JP4847652B2 - 液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置に係り、特に、互いに平行な2枚の透明基板の間に所定のツイスト角を有する液晶分子を封入した液晶表示パネルを有し、マルチプレクシング駆動を行うのに好適な液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、信頼性を重視される車載用等の液晶表示装置においては、TN(ツイステッドネマチック)タイプのものが多用されていた。
【0003】
図6は、このような従来から使用されているTNタイプの液晶表示装置1を示したものであり、この液晶表示装置1には、液晶表示のための主要な機能を有する液晶表示パネル2が配設されている。
【0004】
この液晶表示パネル2は、ガラス板等からなる互いに平行な2枚の透明基板3,4を有しており、両透明基板3,4は、枠状のシール材6によって互いに貼り合わされている。
【0005】
前記両透明基板3,4および前記シール材6によって囲繞された空間内には、所定のツイスト角を有する液晶分子からなる液晶層7が形成されている。
【0006】
また、両透明基板3,4の互いに対向する内側表面には、ITO(酸化インジウムスズ)等からなる一対の透明導電膜8,9が形成されており、これら透明導電膜8,9を介して前記液晶層7に液晶駆動電圧を印加するようになっている。
【0007】
また、前記両透明導電膜8,9の内側には、所定の方向にラビング処理が施された一対の配向膜10,11が形成されており、これら一対の配向膜10,11によって、液晶分子のツイスト角が規制されるようになっている。
【0008】
前記液晶表示パネル2の外側には、一対の偏光板13,14が配設されており、これら偏光板13,14によって透過光の振動方向を制御するようになっている。
【0009】
近年、このような液晶表示装置1においては、表示の多様化、複雑化のために、多数のセグメント電極を共通に結線することで回路部や結線を簡素化できるマルチプレクシング駆動が採用されている。
【0010】
このようなマルチプレクシング駆動を用いた液晶表示装置1においては、表示情報量の多量化にともなってデューティ比が高くなり、また、電圧マージンが小さくなる傾向があった。このため、いわゆるクロストークの発生を防止するために十分な飽和電圧を印加することができないといった欠点を有していた。
【0011】
このような欠点を解消するためには、液晶のスレッショルド特性(立ち上がり特性)を急峻にすることが有効であるため、近年においては、液晶分子のツイスト角を180°以上と大きくしたり、また、液晶分子と液晶表示パネル2の透明基板3,4の表面との角度であるプレチルト角を1°前後にする等の提案がなされていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述したTNタイプの液晶表示装置1においては、1/4デューティや、あるいは、これよりもデューティ比が高い1/8デューティ等による駆動を行うのが一般的である。
【0013】
ここで、高デューティによる駆動を行う場合、即ち、例えば、1/4デューティによる駆動を行う場合よりも1/8デューティによる駆動を行う場合の方が、視角側から反視角側にかけての視野角が狭くなってしまう。特に、1/4デューティと1/8デューティの液晶表示装置を並べて使用すると、1/8デューティの視角特性の狭さが助長されてしまう。
【0014】
このような問題を解決すべく、例えば、前記液晶分子のツイスト角を大きくすることが考えられるが、単に、ツイスト角を大きくするだけであると、リバースツイストドメイン(以下、「ドメイン」と略称する)の発生といった新たな問題が生じてしまう。
【0015】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、ドメインの発生を抑制しつつ、高デューティ駆動にともなう視角特性の狭小化といった弊害を是正することができ、高デューティによる駆動を行う場合においても低デューティによる駆動の場合と同等の品位の液晶表示を行うことができる液晶表示装置を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するため本発明の請求項1に液晶表示装置の特徴は、前記液晶分子のツイスト角が115°乃至125°とされ、前記液晶分子と前記透明基板の表面とのなす角度であるプレチルト角が0.5°乃至1.5°とされ、前記液晶層の厚さdと液晶分子の自発的なねじれのピッチpとの比d/pが0.12乃至0.24とされ、かつ、液晶の屈折率異方性Δnと前記液晶層の厚さdとの積Δndが0.45μm乃至0.65μmとされている点にある。
