち、無線型制御システム1Bは、図2においてシステム管理部14Aをシステム管理部14Bと読み替えたものと実質的に異ならない。そこで、実質的な相違点であるシステム管理部14Bについて説明し、その他については同じ符号を付してその説明を省略する。
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る無線型制御システム1Bにおけるシステム管理部14Bおよび無線型制御システム1Bのシステム管理の概要を説明するための説明図であり、無線型制御システム1Bをブロック線図的に表現した図である。ここで、図5に示されるy、y、yおよびτは、それぞれ、制御(応答)目標値、制御量の上限制約値、制御量の下限制約値、および最適化制御周期(制御周期決定部50の算出結果)である。
システム管理部14Bは、制御対象プロセス2の制御量y(t)の未来の応答を予測し、予測した制御量y(t)に基づいて、制御則調整指令および制御周期調整指令を生成し出力することで、制御演算部12およびサンプラー39のサンプル周期を制御する。
システム管理部14Bは、より具体的には、システム管理部14Aの構成要素(図5において省略)に加え、制御対象プロセス2の制御量y(t)の未来の応答を予測する制御応答予測機能を有する予測応答推定部48と、予測応答推定部48が制御量y(t)の予測応答を推定する際に必要となるパラメータ(予測応答パラメータ)を記録した応答予測用データテーブル49と、予測応答推定部48が推定した予測応答から最適な制御周期τを決定する機能を有する制御周期決定部50と、制御対象プロセス2の制御量y(t)の予測応答に関する目標値および制約条件の少なくとも何れかを設定する機能を有するパラメータ設定部51とを備える。このように構成されるシステム管理部14Bでは、予測応答とそれに関わる目標値あるいは制約条件に基づき通信周期指令値、制御パラメータの少なくとも一つ以上を変更することができる。
予測応答推定部48は、応答予測モデルに相当する以下の数式3の情報を有しており、制御量の未来の予測応答を算出するために、演算を行う。
[数3]
(k)=C・X(k−1)・・・(1)
X(k)=A・X(k−1)+B・u(k)+K(y(k)−y(k))・・・(2)
X(k+i)=A・X(k)+[Ai-1B+Ai-2B+・・・+B]u(k)・・・(3)
(k+i)=C・X(k+i)・・・(4)
(i=1,2,・・・,Np)
数式3における式(1)および(2)は、制御対象プロセス2の状態量ベクトルX(k)を推定する状態観測器あるいはオブザーバーあるいはカルマンフィルターと呼ばれる推定式である。ここで、y(k)は時刻kで推定された制御量推定値、X(k)は時刻kで推定された状態量ベクトルである。また、行列A,B,Cはそれぞれ、制御対象プロセスを状態空間表現したときのシステム行列、制御行列、観測行列である。さらに、Kはカルマンゲインと呼ばれる修正ゲイン行列である。
また、数式3における式(3)および(4)は、制御量予測応答を推定する予測式で、X(k+i)およびy(k+i)はそれぞれ時刻iτだけ未来の制御対象プロセスの状態量ベクトル予測値および制御量予測値である。
この結果、制御量予測応答は、以下の数式4で示される。
[数4]
[y(k+1),y(k+2),・・・,y(k+Np)]
応答予測用データテーブル49は、システム管理部14Bの記憶領域(図5において省略)に予め読み出し可能に格納され、制御周期τに応じた数式3で用いる制御パラメータである行列A,B,C,Kが記録される。前回の制御周期τ(k−1)に対応したそれらのパラメータが読み出され、上述した数式3で用いられる。
制御周期算出部50は、数式3で算出された制御量予測応答から最適な制御演算周期τを決定する。また、算出の際に必要となる制御対象プロセス2の制御量y(t)の予測応答に関する目標値または制約条件は、パラメータ設定部51から与えられる。制御演算周期τの算出(決定)は、後述する数式5の関係式において、同じく後述する数式6のいずれかが成り立つ最小の未来予測時間iを算出し、これらの条件を成立させない最大の制御周期(i−1)τを最適な制御周期、すなわち、無線通信周期指令値として算出する。
[数5]
未来の制御目標値y(k+i),(i=1,2,・・・,Np)
制御量の上限制約値y(k+i),(i=1,2,・・・,Np)
制御量の下限制約値y(k+i),(i=1,2,・・・,Np)
制御量予測応答y(k+i),(i=1,2,・・・,Np)
[数6]
|y(k+i)−y(k+i)|≧ε・・・(1)
(k+i)≧y(k+i)・・・(2)
(k+i)≦y(k+i)・・・(3)
ここで、数式6の式(1)は、制御偏差が最大許容偏差閾値εを超える時点を判定する式であり、式(2)および式(3)は、制御量未来値が上下限制約値y(k+i)、y(k+i)を越える時点を判定する式である。つまり、制御周期算出部50は、数式6の全ての条件を満足すること、すなわち、制御系の制御性能として要求される仕様を満足する範囲内で採り得る最長の制御周期τを算出して決定する。
