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JP4848291B2 - 落錘衝撃試験機 - Google Patents
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JP4848291B2 - 落錘衝撃試験機 - Google Patents

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Description

本発明は、落錘により供試体の衝撃試験を行なう落錘衝撃試験機に関し、特に落錘の落下を途中で止めて供試体の圧縮を制限するダンパーを有する落錘衝撃試験機に関する。
従来、自動車部品等の衝撃試験を行なうには、図4に模式的な説明図を示すように、落錘(ウエイト)3を図示しない適宜の手段で吊り上げ、落錘衝撃試験機1の架構2内の所定の高さAにストッパ4で位置させたのち、ストッパ4を開放(図4中破線)して、落錘3を架構2に取り付けた図示しない鉛直方向のスライダにガイドさせて図中白抜き矢印のように落下させ、その直下の載置台5上の所定の位置に設置しておいた供試体6に衝突させて、供試体6の状態の検証等を行なう。
しかし、落錘3の自由落下で、仮に100km/hの衝突速度を得ようとすれば、落錘3の最上停止位置Aと、落錘3と供試体6の接触位置Bとの距離、すなわち落下高さaは、約40mを要すことになり、落錘衝撃試験機が大型化する問題があった。また、落下高さaは設定した衝突速度と供試体4の寸法等の関係から、ストッパ4の位置と載置台5の設定で調整されるが、その調整は煩雑であった。
その問題に対しては、特開2005−233910号公報に記載されるように、架構2上に油圧駆動系を有する加速装置7を設け、加速装置7は設定した油圧を油圧ピストンに与えるためのアキュムレータを備え、油圧ピストン7aの先端に落錘の保持、切離しが可能な落錘保持装置8を取付けるものが提案されている。
そのような加速装置7を用いれば、制御装置で加速装置7の油圧駆動系と落錘保持装置8とストッパ4を制御し、油圧ピストン7aを下方に所定の圧力で加圧し落錘3を押し込むとともに、ストッパ4を開放し、落錘保持装置8を解除して、所定の初速で落錘3を下方に押し出すので、落錘3は押し込みによる外力と自重とにより加速して落下し、供試体6に衝突させることができ、落下高さaを短縮でき、かつ、衝突速度の調整も加速装置7の押し出し速度の調整で容易になるとしている。
一方、そのような場合においても、落錘衝撃試験機1としては供試体6の衝撃を受けたときの挙動を計測することが目的であって落錘3の落下に任せて完全に供試体6に圧縮を与える必要がない場合があり、また、一定の圧縮状態が生じる範囲内で衝撃試験を行う必要がある場合があった。さらに、自動車部品等を供試体6とする場合、落錘3は例えば、平面寸法1m×1m程度、重さ1トン程度のものとなり、落下に任せて制限無く供試体6に衝突させた場合、落錘3自体の損傷、変形を来たす恐れがあり、落錘3の繰り返し使用のためには、落錘3を緩衝して停止させ、供試体6の圧縮を制限することが求められていた。
そのような場合、従来は図4に示すように、落錘3と供試体6の接触位置Bよりも、圧縮試験範囲高さbだけ下方の緩衝材位置Cに、鉛柱やアルミ柱等の緩衝材9の頂部を位置させて設置し(例えば、供試体6を囲んで4基設け、落錘3を4隅で受け止めるようにする)、落下してきた落錘3が供試体6と衝突して図中B位置からC位置までの圧縮試験範囲高さbの圧縮がなされた後は、落錘3は緩衝材9と衝突して緩衝材9の圧縮によるダンピング作用を受け衝撃が緩和されて緩衝距離c下方の落錘停止位置Dで停止するようにしていた。緩衝距離c、落錘停止位置Dは、落錘衝撃試験機1の寸法、落錘3の重量、供試体6の仕様、衝突速度等から、緩衝材9の種類、寸法等との関係で設定される
しかし、そのような従来の緩衝材9による落錘3の停止手段を用いた落錘衝撃試験機では、鉛柱やアルミ柱等の緩衝材9は衝突による圧縮変形後、自然には元の寸法形状に復帰しないので、1回の衝撃試験毎に交換を要すことになり、コスト的にも、作業効率的にも問題が多かった。
