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JP4845646B2 - 光導電性画像形成部材 - Google Patents
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JP4845646B2 - 光導電性画像形成部材 - Google Patents

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Description

本明細書では、少なくともフェノール樹脂とフェノール化合物との架橋生成物を含むフェノール性オーバーコート層、ならびに該オーバーコート層を含む光導電性画像形成部材について記述する。
フォトレセプタまたは光導電体を含む電子写真または光導電性画像形成部材などの感光性部材は典型的には、導電性基材上に形成された、または基材と光導電層との間の層上に形成された光導電層を含む。光導電層は暗闇では絶縁体であり、そのためその表面上に電荷が保持される。露光されると、電荷は消散し、その上に画像が形成され、現像剤材料を用いて現像され、コピー基質に転写され、それに溶融定着され、コピーまたはプリントが形成される。
多くの進歩した画像システムは小径フォトレセプタドラムの使用を基本とする。小径ドラムの使用はフォトレセプタ寿命を重視する。コピー機およびプリンタにおいてフォトレセプタ寿命を制限する主因子は摩耗である。小径ドラムフォトレセプタの使用は摩耗問題を悪化させる。例えば、シングルレターサイズのページを画像形成させるのに3〜10回転必要となるからである。シングルレターサイズのページを複製する小径ドラムフォトレセプタの複数の回転は、市販のシステムでの望ましい目標である、100,000プリントをフォトレセプタドラムから得るのに100万サイクルまで必要とすることがある。
低容量コピー機およびプリンタでは、バイアス帯電ロール(BCR)が望ましい。画像形成サイクリング中に発生するオゾンがほとんどない、またはないからである。しかしながら、帯電中にBCRにより発生するマイクロコロナはフォトレセプタに損傷を与え、画像形成表面、例えば、電荷輸送層の曝露表面が急速に摩耗する。より具体的には、摩耗速度は約16μm/100,000画像形成サイクルもの高さになることがある。同様の問題がバイアス転写ロール(BTR)システムでも生じる。
より長いフォトレセプタドラム寿命を達成する1つのアプローチは、画像形成表面、例えばフォトレセプタの電荷輸送層上に保護オーバーコートを形成することである。このオーバーコートは多くの要求を満たし、その要求としては、正孔輸送、耐画像欠如性、耐摩耗性、およびコーティング中の下地層の摂動の回避等が挙げられる。
アルコール溶解性ポリアミド類を使用した様々なオーバーコートが提案されている。最も初期のものの1つは、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミンを含むメチルメトキシ基を有さないアルコール溶解性ポリアミド(エルバミド:ELVAMIDE(登録商標))を含むオーバーコートである。このオーバーコートは米国特許第5,368,967号(特許文献1)に記述されている。開示内容の全体が、参照により本明細書に組み入れられる。
N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミンを含む、架橋ポリアミドを含む架橋ポリアミドオーバーコートが公知であり、ルカミド(LUCKAMIDE、登録商標)と呼ばれる。架橋させるために、N−メトキシメチル基を有するポリアミドポリマー(LUCKAMIDE、登録商標)をシュウ酸などの触媒と共に使用した。この強靱なオーバーコートは米国特許第5,702,854号(特許文献2)で記述されている。開示内容の全体が、参照により本明細書に組み入れられる。
少なくとも1つの光導電層でコートした支持基材と、オーバーコーティング層とを含む電気写真画像形成部材が米国特許第5,976,744号(特許文献3)において開示されている。オーバーコーティング層は、架橋アクリル化ポリアミドマトリクスに溶解された、または分子分散されたヒドロキシ官能性芳香族ジアミンおよびヒドロキシ官能性トリアリールアミンを含む。ヒドロキシ官能性トリアリールアミンはポリヒドロキシ官能性芳香族ジアミンとは異なる化合物である。
米国特許第5,709,974号(特許文献4)では、電荷発生層と、電荷輸送層と、オーバーコーティング層とを含む電子写真画像形成部材が開示されている。輸送層はポリスチレンマトリクス中に電荷輸送芳香族ジアミン分子を含む。オーバーコーティング層は、少なくとも2つのヒドロキシ官能基を有する正孔輸送ヒドロキシアリールアミン化合物と、ヒドロキシアリールアミン化合物のヒドロキシ官能基と水素結合を形成することができるポリアミド膜形成バインダとを含む。
米国特許第5,368,967号(特許文献5)では、基材と、電荷発生層と、電荷輸送層と、および少なくとも2つのヒドロキシ官能基を有する小分子正孔輸送アリールアミンと、ヒドロキシまたはマルチヒドロキシトリフェニルメタンと、ヒドロキシアリールアミンおよびヒドロキシまたはマルチヒドロキシトリフェニルメタンなどのヒドロキシ官能基と水素結合を形成することができるポリアミド膜形成バインダとを有するオーバーコート層と、を備える電子写真画像形成部材が開示されている。このオーバーコート層は、アルコール溶媒を使用して作製してもよい。この電気写真画像形成部材は電子写真画像形成プロセスにおいて使用してもよい。エルバミド(ELVAMIDE、登録商標)ポリアミドとN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミンとビス−[2−メチル−4−(N−2−ヒドロキシエチル−N−エチル−アミノフェニル)]−フェニルメタンを含む具体的な材料がこの特許で開示されている。
米国特許第4,871,634号(特許文献6)には、少なくとも1つの光導電性層を含む電子写真画像形成部材が開示されている。画像形成部材は光発生材料と、一定の化学式で表されるヒドロキシアリールアミンとを含む。ヒドロキシアリールアミン化合物は、アルコール溶解性を有するポリアミドなどの水素結合を形成することができる樹脂に結合されたヒドロキシアリールアミン化合物と共にオーバーコートにおいて使用することができる。
