以下に添付図面を参照して、本発明に係るカップ式飲料自動販売機の好適な実施の形態を詳細に説明する。
まず、本発明のカップ式飲料自動販売機に採用される飲料供給装置について説明する。図1は本発明に係るカップ式飲料自動販売機の飲料供給装置の一例を示す概念図である。
飲料供給装置1は、所定の搬送機構(図示せず)によって搬送されてベンドステージSに載置した飲料容器であるカップCに対して、コールド飲料を投入するためのコールド飲料供給部2と、ホット飲料を投入するホット飲料供給部3とを備えている。
コールド飲料供給部2は、水リザーバ21、製氷機22および冷却水槽23を備えて構成してある。
水リザーバ21は、上水道から供給された水(水道水)を貯留するものである。
製氷機22は、水リザーバ21に製氷用水導入配管21aを介して接続してある。製氷機22は、製氷用水導入配管21aを通じて水リザーバ21から移送された水を用いて氷を製造し、当該氷を貯留する。図には明示しないが製氷機22は、製氷部としての円筒状のパイプの内部にスクリュ形状のオーガが配設してあり、モータによって回転駆動したオーガでパイプの筒内に生じた氷を切削しつつ上方に押し上げる。パイプの上部には、固定刃が設けてあり、この固定刃によってオーガで押し上げられた氷を圧縮してチップ状の氷にする。また、パイプの上方には、製造したチップ状の氷を貯留するストッカが設けてある。そして、製氷機22によって製造された氷は、ストッカの氷排出口221(図3参照)から排出されて氷供給配管22aを通じてカップCの内部に必要量が投入されることになる。
冷却水槽23は、主に冷却水を生成するためのものであって、冷却用水23aを貯留した水槽である。冷却水槽23には、水冷却コイル24と、カーボネータ25と、シロップコンテナ26に接続されたシロップ供給配管26aの一部とがそれぞれ冷却用水23aに浸漬させた形態で配設してある。
水冷却コイル24は、水ポンプ21bを有した飲料用水供給配管21cを介して水リザーバ21に接続してある。水冷却コイル24は、飲料用水供給配管21cを通じて水リザーバ21から移送された水を冷却して冷却水を生成するものである。水冷却コイル24で生成された冷却水は、冷却水バルブ24aを有した冷却水供給配管24bを通じてカップCの内部に必要量が投入されることになる。
カーボネータ25は、炭酸ガスボンベ27に炭酸ガス導入配管27aを介して接続してあり、かつ、冷却水供給配管24bの途中に逆止弁25aを介して接続してある。カーボネータ25は、炭酸ガスボンベ27から移送された炭酸ガスと、冷却水供給配管24bを介して水冷却コイル24から移送された冷却水とを混合して炭酸水を生成するものである。カーボネータ25で生成された炭酸水は、炭酸水バルブ25bを有した炭酸水供給配管25cを通じてカップCの内部に必要量が投入されることになる。
シロップコンテナ26は、各種のシロップ原料を貯留するものである。シロップコンテナ26は、炭酸ガスボンベ27に炭酸ガス導入配管27aを介して接続してある。そして、シロップコンテナ26に貯留されたシロップ原料は、炭酸ガスの圧力によってシロップバルブ26bを有したシロップ供給配管26aを通じてカップCの内部に必要量が投入されることになる。また、シロップ供給配管26aの途中には、シロップ売切検出器26cが設けてある。なお、本実施の形態では、炭酸ガスの圧力によってシロップコンテナ26に貯留されたシロップ原料をカップCに投入するプレッシャ式を説明したが、プレッシャ式以外に、炭酸ガスボンベ27をシロップコンテナ26に接続せず、シロップ供給配管26aに設けたポンプ(図示せず)によってシロップコンテナ26に貯留されたシロップ原料をカップCに投入するポンプ式もある。図には明示しないがポンプ式の場合には、シロップコンテナ26およびシロップ供給配管26aの一部が冷却水槽23に貯留した冷却用水23aに浸漬される。
ホット飲料供給部3は、貯湯タンク31、インスタント飲料調理部32およびレギュラーコーヒー飲料調理部33を備えて構成してある。
貯湯タンク31は、上記飲料用水供給配管21cの途中から分岐して逆止弁31aを有した添加湯用水導入配管31bを介して水リザーバ21に接続してある。貯湯タンク31は、加熱源としてのヒータ311(図3参照)を有しており、水リザーバ21から移送された水を加熱して貯留するものである。
