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JP4844252B2 - 熱式質量流量計 - Google Patents
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JP4844252B2 - 熱式質量流量計 - Google Patents

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本発明は、配管内を流れる流体の質量流量を、流体の流れ方向における温度分布に基づいて測定する熱式質量流量計に関するものである。
図3を参照しながら従来の熱式質量流量計を説明する。図3は従来の熱式質量流量計の一例を示す図であり、(A)は断面図、(B)は配管表面の温度分布を示すグラフである。(B)において、縦軸は温度であり、横軸は配管の流れ方向における位置である。なお、破線で示された曲線は配管内を流体が流れていない状態での温度分布を示し、実線で示された曲線は配管内を流体が流れている状態での温度分布を示している。
図3(A)に示されるように、配管30の周面の表面上に発熱素子32が接触され、さらに配管30の流れ方向における発熱素子32の上流側と下流側の等距離の位置に配管の表面温度を測定する1対の温度センサ34(34a,34b)が配置されている。この例では、例えばMEMS(Micro Electro Mechanical System)技術によって1つの基板に発熱素子32と温度センサ対34を作りこんだ流量測定用チップ36を用い、その流量測定用チップ36を配管30に取り付けて、配管30内を流れる流量の測定を行なっている(例えば、特許文献1参照。)。
上記の熱式質量流量計は、発熱素子32によって配管内の流体を所定温度まで加熱し、発熱素子32から一定距離だけ離れた温度センサ対34にてそれぞれ配管30の表面温度を測定する。発熱素子30によって暖められた流体の温度分布がガウス分布に従うことを前提とすると、流体が静止しているときは図3(B)の破線で示されるように、2つの温度センサ34aと34bで検出される温度は等しく、両者の測定温度差は0となる。図3(B)の実線で示されるように、配管30内を流体が流れると温度分布が下流側に移動し、温度センサ34aと34bで検出される温度に差が生じる。配管30表面の温度分布は配管30内を流れる流体の流量が増大するほど下流側に移動することから、配管30表面の温度分布の頂点が温度センサ34aと34bの間にあるときは、温度センサ対34の測定温度差は配管30内を流れる流体の流量が増大するほど大きい値となる。したがって、配管30内を流れる流体の流量と温度センサ対34の測定温度差には相関関係が成立しており、この相関関係から温度センサ対34の測定温度差を利用して配管30内を流れる流体の流量を算出することができる。
このような発熱素子32と対をなす温度センサ34aと34bが作りこまれた流量測定用チップ36を用いた熱式質量流量計では、MEMS技術によって対をなす温度センサ対34を発熱素子に近接して配置することができるので、温度分布の移動量が小さい場合でも、温度センサ温度分布を示す曲線(図3(B)を参照)の傾斜が急な位置で温度センサ34aと34bが温度を測定することができ、流量が微量である場合でも測定温度差として大きな値を得ることができ、流量測定を高感度で行なうことができる。
米国特許第6813944号
しかし、MEMS技術を用いて1枚の基板に発熱素子32と温度センサ対34を作りこむことは、製造設備などの問題から安価に実現することはできない。また、図3に示されているように、従来の熱式質量流量計では温度センサでの温度検出を行なう面積が小さいため、十分な分解能が得られないという問題があった。
そこで本発明は、配管を流れる流体の流量を従来のものよりも高感度で測定できる熱式質量流量計を提供することを目的としている。