米国特許第4,457,994号(特許文献7)では、ポリマーバインダに分散されたジアミン型分子を含む発生層および輸送層と、ポリマーバインダに分散されたトリフェニルメタン分子を含むオーバーコートとを備える層状感光性部材が開示されている。
米国特許第5,418,107号(特許文献8)では、電子写真画像形成部材を作製するためのプロセスが開示されている。
フェノール樹脂とトリアリールアミン正孔輸送分子とを含むフェノール性オーバーコート組成物が公知である。これらのフェノール性オーバーコート組成物を硬化させると、架橋構造を形成させることができる。
電荷輸送層に対し優れた接着性を有するオーバーコート層を備える光導電性画像形成部材が望ましい。そのようなオーバーコート層により、光導電性画像形成部材の全体的な耐用年数が改善される。
米国特許第5,368,967号明細書 米国特許第5,702,854号明細書 米国特許第5,976,744号明細書 米国特許第5,709,974号明細書 米国特許第5,368,967号明細書 米国特許第4,871,634号明細書 米国特許第4,457,994号明細書 米国特許第5,418,107号明細書
本発明は、電荷輸送層に対し優れた接着性を有するオーバーコート層を備える光導電性画像形成部材を提供する。
実施形態では、基材と、電荷発生層と、電荷輸送層と、少なくともフェノール樹脂とフェノール化合物との架橋生成物を含むオーバーコートと、を備える光導電性画像形成部材を記述する。
実施形態では、少なくとも1つの帯電ユニットと、少なくとも1つの露光ユニットと、少なくとも1つの現像ユニットと、転写ユニットと、クリーニングユニットと、および基材と、電荷発生層と、電荷輸送層と、少なくともフェノール樹脂とフェノール化合物との架橋生成物を含むオーバーコート層とを備える光導電性画像形成部材と、を備える画像形成装置を記述する。帯電ユニットは、バイアス帯電ロールであることが好ましい。転写ユニットは、光導電性画像形成部材上に形成されたトナー画像を一時的に転写する中間転写体であることが好ましい。また、画像形成装置において、複数の光導電性画像形成部材が中間転写体に沿って配置されていることが好ましい。
実施形態では、基材を提供する工程と、前記基材上に下地層を形成する工程と、前記下地層上に電荷発生層を形成する工程と、前記電荷発生層上に電荷輸送層を形成する工程と、前記電荷輸送層上にオーバーコートを形成する工程と、を含み、前記オーバーコート層がフェノール樹脂とフェノール化合物との架橋生成物を含む、光導電性画像形成部材を製造する方法を記述する。
本発明の開示は一般に、例えば、電子写真画像形成プロセスにおいて使用してもよいフォトコンダクタ、フォトレセプタなどの光導電性画像形成部材に関する。光導電性画像形成部材は、電荷輸送層に接着するオーバーコート層を有する。
光導電性画像形成部材は、実施形態では、基材と、必要に応じて用いられる導電層と、必要に応じて用いられるアンダーコート層と、必要に応じて用いられる接着層と、電荷発生層と、電荷輸送層と、フェノール性オーバーコート層と、を備える多層フォトレセプタである。フェノール性オーバーコートは少なくともフェノール樹脂とフェノール化合物との架橋生成物を含む。フェノール性オーバーコート層はさらに、第三アリールアミン正孔輸送分子を含むことができる。
光導電性画像形成部材のために選択された基材層の例は、公知の基材としてもよく、不透明とすることができ、または実質的に透明とすることができるが、無機または有機ポリマー材料、例えば市販のポリマーである、チタンを含むマイラー(MYLAR、登録商標)を含む絶縁材料層、酸化スズインジウムなどの半導体表面層、または配列されたアルミニウムを有する有機または無機材料層、またはアルミニウム、クロム、ニッケル、黄銅などを含む導電材料を含む。基材はフレキシブル、シームレス、または剛性としてもよく、多くの異なる構造、例えば、プレート、円筒ドラム、スクロール、エンドレスフレキシブルベルトなどを有してもよい。1つの実施形態では、基材はシームレスフレキシブルベルトの形態である。いくつかの状況では、特に基材がフレキシブル有機ポリマー材料である場合、基材の裏側をアンチカール層、例えばマクロロン(MAKROLON、登録商標)として市販されているポリカーボネート材料でコートすることが望ましい場合がある。
基材層の厚さは、多くの因子に依存し、そのような因子としては、所望の特性および経済的考察が挙げられ、このようにこの層は、例えば3,000μmを超える十分な厚さを有してもよく、例えば約3,000〜約7,000μmであり、または、例えば少なくとも50μmの最小厚であり、ただし、部材に有意の悪影響を与えないことを条件とする。実施形態では、この層の厚さは約75μm〜約300μmである。
導電層を使用する場合、基材上に配置させる。本明細書で多くの異なる型の層に関して使用されるように「上に(over)」という用語は、「下に(under)」という用語と同様に、特定の層が連続している場合に限定されないと理解すべきである。むしろ、この用語は層の相対的な位置を示し、特定した層の間に特定していない中間層が含まれることを包含する。
導電層のための適した材料としてはアルミニウム、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、バナジウム、ハフニウム、チタン、ニッケル、ステンレス鋼、クロム、タングステン、モリブデン、銅など、ならびにそれらの混合物および合金が挙げられる。
導電層の厚さは、導電率、フレキシビリティおよび光透過率の適した組み合わせを得るために、1つの実施形態では、約20Å〜約750Åであり、別の実施形態では、約50Å〜約200Åである。しかしながら、導電層は、所望であれば、不透明とすることができる。
導電層は公知のコーティング技術、例えば溶液コーティング、蒸着、およびスパッタリングにより塗布することができる。実施形態では、導電層は真空蒸着により塗布される。他の適した方法もまた使用することができる。
アンダーコートを使用する場合、基材上ではあるが、電荷発生層の下に配置してもよい。アンダーコート層は時折、当技術分野では正孔障壁層として呼ばれる。