特開2005−233910号公報(第4、5頁、図1、2)
本発明は、上記の従来の落錘衝撃試験機の問題を解決するためになされたものであり、特に落錘の落下を途中で止めて供試体の圧縮を制限することができる落錘の停止手段を有し、落錘の停止手段が従来のように試験毎に交換を要しない落錘衝撃試験機を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するためになされ、下記の(1)から(7)の手段を提供するものであり、以下、特許請求の範囲に記載の順に説明する。
(1)その第1の手段として、落錘により供試体の衝撃試験を行なう落錘衝撃試験機において、落下する前記落錘を途中で止めて前記供試体の圧縮を制限するダンパーを具備し、同ダンパーは、ピストンと、前記ピストンの上側の上室と下側の下室とに作動油を充填した油圧シリンダと、前記油圧シリンダから上向きに突出する上部ピストンロッドと、前記油圧シリンダの下端内面に当接して前記ピストンの下降限位置を規定する下部ピストンロッドと、前記下室と前記上室との間を前記作動油が移動可能に連通する作動油連通回路と、同作動油連通回路の作動油の移動量を制限する作動油絞り手段と、前記落錘の作用しない状態で前記ピストンがその上限位置に位置するように付勢するダンパー初期高さ復帰手段とを有し、前記作動油連通回路は、前記油圧シリンダの側面を囲み上下端が閉塞した二重管構造を形成する外筒と同油圧シリンダの外周面との間に形成された環状断面空間と、前記下室から同環状断面空間に開口する下室作動油開口と、前記上室から同環状断面空間に開口する上室作動油開口とを備えて構成され、前記ダンパー初期高さ復帰手段は、前記作動油絞り手段と前記上室との間において前記作動油連通回路と連通し内部に作動油と与圧気体を封入したスカベンジタンクを備えて構成され、前記油圧シリンダは前記ピストンの昇降に対する下室の容積変化が上室の容積変化より大きく、前記与圧気体の初期圧力は前記落錘の作用しない状態で前記作動油を介して前記油圧シリンダに作用し前記ピストンをその上限位置に位置させる圧力とし、且つスカベンジタンクは落錘の作用による前記ピストンの下降によって前記油圧シリンダからスカベンジタンクに移動する作動油により前記与圧気体の気体領域が狭められるように構成されてなることを特徴とする落錘衝撃試験機を提供する。
)第の手段として、第の手段の落錘衝撃試験機において、前記作動油絞り手段が前記下室作動油開口によって構成されてなることを特徴とする落錘衝撃試験機を提供する。
)第の手段として、第1または第2の手段の落錘衝撃試験機において、前記作動油絞り手段と前記上室との間において前記作動油連通回路と連通する前記スカベンジタンクの連通部は、前記油圧シリンダの下端内面に当接するための前記下部ピストンロッドの下端から前記ピストンまでの前記下部ピストンロッドの高さよりも大きな大径で前記環状断面空間と接続されていることを特徴とする落錘衝撃試験機を提供する。
)第の手段として、第1ないし第のいずれかの手段の落錘衝撃試験機において、前記与圧気体に直接接する前記作動油の初期作動油面位置が前記作動油連通回路よりも高い位置にあることを特徴とする落錘衝撃試験機を提供する。
(1)特許請求の範囲に記載の請求項1の発明によれば、落錘衝撃試験機を上記第1の手段のように構成したので、特別な操作無しで、落錘の停止手段としてのダンパーは再び初期ダンパー高さに復帰するため、次の落錘衝撃試験の準備された状態となり、従来装置のような落錘の停止手段である緩衝材の交換、再設置が不要となり、落錘衝撃試験の試験コスト的、作業効率的な負担を著しく軽減することができる。
また、請求項の発明によれば、落錘衝撃試験機を上記第の手段のように構成したので、上記の作用効果を奏するとともに、作動油連通回路の構造が一体にまとまったコンパクトな態様にできる。また、請求項の発明のように、スカベンジタンクを接続する場合は、流路抵抗の少ない大径の連通部で接続することが容易となる。