インスタント飲料調理部32は、原料キャニスタ321と、ミキシングボール322とを備えて構成してある。原料キャニスタ321は、例えばインスタントコーヒー、ココア、紅茶、砂糖、ミルクなどの各種粉末原料を収容したものである。ミキシングボール322は、シュータ321aを介して原料キャニスタ321に連設してあり、かつ、添加湯バルブ31cを有した添加湯供給配管31dを介して貯湯タンク31に接続してある。ミキシングボール322は、シュータ321aを通じて原料キャニスタ321から投入された各種粉末原料と、添加湯供給配管31dを通じて貯湯タンク31から移送された添加湯とを混合攪拌するものである。ミキシングボール322で攪拌混合されたインスタント飲料は、ミキシングボール322に接続されたホット飲料供給配管322aを通じてカップCの内部に必要量が投入されることになる。
レギュラーコーヒー飲料調理部33は、レギュラーコーヒー抽出部331と、原料キャニスタ332と、ミキシングボール333とを備えて構成してある。
レギュラーコーヒー抽出部331は、コーヒー豆キャニスタ331a、ミル331bおよびコーヒー飲料抽出器331cを有してなる。コーヒー豆キャニスタ331aは、コーヒー豆を収容したものである。ミル331bは、コーヒー豆キャニスタ331aの下方に配設してあり、コーヒー豆キャニスタ331aから投入されたコーヒー豆を挽くものである。コーヒー飲料抽出器331cは、ミル331bの下方に配設してあり、かつ、添加湯供給配管31dを介して貯湯タンク31に接続してある。コーヒー飲料抽出器331cは、ミル331bから投入された挽き豆と、添加湯供給配管31dを通じて貯湯タンク31から移送された添加湯とからレギュラーコーヒー飲料を抽出するものである。
原料キャニスタ332は、例えば砂糖、ミルク、トッピング原料(例えばシナモン)などの各種粉末原料を収容したものである。ミキシングボール333は、シュータ332aを介して原料キャニスタ332に連設してあり、かつ、コーヒー飲料供給配管331dを介してコーヒー飲料抽出器331cに接続してあり、さらに、添加湯供給配管31dを介して貯湯タンク31に接続してある。ミキシングボール333は、シュータ332aを通じて原料キャニスタ332から投入された各種粉末原料と、コーヒー飲料供給配管331dを通じてコーヒー飲料抽出器331cから移送されたレギュラーコーヒー飲料とを混合攪拌するものである。ミキシングボール333で攪拌混合されたレギュラーコーヒー飲料は、ミキシングボール333に接続されたホット飲料供給配管333aを通じてカップCの内部に必要量が投入されることになる。
なお、コーヒー飲料抽出器331cにおいてレギュラーコーヒー飲料を抽出した後の挽き豆の滓は、滓バケツBに投入されることになる。
次に、本発明のカップ式飲料自動販売機に採用される冷却ユニットについて説明する。図2は本発明に係るカップ式飲料自動販売機の冷却ユニットの一例を示す概念図である。
上記飲料供給装置1における製氷機22および冷却水槽23には、図2に示す冷却ユニット50が適用してある。冷却ユニット50は、冷媒循環経路Lを備えてなるものである。冷媒循環経路Lは、圧縮機51、ガスクーラ(放熱器)52、内部熱交換器53、電子膨張弁(膨張機構)54および蒸発器55,56、並びにこれらを接続する経路により構成され、冷媒を循環させるものである。ここに、冷媒としては、不燃性、安全性、不腐食性を有し、更にオゾン層への影響が少ない二酸化炭素を用いている。
圧縮機51は、内部熱交換器53からの冷媒(二酸化炭素)を圧縮して高温高圧の状態にするものである。この圧縮機51は、2回に分けて圧縮動作を行う2段式圧縮機である。より詳細に説明すると、圧縮機51は、1回目(最初)の圧縮動作を行う第1圧縮機51aと、2回目(最後)の圧縮動作を行う第2圧縮機51bとを有し、これらの間に中間熱交換器57を設けてある。中間熱交換器57は、第1圧縮機51aによる1回目の圧縮動作により圧縮された冷媒を冷却、すなわち放熱させて該冷媒を第2圧縮機51bに戻すものである。
このように、圧縮機51は、中間熱交換器57を介して1回の圧縮動作を実行することで、低消費電力で冷媒を所望の高温高圧の状態に圧縮することが可能になる。なお、本実施の形態では、第1圧縮機51aでの1回目の圧縮によって冷媒を約5MPa程度に圧縮し、第2圧縮機51bでの2回目の圧縮によって冷媒を約10MPa程度に圧縮する。なお、圧縮機51としては、レシプロ圧縮機、ロータリー圧縮機、スクロール圧縮機などがあり、2段式の圧縮機に限られるものではない。そして、冷却ユニット50を配設する対象、環境、あるいは装置全体に要するコストなどに見合う圧縮機を適宜適用すればよい。