本明細書で使用するのに適したアンダーコート層としては、米国特許第4,338,387号、米国特許第4,286,033号および米国特許第4,291,110号で開示されているように、ポリマー類、例えばポリビニルブチラール、エポキシ樹脂類、ポリエステル類、ポリシロキサン類、ポリアミド類、ポリウレタン類、など、窒素含有シロキサン類または窒素含有チタン化合物類、例えばトリメトキシシリルプロピルエチレンジアミン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、イソプロピル4−アミノベンゼンスルホニルチタネート、ジ(ドデシルベンゼンスルホニル)チタネート、イソプロピルジ(4−アミノベンゾイル)イソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(N−エチルアミノ)チタネート、イソプロピルトリアントラニルチタネート、イソプロピルトリ(N,N−ジメチル−エチルアミノ)チタネート、チタン−4−アミノベンゼンスルホネートオキシアセテート、チタン4−アミノベンゾエートイソステアレートオキシアセテート、γ−アミノブチルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、およびγ−アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
アンダーコート層は、任意の適した従来技術、例えば、噴霧、ダイコーティング、浸漬コーティング、ドローバーコーティング、グラビアコーティング、シルクスクリーニング、エアナイフコーティング、リバースロールコーティング、真空蒸着、化学処理などによりコーティングとして塗布してもよい。層を得る際の便宜のため、アンダーコート層は、希釈溶液の形態で塗布してもよく、溶媒は、真空、加熱などの従来技術により、コーティングの堆積後除去する。堆積させたコーティングの乾燥は、オーブン乾燥、赤外線乾燥、空気乾燥などの任意の適した技術により達成してもよい。
光導電性画像形成部材の作製では、電荷発生層を堆積させ、電荷輸送層を基材表面上に、電荷発生層と電荷輸送層とが異なる層である積層型構造、または電荷発生層と電荷輸送層がバインダ樹脂と共に同じ層に存在する単一層構造のいずれかで堆積させてもよい。実施形態では、電荷発生層は電荷輸送層の前に塗布される。
電荷発生層はオーバーコート層上に配置される。アンダーコートを使用しない場合、電荷発生層は基材上に配置させる。実施形態では、電荷発生層は、真空蒸着または堆積により作製される、セレンおよびセレンとヒ素、テルル、ゲルマニウムなどとの合金、水素化アモルファスシリコンおよび珪素とゲルマニウム、炭素、酸素、窒素などの化合物とのアモルファス膜から構成される。電荷発生層はまた、膜形成ポリマーバインダ中に分散され、溶媒コーティング技術により作製される、結晶セレンおよびその合金の無機顔料、II−VI族化合物、およびキナクリドン類などの有機顔料、多環式顔料、例えばジブロモアンスアンスロン顔料、ペリレンおよびペリノンジアミン類、多核芳香族キノン類、ビス、トリスおよびテトラキスアゾを含むアゾ顔料などを含んでもよい。
フタロシアニン類が、赤外線露光システムを使用するレーザプリンタにおいて使用するための光発生材料として使用されている。赤外線感度は、低コスト半導体レーザダイオード露光装置に露光されるフォトレセプタでは望ましい。フタロシアニン類の吸収スペクトルおよび感光性は化合物の中心金属原子に依存する。多くの金属フタロシアニン類が報告されており、オキシバナジウムフタロシアニン、クロロアルミニウムフタロシアニン、銅フタロシアニン、オキシチタンフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、マグネシウムフタロシアニンおよび無金属フタロシアニン等が挙げられる。フタロシアニン類は多くの結晶形態で存在し、光発生に対し強い影響を有する。
任意の適したポリマー膜形成バインダ材料を、電荷発生(光発生)バインダ層におけるマトリクスとして使用してもよい。典型的なポリマー膜形成材料としては、例えば、米国特許第3,121,006号で記述されているものが挙げられる。この全開示内容は参照により本明細書に組み入れられる。このように、典型的な有機ポリマー膜形成バインダ類としては熱可塑性および熱硬化性樹脂類、例えばポリカーボネート類、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリウレタン類、ポリスチレン類、ポリアリールエーテル類、ポリアリールスルホン類、ポリブタジエン類、ポリスルホン類、ポリエーテルスルホン類、ポリエチレン類、ポリプロピレン類、ポリイミド類、ポリメチルペンテン類、ポリフェニレンスルフィド類、ポリ酢酸ビニル類、ポリシロキサン類、ポリアクリレート類、ポリビニルアセタール類、ポリアミド類、ポリイミド類、アミノ樹脂類、フェニレンオキシド樹脂類、テレフタル酸樹脂類、フェノキシ樹脂類、エポキシ樹脂類、フェノール樹脂類、ポリスチレンとアクリロニトリルのコポリマー類、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニルのコポリマー類、アクリレートコポリマー類、アルキド樹脂類、セルロース膜形成体類、ポリ(アミドイミド)、スチレン−ブタジエンコポリマー類、塩化ビニリデン−塩化ビニルコポリマー類、酢酸ビニル−塩化ビニリデンコポリマー類、スチレン−アルキド樹脂類、ポリビニルカルバゾール、などが挙げられる。これらのポリマー類はブロックコポリマー類、ランダムコポリマー類または交互コポリマー類としてもよい。
光発生組成物または顔料は、樹脂バインダ組成物中に様々な量で存在してもよい。しかしながら、一般に、約5体積%〜約90体積%の光発生顔料が、約10体積%〜約95体積%の樹脂バインダ中に分散され、典型的には約20体積%〜約30体積%の光発生顔料が約70体積%〜約80体積%の樹脂バインダ組成物中に分散される。光発生層はまた、真空昇華により作製することができ、この場合バインダは存在しない。
実施形態では、任意の適した技術を使用して光発生層コーティング混合物を混合し、その後塗布してもよい。典型的な塗布技術としては、噴霧、浸漬コーティング、ロールコーティング、巻き線ロッドコーティング、真空昇華などが挙げられる。いくつかの用途では、電荷発生層はドットパターンまたはラインパターンで作製してもよい。溶媒コート層の溶媒の除去は、任意の適した技術、例えばオーブン乾燥、赤外線乾燥、空気乾燥などにより実施してもよい。実施形態では、電荷発生層は約0.1μm〜約100μm、例えば約0.1μm〜約50μmの厚さである。