また、請求項1の発明によれば、落錘衝撃試験機を上記第1の手段のように構成したので、上記の作用効果を奏するとともに、ダンピング作用後にダンパーの位置を初期高さに戻す作用を、スカベンジタンク内で昇圧させられた与圧気体の圧力で行なうため、そのつどの加圧操作が不要で、繰り返し操作において損傷、損耗の恐れが少なく、バネのようにダンパーが受ける衝撃力によって徐々にバネの機械的特性に変化を来たす恐れもなく、ダンパーの初期高さ復帰機能がより優れたものとなる。
)請求項の発明によれば、落錘衝撃試験機を上記第の手段のように構成したので、請求項の発明の作用効果を奏するとともに、下室作動油開口の外側には、ダンピング作用時に下室内に発生する高圧が作用せず、作動油連通回路等、落錘衝撃試験機の機械的仕様を軽減することができる。
本発明を実施するための最良の形態として、以下に実施例1と実施例2を説明する。
図1、図2により本発明の実施例1に係る落錘衝撃試験機を説明する。図1は本実施例の模式的な構成説明図であり、図2は本実施例におけるダンパーの模式的な断面説明図である。図1、図2において、従来例を示した図4と同じ部分には同じ符号を付して説明を簡略にし、本実施例において従来例と異なる部分を主に以下説明する。なお、図1は後述の実施例2の説明にも用いる。
図1に模式的な説明図を示すように、本実施例の落錘衝撃試験機10は、図4に示した緩衝材9に代えて、落錘の落下を途中で止めて供試体6の圧縮を制限するダンパー11を、落錘3と供試体6の接触位置Bよりも、圧縮試験範囲高さbだけ下方のダンパー位置Cにその頂部を位置させ、供試体6を囲んで4基、落錘3を四隅で受け止めるように設けたことが異なり、他は図4に示した従来例と同様に構成される。
落錘衝撃試験機10の架構2上には、油圧駆動系を有する加速装置7を設け、加速装置7の油圧ピストン7aの先端に、落錘3の保持、切離しが可能な落錘保持装置8を取付けている。
自動車部品等の供試体6の衝撃試験を行なうには、落錘(ウエイト)3を図示しない適宜の手段で吊り上げ、落錘衝撃試験機10の架構2内の所定の高さ位置Aにストッパ4で位置させ、加速装置7の油圧ピストン7aの先端の落錘保持装置8に保持させる。
その後、加速装置7の油圧駆動系と落錘保持装置8とストッパ4を図示されない制御装置によって制御し、ピストン7aを所定の圧力で下方に加圧し落錘3を押し込むとともに、ストッパ4を開放し(図1中破線)、落錘保持装置8を解除して、所定の初速で落錘3を下方に押し出して、架構2に取り付けた図示しない鉛直方向のスライダに落錘3をガイドさせて図中白抜き矢印のように落下させ、その直下の載置台5上の所定の位置に設置しておいた供試体6に衝突させて、供試体6の状態の検証等を行なう。
落錘3は押し込みによる外力と自重とにより加速して落下し、供試体6に衝突させることができ、落下高さaを短縮でき、かつ、衝突速度の調整も加速装置7の押し出し速度の調整で容易に行なえる。
また、落錘3と供試体6の接触位置Bよりも、圧縮試験範囲高さbだけ下方のダンパー位置C(ダンパー11の初期高さh)に、ダンパー11が頂部を位置させて設置されており(例えば、供試体6を囲んで4基設け、落錘3を4隅で受け止めるようにする)、落下してきた落錘3が供試体6と衝突して図中B位置からC位置までの圧縮試験範囲高さ(供試体6に圧縮を与えて検証しようとする圧縮高さ)bの圧縮がなされた後は、落錘3はダンパー11の頂部と衝突してダンパー11のダンピング作用を受け衝撃の緩和された制動を受けつつ下降し、緩衝距離c下方の落錘停止位置Dで停止する。緩衝距離cは、衝突速度、落錘3の重量、供試体6の大きさ等に対して適切な緩衝が得られるように設定されるが、具体的には、ダンパー11を構成する油圧ピストンのストロークとなる。
ダンパー11は、図2に示すように、油圧シリンダ12と、油圧シリンダ12内を上下に移動するピストン13と下部ピストンロッド14a、上部ピストンロッド14bを有し、下部ピストンロッド14aの下端は最も下降したとき油圧シリンダ12下端内面に当接してピストン13の下降限位置を規定し、上部ピストンロッド14bの上端は上向きに油圧シリンダ12から突出し、キャップ14cを装着している。
