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JP4847713B2 - ジメチルエーテル測定装置および方法 - Google Patents
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本発明は、LPガス容器内の液相LPガス中のジメチルエーテル濃度を測定するジメチルエーテル測定装置および方法に関するものである。
新たな工業用燃料等として、数年内にジメチルエーテルが実用化される予定である。ジメチルエーテルとLPガスは物性が類似しているため、LPガスの既存のインフラ設備を一部共用してジメチルエーテルの流通を行う予定である。そのため、LPガスにジメチルエーテルが混入する場合がある。このジメチルエーテルの濃度が、一定値を超えると安全上問題が発生する可能性があるため、LPガス容器中のジメチルエーテルの濃度を管理する必要がある。
上記のように、LPガスにジメチルエーテルが混入する場合、LPガスを安全に使用するためには、ジメチルエーテルの濃度管理が必要になる。しかし、容器中のLPガスは大部分が液相であり、一方、気相中のジメチルエーテルの濃度は温度によって変化しやすい。したがって、ジメチルエーテルについては液相中の濃度を管理する必要がある。
ところで、この液相中のジメチルエーテル濃度を簡便に測定する技術は、未だ開発されていない。したがって、今後ジメチルエーテルが広く使われるようになったときに、安全上問題が発生することが予想され、事前の的確な対応が要請されている。
この発明は上記に鑑み提案されたもので、LPガス容器中の液相中のジメチルエーテルの濃度を簡便にかつ精度良く測定して安全管理に用いることができるジメチルエーテル測定装置および方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、LPガス容器内の液相LPガス中の、当該LPガスとは物性が類似しているジメチルエーテル濃度を測定するジメチルエーテル測定装置において、上記LPガス容器内の気相LPガスをサンプリングしその気相LPガス中のジメチルエーテル濃度を測定するジメチルエーテル気相濃度測定手段と、上記ジメチルエーテル気相濃度測定手段で測定して得られた気相LPガス中のジメチルエーテル濃度、予め分かっているLPガス組成、およびLPガス容器の温度を用い、気液平衡を仮定し、溶液モデル法を用いて液相LPガス中のジメチルエーテル濃度を演算求めるジメチルエーテル濃度演算手段と、を備えることを特徴としている。
また、請求項2に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明の構成に加えて、上記ジメチルエーテル濃度演算手段で求めた、液相LPガス中のジメチルエーテル濃度を表示する表示手段を有する、ことを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、LPガス容器内の液相LPガス中の、当該LPガスとは物性が類似しているジメチルエーテル濃度を測定するジメチルエーテル測定方法において、上記LPガス容器内の気相LPガスをサンプリングしその気相LPガス中のジメチルエーテル濃度を測定し、上記測定で得られた気相LPガス中のジメチルエーテル濃度、予め分かっているLPガス組成、およびLPガス容器周辺の外気温度を用い、気液平衡を仮定し、溶液モデル法を用いて液相LPガス中のジメチルエーテル濃度を演算求める、ことを特徴としている。
この発明のジメチルエーテル測定装置および方法では、LPガス容器に充填されたLPガスの気相中に含まれるジメチルエーテル濃度の測定結果を用いて、LPガスの液相中のジメチルエーテルの濃度を求めるようにしたので、従来測定できなかった液相中のジメチルエーテルの濃度を簡便にかつ精度良く求めることができ、今後ジメチルエーテルが混入したLPガスが広く使われるようになっても、その安全性を的確に維持することができる。
以下にこの発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1はこの発明のジメチルエーテル測定装置の全体構成を示す図である。図において、この発明のジメチルエーテル測定装置2は、LPガス容器1内の液相LPガスGL中のジメチルエーテル濃度を測定する装置であり、LPガス容器1内の気相LPガスGVをサンプリングしその気相LPガスGV中のジメチルエーテル濃度DV(以下「DME気相濃度DV」という)を測定するジメチルエーテル気相濃度測定手段(以下「GME気相濃度測定手段」という)21と、そのGME気相濃度測定手段21で測定して得られたDME気相濃度DV、予め分かっているLPガス組成C、およびLPガス容器の温度Tを用い、気液平衡を仮定して液相LPガスGL中のDME濃度DL(以下「DME液相濃度DL」という)を演算して求めるジメチルエーテル濃度演算手段(以下DME濃度演算手段」という)22と、そのDME液相濃度DLを表示する表示手段23と、を備えている。