パラメータ設定部51は、制御周期算出部50が制御周期τの算出を行う際に必要となる制御目標値と制約条件の入力を受け付けて、制御周期算出部50へ目標値および制約条件等を与える。
このようにして決定された制御周期τに基づき、制御パラメータ算出部23(図5において省略)は、適切な制御パラメータが決定される。制御周期算出部50は、制御則調整指令として決定した制御パラメータの値(制御則調整指令値)を制御演算部12に送信するとともに、制御周期調整指令として決定した制御周期(通信周期指令値)τをサンプラー39に送信する。
尚、本発明の第2の実施の形態に係る無線型制御システム1Bの動作(シーケンス)については、例えば、制御演算の内容や制御パラメータの内容等、処理ステップ内の詳細な処理内容や方法が異なるものの実質的には図4に示される無線型制御システム1Aのシーケンスチャートと同様である。従って、無線型制御システム1Bの動作(シーケンス)については、上述した無線型制御システム1Aのシーケンスの説明をもって省略する。
無線型制御システム1Bによれば、制御対象プロセスの未来の予測応答を加味し、要求された制御性能である目標値との偏差、上下限制約値を考慮した最も長い制御周期を選定するので、制御性能を維持しつつ、最も長い無線通信周期司令値を算出することができ、結果的に無線端末(センサ装置4およびアクチュエータ装置5)のバッテリー電源の寿命を延長することもできる。
[第3の実施の形態]
本発明の第3の実施の形態に係る無線型制御システム1Cは、図2に示される無線型制御システム1Aに対して、システム管理部14Aの代わりにシステム管理部14Cを備える点以外は実質的に相違しない。すなわち、無線型制御システム1Cは、図2においてシステム管理部14Aをシステム管理部14Cと読み替えたものと実質的に異ならない。そこで、実質的な相違点であるシステム管理部14Cについて説明し、その他については同じ符号を付してその説明を省略する。
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る無線型制御システム1Cにおけるシステム管理部14Cおよび無線型制御システム1Cのシステム管理の概要を説明するための説明図であり、無線型制御システム1Cをブロック線図的に表現した図である。
システム管理部14Cは、制御対象プロセス2の制御量の挙動から制御性能を判定し、判定結果に基づき通信周期指令値と制御パラメータ(制御則調整指令値)の少なくとも一方を変更する機能を有する。また、制御性能評価の指標を設定する機能を有する。
システム管理部14Cは、システム管理部14Aの構成要素(図6において省略)に加え、過去から現在までの制御量および操作量に基づいて制御性能を評価する機能(制御性能評価機能)および制御性能評価の指標を設定する機能を有する制御性能評価部55を備えて構成され、システム管理部14Cの記憶領域には、過去の制御量および操作量の情報を格納した応答データベース56と、制御性能評価指標と制御周期および制御パラメータとの関係を記録した制御則および制御周期調整データテーブル57を有するシステム管理データベース58が読み出し可能に格納される。
システム管理部14Cは、制御性能評価部55が評価した制御性能評価指標の評価結果とデータベース56,58に基づいて制御則調整指令値および制御周期調整指令値、すなわち、最適な制御周期τ、制御パラメータKp,Ti,Tdを決定することができる。最適な制御周期τおよび制御パラメータKp,Ti,Tdは、それぞれ、演算制御部12およびサンプラー39へ送信される。
システム管理部14Cの各部をより具体的に説明すれば、制御性能評価部55は、過去から現在までの制御量、操作量から制御性能評価指標の一例である制御性能定数および制御安定定数を以下の数式7に基づいて算出して制御性能の評価を行う。
[数7]
制御性能定数=Max(e(k),e(k−1),・・・,e(k−Np))
制御安定度定数=MAX(Δy(k),Δy(k−1),・・・,Δy(k−Np))+MAX(Δu(k),Δu(k−1),・・・,Δu(k−Np))
ここで、
e(k−i)=r(k−i)−y(k−i)
Δy(k−i)=y(k−i)−y(k−i−1)/τ(k−i−1)
Δu(k−i)=u(k−i)−u(k−i−1)/τ(k−i−1)
また、制御性能評価部55は、必要に応じてこれらの制御性能評価の指標を設定することができる。すなわち、制御性能評価の指標は、上記例以外にもユーザが任意に設定することができる。
応答データベース56には、逐次、システム管理部14Cが取得した制御量および操作量が記憶(格納)される。制御則および制御周期調整データテーブル57は、上記数式7で示した制御性能定数および制御安定度定数に対し、制御周期τと制御パラメータKp,Ti,Tdとの関係を表すデータテーブルである。制御則および制御周期調整データテーブル57は、例えば、システム管理データベース58に格納される。
