以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る可搬型アンテナ10の構成例を示したもので、(a)は可搬型アンテナ10を2つに折り畳んで収納状態としたときの形態を示す斜視図、(b)は可搬型アンテナ10を平面状に展開して最大受信状態としたときの形態を示す斜視図、(c)は角筒状に折り曲げて無指向受信状態としたときの形態を示す斜視図である。図2は、可搬型アンテナ10のアンテナカバー11内に収納されるアンテナ素子12を平面状に展開して示す正面図である。
アンテナカバー11は、図1に示すように絶縁体例えば合成樹脂からなる第1ないし第4のカバー21〜24により構成され、その内部にアンテナ素子12が収納される。上記第1ないし第4のカバー21〜24は、絶縁体例えば合成樹脂からなる2軸の中央可動軸25及び側部可動軸26、27により回転可能に連結されている。また、両側に位置する第1のカバー21と第4のカバー24には、結合部28、29が設けられ、任意に分離、結合ができるようになっている。
また、中央可動軸25の外側下方には、給電ケーブル31を保持するケーブル保持部32が設けられる。上記保持するケーブル保持部32により保持された給電ケーブル31は、先端がアンテナカバー11内に挿入され、中心導体及び外導体がアンテナ素子12の給電点16に接続される。
上記のように第1ないし第4のカバー21〜24を中央可動軸25及び側部可動軸26、27により回転可能に連結することにより、例えば図1(a)に示すように2つに折り畳んだり(収納時)、図1(b)に示すように平面状に展開したり(最大受信状態時)、図1(c)に示すようにそれぞれ90°折り曲げて角筒状に形成する(無指向受信状態時)等、複数の形態に展開することができる。上記アンテナカバー11、中央可動軸25及び側部可動軸26、27の詳細については後述する。
上記アンテナ素子12は、図2に示すように柔軟性を有するフィルム導体や薄膜導体を用いて全長がL、高さがHの長方形に形成され、中央部に略T字状のスロット13を設けて左右に板状ダイポール素子14a、14bを構成している。上記アンテナ素子12は、例えば全長Lが約0.35λa、高さHが約0.1λaに設定される。上記λaは、例えばUHF周波数帯470〜770MHzにおける下端周波数470MHzの波長を示している。
上記板状ダイポール素子14a、14bには、スロット13の下側に切溝15が設けられ、この切溝15の上方においてスロット13の下部両側に位置するように給電点16が設けられる。更に、板状ダイポール素子14a、14bには、給電点16より上方でスロット13の両側に位置するように複数例えば4つの爪挿通穴17が設けられる。上記切溝15及び爪挿通穴17は、アンテナ素子12をアンテナカバー11内の所定位置に保持するためのものである。
また、板状ダイポール素子14a、14bには、それぞれ上側及び下側の中央部に所定幅の切欠き18が4つ設けられる。この切欠き18は、アンテナ素子12をアンテナカバー11内に収納し、アンテナカバー11を平板状に展開あるいは折曲げた際にアンテナカバー11内の構成部材に当接しないようにするためのものである。
上記のように構成されたアンテナ素子12は、図1に示したようにアンテナカバー11内に収納される。この場合、一方の板状ダイポール素子14aは第1及び第2のカバー21、22内に収納され、他方の板状ダイポール素子14aは第3及び第4のカバー23、24内に収納される。
次に上記アンテナカバー11、中央可動軸25及び側部可動軸26、27の詳細について図3ないし図5を参照して説明する。
図3(a)はアンテナ素子12、中央可動軸25、第2のカバー22及び第3のカバー23の要部を分解して示す斜視図、同図(b)は中央可動軸25部分におけるアンテナ素子12の保持構造を示す図である。図4は中央可動軸25及び第1ないし第4のカバー21〜24の取付け構造を示す分解斜視図である。図5は第1のカバー21と第2のカバー22との間に設けられる側部可動軸26におけるアンテナ素子12の保持構造を示す断面図である。
アンテナカバー11を構成する第1ないし第4のカバー21〜24は、図4に示すようにそれぞれ前面カバーと背面カバーを備えている。すなわち、第1のカバー21は前面カバー21aと背面カバー21b、第2のカバー22は前面カバー22aと背面カバー22b、22c、第3のカバー23は前面カバー23aと背面カバー23b、23c、第4のカバー24は前面カバー24aと背面カバー24bにより構成される。
