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JP4845594B2 - 電気化学セル及び電位印加方法 - Google Patents
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JP4845594B2 - 電気化学セル及び電位印加方法 - Google Patents

電気化学セル及び電位印加方法 Download PDF

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Description

本発明は、作用電極と対向電極とを用いた2電極法による電気化学セル及び電位印加方法に関する。
近時、蛋白質の高感度かつ迅速な検出を可能とするいわゆるプロテインチップが注目されている。プロテインチップには、多種多様な蛋白質を高感度且つ迅速に検出することができるとともに、手のひらに載る程度に小型であり携帯性に優れたものであることが医療現場、検疫現場から求められている。
これまでに、プロテインチップとしては例えば電圧駆動型のものが提案されている(特許文献1、2を参照)。
電圧駆動型のプロテインチップにおいては、金よりなる作用電極(センサー電極)の表面に、ヌクレオチド鎖から構成されるナノワイヤーの一端が固定されている。ナノワイヤーの他端には、特定の蛋白質に特異的に結合する抗体等のプローブが結合されている。また、ナノワイヤーには、蛍光色素が付けられている。ヌクレオチド鎖から構成されるナノワイヤーは、作用電極に印加される電位に応じて伸張又は凝集収縮する。このナノワイヤーのコンフォメーション変化に応じて、蛍光色素は発光又は消光する。蛋白質を含む液中において、プローブに蛋白質が結合すると、作用電極に印加する電位の変化に対する蛍光色素の発光・消光の応答特性が変化する。この応答特性の変化に基づき蛋白質が検出される。
従来の電圧駆動型のプロテインチップにおいては、センサー電極である作用電極に対して安定した電位を印加するために、電極として作用電極、対向電極及び参照電極の3つの電極を用いる3電極法が用いられていた。
3電極法による作用電極への電位の印加について図8を用いて説明する。図8は3電極法による作用電極への電位の印加を説明する概略図である。
図示するように、センサー電極である作用電極100、作用電極100に電流を流すための対向電極102、及び作用電極100に印加される電位をモニターするための参照電極104が、電解液、緩衝溶液等の溶液106で満たされた容器108に浸漬されている。
作用電極100と対向電極102との間には、作用電極100に電位を印加するための電源110が電気的に接続されている。
作用電極100と参照電極104との間には、参照電極104に対する作用電極100の電位をモニターするための電位計112が電気的に接続されている。電位計112には、電位計112による作用電極100の電位のモニター結果に基づき電源100を制御するフィードバック回路114が接続されている。
3電極法においては、作用電極100と参照電極104との間に電気的に接続された電位計112により、参照電極104に対する作用電極100の電位がモニターされる。このモニター結果に基づき、参照電極104に対する作用電極100の電位が所望の電位で一定になるように、フィードバック回路114により電源110が制御される。こうして、作用電極100に安定した電位が印加される。
他方、3電極法と比較して簡便な電位の印加方法としては、電極として作用電極及び対向電極の2つの電極を用いる2電極法が知られている。
2電極法による作用電極への電位の印加について図9を用いて説明する。図9は2電極法による作用電極への電位の印加を説明する概略図である。
図示するように、センサー電極である作用電極100及び作用電極100に電流を流すための対向電極102が、電解液、緩衝溶液等の溶液106で満たされた容器108に浸漬されている。
作用電極100と対向電極102との間には、作用電極100に電位を印加するための電源110が電気的に接続されている。
2電極法においては、作用電極100の電位をモニターするための参照電極は用いられず、3電極法のような電源制御が行われることなく作用電極100に電位が印加される。
特開2004−28798号公報 特開2004−132848号公報
しかしながら、作用電極への電位印加方法として上記従来の3電極法、2電極法を用いてプロテインチップを構成した場合、以下に述べる不都合が生じることになる。
まず、3電極法において作用電極に安定した電位を印加するためには、参照電極に対する作用電極の電位が一定となるように電源を制御するフィードバック回路が必要となる。このような回路は、プロテインチップの小型化を実現する際に障害となる。また、プロテインチップに多種類のセンサーを集積化する際の障害にもなる。一般に、作用電極と対向電極には金属が用いられるが、参照電極には水溶液、例えば、3M KClが必要であり、小型のプロテインチップにインテグレートするには、困難がある。