ガスクーラ52は、圧縮機51で高温高圧の状態に圧縮された冷媒を放熱させるものである。ガスクーラ52には、例えば銅管とアルミフィンとで構成したフィンチューブタイプのものがある。
内部熱交換器53は、ガスクーラ52からの高圧の冷媒と、蒸発器55,56からの低圧の冷媒とを熱交換させるものである。より詳細に説明すると、内部熱交換器53の内部には、ガスクーラ52で放熱させた冷媒が移動する冷媒管路53aと、蒸発器55,56で蒸発させた冷媒が移動する冷媒管路53bとが、互いに熱交換可能な距離を有して非接触向流する態様で配設してある。
電子膨張弁54は、内部熱交換器53で熱交換させた冷媒を断熱膨張させる、すなわち該冷媒を減圧して低温低圧の状態に調整するものである。なお、電子膨張弁54は、膨張機構の一例であり、他にキャピラリチューブや温度膨張弁などを用いても構わない。
蒸発器55,56は、電子膨張弁54で低温低圧の状態に断熱膨張させた冷媒を蒸発させるものであり、製氷機22および冷却水槽23のそれぞれの冷熱源として配設してある。より詳細には、製氷機22側では、上述した円筒状のパイプ(図示せず)の外周面に蒸発管を螺旋状に巻回することにより蒸発器55を配設してある。冷却水槽23側では、冷却水槽23の内部に蒸発管をコイル状にして置くことにより蒸発器56を配設してある。これら蒸発器55,56は、電子膨張弁54から2方に分岐したそれぞれの経路に接続してある。分岐したそれぞれの経路において、蒸発器55の上流側には、電磁弁58が設けてあり、蒸発器56の上流側には、電磁弁59が設けてある。そして、電磁弁58を開成させることで、蒸発器55に電子膨張弁54で断熱膨張させた冷媒が送出され、電磁弁59を開成させることで、蒸発器56に電子膨張弁54で断熱膨張させた冷媒が送出されことになる。また、蒸発器55,56の下流側の経路は、互いに集合して第1圧縮機51aに接続してある。
上記冷却ユニット50の動作について説明する。製氷機22を冷却する場合、蒸発器55の経路にある電磁弁58を開成状態にする一方、蒸発器56の経路にある電磁弁59を閉成状態にする。したがって、冷媒循環経路Lは、圧縮機51、ガスクーラ52、内部熱交換器53、電子膨張弁54および蒸発器55、並びにこれらを接続する経路により構成され、蒸発器56に冷媒が送出されることはない。
上記冷媒循環経路Lにおける冷媒は、圧縮機51で2回に分けて圧縮される。すなわち、冷媒は、第1圧縮機51aで圧縮(約5MPa程度に圧縮)され、その後、中間熱交換器57に送出される。中間熱交換器57に送出された冷媒は、中間熱交換器57で放熱して冷却される。中間熱交換器57で冷却された冷媒は、第2圧縮機51bに送出され、第2圧縮機51bで圧縮(約10MPa程度に圧縮)されて高温高圧の状態になる。
高温高圧の状態の冷媒は、ガスクーラ52に送出され、ガスクーラ52で放熱して冷却される。ガスクーラ52で冷却された冷媒は、内部熱交換器53を通じて電子膨張弁54に送出され、電子膨張弁54で減圧されて断熱膨張して低温低圧の状態になる。
低温低圧の状態の冷媒は、開成状態にある電磁弁58を介して蒸発器55に送出される。蒸発器55に送出された冷媒は、蒸発器55の配設部位である製氷機22のパイプ(図示せず)から熱を与えられて蒸発する。換言すると、製氷機22のパイプ(図示せず)は、冷媒が蒸発することにより熱を奪われて冷却される。この結果、製氷機22のパイプ(図示せず)の内部に氷が発生し、モータ(図示せず)により駆動したオーガ(図示せず)が氷を切削することによりチップ状の氷が製造されることになる。
蒸発器55で蒸発した冷媒は、内部熱交換器53に送出されて内部熱交換器53で熱交換を行った後、圧縮機51(第1圧縮機51a)に送出され、圧縮機51で圧縮されて上記移動を繰り返して循環することになる。
また、冷却水槽23を冷却する場合、蒸発器56の経路にある電磁弁59を開成状態にする一方、蒸発器55の経路にある電磁弁58を閉成状態にする。したがって、冷媒循環経路Lは、圧縮機51、ガスクーラ52、内部熱交換器53、電子膨張弁54および蒸発器56、並びにこれらを接続する経路により構成され、蒸発器55に冷媒が送出されることはない。