また、可動軸本体41の外側下部にケーブル保持部32が一体に設けられる。この場合、ケーブル保持部32は、上部保持部32aと下部保持部32bに分割して設けられており、上部保持部32aが可動軸本体41側に設けられ、下部保持部32bが下部軸受板43に設けられる。上記ケーブル保持部32については詳細を後述する。
また、中央可動軸25は、図3(a)、図7に示すように略半円筒状の可動軸本体41の上部に円形の上部軸受板42が一体に設けられ、可動軸本体41の下側には別体に構成された円形の下部軸受板43が装着される。上記上部軸受板42には、可動軸本体41の左右方向に位置するように例えば透孔からなる軸受44a、44bが所定の間隔で設けられる。また、下部軸受板43には、上記上部軸受板42の軸受44a、44bに対応する位置に例えば透孔からなる軸受45a、45bが設けられる。
更に上記可動軸本体41には、左右両側の下部先端に係止片46が突出して設けられると共に、この係止片46に対応するように下部軸受板43に係止溝47が設けられる。上記可動軸本体41の係止片46を下部軸受板43の係止溝47内に挿入することにより、可動軸本体41の下端部に下部軸受板43を装着する。
また、中央可動軸25の内側に位置するように絶縁材例えば合成樹脂からなる外側素子押え51及び内側素子押え52が設けられる。上記外側素子押え51及び内側素子押え52は、図3(b)に示すように断面が略U字状に形成され、両者間でアンテナ素子12の中央部を保持する。上記外側素子押え51には、両側の内壁に4つの爪53が突出して設けられると共に、下側に近接してケーブル挿通穴54a、54bが設けられる。上記爪53は、アンテナ素子12の爪挿通穴17(図2参照)に対応して設けられる。一方、内側素子押え52の両側の壁部には、外側素子押え51の爪53に対応する位置に爪嵌合部55が設けられる。また、内側素子押え52の内側面には、上下両端の中央部に略半円状の溝56a、56bが設けられる。
更に、外側素子押え51の外側には、図3(a)に示すように下側近傍の中央部で、ケーブル挿通穴54a、54bより少し上方位置に所定長さのガイド部材57が長手方向に沿って設けられる。このガイド部材57の両側には、外側素子押え51に接する部分に溝58が形成されており、この溝58に沿って上記ケーブル保持部32の上部保持部32a及び下部保持部32bの側部を上下両側から挿入して保持するようになっている。
そして、上記外側素子押え51及び内側素子押え52によりアンテナ素子12を保持する場合、先ず外側素子押え51の内側に沿ってアンテナ素子12の中央部を位置させ、外側素子押え51に設けた爪53をアンテナ素子12の爪挿通穴17内を挿通させる。そして、外側素子押え51の外部から給電ケーブル31の中心導体31a及び外導体31bをケーブル挿通穴54a、54b内に挿入し、アンテナ素子12の給電点16に半田付けにより接続する。次いで、外側素子押え51の内側に上記アンテナ素子12を間に介在して内側素子押え52を位置させ、爪嵌合部55を爪53に嵌合させて外側素子押え51と内側素子押え52とを固定する。このとき内側素子押え52は、アンテナ素子12及び給電ケーブル31の中心導体31a及び外導体に圧接し、アンテナ素子12の曲がりを防止すると共に給電ケーブル31の抜けを防止する。
その後、図3(a)に示すように外側素子押え51の外側に中央可動軸25の可動軸本体41及び下部軸受板43を装着する。すなわち、外側素子押え51の外側に中央可動軸25の可動軸本体41を位置させ、可動軸本体41に設けられているケーブル保持部32の上部保持部32aの側部を外側素子押え51に設けたガイド部材57の溝58内に上方から挿入すると共に、下部軸受板43に設けられているケーブル保持部32の下部保持部32bの側部を上記ガイド部材57の溝58内に下方から挿入し、ケーブル保持部32の上部保持部32a及び下部保持部32bを結合させる。このとき中央可動軸25は、可動軸本体41の下部両側端に設けた係止片46を下部軸受板43の係止溝47内に挿入し、可動軸本体41と下部軸受板43とを結合する。また、同時にケーブル保持部32の上部保持部32aと下部保持部32bとの間に給電ケーブル31を挟んで保持する。このケーブル保持部32における給電ケーブル31の保持構造については詳細を後述する。
また、上記中央可動軸25には、可動軸本体41と下部軸受板43とを結合する際に第2のカバー22及び第3のカバー23が装着され、上部軸受板42に設けた軸受44a、44b及び下部軸受板43に設けた軸受45a、45bにより第2のカバー22及び第3のカバー23を軸支する。