また、フィードバック回路の駆動には、別個に電源が必要となる。例えば、作用電極に−700mV(飽和カロメル電極基準)の電位を印加するためには、作用電極と対向電極との間に2V程度の電圧が印加される。このため、フィードバック回路の駆動には、4V前後の電源、すなわち3本程度の電池が必要となる。このような電源も、プロテインチップの小型化を実現する際の障害となる。
他方、2電極法において安定した電位を作用電極に印加するためには、作用電極と比較して大面積の対向電極を用いる必要がある。具体的には、対向電極の面積を、作用電極の面積の100倍以上にする必要がある。このため、2電極法を用いたのでは、プロテインチップの小型化は困難であった(例えば、メッキ工場では大面積のステンレス電極を対向電極として用いている)。さらには、対向電極の材料に金又は白金を用いた場合、製造コストが不可避的に上昇することになる。単位面積当たりの単価が金及び白金よりも安価なステンレスを対向電極の材料に用いれば製造コストは低廉に抑えることができるが、プロテインチップの小型化は依然として困難である。
また、将来的には、特定の蛋白質に対する1種類のセンサーだけでなく、多種類のセンサーをプロテインチップに集積化することが望まれている。しかしながら、上記従来の電位印加方法を用いたのでは、多種類のセンサーを集積化した場合にプロテインチップの大型化を回避することはできず、携帯性に優れたプロテインチップを実現することは困難であった。
また、プロテインチップに限らず、溶液中において作用電極に対して電位を印加することにより作用電極の表面又は表面近傍において所定の反応が行われる種々の装置においても、容易に小型化が可能な簡便な構成で作用電極に安定した電位を印加することができれば好都合である。
本発明の目的は、容易に小型化が可能な簡便な構成を用いて安定した電位を作用電極に印加しうる電気化学セル及び電位印加方法を提供することにある。
本発明の一観点によれば、作用電極と、前記作用電極に対向して配置された対向電極とを有し、前記作用電極と前記対向電極との間に電圧が印加される電気化学セルであって、前記対向電極は、タングステンよりなり、前記対向電極と前記作用電極とは、互いに異なる金属よりなり、前記作用電極は、金よりなることを特徴とする電気化学セルが提供される。
また、本発明の他の観点によれば、作用電極と、前記作用電極に対向して配置された対向電極との間に電圧を印加することにより、前記作用電極に電位を印加する電位印加方法であって、タングステンよりなる前記対向電極を用い、前記対向電極と前記作用電極とは、互いに異なる金属よりなり、前記作用電極は、金よりなることを特徴とする電位印加方法が提供される。
本発明によれば、作用電極と、対向電極とを有し、前記作用電極と前記対向電極との間に電圧が印加される電気化学セルにおいて、タングステンよりなる対向電極を用いるので、対向電極を作用電極と比較して大面積にする必要がなく、また、参照電極及びフィードバック回路が不要な簡便な構成で、作用電極に安定した電位を印加することができる。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による電気化学セル及び電位印加方法について図1乃至図4を用いて説明する。図1は本実施形態による電気化学セルを示す概略図、図2は本実施形態による電位印加方法において作用電極に印加される電位を説明する概略図、図3は従来の白金よりなる対向電極を用いた2電極法において作用電極に印加される電位を説明する概略図、図4は本実施形態による電位印加方法により作用電極に印加される電位の測定データの一例を示すグラフである。
まず、本実施形態による電気化学セルについて図1を用いて説明する。
図示するように、電気化学セルの用途等に応じて、電解液、緩衝溶液等の溶液14が容器16に満たされている。
容器16に満たされた溶液14には、作用電極10及び対向電極12が浸漬されている。
作用電極10は、電位が印加されることにより、その表面又は表面近傍において所望の反応が起きるものである。作用電極10の材料には、例えば金が用いられている。
対向電極12は、溶液14を介して作用電極10に対向して配置され、作用電極10に電流を流すためのものである。対向電極12の材料には、タングステンが用いられている。対向電極12は、作用電極10と比較して大面積である必要はない。例えば、対向電極12の面積は、作用電極10の面積と同等になっている。
なお、これら作用電極10及び対向電極12の形状、サイズ、数及び配置はどのようなものでもよい。