システム管理部14C(通信周期指令値算出部22および制御パラメータ算出部23)は、制御性能評価部55の評価結果に基づき、制御則および制御周期調整データテーブル57から各離散時刻kにおける制御周期および制御パラメータを読み出し、読み出した制御周期τを制御周期調整指令値としてサンプラー39へ送信する一方、読み出した制御パラメータを制御則調整指令値として制御演算部12へ送信する。
制御演算部12では、例えば、前記第1の実施の形態で例示したPID演算[数2]に従い制御演算が行われる。
尚、本発明の第3の実施の形態に係る無線型制御システム1Cの動作(シーケンス)については、例えば、制御演算の内容や制御パラメータの内容等、処理ステップ内の詳細な処理内容や方法が異なるものの実質的には図4に示される無線型制御システム1Aのシーケンスチャートと同様である。従って、無線型制御システム1Cの動作(シーケンス)については、上述した無線型制御システム1Aのシーケンスの説明をもって省略する。
無線型制御システム1Cによれば、制御対象プロセス2の過去から現在までの制御系の応答挙動を加味し、制御性能にかかわるパラメータである制御性能定数と制御安定度定数に応じて、制御性能を損なわない範囲での最長の制御周期が選定され、制御性能を維持しつつ、最も長い無線通信周期司令値を算出することができる。従って、無線端末のバッテリー電源の寿命を延長することができる。
[第4の実施の形態]
図7は、本発明の第4の実施の形態に係る無線型制御システム1Dの制御原理を説明する説明図である。
図7に示されるように、無線型制御システム1Dは、モデル予測制御方式による制御方法を採用している。ここで、モデル予測制御方式とは、制御対象プロセス2の入出力データから応答予測モデルを用いて予測応答系列を推定し、推定結果に基づき、未来の操作量系列をある応答目標値、応答上下限値などの制約条件式を最適化する評価関数を用いて、これらを最適化し、制御対象プロセス2の操作に用いる、という動作を逐次繰り返す制御方式である。
また、無線型制御システム1Dは、図5に示される無線型制御システム1Bに対して、システム管理部14Bの代わりにシステム管理部14Dを備える点以外は実質的に相違しない。すなわち、無線型制御システム1Dは、図5においてシステム管理部14Bをシステム管理部14Dと読み替えたものと実質的に異ならない。そこで、実質的な相違点であるシステム管理部14Dについて説明し、その他については同じ符号を付してその説明を省略する。
図8は、本発明の第4の実施の形態に係る無線型制御システム1Dにおけるシステム管理部14Dおよび無線型制御システム1Dのシステム管理の概要を説明するための説明図であり、無線型制御システム1Dをブロック線図的に表現した図である。
システム管理部14Dは、システム管理部14Bと同様にシステム管理部14Aの構成要素(図8において省略)に加え、予測応答推定部48と、応答予測用データテーブル49と、予測応答推定部48の推定結果、制約条件および後述する評価関数を考慮して制御周期を決定する制御周期決定部60と、制御対象プロセス2の制御量y(t)の予測応答に関する目標値あるいは制約条件を設定する機能に加え評価関数を設定する機能をさらに有するパラメータ設定部61とを備える。
予測応答推定部48は、システム管理部14Bに対して、応答予測モデルに相当する数式の情報を有する点で共通するが、無線型制御システム1Dでモデル予測制御方式による制御方法を採用した結果、予測応答推定部48が有する応答予測モデルに相当する数式の情報は異なる。具体的には、以下の数式8に示される1〜Npステップ先までの予測式の情報を有する。
Figure 0004843526
制御周期決定部60は、予測応答推定部48が算出した制御量予測応答から最適な制御演算周期τを決定する。また、制御周期決定部60は、パラメータ設定部61で設定された評価関数Jの最適化(最小化)計算を行い、評価関数演算部としての役割を担う。その際に、制御周期決定部60は、2次計画法(Quadratic Programming)および混合整数計画法を用いて計算を行うが、これらの計算の実行に必要な情報(プログラムを含む)は予めシステム管理部14Dの記憶領域(図8において省略)に格納される。ここで、決定した制御演算周期τは、制御パラメータの算出および操作量の最適化に利用される。
評価関数設定部としてのパラメータ設定部61は、評価関数Jを入力し設定することができる。無線型制御システム1Dでは、評価関数Jとして、制御性能に関する評価を行う評価関数J1と無線通信時に要する電力消費エネルギーの評価を行う評価関数J2を導入する。評価関数J1は、例えば、2次形式で表現される一般的な制御性能の評価関数である。
Figure 0004843526
次に、評価関数J2は、無線通信時に要する電力消費エネルギーであるが、無線通信時に要する電力消費エネルギー定義するために、基本制御周期をτ、考慮する未来の操作量区間を[0,τ,...,(Nu-1)τ]とし、以下の数式10で示される整数変数列を想定する。
[数10]