第2のカバー22の前面カバー22aは、略四角形に形成され、上下両側に沿って側板61a、61bが設けられている。この側板61a、61bには、中央可動軸25に隣接する側に軸板62a、62bが設けられ、第1のカバー21に隣接する側には軸板63a、63bが設けられる。中央可動軸25に隣接する側の軸板62a、62bには、それぞれ所定長さの軸64が外側方向に突出して設けられ、第1のカバー21に隣接する軸板63a、63bには所定長さの軸65が内側方向に突出して設けられる。また、側板61a、61bの内側面には、背面カバー22bと結合するための爪66がそれぞれ2つずつ設けられる。上記前面カバー22aは、軸板62a、62bに設けられた軸64が中央可動軸25の上部軸受板42に設けられた軸受44a及び下部軸受板43に設けられた軸受45a内に挿入されて回転自在に保持される。
そして、上記第2のカバー22の前面カバー22aには、図4に示すように背面カバー22b、22cが装着される。背面カバー22cは、背面カバー22bより横幅が小さく形成されており、背面カバー22bの側方に着脱自在に結合される。背面カバー22bには、上下両側の外側面に爪結合穴67が2つずつ設けられている。上記爪結合穴67は、前面カバー22a側の爪66に対応する位置に設けられ、爪66と結合することで前面カバー22aに対して背面カバー22b、22cが保持される。
また、第3のカバー23の前面カバー23aは、上記第2のカバーの前面カバー22aと同様の構成となっている。すなわち、第3のカバー23の前面カバー23aは、略四角形に形成され、上下両側に沿って側板71a、71bが設けられている。この側板71a、71bには、中央可動軸25に隣接する側に軸板72a、72bが設けられ、第4のカバー24に隣接する側に軸板73a、73bが設けられる。中央可動軸25に隣接する側の軸板72a、72bには、それぞれ所定長さの軸74が外側方向に突出して設けられ、第4のカバー24に隣接する軸板73a、73bには所定長さの軸75が内側方向に突出して設けられる。また、側板71a、71bの内側面には、背面カバー23bと結合するための爪76がそれぞれ2つずつ設けられる。上記前面カバー23aは、軸板72a、72bに設けられた軸74が中央可動軸25の上部軸受板42に設けられた軸受44b及び下部軸受板43に設けられた軸受45b内に挿入されて回転自在に保持される。
上記のように第2のカバー22及び第3のカバー23は、2軸の中央可動軸25にそれぞれ軸支されて任意に回転することができる。一方、中央可動軸25は、第2のカバー22及び第3のカバー23に対して±45°の範囲で回転することが可能である。
そして、上記第3のカバー23の前面カバー23aには、背面カバー23b、23cが装着される。背面カバー23cは、背面カバー23bより横幅が小さく形成されており、背面カバー23bの側方に着脱自在に結合される。背面カバー23bには、上下両側の外側面に爪結合穴77が2つずつ設けられている。上記爪結合穴77は、前面カバー23a側の爪76に対応する位置に設けられ、爪76と結合することで前面カバー23aに対して背面カバー23b、23cが保持される。
そして、図4に示すように第2のカバー22の前面カバー22aに設けられた軸65に対して第1のカバー21が回転可能に装着される。第1のカバー21の前面カバー21a及び背面カバー21bには、第2のカバー22に隣接する側に半円筒状の一対の軸受筒81a、81bが設けられ、他の側縁に沿って略コの字状の側板82a、82bが設けられる。上記軸受筒81a、81bは、2つ合わせることで略円筒状となるように設定され、上下端部の内径が第2のカバー22の軸板62a、62bに設けた軸65に対応して設定され、この軸65を中心として回転できるようになっている。
また、上記軸受筒81a、81bは、図5に示すように構成される。図5は軸受筒81a、81b部分を断面して示したもので、(a)は第1のカバー21と第2のカバー22を平面状に展開した場合、(b)は第1のカバー21を第2のカバー22に対して90°回転した状態を示している。
図5(a)に示すように、第1のカバー21は前面カバー21aと略同一平面において軸受筒81aが形成され、前面カバー21aと軸受筒81aとの境界において前面側に係止溝83が設けられる。また、第1のカバー21の背面カバー21bには、側部先端から第1のカバー21の内側方向に突出して軸受筒81bが形成される。第1のカバー21と第2のカバー22を平面状に展開した場合、上記背面カバー21bの側部先端が第2のカバー22の背面カバー22b側部に当接して平面状態に保持されるようになっている。また、上記軸受筒81a、81b間に所定の間隙が形成され、この間隙部分にアンテナ素子12が挿通できるようになっている。