こうして、作用電極10と、タングステンよりなる対向電極12とを有する2電極法による電気化学セル20が構成されている。
作用電極10と対向電極12との間には、作用電極10に電位を印加するための電源18が電気的に接続されている。
本実施形態による電気化学セル20は、作用電極10と対向電極12とを用いた2電極法の構成において、対向電極12の材料にタングステンが用いられていることに特徴がある。
タングステンよりなる電極の緩衝溶液(10mM Tris−HCl,50mM NaCl)における浸食電位は、約−100mVである。この値は、金や白金の浸食電位と比較して600mV程度低い値である。したがって、例えば、タングステンよりなる対向電極を用いて、金又は白金よりなる作用電極に−700mV(飽和カロメル電極基準)の電位を印加する場合、作用電極と対向電極との間に約600mVの電圧を印加すればよい。
本願発明者は、作用電極10と対向電極12とを用いた2電極法において、タングステンよりなる対向電極12を用いることにより、対向電極12を作用電極10と比較して大面積にすることなく、対向電極12の面積が作用電極10の面積と同等であっても、作用電極10に安定した電位を印加することができることを見出した。
以下、タングステンよりなる対向電極12を用いた本実施形態による電気化学セル20における作用電極10への電位印加方法について図2乃至図4を用いて説明する。
図2(a)は、図1に示す本実施形態による電気化学セル20において、作用電極10の電位をモニターするための構成を示している。金よりなる作用電極10及びタングステンよりなる対向電極12に加えて、電極22を容器16に満たされた溶液14に浸漬する。電極22作用電極10との間には、電位計24を電気的に接続する。電位計24により、電極22に対する作用電極10の電位をモニターする。なお、電極22及び電位計24は、実際の電気化学セルにおいては不要なものである。
電気化学セル20において、電源18により、金よりなる作用電極10とタングステンよりなる対向電極12との間に所定の電圧を印加する。これにより、作用電極10に所定の電位を印加する。
図2(b)は、図2(a)に示す構成において、電源18により矩形波状の電源電圧を作用電極10と対向電極12との間に印加した場合の作用電極10の電位変化を示すグラフである。グラフの横軸は電源電圧を印加した際の時間経過を示している。右側縦軸は電源18により作用電極10と対向電極12との間に印加された電源電圧を示している。左側縦軸は電位計24によりモニターされた電極22に対する作用電極10の電位を示している。
図3(a)に示すグラフから明らかなように、タングステンよりなる対向電極12を用いた場合、作用電極10の電位は、電源電圧の変化に対して高い応答性で矩形波状に変化し、極めて安定したものとなっている。このように、タングステンよりなる対向電極12を用いた本実施形態では、作用電極10に安定した電位を印加することができる。
これに対して、タングステンよりなる対向電極12に代えて、白金よりなる対向電極26を用いた場合には、作用電極10に印加される電位は不安定なものとなる。
図3(a)は、白金よりなる対向電極26を用いた場合において、作用電極10の電位をモニターするための構成を示している。タングステンよりなる対向電極12に代えて、白金よりなる対向電極26を容器16に満たされた溶液14に浸漬する点以外は、図2(b)に示す構成と同様である。
電気化学セル20において、電源18により、金よりなる作用電極10と白金よりなる対向電極26との間に所定の電圧を印加する。これにより、作用電極10に所定の電位を印加する。
図3(b)は、図3(a)に示す構成において、電源18により矩形波状の電源電圧を作用電極10と対向電極26との間に印加した場合の作用電極10の電位変化を示すグラフである。グラフの横軸は電源電圧を印加した際の時間経過を示している。右側縦軸は電源18により作用電極10と対向電極26との間に印加された電源電圧を示している。左側縦軸は電位計24によりモニターされた電極22に対する作用電極10の電位を示している。
図3(b)に示すグラフから明らかなように、白金よりなる対向電極26を用いた場合、作用電極10の電位は、電源電圧の変化に対して応答性を示さず、極めて不安定なものとなっている。
上述のように、タングステンよりなる対向電極12を用いた場合は、作用電極10に対して安定した電位を印加することができる。この際、従来の2電極法のように対向電極を作用電極と比較して大面積にする必要はない。また、従来の3電極法のように作用電極の電位をモニターするための参照電極及び作用電極の電位を一定に維持するためのフィードバック回路も必要がない。