μ=[μ1,...,μNu-1
μiは未来の時刻(i−1)τにおける操作量を出力する(μ=1)または
出力しない(μ=0)の何れかの状態を決定する整数の独立変数
上記数式10で示される整数変数列μを想定したもとで、無線通信時に要する電力消費エネルギーに関わるペナルティ係数として、未来の第jステップ先のタイミングでの通信における一回あたりの通信コスト係数をCjと定義すれば、無線通信時に要する電力消費エネルギーを以下の数式11で表すことができる。この式を評価関数J2とする。
Figure 0004843526
次に、操作量を最適化する無線型制御システム1Dの処理内容について説明する。上述した評価関数(あるいは後述する制約条件式)には、制御偏差および操作量変更量および通信回数に関わるペナルティ項が含まれている。所定の制約条件式のもと、例えば、混合整数計画法を用いて評価関数式の最適化(最小化)を行い、最終的には、後述する操作量系列を得る。
制約条件を考慮したモデル予測制御方式は、一般に、実時間最適化型の制御則で定式化される。ここで、制御対象プロセス2が、以下の数式12で示されるダイナミクスで記述されるものとする。
[数12]
y(k)=g(z−1)u(k)
y(k)=y(1),y(2),・・・は制御量系列
u(k)=u(1),u(2),・・・は操作量系列
g(z−1)は時間遅延演算子Z−1の関数で表現される離散時間伝達関数
また、未来の目標値は、以下の数式13で与えられるものとする。
[数13]
=[y(k+1),y(k+2),…,y(k+Np)]
さらに、パラメータ設定部61からは、評価関数の一例として、前記数式9で示される評価関数J1および前記数式11で示されるJ2が与えられたものとし、これらの最小化を想定する。この場合、線形最適制御則は、以下の数式14に示される。
Figure 0004843526
一方、制約条件を考慮する場合、以下の数式15で示されるように、未来の制御応答および操作量に対し、上下限制約、変化率制約などを設定し、最適操作量を逐次に解く。例えば、最適操作量を解く手法としては、2次計画法が用いられる。
Figure 0004843526
ここで、制御周期の最大化を考慮して、最適化のための制約条件、評価関数Jを拡張する方法として、以下の三通りの最適化手法が実現できる。これらの最適化問題はいずれも混合整数計画法を用いることで最適解を効率よく得ることができる。
まず、第一の方法としては、以下の数式16で示される無線通信に関わる電力消費エネルギー(数式11)の制約条件および前記数式13の制約条件のもとで、前記数式9で示される評価関数J1(制御性能ペナルティ)を最小化する。尚、数式16に示されるC1は任意に設定される電力消費エネルギー値の上限値である。
Figure 0004843526
次に、第二の方法としては、以下の数式17で示される制御性能ペナルティ(数式9)の制約条件および前記数式13の制約条件のもとで、評価関数J2(無線通信時に要する電力消費エネルギー)を最小化する。尚、数式17に示されるC2は任意に設定される値である。
Figure 0004843526
次に、第三の方法としては、前記数式13の制約条件のもとで、以下の数式18で示される評価関数J3を最小化する。ここで、評価関数J3とは、評価関数J1(制御性能ペナルティ)と評価関数J2(無線通信に関わる電力消費エネルギー)の和である。
Figure 0004843526
さらに、上記の第一から第三の方法において、未来の時間区間の中で、最低限、センサー情報のフィードバックのためNμ回以上の通信による制御系のフィードバック動作を確保する観点から、以下の数式19で示される新たな制約条件を加えることも可能である。
Figure 0004843526
以上の第一方法から第三の方法によって、以下の数式20で示される操作量系列が得られる。これを制御演算部12へ順次出力する。あるいは、初めの第一項のみ出力し、再度、上述した最適化の計算を繰り返す。この結果、最適化された操作量系列を得ることができる。
Figure 0004843526
評価関数J2(数式11)は、通信による電力消費コストを考慮したもので、できるかぎりμ=0となる制御則を選択することになる。この結果、μ=1となったタイミングでのみ、センサ情報の通信および制御演算が実行されることになり、所定の制御性能を維持しつつ無線端末の電源消費を最小にしてバッテリー寿命を延長することができる。
すなわち、このように構成されるシステム管理部14Dでは、制御対象プロセス2の制御性能と無線通信端末装置の消費電力に関する評価関数式あるいは制約条件式あるいはその両方を設定し、設定した条件式の下で評価関数式の最適化を行う。そして、最適化された評価関数に基づき通信周期指令値および制御則調整指令値の少なくとも一方を変更することができる。