実施形態では、電荷輸送層を使用してもよい。電荷輸送層は、電気的に不活性な膜形成ポリマー、例えばポリカーボネート中に溶解された、または分子分散された電荷輸送分子、例えば小分子を含んでもよい。電荷輸送「小分子(small molecule)」という表現は、本明細書で、発生層中で光発生した自由電荷を、輸送層を横切って輸送させるモノマーとして規定される。実施形態では、「溶解された(dissolved)」という用語は、例えば、分子がポリマー中に分散され均一相が形成される溶液を形成することを示す。実施形態では、「分子分散された(molecularly dispersed)」という表現は電荷輸送小分子がポリマー中に、例えば分子スケールで分散された分散物を示す。
任意の適した電荷輸送小分子または電気的に活性な小分子を電荷輸送層中で使用してもよい。
典型的な電荷輸送分子としては、例えば、ピレン、カルバゾール、ヒドラゾン、オキサゾール、オキサジアゾール、ピラゾリン、アリールアミン、アリールメタン、ベンジジン、チアゾール、スチルベンおよびブタジエン化合物類、ピラゾリン類、例えば、1−フェニル−3−(4’−ジエチルアミノスチリル)−5−(4’−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、ジアミン類、例えばN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン、ヒドラゾン類、例えばN−フェニル−N−メチル−3−(9−エチル)カルバジルヒドラゾンおよび4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,2−ジフェニルヒドラゾン、オキサジアゾール類、例えば2,5−ビス(4−N,N’−ジエチルアミノフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−N−ビニルカルバゾールハライド、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアクリジン、ピレン−ホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂、トリフェニルメタンポリマーおよびポリシラン、などが挙げられる。
実施形態では、高いスループットを有する機械でのサイクルアップ(cycle−up)を最小に抑える、または避けるために、電荷輸送層は、実質的にトリフェニルメタンを含まなくてもよい(例えば、電荷輸送層の0〜約2重量%未満)。上記のように、適した電気的に活性な小分子電荷輸送化合物は、電気的に不活性なポリマー膜形成材料中に溶解または分子分散される。
高い効率で、顔料から電荷発生層中に正孔を注入させ、非常に短い輸送時間で正孔を電荷輸送層を横切って輸送する例示的な小分子電荷輸送化合物は、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミンである。所望であれば、電荷輸送層中の電荷輸送材料はポリマー電荷輸送材料または小分子電荷輸送材料とポリマー電荷輸送材料との組み合わせを含んでもよい。
実施形態では、電荷輸送層は、膜形成バインダ中に溶解された、または分子分散された活性芳香族ジアミン分子を含んでもよく、これにより電荷輸送が可能になる。例示的な電荷輸送層が米国特許第4,265,990号において開示されており、この開示内容全体が参照により本明細書に組み入れられる。
必要に応じて用いるオーバーコート層を塗布するのに使用されるアルコール溶媒などの溶媒に実質的には不溶であることが理想的である任意の適した電気的に不活性な樹脂バインダを電荷輸送層において使用してもよい。典型的な不活性樹脂バインダとしては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル、ポリアリーレート、ポリアクリレート、ポリエーテル、ポリスルホンなどが挙げられる。分子量は、例えば約20,000〜約150,000まで変動させることができる。例示的なバインダとしては、ポリカーボネート類、例えばポリ(4,4’−イソプロピリデン−ジフェニレン)カーボネート(ビスフェノール−A−ポリカーボネートとも呼ばれる)、ポリカーボネート、ポリ(4,4’−シクロヘキシリジンジフェニレン)カーボネート(ビスフェノール−Z−ポリカーボネートとも呼ばれる)、ポリ(4,4’−イソプロピリデン−3,3’−ジメチル−ジフェニル)カーボネート(ビスフェノール−C−ポリカーボネートとも呼ばれる)、などが挙げられる。
任意の適した電荷輸送ポリマーはまた、この開示の電荷輸送層において使用してもよい。電荷輸送ポリマーは、オーバーコート層を塗布するのに使用される溶媒中に不溶であるべきである。これらの電気的に活性な電荷輸送ポリマー材料は、電荷発生層材料からの光発生正孔の注入を支持することができ、それを通してこれらの正孔を輸送することができるべきである。
任意の適した技術を使用して、電荷輸送層コーティング混合物を混合し、その後電荷発生層に塗布してもよい。典型的な塗布技術としては、噴霧、浸漬コーティング、ロールコーティング、巻き線ロッドコーティングなどが挙げられる。堆積させたコーティングの乾燥は任意の適した技術、例えばオーブン乾燥、赤外線乾燥、空気乾燥などにより実施してもよい。
一般に、電荷輸送層の厚さは約10〜約100μmであるが、この範囲外の厚さもまた使用することができる。電荷輸送層は、電荷輸送層上に置かれた正電荷が、照射がないと静電潜像の形成および保持を阻止するのに十分な速度で伝導されない程度まで絶縁体であるべきである。一般に、電荷輸送層の電荷発生層に対する厚さの比率は、約2:1〜200:1に維持されてもよく、場合によっては400:1と高くしてもよい。典型的には、電荷輸送層は、可視光または所期の用途の範囲の放射線に対し実質的に非吸収性であるが、光導電層、すなわち電荷発生層からの光発生された正孔の注入を可能とするという点で電気的に「活性」であり、これらの正孔はこれを通して輸送され、活性層の表面上の表面電荷が選択的に放電される。
オーバーコート層が電荷輸送層上に形成される。この保護オーバーコート層により、フォトレセプタデバイスの非本質的な寿命を増加させてもよく、画像形成装置で使用されると、良好な印刷品質または耐欠如性(deletion resistance)が維持される。