【0017】
そして、このような構成を採用したことにより、液晶分子のツイスト角を、コントラストの低下を押さえつつ立ち上がり特性を向上させるのに有効な値にすることができ、また、d/pの値を、ドメインマージンを向上し、液晶のツイスト角が大きいことに起因するドメインの発生を抑制するのに好適な範囲の値にすることができる。
【0018】
請求項2に係る液晶表示装置の特徴は、請求項1において、前記偏光板は、その吸収軸が初期配向した液晶分子の長軸に対して15°乃至20°ずれるように配設されている点にある。
【0019】
そして、このような構成を採用したことにより、点灯の際の光漏れを防止し、コントラストを適正に維持することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る液晶表示装置の実施形態について、図1乃至図5を参照して説明する。
【0021】
なお、従来と基本的構成の同一もしくはこれに類する箇所については、同一の符号を用いて説明する。
【0022】
本実施形態における液晶表示装置16は、従来と同様に2枚の偏光板13,14の間に、液晶表示パネル2を有している。この液晶表示パネル2は、基本的構成については従来とほぼ同様である。
【0023】
ただ、本実施形態においては、前記液晶表示パネル2の一対の配向膜10,11が、これら両配向膜10,11の間に封入された液晶分子のツイスト角が115°乃至125°になるようにラビング処理されている。
【0024】
すなわち、図1に示すように、互いに対向する一対の配向膜10,11に最も近接する液晶分子をそれぞれD1 、D2 とした場合、D1 の長手方向とD2 の長手方向との間には、前記ツイスト角(115°乃至125°)に相当する角度θが形成されるようになっている。
【0025】
一般に、液晶のツイスト角が小さすぎる場合は、液晶の立ち上がり特性が悪くなり、一方、ツイスト角が大きすぎる場合は、表示セグメントの背景黒化度が薄くなり、コントラストが低下してしまう。従って、本実施形態においては、液晶分子のツイスト角をコントラストの低下を抑制しつつ立ち上がり特性を向上するのに好適な範囲の値に設定することができるようになっている。
【0026】
また、本実施形態においては、液晶のプレチルト角が0.5°乃至1.5°とされている。このため、クロストークを低減し、斜め方向からの液晶の見栄えを向上することができるようになっている。
【0027】
さらに、本実施形態においては、液晶層7の厚さdと液晶の自発的なねじれのピッチpとの比d/pが0.12乃至0.24とされている。従って、ツイスト角を大きくしつつ、ドメインマージンを向上することができるため、ツイスト角が大きいことに伴うドメインの発生を有効に防止することができるようになっている。
【0028】
さらにまた、本実施形態においては、液晶層7のリタデーションすなわち液晶の屈折率異方性Δnと前記液晶層7の厚さdとの積Δndが0.45μm乃至0.65μmとされている。このため、液晶の立ち上がり特性を向上させることができるとともに、視野角を広くすることができるようになっている。
【0029】
また、本実施形態における偏光板13,14は、その吸収軸が初期配向した液晶分子の長軸に対して15°乃至20°ずれるように配設されている。
【0030】
すなわち、図1に示すように、一対の偏光板13,14の吸収軸をそれぞれP1 、P2 とし、これらの偏光板13,14にそれぞれ最も近傍する液晶分子を前述したD1 、D2 とした場合、P1 と、D1 の長手方向とは、図1における時計方向および反時計方向に15°乃至20°に相当する角度φ1 だけズレを有するようになっている。また、同様に、P2 と、D2 の長手方向も、図1における時計方向および反時計方向に15°乃至20°に相当する角度φ2 だけズレを有するようになっている。