油圧シリンダ12内のピストン13の下部は下室12a、上部は上室12bを形成する。ピストン13は最も上昇したとき油圧シリンダ12の上端内面に当接しピストン13の上昇限位置を規定するようになっているが、油圧シリンダ12上限の内周面には拡径部12cが設けられ、ピストン13が上限位置にあるときにも上室12bの空間が維持されるように構成されている。なお、上記拡径部12cに代えて、あるいは加えてピストン13の上端外周面に小径部を設けることによって、ピストン13上限時の上室12bの空間を維持するようにしてもよい。
油圧シリンダ12の下室12a内には、ダンパー初期高さ復帰手段として、落錘3の作用しない状態で、ピストン13およびピストンロッド14a、bを上限位置まで移動させ、そこに位置させておけるように付勢する初期付勢力が設定されたバネ15が設けられている。
また、バネ15は、後述するように、ダンパー11が落下する落錘3を受けて油圧シリンダ12が作動し、そのピストン13が上限位置から下限位置に移動したとき、圧縮され、その圧縮に対する反発力を初期設定付勢力に加えて強め、ピストン13、ピストンロッド14a、bを上限位置に上昇させ、ダンパー初期高さhに復帰させる。
なお、バネは図示のように下室12aに装備されるものに限らず、上室12bあるいは外部に設けてもよく、ピストンロッド14a、bを上限位置に復帰させるものであればよい。また、バネ15は引張側で作用させるものであってもよい。
したがって、ピストン13が上限に位置した時のキャップ14cの頂部位置が上記ダンパー位置C(ダンパー11の初期高さh)となり、ピストン13が下降限位置にある時のキャップ14cの頂部位置が上記落錘停止位置Dとなる。
また、油圧シリンダ12の下室12aには下室作動油開口16aが、上室12bには上室作動油開口16bが設けられ、相互に連通管路16cで連通する作動油連通回路を形成しており、連通管路16cには作動油絞り手段として絞り弁16dが介装されている。
この作動油絞り手段は、ピストン13が急激に下降しようとしたときに、下室12aから上室12bへの作動油mの移動量を制限してピストンロッド14a、bにダンピング作用を与えるものであり、上記作動油連通回路に設ければよく、連通管路16cに介装した絞り弁16dに限らず、下室作動油開口16aを絞り作用を与える程度の狭めた開口径に形成したものでもよい。また、連通管路16cは一般的な管路の形でなく油圧シリンダ12を囲み上下端が閉塞した二重管の形で形成されても良い。ただし、作動油連通回路を本実施例1のように構成すれば、油圧シリンダ12に特別な構造を要さず簡易に構成できる。また、作動油絞り手段を本実施例1のように絞り弁16cで構成すれば、作動油絞り手段を簡易に取付けられる。
また、下室12aはピストン13下降時に油圧シリンダ12の内径に従う作動油mを排出するが、上室12aは常時上部ピストンロッド14bが存在し受け入れる作動油はそれより少なく、余剰の作動油が生じる。また、逆工程ではその逆が生じる。
すなわち、ピストン13、ピストンロッド14a、bの昇降に対する下室12a、上室12bの容積変化が異なり、下室12aの容積変化量が大きい。そこで、上記の作動油絞り手段と上室作動油開口16bとの間には作動油溜め17が接続されており、ピストン13の移動による下室12aと上室12bの作動油量の合計量の変動をカバーしている。
上記のような本実施例の落錘衝撃試験機10においては、落錘3が落下し、供試体6に所定の圧縮試験範囲高さbの圧縮がなされた後は、図2中白抜き矢印のようにダンパー位置C(ダンパー11の初期高さh)において落錘3はダンパー11の上部ピストンロッド14bの頂部のキャップ14cと衝突する。そのため、ピストン13が白抜き矢印のように急激に下降し油圧シリンダ12内の作動油mが下室12aから上室12bへ、下室作動油開口16a、連通管路16c、上室作動油開口16bからなる作動油連通回路を通り移動しようとするが、作動油絞り手段としての絞り弁16dにより流量が絞られ、ピストンロッド14a、bの下降動作にダンピング作用を与える。このとき、下室12aから排出される作動油mのうち上室12bに移動した余剰は作動油溜め17へ送り込まれる。