実施形態では、オーバーコート層は、少なくともフェノール樹脂とフェノール化合物との架橋生成物を含むフェノール性オーバーコート組成物である。フェノールはフェノール性オーバーコート層と電荷輸送層との間の接着促進剤として作用すると考えられる。
本明細書で記述したオーバーコート層は、連続であってもよく、約50μm未満、例えば約0.1μm〜約50μm、例えば約0.1μm〜約15μmの厚さを有してもよい。
実施形態では、フェノール性オーバーコート層は、フェノール樹脂とフェノール化合物との反応により架橋生成物を形成させることにより形成させてもよい。フェノール化合物はフェノール樹脂のための開始材料として、フェノール性オーバーコートの光導電性画像形成部材の電荷輸送層への接着を改善するように機能してもよい。架橋化合物を形成するフェノール樹脂とフェノール化合物との1つの可能な反応は下記の通りである。
Figure 0004845646
実施形態では、フェノール性オーバーコート層はさらに第三アリールアミンを含んでもよい。この第三アリールアミンは正孔輸送分子として機能する。第三アリールアミンがオーバーコート層中に存在する場合、必要に応じて架橋構造の一部となる可能性がある。実施形態では、フェノール性オーバーコート層はさらにヒドロキシル基を有する第三アリールアミン及びポリマーバインダを含んでもよい。
実施形態では、フェノール樹脂はレゾール型フェノール樹脂である。樹脂の分子量は約300〜約50,000の範囲である。本明細書で使用される可能性があるフェノール樹脂類としては、例えば、フェノール樹脂類、例えばPL4852(グンエイ化学工業株式会社、Gun’ei Kagaku Kogyo K.K.)、フェノール、p−tert−ブチルフェノールおよびクレゾールとのホルムアルデヒドポリマー類、例えばバルカム(VARCUM、登録商標)29159および29101(オキシケム社、OxyChem Company)およびデュライト(DURITE、登録商標)97(ボーデンケミカル、Borden Chemical)、アンモニア、クレゾールおよびフェノールとのホルムアルデヒドポリマー類、例えばバルカム(VARCUM、登録商標)29112(オキシケム社)、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビスフェノールとのホルムアルデヒドポリマー類、例えばバルカム(VARCUM、登録商標)29108および29116(オキシケム社)、クレゾールおよびフェノールとのホルムアルデヒドポリマー類、例えばバルカム(VARCUM、登録商標)29457(オキシケム社)、デュライト(DURITE、登録商標)SD−423A、SD−422A(ボーデンケミカル)、またはフェノールおよびp−tert−ブチルフェノールとのホルムアルデヒドポリマー類、例えばデュライト(DURITE、登録商標)ESD556C(ボーデンケミカル)が挙げられる。実施形態では、オーバーコート層は、約10wt%〜約70wt%のフェノール樹脂、例えば、オーバーコート層の約30wt%〜約65wt%を含んでもよい。
本明細書で使用したフェノール化合物は下記一般式を有してもよく、
(HO)−Ar−(OR)
式において、Arは6〜30の炭素原子(C6〜C30)を有するアリール基を示し、Rは1〜約30の炭素原子を有するアルキル基、ポリエステル、シロキサン含有官能基、または−[C2nO]−Gを示し、ここで、xは1〜約15の整数であり、yは1〜約5の整数であり、nは1〜約6の整数であり、Gは水素原子または1〜約15の炭素原子を有する脂肪族基を示す。実施形態では、シロキサン含有基はアルコキシシラン、例えば、−Si(OCH、−SiMe(OCH、−SiMe(OCH)、−Si(OCHCH、など、ポリジメチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、などとしてもよい。
実施形態では、フェノール化合物はアルコキシフェノールであってもよい。本明細書で使用するのに適したアルコキシフェノール類の例としては、例えば、2−メトキシフェノール、2−エトキシフェノール、2−イソプロポキシ−フェノール、4−エトキシフェノール、4−メトキシフェノール、モノ−tert−ブチル−4−メトキシフェノールおよびジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、3−メトキシフェノール、3−(トリフルオロメトキシ)フェノール、グアヤコール、4−(トリフルオロメトキシ)フェノール、4−プロポキシフェノール、4−ブトキシフェノール、4−ヘキシルオキシフェノール、4−ヘプチルオキシフェノール、3,4,5−トリメトキシフェノール、2,3−ジメトキシフェノール、3,4−ジメトキシフェノール、3,5−ジメトキシフェノール、3−メトキシカテコール、5−メトキシレゾルシノール、メトキシヒドロキノン、7−メトキシ−2−ナフトール、4−メトキシ−1−ナフトール、などが挙げられる。
実施形態では、オーバーコートは、約1wt%〜約30wt%のフェノール化合物、例えばオーバーコート層の約2wt%〜約15wt%を含んでもよい。
実施形態では、オーバーコートはさらに、第三アリールアミン、例えばフェノール樹脂と反応することができる官能基を有する第三アリールアミンを含む正孔輸送材料を含有してもよい。第三アミン上の官能基の例としてはフェノール基、ヒドロキシル基、アセチル基、アルコキシ基、メラミン基などが挙げられる。
実施形態では、第三アリールアミンは下記一般式を有し、
Figure 0004845646

式において、Ar、Ar、ArおよびArはそれぞれ独立して置換または非置換アリール基を示し、Arは置換または非置換アリールもしくはアリーレン基を示し、kは0または1である。実施形態では、Ar、Ar、ArおよびArはそれぞれ独立して6から30の炭素原子(C6〜C30)を有する置換または非置換アリール基を示し、Arは6から60の炭素原子(C6〜C60)を有する置換または非置換アリールもしくはアリーレン基を示し、kは0または1である。実施形態では、Ar、Ar、ArおよびArの少なくとも1つは第三アリールアミンの官能基に結合されている。
第三アリールアミン類の例としては、下記化学式が挙げられるが、それらに限定されない。
Figure 0004845646
実施形態では、オーバーコート層は約3wt%〜約80wt%の第三アリールアミン正孔輸送分子、例えばオーバーコート層の約3wt%〜約40wt%を含んでもよい。