図4は、タングステンよりなる対向電極を用いて作用電極に電位を印加した場合における作用電極の電位の測定データの一例を示すグラフである。グラフの横軸は時間経過を示している。左の縦軸は作用電極の飽和カロメル電極を基準にした電位を示し、右の縦軸は作用電極と対向電極との間に印加した電源電圧を示している。なお、電源電圧については、作用電極側が対向電極側よりも高電位の場合が正の値、作用電極側が対向電極側よりも低電位の場合を負の値で示している。
測定では、金よりなる作用電極とタングステンよりなる対向電極との間に印加する電源電圧を、所定の時間間隔で、ステップ状に下降させ、その後ステップ状に上昇させた。このときの作用電極の飽和カロメル電極を基準にした電位を測定した。グラフには、測定された作用電極の電位とともに、作用電極と対向電極との間に印加した電源電圧を示している。
図4に示すグラフから明らかなように、作用電極の電位は、ステップ状に下降し、その後ステップ状に上昇する電源電圧の変化に対して高い応答性かつ高い安定性で変化し、電源電圧の変化に応じて、ステップ状に下降し、その後ステップ状に上昇している。
このように、本実施形態によれば、タングステンよりなる対向電極を用いるので、対向電極を作用電極と比較して大面積にする必要なく、また、参照電極やフィードバック回路が不要な簡便な構成で、作用電極に安定した電位を印加することができる。したがって、電気化学セルの小型化を容易に実現することができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による電気化学セルについて図5を用いて説明する。図5は本実施形態による電気化学セルを示す平面図である。なお、第1実施形態による電気化学セル及び電位印加方法と同様の構成要素については同一の符号を付し説明を省略し或いは簡略にする。
本実施形態による電気化学セルは、第1実施形態による電気化学セルの作用電極10及び対向電極12を同一基板上に形成したものである。
図5に示すように、絶縁性の基板28上に、複数の作用電極10が形成されている。作用電極10は、例えば円形のパッド状に形成されている。作用電極19の材料には、例えば金が用いられている。
各作用電極10は、基板28の周縁部に設けられた端子30に配線32を介して接続されている。
また、基板28上には、複数の対向電極12が形成されている。対向電極12は、例えば円形のパッド状に形成されている。対向電極12の材料には、第1実施形態と同様に、タングステンが用いられている。
各対向電極12は、基板28の周縁部に設けられた端子34に配線36を介して接続されている。
基板28の作用電極10及び対向電極12が形成された領域には壁部38が設けられ、壁部38と基板28とにより、緩衝溶液等の溶液が満たされる容器40が構成される。基板28と壁部38とにより構成された容器40には、適宜蓋がされる。
こうして、基板28上に形成された作用電極10と対向電極12とを有する電気化学セルが構成されている。
作用電極10と対向電極12との間には、端子30、36を介して電源(図示せず)が電気的に接続される。
本実施形態による電気化学セルでは、第1実施形態と同様に、タングステンよりなる対向電極12を用いている。このため、対向電極12を作用電極10と比較して大面積にする必要なく、また、参照電極やフィードバック回路が不要な簡便な構成で、作用電極10に安定した電位を印加することができる。したがって、同一の基板28上に複数の作用電極10及び複数の対向電極12を形成した場合においても、電気化学セルの小型化を容易に実現することができる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態による蛋白質検出装置について図6及び図7を用いて説明する。図6は本実施形態による蛋白質検出装置を示す概略側面図、図7は本実施形態による蛋白質検出装置において蛍光色素が発光及び消光する様子を示す概略側面図である。なお、第1実施形態による電気化学セル及び電位印加方法と同様の構成要素については同一の符号を付し説明を省略する。
本実施形態では、タングステンよりなる対向電極を用いた本発明による電気化学セルを蛋白質検出装置に用いた場合について説明する。すなわち、本実施形態による蛋白質検出装置は、いわゆるプロテインチップにおいて、作用電極(センサー電極)に対して、タングステンよりなる対向電極を用いて電位を印加するものである。
図6に示すように、電極支持部である基板42上に、金よりなる作用電極(センサー電極)10が形成されている。
作用電極10の表面には、蛋白質検出体44が固定されている。
蛋白質検出体44は、検出対象である蛋白質に特異的に結合するプローブ部46と、蛋白質がプローブ部46に結合したことを検出するための感応部48とを有している。
感応部48は、ヌクレオチド鎖よりなるナノワイヤー50と、蛍光色素52とを含んでいる。