【0031】
従って、点灯の際の光漏れを防止し、コントラストをさらに向上することができるようになっている。
【0032】
つぎに、本実施形態における液晶表示装置16(以下、「本実施例」と称する)の作用について、従来の液晶表示装置1(以下、「本比較例」と称する)と比較しつつ具体的数値を用いて説明する。
【0033】
【実施例】
本実施例においては、配向膜10,11として日立化成製LQ−5900を用い、この配向膜10,11に対して、液晶分子のツイスト角が120°となるように所定のラビング処理を施した。また、液晶として、屈折率異方性Δnが0.106、誘電率異方性が正のネマチック液晶を使用し、液晶層7の厚みdを5.7μm、Δndを0.60μmとした。さらに、液晶のピッチpは40μmとし、プレチルト角は1°とした。
【0034】
また、透明基板3,4の外側に、吸収軸が液晶分子の長軸に対して20°ずれるようにしてポラテクノ製偏光板SHC−125Uを配置した。
【0035】
なお、本実施例における液晶表示パネル2は、ポジ仕様の液晶表示パネルである。
【0036】
このように形成された本実施例における液晶表示装置16に対して1/8デューティ、1/4バイアスのマルチプレックス駆動による点灯を行った。
【0037】
その結果を図2および図3に示す。
【0038】
なお、図2は、透明導電膜8,9を介して液晶層7に付与するバイアス電圧(横軸)と、このバイアス電圧に対する輝度(縦軸)の特性曲線を示したものである。また、図2における輝度は、液晶画面に下ろした垂線に対して傾き約10°の視角位置にて評価した輝度を意味するものである。
【0039】
また、図2において実線で示す曲線は、表示のオンを制御する際の特性曲線を示したものであり、破線で示す曲線は、表示のオフを制御する際の特性曲線を示したものである。さらに、図2において、一点鎖線が引かれたバイアス電圧の位置においては、オンとオフの輝度の差が最大となり、この位置においてコントラストが最大値をとるようになっている。一般に、液晶表示装置16の駆動の際には、前記コントラストが最大になるバイアス電圧(以下、最適電圧と称する)をねらってバイアス電圧を印加するようになっている。
【0040】
ここで、クロストークの程度は、前記最適電圧における輝度の差に依存し、この差が大きいほどクロストークが小さいことを意味する。
【0041】
また、図3は、非表示領域等の液晶表示を行わない背景の輝度と、オフ時における表示領域の輝度との輝度比(%)を、視角との関係において表したものである。
【0042】
図3において、数値100(%)を示す線は、背景と、オフ時における表示領域との輝度比が1:1であり、クロストークが生じない状態を意味している。また、この輝度比が小さくなるほど、クロストークが大きくなることを意味している。
【0043】
図2に示すように、本実施例における液晶表示装置16を用いた場合、最適電圧の位置において、オンの曲線が輝度の最小値を示し、また、オフの曲線が輝度の最大値を示すため、両者の差は最大値をとることが分かる。
【0044】
また、図3に示すように、本実施例における液晶表示装置16を用いた場合、図3の点Pに紙面手前側から下ろした垂線に対して斜めに視角を傾けていくと、視角範囲が前記垂線からほぼ45°の範囲内においては、前述した輝度比の変化が100(%)から80(%)に至る程度におさまる。
【0045】
従って、図2および図3に示したように、本実施形態における液晶表示装置16を用いる場合、クロストークを実用上問題がない程度に低減することができ、視角特性を向上できることが分かる。
【0046】
より具体的には、前述した1/8デューティによるマルチプレックス駆動を行う場合においても、1/4デューティによる駆動を行った場合と同等の品位の液晶表示を実現することができる。
【0047】
【比較例】
一方、本比較例においては、配向膜10,11として日立化成製LQ−5900を用い、この配向膜10,11に対して、液晶分子のツイスト角が100°となるように所定のラビング処理を施した。また、液晶として、屈折率異方性Δnが0.094、誘電率異方性が正のネマチック液晶を使用し、液晶層7の厚みdを6.0μm、Δndを0.56とした。さらに、液晶のピッチpは79μmとし、プレチルト角は1°とした 。