本発明にかかる熱式質量流量計は、内部を流体が流れる配管の周面上の一方面側と他方面側に配管を挟むようにして固着され、配管内の流体を加熱するチップタイプの一方面側発熱素子及び他方面側発熱素子と、一方面側発熱素子及び他方面側発熱素子とは別体として構成され、一方面側で流体の流れ方向に沿って発熱素子の上流側と下流側の等距離の位置に固着されたチップタイプの一方面側温度センサ対及び他方面側の一方面側温度センサ対に対応する位置に固着された他方面側温度センサ対と、一方面側温度センサ対による検出温度及び他方面側温度センサ対による検出温度から配管中を流れる流体の流量を求める演算部と、を備えたものである。
本発明の熱式質量流量計において、一方面側温度センサ対を構成する一方面側温度センサと他方面側温度センサ対を構成する他方面側温度センサは、両面側で対応するものどうしが電気的に並列に接続されている
熱式質量流量計では、発熱素子により熱量を発生させて配管を加熱し、その温度分布の頂点位置の移動によって配管内部を流れる流体の流量を測定するので、配管温度や温度センサが発熱素子により発生された熱量以外のものによって影響を受けると正確な流量測定ができなくなる。そのため、発熱素子、温度センサ、配管のそれらが取り付けられている部分は外部の環境から隔離されていることが好ましい。
そこで、本発明の熱式質量流量計の好ましい実施形態の一例は、他方面側発熱素子のリード端子及び他方面側温度センサのリード端子を配管の他方面側から支持し、かつ他方面側発熱素子及び他方面側温度センサ対を含む領域を覆う他方面側基板と、一方面側発熱素子及び一方面側温度センサ対を含む領域を配管の一方面側から覆う一方面側断熱材と、をさらに備えているものである。
上記の場合、一方面側断熱材及び他方面側基板の断熱効果はそれらの熱伝導率や厚みによって決定される。もし、一方面側断熱材又は他方面側基板の断熱効果が低いと、その内側の温度が外側の温度変化の影響を受けることになり、正確な流量測定は困難になる。一方面側断熱材又は他方面側基板の厚みを厚くすることで断熱効果を高められるが、大量の断熱性接着剤やシリコーンなどの材料が必要になるためコスト面で不利である。また、大量の断熱性接着材を使用した場合には、断熱性接着剤を乾燥させるのに時間がかかるため作業性が低下するという問題もある。
そこで、他方面側基板と他方面側発熱素子の本体部分及び他方面側温度センサの本体部分との間、及び一方面側断熱材と一方面側発熱素子の本体部分及び一方面側温度センサの本体部分との間に空気層が存在するようにしてもよい。粘性のある断熱性接着剤、シリコーンなど断熱材として使用されている物質は、温度300K、気圧0.1MPaの条件下で0.数W/mK程度の熱伝導率をもっている。それに対し、静止空気の熱伝導率は同条件下で0.026W/mK(機械工学便覧「熱工学」より。)と上記の断熱材よりも一桁小さい熱伝導率をもっており、空気層は断熱材よりも断熱性に優れている。
他方面側基板は配線パターンが形成された配線基板であり、他方面側発熱素子及び他方面側温度センサ対を含む領域は配線基板に設けられた凹部であり、他方面側発熱素子のリード端子及び他方面側温度センサのリード端子は配線パターンの一部に固定され、電気的にも接続されていることが好ましい。
さらに、一方面側温度センサのリード端子は、対応する他方面側温度センサのリード端子と一緒に配線パターンの一部に固定され、電気的に接続されていてもよい。
一方面側発熱素子と他方面側発熱素子は熱伝導性接着剤により配管に固着されていることが好ましい。
本発明の熱式質量流量計の好ましい用途の1つは、熱式質量流量計を取り付ける配管が高速液体クロマトグラフで移動相が流れる配管である。
本発明の熱式質量流量計は、発熱素子と温度センサ対が1つの基板に一体として作りこまれた流量測定用チップを用いるのではなく、それぞれ独立して製作された発熱素子と温度センサ対を用いて配管の一方面側と他方面側に配管を挟むように配置しているので、設備投資が高額なMEMS技術を利用することなく、配管内を流れる流体の流量を高感度で安価に測定できる。