ナノワイヤー50を構成するヌクレオチド鎖には、チオール基又はチオエーテル基が導入されている。ナノワイヤー50は、このチオール基又はチオエーテル基により作用電極10上に固定されている。ナノワイヤー50を構成するヌクレオチド鎖は、天然由来のものであってもよいし、人工合成されたものであってもよい。また、ナノワイヤー50は、1本鎖ヌクレオチドから構成されていてもよいし、互いに相補的な塩基配列を有する2本鎖ヌクレオチドから構成されていてもよい。
蛍光色素52は、ナノワイヤー50を構成するヌクレオチド鎖に共有結合により付加されている。なお、蛍光色素は、ヌクレオチド鎖の相補的結合の間に挿入(インターカレーション)されている例のようにヌクレオチド鎖中に含有されていてもよく、あるいは、ヌクレオチド鎖の一部に置換により組み込まれていてもよい。蛍光色素としては、励起光により励起され蛍光を発する物質を適宜用いることができ、例えばCy3(商標)が用いられている。
プローブ部46は、ナノワイヤー50を構成するヌクレオチド鎖に結合している。プローブ部46は、検出対象である蛋白質に対して特異的に結合する抗体、当該抗体を蛋白質分解酵素により限定分解して得られる産物、検出対象である蛋白質に対して親和性を有する有機化合物、及び測定対象である蛋白質に対して親和性を有する生体高分子等からなる群の少なくともいずれか一つから構成されるものである。
作用電極10が形成された基板上には壁部(図示せず)が設けられ、基板42と壁部とにより試料溶液54が満たされる容器(図示せず)が構成されている。容器に試料溶液54が満たされることにより、作用電極10が試料溶液54に浸漬される。
試料溶液54は、検出対象の蛋白質56を緩衝溶液に溶解したものである。
試料溶液54には、タングステンよりなる対向電極12が浸漬されている。
作用電極10と対向電極12との間には、これらの間に電圧を印加するための電源18が電気的に接続されている。
試料溶液50が満たされた容器の上方には、蛍光色素52を励起する励起光58を、作用電極10側に向けて照射する励起光源60が配されている。また、蛍光色素52から発せられる蛍光62を検出する検出器(図示せず)が配されている。
本実施形態による蛋白質検出装置では、作用電極10と対向電極12との間への電圧印加による感応部48の蛍光色素52の発光状態の変化又は消光状態の変化に基づき、プローブ部46に対する蛋白質56の結合の有無、プローブ部46に結合した蛋白質56の種類及びその量が検出される。
図7は、本実施形態による蛋白質検出装置における感応部48の蛍光色素52が発光及び消光する様子を示す概略側面図である。図7(a)は蛍光色素52が発光する様子を示し、図7(b)は蛍光色素52が消光する様子を示している。
作用電極10と対向電極12との間に電源18により電圧が印加されると、感応部48において、ヌクレオチド鎖よりなるナノワイヤー50は、負に帯電しているため、作用電極10の電位に応じて伸張又は凝集収縮する。
すなわち、作用電極10が負に帯電するように作用電極10に電位が印加されると、図7(a)に示すように、ヌクレオチド鎖よりなるナノワイヤー50は、作用電極10との間に働くクーロン斥力により、作用電極10上に立った状態に伸張する。このようにナノワイヤー50が伸張すると、感応部48の蛍光色素52は、作用電極10から受ける電気的影響がなくなり又は小さくなるため、蛍光62を発する。
これに対し、作用電極10が正に帯電するように作用電極10に電位が印加されると、図7(b)に示すように、ヌクレオチド鎖よりなるナノワイヤー50は、作用電極10との間に働くクーロン引力により、作用電極10の表面又は表面近傍に凝集収縮する。このようにナノワイヤー50が凝集収縮すると、感応部48の蛍光色素52は、作用電極10から電気的影響を受けるために消光する。なお、作用電極12の表面に消光剤を結合させておき、消光速度や消光効率を適宜変更してもよい。
図7(a)及び図7(b)では、試料溶液54中の蛋白質56が蛋白質検出体44のプローブ部46に結合した状態を示している。
蛋白質56がプローブ部46に結合すると、結合していない場合と比較して、ナノワイヤー50の伸張及び凝集収縮に、より長い時間を要するようになる。したがって、蛍光色素52の発光と消光との変化に、より長い時間を要するようになる。
このため、プローブ部46に蛋白質56が結合している場合と結合していない場合とでは、作用電極10と対向電極12との間に印加される電圧の変化に対して、異なった応答特性で、蛍光色素52の発光と消光とが変化する。
本実施形態による蛋白質検出装置においては、作用電極10と対向電極12との間への電圧印加により蛍光を発光し又は消光する際の発光状態の変化又は消光状態の変化に基づき、プローブ部46に対する蛋白質56の結合の有無が検出される。また、プローブ部46は、蛋白質56に対して特異的に結合する性質を有するものであるため、プローブ部46に結合した蛋白質56の種類が容易に同定される。