【0048】
また、透明基板3,4の外側に、吸収軸が液晶分子の長軸に対して10°ずれるようにしてポラテクノ製偏光板SHC−125Uを配置した。
【0049】
なお、本比較例における液晶表示パネル2も、前記実施例と同様にポジ仕様の液晶表示パネル2である。
【0050】
このように形成された本比較例における液晶表示装置1に対して1/8デューティ、1/4バイアスのマルチプレックス駆動による点灯を行った。
【0051】
その結果を図4および図5に示す。
【0052】
なお、図4は、前述した図2と同様に、液晶に付与するバイアス電圧と、このバイアス電圧に対する輝度との関係を示した特性曲線である。また、図5は、前述した図3と同様に、背景とオフ時の表示領域との輝度比(%)を、視角との関係において示したものである。
【0053】
図4に示すように、本比較例における液晶表示装置1を用いた場合、最適電圧の位置において、オフの曲線が輝度の最大値よりも小さい値を示しており、オンとオフとの輝度の差が、図2の場合よりも小さくなっている。
【0054】
また、図5に示すように、本比較例における液晶表示装置1を用いた場合、図3と同様の視角範囲において、輝度比が、100(%)から30(%)に至るまで著しい変化を示す。
【0055】
従って、図4および図5に示したように、従来の液晶表示装置1においては、クロストークを防止することができず、良好な視角特性を得ることができないことが分かる。
【0056】
以上示したように、本実施形態によれば、液晶分子のツイスト角を、コントラストの低下が生じない程度に立ち上がり特性を向上させるのに好適な値に設定することができ、また、d/pの値を、ドメインマージンを向上するのに好適な範囲の値にすることができるため、高デューティによる駆動においても視角特性を向上することができ、併せてドメインの発生を抑制することが可能になる。
【0057】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1に係る液晶表示装置によれば、ドメインの発生を適正に防止しつつ視角特性の向上を図ることができ、高品位な液晶表示を実現することができる。
【0059】
請求項2に係る液晶表示装置によれば、請求項1に係る液晶表示装置の効果に加えて、コントラストを適正に維持し、より高品位の液晶表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る液晶表示装置の実施形態において、液晶分子のツイスト角および液晶分子と偏光板の吸収軸との角度の関係を示した平面図
【図2】 本発明に係る液晶表示装置の実施形態において、液晶駆動電圧と輝度との特性を示した図
【図3】 本発明に係る液晶表示装置の実施形態において、背景とオフ時の表示領域との輝度比を視角との関係において示した図
【図4】 従来の液晶表示装置における液晶駆動電圧と輝度との特性を示した図
【図5】 従来の液晶表示装置における背景とオフ時の表示領域との輝度比を視角との関係において示した図
【図6】 従来から使用されている液晶表示装置の構成を示した断面図
【符号の説明】
1,16 液晶表示装置
2 液晶表示パネル
3,4 透明基板
7 液晶層
13,14 偏光板
Claims (2)
- 互いに平行な2枚の透明基板の間に、所定のツイスト角を有する液晶分子からなる液晶層を形成した液晶表示パネルを設け、この液晶表示パネルの外側に、所定の吸収軸を有する偏光板を設けた液晶表示装置において、
前記液晶分子のツイスト角が115°乃至125°とされ、前記液晶分子と前記透明基板の表面とのなす角度であるプレチルト角が0.5°乃至1.5°とされ、前記液晶層の厚さdと前記液晶分子の自発的なねじれのピッチpとの比d/pが0.12乃至0.24とされ、かつ、液晶の屈折率異方性Δnと前記液晶層の厚さdとの積Δndが0.45μm乃至0.65μmとされていることを特徴とする液晶表示装置。 - 前記偏光板は、その吸収軸が初期配向した前記液晶分子の長軸に対して15°乃至20°ずれるように配設されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
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