オーバーコート層のためのポリマーバインダは、1または複数の熱可塑性および熱硬化性樹脂類、例えばポリアミド、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリシロキサン、ポリアクリレート、ポリビニルアセタール、フェニレンオキシド樹脂、テレフタル酸樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、アクリロニトリルコポリマー、セルロース膜形成体、ポリ(アミドイミド)およびメラミン−ホルムアルデヒド樹脂などを含んでもよく、ポリビニルブチラールを含むことが好ましい。これらのポリマー類はブロックコポリマー類、ランダムコポリマー類または交互コポリマー類としてもよい。ポリビニルブチラール(PVB)などのポリマーバインダは、コーティングに対し所望のレオロジーを提供してもよく、オーバーコート膜のコーティング品質を改善してもよい。
実施形態では、オーバーコート層は、オーバーコート層の約1wt%〜約20wt%のポリマーバインダ、例えば約1wt%〜約10wt%、または約3wt%〜約10wt%のポリマーバインダを含む。
オーバーコート層のためのコーティング溶媒として使用するために選択することができる溶媒の例は、ケトン類、アルコール類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化脂肪族炭化水素類、エーテル類、アミン類、アミド類、エステル類などである。具体例はシクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、1−ブタノール、アミルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸メトキシエチル、などである。
実施形態では、オーバーコートは任意の適した技術、例えば、全ての成分を一緒に混合することにより調製される。オーバーコート層コーティング混合物はその後、任意の適した塗布技術、例えば噴霧、浸漬コーティング、ロールコーティング、巻き線ロッドコーティング、などにより塗布される。堆積されたオーバーコート層を任意の適した技術、例えばオーブン乾燥、赤外線乾燥、などにより乾燥させてもよい。架橋オーバーコート層を形成するためのフェノール樹脂とフェノール化合物との間の反応は、堆積させたオーバーコート層を乾燥させる時に生じさせてもよい。
本明細書で開示したオーバーコート層は、画像形成部材の電気的性能に、許容されない程度まで、実施的に悪影響を及ぼすことなく、光導電性画像形成部材の電荷輸送層に対し優れた接着性を達成する。
さらに、必要であれば、または所望であれば、フォトレセプタ中の任意の層間に接着層を備えることができ、隣接する任意の層間での接着が確実なものとなる。その代わりに、またはさらに、接着材料を、接着されるべき個々の層の1つまたは両方中に混入させることができる。そのような必要に応じて用いる接着層の厚さは、約0.001μm〜約0.2μmとしてもよい。そのような接着層は、例えば、接着材料を適当な溶媒に溶解し、手で、噴霧、浸漬コーティング、ドローバーコーティング、グラビアコーティング、シルクスクリーニング、エアナイフコーティング、真空蒸着、化学処理、ロールコーティング、巻き線ロッドコーティングなどにより塗布し、乾燥させて溶媒を除去することにより塗布することができる。適した接着剤としては膜形成ポリマー類、例えば、ポリエステル、デュポン(DuPont)49,000(E.I.デュポンドヌムール社(E.I.DuPont de Nemours & Co.)から入手可能)、ヴィテル(VITEL)PE−100(グッドイヤータイヤアンドラバー社(Goodyear Tire and Rubber Co.)から入手可能)、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン、ポリメチルメタクリレートなどが挙げられる。
必要に応じて、アンチカールバッキング層を使用して、支持基材層の反対側の1つまたは複数の層の総力の均衡をとってもよい。アンチカールバッキング層の例は米国特許第4,654,284号において記述されている。この全開示内容は参照により本明細書に組み入れられる。フレキシブルフォトレセプタでは、約70〜約160μmの厚さを十分な範囲としてもよい。
デジタルを含む画像形成、とりわけ電子写真画像形成、および印刷プロセスもまた、本明細書に含まれる。より具体的には、光導電性画像形成部材は、例えば、電子写真画像形成プロセス、とりわけ、帯電潜像が、適当な帯電極性のトナー組成物により可視化される電子写真画像形成および印刷プロセスを含む多くの異なる公知の画像形成および印刷プロセスのために選択することができる。さらに、この開示内容の画像形成部材は、カラー電子写真用途、特に高速カラーコピーおよび印刷プロセスにおいて有益である。
本明細書で説明した光導電性デバイスを用いて画像形成および印刷する方法もまた本開示内容に含まれる。これらの方法は一般に、画像形成部材上で静電潜像を形成させる工程と、その後、画像を、例えば熱可塑性樹脂と、顔料などの着色剤と、帯電添加剤と、表面添加剤とを含むトナー組成物(米国特許第4,560,635号、同第4,298,697号および同第4,338,390号を参照のこと。これらの開示内容は、参照により全体が本明細書に組み入れられる)で現像する工程と、続いて、画像を適した基質に転写する工程と、画像をその基質に永久に付着させる工程と、を含む。
下記実施例は、本開示内容の実施形態を説明するために提示したものである。
<実施例1>
(フォトレセプタドラム調製)
酸化チタン/フェノール樹脂分散物を、15gの二酸化チタン(STR60N(商標)、サカイカンパニー(Sakai Company))および20gのフェノール樹脂(バルカム(VARCUM、商標)29159、オキシケム社、重量平均分子量Mは約3,600、粘度は約200cps)を、7.5gの1−ブタノールと7.5gのキシレンの混合物中で、120gの1mm直径サイズのZrOビーズを用いて5日間ボールミルすることにより調製する。別に、SiOおよびフェノール樹脂のスラリーを、10gのSiO(P100、エスプリット(Esprit))と3gの上記フェノール樹脂を、19.5gの1−ブタノールと19.5gのキシレンの混合物に添加することにより調製する。