さらに、一方面側温度センサ対を構成する一方面側温度センサと他方面側温度センサ対を構成する他方面側温度センサは、両面側で対応するものどうしが電気的に並列に接続されていれば、SN比が向上し、さらに測定感度が高まる。
他方面側発熱素子のリード端子及び他方面側温度センサのリード端子を配管の他方面側から支持し、かつ他方面側発熱素子及び他方面側温度センサ対を含む領域を覆う他方面側基板と、一方面側発熱素子及び一方面側温度センサ対を含む領域を配管の一方面側から覆う一方面側断熱材と、をさらに備えていれば、他方面側発熱素子、一方面側発熱素子、他方面側温度センサ対、一方面側温度センサ対を含む測定部分を外部から隔離することができるので、測定部分の温度が外気の温度変化など外乱の影響を受けにくくなり、流量測定の精度が向上する。
他方面側基板と他方面側発熱素子の本体部分及び他方面側温度センサの本体部分との間、及び一方面側断熱材と一方面側発熱素子の本体部分及び一方面側温度センサの本体部分との間に空気層が存在するようにすれば、空気層の高い断熱性を利用して測定部分の断熱効果をさらに高めることができる。
他方面側基板は配線パターンが形成された配線基板であり、他方面側発熱素子及び他方面側温度センサ対を含む領域は配線基板に設けられた凹部であり、他方面側発熱素子のリード端子及び他方面側温度センサのリード端子は配線パターンの一部に固定され、電気的にも接続されていれば、この熱式質量流量計の回路構成を簡略化できる。
さらに、一方面側温度センサのリード端子が対応する他方面側温度センサのリード端子と一緒に配線パターンの一部に固定されていれば、一方面側温度センサとその一方面側温度センサに対応する他方面側温度センサとを回路構成を複雑にすることなく並列接続することができる。
図1は高速液体クロマトグラフの配管内を流れる移動相の流量を測定する熱式質量流量計の一実施例を示す図であり、(A)は断面図、(B)は配管の温度分布を示すグラフである。(B)において、縦軸は温度を示しており、横軸は配管2の流れ方向における位置を示している。破線で示された曲線は配管内を移動相が流れていない状態でのヒータによって生じる配管表面の温度分布を示しており、実線で示された曲線は配管内を移動相が流れている状態でのヒータによって生じる配管表面の温度分布を示している。
なお、以下の実施例では、配管2が水平面内に配置されており、配管2の一方面側を上側、他方面側を下側とする。また、この実施例では水平面内に配管2が配置されているが、配管2が垂直方向又は傾斜をもって配置された場合でも一方面側を上側、他方面側を下側とする。
図1(A)において、2は高速液体クロマトグラフの配管である。移動相は配管2内を図において矢印で示されているように左側から右側に流れる。配管2の周面には、配管2を挟むようにして配管2の上側に発熱素子であるヒータチップ4aが配置されており、配管2の下側でヒータチップ4aの反対側にあたる位置にヒータチップ4bが配置されている。
配管2の上側でヒータチップ4aの上流側に温度センサチップ6aが配置されており、配管2の上側でヒータチップ4aの下流側に温度センサチップ8aが配置されている。温度センサチップ6aと8aはヒータチップ4aから等距離の位置に配置されており、上側温度センサチップ対を構成している。
配管2の下側で温度センサチップ6aの反対側にあたる位置に温度センサチップ6bが配置されており、配管2の下側で温度センサチップ8aの反対側にあたる位置に温度センサチップ8bが配置されている。温度センサチップ6bと8bは下側温度センサチップ対を構成している。
ヒータチップ4a,4b、温度センサチップ6a,6b,8a,8bは、例えば熱伝導性シリコーンシーラントKE3467(信越化学工業株式会社の製品)などの熱伝導性接着剤10により配管2に固着されている。
ヒータチップ4a,4bとして、例えばチップダイオードISS387(株式会社東芝の製品)やチップ抵抗RK73H1JT(コーア株式会社の製品)を用いることができる。また、温度センサチップ6a,6b,8a,8bは熱電対やダイオードがチップ型に形成されたものである。