LPガス容器1は、ボンベ、タンク、その他各種のタイプのものを使用できる。LPガス容器1に充填されるLPガスは、プロパン、ブタン、イソブタン、エタンの4成分のうちの少なくとも1成分からなり、そのLPガス組成(プロパン、ブタン、イソブタン、エタンの混入割合)Cは予め分かっている値である。
上記のDME気相濃度測定手段21は、サンプリングした気相LPガスGVを物理的、化学的に処理してDME気相濃度DVを実測する、通常使用される測定装置であり、その計測結果はDME濃度演算手段22に出力される。
DME濃度演算手段22は、コンピュータに構築され、メモリに格納された本発明に係るソフトウェアに従ってCPUが動作する機能を含めて構成されている。上記のDME気相濃度測定手段21が計測したDME気相濃度DVは、このDME濃度演算手段22のメモリに記憶され、メモリに記憶されたDME気相濃度DVの値が更新されると、DME濃度演算手段22は自動的に演算を開始するようになっている。
上記のLPガス組成Cの値は、演算の実行時にDME濃度演算手段22に手動で外部入力する。あるいは予めDME濃度演算手段22のメモリに、複数の組成データとして記憶保存させておき、演算実行時にその複数の組成データから該当するLPガス組成を読み出して使用する。
上記の温度Tは容器内の温度が好ましいが、容器周辺の外気温度でもよく、上記のLPガス組成Cの場合と同様に、演算実行時にDME濃度演算手段22に手動で外部入力するか、あるいは予めDME濃度演算手段22のメモリに、複数の温度データとして記憶保存させておき、演算実行時にその複数の温度データから該当する温度を読み出して使用する。
上記の表示手段23は、DME濃度演算手段22が求めたDME液相濃度DLの値を、例えば液晶画面に表示する。
次にDME濃度演算手段22が行う演算手順を図2を用いて説明する。
図2はDME濃度演算手段が行う演算手順を示すフローチャートである。DME濃度演算手段22は、本発明に係るプログラムに従って下記の手順でDME液相濃度DLを求める。
先ずステップS1において、変数の初期化を行う。
次にステップS2において、DME気相濃度測定手段21で計測されたDME気相濃度DVを入手する。
次にステップS3において、LPガス容器の温度Tを、手入力で、またはメモリに予め登録されているテーブルのデータから選択して入力する。
続いてステップS4において、LPガス容器1に充填されているLPガスの組成Cを、手入力で、またはメモリに予め登録されている組成テーブルの複数データの中から選択して入力する。
ステップS5において、演算に用いるWilsonパラメータの入力が行われる。
次にステップS6において、各種入力パラメータのエラーチェックを行う。エラーがなければ続いてステップS7において、DME液相濃度DLを求めるための演算を行う。この演算についての詳細は後述する。
次にステップS8において、演算結果の収束判定を行い、収束していなければステップS7に戻り、収束していればステップS9に進む。
ステップS9では、演算結果のDME液相濃度DLを出力し、必要に応じて画面表示し、その後このプログラムを終了する。
上記のステップS7において行われるDME液相濃度DLを求める演算は、概略次のように行う。LPガス容器1内における気相・液相は気液平衡状態であると仮定し、DME気相濃度DV等の入力データから液相組成を計算する。気液平衡の計算方法としては、比較的計算量の少ない溶液モデル法(活量係数式)を用いた。溶液モデル法の中でも、比較的精度が高く、広く用いられているウイルソン(Wilson)法を用いた。これにより、ジメチルエーテル測定装置をオペレータが携帯可能な装置として構成した場合でも、その装置に搭載できるような低速のマイコンで動作させることができるようになる。
理想気体を仮定した場合、成分iの液相および気相のモル分率(x、y)の間には次式(1)が成り立つ。
Figure 0004847713
ここでγは活量係数である。
理想気体では2成分系Wilson式を用いた場合、気相中のDMEのモル分率y3は、式(1)を用いると、次式(2)のように表すことができる。
Figure 0004847713