したがって、落錘3はダンパー11によって緩衝された制動を受け、緩衝距離cにおいて過度な衝撃を避けて急速に制動されて、最終的には落錘停止位置Dに停止する。
その間、下室12a内のバネ15は図2中2点鎖線で示すように下降するピストン13により圧縮を受けるが、試験後、落錘3が引き上げられると、バネ15は初期設定の付勢力に圧縮に対する反発力を加えてピストン13を上方に押し上げ、上部ピストンロッド14bのキャップ14cの頂部がダンパー位置Cになるように戻る。このとき、ピストン13の上昇によって下室12aに戻る作動油mのうち、上室12bから移動する作動油では不足する分は作動油溜め17から下室12aに移動する。
そのため、特別な操作無しで、ダンパー11は再び初期ダンパー高さhに復帰するので、次の落錘衝撃試験の準備された状態となり、上述した従来装置のような緩衝材9の交換、再設置が不要となり、落錘衝撃試験の試験コスト的、作業効率的な負担を著しく軽減することができる。特に本実施例においては、ダンパー初期高さ復帰手段としてバネ15を用いているので、装置構成を簡易にできる。
次に、図1、図3により本発明の実施例2に係る落錘衝撃試験機を説明する。図1は本実施例の模式的な構成説明図であり、図3は本実施例におけるダンパーの断面説明図である。図3において、実施例1を示した図2と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、本実施例において実施例1と異なる部分を主に以下説明する。
図1に模式的な説明図を示すように、本実施例の落錘衝撃試験機20は、図1、図2に示したダンパー11に代えて、ダンパー21を設けたことが異なり、他は図1、図2に示した実施例1と同様に構成される。
図1に示すように、本実施例の落錘衝撃試験機20は、実施例1と同様に、架構2上には、油圧駆動系を有する加速装置7を設け、加速装置7の油圧ピストン7aの先端に、落錘3の保持、切離しが可能な落錘保持装置8を取付けている。
自動車部品等の供試体6の衝撃試験は落錘3を用いて同様に行なわれる。
本実施例のダンパー21も、落錘3と供試体6の接触位置Bよりも、圧縮試験範囲高さbだけ下方のダンパー位置C(ダンパー21の初期高さh)に、ダンパー21が頂部を位置させて設置されており(例えば、供試体6を囲んで4基設け、落錘3を4隅で受け止めるようにする)、図中白抜き矢印のように落下してきた落錘3が供試体6と衝突して図中B位置からC位置までの圧縮試験範囲高さbの圧縮がなされた後は、図3中白抜き矢印のように落錘3はダンパー21の頂部と衝突してダンパー21のダンピング作用を受け衝撃の緩和された制動を受けつつ下降し、緩衝距離c下方の落錘停止位置Dで停止する。緩衝距離cは、衝突速度、落錘3の重量、供試体6の大きさ等に対して適切な緩衝が得られるように設定されるが、具体的には、ダンパー21を構成する油圧ピストンのストロークとなる。
ダンパー21は、図3に示すように、油圧シリンダ22と、油圧シリンダ22内を上下に移動するピストン23と下部ピストンロッド24a、上部ピストンロッド24bを有し、下部ピストンロッド24aの下端は最も下降したとき油圧シリンダ22の下端内面に当接してピストン23の下降限位置を規定し、上部ピストンロッド24bの上端は上向きに油圧シリンダ22から突出し、キャップ24cを装着している。
油圧シリンダ22内のピストン23の下部は下室22a、上部は上室22bを形成する。ピストン23は最も上昇したとき油圧シリンダ22に上端内面に当接しピストン23の上昇限位置を規定するようになっているが、油圧シリンダ22上限の内周面には拡径部22cが設けられ、ピストン23が上限位置にあるときにも上室22bの空間が維持されるように構成されている。なお、上記拡径部22cに代えて、あるいは加えてピストン23の上端外周面に小径部を設けることによって、ピストン23上限時の上室22bの空間を維持するようにしてもよい。
したがって、ピストン23が上限に位置する時のキャップ24cの頂部位置が上記ダンパー位置C(ダンパー21の初期高さh)となり、ピストン23が下降限位置にある時のキャップ24cの頂部位置が上記落錘停止位置Dとなる。