ここで、ヒータチップ4aと4bの隙間、温度センサチップ6aと8aの隙間、及び温度センサチップ6bと8bの隙間は、例えば熱伝導性シリコーンシーラントKE3467(信越化学工業株式会社の製品)などの熱伝導性接着剤10によって埋められていてもよい。そうすれば、ヒータチップ4a,4bと配管との熱伝達、温度センサチップ6a,6b,8a,8bと配管との熱伝達が向上する。
図1(B)において、配管2内を移動相が流れていない状態では、温度分布を示す曲線が破線で示されているように、ヒータチップ4a,4bの位置を温度分布の頂点として、その位置を中心に左右対称に温度が分布する。したがって、この状態では温度センサチップ6a,6bの位置の温度と温度センサチップ8a,8bの位置の温度は等しく、その差は0である。
それに対し、配管2内を移動相が流れると、温度分布を示す曲線が実線で示されているように下流側(図において右側)に移動し、温度センサチップ6a,6bの位置の温度と温度センサチップ8a,8bの位置の温度に差が生じる。
温度センサチップ6a,6bの位置と温度センサチップ8a,8bの位置との間に温度分布の頂点があることを前提とすると、温度分布の頂点は配管2内を流れる移動相の流量の増大により下流側に移動することから、温度センサチップ6a,6bの検出温度と温度センサチップ8a,8bの検出温度の差は移動相の流量の増加とともに増加し、両者には相関関係が成立する。この相関関係を予め測定して検量線データとして用意しておくことで、温度センサチップ6a,6bで検出される温度と温度センサチップ8a,8bで検出される温度との差を検出すれば、検量線データに基づいて配管2内を流れる移動相の流量を算出できる。
ここで、温度センサチップ6aと6b、温度センサチップ8aと8bは電気的に並列に接続されていることが好ましい。これは、以下の理由に基づいている。
温度センサチップ6a,6b,8a,8bでの温度検出の分解能を表わす指標として信号電圧と雑音電圧E(V)との比をとったSN比(SNR)を用いる。雑音電圧E(V)は次式(1)で表わすことができる。
Figure 0004844252
上記式(1)において、kはボルツマン定数、Tは絶対温度(K)、Rは抵抗値(Ω)、Δfは雑音の周波数帯域(Hz)である。
1つの温度センサチップで温度検出を行なう場合、温度センサチップを駆動する電圧を定電圧V0とすると、抵抗値RはR=V0/Iで表わされ、温度センサチップから流れる電流Iによって決定される。このとき、温度センサチップから流れる電流を電圧に変換するための固定抵抗をr(Ω)、固定抵抗rの雑音電圧をEr(V)とすれば、異なる2種類の雑音電圧は2乗平均で求められるので、SNRは次式(2)で表わすことができる。
Figure 0004844252
一方、2つの定電圧駆動された温度センサチップを並列に接続して温度検出を行なう場合には、これらの温度センサチップから流れる合計電流は2Iになる。したがって、これら2つの温度センサチップの合計抵抗値R’は、
Figure 0004844252
となる。
したがって、温度センサチップを並列に接続した場合の雑音電圧E’は、式(1)より、
Figure 0004844252
となる。
この場合のSN比をSNR’とすると、SNR’は次式(3)で表わすことができる。
Figure 0004844252
式(2)と式(3)によりSNR/SNR’は次式(4)で表わされる。
Figure 0004844252
上記式(4)から、
Figure 0004844252
Figure 0004844252
すなわち、
Figure 0004844252
符号*は掛け算の×を表わす。
また、
Figure 0004844252
Figure 0004844252
すなわち、
Figure 0004844252
よって、温度センサチップを並列接続して温度検出を行なう場合のSN比(SNR’)は、抵抗値R,r、温度Tの大きさに関わらず、常に、1つの温度センサチップで温度検出を行なう場合のSN比(SNR)の2倍以上であることがわかる。すなわち、2つの温度センサチップを同じ測定位置に配置し、それらの温度センサチップを並列に接続して温度検出を行なうことでSN比を2倍以上に向上させることができ、高感度な測定を行なうことができる。