尚、本発明の第4の実施の形態に係る無線型制御システム1Dの動作(シーケンス)については、例えば、制御演算の内容や制御パラメータの内容等、処理ステップ内の詳細な処理内容や方法が異なるものの実質的には図4に示される無線型制御システム1Aのシーケンスチャートと同様である。従って、無線型制御システム1Dの動作(シーケンス)については、上述した無線型制御システム1Aのシーケンスの説明をもって省略する。
無線型制御システム1Dによれば、制御対象プロセスの未来の挙動を考慮し、制御性能の低下による損失と無線端末の消費電力による損失を同時に考慮できるので、制御性能を維持しながら、最も長い無線通信周期司令値を算出することが可能となり、結果的に無線端末のバッテリー電源の寿命を延長することができる。また、制御演算における最適化計算に混合整数計画法を用いることで最適解を実時間の限られた時間内で効率良く得ることができる。
[第5の実施の形態]
本発明の第5の実施の形態に係る無線型制御システム1Eは、図6に示される無線型制御システム1Cに対して、システム管理部14Cの代わりにシステム管理部14Eを備える点以外は実質的に相違しない。すなわち、無線型制御システム1Eは、図6においてシステム管理部14Cをシステム管理部14Eと読み替えたものと実質的に異ならない。そこで、実質的な相違点であるシステム管理部14Eについて説明し、その他については同じ符号を付してその説明を省略する。
無線型制御システム管理部14Eは、無線型制御システム管理部14Cに、制御対象プロセス2の制御性能に関するパラメータと通信周期および制御演算に関する制御パラメータとの間の関係式について学習する機能と、その関係式の情報をデータテーブルに記憶する機能とを有する。
無線型制御システム管理部14Eは、システム管理部14Cの構成要素に加え、制御則および制御周期調整データテーブル57に記憶された制御性能評価指標と制御周期および制御パラメータとの対応関係を読み込み、最適な対応付けを学習する機能を有するデータテーブル最適化部65をさらに備える。データテーブル最適化部65は、読み出した対応関係を最適化してその結果を制御則および制御周期調整データテーブル57に反映してシステム管理データベース58に格納する。
より具体的には、データテーブル最適化部65は、制御性能評価指標とそのときの制御パラメータ(制御定数)および制御周期の少なくとも一方との関係を読み込み、例えば、ニューラルネットワークを用いて最も制御性能が良くなる制御パラメータあるいは制御周期の関係を学習する。その結果は、逐次、制御則および制御周期調整データテーブル57に反映されシステム管理データベース58に格納される。
尚、本発明の第5の実施の形態に係る無線型制御システム1Eの動作(シーケンス)については、例えば、制御演算の内容や制御パラメータの内容等、処理ステップ内の詳細な処理内容や方法が異なるものの実質的には図4に示される無線型制御システム1Aのシーケンスチャートと同様である。従って、無線型制御システム1Eの動作(シーケンス)については、上述した無線型制御システム1Aのシーケンスの説明をもって省略する。
無線型制御システム1Eによれば、制御周期(通信周期)とその制御周期における制御パラメータと、制御性能評価を行った制御性能評価指標との関係から、最適な制御周期および制御パラメータを決定する制御則および制御周期調整データテーブル57が自動的に学習、更新されるので、常に決定する制御周期および制御パラメータの最適化を図ることができる。
例えば、制御対象プロセス2の特性が経年変化、あるいは時刻や外部条件、動作条件とともに変化する場合、無線型制御システム1Eの学習機能によって、制御則および制御周期調整データテーブル57も制御対象プロセス2の特性変化に追従できるので、制御状態を常に良好に保つことができる。従って、適切な制御性能を考慮しつつ制御周期を長く選定することができ、制御性能を維持しながら、最も長い無線通信周期指令値を算出することができる。その結果、無線端末のバッテリー電源の寿命を延長することができる。
[第6の実施の形態]
本発明の第6の実施の形態に係る無線型制御システム1Fは、図1に示される無線型制御システム1に対してコントローラ装置3の代わりにシステム管理部14Fを備えるコントローラ装置3Fを具備する点以外は実質的に相違しない。そこで、実質的な相違点であるコントローラ装置3F(システム管理部14F)について説明し、その他については同じ符号を付してその説明を省略する。
無線型制御システム1Fは、本発明に係る無線型制御システム1、すなわち、上述した無線型制御システム1A〜1Eの何れかに対して、外部機器に制御状態を表示し、通知し、アラーム通報する機能を付加して構成される。すなわち、無線型制御システム1Fの構成は、図9に示されるように、システム管理機能に加え、制御状態を表示し、通知し、アラーム通報する機能をさらに有するシステム管理部14Fを備えたコントローラ装置3Fと、センサ装置4と、アクチュエータ装置5とを具備して構成される。