油圧シリンダ22には、その側面を囲み上下端が閉塞した二重管構造を形成する外筒28が取付けられており、油圧シリンダ22外周面と外筒28の間に環状断面空間26cが形成されている。油圧シリンダ22の側部には下室22aと環状断面空間26cとを連通する下室作動油開口26aが、上室22bと環状断面空間26cを連通する上室作動油開口26bが設けられている。
また、下室作動油開口26aは、ピストン23が白抜き矢印のように急激に下降しようとしたときに、下室22aから環状断面空間26cへの作動油mの移動量を制限してピストンロッド24a、bにダンピング作用を与えるように、その開口径が設定されている。また、複数箇所設けられ、ピストン23が下降するに従って連通する下室作動油開口26aの数をピストン23によって減じてダンピング作用を増加するように配置されることが好ましい。
したがって、油圧シリンダ22の下室22aは、下室作動油開口26a、環状断面空間26c、上室作動油開口26bが形成する作動油連通回路で連通しており、下室作動油開口26aは作動油絞り手段として機能する。
なお、作動油絞り手段は、ピストン23が急激に下降しようとしたときに、作動油mが下室22aから環状断面空間26cへの移動量を制限してピストンロッド24a、bにダンピング作用を与えるものであり、上記作動油連通回路に設ければよく、上記二重管構造による環状断面空間26cに代えて、実施例1に示したような連通管路16cを設けて下室作動油開口26aと上室作動油開口26bを連通させた場合には、作動油絞り手段として適宜な絞り弁16dを連通管路16cに介装しても良い。
また、実施例1で述べたように、下室22aはピストン23下降時に油圧シリンダ22内径に従う作動油mを排出するが、上室22bは常時上部ピストンロッド24bが存在し受け入れる作動油mはそれより少なく、余剰の作動油mが生じる。また、逆工程ではその逆が生じる。
すなわち、ピストン23、ピストンロッド24a、bの昇降に対する下室22a、上室22bの容積変化が異なり、下室22aの容積変化量が大きい。そこで、実施例1ではピストン13の移動による下室12aと上室12bの作動油量の合計量の変動をカバーするため、作動油絞り手段と上室作動油開口16bとの間に作動油溜め17を接続しているが、本実施例では、作動油絞り手段としての下室作動油開口26aと上室作動油開口26bとの間を接続する環状断面空間26cに、スカベンジタンク30を連通して設けている。
スカベンジタンク30は、ダンパー初期高さ復帰手段として機能するものであり、環状断面空間26cと流路抵抗の少ない大径の連通部30aで接続し、連通部30aを介して油圧タンク内と移動しあう作動油mが充填され、作動油mの液面の上部には所定の圧力(例えば5気圧)の与圧気体n(空気、または希ガス)が封入された密閉タンクである。
与圧気体の圧力は、スカベンジタンク30内の作動油mを介して油圧シリンダ22内に作用するが、ピストン23の下室22a側は油圧シリンダ22全径が受圧面であり、上室22b側は上部ピストンロッド24bを除く面が受圧面のため、圧力差によってピストン23を上方に付勢する。そこで、与圧気体の圧力は、落錘3の作用しない状態で、ピストン23とピストンロッド24a、bをその上限位置に移動させ、位置させておける圧力に設定されている。
また、スカベンジタンク30は、ダンパー21が落下する落錘3を受けて停止させるとき、油圧シリンダ22が作動し、そのピストン23が上限位置から下限位置に下降したとき、下室22aから上室22bへ移動する作動油mの余剰量を受け入れるものであり、油圧シリンダ22からスカベンジタンク30への作動油mの移動によるスカベンジタンク30内の作動油液面の上昇(図3中、位置Eから位置Fへの上昇)によって、密封された与圧気体nの気体領域31を狭め、その結果として、与圧気体nの圧力を高める構成となっている。
上記のような本実施例の落錘衝撃試験機20においては、落錘3が落下し、供試体6に所定の圧縮試験範囲高さbの圧縮がなされた後は、図3中白抜き矢印のようにダンパー位置C(ダンパー21の初期高さh)において落錘3はダンパー21の上部ピストンロッド24bの頂部のキャップ24cと衝突する。