ここで、DME、プロパン、ブタン、イソブタンおよびエタンの5成分から構成される系において、エタン、プロパン、DME、イソブタン、ブタンの成分をそれぞれ添え字1,2,3,4,5で表すこととする。
ジメチルエーテル(DME)混入後の液相中のエタン、プロパン、イソブタン、ブタンのモル分率x1,x2,x4,x5は、DME混入前の液相中のエタン、プロパン、イソブタン、ブタンのモル分率をx1',x2',x4',x5'(既知)とすると、次式(3)のように表すことができると仮定する。
Figure 0004847713
ここで、kは比例定数であり、液相中のLPガスの組成割合の変化は、DMEの混入前と混入後とで無視できると仮定することにより導入した。上記の式(3)を用いて、液相中のDMEのモル分率x3は、次式(4)で表すことができる。
Figure 0004847713
DME混入前の液相中の各成分のモル分率に関してもx1'+x2'+x4'+x5'=1が成り立つ。式(3)および式(4)を、次式(5)のWilson式に代入して反復法で解くことにより、液相中のDMEのモル分率を求める。
Figure 0004847713
上記のようにして求めた液相中のDMEのモル分率(DME液相濃度DL(計算値))と、気液平衡データのDME液相濃度DL(気液平衡状態にある混合物の気相、液相を採取して、ガスクロ等で組成を分析することにより測定された実測値)と比較し、計算精度を検証した。プロパンにジメチルエーテルが混入している場合、ブタンにジメチルエーテルが混入している場合、イソブタンにジメチルエーテルが混入している場合、プロパンとブタンからなるLPガスにジメチルエーテルが混入している場合等、種々のLPガスにジメチルエーテルが混入している場合について求めた結果、その何れの場合でも実験値と計算値とは高い精度で一致した。
以上述べたように、この発明のジメチルエーテル測定装置2では、LPガス容器1に充填されたLPガスの気相中に含まれるDME気相濃度DVの測定結果を用いて、LPガス液相中のDME液相濃度DLを求めるようにしたので、従来測定が困難であった液相中のジメチルエーテルの濃度を簡便にかつ精度良く求めることができる。したがって、今後ジメチルエーテルが混入したLPガスが広く使われるようになっても、この液相中のジメチルエーテルの濃度を用いてその安全性を的確に維持することができる。
なお、上記の説明では、液相中のジメチルエーテルの濃度の演算を溶液モデル法を用いて行うようにしたが、本発明はこの溶液モデル法に限定されず、様々の演算手法に対して同様に適用することができる。
この発明のジメチルエーテル測定装置の全体構成を示す図である。 ジメチルエーテル濃度演算手段が行う演算手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 ガス容器
2 ジメチルエーテル測定装置
21 ジメチルエーテル気相濃度測定手段
22 ジメチルエーテル濃度演算手段
23 表示手段
C LPガス組成
L ジメチルエーテル液相濃度
V ジメチルエーテル気相濃度

Claims (3)

  1. LPガス容器内の液相LPガス中の、当該LPガスとは物性が類似しているジメチルエーテル濃度を測定するジメチルエーテル測定装置において、
    上記LPガス容器内の気相LPガスをサンプリングしその気相LPガス中のジメチルエーテル濃度を測定するジメチルエーテル気相濃度測定手段と、
    上記ジメチルエーテル気相濃度測定手段で測定して得られた気相LPガス中のジメチルエーテル濃度、予め分かっているLPガス組成、およびLPガス容器の温度を用い、気液平衡を仮定し、溶液モデル法を用いて液相LPガス中のジメチルエーテル濃度を演算求めるジメチルエーテル濃度演算手段と、
    を備えることを特徴とするジメチルエーテル測定装置。
  2. 上記ジメチルエーテル濃度演算手段で求めた、液相LPガス中のジメチルエーテル濃度を表示する表示手段を有する、請求項1に記載のジメチルエーテル測定装置。
  3. LPガス容器内の液相LPガス中の、当該LPガスとは物性が類似しているジメチルエーテル濃度を測定するジメチルエーテル測定方法において、
    上記LPガス容器内の気相LPガスをサンプリングしその気相LPガス中のジメチルエーテル濃度を測定し、
    上記測定で得られた気相LPガス中のジメチルエーテル濃度、予め分かっているLPガス組成、およびLPガス容器周辺の外気温度を用い、気液平衡を仮定し、溶液モデル法を用いて液相LPガス中のジメチルエーテル濃度を演算求める、
    ことを特徴とするジメチルエーテル測定方法。
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