そして、図5(b)に示すように第1のカバー21と第2のカバー22を前面側に90°折曲げた場合、第1のカバー21の前面カバー21aに設けた係止溝83に第2のカバー22の前面カバー22a側部が当接して係止される。また、このとき第1のカバー21の背面カバー22bに設けた軸受筒81bが折曲げ角部に位置し、アンテナ素子12が外部に露出しないように保護している。なお、図5では、第1のカバー21と第2のカバー22との間に設けられる側部可動軸26について説明したが、第3のカバー23と第4のカバー24との間に設けられる側部可動軸27においても同様のとなっている。
また、図4に示すように第1のカバー21の前面カバー21aには、上側縁及び下側縁の内側に2つの爪84が所定の間隔で設けられる。一方、第1のカバー21の背面カバー21bには、上側縁及び下側縁の外側に爪結合穴85が設けられる。上記爪結合穴85は、前面カバー21a側の爪84に対応する位置に設けられ、爪84と結合することで前面カバー21aに背面カバー21bが結合される。
また、第1のカバー21の前面カバー21aには、側板82aの上下外側面に所定長さの支持部材86が突出して設けられる。更に前面カバー21aの側板82aには、軸受筒81a、81bと反対側の位置に結合部28が設けられる。
また、第4のカバー24は、上記第1のカバー21と同様に構成される。すなわち、第4のカバー24は、第3のカバー23の前面カバー23aに軸75に対して第4のカバー24が回転可能に装着される。第4のカバー24の前面カバー24a及び背面カバー24bには、第3のカバー23に隣接する側に半円筒状の軸受筒91a、91bが設けられ、他の側縁に沿って略コの字状の側板92a、92bが設けられる。上記軸受筒91a、91bは、2つ合わせることで略円筒状となるように設定され、上下端部の内径が第3のカバー23の軸板72a、72bに設けた軸75に対応して設定され、この軸75を中心として回転できるようになっている。軸受筒91a、91bは、第1のカバー21の軸受筒81a、81bと同様の構成であるので、詳細な説明は省略する。
また、第4のカバー24の前面カバー24aには、上側縁及び下側縁の内側に2つの爪94が所定の間隔で設けられる。一方、第4のカバー24の背面カバー24bには、上側縁及び下側縁の外側に爪結合穴95が設けられる。上記爪結合穴95は、前面カバー24a側の爪94に対応する位置に設けられ、爪94と結合することで前面カバー24aに背面カバー24bが結合される。
また、上記前面カバー24aには、側板92aの上下外側面に所定長さの支持部材96が突出して設けられる。更に前面カバー24aの側板92aには、軸受筒91a、91bと反対側の位置に結合部29が設けられる。
次に、上記第1のカバー21の結合部28と第4のカバー24の結合部29の詳細を図6を参照して説明する。
図6は、第1のカバー21の結合部28と第4のカバー24の結合部29の断面図である。第1のカバー21の結合部28には、結合凹部101a、101bと結合凸部102a、102bが交互に設けられる。一方、第4のカバー24の結合部29には、第1のカバー21の結合部28の結合凹部101a、102bに対応する位置に結合凸部103a、103bが設けられ、結合部28の結合凸部102a、102bに対応する位置に結合凹部104a、104bが設けられる。
また、第1のカバー21の結合部28には、結合凸部102aの上端に略半球状の結合溝106が設けられ、結合凸部102aの上端に略半球状の結合突起107が設けられる。一方、第4のカバー24の結合部29には、結合凸部103aの下端に略半球状の結合突起108が設けられ、結合凸部103bの下端に結合溝109が設けられる。
上記第1のカバー21の結合部28と第4のカバー24の結合部29を結合させた場合、結合部28の結合凸部102aに設けた結合溝106内に結合部29の結合凸部103aに設けた結合突起108が挿入されると共に、結合部28の結合凸部102bに設けた結合突起107が結合部29の結合凸部103bに設けた結合溝109内に挿入されて結合される。この場合、結合溝106、109及び結合突起107、108が略半球状に形成されているので、第1のカバー21及び第4のカバー24は結合突起107、108を軸として水平方向に任意に回転することができる。
また、第1のカバー21及び第4のカバー24は、弾性力を有する合成樹脂等で形成されているので、結合部28と結合部29とを容易に結合させ、また分離することができる。