そのため、ピストン23が急激に下降し油圧シリンダ22内の作動油mが下室22aから上室22bへ、下室作動油開口26a、環状断面空間26c、上室作動油開口26bからなる作動油連通回路を通り移動しようとするが、作動油絞り手段としての下室作動油開口26aにより流量が絞られ、ピストンロッド24a、bの下降動作にダンピング作用を与える。
したがって、落錘3はダンパー21によって緩衝された制動を受け、緩衝距離cにおいて過度な衝撃を避けて急速に制動され、最終的には落錘停止位置Dに停止する。
このとき、下室22aから排出される作動油mのうち上室22bに移動した余剰はスカベンジタンク30へ送り込まれ、スカベンジタンク30内の作動油面は、図3に示すように、初期油面位置Eから、最大油面位置Fまで、高さeだけ上昇し、その分、上部の気体領域31を狭め、与圧気体nの圧力が上昇する(例えば初期5気圧だったものが8〜10気圧へと上昇)。
試験後、落錘3が引き上げられると、スカベンジタンク30内の作動油mは、昇圧された与圧気体nの圧力により、連通部30a、環状断面空間26cを経由し、下室作動油開口26aから油圧シリンダ22の下室22aへと、また、上室作動油開口26bから上室22bへと押し戻されるが、下室22aは油圧シリンダ22全径が受圧面であり、上室22bは上部ピストンロッド24bを除く面が受圧面のため、圧力差によってピストン23は上昇し、油圧シリンダ22の上限位置で停止し、上部ピストンロッド24bのキャップ24cの頂部がダンパー位置Cになるように戻る。
そのため、特別な操作無しで、ダンパー21は再び初期ダンパー高さhに復帰するので、次の落錘衝撃試験の準備された状態となり、上述した従来装置のような緩衝材9の交換、再設置が不要となり、落錘衝撃試験の試験コスト的、作業効率的な負担を著しく軽減することができる。
特に本実施例は、ダンパー21の位置を初期状態に戻す作用を、スカベンジタンク30内で昇圧させられた与圧気体nの圧力で行なうため、そのつどの加圧操作が不要で、繰り返し操作において損傷、損耗の恐れが少なく、実施例1の場合のようにバネ15でダンパー11を初期の状態に戻す機構の場合は、ダンパー11が受ける衝撃力によっては、徐々にバネ15の機械的特性に変化を来たし、ピストンロッド14a、bを初期の高さh(位置C)に戻せなくなり、いずれバネ15の交換を要する懸念があったが、実施例2の場合はそのような恐れがなく、ダンパー21の初期状態復帰機能がより優れたものとなる。
また、スカベンジタンク30は環状断面空間26cと流路抵抗の少ない大径の連通部30aで接続しているため、接続部での圧力差は実質的に無く、ダンピング作用時、及び初期状態復帰時の作動油mの移動に支障が無い。
そして、下室作動油開口26aを作動油絞り手段としたので、ダンピング作用時に下室22a内に発生する高圧がその外側には作用せず、下室作動油開口26aの外側となる作動油連通回路等、落錘衝撃試験機の機械的仕様を軽減することができる。本実施例の場合は、環状断面空間26c、スカベンジタンク30には、初期気体圧からダンピング時の作動油流入による昇圧まで(例えば上述した例では、5気圧程度より、8〜10気圧程度への昇圧まで)に耐える強度でよいので、機械的衝撃が緩和され落錘衝撃試験機の機械的仕様を軽減することができる。
なお、実施例2において、作動油連通回路として上述のような外筒28による二重管構造をとらず、実施例1のように連通管路16cを設けて、作動油絞り手段として適宜な絞り弁16dを連通管路16cに介装する場合は、絞り弁16dと上室作動油開口26bとの間の連通管路16cにスカベンジタンク30を接続すればよい。ただし、本実施例2のように作動油連通回路として外筒28による二重管構造をとれば、作動油連通回路の構造が一体にまとまったコンパクトな態様にでき、また、スカベンジタンク30と流路抵抗の少ない大径の連通部30aで接続することが容易となる。
以上、本発明を図示の実施例について説明したが、本発明は上記の実施例に限定されず、本発明の範囲内でその具体的構造、構成に種々の変更を加えてよいことはいうまでもない。