このような場合において、上記冷媒循環経路Lにおける冷媒は、上述と同様に圧縮機51で2回に分けて圧縮されて高温高圧の状態になった後、ガスクーラ52で放熱して冷却される。そして、ガスクーラ52で冷却された冷媒は、内部熱交換器53を通じて電子膨張弁54に送出され、電子膨張弁54で減圧されて断熱膨張して低温低圧の状態になる。低温低圧の状態の冷媒は、開成状態にある電磁弁59を介して蒸発器56に送出される。蒸発器56に送出された冷媒は、蒸発器56の配設部位である冷却水槽23の冷却用水23aから熱を与えられて蒸発する。換言すると、冷却用水23aは、冷媒が蒸発することにより熱を奪われて冷却される。この結果、冷却用水23aに浸漬した水冷却コイル24、カーボネータ25、シロップコンテナ26に接続されたシロップ供給配管26aなどが冷却されることになる。そして、蒸発器56で蒸発した冷媒は、内部熱交換器53に送出されて内部熱交換器53で熱交換を行った後、第1圧縮機51aに送出されて上記移動を繰り返して循環することになる。
また、製氷機22および冷却水槽23を冷却する場合、蒸発器56の経路にある電磁弁59を開成状態にするとともに、蒸発器55の経路にある電磁弁58を開成状態にする。したがって、冷媒循環経路Lは、圧縮機51、ガスクーラ52、内部熱交換器53、電子膨張弁54、蒸発器55および蒸発器56、並びにこれらを接続する経路により構成される。
このような場合において、上記冷媒循環経路Lにおける冷媒は、上述と同様に圧縮機51で2回に分けて圧縮されて高温高圧の状態になった後、ガスクーラ52で放熱して冷却される。そして、ガスクーラ52で冷却された冷媒は、内部熱交換器53を通じて電子膨張弁54に送出され、電子膨張弁54で減圧されて断熱膨張して低温低圧の状態になる。低温低圧の状態の冷媒は、開成状態にある電磁弁58を介して蒸発器55に送出されるとともに、開成状態にある電磁弁59を介して蒸発器56に送出される。蒸発器55,56に送出された冷媒は、蒸発器55の配設部位である製氷機22のパイプ(図示せず)、および蒸発器56の配設部位である冷却水槽23の冷却用水23aから熱を与えられて蒸発する。この結果、製氷機22のパイプ(図示せず)の内部に氷が発生し、モータ(図示せず)により駆動したオーガ(図示せず)が氷を切削することによりチップ状の氷が製造される。さらに、冷却用水23aに浸漬した水冷却コイル24、カーボネータ25、シロップコンテナ26に接続されたシロップ供給配管26aなどが冷却されることになる。そして、蒸発器55,56で蒸発した冷媒は、内部熱交換器53に送出されて内部熱交換器53で熱交換を行った後、第1圧縮機51aに送出されて上記移動を繰り返して循環することになる。
次に、本発明のカップ式飲料自動販売機の制御系について説明する。図3は本発明に係るカップ式飲料自動販売機のブロック図である。
図3に示すようにカップ式飲料自動販売機の制御系において、自販機制御部61には、貨幣識別装置としてのビルバリデータ611およびコインメカニズム612、返却レバー613、表示パネル614、商品選択ボタン615、照明616、扉開放検知部(扉開放検知手段)617、キーボード618、ヒータ311、製氷機22、使用電流検知部(使用電流検知手段)619、飲料供給制御部62、冷却制御部63などが接続してある。これらは、自販機制御部61により直接制御される。
ビルバリデータ611は、投入された紙幣の正為および金額を識別するためのものである。このビルバリデータ611には、紙幣が投入されたことを検知する紙幣投入検知部(投入検知手段)611aを有している。この紙幣投入検知部611aは、ビルバリデータ611に紙幣が投入された場合に、当該ビルバリデータ611が動作した動作信号を検知信号として自販機制御部61に出力する。コインメカニズム612は、投入された硬貨の正為および金額を識別するためのものである。このコインメカニズム612には、硬貨が投入されたことを検知する硬貨投入検知部(投入検知手段)612aを有している。この硬貨投入検知部612aは、コインメカニズム612に硬貨が投入された場合に、当該コインメカニズム612が動作した動作信号を検知信号として自販機制御部61に出力する。また、返却レバー613は、ビルバリデータ611やコインメカニズム612に投入された貨幣を返却するためのものである。
表示パネル614は、ビルバリデータ611やコインメカニズム612に投入された貨幣の金額、および釣銭の有無などを表示するためのものである。