したがって、温度センサチップ6aと6b、8aと8bを電気的に並列に接続して用いることで、それぞれの温度センサチップ6a,6b,8a,8bを単体で用いるよりも分解能を向上させることができる。
また、この実施例では、温度センサチップ6aと6b、8aと8bは図示されていない演算部に接続されている。演算部は、温度センサチップ6a,6b,8a,8bの検出温度を読み取り、ヒータチップ4a,4bの上流側と下流側の温度差から、予め求めて保存している検量線に基づいて配管2内を流れる移動相の流量を算出するようになっている。ここでいう演算部は、CPUやパーソナルコンピュータにより実現することができる。
温度センサチップ6aと6b、8aと8bが並列に接続されている場合には、温度センサチップ6aと6b、8aと8bでそれぞれ1つずつの温度情報が得られ、これら4つの温度センサチップ6a,6b,8a,8bで1対の温度センサチップ対と見なして、ヒータチップ4a,4bの上流側と下流側の温度差を求める。
その場合、演算部には予め測定された、並列接続された温度センサチップ6a,6bの組により検出される温度と温度センサチップ8a,8bの組により検出される温度の差(以下、検出温度差)と、配管2内を流れる流体の流量との相関関係が検量線として記憶されている。そして、検出温度差と検量線に基づいて配管2内を流れる流体の流量が自動的に算出されるようになっている。
なお、検出温度差と流体の流量との間の相関関係は、温度分布の頂点が温度センサチップ6a,6bの位置と温度センサチップ8a,8bの位置の間に存在している場合のみ成立するものであり、温度分布の頂点が温度センサチップ6a,6bの位置と温度センサチップ8a,8bの位置の間に存在しない場合には、この相関関係による検量線に基づいて移動相の流量を算出することはできない。これは、温度分布の頂点が温度センサチップ8a,8bが配置されている位置よりも下流側にある場合、配管2内を流れる流体の流量がさらに増大して温度分布の頂点がさらに下流側に移動しても、温度センサチップ6a,6bと温度センサチップ8a,8bの検出温度差が減少するという現象が起こり、温度センサチップ6a,6bの検出温度と温度センサチップ8a,8bの検出温度の差が移動相の流量の増加とともに増加するという関係が成り立たなくなるからである。
図2は熱式質量流量計の他の実施例を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のX−X位置における断面図、(C)は(A)のY−Y位置における断面図である。なお、この実施例では、熱式質量流量計の上方から測定部分を覆うカバー18が設けられているが(A)では図示していない。
この実施例の熱式質量流量計においても、図1の実施例と同様に、配管2の上側でヒータチップ4aの上流側に温度センサチップ6aが配置されており、配管2の上側でヒータチップ4aの下流側に温度センサチップ8aが配置されている。温度センサチップ6aと8aはヒータチップ4aから等距離の位置に配置されており、上側温度センサチップ対を構成している。さらに、配管2の下側で温度センサチップ6aの反対側にあたる位置に温度センサチップ6bが配置されており、配管2の下側で温度センサチップ8aの反対側にあたる位置に温度センサチップ8bが配置されている。温度センサチップ6bと8bは下側温度センサチップ対を構成している。
ヒータチップ4a,4b、温度センサチップ6a,6b,8a,8bは、例えば熱伝導性シリコーンシーラントKE3467(信越化学工業株式会社の製品)などの熱伝導性接着剤10により配管2に固着されている。
ヒータチップ4a,4bとして、例えばチップダイオードISS387(株式会社東芝の製品)やチップ抵抗RK73H1JT(コーア株式会社の製品)を用いることができる。また、温度センサチップ6a,6b,8a,8bは熱電対やダイオードがチップ型に形成されたものである。