次に中央可動軸25に設けられたケーブル保持部32の詳細について図7を参照して説明する。図7は中央可動軸25及びケーブル保持部32の詳細な構成を示したもので、(a)は中央可動軸25の可動軸本体41と下部軸受板43とを分解して示す斜視図、(b)は同図(a)における可動軸本体41と下部軸受板43を分解して示すケーブル保持部部分のA矢視図、(c)は同図(a)における可動軸本体41と下部軸受板43とを結合した状態を示すケーブル保持部部分のA矢視図である。
下部軸受板43に設けられるケーブル保持部32の下部保持部32bは、ケーブル固定部材111とケーブル保持部材112からなり、ケーブル固定部材111が下部軸受板43の縁部上に位置し、ケーブル保持部材112が下部軸受板43より外側に位置している。上記ケーブル固定部材111は、略U字状に形成されており、上部にケーブル固定用の溝113が設けられる。上記ケーブル固定部材111は、溝113に対する両外壁がテーパ状に、すなわち上部側の幅が狭く、下部側の幅が広くなるようにテーパ状に形成され、かつ上端外側に丸みを持たせて形成される。
上記溝113は、両内壁が外壁と逆のテーパ状に、すなわち上部開口部が広く、底部が狭くなるように形成される。上記溝113の両内壁には、ケーブル固定用の突条114が縦方向に複数例えば2つずつ設けられる。上記溝113の幅は、両内壁の突条114部分において、上部が給電ケーブル31の直径より広く、中央部が給電ケーブル31の直径より少し狭く、底部が更に狭くなるように設定される。すなわち、溝113の略中央部分で給電ケーブル31が保持されるように設定される。
また、ケーブル保持部材112は、略半円筒状に形成され、水平状態で上記ケーブル固定部材111の外側に一体に設けられる。上記ケーブル保持部材112の上面には、ケーブル保持用の略半円状の溝115が設けられる。この溝115は、上記ケーブル固定部材111の溝113の略中央部に対応する位置に設けられる。給電ケーブル31は、ケーブル保持部材112の溝115上に載置され、その先端側がケーブル固定部材111の溝113内に挿入される。
一方、可動軸本体41は、下部軸受板43の側縁に沿って位置するように断面が略半円状に形成され、ケーブル固定部材111の上方から下部軸受板43の係止溝47に係止される。可動軸本体41には、下側中央部、すなわち上記ケーブル固定部材111に対応する位置に切欠き116が設けられる。この切欠き116は、上部が略半円状に形成されると共に、この半円状部分にケーブルを固定するための略半円状の凸部117a、117bが設けられる。上記凸部117a、117bは、可動軸本体41を下部軸受板43と結合した際に、ケーブル固定部材111の外壁上部に外方から圧接する位置に設けられる。
また、ケーブル保持部32の上部保持部32aは、略半円筒状に形成され、水平状態で可動軸本体41の外側に一体に設けられる。上部保持部32aの下面には、ケーブル保持用の半円状の溝118が設けられる。この溝118は、下部保持部32bのケーブル保持部材112に設けられた溝115と対応している。
上記のように構成されたケーブル保持部32にて給電ケーブル31を保持する場合、図7(a)に示すように、先ず、下部保持部32bに設けたケーブル保持部材112の溝115上に給電ケーブル31を載置し、先端側をケーブル固定部材111の溝113内に位置させる。この状態で、可動軸本体41を下部軸受板43と結合させる。このとき給電ケーブル31は、ケーブル保持部32の上部保持部32aの溝118及び下部保持部32bとケーブル保持部材112に設けられた溝115により保持されると共に、可動軸本体41の切欠き116に設けられた凸部117a、117bによりケーブル固定部材111の外壁上部が外方から圧接されて内側方向に変形し、溝113に内壁に設けられた突条114により締め付けられて固定される。
上記のように構成された可搬型アンテナ10は、アンテナカバー11が4つのカバー21〜24に分割され、中央可動軸25及び側部可動軸26、27により回転可能に結合されているので、図1及び図8に示すように平面状あるいは角筒状等に形態に変更して指向性を変えたり、また、偏波面を変更して水平偏波あるいは垂直偏波を受信することができる。図8(a)は可搬型アンテナ10を平面状に展開して水平偏波受信状態としたときの下方から見た斜視図、同図(b)は可搬型アンテナ10を角筒状に形成して水平偏波受信状態としたときの下方から見た斜視図、同図(c)は可搬型アンテナ10を角筒状に形成して垂直偏波受信状態としたときの下方から見た斜視図である。
図1(b)及び図8(a)に示すように可搬型アンテナ10を平面状に展開し、中央可動軸25の下部軸受板43を下側にして配置した場合には、水平偏波を最大感度で受信することができる。この場合、可搬型アンテナ10は、中央可動軸25の下部軸受板43と第1のカバー21及び第4のカバー24の下側に設けた支持部材86、96の3点で支持され、自立することができる。