商品選択ボタン615は、各飲料や、砂糖、ミルク、トッピング原料などの有無などを選択するためのものである。すなわち、カップ式飲料自動販売機においては、商品選択ボタン615が操作されることによって飲料供給装置1のコールド飲料供給部2、あるいはホット飲料供給部3から所望の飲料がベンドステージSに載置されたカップCに投入されることで各飲料を提供する。
照明616は、上述した飲料供給装置1や冷却ユニット50を配置する自動販売機本体(図示せず)の前面開口を開閉する扉(図示せず)に設置してあり、当該扉に設けて飲料の種類を示す見本などを照らすためのものである。
扉開放検知部617は、前記扉(図示せず)の開放状態を検知するためのものであり、例えば、自動販売機本体側もしくは扉側に設けたスイッチなどからなる。なお、扉を開放する際には、主に自動販売機本体の内部に設けた飲料供給装置1や冷却ユニット50、および扉に設けたビルバリデータ611、コインメカニズム612、返却レバー613、表示パネル614、商品選択ボタン615、照明616などのメンテナンスを行う。
キーボード618は、図には明示しないが操作キーと表示部とを有し、例えば各種設定や各種テスト、売上げ集計、あるいは故障時の点検などを行うためのものである。
使用電流検知部619は、自販機制御部61に接続した各機器における使用電流を検知するためのものである。
自販機制御部61は、ビルバリデータ611に紙幣が投入され、もしくはコインメカニズム612に硬貨が投入された場合に、合計金額を表示パネル614に表示し、当該合計金額が販売する飲料の販売金額以上であれば、該当する飲料の商品選択ボタン615を有効化する。そして、自販機制御部61は、商品選択ボタン615の操作に応じた操作信号を入力し、飲料供給制御部62に販売指令を出力する。さらに、自販機制御部61は、商品選択ボタン615の操作に応じた操作信号を入力した場合に、選択された飲料の販売金額を差し引いた金額を釣銭として返却するようにコインメカニズム612に返金信号を出力する。また、自販機制御部61は、使用電流検知部619からの検知信号により自動販売機の総使用電流を得て、当該総使用電流に応じて冷却制御部63に動作信号を出力する。また、自販機制御部61は、ビルバリデータ611への紙幣の投入に基づいた紙幣投入検知部611aからの検知信号、もしくはコインメカニズム612への硬貨の投入に基づいた硬貨投入検知部612aからの検知信号を入力し、冷却制御部63に動作信号を出力する。さらにまた、自販機制御部61は、扉の開放状態を検知した扉開放検知部617からの検知信号を入力し、冷却制御部63に動作信号を出力する。
飲料供給制御部62は、飲料供給装置1に係るカップ供給機構621、氷排出口221、冷却水バルブ24a、炭酸水バルブ25b、シロップバルブ26b、添加湯バルブ31c、原料キャニスタ321、ミキシングボール322、コーヒー豆キャニスタ331a、ミル331b、コーヒー飲料抽出器331c、原料キャニスタ332、ミキシングボール333が接続してある。これらは、飲料供給制御部62を介して自販機制御部61により間接的に制御される。
カップ供給機構621は、飲料を投入するカップCを複数積層した状態で収容し、当該カップCを1つ切り出してベンドステージSに供給するためのものである。なお、カップ式飲料自動販売機によっては、カップ供給機構621から受け渡されたカップCをベンドステージSに搬送するカップ搬送装置(図示せず)を有するものもある。カップ搬送装置は、調理した飲料をカップCで受け取りながら当該カップCをベンドステージSに搬送する。
飲料供給制御部62は、自販機制御部61から入力した販売指令に基づいて、カップ供給機構621を作動してカップCをベンドステージSに供給する。次いで、飲料供給制御部62は、氷排出口221、冷却水バルブ24a、炭酸水バルブ25b、シロップバルブ26b、添加湯バルブ31c、原料キャニスタ321、ミキシングボール322、コーヒー豆キャニスタ331a、ミル331b、コーヒー飲料抽出器331c、原料キャニスタ332、ミキシングボール333のうち必要な機器を作動して選択された飲料を調理してカップCに投入する。
冷却制御部63には、冷却ユニット50に係るインバータ631、電磁弁58、電磁弁59が接続してある。これらは、冷却制御部63を介して自販機制御部61により間接的に制御される。
インバータ631は、圧縮機51に接続してあり、当該圧縮機51を所定の周波数で運転制御するためのものである。