ヒータチップ4a,4b、温度センサチップ6a,6b,8a,8bは、それぞれ本体部分の下面から側方に延びた2本のリード端子を備えている。
ヒータチップ4a,4b、温度センサチップ6a,6b,8a,8bが配置された測定部分は、下側断熱材としての基板12と上側断熱材としてのカバー18で覆われて外部とは隔離されている。この実施例での基板12は例えば金属膜からなる配線パターン16が形成されたプリント基板である。プリント基板12は、例えばガラスエポキシ基板やポリイミド基板などである。プリント基板12には矩形の溝14が形成されており、配線パターン16は溝14から外側に向かって引き出されている。ヒータチップ4a,4b、温度センサチップ6a,6b,8a,8bのリード端子は配線パターン16に電気的に接続されて外部に引き出されている。
カバー18はプリント基板12の上方から測定部分を覆うようにして配置されている。カバー18とヒータチップ4a、温度センサチップ6a,8aとの間には隙間が設けられて空気層20が介在している。カバー18は断熱材で構成されているか、又は例えばトーレペフ(登録商標、東レ株式会社の製品)などの断熱性接着剤やシリコーンなどが外側に塗布されている。これにより、測定部分の空気は外気から隔離されている。
配管2を含む測定部分とプリント基板12及びカバー18との位置関係を図2(C)を用いて説明する。なお、ここでは温度センサチップ6a,6bが配置されている部分について説明するが、ヒータチップ4a,4b、温度センサチップ8a,8bが配置されている部分も同様の構造となっているである。
温度センサチップ6bは本体部分の上面が下向きになった状態でプリント基板12の溝14に嵌め込まれている。溝14の寸法は、温度センサチップ6bの本体部分と溝14内側の壁面との間に隙間が存在し、温度センサチップ6bはリード端子6a−1,6a−2でのみプリント基板12に支持されるように設定されている。温度センサチップ6bはリード端子6b−1,6b−2を介して配線パターン16に支持され、リード端子6b−1,6b−2ははんだ22によって配線パターン16に固着され電気的に接続されている。
温度センサチップ6bの本体部分の下面上には、熱伝導性接着剤10によって配管2及び温度センサチップ6aが固着されているが、温度センサチップ6aのリード端子6a−1,6a−2もまた、温度センサチップ6bのリード端子6b−1,6b−2と同じはんだ22によって配線パターン16に電気的に接続されて固着されている。したがって、リード端子6a−1とリード端子6b−1、リード端子6a−2とリード端子6b−2が電気的に接続されていることになるので、温度センサチップ6aと6bは電気的に並列に接続されている。ここで、リード端子6a−1と6b−1は正極又は負極、リード端子6a−2と6b−2は負極又は正極である。
この実施例の熱式質量流量計は、同じ位置の温度を測定する温度センサチップ6aと6b、8aと8bが電気的に並列に接続されているので、温度センサチップからの電気信号のSN比が高くなり、高感度で温度検出を行なうことができる。これにより、配管2内を流れる移動相の流量測定の分解能が高くなり、熱式質量流量計としての性能が向上する。
ヒータチップ4a,4b、温度センサチップ6a,6b,8a,8bが配置されている部分を含む測定部分がプリント基板12及びカバー18によって外部から隔離されているので、外気の温度変化の影響を受けにくく、精度の高い流量測定を行なうことができる。
さらに、ヒータチップ4b、温度センサチップ6b,8bがそれぞれのリード端子でのみプリント基板12に支持され、溝14内側の壁面との間に隙間が設けられて空気層を介在させているので、空気層の高い断熱性を利用してさらに断熱効果を高めることができる。これにより、溝14下の肉厚を薄くすることができ、コストの低減を図ることができる。同様に、ヒータチップ4a、温度センサチップ6a,8aとカバー18との間に隙間を設けて空気層を介在させているので、空気層の高い断熱性を利用して断熱効果を高めることができる。