たとえば、上記両実施例は、加速装置7を設けて落錘3を押し出す落錘衝撃試験機を例に説明したが、本発明は加速装置7を備えない自然落下による落錘衝撃試験機においても同様に用いることができることは言うまでも無い。
本発明の実施例1および実施例2に係る落錘衝撃試験機の模式的な構成説明図である。 実施例1におけるダンパーの模式的な断面説明図である 実施例2におけるダンパーの断面説明図である。 従来の落錘衝撃試験機の模式的な構成説明図である。
符号の説明
1 落錘衝撃試験機
2 架構
3 落錘
4 ストッパ
5 載置台
6 供試体
7 加速装置
7a 油圧ピストン
8 落錘保持装置
9 緩衝材
10 落錘衝撃試験機
11 ダンパー
12 油圧シリンダ
12a 下室
12b 上室
12c 拡径部
13 ピストン
14a 下部ピストンロッド
14b 上部ピストンロッド
14c キャップ
15 バネ
16a 下室作動油開口
16b 上室作動油開口
16c 連通管路
16d 絞り弁
17 作動油溜め
20 落錘衝撃試験機
21 ダンパー
22 油圧シリンダ
22a 下室
22b 上室
22c 拡径部
23 ピストン
24a 下部ピストンロッド
24b 上部ピストンロッド
24c キャップ
26a 下室作動油開口
26b 上室作動油開口
26c 環状断面空間
28 外筒
30 スカベンジタンク
30a 連通部
31 気体領域

Claims (4)

  1. 落錘により供試体の衝撃試験を行なう落錘衝撃試験機において、落下する前記落錘を途中で止めて前記供試体の圧縮を制限するダンパーを具備し、同ダンパーは、ピストンと、前記ピストンの上側の上室と下側の下室とに作動油を充填した油圧シリンダと、前記油圧シリンダから上向きに突出する上部ピストンロッドと、前記油圧シリンダの下端内面に当接して前記ピストンの下降限位置を規定する下部ピストンロッドと、前記下室と前記上室との間を前記作動油が移動可能に連通する作動油連通回路と、同作動油連通回路の作動油の移動量を制限する作動油絞り手段と、前記落錘の作用しない状態で前記ピストンがその上限位置に位置するように付勢するダンパー初期高さ復帰手段とを有し
    前記作動油連通回路は、前記油圧シリンダの側面を囲み上下端が閉塞した二重管構造を形成する外筒と同油圧シリンダの外周面との間に形成された環状断面空間と、前記下室から同環状断面空間に開口する下室作動油開口と、前記上室から同環状断面空間に開口する上室作動油開口とを備えて構成され、
    前記ダンパー初期高さ復帰手段は、前記作動油絞り手段と前記上室との間において前記作動油連通回路と連通し内部に作動油と与圧気体を封入したスカベンジタンクを備えて構成され、前記油圧シリンダは前記ピストンの昇降に対する下室の容積変化が上室の容積変化より大きく、前記与圧気体の初期圧力は前記落錘の作用しない状態で前記作動油を介して前記油圧シリンダに作用し前記ピストンをその上限位置に位置させる圧力とし、且つスカベンジタンクは落錘の作用による前記ピストンの下降によって前記油圧シリンダからスカベンジタンクに移動する作動油により前記与圧気体の気体領域が狭められるように構成されてなることを特徴とする落錘衝撃試験機。
  2. 請求項に記載の落錘衝撃試験機において、前記作動油絞り手段が前記下室作動油開口によって構成されてなることを特徴とする落錘衝撃試験機。
  3. 請求項1または請求項2に記載の落錘衝撃試験機において、前記作動油絞り手段と前記上室との間において前記作動油連通回路と連通する前記スカベンジタンクの連通部は、前記油圧シリンダの下端内面に当接するための前記下部ピストンロッドの下端から前記ピストンまでの前記下部ピストンロッドの高さよりも大きな大径で前記環状断面空間と接続されていることを特徴とする落錘衝撃試験機。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の落錘衝撃試験機において、前記与圧気体に直接接する前記作動油の初期作動油面位置が前記作動油連通回路よりも高い位置にあることを特徴とする落錘衝撃試験機。
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