また、その発光状態の変化又は消光状態の変化に基づき、プローブ部46に結合した蛋白質56の量が検出される。作用電極10と対向電極12との間への電圧印加により蛍光を発光し又は消光する際の発光強度、その変化率に基づき、プローブ部46に結合した蛋白質56の量が検出される。
ここで、本実施形態による蛋白質検出装置においては、タングステンよりなる対向電極12を用いている。このため、対向電極12を作用電極10と比較して大面積にする必要がなく、また、参照電極及びフィードバック回路が不要な簡便な構成で、作用電極10に安定した電位を印加することができる。
したがって、本実施形態によれば、プロテインチップの小型化を容易に実現し、また、多種類のセンサーのプロテインチップへの集積化を容易に実現することができる。また、プロテインチップの製造コストの低減を実現することができる。
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、作用電極10の材料として金を用いる場合について説明したが、作用電極10の材料は金に限定されるものではない。作用電極10の材料には、種々の導電性材料を用いることができる。
また、上記実施形態では、作用電極10と対向電極12との間に矩形波状等の電圧を印加する場合について説明したが、作用電極10と対向電極12との間には、あらゆる態様の電圧を印加することができる。
また、上記第3実施形態では、タングステンよりなる対向電極12を用いる具体的な装置の例として蛋白質検出装置について説明したが、本発明の適用範囲は蛋白質検出装置に限定されるものではない。本発明は、作用電極と対向電極とを用いた2電極法による種々の装置に適用することができる。ここで、作用電極とは、電極反応を行わせるのに必要な2つの電極のうち、注目している反応が表面又は表面近傍で進行する一方の電極を広く意味する。例えば、電気めっき装置において、作用電極として機能する被めっき物に対して、タングステンよりなる対向電極を用いて電位を印加する2電極法による構成を採用してもよい。
本発明の第1実施形態による電気化学セルを示す概略図である。 本発明の第1実施形態による作用電極への電位印加方法において作用電極に印加される電位を説明する概略図である。 白金よりなる対向電極を用いた2電極法により作用電極に印加される電位を説明する概略図である。 本発明の第1実施形態による作用電極への電位印加方法において作用電極に印加される電位の測定データの一例を示すグラフである。 本発明の第2実施形態による電気化学セルを示す平面図である。 本発明の第3実施形態による蛋白質検出装置を示す概略側面図である。 本発明の第3実施形態による蛋白質検出装置において蛍光色素の発光及び消光する様子を示す概略側面図である。 3電極法による作用電極への電位の印加を説明する図である。 2電極法による作用電極への電位の印加を説明する図である。
符号の説明
10…作用電極
12…対向電極
14…溶液
16…容器
18…電源
20…電気化学セル
22…電極
24…電位計
26…対向電極
28…基板
30、34…端子
32、36…配線
38…壁部
40…容器
42…基板
44…蛋白質検出体
46…プローブ部
48…感応部48
50…ナノワイヤー
52…蛍光色素
54…試料溶液
56…蛋白質
58…励起光
60…励起光源
62…蛍光
100…作用電極
102…対向電極
104…参照電極
106…溶液
108…容器
110…電源
112…電位計
114…フィードバック回路

Claims (4)

  1. 作用電極と、前記作用電極に対向して配置された対向電極とを有し、前記作用電極と前記対向電極との間に電圧が印加される電気化学セルであって、
    前記対向電極は、タングステンよりなり、
    前記対向電極と前記作用電極とは、互いに異なる金属よりなり、
    前記作用電極は、金よりなる
    ことを特徴とする電気化学セル。
  2. 請求項1記載の電気化学セルにおいて、
    前記対向電極の面積は、前記作用電極の面積と同等である
    ことを特徴とする電気化学セル。
  3. 請求項1又は2記載の電気化学セルにおいて、
    基板を更に有し、
    前記作用電極と前記対向電極とは、前記基板上に形成されている
    ことを特徴とする電気化学セル。
  4. 作用電極と、前記作用電極に対向して配置された対向電極との間に電圧を印加することにより、前記作用電極に電位を印加する電位印加方法であって、
    タングステンよりなる前記対向電極を用い、
    前記対向電極と前記作用電極とは、互いに異なる金属よりなり、
    前記作用電極は、金よりなる
    ことを特徴とする電位印加方法。
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