図1及び図2を用いて説明した実施例の熱式質量流量計は、ヒータチップ4a,4bの上流側と下流側の等距離の位置にそれぞれ1つずつ、合計4つの温度センサチップ6a,6b,8a,8bが配置されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ヒータチップ4a,4bの上流側と下流側の等距離の位置にそれぞれ2つ以上、合計8つ以上の温度センサチップが配置されていてもよい。
熱式質量流量計の一実施例を示す図であり、(A)は断面図、(B)は配管表面の温度分布を示すグラフである。 熱式質量流量計の他の実施例を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のX−X位置における断面図、(C)は(A)のY−Y位置における断面図である。 従来の熱式質量流量計の一例を示す図であり、(A)は断面図、(B)は配管表面の温度分布を示すグラフである。
符号の説明
2 配管
4a,4b ヒータチップ
6a,6b,8a,8b 温度センサチップ
10 熱伝導性接着剤
12 プリント基板
14 溝
16 配線パターン
18 カバー
20 空気層

Claims (5)

  1. 内部を流体が流れる配管の周面上の一方面側と他方面側に前記配管を挟むようにして固着され、配管内の流体を加熱するチップタイプの一方面側発熱素子及び他方面側発熱素子と、
    前記一方面側発熱素子及び他方面側発熱素子とは別体として構成され、前記一方面側で前記流体の流れ方向に沿って前記発熱素子の上流側と下流側の等距離の位置に固着されたチップタイプの一方面側温度センサ対及び前記他方面側で前記一方面側温度センサ対に対応する位置に固着された他方面側温度センサ対と、
    前記一方面側温度センサ対による検出温度及び前記他方面側温度センサ対による検出温度から前記配管中を流れる流体の流量を求める演算部と、
    前記他方面側発熱素子のリード端子及び前記他方面側温度センサのリード端子を前記配管の他方面側から支持し、かつ前記他方面側発熱素子及び前記他方面側温度センサ対を含む領域を覆う他方面側基板と、
    前記一方面側発熱素子及び前記一方面側温度センサ対を含む領域を前記配管の一方面側から覆う一方面側断熱材と、
    を備え
    前記一方面側温度センサ対を構成する一方面側温度センサと他方面側温度センサ対を構成する他方面側温度センサは、両面側で対応するものどうしが電気的に並列に接続されて上流側温度センサ対と下流側温度センサ対を構成しており、
    前記演算部は前記上流側温度センサ対による検出温度と下流側温度センサ対による検出温度との温度差から前記配管中を流れる流体の流量を求めるように構成されており、
    前記他方面側基板は配線パターンが形成された配線基板であり、前記他方面側発熱素子及び前記他方面側温度センサ対を含む領域は前記配線基板に設けられた凹部であり、
    前記他方面側発熱素子のリード端子及び前記他方面側温度センサのリード端子は前記配線パターンの一部に固定され、電気的にも接続されている熱式質量流量計。
  2. 前記他方面側基板と前記他方面側発熱素子の本体部分及び前記他方面側温度センサの本体部分との間、並びに前記一方面側断熱材と前記一方面側発熱素子の本体部分及び前記一方面側温度センサの本体部分との間に空気層が存在する請求項に記載の熱式質量流量計。
  3. 前記一方面側温度センサのリード端子は、対応する前記他方面側温度センサのリード端子とともに前記配線パターンの一部に固定され、電気的にも接続されている請求項1又は2に記載の熱式質量流量計。
  4. 前記一方面側発熱素子と前記他方面側発熱素子は熱伝導性接着剤により前記配管に固着されている請求項1からのいずれかに記載の熱式質量流量計。
  5. 前記配管は高速液体クロマトグラフで移動相が流れる配管である請求項1からのいずれかに記載の熱式質量流量計。
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