得られた二酸化チタン分散物を20μmの細孔サイズのナイロン布を用いて濾過する。濾液をホリバキャパ(Horiba Capa)700粒子サイズアナライザ(Particle Size Analyzer)を用いて測定すると、上記TiO/バルカム分散物に関し、直径50nmの粒子サイズおよび表面積30m/gを有するメジアンTiOが得られる。さらに、5gの1−ブタノール、5gのキシレン、2.6gのビスフェノールS(4,4’−スルホニルジフェノール)、および5.4gの上記調製したSiO/バルカムスラリーの溶媒を、上記で得られた50gの二酸化チタン/バルカム分散物に添加する。これはコーティング分散物と呼ばれる。
洗剤で洗浄し、脱イオン水ですすいだアルミニウムドラムをその後、コーティング分散物を用い、引き上げ速度160mm/分で浸漬コートさせる。その後、アルミニウムドラムを160℃で15分間乾燥させると、TiO/SiO/バルカム/ビスフェノールSを重量比約52.7/3.6/34.5/9.2で有し、厚さが3.5μmであるアンダーコート層(UCL)が得られる。
0.5μmの厚さの光発生層をその後、n−ブチルアセテート(475部)に分散させたV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン(12部)と、アルキルヒドロキシガリウムフタロシアニン(3部)と、塩化ビニル/酢酸ビニルコポリマー、ダウケミカルから入手可能なVHCM(数平均分子量M=27,000、約86重量%の塩化ビニル、約13重量%の酢酸ビニル、および約1重量%のマレイン酸)(10部)との分散物から、以上で作製したアンダーコート層の上面に浸漬コートさせる。
その後、24μmの厚さの電荷輸送層を、テトラヒドロフラン(THF)(546部)とモノクロロベンゼン(234部)との混合物に溶解したN,N’−ジフェニル−N,N−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(82.3部)と、アルドリッチ(Aldrich)から入手した2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)と、ポリカーボネート(2.1部)と、(株)三菱ガス化学(Mitsubishi Gas Chemical Company,Ltd.)から入手可能なPCZ−400[ポリ(4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニル−1−1−シクロヘキサン)、M=40,000](123.5部)との溶液から、光発生層の上面に、浸漬コートさせる。その後、電荷輸送層を115℃で60分間乾燥させる。
<実施例2>
(フレキシブルベルトフォトレセプタ調製)
厚さ0.005μmの加水分解されたγアミノプロピルトリエトキシシランの障壁層を、乾燥バー技術により、75μmの厚さのチタン化マイラー(MYLAR、登録商標)基材上にコートさせる。障壁層コーティング組成物は、3−アミノプロピルトリエトキシシランをエタノールと1:50の体積比で混合することにより調製する。コーティングを5分間室温で乾燥させ、その後強制空気オーブン中110℃で10分間硬化させる。
障壁層の上面に、2重量%のデュポン49K(49,000)ポリエステルのジクロロメタン溶液から調製した0.05μmの厚さの接着層をコートする。その後、接着層の上面に、巻き線ロッドにより、n−ブチルアセテート(960部)に分散させた、ヒドロキシガリウムフタロシアニンV型(22部)と、塩化ビニル/酢酸ビニルコポリマー、とりわけダウケミカルから入手可能なVMCH(M=27,000、約86重量%の塩化ビニル、約13重量%の酢酸ビニル、および約1重量%のマレイン酸)(18部)との分散物から0.2μmの光発生層をコートし、続いて、100℃で10分間乾燥させる。
その後、24μmの厚さの電荷輸送層を、テトラフドロフラン(THF)(410部)とモノクロロベンゼン(410部)との混合物に分散されたN,N’−ジフェニル−N,N−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(67.8部)と、アルドリッチから入手した2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)と、ポリカーボネート(1.7部)と、(株)三菱ガス化学から入手可能なPCZ−400[ポリ(4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニル−1−1−シクロヘキサン)、M=40,000](102部)との溶液から、ドローバーにより光発生層の上面にコートする。その後、電荷輸送層を115℃で60分間乾燥させる。
<比較例ならびに実施例3および4>
(オーバーコート溶液調製およびコーティング)
フェノール樹脂、トリフェニルアミン−(CHOH)、4−エトキシフェノール、ポリビニルブチラール(BX−L(登録商標)、(株)積水化学(Sekisui Chemical Co.,Ltd.)により製造)、および1−ブタノールを含む一連の混合物を、表1の処方に従い計量し、3時間混合する。0.45μmシリンジフィルタを通して濾過した後、オーバーコート溶液、例えば、比較例(オーバーコート層1)、実施例3(オーバーコート層2)および実施例4(オーバーコート層3)をフォトレセプタの上面にコートする(使用したフォトレセプタは各オーバーコート層に対し同じである)。比較例1は接着促進剤およびポリマーバインダのいずれも含まない。実施例3および実施例4はそれぞれ、固体の2.74重量%および1重量%の4−エトキシフェノール、ならびに固体の5重量%のBX−L(登録商標)を含む。コートしたフォトレセプタデバイスをオーブン中、130℃で10分間加熱する。さらに、フォトレセプタデバイスはメタノール、アセトンなどの有機溶媒に対し抵抗性がある。
Figure 0004845646
(引きはがし試験)
スコッチ(SCOTCH、商標)テープのストリップを上面にオーバーコートを有するフォトレセプタの表面に接着させる。スコッチ(商標)テープをフォトレセプタの表面に完全に接着させた後、スコッチ(商標)テープを試験デバイスの一端から直ちに引き剥がす。結果を表2に示す。実施例3および実施例4は電荷輸送層に対し非常に強力な接着力を有するが、比較例の電荷輸送層への接着力はかなり弱い。
Figure 0004845646