システム管理部14Fは、制御状態算出部12の算出した制御状態の結果を受けて、制御状態を表示するための情報を生成して表示する制御状態表示部71と、制御状態表示部71が生成した表示情報を、例えばオペレータ端末70等の外部機器へ通知(送信)する制御状態通知部72と、受け取った制御状態の結果が所定の判断基準(例えば設定された閾値を超える等)に基づき正常か異常を判定して異常と判定した場合、その旨をアラーム(警告)として、オペレータ端末70(外部機器)へ通知するアラーム発信部73とを備える。
次に、無線型制御システム1Fの動作(シーケンス)について説明する。無線型制御システム1Fの基本的な動作(シーケンス)は、図4に示される無線型制御システム1Aの動作と同様であるが、無線型制御システム1Fでは、コントローラ装置3Fが、ステップS13〜ステップS15の処理ステップと並行して、ステップS12で得られた制御状態の算出結果を受けて、制御状態の表示情報を生成(表示情報生成ステップ)、当該表示情報の送信(表示情報送信ステップ)、制御状態の異常有無判定(異常有無判定ステップ)および異常発生時にアラームを発信するステップ(アラーム発信ステップ)が実行されることになる。
すなわち、コントローラ装置3は、制御状態算出部が算出した制御状態の結果を受けて、制御状態表示部71が制御状態を表示する情報を生成し表示する。制御状態通知部72は制御状態表示部71が生成した情報をオペレータ端末70、あるいはオペレータの所有するモバイル端末、携帯電話、あるいはインターネットや公衆電話回線、無線衛星通信などを介して遠隔監視装置に通知する。アラーム発信部73は、常時あるいは定期不定期を問わずユーザの要求に応じて任意に、その制御状態の異常の有無を判定し、異常有りと判定した場合は外部機器としてのオペレータ端末70へ通知する。
尚、表示情報生成ステップ、表示情報送信ステップ、異常有無判定ステップおよびアラーム発信ステップは、全ての処理ステップの実行を要するものではない。また、表示情報生成ステップおよび異常有無判定ステップの実行順序については、同時に実行(並行処理)される場合もあるし、一方のステップが完了後に実行される場合もある。
無線型制御システム1Fによれば、本発明の無線型制御システムの通信周期指令値を最適化する目的で制御状態算出部12が算出した制御状態に基づき、当該制御状態を制御状態表示部71に表示したり、外部機器へ通知したり、当該制御状態に異常があれば外部機器へ通知することができるので、例えば、プラント運転、監視業務の支援、あるいは異常監視に流用することができ、副次的な効果を実現することができる。
以上、本発明によれば、無線端末(子機)は、無線基地局(親機)から受信した通信周期指令値に応じて、当該無線端末をスリープモードにし、消費電力を最小にする一方、無線基地局側は、センサ装置4から受信した制御量およびアクチュエータ装置5へ発信した操作量に基づき制御対象プロセス2の状態を推定し、推定結果に応じて無線端末の電源状態を制御する通信周期指令値を発信し制御演算に関わるパラメータを調整するので、無線端末のバッテリー寿命を延長するための電源管理を考慮した通信周期と制御系の制御性能を考慮した制御パラメータの双方をそれぞれ、あるいは協調して、あるいは同時に適切に保つことができる。
また、コントローラ装置3は、制御対象プロセス2の制御偏差と通信周期指令値との関係および制御偏差と制御パラメータとの関係を表す情報(制御周期調整用テーブル41および制御定数調整用テーブル42)を有しているので、当該情報を参照して制御偏差に基づき通信周期指令値および制御パラメータを決定して通信周期指令値と制御則調整指令値の少なくとも一方を変更することができる。
さらに、コントローラ装置3が、予測応答推定部48および制御周期決定部50を備え、制御対象プロセス2の制御量の未来の応答を予測した予測応答を推定し、当該予測応答に関する目標値あるいは制約条件に基づき、通信周期指令値を決定し、決定した通信周期指令値に基づき制御パラメータを設定する場合には、制御周期調整指令値および制御則調整指令値の少なくとも一つ以上を変更することができる。
さらにまた、コントローラ装置3が、制御性能評価部55を備え、制御対象プロセス2の制御量の挙動から制御性能を判定した制御性能評価を行い、当該制御性能評価の指標と通信周期指令値との関係および評価性能評価の指標と制御パラメータとの関係を表す情報を有する場合には、当該情報を参照し制御性能評価結果に基づいて通信周期指令値および制御パラメータを決定することができるので、通信周期指令値および制御則調整指令値の少なくとも一方を変更することができる。
一方、コントローラ装置3が、制御対象プロセス2の制御性能と無線通信端末装置の消費電力に関する評価関数Jを設定し、この評価関数Jの最適化結果に基づき、最適な操作量を決定する場合には、制御対象プロセス2の未来の挙動を考慮し、制御性能の低下による損失と無線端末の消費電力による損失を同時に考慮できる。
また、コントローラ装置3が、データテーブル最適化部65を備え、制御対象プロセス2の制御量の挙動から制御性能を判定した制御性能評価を行い、当該制御性能評価の指標と通信周期指令値との関係および評価性能評価の指標と制御パラメータとの関係を表す情報を有する場合には、制御対象プロセス2の制御性能に関するパラメータと通信周期と制御演算に関わるパラメータの間の関係式を学習し、その関係をデータテーブルに記憶するとともに、通信周期指令値および制御則調整指令値の少なくとも一方を変更することができる。