図1(c)及び図8(b)に示すように可搬型アンテナ10を四角筒状に形成し、中央可動軸25の下部軸受板43を下側にして配置した場合には、水平偏波を受信でき、無指向性とすることができる。可搬型アンテナ10は、図8(a)の場合と同様に中央可動軸25の下部軸受板43と第1のカバー21及び第4のカバー24の下側に設けた支持部材86、96の3点で支持され、自立することができる。
なお、上記図8(a)、(b)に示したように水平偏波を受信する場合、上下を反転して配置しても正常な受信を行うことが可能である。
図8(c)は、可搬型アンテナ10を角筒状に形成し、第2のカバー22を下側にして配置した場合には、垂直偏波を受信でき、無指向性とすることができる。この場合、中央可動軸25は、第2のカバー22及び第3のカバー23に対して±45°回転させることが可能であるので、第2のカバー22を下側にして配置してもケーブル保持部32が邪魔になることはなく、可搬型アンテナ10を安定した状態に保つことができる。なお、可搬型アンテナ10は、第3のカバー23を下側にして配置しても垂直偏波を受信することができる。
図9は、上記可搬型アンテナ10を図8(a)に示したように平面状に形成した場合の周波数680MHzにおける水平偏波水平面指向性(dB目盛極座標)を示したもので、最大利得方向が0°と180°方向の8の字指向性となっている。
図10は、上記可搬型アンテナ10を図8(b)に示したように角筒状に形成した場合の周波数680MHzにおける水平偏波水平面指向性(dB目盛極座標)を示したもので、略無指向性となっているが90°及び−90°方向の利得を抑制した特性となっている。
上記第1実施形態によれば、アンテナ形状や設置方向、指向性を任意に変化させることができるので、ユーザの条件に合わせて最適な受信状態に設定することが可能である。また、既設とする必要がなく任意の場所に設置して水平偏波及び垂直偏波の何れにも対応でき、しかも、何時でも任意の場所に移動することができる。
更に、上記実施形態に係る可搬型アンテナ10は、折り畳むことができるので持ち運びが容易であり、室内アンテナとして使用し得ると共にモバイル機器の外部アンテナとしても機能を発揮することができる。また、アンテナ形状を変化させた際でもアンテナ素子12が外部に露出することがないので、外部と接触して傷や破断などを生じる恐れがなく、しかも、美観上においても優れている。また、スタンドなど別の部品を使用することなく、水平偏波、垂直偏波受信の何れの場合でもアンテナを自立させることができる。
なお、上記実施形態では、可搬型アンテナ10を平面状に展開して8の字の指向性を得る場合と、角筒状に形成して略無指向性とする場合について示したが、可搬型アンテナ10をその他の形状に展開して他の指向性とすることも可能である。
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態に係る可搬型アンテナについて説明する。
図11は本発明の第2実施形態に係る可搬型アンテナ10の構成を示すもので、(a)は可搬型アンテナ10を平面状に展開した状態を示す上面図、(b)は同背面図である。
この第2の実施形態は、第1実施形態で示した可搬型アンテナ10において、中央可動軸25に設けられたケーブル保持部32にスタンド兼用クリップ121を着脱できるように構成し、上記スタンド兼用クリップ121を利用して床面上に自立させたり、他の固定対象物に取付けできるように構成したものである。上記可搬型アンテナ10は、第1実施形態に示したものと同様の構成であるので、同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図12(a)は、ケーブル保持部32が設けられた中央可動軸25部分のみを取出して示す斜視図、同図(b)はケーブル保持部32のクリップ取付部分の断面図である。図13はスタンド兼用クリップ121の構成を示す平面図、図14はケーブル保持部32のクリップ取付部へスタンド兼用クリップ121を取付ける場合の説明図である。
ケーブル保持部32は、図12に示すように上部保持部32a上側及び下部保持部32bの下側にスタンド兼用クリップ121を取付けるためのクリップ取付溝122a、122bを水平方向に設け、クリップ取付部123を構成している。上記クリップ取付溝122a、122bは、ケーブル保持部32の先端近傍、すなわち中央可動軸25の下部軸受板43より外方に突出した部分に設けられ、スタンド兼用クリップ121が容易に着脱できるようにしている。