冷却制御部63は、自販機制御部61からの動作信号を入力して、当該動作信号に基づいてインバータ631に制御信号を出力し、圧縮機51を所定の周波数で運転制御する。また、冷却制御部63は、自販機制御部61からの動作信号を入力して、当該動作信号に基づいて電磁弁58,59に制御信号を出力する。
なお、製氷機22には、氷量センサ(図示せず)が取り付けられている。この氷量センサは、自販機制御部61に接続してあり、当該氷量センサの氷量信号を入力した自販機制御部61は、必要に応じて動作信号を冷却制御部63に出力する。冷却制御部63では動作信号に基づいてインバータ631および電磁弁58に制御信号を出力する。例えば、製氷機22のストッカに貯留した氷量が減少した場合には、自販機制御部61に入力された氷量信号に応じて動作信号が冷却制御部63に出力され、この動作信号に基づいて冷却制御部63からインバータ631および電磁弁58に制御信号を出力することによって製氷が行われる。また、冷却水槽23には、温度センサ(図示せず)が取り付けられている。この温度センサは、自販機制御部61に接続してあり、当該温度センサの温度信号を入力した自販機制御部61は、必要に応じて動作信号を冷却制御部63に出力する。冷却制御部63では動作信号に基づいてインバータ631および電磁弁59に制御信号を出力する。例えば、冷却水槽23における冷却用水23aの水温が設置温度よりも上昇した場合には、自販機制御部61に入力された温度信号に応じて動作信号が冷却制御部63に出力され、この動作信号に基づいて冷却制御部63からインバータ631および電磁弁59に制御信号を出力することによって冷却水槽23が冷却される。
また、冷却制御部63には、自販機制御部61から自動販売機の周囲温度や製氷機22の負荷状態(製氷時)の信号も入力される。自販機制御部61では、これらの情報によって最適な制御パラメータをあらかじめ設定してある制御テーブルから選択し、動作信号をインバータ631へ出力する。圧縮機51は、インバータ631から出力された制御信号によって運転を開始し、冷却用水23aの水温が所定温度になるまで冷却する。
図4は自動販売機全体の使用電流に応じた冷却ユニットの動作パターンを示す図である。図4に例示するように自販機制御部61では、ビルバリデータ611、コインメカニズム612、返却レバー613、表示パネル614、商品選択ボタン615、照明616、キーボード618、ヒータ311、製氷機22、カップ供給機構621、氷排出口221、冷却水バルブ24a、炭酸水バルブ25b、シロップバルブ26b、添加湯バルブ31c、原料キャニスタ321、ミキシングボール322、コーヒー豆キャニスタ331a、ミル331b、コーヒー飲料抽出器331c、原料キャニスタ332、ミキシングボール333などの機器(図4では機器A,B,C,D,Eで示す)を動作させたときに想定される使用電流に応じて冷却ユニット50の複数の動作パターンがあらかじめ設定してある。
図4において左側に示す動作パターン0は、インバータ631の周波数を最高にした最大能力運転時における冷却ユニット50の使用電流(Imax)を示している。そして、自販機制御部61では、動作パターン1〜4で示すように動作させている機器A〜Dに応じた動作信号を冷却制御部63に出力する。冷却制御部63では、各動作信号に基づいてインバータ631に出力する制御信号(すなわち周波数)を変えて圧縮機51に出力して冷却ユニット50を動作させる。
ここでは、動作パターン1において、機器A,Dを動作させた場合には、冷却ユニット50を最大能力で運転すると自動販売機全体の総使用電流が供給電源容量を超えてしまう。このため、インバータ631の周波数を下げて冷却ユニット50の使用電流をI1に低下させて継続運転することで、自動販売機全体の総使用電流を供給電源容量以内にする。同様に、動作パターン2において、機器B,C,Eを動作させた場合にも、インバータ631の周波数を下げて冷却ユニット50の使用電流をI2に低下させて継続運転することで、自動販売機全体の総使用電流を供給電源容量以内にする。さらに同様に、動作パターン3において、機器A,Cを動作させた場合にも、インバータ631の周波数を下げて冷却ユニット50の使用電流をI3に低下させて継続運転することで、自動販売機全体の総使用電流を供給電源容量以内にする。一方、動作パターン4において、機器Bのみを動作させた場合には、冷却ユニット50を最大能力で運転しても自動販売機全体の総使用電流が供給電源容量を超えないため、インバータ631の周波数を最高にして冷却ユニット50の使用電流をImaxにして継続運転することが可能であり、自動販売機全体の総使用電流を供給電源容量以内にする。