さらに、コントローラ装置3が、制御状態表示部71と、制御状態通知部72と、アラーム発信部73とを備える場合(コントローラ3Fの場合)には、監視した制御状態に基づき、制御状態の表示、外部機器への通知またはアラームの通報をすることができる。
尚、本発明に係る無線型制御システムの一例として、図1に無線型制御システム1(無線型制御システム1A〜1F)を示したが、これは例示であって本発明に係る無線型制御システムは、図1に示される無線型制御システム1に限定されるものではない。例えば、図1に示される無線型制御システム1では、センサ装置4およびアクチュエータ5が1台ずつであるが、これらはそれぞれ複数であっても構わない。
すなわち、図11に示されるように、センサ装置4をm台(mは2以上の任意の自然数)、アクチュエータ装置5がn台(nは2以上の任意の自然数)であり、制御対象プロセス2が、n入力m出力の多変数系であっても良い。
この場合、コントローラ装置3は、m台のセンサ装置4あるいはn台のアクチュエータ装置5である子機と同時あるいは時間差で順次、無線通信による交信を行う。また、コントローラ3から送信される通信周期指令値は個別の値でも良いし共通の値でも良い。さらに、複数の制御量間に干渉、因果関係、相関関係がある場合には、その旨を制御則として規定しておけば、協調した制御動作を実現でき、制御系全体を良好に保ちつつ、結果的に無線端末のバッテリー電源の寿命を延長することができる。
本発明の実施の形態に係る無線型制御システムの基本構成を概略的に示した概略図。 本発明の第1の実施の形態に係る無線型制御システムの構成を概略的に示した概略図。 本発明の第1の実施の形態に係る無線型制御システムおよび当該無線型制御システムにおけるシステム管理の概要を説明する説明図。 本発明の第1の実施の形態に係る無線型制御システムの動作(シーケンス)を説明するシーケンスチャート。 本発明の第2の実施の形態に係る無線型制御システムおよび当該無線型制御システムにおけるシステム管理の概要を説明する説明図。 本発明の第3の実施の形態に係る無線型制御システムおよび当該無線型制御システムにおけるシステム管理の概要を説明する説明図。 本発明の第4の実施の形態に係る無線型制御システムの制御原理を説明する説明図。 本発明の第4の実施の形態に係る無線型制御システムおよび当該無線型制御システムにおけるシステム管理の概要を説明する説明図。 本発明の第5の実施の形態に係る無線型制御システムおよび当該無線型制御システムにおけるシステム管理の概要を説明する説明図。 本発明の第6の実施の形態に係る無線型制御システムの構成を概略的に示した概略図。 本発明の実施の形態に係る無線型制御システムの変形例の構成を概略的に示した概略図。 従来の無線型制御システムの構成例を概略的に示した概略図。
符号の説明
1(1A,1B,1C,1D,1E,1F) 無線型制御システム
2 制御対象プロセス
3,3F コントローラ装置
4 センサ装置
5 アクチュエータ装置
11 データ受信部
12 制御演算部
13 データ送信部
14A,14B,14C,14D,14E,14F システム管理部
15 通信周期送信部
21 制御状態算出部
22 通信周期指令値算出部
23 制御パラメータ算出部
25 センサ部
26 信号処理部
27 データ送信部
28 通信周期受信部
29 タイマーセット部
30 スリープタイマー部
31 電源管理部
33 データ受信部
34 信号処理部
35 操作部
38 ホールダー
39 サンプラー
41 制御周期調整用テーブル
42 制御定数調整用テーブル
43 システム管理データベース
48 予測応答推定部
49 応答予測用データテーブル
50 制御周期決定部
51 パラメータ設定部
55 制御性能評価部
56 応答データベース
57 制御則および制御周期調整データテーブル
58 システム管理データベース
60 制御周期決定部
61 パラメータ設定部
65 データテーブル最適化部
70 オペレータ端末
71 制御状態表示部
72 制御状態通知部
73 アラーム発信部

Claims (9)

  1. 制御対象プロセスの状態を制御量として測定するセンサ装置と、前記センサ装置の測定値に基づき前記制御対象プロセスの制御演算を行うコントローラ装置と、前記コントローラ装置の算出した操作量に応じて前記制御対象プロセスの設備機器を操作するアクチュエータ装置とを具備し、前記コントローラ装置とセンサ装置およびアクチュエータ装置の少なくとも一方との間の通信が無線通信であり、前記センサ装置およびアクチュエータ装置の少なくとも一つ以上が二次電池を少なくとも電源の一部として構成される無線通信端末装置である無線型制御システムにおいて、