(コーティング品質)
比較例のオーバーコート層に比べ、実施例3および実施例4のフェノール性オーバーコート層によるコーティング品質の改善は、ヒトの目による単純な観察によっても明らかである。比較例では、表面に多くの欠陥が見られたが、実施例3および4の両方では、欠陥のない滑らかな表面が観察される。
(フォトレセプタデバイス評価)
上記で調製した光導電性画像形成部材および他の同様の部材の電子写真電気特性は、表面を、電位計に取り付けた容量結合されたプローブにより測定されるように、表面電位が約−800ボルトの初期値(V)となるまでコロナ放電源により静電的に帯電させることを含む、公知の手段により決定することができる。0.5秒間、暗闇に置いた後、帯電部材はある表面電位に到達する(Vddp、暗発現電位(dark development potential))。
その後、各光導電性画像形成部材を、フィルター付きキセノンランプからの光に露光し、これにより光放電を誘導し、表面電位が減少する(Vbg値、バックグラウンド電位)。光放電パーセントを100×(Vddp−Vbg)/Vddpとして計算する。
露光される光の所望の波長およびエネルギーはランプの前に配置されるフィルタの型により決定される。単色光感光性は、狭帯域フィルタを用いて決定する。画像形成部材の感光性は通常、Vddpから初期値の半分までの50%光放電を達成するのに必要とされる露光エネルギーの量(ergs/cm)の観点から提供される(E1/2)。感光性が高いほど、E1/2値が小さくなる。E7/8値はVddpから7/8の光放電が達成されるのに必要な露光エネルギーに対応する。
デバイスを最後に、適当な光強度の消去ランプに曝露させ、残留電位(Vresidual)があれば測定する。画像形成部材について、780+/−10nmの波長の単色光露光、ならびに600〜800nmの波長および200erg・cmの強度を有する消去光を用いて試験する。
下記表3はこれらのデバイスに対する電気性能をまとめたものである。表3により、光導電性画像形成部材の電気特性が、オーバーコート層により悪影響を受けないことが明確に証明される。
Figure 0004845646

Claims (3)

  1. 基材と、
    電荷発生層と、
    電荷輸送層と、
    少なくともフェノール樹脂とアルコキシフェノール化合物との架橋生成物を含むオーバーコート層と、
    を備え、
    前記アルコキシフェノール化合物は、2−メトキシフェノール、2−エトキシフェノール、2−イソプロポキシ−フェノール、4−エトキシフェノール、4−メトキシフェノール、モノ−tert−ブチル−4−メトキシフェノールおよびジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、3−メトキシフェノール、3−(トリフルオロメトキシ)フェノール、グアヤコール、4−(トリフルオロメトキシ)フェノール、4−プロポキシフェノール、4−ブトキシフェノール、4−ヘキシルオキシフェノール、4−ヘプチルオキシフェノール、3,4,5−トリメトキシフェノール、2,3−ジメトキシフェノール、3,4−ジメトキシフェノール、3,5−ジメトキシフェノール、3−メトキシカテコール、5−メトキシレゾルシノール、メトキシヒドロキノン、7−メトキシ−2−ナフトール、4−メトキシ−1−ナフトールから選択される少なくとも1つである、光導電性画像形成部材。
  2. 少なくとも1つの帯電ユニットと、
    少なくとも1つの露光ユニットと、
    少なくとも1つの現像ユニットと、
    転写ユニットと、
    クリーニングユニットと、
    基材と、電荷発生層と、電荷輸送層と、少なくともフェノール樹脂とアルコキシフェノール化合物との架橋生成物を含み、前記アルコキシフェノール化合物は、2−メトキシフェノール、2−エトキシフェノール、2−イソプロポキシ−フェノール、4−エトキシフェノール、4−メトキシフェノール、モノ−tert−ブチル−4−メトキシフェノールおよびジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、3−メトキシフェノール、3−(トリフルオロメトキシ)フェノール、グアヤコール、4−(トリフルオロメトキシ)フェノール、4−プロポキシフェノール、4−ブトキシフェノール、4−ヘキシルオキシフェノール、4−ヘプチルオキシフェノール、3,4,5−トリメトキシフェノール、2,3−ジメトキシフェノール、3,4−ジメトキシフェノール、3,5−ジメトキシフェノール、3−メトキシカテコール、5−メトキシレゾルシノール、メトキシヒドロキノン、7−メトキシ−2−ナフトール、4−メトキシ−1−ナフトールから選択される少なくとも1つである、オーバーコート層と、を備える光導電性画像形成部材と、
    を備える画像形成装置。
  3. 基材を提供する工程と、
    前記基材上に下地層を形成する工程と、
    前記下地層上に電荷発生層を形成する工程と、
    前記電荷発生層上に電荷輸送層を形成する工程と、
    前記電荷輸送層上にオーバーコート層を形成する工程と、
    を含み、
    前記オーバーコート層が少なくともフェノール樹脂とアルコキシフェノール化合物との架橋生成物を含み、前記アルコキシフェノール化合物は、2−メトキシフェノール、2−エトキシフェノール、2−イソプロポキシ−フェノール、4−エトキシフェノール、4−メトキシフェノール、モノ−tert−ブチル−4−メトキシフェノールおよびジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、3−メトキシフェノール、3−(トリフルオロメトキシ)フェノール、グアヤコール、4−(トリフルオロメトキシ)フェノール、4−プロポキシフェノール、4−ブトキシフェノール、4−ヘキシルオキシフェノール、4−ヘプチルオキシフェノール、3,4,5−トリメトキシフェノール、2,3−ジメトキシフェノール、3,4−ジメトキシフェノール、3,5−ジメトキシフェノール、3−メトキシカテコール、5−メトキシレゾルシノール、メトキシヒドロキノン、7−メトキシ−2−ナフトール、4−メトキシ−1−ナフトールから選択される少なくとも1つである光導電性画像形成部材の製造方法。
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