このように、冷却ユニット50を最大能力で運転すると自動販売機全体の総使用電流が供給電源容量を超えてしまう場合に、インバータ631の周波数を下げて冷却ユニット50での使用電流を低下させて継続運転することで、圧縮機51を停止させることなく冷却ユニット50を継続運転させる。従前では、上記動作パターン1〜3になる場合に冷却ユニット50を停止しなければならないため、5分間は保護回路が働いて直ぐに運転を再開できない。しかし、上記制御によって圧縮機51を停止させることなく冷却ユニット50を継続運転させることで、製氷や希釈水の冷却ができるため、販売不能になる事態を防ぐことが可能になる。
なお、上記制御を行った場合、冷却ユニット50を最大能力で運転しない場合があるため、製氷量については、図5に示すように電流値低下に応じてほぼ比例して減少することになる。しかしながら、冷却ユニット50の運転を停止することなく継続しているので氷は蓄積され、ある程度販売頻度が高くなった場合などでも支障なく販売を継続することができる。
ところで、自動販売機の飲料調理開始のトリガ信号となるのは商品選択ボタン615の押下であり、これを受けた自販機制御部61は、飲料供給制御部62に対して押下された商品選択ボタン615に応じた動作信号を出力する。例えば、レギュラーコーヒーの商品選択ボタン615が押下された場合、飲料供給制御部62がミル331bに制御信号を出力することによってミル331bは動作を開始する。このとき、冷却ユニット50の使用可能電流は最大能力をとれないが、上述の理由により冷却ユニット50を停止させることはできない。このためインバータ631の周波数を下げて電流を低下させればよい。
しかし、インバータ631の周波数を変化させるには数秒程度の時間が必要となるため、他の機器(例えばミル331b)と同時に制御を開始したのでは、商品選択ボタン615の押下直後に供給電源容量を超過するおそれがある。そこで、本発明ではインバータ631の周波数を下げるトリガ信号として、貨幣投入時を販売開始時と判断し、飲料調理時の機器の動作に先立ちインバータ631の周波数を下げる。
すなわち、紙幣が投入されたビルバリデータ611の動作に基づいた紙幣投入検知部611aからの検知信号、もしくは硬貨が投入されたコインメカニズム612の動作に基づいた硬貨投入検知部612aからの検知信号を、自販機制御部61が販売開始トリガとして入力する。自販機制御部61は、紙幣投入検知部611aもしくは硬貨投入検知部612aからの検知信号の入力に応じて冷却制御部63に動作信号を出力する。そして、冷却制御部63は、飲料調理時に動作する機器を想定した動作モードに対応した制御信号(周波数)をインバータ631へ出力する。
また、カップ式飲料自動販売機では、シロップやコーヒー豆などの原料の補給、内部清掃などのメンテナンスを要する装置である。メンテナンス時にはマニュアル運転モードとなり、サービス員が手動で各機器を動作させる。したがって、どのタイミングで機器を動作させるかは予知できず、想定された動作モード以外の動作をさせる可能性もある。このため、自動販売機の総使用電流が供給電源容量を超過するおそれがある。そこで本発明では、自動販売機本体の前面開口を開閉する扉を開放した時点でメンテナンス開始と判断し、その時点でインバータ631の周波数を下げる。
すなわち、扉が開放されたとき、当該扉の開放状態を検知した扉開放検知部617からの検知信号を自販機制御部61がメンテナンス開始トリガとして入力する。自販機制御部61は、扉開放検知部617からの検知信号の入力に応じて冷却制御部63に動作信号を出力する。そして、冷却制御部63は、扉の開放時に対応した制御信号(周波数)をインバータ631へ出力する。なお、メンテナンス時には、タイミングで機器を動作させるかは予知できず、想定された動作モード以外の動作をさせる可能性もあるため、冷却制御部63は、扉の開放時に対応して圧縮機51を停止する旨の制御信号をインバータ631へ出力して、冷却ユニット50を停止させてもよい。