上記クリップ取付部123は、クリップ取付溝122a、122b間が所定の厚さに設定されると共に、両側部にクリップ固定穴124a、124bが設けられる。
上記スタンド兼用クリップ121は、図11に示すように2枚のクリップ板131a、131bが対向して配置され、略中央部で軸132より回転可能に支持される。上記軸132にばね(図示せず)が装着され、クリップ板131a、131bに対して先端の保持部133が閉じるように弾性力が付与される。また、クリップ板131a、131bには、図13に示すように保持部133と反対側につまみ部134が形成され、その先端中央に所定長さの溝135が長手方向に設けられる。上記つまみ部134の前端側は直線状に形成され、床上等に載置して自立できるように構成されている。また、つまみ部134は、クリップ板131a、131bが内側方向に湾曲して形成され、手で摘み易いようになっている。
上記つまみ部134における溝135の幅は、上記ケーブル保持部32のクリップ取付溝122a、122b間の厚さより僅かに広く形成される。また、クリップ板131a、131bの厚さは、クリップ取付溝122a、122bに挿入できるとなっている。また、クリップ板131a、131bには、溝135の先端に係合穴136が設けられる。この係合穴136の直径は、上記ケーブル保持部32のクリップ取付部123の最大径より僅かに大きく設定される。また、上記係合穴136の部分に略半円状の係合突起137が設けられる。この係合突起137は、クリップ板131a、131bの長手方向と直交する方向に設けられ、上記ケーブル保持部32のクリップ取付部123に設けられたクリップ固定穴124a、124bに対応している。
上記スタンド兼用クリップ121をケーブル保持部32のクリップ取付部123に取付ける場合、図11(a)、(b)に示すようにスタンド兼用クリップ121を構成するクリップ板131a、131bのつまみ部134側の一方をクリップ取付部123に取付ける。例えばクリップ板131aに形成した溝135をケーブル保持部32のクリップ取付部123に設けたクリップ取付溝122a、122bに側方から挿入し、図14(a)に示すように係合穴136内にクリップ取付部123を位置させる。
この状態で図14(b)に示すようにスタンド兼用クリップ121を右あるいは左方向に90°回転させ、クリップ板131aの係合穴136に設けた係合突起137をクリップ取付部123のクリップ固定穴124a、124bの一方に係合させて固定する。図14(b)は、スタンド兼用クリップ121を図14(a)の状態から右方向に90°回転し、係合突起137をクリップ固定穴124aに係合させ、つまみ部134が下側となるように取付けた状態を示している。このように可搬型アンテナ10に対し、つまみ部134が下側となるようにスタンド兼用クリップ121を取付けた場合、つまみ部134の下側先端が中央可動軸25の下部軸受板43と同じ高さとなるようにスタンド兼用クリップ121の各部の寸法、例えば係合穴136の位置等が設定される。
上記のようにスタンド兼用クリップ121の溝135をケーブル保持部32のクリップ取付部123に側方から挿入し、係合穴136内にクリップ取付部123を位置させた状態でスタンド兼用クリップ121を右あるいは左方向に90°回転することにより、クリップ取付部123をケーブル保持部32のクリップ取付部123に取付けることができる。
図15及び図16は、可搬型アンテナ10にスタンド兼用クリップ121を取付けて使用する場合の使用形態例を示す斜視図である。
図15は、可搬型アンテナ10を平面状に展開した状態で、クリップ取付部123にスタンド兼用クリップ121をつまみ部134が下側になるように取付けた場合の例を示している。スタンド兼用クリップ121をつまみ部134が下側となるように可搬型アンテナ10に取付けた場合、中央可動軸25の下部軸受板43とつまみ部134の下側先端が同じ高さとなり、可搬型アンテナ10を自立した状態に保持することができ、水平偏波を受信することができる。
図16は、可搬型アンテナ10を平面状に展開した状態で、クリップ取付部123にスタンド兼用クリップ121をつまみ部134が上側となるように、すなわち保持部133が可搬型アンテナ10の下側から外方に突出して位置するように取付けた場合の例を示している。スタンド兼用クリップ121をつまみ部134が上側となるように可搬型アンテナ10に取付けた場合、スタンド兼用クリップ121の保持部133を例えば棒状体あるいは板状帯等の固定対象物141に取付けて使用することができる。