    前記コントローラ装置は、制御則および受信した制御量に基づき、前記制御対象プロセスの操作量を算出する制御演算部と、
    過去から現在までの制御量および操作量の情報から現在までの制御量および操作量の情報に基づいて制御性能を評価する機能を有する制御性能評価部と、
    前記制御対象プロセスの制御性能評価指標と前記通信周期指令値との関係を表す情報と、前記制御性能評価部が行った前記制御性能の評価結果とに基づいて、前記無線通信端末装置の電源のスリープ時間を通信周期指令値として算出する通信周期指令値算出部と、
    前記制御対象プロセスの制御性能評価指標と前記制御パラメータとの関係を表す情報と、前記制御性能評価部が行った前記制御性能の評価結果とに基づいて、制御パラメータの調整指令値を算出する制御パラメータ算出部と、
    前記通信周期指令値算出部が算出した通信周期指令値を前記無線通信端末装置に送信する通信周期送信部を備えることを特徴とする無線型制御システム。
  2. 制御対象プロセスの状態を制御量として測定するセンサ装置と、前記センサ装置の測定値に基づき前記制御対象プロセスの制御演算を行うコントローラ装置と、前記コントローラ装置の算出した操作量に応じて前記制御対象プロセスの設備機器を操作するアクチュエータ装置とを具備し、前記コントローラ装置とセンサ装置およびアクチュエータ装置の少なくとも一方との間の通信が無線通信であり、前記センサ装置およびアクチュエータ装置の少なくとも一つ以上が二次電池を少なくとも電源の一部として構成される無線通信端末装置である無線型制御システムにおいて、
    前記コントローラ装置は、制御則および受信した制御量に基づき、前記制御対象プロセスの操作量を算出する制御演算部と、
    評価関数を設定する評価関数設定部と、
    前記評価関数設定部が設定する制御性能に関する評価を行う評価関数および無線通信時に要する電力消費エネルギーの評価を行う評価関数演算部と、
    前記評価関数演算部が行った評価関数の最適化計算の結果に基づき、前記無線通信端末装置の電源のスリープ時間を通信周期指令値として算出する通信周期指令値算出部と、
    前記評価関数演算部が行った評価関数の最適化計算の結果に基づき、制御パラメータの調整指令値を算出する制御パラメータ算出部と、
    前記通信周期指令値算出部が算出した通信周期指令値を前記無線通信端末装置に送信する通信周期送信部を備えることを特徴とする無線型制御システム。
  3. 前記無線通信端末装置は、前記コントローラ装置から通信周期指令値を受信する通信周期受信部と、この通信周期受信部が受信した通信周期指令値に基づき、前記電源のスリープ時間を設定するタイマーセット部と、このタイマーセット部が設定したスリープ時間の情報を受け取り当該情報に基づき、機能停止状態および機能起動状態の時間を管理するスリープタイマー部と、スリープタイマー部が管理する時間情報に基づいて当該無線通信端末装置の電源の入と切とを切り替える電源管理部を備えることを特徴とする請求項1または2記載の無線型制御システム。
  4. 前記制御性能評価部は、前記制御性能評価指標を設定する機能を有することを特徴とする請求項1または2記載の無線型制御システム。
  5. 前記コントローラ装置は、前記制御性能評価指標と制御周期および制御パラメータとの対応関係を読み込み、最適な対応付けを学習する機能を有するデータテーブル最適化部をさらに備えることを特徴とする請求項記載の無線型制御システム。
  6. 前記評価関数演算部は、前記評価関数の最適化計算に混合整数計画法を用いることを特徴とする請求項記載の無線型制御システム。
  7. 前記センサ装置で測定する前記制御対象プロセスの制御量と、前記アクチュエータ装置が操作する前記制御対象プロセスの操作量の少なくとも一方が複数である場合、
    前記制御演算部は、前記制御量および操作量を含む多変数の制御演算を行い、前記通信周期指令値算出部は、前記無線通信端末装置個々の電源のスリープ時間を通信周期指令値として算出し、前記通信周期送信部は、前記通信周期指令値を前記無線通信端末装置に個別に送信するように構成されることを特徴とする請求項1または2記載の無線型制御システム。
  8. 前記コントローラ装置は、前記制御性能の評価結果および前記評価関数の最適化計算の結果の一方が得られた場合、得られた結果を所定の判断基準に基づき正常か異常を判定して異常と判定した場合に異常である旨を通知するアラーム発信部とを備えることを特徴とする請求項1または2記載の無線型制御システム。
  9. 前記コントローラ装置は、前記制御性能の評価結果および前記評価関数の最適化計算の結果の一方が得られた場合、得られた結果に基づいて、制御状態を表示するための情報を生成し、生成した情報を表示する制御状態表示部および生成した表示情報を外部機器へ通知する制御状態通知部の少なくとも何れかを備えることを特徴とする請求項1または2記載の無線型制御システム。
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