以上説明したように、上述したカップ式飲料自動販売機では、自動販売機全体の総使用電流が自動販売機への供給電源容量を超える場合に、自動販売機全体の総使用電流が供給電源容量以内となるようにインバータ631の周波数を低下させて冷却ユニット50の運転を継続する。この結果、自動販売機の使用電流が供給電源容量を超過する事態を防ぐ事態を防ぎ、かつ、圧縮機51の運転を停止することなく製氷や希釈水の冷却が継続して行えるので、販売頻度が高くなっても販売不能になる事態を防ぐことが可能になる。
また、貨幣識別装置(ビルバリデータ611およびコインメカニズム612)への貨幣の投入を検知する投入検知手段611a,612aをさらに備え、当該投入検知手段611a,612aからの検知信号を入力した場合に、インバータ631の周波数を低下させて冷却ユニット50の運転を継続する。ここで、販売時においては、商品選択ボタン615の押下とともに、飲料の調理が始まってミル331bの回転、給湯などの動作が開始されて自動販売機の使用電流が増加する。そこで商品選択ボタン615の押下をトリガとしてインバータ631の周波数を下げて電流を低下させることが考えられるが、インバータ631の周波数を変化させるのに数秒程度の時間が必要となる。このため、商品選択ボタン615の押下直後に供給電源容量を超過して、利用者に操作感覚上、ボタン反応の遅れや待ち時間の長さを感じさせることになる。しかし、貨幣投入時を販売開始時と判断して、飲料を調理する機器の動作に先立ちインバータ631の周波数を下げることで、自動販売機の使用電流が供給電源容量を超過する事態を防ぎ、かつ、利用者に商品選択ボタン615の押下後の動作遅れや待ち時間の長さを感じさせる事態を防ぐことが可能になる。
また、自動販売機本体の前面を開閉する扉の開放を検知する扉開放検知手段617をさらに備え、当該扉開放検知手段617からの検知信号を入力した場合に、インバータ631の周波数を低下させて冷却ユニット50の運転を継続する。この結果、メンテナンス時の不確定な操作に対しても、自動販売機の使用電流が供給電源容量を超過する事態を防ぐことが可能になる。
ところで、上述したカップ式飲料自動販売機では、自動販売機全体の総使用電流が自動販売機への供給電源容量を超える場合に、自動販売機全体の総使用電流が供給電源容量以内となるようにインバータ631の周波数を低下させて冷却ユニット50の運転を継続している。しかし、インバータ631の周波数を低下させた状態では、製氷能力または希釈水の冷却能力が低下する。そこで、インバータ631の周波数を低下させた状態において、冷却ユニット50以外の機器の動作を停止した場合には、自動販売機全体の総使用電流が自動販売機への供給電源容量を下回るので、冷却制御部63では、自動販売機全体の総使用電流が供給電源容量以内となるようにインバータ631の周波数を上昇させて冷却ユニット50の運転を継続する。具体的には、例えば、図4に示す動作パターン2において、機器C,Eの動作の停止タイミングをトリガとし、動作パターン4に移行してインバータ631の周波数を上昇させて冷却ユニット50の使用電流をImaxにして継続運転する。この結果、製氷能力または希釈水の冷却能力を可能な限り向上することが可能になる。また、機器の動作の停止タイミングをトリガとしなくても、使用電流検知部619によって自販機制御部61に接続した各機器における使用電流を検知し、自動販売機全体の総使用電流と自動販売機への供給電源容量とを比較して自動販売機全体の総使用電流が供給電源容量以内となるようにインバータ631の周波数を上昇または低下させるよう制御して冷却ユニット50の運転を継続することで、自動販売機の使用電流が供給電源容量を超過する事態を防ぎつつ、冷却ユニット50の冷却能力を可能な限り向上させることが可能になる。
なお、上述した実施の形態では、冷却ユニット50の冷媒循環経路Lは、冷媒としては、二酸化炭素を用いている。二酸化炭素を冷媒として用いると、オゾン破壊係数がゼロ、地球温暖化係数フッ素や塩素を含む炭化水素系冷媒に対し1000分の1以下であって、環境負荷が小さい。また、毒性、可燃性がなく安全である。しかし、二酸化炭素を冷媒として用いると、臨界温度(31℃)以上の周囲温度において効率が落ちるため、夏季などは冷却能力確保のために使用電流が増加し、自動販売機全体の使用電流が供給電源容量を超過する事態が頻発するおそれがある。そこで、上述したように自動販売機全体の総使用電流が供給電源容量以内となるようにインバータ631の周波数を制御する。すなわち、上述したカップ式飲料自動販売機は、冷却ユニット50の冷媒として二酸化炭素を用いた場合により効果を得るものである。