可搬型アンテナ10を水平偏波受信用として使用する場合には、図16に示すように図16に示すように固定対象物141の上側に可搬型アンテナ10をスタンド兼用クリップ121により取付ける。この状態では、可搬型アンテナ10は水平方向に保持され、水平偏波を受信することができる。
また、可搬型アンテナ10を図16に示した状態から180°回転して上下を反転し、スタンド兼用クリップ121を上側に位置させることにより、例えば鴨居など上方に設けられている固定対象物141の下側に取付けて使用することができる。
また、可搬型アンテナ10を図16に示した状態から90°回転させてスタンド兼用クリップ121を側方に位置させた場合には、スタンド兼用クリップ121を固定対象物141の側部に取付けて使用することができる。この場合には、可搬型アンテナ10は垂直の方向に位置するので、垂直偏波を受信することができる。
図17は、平面状に展開した可搬型アンテナ10に対し、スタンド兼用クリップ121を長手方向が一致するように取付け、可搬型アンテナ10を垂直方向に位置させて固定対象物141に上側から取付けた場合の例を示している。この場合、スタンド兼用クリップ121の係合穴136に設けた係合突起137は、ケーブル保持部32のクリップ取付部123に設けられたクリップ固定穴124a、124bに係合していないが、可搬型アンテナ10の重量が係合穴136の下側部に加わるので、スタンド兼用クリップ121により可搬型アンテナ10を安定して保持することができる。図17の設置状態では、可搬型アンテナ10は垂直偏波を受信することができる。
上記第2実施形態によれば、可搬型アンテナ10にスタンド兼用クリップ121を装着できるようにしたので、床面上に設置した場合にはスタンド機能により可搬型アンテナ10を非常に安定した状態に保持することができる。
また、スタンド兼用クリップ121を利用することにより、床面上に限らず家屋内の構造物を利用して任意の場所、例えばモニターやラックなどの平板状の対象物、更にはカーテンレールや手摺りなどの棒状の対象物など様々な場所に取付けることが可能であり、アンテナを設置できる場所の自由度を増すことができた。このため設置場所の制約を受けないと共に水平偏波及び垂直偏波に容易に対応することができる。また、スタンド兼用クリップ121は、自立機能とアンテナの取付け機能を共用することにより安価に製作することができる。
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できるものである。
10…可搬型アンテナ、11…アンテナカバー、12…アンテナ素子、13…スロット、14a、14b…板状ダイポール素子、15…切溝、16…給電点、17…爪挿通穴、18…切欠き、21〜24…第1〜第4のカバー、21a…第1のカバーの前面カバー、21b…第1のカバーの背面カバー、22a…第2のカバーの前面カバー、22b、22c…第2のカバーの背面カバー、23a…第3のカバーの前面カバー、23b、23c…第3のカバーの背面カバー、24a…第4のカバーの前面カバー、24b…第4のカバーの背面カバー、25…中央可動軸、26、27…側部可動軸、28、29…結合部、31…給電ケーブル、32…ケーブル保持部、32a…上部保持部、32b…下部保持部、41…可動軸本体、42…上部軸受板、43…下部軸受板、44a、44b…上部軸受板の軸受、45a、45b…下部軸受板の軸受、46…係止片、47…係止溝、51…外側素子押え、52…内側素子押え、53…爪、54a、54b…ケーブル挿通穴、55…爪嵌合部、56a、56b…半円状の溝、57…ガイド部材、58…溝、61a、61b…側板、62a、62b、63a、63b…軸板、64、65…軸、66…爪、67…爪結合穴、71a、71b…側板、72a、72b、73a、73b…軸板、74、75…軸、76…爪、77…爪結合穴、81a、81b…軸受筒、82a、82b…側板、83…係止溝、84…爪、85…爪結合穴、86…支持部材、91a、91b…軸受筒、92a、92b…側板、93…係止溝、94…爪、95…爪結合穴、96…支持部材、101a、101b…結合凹部、102a、102b…結合凸部、103a、103b…結合凸部、104a、104b…結合凹部、106、109…結合溝、107、108…結合突起、111…ケーブル固定部材、112…ケーブル保持部材、113…溝、114…ケーブル固定用の突条、115…ケーブル保持用の溝、116…切欠き、117a、117b…凸部、118…溝、121…スタンド兼用クリップ、122a、122b…クリップ取付溝、123…クリップ取付部、124a、124b…クリップ固定穴、131a、131b…クリップ板、132…軸、133…保持部、134…つまみ部、135…溝、136…係合穴、137…係合突起、141…固定対象物。